JP4147610B2 - スクリーン印刷版の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
請求項1に記載の発明は、スクリーン印刷に使用されるスクリーン印刷版の製造方法に関するものであり、特にインキ転移率が高く、微細パターンを要求される電子工業部品へのパターン形成のためのスクリーン印刷版の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
まず、スクリーン印刷版に関する従来技術を下記する。
スクリーン印刷によるパターン形成は、形成されるパターンの製版および印刷方法が簡単で、さらに設備費や経費が少なくてすみ、インキ層を厚くかつ微細なパターンを形成できるという利点がある。
このため、従来より、通常の商業印刷物以外に、レジストエッチング方式による回路形成、導電性インキを用いた回路形成および受動素子形成など、電子工業の分野で広範囲に利用されている。
【0003】
スクリーン印刷で使用されるスクリーン版の作成方法には、版枠に張られたステンレス鋼線や合成繊維の紗(メッシュ)に、感光性樹脂を用いて、パターン部となる開口部と版膜により非パターン部となる非開口部を設けてステンシルとする方法と、金属の薄板にパターン部のみをエッチング等によって開口部を形成してステンシルとする方法などがある。
【0004】
スクリーン版に対する要求特性には、耐刷性、寸法安定性、耐有機溶剤性、耐水性、耐酸性、耐アルカリ性および弾力性などがあり、かつ印刷インキが抜け易いようにメッシュの開孔率が大きいことが望ましいとされている。
【0005】
最近のスクリーン印刷の電子工業への適用、特にプラズマディスプレイパネルやプラズマアドレス液晶の製造工程では大面積のガラス基板に対して電極ペーストやガラスペーストなどの印刷において、微細パターンを有する高度な印刷精度が要求されている。この微細パターンを印刷するためのスクリーン版を製版する際には現像時の解像度が要求される。またこの微細パターンを量産時に維持するためには、上記のスクリーン版を可能な限り、長時間精度良く保つことが必要であるが、実際の製造工程においては印刷中のペーストの溶剤成分や洗浄時の版の膨潤などから、印刷回数や洗浄回数の増加に伴って印刷精度の低下が生じ、不良品が発生する。
【0006】
現在の技術では微細パターンを製版する際に50μm幅程度が限界であると言われている。その原因はステンシルを形成する版膜材料として用いている感光性乳剤の現像時の膨潤にある。即ち、図4(a)に示すように、現像液により除去されるべき開口部(40)が、現像液で矢印P方向に膨潤した非開口部(30)となるべき露光部によって塞がれてしまい、現像がうまくできず、現像残りとなることがあるからである。これはラインパターンを印刷する場合では開口部(40)と非開口部(30)の幅の比率により、現像残りの様子が変わってくるものである。
例えば、同じく図4(a)に示すように、開口部(40)の印刷ライン幅(L)の非開口部(30)のスペース幅(S)に対する比L/Sが1/4の場合、幅の広いネガ型感光材の露光部(硬化部)が現像液により矢印P方向に膨潤し、幅の狭い未露光部を押さえつけるため現像残りが発生する。
これに対して、図4(b)に示すように、L/Sが1の場合、幅の狭いネガ型感光材の露光部(303)(硬化部)が現像液により矢印P方向に膨潤しても、未露光部(301)を押さえ付ける力が弱く、現像残りは発生しない。
このように、L/Sが小さくなるほど、非開口部(30)のスペース幅Sの膨潤による開口部の塞がり度合いが大きくなり現像時に抜け難くなる。
【0007】
一方、従来の製版したスクリーン版においては作成当初に十分な精度で出来ても、保管中、使用中あるいは洗浄時にインキあるいはペーストに含まれる溶剤成分や、インキあるいはペースト中の水分または大気中の湿度によってステンシルが膨潤してしまうことが、以下のような種種の対策を施しても避けられない。このため、現実にはスクリーン版の安定性が低く、50μm幅の細線で印刷し続けることが非常に難しくなっている。
【0008】
このような問題を解決すべく、スクリーン印刷版のステンシル用感光乳剤はその用途に応じて各種物性を備えたものが市販されている。しかしながら、有機溶剤にも水分にも膨潤しないものは現像が難しく解像度が上がらないのが一般的である。例えば株式会社栗田化学研究所から市販されている耐有機溶剤性と耐水性を兼ね備えた感光乳剤にKV−900があるが、解像性は100μmと良くないため、上記のような50μm以下の微細パターンの目的には使用できないという問題点があった。
【0009】
一方、解像性の優れた感光乳剤をベースとして、耐有機溶剤性や耐水性の対策を強化するために施す硬膜処理も行われている。例えば株式会社栗田化学研究所から市販されている解像性が50μmともっとも優れている感光乳剤にEX−308があるが、耐有機溶剤性はあるが耐水性に欠点があるので、この対策として助材にハードナー(E)を用いてステンシル表面にエアースプレーすることで、表面を硬膜処理し、耐水性を強化することも行われている。
【0010】
