JP4346701B2 - エバネッセント光を用いた露光方法 - Google Patents

エバネッセント光を用いた露光方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は微細加工用の露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリの大容量化やCPUプロセッサの高速化・大集積化の進展とともに、光リソグラフィーのさらなる微細化は必要不可欠のものとなっている。一般に光リソグラフィー装置における微細加工限界は、用いる光の波長程度である。このため、光リソグラフィー装置に用いる光の短波長化が進み、現在は近紫外線レーザーが用いられ、0.1μm程度の微細加工が可能となっている。
【0003】
このように微細化が進む光リソグラフィーであるが、0.1μm以下の微細加工を行なうためには、レーザーのさらなる短波長化、その波長域でのレンズ開発等解決しなければならない課題も多い。
【0004】
一方、光による0.1μm以下の微細加工を可能にする手段として、近接場光学顕微鏡(以下SNOMと略す)の構成を用いた微細加工装置が提案されている。例えば、100nm以下の大きさの微小開口から滲み出るエバネッセント光を用いてレジストに対し、光波長限界を越える局所的な露光を行なう装置である。
しかしながら、これらのSNOM構成のリソグラフィー装置では、いずれも1本(または数本)の加工プローブで一筆書きのように微細加工を行なっていく構成であるため、あまりスループットが向上しないという問題点を有していた。
【0005】
これを解決する一つの方法として、光マスクに対してプリズムを設け、全反射の角度で光を入射させ、全反射面から滲み出るエバネッセント光を用いて光マスクのパターンをレジストに対して一括して転写するという提案がなされている(特開平08−179493号)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開平08−179493号に記載のプリズムを用いたエバネッセント光による一括露光装置では、プリズム・マスクとレジスト面との間隔を100nm以下に設定することが重要である。しかしながら、実際はプリズム・マスクや基板の面精度に限界があり、プリズム・マスク面全面にわたってレジスト面との間隔を100nm以下に設定することが難しい。また、プリズム・マスクと基板との位置合わせに際し、少しでも傾きがあると、やはり、プリズム・マスク面全面にわたってレジスト面との間隔を100nm以下に設定することが難しい。
【0007】
この状態で、プリズム・マスクをレジスト面に無理に押し付けて密着させようとすると、基板に変形が生じて露光パターンにむらが生じたり、プリズム・マスクによりレジストが部分的に押しつぶされてしまったりするという問題点があった。
【0008】
そこで、マスクを弾性体で構成し、レジスト面形状に対してならうようにマスクを弾性変形させることにより、マスク全面をレジスト面に密着させる方法が考えられる。
【0009】
この方法では、レジスト面上のより細かい構造にまでマスク面を密着させるためにはマスクをより薄くすることが望ましく、レジスト面にマスク面を密着させて露光を行なった後にレジスト面からマスクを剥離させる場合に、レジスト面に対するマスク面の吸着力のためにマスクが破壊してしまったり、レジスト側に吸着してしまうためにマスクパターンを形成する部材がマスク母材から剥がれてしまうことがあり、これが歩留まりを低下させる要因となる可能性があった。
【0010】
本発明は前記のような問題点を解決したエバネッセント光露光用マスク、被露光物及びこれらを用いた露光方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は以下の手段により達成される。すなわち、本発明の露光方法は、微小開口を備えた露光用マスクと、被露光基板と、を接触させた状態で、前記露光用マスクに光を照射し、前記微小開口から滲み出るエバネッセント光により前記被露光基板を露光し、該露光後に前記露光用マスクを前記被露光基板より剥離するエバネッセント光を用いた露光方法であって、
厚さが0.1μm以上100μm以下の範囲にあるマスク母材と、該マスク母材上に設けた厚さが10nm以上100nm以下の範囲にある金属薄膜と、を有する弾性体で構成された弾性変形可能な露光用マスクと前記被露光物との間に吸着防止膜を存在させた状態で、前記露光用マスクに圧力を加えてこれを撓ませ、該露光用マスクの表面を前記被露光基板の表面にならわせた状態で前記露光を行なうことを特徴とするエバネッセント光を用いた露光方法である。
【0012】
本発明は更に、おもて面に微小開口パターンを有するマスクのおもて面を被露光物に対向して配置し、該マスク裏面から光を照射し、該微小開口パターンから滲み出るエバネッセント光により、該被露光物に該微小開口パターンの露光・転写を行うエバネッセント光露光装置であって、該マスクおもて面の最表面と該被露光物の最表面との間に吸着防止手段を有することを特徴とするエバネッセント光露光装置を提案するものである。
