JPH11112126A - 微細パターンの製造方法 - Google Patents

微細パターンの製造方法

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JPH11112126A
JPH11112126A JP27234597A JP27234597A JPH11112126A JP H11112126 A JPH11112126 A JP H11112126A JP 27234597 A JP27234597 A JP 27234597A JP 27234597 A JP27234597 A JP 27234597A JP H11112126 A JPH11112126 A JP H11112126A
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晃治 中島
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▲高▼広 大森
Keita Ihara
慶太 井原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高精細、高密度の微細パターン膜を安価に信
頼性良く量産することのできる微細パターンの製造方法
を得ることを目的とする。 【解決手段】 絶縁性基板2上に所定形状のパターン電
極層3を形成してマスター基板1を作製するマスター基
板作製工程と、マスター基板1上に撥水性薄膜からなる
剥離層4を形成する剥離層形成工程と、剥離層4上に電
着法にて微細パターン膜5を形成する微細パターン形成
工程と、微細パターン膜5に40℃〜90℃の温水を含
浸させる含水工程と、マスター基板1上の温水を含浸し
た微細パターン膜5を被転写基板7に密着させ、この微
細パターン膜5をマスター基板1から剥離させて被転写
基板7に転写する剥離転写工程とを備えた微細パターン
の製造方法とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は微細パターンの製造
方法に関し、特にICカード端子等の半導体パッケージ
ングや携帯情報端末等の電子機器に組み込まれる高密度
プリント配線板、多層プリント配線板およびフレキシブ
ルプリント配線板等の多様なプリント配線板を形成する
際のエッチングマスクやメッキマスクに利用できる微細
パターンや、微細パターン自体を利用してカラー液晶表
示装置やカラーイメージセンサ及びカラースキャナ等で
使用されるカラーフィルタを形成する際に利用できる微
細パターンの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のプリント配線板の製造方法として
は、銅張基板表面の銅箔上に所定の絶縁性回路パターン
を形成した後、これをエッチングマスクとして利用して
エッチング処理にて銅箔の不要部分を除去して配線導体
を形成するサブトラクト法や、銅箔の張っていない絶縁
基板表面に触媒を付与させた後、所定の絶縁性回路パタ
ーンを形成し、これをメッキマスクとして利用して、無
電解銅メッキにて配線導体を形成するアディティブ法等
がある。
【0003】一方、基板表面上に絶縁性回路パターンを
形成する方法としては、半導体プロセスで多く用いられ
ている、感光性レジストを露光現像するフォトリソグラ
フィー法がある。フォトリソグラフィー法は一層毎にフ
ォトレジストの塗布や露光が必要となって製造工程が煩
雑であり、また、ここで用いられる紫外線露光等の各種
装置は高価であるため、このフォトリソグラフィー法に
て製作される製品は高価なものとなっていた。
【0004】これに対して、安価に絶縁性回路パターン
を形成する方法として、基板表面上にパターンを直接形
成する印刷法がある。印刷法には、オフセット印刷法、
スクリーン印刷法等があるが、いずれの方法においても
インクの流動性やインクの転写不良等に起因して量産時
のパターン幅を100μm以下にするのは難しく、また
繰り返し再現性の点でも良好とは言えず、高解像度のパ
ターン形成には適していなかった。
【0005】したがって、近年の半導体素子の高周波化
と電子機器の小型化、高集積化に伴うプリント配線板の
薄膜化、高密度化及び多層化の要求に応えるためには、
高価ではあるが品質的に優れているフォトリソグラフィ
ー法が主に使用されていた。
【0006】また、微細パターン自体を製品の一部とし
て利用する用途として、液晶表示装置等に用いられるカ
ラーフィルタがある。このカラーフィルタの製造方法に