しかしながら、以下のようにかなり効果があるが問題点が残されていた。すなわち、200μmピッチで50μmのライン幅のマスクを用いて、ネガ型感光材として上記感光乳剤で製版したところ、現像時に開口部は40μmとなった。 この版をスクリーン印刷用ペーストに使用される有機溶剤ブチルカルビトールアセテート(BCA)に浸して放置したところ、12時間後には開口部が塞がってしまった。
一方、この版に前記ハードナーをエアースプレーして表面を硬膜処理し、有機溶剤BCAに浸して放置したところ、12時間後には開口部が25μmとなり、ある程度の効果は見られたが、50μm以下の微細パターンの印刷を安定して長時間、印刷することが出来ないという問題があることが分かった。
【0011】
インキの裏回りを防止することを目的として乳剤に撥油効果(撥有機溶剤効果)を持ったフッ素樹脂をブレンドして製版を行う方法が、特開平3−239582号に開示されており、村上スクリーン株式会社からはフッ素成分が含まれたスクリーン印刷用感光性乳剤SP−6500Fが市販されている。この撥油性により耐有機溶剤性が向上する可能性あることを期待して前記と同様の製版を行ったところ、50μmの開口部は現像時に抜けなかった。すなわち解像度が不足しており、上記のような微細パターンの印刷には不適切であるという問題点があることが分かった。
【0012】
次に、請求項1又は2に記載の発明に関する技術を下記する。
スクリーン版には大別して2種類ある。一つはメッシュを使用し、他はメッシュを使用しないものである。
【0013】
メッシュを使用する場合のスクリーン版の製造方法は、メッシュに乳剤と呼ばれることが多いネガ型感光性樹脂の層を塗布したり(直接法)、貼りつけたり(間接法)した後、所望のパターンを有するフォトマスクを用いて、露光し、現像する。インキの通過を阻止する部分は光が当たり、感光性樹脂が硬化し、現像後もメッシュ上に残る。一方光が当たらない部分は現像するとメッシュ上から除去されるので、スクリーン版が形成される。この方法の問題点は、感光性樹脂に同時にスクリーン印刷時の好適性を所有せしめることが難しい点である。例えば、現像には水系の現像液を使用することが作業性の点から望ましいが、その様な水系の現像液で現像される感光性樹脂は水分との親和性が高く、空中の湿度の変化につれて、含水率が変化し、結果として開口部の大きさが伸縮する。また、有機溶剤で現像するタイプの感光性樹脂では、使用するペーストの中に有機溶剤が使用されていると、それを吸収して膨潤し、結果として開口部のサイズが変化してしまう。
また別の一般的な問題として、現像時に多少とも膨潤するので、微細パターンを現像する際、現像液が通過しなくなり、現像が不安定になったり、最小サイズがそれによって制限されてしまうという点がある。
【0014】
このような問題点を有しないスクリーン版として、金属板を版材として、メッシュと貼り合わせた版がある。例えば、サスペンディド型と呼ばれる版や、ラインケ社のメタルスクリーン版である。しかし、所望の印刷パターンの部分が抜けた金属板を形成することは、かなり手間がかかり、スクリーン版の価格が高価になったり、大サイズのものが難しいといった問題があった。
【0015】
メッシュを使用しないスクリーン版には、一般にメタルマスクと言われるものと、プラスチックマスクと呼ばれるものがある。前者のメタルマスクの製造法には、エッチング法と電鋳法とがある。電鋳法は、ステンレスのようなメッキ膜が容易に剥離する基板の上に所望の形状(スクリーン版の開口部となる部分の形状)をフォトレジストを使用して形成し、次にNi等を所定の厚さまでメッキし、剥離したものである。問題点はコストが高いこと、抗張力を高くすることが難しいことである。一方、プラスチックマスクと呼ばれる版は、レーザ加工装置を使用してプラスチック、例えば引き裂き強度や引っ張り強度が高いポリエステルフィルムに所望の開口部を形成する方法である。レーザ光の径を制御して、パターンを一筆書きのように移動して、作成する方法と、レーザ光の径は制御せず遮光用の金属マスクを使用してレーザ光を制限する方法がある。前者は、径を細くするのに限界があり、微細パターンは難しく、また高価な装置を長時間使用するので、高価であった。後者は、前者より処理速度が速く、同一パターンのスクリーン版を形成する場合には有利である。しかし、最初に金属マスク即ちメタルスクリーン版と似たものを、それと同じ工程で形成する必要があり、作成までに時間が掛かることと、版数が少ない場合には高価である。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
請求項1に記載の発明は、かかる従来技術の問題点を解決するものであり、その課題とするところは、高精細パターンの印刷のためのスクリーン印刷版において、印刷中に長時間安定したインキの通過性を有するスクリーン印刷用のスクリーン版の提供にある。
また、感光性材料でなく、また金属板でない、水分や溶剤に強く機械的強度も強い材質の版材を使用した版を、従来方法より安価で短工程で形成できる方法の提供であり、その方法によって作成したスクリーン版の提供である。
【0017】
【課題を解決するための手段】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