【0013】
本発明によれば被露光物からエバネッセント光露光用マスクを剥離する際に被露光物に対するエバネッセント光露光用マスクの吸着力を低減することができ、エバネッセント光露光用マスクが被露光物レジスト面に吸着することを回避することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面を参照して詳細に説明する。
【0015】
図1は、本発明の方法に用いるエバネッセント光露光用マスクを用いた露光装置の構成を表す図面である。
【0016】
図1において、106は露光用のマスクとして用いるエバネッセント光露光マスクである。エバネッセント光露光マスク106は、マスク母材116、金属薄膜112、吸着防止薄膜A110から構成されている。マスク母材116上に金属薄膜112が設けられており、金属薄膜112には微小開口パターン113が形成されている。さらに、金属薄膜112全面を覆うように吸着防止薄膜A110が形成されている。
【0017】
エバネッセント光露光用マスク106のおもて面(図1では下側)は圧力調整容器105外に、裏面(図1では上側)は圧力調整容器105内に面するように配置されている。圧力調整容器105は内部の圧力を調整することができるようになっている。
【0018】
被露光物として、基板108の表面にレジスト107を形成し、さらにその上部にレジスト107全面を覆うように吸着防止薄膜B109を形成する。ここで、吸着防止薄膜A110の表面と吸着防止薄膜B109の表面とは、親水性・疎水性の親和性に関して互いに異なる性質のものとなるようにする。吸着防止薄膜B109/レジスト107/基板108をステージ111上に取り付け、ステージ111を駆動することにより、エバネッセント光露光用マスク106に対する基板108のマスク面内2次元方向の相対位置合わせを行う。次に、マスク面法線方向にステージ111を駆動し、エバネッセント光露光用マスク106のおもて面と基板108上のレジスト107面とが吸着防止薄膜A110、B109を介して、それらの間隔が全面にわたって100nm以下になるように両者を密着させる。
【0019】
この後、露光用のレーザー101から出射されるレーザー光102をコリメーターレンズ103で平行光にした後、ガラス窓104を通し、圧力調整容器105内に導入し、圧力調整容器105内に配置されたエバネッセント光露光用マスク106に対して裏面(図1では上側)から照射し、エバネッセント光露光用マスク106おもて面のマスク母材116上の金属薄膜112に形成された微小開口パターン113から滲み出すエバネッセント光でレジスト107の露光を行う。
【0020】
ここで、図2を用い、エバネッセント光による露光の原理を説明する。
【0021】
図2において、エバネッセント光露光用マスク208を構成するマスク母材201に入射したレーザー光202は、金属薄膜203に形成された微小開口パターン204を照射する。ここで、微小開口パターン204の大きさ(幅)は、レーザー光202の波長に比べて小さく、100nm以下である。
【0022】
通常、波長より小さい大きさの開口を光が透過することはないが、開口の近傍にはエバネッセント光205と呼ばれる光がわずかに滲み出している。この光は、開口から約100nmの距離以下の近傍にのみ存在する非伝搬光であり、開口から離れるとその強度が急激に減少する性質のものである。
【0023】
そこで、このエバネッセント光205が滲み出している微小開口パターン204に対して、レジスト206を100nm以下の距離にまで近づける。すると、このエバネッセント光205が吸着防止薄膜A209、B210及びレジスト206中で散乱し、レジスト206を露光する。
【0024】
ここで、吸着防止薄膜A209、B210、レジスト206膜厚が十分薄ければ、レジスト206中でエバネッセント光の散乱は面内(横)方向にあまり広がることなく、レーザー光202の波長より小さい大きさの微小開口パターン204に応じた微小パターンをレジストに露光・転写することができる。
【0025】
このようにエバネッセント光による露光を行なった後は、通常のプロセスを用いて基板207の加工を行う。例えば、レジストを現像した後、エッチングを行うことにより、基板207に対して上述の微小開口パターン204に応じた微小パターンを形成する。
【0026】
次に、エバネッセント光露光用マスクとレジスト/基板の密着方法の詳細について図1を用いて説明する。
【0027】
エバネッセント光露光用マスク106のおもて面と基板108上のレジスト107面がともに完全に平坦であれば、全面にわたって両者を密着させることが可能である。しかしながら、実際には、マスク面やレジスト/基板面に凹凸やうねりが存在するので、両者を近づけ、接触させただけでは、密着している部分と非密着部分が混在する状態になってしまう。
【0028】
そこで、エバネッセント光露光用マスク106の裏面からおもて面方向に向かって圧力を印加することにより、エバネッセント光露光用マスク106に弾性変形による撓みを生じさせ、レジスト107/基板108へ押し付けるようにすることにより、全面にわたって密着させることができる。
