JP2006108500A - 導電パターンの形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 パターン形成層との間に大きな隙間が生じるのを抑制して高精細のパターンを形成することのできる導電パターンの形成方法を提供する。
【解決手段】 電子線硬化型のパターン形成層2に電子線照射用パターンマスク10を密着させ、パターン形成層2に電子線を照射し、所定の導電パターンを形成する。電子線照射用パターンマスク10を、パターン形成層2に密着するマクス基材11と、マスク基材11に形成される電子線透過領域13と、パターン形成層2に密着するマスク基材11の電子線遮蔽領域12の密着度を高める複数の微粘着層15とから形成し、マスク基材11の表面に補強保持層20を積層する。パターン形成層2に密着する微粘着層15の微粘着効果により、パターン形成層2に電子線遮蔽領域12が密着するので、汎用型の安価な電子線照射装置を使用しても、電子線を遮蔽する領域に電子線が斜め方向から入射することがない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、汎用の電子線照射装置を使用しても高精細の導電パターンを形成することのできる導電パターンの形成方法に関するものである。
従来、導電パターンを形成する場合には、一般的に紫外線照射により硬化(ネガタイプ)あるいは現像液に可溶化する(ポジタイプ)材料を用いて選択的に紫外線照射し、現像することにより導電パターンを形成している。しかしながら、この方法は、紫外線透過性の材料以外に実施するのが困難であり、問題点が少なくない。
そこで係る点に鑑み、材料の選択肢の増大、高精度のパターンの発生が可能、そして処理時間の短縮を図ることのできる電子線を照射して導電パターンを形成する方法が提案されている。この方法に使用する電子線照射用パターンマスクは、直進性の高い平行型の電子線照射装置の使用を前提に、電子線の透過量の異なる2種類の金属箔が貼着されることにより構成される(特許文献1参照)。
特開2002‐23381号公報
従来の電子線照射用パターンマスクは以上のように構成され、平行型の電子線照射装置の使用を前提とするが、この電子線照射装置は専らパターンの形成を目的とする電子線描画装置であり、非常に高価である。したがって、平行型の電子線照射装置を使用する以上、コスト削減を図ることは困難である。
この点に鑑み、放射状に電子線を照射する汎用型の電子線照射装置を使用すると、コスト削減を図ることができるものの、パターン形成層と電子線照射用パターンマスクとの間に大きな隙間が生じ、電子線を遮蔽する領域に電子線が斜め方向から入射することとなる。この結果、ネガタイプの場合にはパターンが広がり、ポジタイプの場合にはパターンが狭まり、高精細のパターンを形成することができないという大きな問題が発生する。
本発明は上記に鑑みなされたもので、パターン形成層との間に大きな隙間が生じるのを抑制して高精細のパターンを形成することのできる導電パターンの形成方法を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、パターン形成層に電子線を照射して導電パターンを形成する方法であって、
電子線硬化型のパターン形成層に対向するマクス基材と、このマスク基材に形成される電子線透過領域と、パターン形成層に対向するマスク基材の電子線遮蔽領域の対向度を高める微粘着層とを備える電子線照射用パターンマスクをパターン形成層に密着、あるいは10μm以下の距離で近接対向させ、電子線を照射することを特徴としている。
なお、パターン形成層に対向するマクス基材の非対向面に、補強保持層を設けることができる。
また、パターン形成層と電子線照射用パターンマスクとの関係を、(パターン形成層の密度×厚み×2)<(電子線照射用パターンマスクの密度×厚み)とすることが好ましい。
さらに、微粘着層の粘着強度を、JIS Z 0237に規定の90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲とすることが好ましい。
ここで、特許請求の範囲におけるマスク基材の電子線遮蔽領域、電子線透過領域、微粘着層の数や形状は、必要に応じて増減変更することができる。
本発明によれば、基材上のパターン形成層にマスク基材の電子線遮蔽領域が密着、あるいは近接対向し、電子線が斜め方向から入射する空間を減少させるので、例え樹脂硬化用の安価な電子線照射装置を使用しても、電子線を遮蔽する領域に電子線が斜め方向から入射することが少ない。