上記で製版時に感光性を持たない樹脂材料とは、たとえ紫外線全面照射で硬化する性質を有していても、少なくともマスクを介しての露光によるパターニングに寄与しないものは、この感光性を持たない樹脂材料に属するものである。
これは、従来のステンシル形成方法のいずれもが、版膜となる樹脂材料自体を感光性の乳剤とし、マスクを用いて所定の波長の光により露光後に所定の現像液で現像して形成しているが、請求項1又は2に記載の発明のステンシル形成方法は、いずれの請求項においても、ステンシルの版膜となる樹脂材料はマスクを用いて露光して現像してステンシルとするものではないことを意味しているものである。
すなわち、解像度が良いという特徴を有する感光性レジストを用いて、パターンとなる部分のみ塞いだ後に、版膜となる請求項1又は2に記載の発明の樹脂材料にて、非パターン部のみを塞ぐことにより製版を行うのもので、従来のように版膜となる材料に露光時の解像度や現像時の現像性を求める必要がないものである。
【0023】
従って、高精細用スクリーン版において、印刷中に安定したインキの通過性を有するスクリーン印刷用のスクリーン版を提供するために、ステンシルを形成する樹脂材料として従来に比べて耐有機溶剤性および耐水性に富む樹脂材料を自由に選択することが可能となる。これにより、従来では耐有機溶剤性と耐水性を持たせた感光乳剤では解像度が悪くなるという欠点があったが、この欠点が解消されるものである。
【0024】
請求項1に記載の発明は、少なくとも版枠とステンシルからなり、該ステンシルが紗と印刷パターンを限定する版膜からなるスクリーン印刷版において、該版膜が耐有機溶剤性および耐水性を有する樹脂材料からなることを特徴とするスクリーン印刷版である。
【0025】
請求項1に記載の発明では、さらに樹脂材料が、製版時に感光性を持たない樹脂であるスクリーン印刷版とすることができる。
【0026】
請求項1に記載の発明では、さらに樹脂材料が、熱可塑性樹脂であることを特徴とするスクリーン印刷版とすることができる。
【0027】
請求項1に記載の発明では、さらに熱可塑性樹脂が、ポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂であることを特徴とするスクリーン印刷版とすることができる。
【0028】
【0029】
【0030】
請求項1の発明は、スクリーン印刷に使用するスクリーン版の製造方法であって、
インキが通過する開口部を形成する方法として、まず材料Aをもちいて開口部のパターンを形成し、次にその他の部分を材料Bを用いてインキが通過しない状態とし、次に材料Aを除去し、材料Aがポジ型感光性材料であり、材料Bが熱可塑性のポリオレフィン系樹脂、熱可塑性のポリビニル系樹脂のいずれかであることを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法である。
【0031】
【0032】
【0033】
【0034】
【0035】
請求項1の発明は、具体的には材料Bがポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂であることを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法である。
【0036】
【0037】
請求項1に記載の発明では、スクリーン版の製造方法であって、インキが通過する開口部を形成する方法として、まず材料Aを用いて開口部のパターンを形成し、次にその他の部分を材料Bを用いてインキが通過しない状態とし、次に材料Aを除去することによってスクリーン版を製造する方法とした。また、その方法によって作成したスクリーン版とした。
【0038】
【0039】
【0040】
また、請求項1の発明では材料Bを熱可塑性樹脂とした。こうすることによって、材料Bの膜を版上に形成する際、加熱溶融した材料Bを使用することができるようになった。
【0041】
【0042】
また、請求項1の発明では、材料Bを熱可塑性を有するポリオレフィン系樹脂、ポリビニル系樹脂であるとした。こうすることによって、耐久性、耐薬品性、耐スキージ磨耗性の高いステンシルを使用することができるようになった。
【0043】
【0044】
【発明の実施の形態】
以下請求項1に記載の発明の実施の形態の一例を説明する。
請求項1に記載の発明のスクリーン印刷版は、例えば、図1に示すように、少なくとも版枠(6)とステンシル(4)からなり、該ステンシル(4)が紗(10)と印刷パターンを限定する版膜(35)とからなるスクリーン印刷版である。また、例えば、該版膜(35)が、耐有機溶剤性および耐水性を有し、且つ撥有機溶剤性および撥水性に富み、有機溶剤および水に対する接触角が100°〜170°である樹脂材料からなるスクリーン印刷版としてもよい。また、製版時に感光性を持たない樹脂材料からなるスクリーン印刷版としてもよい
【0045】