【0029】
このような圧力を印加する方法として、図1に示したように、エバネッセント光露光用マスク106のおもて面を圧力調整容器105外側に面するように、裏面を圧力調整容器105内側に面するように配置させ、圧力調整容器内に液体または気体を導入し、圧力調整容器105内が外気圧より高い圧力になるようにする。
【0030】
本実施例では、圧力調整容器105の内部をレーザー光102に対して透明な液体118で満たす。さらに、圧力調整容器105は、シリンダー114に接続されている。ピストン117をピストン駆動モーター115で駆動することにより、圧力調整容器105内部の液体118の圧力を調整することができるようになっている。
【0031】
図1の下方向にピストン117を駆動し、液体118の圧力を増大させ、エバネッセント光露光用マスク106のおもて面と基板108上のレジスト107面とを吸着防止薄膜A110、B109を介して全面にわたって均一な圧力で密着させる。
【0032】
このような方法で圧力の印加を行うと、パスカルの原理により、エバネッセント光マスク106のおもて面と基板108上のレジスト107面との間に作用する斥力が均一になる。このため、エバネッセント光露光用マスク106や基板108上のレジスト107面に対し、局所的に大きな力が加わったりすることがなく、エバネッセント光露光用マスク106や基板108、レジスト107が局所的に破壊されたりすることがなくなるという効果を有する。
【0033】
このとき、圧力調整容器105内の圧力を調整することにより、エバネッセント光露光用マスク106とレジスト107/基板108との間に働かせる押し付け力、すなわち、両者間の密着力を制御することができる。例えば、マスク面やレジスト/基板面の凹凸やうねりがやや大きいときには、圧力調整容器内の圧力を高めに設定することにより、密着力を増大させ、凹凸やうねりによるマスク面とレジスト/基板面との間の間隔ばらつきをなくすようにすることができる。
【0034】
ここでは、エバネッセント光露光用マスクとレジスト/基板を密着させるために、エバネッセント光露光用マスクの裏面を加圧容器内に配置し、加圧容器内より低い外気圧との圧力差により、エバネッセント光露光用マスクの裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにした例を示したが、逆の構成として、エバネッセント光マスクのおもて面およびレジスト/基板を減圧容器内に配置し、減圧容器内より高い外気圧との圧力差により、エバネッセント光マスクの裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにしても良い。いずれにしても、エバネッセント光マスクのおもて面側に比べ、裏面側が高い圧力となるような圧力差を設けるようにすれば良い。
【0035】
さて、エバネッセント光露光衆力後におけるエバネッセント光露光用マスクとレジスト/基板の剥離に関しては以下のように行う。
【0036】
ピストン駆動モーター115を用いて、ピストン117を図1の上方向に駆動することにより、圧力調整容器105内の圧力を外気圧より小さくし、レジスト107/基板108上の吸着防止薄膜B109面から金属薄膜112/エバネッセント光露光用マスク106上の吸着防止薄膜A110を剥離させる。
【0037】
前述したように、吸着防止薄膜A110の表面と吸着防止薄膜B109の表面とは、親水性・疎水性の親和性に関して互いに異なる性質のものであり、分子レベルで水素結合等の結合力が生じないので、互いになじむことなく大きな吸着力は発生しない。したがって、密着させたレジスト107/基板108とエバネッセント光露光用マスク106を剥離させるとき、吸着防止薄膜A110とB109との間で容易に剥離させられる。
【0038】
このように剥離時における吸着力を低減させることにより、エバネッセント光露光用マスク106のマスク母材116や微小開口パターン113が形成された金属薄膜112、レジスト107や基板108が破壊されることを避けることができる。
【0039】
また、このような方法で圧力の減圧を行ない、レジスト107/基板108からのエバネッセント光露光用マスク106の剥離を行う場合、パスカルの原理により、エバネッセント光露光用マスク106のおもて面と基板108上のレジスト107面との間に作用する引力が均一になる。このため、エバネッセント光露光用マスク106や基板108上のレジスト107面に対し、局所的に大きな力が加わったりすることがなく、エバネッセント光露光マスク106や基板108、レジスト107が剥離時に局所的に破壊されたりすることもなくなるという効果を有する。
【0040】
このとき、圧力調整容器105内の圧力を調整することにより、エバネッセント光露光マスク106とレジスト107/基板108との間に働く引力、すなわち、両者の引っ張り力を制御することができる。例えば、マスク面とレジスト/基板面との間の吸着力が大きいときには、圧力調整容器内の圧力をより低めに設定することにより、引っ張り力を増大させ、剥離しやすくすることができる。