本発明によれば、パターン形成層との間に大きな隙間が生じるのを抑制して高精細のパターンを形成することができるという効果がある。また、紫外線ではなく、電子線を利用するので、例え導電ペーストが高充填フィラーのペーストでもその深部まで硬化させることができる。
また、パターン形成層に対向するマクス基材の非対向面に、補強保持層を設ければ、電子線照射用パターンマスクの耐久性を向上させることができる。
また、パターン形成層と電子線照射用パターンマスクとの関係を、(パターン形成層の密度×厚み×2)<(電子線照射用パターンマスクの密度×厚み)とすれば、電子線の透過を有効に制御することができる。
さらに、微粘着層の粘着強度を、JIS Z 0237に規定の90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲とすれば、パターン形成層にマスク基材の電子線遮蔽領域を適切に密着させることができ、しかも、電子線照射用パターンマスクを簡単に剥がして再使用することが可能になる。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における導電パターンの形成方法は、図1に示すように、基材1上のパターン形成層2に電子線照射用パターンマスク10を密着させ、パターン形成層2に電子線照射装置から電子線を電子線照射用パターンマスク10を介して照射し、所定の導電パターンを形成するようにしている。
基材1は、例えば樹脂、ガラス、セラミック製の平板からなり、その表面に電子線硬化型の導電ペーストがスクリーン印刷等されたり、バーコータを用いて塗布されることにより電子線硬化型のパターン形成層2が積層形成される。
電子線硬化型の導電ペーストは、特に限定されるものではないが、例えば電子線の照射により現像液に対して不溶化する第一のバインダーと、この第一のバインダーの熱分解温度よりも50℃以上熱分解温度の高い耐熱性の第二のバインダーと、平均粒径が0.05〜0.5μmの金属粒子とを含み、平均粒径±0.05μmの範囲に含まれる金属粒子の割合が30質量%以上のペースト等があげられる。この導電ペーストには、増感剤、重合禁止剤、レベリング剤、分散剤、増粘剤、沈殿防止剤等が必要に応じて添加される。
第一のバインダーは、ネガタイプの場合には、スチレン−無水マレイン酸共重合体系のアルカリ可溶性樹脂と架橋性モノマーであるポリエチレングリコールジメタクリレート等が使用され、ポジタイプの場合には、クレゾールノボラックとポリメチルペンテンスルホン等が使用される。また、第二のバインダーとしては、ポリイミド樹脂等があげられ、金属粒子としては、平均粒径が0.3μmの銀粒子等があげられる。
パターン形成層2と電子線照射用パターンマスク10とは、(パターン形成層2の密度×厚み×2)<(電子線照射用パターンマスク10の密度×厚み)の関係とされる。これは、係る関係から逸脱する場合には、電子線の透過を制御することができなくなるからである。
電子線照射用パターンマスク10は、パターン形成層2の表面に密着するマクス基材11と、このマスク基材11に形成される複数の電子線透過領域13と、パターン形成層2に密着するマスク基材11の複数の電子線遮蔽領域12の密着度を高める複数の微粘着層15とから形成され、マスク基材11の表面に、ハンドリング用の補強保持層20が積層される。
複数の電子線遮蔽領域12を含むマスク基材11は、電子線透過率の低い材料を使用して平面矩形に形成される。電子線の透過率は材料の密度と厚さに依存することが知られており、高精細の導電パターンを形成するという観点からはできるだけ薄い材料を用いて電子線照射用パターンマスク10を製造することが望ましいので、密度の大きな金属材料の使用が好ましい。このような金属材料としては、銅、金、白金、銀、鉄、ニッケル、コバルト、鉛及びこれらを含む合金等があげられる。
マスク基材11や電子線遮蔽領域12の厚さは、材質の密度、電子線照射装置、及その加速電圧により決定される。例えば、岩崎電気(株)製の電子線照射装置〔商品名ESC250〕を使用して加速電圧が150kVの場合、厚さ(μm)×密度(g/cm)を220以上、200kVの場合、400以上に設定すれば良い。また、電子線の斜め方向からの入射を抑制するため、形成する導電パターンの最小幅に対して0.5倍以上、好ましくは1倍以上の厚さにするのが良い。
但し、導電パターンの最小幅が50μm以上であれば、特に係る比率とする必要はなく、本実施形態の密着構造で十分に綺麗な導電パターンを得ることができる。マスク基材11や電子線遮蔽領域12の厚さは10〜100μmの範囲とされる。これは、10μm以下の場合には、微粘着層15の粘着が発現しなくなり、100μm以上の場合には、電子線照射用パターンマスク10自体の製造が困難になるからである。