ここで、耐有機溶剤性および耐水性を有し、製版時に感光性を持たない樹脂材料としては、ステンシルを形成する版膜(35)状になり、膜厚が制御でき、実用上で水分や有機溶剤に膨潤・溶解しない樹脂なら使用可能である。具体的には、例えばポリオレフィン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂なども使用可能であるが、紗(10)上に版膜(35)として形成する成形性(加工適性)、インキの通過性や版洗いのし易さ等にやや難点がある。したがって、版膜(35)としては、撥有機溶剤性(撥油性)および撥水性に富み、それらとの接触角が100°〜170°の樹脂材料からなることが望ましい。
【0046】
これらの難点も解消できるものとして、前記樹脂材料が、感光性を持たないフッ素系樹脂もしくはそれと他の樹脂20〜70重量%とのブレンド材であるスクリーン印刷版としてもよい
【0047】
また、前記樹脂材料が、感光性を持たないシリコーン系樹脂もしくはそれと他の樹脂20〜70重量%とのブレンド材であるスクリーン印刷版としてもよい
【0048】
ここで、前記フッ素系樹脂やシリコーン系樹脂をベースとして、20〜70重量%の他の樹脂とのブレンドとしたのは、70重量%を越えるとフッ素系やシリコーン系樹脂の特性である(撥油性)および撥水性等の効果が失われ、20重量%未満では、ブレンドした効果が失われるからである。
このように、より水分や有機溶剤に膨潤や溶解しない且つ版膜(35)とする加工適性と水溶性スクリーンインキや油溶性スクリーンインキおよび外部からの水分に対する撥水性、撥油性に優れたシリコーン系樹脂、フッ素樹脂が最も好ましい樹脂材料である。
【0049】
従って、上記のシリコーン系樹脂、フッ素樹脂もしくはそれと他の樹脂とのブレンド樹脂を版膜(35)としたスクリーン印刷版を用いて、スクリーン印刷をするならば以下のような効果がある。
すなわち、スクリーン印刷中のスクリーン版が油溶性インキの有機溶剤成分或いは水溶性インキや大気中の水分で膨潤することがなく、撥油性、撥水性に優れているので、インキ通過性が良く且つ長時間にわたって安定し、したがってスクリーン印刷も長時間にわたり安定するものである。
また、同じく上記のような特性から、インキの目詰まりがなくなり、版の洗浄の回数が減る効果がある。
さらにまた、版の洗浄の際に有機溶剤や水で版が膨潤することがなく、洗浄時に版を痛めることもなくなり、版の寿命が延びるものである。
【0050】
また、請求項1に記載は、図2に示すように、前記版枠に張られた紗(10)に感光性レジスト(100)にて開口部(100a)と非開口部(100b)とを設け、該開口部(100a)のみを樹脂材料で塞いでステンシルの版膜(35)とし、該非開口部(100b)を形成している感光性レジストを除去してなるスクリーン印刷版の製造方法としたものである。
【0051】
請求項1の発明において、使用可能なスクリーンメッシュ(紗(10))の種類としては、例えばシルク、ポリエステル、ナイロン、カーボン、ステンレス鋼、アモルファス金属、タングステンの線材やこれらの線材の上に金属メッキやセラミクス皮膜処理を施して耐膨潤性など各種特性を上げた線材が使用可能である。印刷の寸法精度が要求される場合には耐溶剤性や耐吸湿性の高いカーボン、ステンレス鋼、アモルファス金属製の紗(10)もしくはこれらの紗(10)の上に金属メッキやセラミクス皮膜処理を施したものが好適である。また、紗(10)の線経は問わないが一般に300メッシュから500メッシュに織ったものが好適である。
【0052】
次に、感光性レジスト(100)の材料としては、紫外線感光性レジスト、遠紫外線レジストまたは電子線レジストを用いることが可能である。紫外線感光性レジストとしてはネガ型感光性レジストとポジ型感光性レジストがある。例えばネガ型レジストには、ゼラチンと重クロム酸塩からなるレジスト、グルーと重クロム酸塩からなるレジスト、ポリメチルイソプロペニルケトンとビスアジド化合物系からなるレジスト、環化天然ゴムとビスアジド化合物系からなるレジスト、環化合成ゴムとビスアジド化合物系からなるレジスト、アクリル系ポリマーとアクリルモノマーからなるレジスト、ポリビニルアルコールとジアゾ樹脂からなるレジスト、ナイロンとアクリルモノマーからなるレジスト、ポリケイ皮酸ビニルと増感剤からなるレジスト、感光性ポリイミドからなるレジストなどがある。また、ポジ型感光性レジストとしては、ノボラック樹脂とα―ナフトキノンジアジド化合物からなるレジスト、ノボラック樹脂とo ―ナフトキノンジアジド化合物からなるレジストがある。ポジ型レジストの方がネガ型レジストに比べて現状ではパターン解像度は上がるが厚さは40μmが現像できる限界である。従ってレジストの厚さとしては、ネガ型は20μmから200μmが適切であり、ポジ型は20μmから40μmが適切である。
【0053】
次に、上記感光性レジストで形成した開口部((100a)を請求項1に記載の発明の樹脂材料で塞いでステンシルの版膜(35)とする成形法として、液状の樹脂材料を刷毛塗りもしくはバケットで均一な一定の膜厚に塗布し、熱風乾燥、材料の特性によっては、鏡面板によるプレス硬化仕上げすることもある。
【0054】
以上のように、このスクリーン版の製造方法を用いて、スクリーン版を作成するならば以下のような効果がある。