ついては、フォトレジスト中に着色顔料を微分散する顔
料分散法、着色インキで透明基板面にカラー画素を印刷
する印刷法等がある。顔料分散法においても、フォトリ
ソグラフィー法にて微細画素パターンを形成するために
品質的には非常に良質であるが、前述のような高価な露
光装置が必要であるという欠点があった。また、印刷法
では印刷版にインキングして反復印刷するので、安価で
はあるが、品質面で顔料分散法に比べて劣っていた。し
たがって、ここでも高価ではあるが品質的に優れている
顔料分散法が主に実用化されていた。
【0007】しかし、液晶表示装置はCRTに比べて高
価であり、その一因となっているのがカラーフィルタの
価格である。このような状況において、微細パターンの
形成では、高品質を保ちつつ製造方法を容易にし、かつ
経済的に安価となる形成方法が望まれていた。
【0008】そこで、微細パターンの形成において、製
造方法の簡易化と低価格化を実現すべく、印刷法の精度
向上を図る方法がいくつか考案されており、これを以下
に説明する。
【0009】まず特開昭61−233704号公報の開
示によれば、マスター基板上に高精度に微細パターン膜
を形成し、これを被転写基板上に転写することで微細パ
ターン膜を形成する方法が提案されている。この公報に
基づく微細パターン形成方法はカラーフィルタを製造す
るのに用いられ、顔料を微分散したレジストを露光現像
することによりマスター基板上にカラーフィルタの微細
パターン膜を形成し、マスター基板と微細パターン膜間
には剥離層として有機ポリマーの下塗り層を、また被転
写基板上には有機ポリマーの粘着受像層を形成し、ラミ
ネータによって熱と圧力で微細パターン膜を被転写基板
上に剥離転写するものである。しかし、この技術では、
フォトリソグラフィー法を用いてマスター基板上へ微細
パターン膜を形成しているため、従来の印刷法に比べる
と工程が煩雑で高価になるものである。
【0010】同じく微細パターンを利用してカラーフィ
ルタを製造する方法として、特開昭63−266482
号公報の開示がある。これは、表面にカラーフィルタ形
状に対応した電極を有する絶縁性のマスター基板を用
い、電着法で各色毎の電極に部分電着することで微細パ
ターン膜を形成し、被転写基板へと密着加圧することに
より、電着樹脂自体の粘着性を利用して被転写基板上に
微細パターン膜を剥離転写するものである。この方法で
はマスター基板が繰り返し利用できるために、微細パタ
ーン膜を形成する際における一層毎の露光が不要とな
り、経済的には優れている。しかし、電着樹脂自体の粘
着性を利用して剥離転写するため、被転写基板への付着
力が弱く、さらに電着樹脂からなる微細パターン膜のマ
スター基板への付着力が強いために、完全剥離転写が安
定してできない可能性があった。
【0011】また特開平4−147988号公報による
微細パターン形成方法では、微細パターンをエッチング
マスクとして利用するものであり、表面の導電層上に微
細パターンに対応した絶縁性マスキング層を有するマス
ター基板を用い、鏡面処理して剥離効果を持たせたマス
キング層非形成部の導電層上に、電気メッキ法による金
属層と電着法による電着樹脂からなる微細パターン膜を
重ねて形成し、被転写基板と密着加圧することで電着樹
脂自体の粘着性を利用して被転写基板上に剥離転写する
ものである。この方法においても、電着樹脂からなる微
細パターン膜のマスター基板への付着力が強く、完全剥
離転写するためには粘着力の強い電着樹脂にて強引に引
き剥がす必要がある。しかし、粘着力の強い電着樹脂は
形状が変形し易く、微細パターン形状を維持した状態で
剥離転写できないため、微細パターン膜の劣化や歩留ま
り低下等の原因となる可能性があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上述べてきた微細パ
ターンの形成方法は、マスター基板上に種々の方法にて
微細パターン膜を形成し、これを被転写基板上へ剥離転
写するものであり、マスター基板が高精度であれば高品
質の微細パターン膜が形成できるものである。そして、
微細パターン形成時には一層毎にフォトリソグラフィー
法を用いる必要はなく、またマスター基板を繰り返し用
いることができるため、非常に簡素な工程で容易に安価
に微細パターン膜を製造することができるものともなっ
ている。
【0013】しかしながら、これらの微細パターンの形
成方法では、電着樹脂等からなる微細パターン自体のマ
スター基板に対しての付着強度が強いために、微細パタ