各電子線透過領域13は、マスク基材11に形成された開口からなり、この開口以外の領域が電子線を完全に遮蔽する電子線遮蔽領域12となる。各電子線透過領域13には、低硬度の樹脂14が充填され、この樹脂14のマスク基材接触面(裏面)から露出する露出面が電子線遮蔽領域12に電子線が斜めに入射するのを規制する微粘着性の微粘着層15を形成する。充填される樹脂14は、密度が大き過ぎると、電子線を十分に透過することができなくなるため、3g/cm以下程度の材質が好ましい。
なお、通常の樹脂材料の密度は小さくても、0.8g/cm程度であるが、発泡材料を用いたり、中空フィラーを配合することにより、見かけ密度を0.05g/cm程度とすることも可能である。
樹脂14や微粘着層15は微粘着性を有するが、この微粘着性とは、パターン形成層2に密着保持が可能で、容易に剥離して再度使用可能なレベルをいう。具体的な微粘着層15の粘着強度としては、面積比にもよるが、JIS Z 0237に規定されている90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲が良い。これは、微粘着層15の粘着強度が係る範囲から外れると、パターン形成層2に電子線遮蔽領域12を適切に密着させることや電子線照射用パターンマスク10を簡単に剥離して再使用することが困難になるからである。
このような樹脂14や微粘着層15としては、例えばアクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、熱可塑性エラストマー、シリコーンゴム、フッ素ゴム等があげられる。
上記構成の電子線照射用パターンマスク10を製造する場合には、(1)マスク基材11である金属箔をエッチングして複数の電子線透過領域13をパターン形成し、この各電子線透過領域13に微粘着性の樹脂14を充填して微粘着層15を形成する方法、あるいは(2)図示しない電鋳用基材上にレジストをパターン部のみ形成し、電鋳法により電子線遮蔽領域12を形成する方法が採用される。この場合、マスク基材11の材料は製法に応じて選択される。
補強保持層20は、粘着(層)剤を備えた平面矩形の樹脂フィルムからなり、マスク基材11の非対向面である表面に粘着される。この補強保持層20の材料としては、電子線の透過を妨害しないよう密度が小さく、薄く強靭なポリイミド樹脂やPET樹脂等があげられる。補強保持層20の厚みは20μm以上とされるが、これは、さもないと形状を維持することができないし、ハンドリング性の悪化を招くからである。
補強保持層20と電子線照射用パターンマスク10とは、(補強保持層20の密度×厚み×2)<(電子線照射用パターンマスク10の密度×厚み)の関係とされる。これは、係る関係から逸脱する場合には、電子線の透過を制御することができなくなるからである。
なお、パターン形成層2、電子線照射用パターンマスク10、及びその樹脂14とは、(パターン形成層2の密度×厚み)+(樹脂14の密度×厚み)<(電子線照射用パターンマスク10の密度×厚み)の関係とされる。
上記において、導電パターンを形成する場合には、先ず、基材1の表面に電子線硬化型の導電ペーストをスクリーン印刷等して乾燥させ、所定の厚みを有する電子線硬化型のパターン形成層2を形成する。
次いで、乾燥したパターン形成層2上に電子線照射用パターンマスク10を密着させ、パターン形成層2に電子線照射装置から電子線を電子線照射用パターンマスク10を介し照射する。こうして電子線を照射したら、炭酸ナトリウム水溶液等で現像して所定のパターンを形成し、その後、熱処理と冷却処理を順次施せば、高精細、高解像度の導電パターンを得ることができる。
上記構成によれば、パターン形成層2に密着する微粘着層15の微粘着効果により、パターン形成層2にマスク基材11の電子線遮蔽領域12が密着して隙間を塞ぐので、直進性の低い電子線を照射する汎用型の安価な電子線照射装置を使用しても、電子線を遮蔽する領域に電子線が斜め方向から入射することがなく、高精細、高解像度のパターニングが期待でき、しかも、現像条件管理の緩和も期待できる。
具体的には、優れた生産性と低コストを確保しつつ、線幅20μm以下のファインパターンを容易に得ることができる。したがって、ネガタイプの場合にはパターンが広がり、ポジタイプの場合にはパターンが狭まり、高精細のパターンを形成することができないという大きな問題を確実かつ有効に解消することができる。