すなわち、図4に示す細線の印刷用の版で開口部の印刷ライン幅(L)のステンシルの版膜となる幅(S)に対する比L/Sが小さくなっても、現像時は従来の方法とは逆にライン幅(L)の部分がパターンとして残るので膨潤による開口部の塞がり度合いが小さくなり、現像時に抜けが良くなる。従って、高精細なパターンの製版が可能となるものである。
また、版膜(35)の材料としては、従来のように感光性や現像性を考慮する必要がないので、印刷安定性に優れた材料を選定することが容易になる。
さらにまた、版膜(35)の材料として、耐有機溶剤性および耐水性に富む樹脂材料を用いることで、スクリーン印刷版の長時間の保管や使用に際して安定した版が得られるものである。
【0055】
以上のスクリーン印刷版は、インキ層を厚くかつ高微細なパターンを形成でき、安定して大量の印刷が可能なので、回路形成、導電性インキを用いた回路形成および受動素子形成など、電子工業の分野で広範囲に適用されるものである。
【0056】
次に請求項1の発明についてさらに説明する。
以下、これらの発明の実施の形態を説明する。
請求項1に記載の発明のスクリーン印刷版は、図5に示すように、スクリーン版の製造方法であって、インキが通過する開口部を形成する方法として、まず材料Aを用いて開口部のパターンを形成し、次にその他の部分を材料Bを用いてインキが通過しない状態とし、次に材料Aを除去することを特徴とするスクリーン版の製造方法とその方法によって作成したスクリーン版である。
【0057】
請求項1に記載の発明において、使用可能なスクリーンメッシュの種類としては、通常のポリエステル系、ステンレス系等があるが、請求項1に記載の発明はその材質に適した製法を選択して目的を達成することができる。
【0058】
ここで材料Aとしては、何らかの方法によって所望の印刷パターンと同形のパターンをスクリーンメッシュ上に形成できるものであり、また必要に応じてスクリーンメッシュから除去できるものである。パターン形成の手段としては、材料Aを感光性を有しているものとし、所望のパターンのフォトマスクを用いて、露光・現像する。
【0059】
材料Aは、メッシュの表面だけでなく、内部に入り、反対面まで抜けた状態でパターン化されている必要はない。材料Bをメッシュ上に膜状に形成する際に、所望の開口部が潰れてしまうことがなければよい。
【0060】
材料Aがポジ型感光性材料の場合、具体的には、ノラボック樹脂/o−ナフトキノンジアジド系、ポリ(p−ホルミロキシスチレン)、メタクリル酸−メチルメタクリル酸共重合体/o−ニトロベンジルコリン酸エステル系、ジヒドロピリジン系、N−置換マレイミド−スチレン共重合体、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル酸エステル樹脂、ポリメチルイソプロペニルケトン、ポリ(o−ニトロベンズアルデヒドグリコールアセタール)等がある。
【0061】
材料Aをメッシュの内部まで塗布する方法としては、通常のスクリーン乳剤を塗布する方法(バケットコート)も可能であるが、その他の方法として、浸漬塗布法、圧縮成形法等がある。
【0062】
材料Bとしては熱可塑性樹脂がある。
具体的に、熱可塑性樹脂としては、以下の材料がある。ポリオレフィン系樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン等が挙げられる。
ポリビニル系樹脂としては、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリフェニレンサルファイト、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ酢酸ビニル等が挙げられる。
また、これらの誘導体、エラストマー、共重合体、混合物を用いても良い。
【0063】
また材料Bをメッシュ上に膜状に形成する方法としては、それぞれの特性に応じて、加熱溶融した樹脂の塗布、浸漬塗布、圧縮成形、積層成形がある。
【0064】
【作用】
水分や溶剤に強く機械的強度も強い材質の版材を使用したスクリーン版を、従来の感光性材料や属板の方法より安価で短工程で形成できる。
【0065】
【実施例】
次に請求項1に記載の発明を実施例により、具体的に説明する。
参考例1
この実施例による版の作成工程を図2に示した。紗(10)の線径25μmのステンレス鋼線の400メッシュの平織りハイメッシュを、アルミ版枠に45度のバイアスで紗張りする。ポジ型感光性レジスト(100)としてヘキスト社から市販されている厚膜使用可能な高精度メッキ用ポジ型フォトレジストAZLP−10を、上記紗(10)上にバケットにて、乾燥厚さ20μmとなるように塗布した。プリベークとして90℃の温風で30分間乾燥した。
【0066】
次に600mm×400mmの長方形に線幅30μm、長さ600mmの細線パターンを150μmの等間隔で4001本のパターンを有する(ポジ)マスク(90)を介して405nmの紫外線を1000mJ/cm2照射して上記ポジ型レジストを露光し分解させ、さらにこの露光した上記感光剤をヘキスト社指定の現像液AZ303Nデベロッパーに60秒間浸漬して現像し、純水にて30秒間のリンスを行い、ポストべークとして120℃の温風で30分間処理し硬化させた。これにより、開口部(100a)と非開口部(100b)を形成し、この非開口部(100b)が厚さ20μmの未露光ポジ型感光性レジスト(100)により形成された。