【0041】
前述したように、密着時の圧力印加の装置構成において、図1とは逆の構成として、エバネッセント光露光用マスクのおもて面およびレジスト/基板を減圧容器内に配置し、減圧容器内より高い外気圧との圧力差により、エバネッセント光露光用マスクの裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにした場合は、剥離時には、容器内を外気圧より高い圧力にすればよい。
【0042】
いずれにしても剥離時には、エバネッセント光露光マスクのおもて面側に比べ、裏面側が低い圧力となるような圧力差を設けるようにすれば良い。
【0043】
本発明で用いるエバネッセント光露光用マスクの構成を図3に示す。図3aはマスクのおもて面側から見た図、図3bは断面図である。
【0044】
図3に示すように、エバネッセント光露光用マスクは、0.1〜100μmの膜厚の薄膜からなるマスク母材301上に10〜100nmの膜厚の金属薄膜302を設け、300nm以下の幅の微小開口パターン303を形成し、さらにその上部に吸着防止用に1〜10nm程度の膜厚の吸着防止薄膜A304を形成したものである。
【0045】
マスク母材301の材料としては、Si34 やSiO2 等、マスク面法線方向に弾性変形による撓みを生じることが可能な弾性体からなり、かつ、露光波長において透明なものを選択する。
【0046】
マスク母材301の厚さが薄ければ、より弾性変形しやすく、レジスト/基板表面のより細かな大きさの凹凸やうねりに対してまでならうように弾性変形することが可能であるため、より密着性が増すことになる。しかしながら、露光面積に対して薄過ぎるとマスクとしての強度が不足したり、密着・露光を行った後、剥離させる場合にレジスト/基板との間に作用する吸着力で破壊してしまったりする。
【0047】
以上のことから、マスク母材301の厚さとして、0.1〜100μmの範囲にあることが望ましい。
【0048】
マスク上の微小開口パターンから滲み出すエバネッセント光強度をなるべく大きくするためには、微小開口の(マスク面法線方向の)長さを小さくする必要があり、そのためには、金属薄膜302の膜厚はなるべく薄いことが望ましい。
【0049】
しかしながら、あまり薄いと金属薄膜302が連続膜にならず、微小開口以外のところからも光が漏れてしまう。したがって、金属薄膜302の膜厚としては、10〜100nmが望ましい。
【0050】
また、レジスト/基板に密着する側の金属薄膜302表面が平坦でないと、マスクとレジスト/基板がうまく密着せず、結果として露光むらを生じてしまう。このため、金属薄膜302表面の凹凸の大きさは、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下という極めて平坦なものである必要がある。
【0051】
ここで、微小開口パターンの幅は露光に用いる光の波長より小さく、レジストに対して行う所望のパターン露光幅とする。具体的には、1〜100nmの範囲から選択することが好ましい。微小開口パターンが100nm以上の場合は、本発明の目的とするエバネッセント光ばかりでなく、強度的により大きな直接光がマスクを透過してしまうことになり好ましくない。また、1nm以下の場合は、露光が不可能ではないが、マスクから滲み出すエバネッセント光強度がきわめて小さくなり、露光に長時間を要するのであまり実用的でない。
【0052】
なお、微小開口パターンの幅は100nm以下である必要があるが、長手方向の長さに関しては制限はなく、自由なパターンを選択することができる。例えば、図3aに示したようなカギ型パターンでも良いし、(図示しないが、)S字パターンでも良い。
【0053】
吸着防止薄膜A304としては、表面の親水性・疎水性の親和性に関して後述のレジスト/基板上の吸着防止薄膜Bと逆の性質のものを選択する。
【0054】
例えば、吸着防止薄膜Bの表面が親水性を示す場合、吸着防止薄膜A304の表面は疎水性を示す材料を選択する。一般に表面が疎水性を示す材料としては、分子中に疎水性を示す官能基である一本以上の長鎖アルキル基やトリフルオロ基等を有する材料をそれらの官能基が表面側に来るような状態に分子の配向を制御して成膜すれば良い。また、ポリメタクリレート誘導体やポリアクリレート誘導体等の水に不溶性の高分子化合物を成膜しても良い。
【0055】
逆に、吸着防止薄膜Bの表面が疎水性を示す場合、吸着防止薄膜A304の表面は親水性を示す材料を選択する。一般に表面が親水性を示す材料としては、分子中に親水性を示す官能基であるカルボキシル基や硫酸基(SO3 −)、アミノ基を有する材料をそれらの官能基が表面側に来るような状態に分子の配向を制御して成膜すれば良い。
【0056】
これまでは、金属薄膜302上に吸着防止薄膜A304を成膜する例を挙げて説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものでなく、金属薄膜302表面自身の親水性・疎水性の親和性を利用することも本発明に含まれる。
【0057】