また、電子線の到達深度は質量により決定されるので、本実施形態は光を通さない無機フィラー等を高充填しているペーストの厚膜パターニングにきわめて有効である。また、紫外線照射では基材部分まで光線が届かず、現像液に可溶化できないので、ポジタイプのパターニングが不可能であるが、本実施形態では基材部分まで光線が届くので、ポジタイプのパターニングが可能となる。また、低硬度の樹脂14を充填するので、繰り返しの使用が可能になる。さらに、補強保持層20により、島状のパターン等を形成したり、電子線照射用パターンマスク10の耐久性を著しく向上させることができる。
次に、図2は本発明の第2の実施形態を示すもので、この場合には、マスク基材11に複数の開口を形成して電子線透過領域13とし、各電子線透過領域13に樹脂14を充填するとともに、パターン形成層2に接触するマスク基材11の全接触面に、パターン形成層2に密着する微粘着層15を形成するようにしている。
微粘着層15の厚さは、厚すぎると電子線遮蔽領域12にも電子線が斜め方向から入射するので、最小パターン幅の1/5以下とすることが望ましい。逆に、薄すぎると密着保持力が弱くなるおそれがあるので0.1μm以上にするのが良い。その他の部分については、上記実施形態と同様であるので説明を省略する。
本実施形態においても上記実施形態と同様の作用効果が期待でき、微粘着層15の種類の多様化を図ることができる。
なお、上記実施形態ではパターン形成層に電子線照射用パターンマスクを密着させたが、何らこれに限定されるものではなく、10μm以下の距離で近接対向させてもある程度の効果を得ることができる。また、マスク基材11の表面に補強保持層20を積層しても良いが、何らこれに限定されるものではなく、補強保持層20を省略しても良い。
さらに、マスク基材11に複数の開口を形成して電子線透過領域13とし、各電子線透過領域13に、微粘着性の粘着剤とアクリル系樹脂等からなる樹脂14とをそれぞれ充填して接触面側の露出した粘着剤を微粘着層15とするようにしても良い。
以下、本発明に係る導電パターンの形成方法の実施例を比較例と共に説明する。
実施例1
先ず、表1に記載の銀粒子、バインダー1、バインダー2を使用して電子線硬化型の導電ペーストを調製し、この導電ペーストを基材の表面にバーコータを用いて塗布し、この導電ペーストに50℃の熱風を30分加えて乾燥させ、30μmの厚みを有する電子線硬化型のパターン形成層を形成した。
銀粒子は平均粒径0.3μmのタイプを使用し、バインダー1はスチレン−無水マレイン酸共重合体系のアルカリ可溶性樹脂と、架橋性モノマーであるポリエチレングリコールジメタクリレートからなるネガタイプとした。また、バインダー2はポリイミド樹脂〔丸善石油製 商品名BANI−H〕とし、基材は厚さ0.7mmのソーダライムガラスとした。
次いで、図1に示す電子線照射用パターンマスクを製造した。具体的には、表1記載の厚みで、ライン/スペースが15μm/15μm、20μm/20μm、25μm/25μm、30μm/30μm、40μm/40μm、50μm/50μmの箇所がそれぞれ100mm□の中に形成されたパターン領域を有するメタル製の基材を電鋳法で製造した。
次いで、基材に厚さ60μmの補強保持層をラミネータにより貼着し、基材に複数の開口を穿孔して複数の電子線透過領域を形成するとともに、各電子線透過領域にシリコーンゴム〔信越化学製 商品名KE1308〕を充填し、このシリコーンゴムに120℃の熱風を熱風乾燥機により加えて1時間加熱硬化させ、電子線照射用パターンマスクを製造した。補強保持層は、厚さ50μmのPET樹脂フィルムに、厚さ10μmの粘着層を粘着することにより形成した。
次いで、パターン形成層上に電子線照射用パターンマスクを密着させ、パターン形成層に加速電圧175kVの電子線照射装置から電子線を電子線照射用パターンマスクを介し照射した。電子線の照射量は20kGyとした。電子線を照射したら、1.0質量%の炭酸ナトリウム水溶液等で現像して所定のパターンを形成し、熱処理と冷却処理を順次施して完全な導電パターンを形成した。
熱処理と冷却処理は、プログラマブルオーブンに導電パターン付きの基材を入れて室温から昇温スピード10℃/分で昇温し、表1記載の熱処理温度に到達後、その温度で60分間保持し、冷却スピード10℃/分で180℃まで冷却してプログラマブルオーブンから基材を取り出し、その後、室温まで放冷することとした。
導電パターンを形成したら、解像度を評価することとした。解像度は、同一のライン/スペースを有するパターン領域において、断線や短絡のない最小のものを対象とした。
実施例2
基本的には実施例1と同様だが、電子線照射用パターンマスクの厚みが実施例1では30μmなのに対し、60μmとした。
実施例3
基本的には実施例1と同様だが、導電ペーストの容量比やパターン形成層の厚みを変更した。
実施例4
基本的には実施例1と同様だが、導電ペーストのバインダー1をポジタイプとした。具体的には、クレゾールノボラックとポリメチルペンテンスルホンとした。