ーンを完全に剥離転写するためには粘着力の強い電着樹
脂にて強引に引き剥がす必要があるが、粘着力の強い電
着樹脂は形状が変形し易く、微細パターン形状を維持し
た状態で剥離転写できず、微細パターン膜の劣化や歩留
まり低下等の原因となる可能性がある。
【0014】さらに、マスター基板に強く付着した微細
パターン膜を強引に引き剥がすためにマスター基板にダ
メージを与えてしまい寿命が短くなってしまうという問
題もある。
【0015】このようなことから、高精細で高密度な微
細パターン膜を安価に信頼性良く量産できる微細パター
ンの製造方法が要求されている。また、マスター基板と
微細パターン膜との付着力が強く、マスター基板の繰り
返し使用による耐久性の改善が望まれ、より高寿命化が
要求されている。
【0016】そこで、本発明は、微細パターン形状を維
持した状態で微細パターン膜の完全剥離転写を可能とし
て、高精細、高密度の微細パターン膜を安価に信頼性良
く量産することのできる微細パターンの製造方法を提供
することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明の微細パターンの製造方法は、基板上に所定形
状のパターン電極層を形成してマスター基板を作製する
マスター基板作製工程と、マスター基板上に撥水性薄膜
からなる剥離層を形成する剥離層形成工程と、剥離層上
に電着法にて微細パターン膜を形成する微細パターン形
成工程と、微細パターン膜に40℃〜90℃の温水を含
浸させる含水工程と、マスター基板上の温水を含浸した
微細パターン膜を被転写基板に密着させ、この微細パタ
ーン膜をマスター基板から剥離させて被転写基板に転写
する剥離転写工程とを備えたものである。
【0018】また、基板上に所定形状のパターン電極層
を形成してマスター基板を作製するマスター基板作製工
程と、マスター基板上に撥水性薄膜からなる剥離層を形
成する剥離層形成工程と、剥離層上に電着法にて微細パ
ターン膜を形成する微細パターン形成工程と、微細パタ
ーン膜に水分を含浸させる含水工程と、マスター基板上
の微細パターン膜を被転写基板に密着させる密着工程
と、微細パターン膜を密着させた被転写基板を40℃〜
90℃に加温する加温工程と、マスター基板上の水分を
含浸して加温された微細パターン膜をマスター基板から
剥離させてこれを被転写基板に転写する剥離転写工程と
を備えたものである。
【0019】これにより、微細パターン形状を維持した
状態で微細パターン膜を完全剥離転写することが可能に
なり、高精細、高密度の微細パターン膜を安価に信頼性
良く量産することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、基板上に所定形状のパターン電極層を形成してマス
ター基板を作製するマスター基板作製工程と、マスター
基板上に撥水性薄膜からなる剥離層を形成する剥離層形
成工程と、剥離層上に電着法にて微細パターン膜を形成
する微細パターン形成工程と、微細パターン膜に40℃
〜90℃の温水を含浸させる含水工程と、マスター基板
上の温水を含浸した微細パターン膜を被転写基板に密着
させ、この微細パターン膜をマスター基板から剥離させ
て被転写基板に転写する剥離転写工程とを備えた微細パ
ターンの製造方法であり、電着樹脂からなる微細パター
ン膜に温水を含浸させることで、微細パターン膜の内部
は水分を含浸しマスター基板表面の剥離層の撥水力によ
って付着力を弱めることができ、且つ微細パターン膜の
表面は加温され粘性を生じるため、微細パターン膜が被
転写基板に再現性良く完全剥離転写できるという作用を
有する。また、このようにして微細パターン膜の完全剥
離転写が容易に可能になることから、粘着力の弱い電着
樹脂、即ち形状変形し難い電着樹脂が利用でき、微細パ
ターン形状を維持した状態で微細パターン膜の完全剥離
転写が可能となり、剥離転写時に微細パターン膜の劣化
や歩留まり低下等がなくなるので、高精細、高密度の微
細パターン膜を安価に信頼性よく量産することができる
という作用を有する。
【0021】本発明の請求項2に記載の発明は、基板上
に所定形状のパターン電極層を形成してマスター基板を
作製するマスター基板作製工程と、マスター基板上に撥
水性薄膜からなる剥離層を形成する剥離層形成工程と、
剥離層上に電着法にて微細パターン膜を形成する微細パ
ターン形成工程と、微細パターン膜に水分を含浸させる
含水工程と、マスター基板上の微細パターン膜を被転写
基板に密着させる密着工程と、微細パターン膜を密着さ