すなわち、金属薄膜302材料として、AuやPt等の表面に酸化膜を作らない材料を選択すると、金属薄膜302の表面は後述の酸化膜を作る金属材料の場合と異なり親水性になりにくく疎水性を示す。このため、レジスト/基板側の吸着防止薄膜Bの表面が親水性を示す材料である場合、金属薄膜302の上側には吸着防止薄膜Aを成膜することなく、そのまま、エバネッセント光露光用マスクとして、本発明で利用するエバネッセント光露光装置に用いることができる。
【0058】
また、金属薄膜302材料として、CrやAl等の大気中で表面に酸化膜を作る材料を選択すると、金属薄膜302の表面は親水性を示す。このため、レジスト/基板側の吸着防止薄膜Bの表面が疎水性を示す材料である場合、金属薄膜302の上側には吸着防止薄膜Aを成膜することなく、そのまま、エバネッセント光露光用マスクとして、本発明で用いるエバネッセント光露光装置に用いることができる。
【0059】
以上説明したように、エバネッセント光露光用マスク上金属薄膜とレジスト/基板との間に逆の親和性の吸着防止薄膜を対にして形成することによりレジスト/基板に対するエバネッセント光露光用マスクの吸着力を低減させることができ、レジスト/基板からエバネッセント光露光用マスクを剥離する際に金属薄膜がレジスト面に吸着しマスク母材から剥がれてしまったり、マスク母材が破壊したりするのを回避することができる。
【0060】
本発明で用いるエバネッセント光露光用マスク作製方法の詳細について図4を用いて説明する。
【0061】
図4aに示すように、両面研磨された厚さ500μmのSi(100)基板401に対し、LP−CVD法を用い、表面(図4中では上面)・裏面(図4中では下面)にそれぞれ、膜厚2μmのマスク母材用のSi34 膜402・エッチング窓用のSi34 膜403を成膜する。その後、表面のSi34 膜402上に、蒸着法により微小開口パターンを形成するための金属薄膜として、Cr薄膜404を膜厚30nm成膜する。
【0062】
次に、表面に電子線用のレジスト405を塗布し、電子線ビーム406で10nm幅の描画パターン407を形成し(図4b)、現像を行った後、CCl4 でドライエッチングを行い、Cr薄膜304に微小開口パターン408を形成する(図4c)。
【0063】
続いて、裏面のSi34 膜403にエッチング用の窓409を形成し(図4c)、Si基板401に対し、KOHを用いて裏面から異方性エッチングを行い、薄膜状のマスク410を形成する(図4d)。
【0064】
続いて、後に詳述するLB(Langmuir Blodgett )法を用い、薄膜状のマスク410のおもて面に吸着防止薄膜A411として、オクタデシルアミンのようなアルキルアミンの単分子膜を成膜し、上面が疎水性を示す面となるようにした後(図4e)、マスク支持部材412に接着し、エバネッセント光露光用マスクとする(図4f)。
【0065】
本実施例では、薄膜状のマスク410のおもて面に、表面の親和性を制御した吸着防止薄膜Aを形成する方法として、LB法を用いた例を示した。
【0066】
LB法は水面上に配向させた有機材料の単分子膜を基板上に累積する超薄膜の作製法であり、この方法によって形成された超薄膜をLB膜と呼ぶ。以下にLB法について説明する。
【0067】
一分子内に飽和・不飽和炭化水素基、縮合多環芳香族基等の疎水性を示す部位と、カルボキシル基、エステル基等の親水性を示す部位とを有する両親媒性有機化合物をクロロホルム、ベンゼン等の溶剤に溶解させる。図5に示す装置を用いて、この溶液を水相501上に展開させる。このとき、有機化合物分子504は水相表面側(下側)に分子中の親水性の部位505を向け、逆側(上側)に疎水性の部位506を向けるように水相(501)表面上で膜状に展開する(図5a)。
【0068】
この展開膜502が水相501上を自由に拡散して広がりすぎないように仕切り板(又は浮子)503を設け、展開膜502の展開面積を制限して有機化合物分子504の集合状態を制御し、その集合状態に対応する表面圧を検知する。仕切り板503を動かすことにより展開面積を縮小して有機化合物分子504の集合状態を制御し、表面圧を徐々に上昇させ、膜の製造に適する値の表面圧に設定することができる(図5b)。この表面圧を維持しながら、図6に示すように表面が清浄で疎水性の基板603を垂直に静かに下降(図6b)、又は下降後上昇(図6c)させることにより有機化合物の単分子膜601またはその累積膜602が基板603上に移し取られる。このような単分子膜601は図8bに模式的に示す如く最表面で親水性部位505を外側(図8では上方)に向け分子が秩序正しく配列した膜である。
【0069】
単分子膜601は以上のように製造されるが、前記の操作を所定の回数繰り返すことにより所定の累積数(=層数)の累積膜が形成される。図8cに最表面で疎水性部位506を外側に向けた累積数2(=2層)の累積膜801の例を示す。
【0070】
また、本実施例に示したように、薄膜状のマスク410のおもて面のCr薄膜304上にLB膜を形成する場合、大気中でCr薄膜304表面には自然酸化膜が形成されているため、表面が親水性を示す。
【0071】