実施例5
実施例4と同様だが、電子線照射用パターンマスクの厚みを変更した。
実施例6
実施例4と同様だが、導電ペーストの容量比やパターン形成層の厚みを変更した。
比較例1
実施例の電子線照射用パターンマスクをSUS製の枠内に嵌着して比較例用マスクとした。そして、パターン形成層に比較例用マスクを密着させるのではなく、パターン形成層から比較例用マスクにおける電子線照射用パターンマスクの底面の距離で支持させ、パターン形成層と比較例用マスクとの間に10μmのギャップを形成した。その他の部分については、実施例1と同様とした。
なお、導電ペーストのネガタイプのバインダー1、ポジタイプのバインダー1についても、ライン/スペースが同幅のパターンであることから同様のマスクを使用することとした。
比較例2
基本的には比較例1と同様だが、パターン形成層から比較例用マスクまでのギャップと比較例用マスクの厚みを変更した。
比較例3
比較例1と同様だが、導電ペーストのバインダー1をポジタイプとした。
比較例4
比較例3と同様だが、比較例用マスクの厚みを変更した。
Figure 2006108500
結 果
実施例1の場合には、導電パターンの断面が末広がりに台形化したが、解像度としては実用上問題なく、良好な結果を得ることができた。また、ライン/スペースが大きくなるほど、台形の広がりが大きくなる現象を確認した。
実施例2の場合には、電子線照射用パターンマスクの製造が少々不安定化するものの、電子線を遮蔽する効果が大きいので、良好な解像度を得ることができ、形状的にも殆ど導電パターンが台形状に広がらなかった。但し、ライン/スペースが30μm/30μm以上のときには、台形状に広がった。
実施例3の場合には、実施例1よりも銀粒子の含有量を増やして銀粒子の密度×厚みを同様とし、導電ペーストを薄くしてその内部で電子線の広がる距離を抑えるようにしたので、形状的にも殆ど台形化しなかった。解像度は実施例1に比べて良好であったが、導電ペーストの塗布時のレベリングが悪く、平滑面が得られない関係上、部分的な乱れが発生した。
実施例4〜6の場合には、実施例1〜3と同様の評価であるが、ポジタイプのため、上下逆の台形状となった。
上記に対し、比較例1の場合、解像度が20μm/20μm以下になる箇所も存在したが、マスクの平滑性を得ることができず、均一なギャップを確保することが困難な関係上、解像度が20μm/20μmを超える箇所が点在した。
マスクの平滑性を確保するためには、特許文献1のように金属のクラッド箔を使用してマスクを製造すれば良いが、そうすると、製造方法が複雑化することが予想される。また、メタルマスクの支持体として金属を使用するので、密度差も樹脂と比べて小さく、電子線の照射条件の制約が大きいことが予想される。
比較例2の場合、ギャップが大きいので、電子線照射用パターンマスクを通過した電子線が大きく広がり、解像度を20μm/20μm以下にすることはできなかった。
さらに、比較例3、4の場合も、解像度を20μm/20μm以下にすることはできなかった。
本発明に係る導電パターンの形成方法の実施形態を示す断面説明図である。 本発明に係る導電パターンの形成方法の第2の実施形態を示す断面説明図である。
符号の説明
1 基材
2 パターン形成層
10 電子線照射用パターンマスク
11 マスク基材
12 電子線遮蔽領域
13 電子線透過領域
14 樹脂
15 微粘着層
20 補強保持層

Claims (4)

  1. パターン形成層に電子線を照射して導電パターンを形成する導電パターンの形成方法であって、
    電子線硬化型のパターン形成層に対向するマクス基材と、このマスク基材に形成される電子線透過領域と、パターン形成層に対向するマスク基材の電子線遮蔽領域の対向度を高める微粘着層とを備える電子線照射用パターンマスクをパターン形成層に密着、あるいは10μm以下の距離で近接対向させ、電子線を照射することを特徴とする導電パターンの形成方法。
  2. パターン形成層に対向するマクス基材の非対向面に、補強保持層を設ける請求項1記載の導電パターンの形成方法。
  3. パターン形成層と電子線照射用パターンマスクとの関係を、(パターン形成層の密度×厚み×2)<(電子線照射用パターンマスクの密度×厚み)とする請求項1又は2記載の導電パターンの形成方法。
  4. 微粘着層の粘着強度を、JIS Z 0237に規定の90°引き剥がし法による測定値で0.01〜10N/25mmの範囲とする請求項1、2、又は3記載の導電パターンの形成方法。
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