せた被転写基板を40℃〜90℃に加温する加温工程
と、マスター基板上の水分を含浸して加温された微細パ
ターン膜をマスター基板から剥離させてこれを被転写基
板に転写する剥離転写工程とを備えた微細パターンの製
造方法であり、電着樹脂からなる微細パターン膜に水分
を含浸させることで、微細パターン膜の内部は水分を含
浸しマスター基板表面の剥離層の撥水力によって付着力
を弱めることができ、且つ微細パターン膜の表面は加温
され粘性を生じるため、微細パターン膜が被転写基板に
再現性良く完全剥離転写できるという作用を有する。ま
た、完全剥離転写が容易に可能になることから、粘着力
の弱い電着樹脂、即ち形状変形し難い電着樹脂が利用で
き、微細パターン形状を維持した状態で微細パターン膜
の完全剥離転写が可能となり、剥離転写時に微細パター
ン膜の劣化や歩留まり低下等がなくなり、高精細、高密
度の微細パターン膜を安価に信頼性よく量産することが
できるという作用を有する。
【0022】本発明の請求項3に記載の発明は、請求項
1または2記載の発明において、マスター基板作製工程
が、絶縁性基板上に導電層を形成する導電層形成工程
と、導電層のエッチングにより所定形状のパターン電極
層を形成してマスター基板を作製するパターン電極層形
成工程よりなる微細パターンの製造方法であり、マスタ
ー基板の電極層のパターン形状を、エッチングによって
極めて容易に形成することができるという作用を有す
る。
【0023】本発明の請求項4に記載の発明は、請求項
1または2記載の発明において、マスター基板作製工程
が、絶縁性基板上に導電層を形成する導電層形成工程
と、導電層上に絶縁層を形成し、絶縁層のエッチングに
より所定形状のパターン絶縁層を形成してマスター基板
を作製するパターン絶縁層形成工程よりなる微細パター
ンの製造方法であり、任意形状の微細パターン膜の形成
が可能になるという作用を有する。
【0024】本発明の請求項5に記載の発明は、請求項
1または2記載の発明において、マスター基板作製工程
が、導電性基板上に絶縁層を形成し、絶縁層のエッチン
グにより所定形状のパターン絶縁層を形成してマスター
基板を作製するパターン絶縁層形成工程よりなる微細パ
ターンの製造方法であり、任意形状の微細パターン膜の
形成が可能になるという作用を有する。
【0025】本発明の請求項6に記載の発明は、請求項
1〜5の何れか一項に記載の発明において、マスター基
板もしくは被転写基板の一方が柔軟性を有し、かつ他方
が剛性を有する微細パターンの製造方法であり、マスタ
ー基板と被転写基板を密着接合させた後、容易に引き剥
がすことができるので、マスター基板上の微細パターン
膜を容易に被転写基板に剥離転写することができるとい
う作用を有する。
【0026】本発明の請求項7に記載の発明は、請求項
3または4記載の発明において、マスター基板となる絶
縁性基板が耐熱性樹脂である微細パターンの製造方法で
あり、温水への浸漬及び剥離転写時の加温に対して耐久
性良く使用できるという作用を有する。
【0027】本発明の請求項8に記載の発明は、請求項
4または5記載の発明において、マスター基板上のパタ
ーン絶縁層が耐熱性樹脂である微細パターンの製造方法
であり、温水への浸漬及び剥離転写時の加温に対して耐
久性良く使用できるという作用を有する。
【0028】本発明の請求項9に記載の発明は、請求項
1〜8の何れか一項に記載の発明において、剥離層形成
工程が、マスター基板上にフッ化グラファイト薄膜で構
成される撥水性薄膜からなる剥離層を形成する剥離層形
成工程よりなる微細パターンの製造方法であり、薄いた
めに液体中で導電性を有する撥水性薄膜をスパッタリン
グ法等によって容易に形成することができるとともに、
膜厚を高い精度で制御することができるという作用を有
する。
【0029】本発明の請求項10に記載の発明は、請求
項1〜8の何れか一項に記載の発明において、剥離層形
成工程が、マスター基板上にフッ素系コーティング剤で
構成される撥水性薄膜からなる剥離層を形成する剥離層
形成工程よりなる微細パターンの製造方法であり、薄い
ために液体中で導電性を有するフッ素オイル等の撥水性
薄膜をディップコート法等によって容易に形成すること
ができるとともに、マスター基板を再利用する際にも、
剥離層を簡単に再生することが可能になるという作用を
有する。
【0030】本発明の請求項11に記載の発明は、請求
項1〜8の何れか一項に記載の発明において、剥離層形
成工程が、マスター基板上に末端基としてシリコン系化