基板603表面が親水性の基板上にLB膜を形成するためには、図7に示すように基板を水相701中に沈めた後、水相701表面上に単分子膜702を形成し(図7a)、基板703を垂直に静かに上昇させることにより(図7b)、有機化合物の単分子膜702を基板703上に移し取る。このような単分子膜701は、図8aに示すように、最表面で疎水性部位506を外側(図8では上方)に向け分子が秩序正しく配列した膜である。
【0072】
また、ここでは図示しないが、LB法による成膜の工程中で、基板が水相中に沈んだ状態で水相上の単分子膜を取り除いて後、基板を引き上げることにより、最表面に親水性部位を外側に向けた膜を形成することができる。
【0073】
以上に示したように、LB膜では有機化合物分子の選択および累積数により最表面の親水性・疎水性の親和性を変化させることができる。
【0074】
上記では薄膜状のマスク410のおもて面に表面の親和性を制御した吸着防止薄膜Aを形成する方法として、LB法を用いた例を示したが、表面の親和性を制御した吸着防止薄膜Aの第2の形成方法として、自己組織化単分子膜(SAM:Self Assemble Monolayer )形成法が挙げられる。
【0075】
SAM形成法は、図9に示すように溶液中で、基板に対して一分子層だけ物理吸着あるいは化学結合することにより基板上に単分子膜を形成する方法である。
【0076】
SAM形成法の具体例は以下のとおりである。薄膜状のマスク410を構成する金属薄膜として、上記のCr薄膜404の代わりにAu薄膜を形成する。図9に示すように、オクタデシルメルカプタンを濃度1mMに溶かしたエタノール溶液902中に、薄膜状のマスク410を基板903として浸潤させ常温で12時間置く。これにより、Au原子とオクタデシルメルカプタン分子中のS原子との間に化学結合905が生じ、Au薄膜904の表面がオクタデシルメルカプタン分子901で覆われる。このとき、オクタデシルメルカプタン分子は疎水性末端であるメチル基を基板に対して反対側に向けて秩序正しく配列した単分子膜を形成するため、基板の最表面が疎水性を示すようにできる。
【0077】
逆に、基板の最表面が親水性を示すようにするためには、分子中に親水性の部位を持つ分子を親水性部位を外側に向けて基板に対して吸着・結合を起こすような基板と分子の組み合わせを選択すれば良い。
【0078】
以上示したように、SAM形成法では分子・基板の組み合わせ・選択により最表面の親水性・疎水性の親和性を変化させることができる。
【0079】
表面の親和性を制御した吸着防止薄膜Aの第3の形成方法として、気相吸着法が挙げられる。
【0080】
気相吸着法は、図10に示すように気相中で、基板に対して物理吸着あるいは化学結合することにより基板上に分子膜を形成する方法である。
【0081】
気相吸着法の具体例は以下のとおりである。薄膜状のマスク410を構成する金属薄膜として、上記のCr薄膜404の代わりにスパッタ法やCVD法を用いて、Au/Si混合薄膜を形成した後、HFによる水素終端化処理を行う。図10に示すように、シランカップリング材料の一つであるヘキサメチルジシラザン1001を入れた容器及び基板1003として薄膜状のマスク410を密閉容器中に入れ、密閉容器内を50℃に温めて12時間置く。これにより、ヘキサメチルジシラザン分子1002が蒸発し、気体となって基板1003上に吸着する。基板1003のAu/Si混合薄膜表面のSi原子とヘキサメチルジシラザン分子中のSi原子との間に化学結合1005が生じ、Au薄膜904の表面がヘキサメチルジシラザン由来のトリメチル基901で覆われる。このとき、疎水性のトリメチル基を基板に対して反対側に向けて秩序正しく配列した分子膜を形成するため、基板の最表面が疎水性を示すようにできる。
【0082】
逆に、基板の最表面が親水性を示すようにするためには、分子中に親水性の部位を持つ分子を親水性部位を外側に向けて基板に対して結合するような基板と分子の組み合わせを選択すれば良い。
【0083】
以上示したように、気相吸着法では分子・基板の組み合わせ・選択により最表面の親水性・疎水性の親和性を変化させることができる。
【0084】
本発明で用いるエバネッセント光露光装置に適用する被加工用の基板108として、Si、GaAs、InP等の半導体基板や、ガラス、石英、BN等絶縁性基板、それらの基板上に金属や酸化物、窒化物等を成膜したものなど広く用いることができる。
【0085】
ただし、本発明で用いるエバネッセント光露光装置では、エバネッセント光露光用マスク106とレジスト107/基板108とを露光領域全域にわたって、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下の間隔になるよう密着させることが重要である。したがって、基板としては、なるべく平坦なものを選択する必要がある。
【0086】
同様に、本発明で用いるレジスト107も表面の凹凸が小さく平坦である必要がある。また、エバネッセント光露光用マスク106から滲み出た光は、マスクから距離が遠ざかるにつれて指数関数的に減衰するため、レジスト107に対して100nm以上の深いところまで露光しにくいこと、及び、散乱されるようにレジスト中に広がり、露光パターン幅を広げることになることを考慮すると、レジスト107の厚さは、少なくとも100nm以下で、さらにできるだけ薄い必要がある。