【0067】
続いて、上記で得たステンシルに、版膜(35)剤として、下記シリコーン樹脂ブレンド剤をバケットにて、乾燥厚さ20μmになるように塗布した。このシリコーン樹脂ブレンド剤は、東芝シリコーン(株)製の紫外線硬化型シリコーンハードコート剤(UVHC8553)に、硬さを調整するために東洋インキ製造(株)製のアクリル樹脂の6官能性プレポリマー(分子量、3500から4000)を重量%で60%加え、さらにイソプロピルアルコール(IPA)が重量%で50%になるように希釈し、IPAを蒸発させ、乾燥させた。
【0068】
次いで、上記で得られたステンシルに、254nmの紫外線を全面に170mJ/cm2 照射してシリコーン樹脂を硬化させ、さらにIPAをスプレー現像して不要部分を除去し、ステンシルの版膜(35)パターンとした。
次いで、未露光ポジ型レジストパターン(実際は、前記254nmの紫外線を170mJ/cm2 全面照射で露光分解され、(102)となっている)をヘキスト社指定の剥離液AZリムーバー100に浸漬して剥離除去し、開口部(40)を形成することにより、スクリーン印刷版とした。
【0069】
<比較例1>
比較のため従来の製造方法で、株式会社栗田化学研究所から市販されている感光乳剤EX−308をバケットにて、乾燥厚さ20μmとなるように塗布、乾燥し、前記(ポジ)マスク(90)を介して露光して現像し、スクリーン印刷版を作成した。
【0070】
この参考例1と比較例1で得られた2つのスクリーン印刷版による印刷状況を比較してみた。3mm厚さのソーダライムガラス板に、(株)ノリタケカンパニーリミテッド製のファインライン用銀ペーストNP−4731Aを使用して、印刷と乾燥を2回繰り返した後、585℃で焼成した。従来の版で印刷したものは、2回目の印刷乾燥後でペーストがガラス板に転移していない箇所が、20箇所程度であった。さらに焼成により断線箇所が100箇所程度に増加した。これに対して、実施例1の版で印刷したものは、焼成後に電気的に断線をチェックしても全く問題がなかった。
【0071】
参考例2
図3に示すように、紗(10)の線径25μmのステンレス鋼線の400メッシュの平織りハイメッシュを、アルミ版枠に45度のバイアスで紗張りする。ネガ型感光性レジスト(101)として東京応化工業からプラズマディスプレイのリブ埋め込み作成用に市販されている厚さ50μmドライフィルムを、上記紗(10)に80℃でヒートシールした。さらに上記ドライフィルム上にこのドライフィルムを、一枚密着し80℃でヒートシールして、合計100μmの厚さとした。
【0072】
次に600mm×400mmの長方形に線幅30μm、長さ600mmの細線パターンを150μmの等間隔で4001本のパターンを有するネガマスク(92)を介して405nmの紫外線を200mJ/cm2 照射してドライフィルムを露光し硬化させた。次いでこれを1wt%の炭酸ナトリウム水溶液にてスプレー現像し、純水にてリンスを行った。これにより、ドライフィルムの開口部(101a)と非開口部(101b)を形成し、この非開口部(101b)が厚さ100μmのドライフィルムの硬化したパターンにより形成された。
【0073】
次に上記開口部(101a)に2液付加重合型シリコーン樹脂を混合し撹拌して真空脱泡した後に塗布し、さらに真空脱泡した。次いでスクリーンの両側から鏡面仕上げされた金型でプレスして全面を均一にドライフィルムと同じ厚さ100μmとし、硬化させてた。
次いで上記で得たドライフィルムを10wt%の炭酸ナトリウム水溶液等の剥離液にてスプレー膨潤剥離を行い、開口部(40)を形成することにより、スクリーン印刷版とした。
【0074】
この参考例2と前記比較例1で得た2つの版による印刷状況を以下のように比較した。
すなわち、3mm厚さのソーダライムガラス板に、(株)ノリタケカンパニーリミテッド製のファインライン用ガラスペーストNP−7853を前記2つの版にて、印刷と乾燥を繰り返し、乾燥時のリブ高さを180μmの目標で多重印刷した。比較例1の版では、多重印刷する際にメッシュの目詰まりなどが発生し、インキの通過が悪くなり欠陥箇所が多数発生した。20回の印刷・乾燥を繰り返したもので、リブの高さが100μmから150μmとなり、リブの頂上部が凸凹状となり、所望の180μmまで印刷することが不可能であった。
これに対し、参考例1の版では、わずか10回の印刷・乾燥の繰り返しでリブの高さは180μmまで達することができた。このときの印刷面内のばらつきは±7μm以内であった。また、ペーストの目詰まりも少なく、版の洗浄回数が激減した。
【0075】
次に、別の実施例を記す。
<実施例>材料Aとして、ポジ型フォトレジストを使用し、材料Bとして熱可塑性樹脂であるポリプロピレンを使用した場合について以下に記す。
ステンレス製のメッシュ(400メッシュ)を紗張したアルミ枠に、ポジ型レジストとして、東京応化製OFPR−800(ノボラック樹脂、o−ナフトキノンジアジド化合物系)をバケットコートで20μm厚にコートし90℃で30分間乾燥した。