合物もしくはチタン系化合物を有するパーフルオロポリ
エーテルで構成される撥水性薄膜からなる剥離層を形成
する剥離層形成工程よりなる微細パターンの製造方法で
あり、ディップコート法等を用いた場合に末端基がマス
ター基板上の電極層等に付着し易い性質を有しているの
で、薄いために液体中で導電性を有するパーフルオロポ
リエーテルの撥水性薄膜を容易に、しかも均一にマスタ
ー基板上に形成することができるとともに、マスター基
板を再利用する際にも、剥離層を簡単に再生することが
可能になるという作用を有する。
【0031】本発明の請求項12に記載の発明は、請求
項9〜11の何れか一項に記載の発明において、剥離層
の厚みが5nm以上で100nm以下である微細パター
ンの製造方法であり、導電性の低いフッ素系化合物から
なる剥離層において、剥離層に対する微細パターン膜の
付着力を弱めるための撥水性を維持しながら、液体中で
微細パターン膜を電着形成できる程度の導電性を剥離層
に付与することができるという作用を有する。
【0032】本発明の請求項13に記載の発明は、請求
項1〜12の何れか一項に記載の発明において、微細パ
ターン形成工程で形成される微細パターン膜には、電着
樹脂以外の微粒子が含有されている微細パターンの製造
方法であり、微細パターン膜の形状が変形し難くなると
いう作用を有する。
【0033】本発明の請求項14に記載の発明は、請求
項13記載の発明において、微細パターン形成工程で形
成される微細パターン膜は、その膜厚方向に電着樹脂以
外の微粒子の含有量が変化している微細パターンの製造
方法であり、微細パターン膜にて被転写基板と接する部
分では強い粘着力を有し、かつそれ以外の部分では弱い
粘着性で形状変形し難くなるという作用を有する。
【0034】本発明の請求項15に記載の発明は、請求
項13記載の発明において、微細パターン形成工程で形
成される微細パターン膜には、その膜厚方向に少なくと
も2種類以上の異なる電着樹脂以外の微粒子が積層含有
されている微細パターンの製造方法であり、微細パター
ン膜にて被転写基板と接する部分では強い粘着力を有
し、かつそれ以外の部分では弱い粘着性で形状変形し難
くなるという作用を有する。
【0035】本発明の請求項16に記載の発明は、請求
項1〜12の何れか一項に記載の発明において、微細パ
ターン形成工程で形成される微細パターン膜には、その
膜厚方向に少なくとも2種類以上の異なる電着樹脂が積
層形成されている微細パターンの製造方法であり、微細
パターン膜にて被転写基板と接する部分では強い粘着力
を有し、かつそれ以外の部分では弱い粘着性で形状変形
し難くなるという作用を有する。
【0036】本発明の請求項17に記載の発明は、請求
項16記載の発明において、微細パターン形成工程で形
成される微細パターン膜には、その膜厚方向に少なくと
もガラス転移温度の異なる電着樹脂が積層形成されてい
る微細パターンの製造方法であり、微細パターン膜にて
被転写基板と接する部分では強い粘着力を有し、かつそ
れ以外の部分では弱い粘着性で形状変形し難くなるとい
う作用を有する。
【0037】本発明の請求項18に記載の発明は、請求
項16記載の発明において、微細パターン形成工程で形
成される微細パターン膜には、その膜厚方向に少なくと
も樹脂硬化手段の異なる電着樹脂が積層形成されている
微細パターンの製造方法であり、微細パターン膜にて被
転写基板と接する部分では強い粘着力を有し、かつそれ
以外の部分では弱い粘着性で形状変形し難くなるという
作用を有する。
【0038】本発明の請求項19に記載の発明は、請求
項1〜18の何れか一項に記載の微細パターンの製造方
法によって絶縁性基材と金属箔よりなる被転写基板上に
剥離転写された微細パターン膜を形成し、微細パターン
膜をエッチングマスクとして用い、金属箔をエッチング
除去することによりプリント配線板を得る微細パターン
の製造方法であり、量産性に優れ、かつ低コストのプリ
ント配線板が得られるという作用を有する。
【0039】本発明の請求項20に記載の発明は、請求
項1〜18の何れか一項に記載の微細パターンの製造方
法によって絶縁性基材等よりなる被転写基板上に剥離転
写された微細パターン膜をメッキマスクとして用い、被
転写基板上に金属膜をメッキ形成することによりプリン
ト配線板を得る微細パターンの製造方法であり、量産性
に優れ、かつ低コストで高精細、高密度のプリント配線
板が得られるという作用を有する。
【0040】本発明の請求項21に記載の発明は、請求