【0087】
以上から、レジスト材料・コーティング方法として、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下の膜厚であって、かつ、レジスト表面の凹凸の大きさが少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下という極めて平坦なものであるような材料・コーティング方法を用いる必要がある。
【0088】
このような条件をみたすものとして、普通用いられるような光レジスト材料をなるべく粘性が低くなるように溶媒に溶かし、スピンコートで極めて薄くかつ均一厚さになるようコーティングしてもよい。
【0089】
また、他の光レジスト材料コーティング方法として、一分子中に疎水基、親水基官能基を有する両親媒性光レジスト材料分子を水面上に並べた単分子膜を所定の回数、基板上にすくい取ることにより、基板上に単分子膜の累積膜を形成するLB法を用いても良い。
【0090】
また、溶液中や気相中で、基板に対して、一分子層だけ物理吸着あるいは化学結合することにより基板上に光レジスト材料の単分子膜を形成する自己配向単分子膜(SAM)形成法を用いても良い。
【0091】
これらのコーティング方法のうち、後者のLB法やSAM形成法は極めて薄いレジスト膜を均一な厚さで、しかも表面の平坦性よく形成することができるため、本発明で用いるエバネッセント光露光装置にきわめて適した光レジスト材料のコーティング方法である。
【0092】
図11に示すように、基板1101上のレジスト1102に対し、さらに前述のLB法やSAM形成法、気相吸着法を用いて、吸着防止薄膜B1103を成膜し、上面がエバネッセント光露光用マスクのおもて面上に形成された吸着防止薄膜Aの表面の親水性・疎水性の親和性と逆の親和性を示す面となるようにする。
【0093】
例えば、エバネッセント光露光用マスクのおもて面上の吸着防止薄膜Aの最表面が疎水性である場合は、レジスト/基板上の吸着防止薄膜Bの最表面が親水性となるように、吸着防止薄膜Aの最表面が親水性である場合は、吸着防止薄膜Bの最表面が疎水性となるように、対に密着し合う吸着防止薄膜A、Bの最表面が逆の親和性となるように吸着防止薄膜材料を選択すれば良い。
【0094】
これまでは、レジスト1102/基板1101上に吸着防止薄膜B1103を成膜する例を挙げて説明したが、本発明の範囲はこれに限定されるものではなく、レジスト1102表面自身の親水性・疎水性の親和性を利用することも本発明に含まれる。
【0095】
すなわち、例えばRD2000(日立化成社製)のように表面が疎水性を示すレジスト1102を用いた場合、エバネッセント光露光用マスク側の吸着防止薄膜Aの表面が親水性を示す材料であれば、レジスト1102/基板1101上には吸着防止薄膜Bを成膜することなく、そのまま被加工用のレジスト/基板として、本発明で利用するエバネッセント光露光装置に用いることができる。
【0096】
同様に、例えばAZ1500(ヘキスト社製)のように表面が親水性を示すレジスト1102を用いた場合、エバネッセント光露光用マスク側の吸着防止薄膜Aの表面が疎水性を示す材料であれば、レジスト1102/基板1101上には吸着防止薄膜Bを成膜することなく、そのまま被加工用のレジスト/基板として、本発明で利用するエバネッセント光露光装置に用いることができる。
【0097】
エバネッセント光露光においては、露光領域全面にわたりエバネッセント光露光用マスク106とレジスト107/基板108の間隔が100nm以下でしかもばらつきなく一定に保たれている必要がある。
【0098】
このため、エバネッセント光露光に用いる基板としては、他のリソグラフィープロセスを経て、すでに凹凸を有するパターンが形成され、基板表面に100nm以上の凹凸があるものは好ましくない。
【0099】
したがって、エバネッセント光露光には、他のプロセスをあまり経ていない、プロセスの初期の段階のできるだけ平坦な基板が望ましい。したがって、エバネッセント光露光プロセスと他のリソグラフィープロセスを組み合わせる場合も、エバネッセント光露光プロセスをできるだけ、初めに行うようにするのが望ましい。
【0100】
また、図3において、エバネッセント光露光用マスク上の微小開口304から滲み出すエバネッセント光305の強度は、微小開口304の大きさによって異なるので、微小開口の大きさがまちまちであると、レジスト306に対する露光の程度にばらつきが生じてしまい、均一なパターン形成が難しくなる。そこで、これを避けるために、一回のエバネッセント光露光プロセスで用いるエバネッセント光露光用マスク上の金属パターンの微小開口パターンの幅を揃える必要がある。
【0101】