線幅30μmのストライプパターンのフォトマスクを介してポジ型レジストを露光し、露光部を東京応化製現像液NMD−3で現像して紗の上にポジ型レジストからなる30μmのストライプパターンを得た。このストライプパターンを純水でリンスした後、130℃で30分間乾燥した。
次いで、このストライプパターンの形成されたメッシュに、加熱機で溶融させたポリプロピレンをバケットコート法で流し込み、20μm厚に製膜した。その後、室温まで冷却したポリプロピレン膜とポジ型レジストのパターンの膜を全面露光し、ポジ型レジストを分解させ、現像液としてアセトンに浸漬して剥離した。この様にして、幅30μmの開口部を有するストライプパターンのスクリーン印刷版を形成することができた。
【0076】
参考例3>材料Aとして、ポジ型フォトレジストを使用し、材料Bとして反応して硬化する樹脂として熱硬化型ポリイミドを使用した場合について、以下に記す。
ステンレス製のメッシュ(400メッシュ)を紗張したアルミ枠に、ポジ型レジストをバケットコートで20μm厚にコートし、80℃で15分間乾燥した。 ポジ型レジストとしては、クレゾール型ノボラック樹脂80重量部と、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンのナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸エステル20重量部をエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート240重量部に溶解したものを用いた。
線幅30μmのストライプパターンのフォトマスクを介してポジ型レジストを露光し、露光部をアルカリ現像液で現像して紗の上にポジ型レジストからなる30μmのストライプパターンを得た。
4,4’−ジアミノジフェニルメタン200重量部をジメチルホルムアルデヒド200重量部に溶解し、ピロメリット酸二無水物22重量部を攪拌しながら添加し、ポリアミド−カルボン酸の溶液を得た。
この液を、上記のポジ型レジストのパターンを形成した紗の上に、バケットコートで20μm厚にコートし、120℃で15分間乾燥した。
次に、メッシュの上に形成したポジ型レジストのパターン及びポリアミド−カルボン酸の膜を全面露光し、ポジ型レジストを分解させ、アルカリ現像液で剥離した。その後、真空乾燥機中で300℃に加熱し、ポリアミド−カルボン酸をポリイミドに変化させ、幅30μmの開口部を有するストライプパターンのスクリーン印刷版を形成することができた。
【0077】
参考例4>材料Aとして、ポジ型フォトレジストを使用し、材料Bとしてフッ素系樹脂を使用した場合について述べる。
ステンレス製のメッシュ(400メッシュ)を紗張したアルミ枠に、ポジ型レジストとして、東京応化製OFPR−800(ノボラック樹脂、o−ナフトキノンジアジド化合物系)をバケットコートで20μm厚にコートし90℃で30分間乾燥した。
線幅30μmのストライプパターンのフォトマスクを介してポジ型レジストを露光し、露光部を東京応化製現像液NMD−3で現像して紗の上にポジ型レジストからなる30μmのストライプパターンを得た。このストライプパターンを純水でリンスした後、130℃で30分間乾燥した。
ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロポロピレンの共重合体にポリアミン系加硫剤を加え20℃に強制冷却しながら練りロールで混合した。この混合物をカレンダーロールでシートを成形した。このシートを、ポジ型レジストでパターンを形成したメッシュに被せ、プレス圧30トン、加熱温度200℃の条件で圧縮成形と同時に加硫してフッ素系皮膜を形成した。
次に、メッシュの上に形成したポジ型レジストのパターンを全面露光してレジストを分解させ、アルカリ現像液で剥離して幅30μmの開口部を有するストライプパターンのスクリーン印刷版を形成することができた。
【0078】
参考例5>材料Aとして、ポジ型フォトレジストを使用し、材料Bとしてシリコーン系樹脂を使用した場合について述べる。
ステンレス製のメッシュ(400メッシュ)を紗張したアルミ枠に、ポリメチルイソプロペニルケトンと安息香酸誘導体エステルの増感剤からなるポジ型レジストをバケットコートで20μm厚にコートし90℃で30分間乾燥した。
線幅30μmのストライプパターンのフォトマスクを介してポジ型レジストを露光し、露光部を東京応化製現像液NMD−3で現像してメッシュの上にポジ型レジストからなる30μmのストライプパターンを得た。このストライプパターンを純水でリンスした後、130℃で30分間乾燥した。
ポリシロキサン50%、トリエタノールアミン1%のトルエン溶液を、ポジ型レジストでパターンを形成したメッシュにバケットコートでコートし100℃で30分乾燥した。
次に、メッシュの上に形成したポジ型レジストのパターンを全面露光してレジストを分解させ、アルカリ現像液で剥離して幅30μmの開口部を有するストライプパターンのスクリーン印刷版を形成することができた。
【0079】
参考例6>材料Aとしてネガ型フォトレジストを使用し、材料Bとして熱可塑性樹脂を使用した場合について述べる。
ステンレス製のメッシュ(400メッシュ)を紗張したアルミ枠に、ネガ型レジスト(ノボラック樹脂、1−アジドピレン)をバケットコートで20μm厚にコートし90℃で30分間乾燥した。