項1〜18の何れか一項に記載の微細パターンの製造方
法によって、顔料を含む電着樹脂からなり、少なくとも
2種類以上の異なる色を有する二次元パターン電着物よ
り構成される微細パターン膜の集合体にて構成されたカ
ラーフィルタを光透過性基板もしくは光学素子基板上に
得る微細パターンの製造方法であり、量産性に優れ、か
つ低コストで高精細、高密度のカラーフィルタが得られ
るという作用を有する。
【0041】以下、本発明の実施の形態について、図1
から図32を用いて説明する。なお、これらの図面にお
いて同一の部材には同一の符号を付しており、重複した
説明は省略されている。また、実施の形態において示さ
れている数値は種々選択し得る中の一例であり、これに
限定されるものではない。
【0042】(実施の形態1)以下に本発明の実施の形
態1における微細パターンの製造方法について説明す
る。ここで、本実施の形態は、微細パターンがプリント
配線板を製造する際のエッチングマスクとして利用され
ているものである。
【0043】図1は本発明の実施の形態1における微細
パターン形成のためのマスター基板の要部を示す斜視図
である。図1において、マスター基板1は微細パターン
形成を電着法によりおこなうもので、被転写基板上に微
細パターン膜を剥離転写させる。ここで、マスター基板
1は剛性のあるガラス等からなる絶縁性基板(基板)2
と、この絶縁性基板2上に所定形状の配線導体のエッチ
ングマスクを形成するためのパターン電極層3とから構
成されている。
【0044】このようなマスター基板1を作製するマス
ター基板作製工程から微細パターン膜を電着形成する微
細パターン形成工程について図2〜図4を用いて説明す
る。
【0045】図2は図1のマスター基板を示す要部断面
図、図3はマスター基板上のパターン電極層に剥離層を
形成する工程を示す要部断面図、図4はパターン電極層
に微細パターン膜を形成する工程を示す要部断面図であ
る。
【0046】まず、ガラス基板からなる剛性を有する絶
縁性基板2に厚さ500nmのニッケル薄膜をスパッタ
法を用いて成膜する。次に、ポジ型フォトレジストをス
ピンコート法にて厚さ2μmに塗布して、フォトマスク
を用いて露光した後、炭酸ナトリウム水溶液にて現像し
てパターン電極層3に対応したレジストパターンを形成
する。このレジストパターンをエッチングマスクとして
利用し、絶縁性基板2上のニッケル薄膜を硝酸と酢酸の
水溶液からなるエッチング液によってエッチングした
後、上記レジストパターンを水酸化ナトリウム水溶液に
て除去することでパターン電極層3を形成する。これに
より、図2に示すように、本発明の実施の形態1の微細
パターンの製造方法に用いるマスター基板1が形成され
る。
【0047】次に、図3に示すように、パターン電極層
3上に、撥水性と液体中での導電性を有する剥離層4を
形成する。
【0048】次に、図4に示すように、パターン電極層
3上の剥離層4表面に、フタロシアニンブルー系青色顔
料を30ml/lの濃度で添加したアクリル系アニオン
型電着樹脂浴を用いて厚さ2μmの電着樹脂からなる微
細パターン膜5を電着形成する。ここで、電着樹脂中に
顔料等の電着樹脂以外の微粒子を含有させることで、こ
の微粒子が骨材となって、剥離転写の際において微細パ
ターン膜5の形状が変形し難くなる。
【0049】以上のように形成された本実施の形態の微
細パターン膜5を被転写基板へ剥離転写する剥離転写工
程について図5〜図7を用いて説明する。
【0050】図5はマスター基板上の微細パターン膜に
温水を含浸させる含水工程を示す要部断面図、図6はマ
スター基板上の微細パターン膜を被転写基板に剥離転写
する工程を示す要部断面図、図7は被転写基板に剥離転
写された微細パターン膜を示す要部断面図である。
【0051】まず、図5に示すように、微細パターン膜
5が電着形成されたマスター基板1を温度が70℃の温
水6中に1分間浸漬することで、微細パターン膜5に十
分温水を含浸させるとともに、微細パターン膜5を加温
する。
【0052】次に、柔軟性を有するポリイミドフィルム
8の表面に厚さ18μmの銅箔9が形成された被転写基
板7を準備する。そして、温水に浸漬することでマスタ
ー基板1と接している微細パターン膜5の内部が水分を
含有しマスター基板1表面の剥離層4の撥水力によって
付着力が極めて弱い状態となり、微細パターン膜5の表
面が加温され粘性を有した状態となったマスター基板1
を温水中から取り出し、図6に示すように、これを被転
写基板7に密着加圧する。
【0053】そして、マスター基板1を被転写基板7か