以上の説明では、基板全面に対応するエバネッセント光露光用マスクを用い、基板全面に一括でエバネッセント光露光を行う装置について説明を行った。本発明の概念はこれに限定されるものでなく、基板より小さなエバネッセント光露光用マスクを用い、基板の一部分に対するエバネッセント光露光を行うことを基板上の露光位置を変えて繰り返し行うステップ・アンド・リピート方式の装置としても良い。
【0102】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、微小開口パターンを形成したエバネッセント光露光用マスクの微小開口パターンから滲み出したエバネッセント光で被露光物に露光を行う露光装置を用いる露光方法において、エバネッセント光露光用マスク上金属薄膜とレジスト/基板との間に吸着防止薄膜を対にして形成することにより、被露光物に対するエバネッセント光露光用マスクの吸着力を低減させることができ、エバネッセント光露光用マスクを剥離する際にマスクパターンが被露光物面に吸着しマスク母材から剥がれてしまったり、マスク母材が破壊したりすることを回避することができたため、歩留まりが向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエバネッセント光露光用マスクを用いた露光装置の構成を表す図である。
【図2】エバネッセント光による露光原理の説明図である。
【図3】図3(a)はエバネッセント光露光用マスクの構成を示す上面図であり、図3(b)は図3(a)の断面図である。
【図4】図4(a)〜(f)はエバネッセント光露光用マスク作製方法の工程を示す断面図である。
【図5】図5(a)、(b)はLB法における単分子膜または累積膜の移し取りの工程の初期の段階を示す説明図である。
【図6】図6(a)〜(c)はLB法における単分子膜または累積膜の基板上への移し取り工程を示す説明図である。
【図7】図7(a)、(b)はLB法における単分子膜の親水性基板への移し取りの説明図である。
【図8】図8(a)は疎水性部が上向きに向いた単分子膜の構成を示す説明図であり、図8(b)は親水部が上向きに向いた単分子膜の構成を示す説明図であり、図8(c)は累積膜の構成を示す説明図である。
【図9】SAM形成法の説明図である。
【図10】気相吸着法の説明図である。
【図11】レジスト/基板の構成図である。
【符号の説明】
101 レーザー
102 レーザー光
103 コリメーターレンズ
104 ガラス窓
105 圧力調整容器
106 エバネッセント光露光用マスク
107 レジスト
108 基板
109 吸着防止薄膜B
110 吸着防止薄膜A
111 ステージ
112 金属薄膜
113 微小開口パターン
114 シリンダー
115 ピストン駆動モーター
116 マスク母材
117 ピストン
118 液体
201 マスク母材
202 レーザー光
203 金属薄膜
204 微小開口パターン
205 エバネッセント光
206 レジスト
207 基板
208 エバネッセント光露光用マスク
209 吸着防止薄膜A
210 吸着防止薄膜B
301 マスク母材
302 金属薄膜
303 微小開口パターン
304 吸着防止薄膜A
401 Si基板
402,403 Si34 薄膜
404 Cr薄膜
405 電子線レジスト
406 電子線ビーム
407 描画パターン
408 微小開口パターン
409 エッチング用の窓
410 薄膜状のマスク
411 吸着防止薄膜A
412 マスク支持部材
501 水相
502 展開膜
503 仕切板(又は浮子)
504 有機化合物分子
505 親水性部位
506 疎水性部位
507 単分子膜
601 単分子膜
602 累積膜
603 基板
701 水相
702 単分子膜
703 基板
801 累積膜
901 オクタデシルメルカプタン分子
902 エタノール溶液
903 基板
904 Au薄膜
905 化学結合
1001 ヘキサメチルジシラザン
1002 ヘキサメチルジシラザン分子
1003 基板
1004 Au/Si混合薄膜
1005 化学結合
1101 基板
1102 レジスト
1103 吸着防止薄膜

Claims (2)

  1. 微小開口を備えた露光用マスクと、被露光基板と、を接触させた状態で、前記露光用マスクに光を照射し、前記微小開口から滲み出るエバネッセント光により前記被露光基板を露光し、該露光後に前記露光用マスクを前記被露光基板より剥離するエバネッセント光を用いた露光方法であって、
    厚さが0.1μm以上100μm以下の範囲にあるマスク母材と、該マスク母材上に設けた厚さが10nm以上100nm以下の範囲にある金属薄膜と、を有する弾性体で構成された弾性変形可能な露光用マスクと前記被露光物との間に吸着防止膜を存在させた状態で、前記露光用マスクに圧力を加えてこれを撓ませ、該露光用マスクの表面を前記被露光基板の表面にならわせた状態で前記露光を行なうことを特徴とするエバネッセント光を用いた露光方法。
  2. 前記吸着防止膜として、前記露光用マスクと前記被露光物の一方に親水性の膜を配し、他方に疎水性の膜を配することを特徴とする請求項1に記載のエバネッセント光を用いた露光方法。
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