線幅30μmのストライプパターンのフォトマスクを介してネガ型レジストを露光し、未露光部をアルカリ現像液で現像してメッシュの上にネガ型レジストからなる30μmのストライプパターンを得た。
次いで、このストライプパターンの形成されたメッシュに、加熱押し出し機で溶融させたポリエチレンを押し出し口から流し込み、冷却しない間に圧縮成型機で20μm厚に製膜した。その後、室温まで冷却したポリエチレン膜とネガ型フォトレジストのパターンを、現像液であるエタノールに浸漬してレジスト部のみを剥離した。この様にして、幅30μmの開口部を有するストライプパターンのスクリーン印刷版を形成することができた。
【0080】
参考例7>材料Aとしてネガ型フォトレジストを使用し、材料Bとして熱可塑性樹脂を使用した場合で、メッシュが含まれていないスクリーン版について述べる。
ステンレス板に実施例5と同じネガ型フォトレジストを100μm厚でコートし90℃で30分乾燥した。
線幅30μmのストライプパターンのフォトマスクを介してネガ型レジストを露光し、未露光部をアルカリ現像液で現像してメッシュの上にネガ型フォトレジストからなる30μmのストライプパターンを得た。
次いで、このストライプパターンの形成されたステンレス板に、加熱押し出し機で溶融させたポリ塩化ビニルを押し出し口から流し込み、冷却しない間に圧縮成型機で100μm厚に製膜した。室温まで冷却した後、アルミ枠とポリ塩化ビニル膜をエポキシ系接着剤で固着した。接着剤が乾燥した後、ステンレス板を剥離し、ポリ塩化ビニル膜とネガ型フォトレジストのパターンを現像液であるエタノールに浸漬してレジスト部のみ剥離した。この様にして、幅30μmの開口部を有するストライプパターンのスクリーン印刷版を形成することができた。
【0081】
【発明の効果】
【0082】
また、版枠に張られた紗に感光性レジストにて開口部と非開口部とを設け、該開口部のみを請求項1に記載の発明の樹脂材料で塞いでステンシルの版膜とし、該非開口部を形成している感光性レジストを除去する製造方法としたので、細線印刷用の版で開口部の印刷ライン幅Lとステンシルの版膜となる幅Sとの比L/Sが小さくなっても、現像時は従来の方法とは逆にライン幅Lの部分がパターンとして残るので膨潤による開口部の塞がり度合いが小さくなり、現像時に抜けが良くなり、従って、高精細なパターンの製版が可能となる効果がある。
【0083】
また、版膜の材料としては、従来のように感光性や現像性を考慮する必要がないので、印刷安定性に優れた材料を選定することができる効果がある。
また、版膜の材料として、耐溶剤性および耐水性に富む樹脂材料を用いることで、スクリーン印刷版の長時間の保管や使用に際して安定した版が得られるものである。
【0084】
次に、この別の実施例に関する発明の効果を記す。
請求項1又に記載の発明のスクリーン版によれば、水分や溶剤に強く機械的強度も強いため、従来よりも高精度な印刷が可能であり、耐性も向上する。また、安価で短工程な製版工程となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 請求項1に記載の発明の一実施の形態を示すスクリーン印刷版でそれを側断面で表した説明図である。
【図2】 請求項1に記載の発明の実施の形態を示すスクリーン製版の工程図で、それを側断面で表した説明図である。
【図3】 請求項1に記載の発明の実施の形態を示す他のスクリーン製版の工程図で、それを側断面で表した説明図である。
【図4】 請求項1に記載の発明に係わる従来の一スクリーン製版の工程図で、
(a)は、マスクのL/Sが1/4の場合の側断面図である。
(b)は、マスクのL/Sが1/1の場合の側断面図である。
【図5】 スクリーン製版の工程図である。
【符号の説明】
4‥‥ステンシル
6‥‥版枠
10‥‥紗
30‥‥非開口部
35‥‥版膜
40‥‥開口部
100‥‥感光性レジスト
100a‥‥感光性レジストの開口部
100b‥‥感光性レジストの非開口部
101‥‥ネガ型感光性レジスト
101a‥‥ドライフィルムの感光性レジストの開口部
101b‥‥ドライフィルムの感光性レジストの非開口部
102‥‥紫外線で照射された感光性レジスト
301‥‥ネガ型感光剤の露光部
303‥‥ネガ型感光剤の未露光部
L‥‥版の開口部の印刷ライン幅
S‥‥ステンシルの版膜となる幅
P‥‥膨潤方向
90‥‥マスク
92‥‥ネガマスク
400・・・材料A
410・・・材料B

Claims (1)

  1. スクリーン印刷に使用するスクリーン版の製造方法であって、
    インキが通過する開口部を形成する方法として、まず材料Aをもちいて開口部のパターンを形成し、次にその他の部分を材料Bを用いてインキが通過しない状態とし、次に材料Aを除去し、
    材料Aがポジ型感光性材料であり、材料Bが熱可塑性のポリオレフィン系樹脂、熱可塑性のポリビニル系樹脂のいずれかであることを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
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