ら引き剥がすと、図7に示すように、微細パターン膜5
は容易に被転写基板7へと完全剥離転写される。なお、
剥離転写後のマスター基板1には、電着法にて再度微細
パターン膜5が形成され、図5に戻って、微細パターン
膜5の転写のために繰り返し使用される。
【0054】以上のように被転写基板に剥離転写された
微細パターン膜5をエッチングマスクとして利用するエ
ッチング工程について図8、図9を用いて説明する。
【0055】まず、被転写基板7の表面に転写された微
細パターン膜5を140℃で30分間の加熱乾燥し、微
細パターン膜5の被転写基板7表面の銅箔9への付着強
度を上げる。
【0056】次に、図8に示すように、加熱乾燥した微
細パターン膜5をエッチングマスクとして利用して、銅
箔9の露出している部分を塩化鉄系水溶液にてエッチン
グ除去する。
【0057】その後、微細パターン膜5を70℃に加熱
した水酸化ナトリウム水溶液にて除去することで、図9
に示すように、ポリイミドフィルム8上に微細パターン
形状をした銅配線が形成されたプリント配線板が得られ
る。
【0058】本実施の形態における剥離層4の材料とし
ては、複合メッキ法で形成されて粒子状のポリテトラフ
ルオロエチレン等のフッ化グラファイト粒子を含有する
ニッケル等の金属複合膜、スパッタリング法等の真空蒸
着法で形成されるフッ化グラファイト薄膜、塗布法やデ
ィップコート法により形成されるフッ素オイル等のフッ
素系コーティング剤等の撥水性薄膜を用いることができ
る。
【0059】ここで、フッ化グラファイト粒子を含有す
る金属複合膜の場合、成膜された状態でフッ化グラファ
イト粒子が金属膜内で均一に分散されるように形成する
必要がある。また、フッ化グラファイト薄膜やフッ素系
コーティング剤の場合、いずれもそれ自体の導電率は低
いが、成膜した際の膜厚を5nm以上で100nm以下
とすることによって、撥水性と液体中で電着可能な程度
に導電性を有する薄膜が得られる。
【0060】例えば、本発明者らが行った実験によれ
ば、スパッタリング法によりパターン電極層上に剥離層
4として、5nm、15nm、30nm、100nmの
各膜厚のフッ化グラファイト薄膜を成膜した場合、いず
れの膜厚のフッ化グラファイト薄膜でも微細パターン膜
の電着が可能であるとともに、微細パターン膜に水分を
含浸させた際に、剥離層に対する付着力を十分に弱める
ことができる撥水性を有することが判明した。しかしな
がら、膜厚を200nmとしたフッ化グラファイト薄膜
では導電性が無く、微細パターン膜の電着が不可能であ
り、また、膜厚3nmのフッ化グラファイト薄膜では電
着は可能であったが、撥水性がほとんど無く、微細パタ
ーン膜の付着力を十分に弱めることが困難であった。し
たがって、剥離層4の厚さが5nmよりも薄いと剥離層
4の撥水効果が薄れて、剥離層4に対する微細パターン
膜の付着力を十分に弱めることができなくなる傾向を生
じ、一方、100nmよりも厚くなると、剥離層4の抵
抗が大きくなって剥離層4上に微細パターン膜を電着で
きなくなる傾向を生じるため、いずれも好ましくない。
【0061】さらにフッ素系コーティング剤として有用
なものには、フッ素オイル、完全フッ素化油等があり、
XおよびYを加水分解基とすると、これらのフッ素系コ
ーティング剤の末端基にシリコン系のSiX3およびチ
タン系のTiY3を有するものが好ましく、パターン電
極層3表面の水酸基等と加水分解反応をして、密着性を
より強固にすることが可能となり、マスター基板を繰り
返して使用する際の剥離層の耐久性を向上させることが
できる。特に、フッ素系コーティング剤の剥離層4に、
末端基としてシリコン系化合物もしくはチタン系化合物
を有するパーフルオロポリエーテルで構成される撥水性
薄膜を用いた場合、これらの末端基がマスター基板上の
電極層等に付着し易い性質を有しているために、ディッ
プコート法等で容易に所望の厚みに形成でき、薄いが故
に液体中で導電性を有する撥水性薄膜を均一にマスター
基板1上に形成することができる。
【0062】また、本実施の形態では、40℃より低い
温水温度である25℃の場合、微細パターン膜5表面の
加温による粘性が十分得られず、被転写基板7への完全
剥離転写ができない可能性があった。一方、40℃、5
0℃、60℃、70℃、80℃、90℃の各々の温水温
度においては、微細パターン膜5表面の加温による粘性
が得られる状態で、マスター基板1と接している微細パ
ターン膜5の内部は水分を含浸しマスター基板1表面の
剥離層4の撥水力によって付着力が弱い状態となり、繰
り返し再現性の良い完全剥離転写ができた。さらに、9
0℃より高い温水温度である95℃の場合では、微細パ
ターン膜5の内部の水分まで蒸発除去されるため、剥離
層4の撥水の効果が得られずに完全剥離転写できない。
従って、微細パターン膜5を完全剥離転写するために
は、微細パターン膜5として強力な粘着性を有する電着
樹脂を用いる必要がある。
【0063】しかし、マスター基板1に対する付着力が
強い状態で、強力な粘着性を有する微細パターン膜5を
用いて被転写基板7に強引に剥離転写するため、微細パ
ターン膜5のパターン形状の変化や歩留まり低下の原因
となる可能性があり、また、マスター基板1にダメージ
を与えやすくマスター基板1の寿命が短くなる可能性が
ある。
【0064】以上のことから、マスター基板1を浸漬す
る温水が40℃以上で90℃以下の温度範囲にて本発明
による効果が得られ、特に温水温度が70℃付近が剥離
転写の作業性の点から待ち時間がなくなり、最も好まし
い。
【0065】また、本実施の形態では、剥離転写時の微
細パターン膜5の変形防止の目的から、微細パターン膜
5中に顔料等の電着樹脂以外の微粒子を骨材として含有
させているが、電着樹脂以外の微粒子を含有すること
で、加温による微細パターン膜5の粘性は低下する。し
かし、微細パターン膜5に水分を含浸させ、マスター基
板1表面の剥離層4の撥水力によってマスター基板1へ
の付着力を弱めることが可能であるため、形状変形し難
く粘性の低い微細パターン膜5を微細パターン形状を維
持した状態で繰り返し再現性良く完全剥離転写すること
ができる。
【0066】このことは、微細パターン膜5の膜厚方向
に電着樹脂以外の微粒子の含有量が変化していても同様
の効果が得られる。特に、被転写基板7と接する部分で
の電着樹脂以外の微粒子の含有量を少なくし、被転写基
板7と接しない部分での電着樹脂以外の微粒子の含有量
を多くすることで、微細パターン膜5の被転写基板7と
接する部分では強い粘着力を付与し、かつそれ以外の部
分では弱い粘着性で形状変形し難くすることで、微細パ
ターン膜5をパターン形状を維持した状態で繰り返し再
現性良く完全剥離転写することが可能となっている。更
に、微細パターン膜5の膜厚方向に少なくとも2種類以
上の異なる電着樹脂以外の微粒子が積層含有されていて
も同様の効果が得られる。なお、本発明で利用できる電
着樹脂以外の微粒子としては、各種顔料等の有機材料か
らなる微粒子や、酸化チタンや酸化珪素等の無機材料か
らなる微粒子などがある。
【0067】更に、微細パターン膜5の変形防止と剥離
転写のための粘性を得る目的から、マスター基板1と接
する部分に形状変形し難い電着樹脂を電着し、被転写基
板7と接する部分に加温により粘性を有し易い電着樹脂
を連続電着し、これらの電着樹脂からなる微細パターン
膜5に温水を含浸させることで、マスター基板1表面の
形状変形し難い電着樹脂は剥離層4の撥水力によってマ
スター基板1への付着力を弱めることが可能となり、被
転写基板7と接する電着樹脂は温水によって加温され粘
性を有することで、微細パターン膜5をパターン形状を
維持した状態で繰り返し再現性の良く完全剥離転写する
ことが可能となる。
【0068】このことは、ガラス転移温度の異なる電着
樹脂を積層電着しても同様の効果が得られる。特に、マ
スター基板1と接する部分にガラス転移温度の高い電着
樹脂を電着し、被転写基板7と接する部分にガラス転移
温度の低い電着樹脂を連続電着し、これらの電着樹脂か
らなる微細パターン膜5にマスター基板1と接する部分
の電着樹脂のガラス転移温度以下で、被転写基板7と接
する部分の電着樹脂のガラス転移温度以上の温水を含浸
させることで、マスター基板1表面のガラス転移温度の
高い電着樹脂は剥離層4の撥水力によってマスター基板
1への付着力を弱めることが可能となり、被転写基板7
と接するガラス転移温度の低い電着樹脂は温水によって
加温され粘性を付与されることで、微細パターン膜5を
パターン形状を維持した状態で繰り返し再現性の良く完
全剥離転写することが可能となっている。
【0069】更には、樹脂硬化手段の異なる電着樹脂を
積層電着しても同様の効果が得られる。特に、マスター
基板1と接する部分に光硬化性の電着樹脂を電着し、被
転写基板7と接する部分に熱硬化性の電着樹脂を連続電
着し、一旦紫外線照射にてマスター基板1と接する部分
の光硬化性の電着樹脂を硬化させた後、これらの電着樹
脂からなる微細パターン膜5に温水を含浸させること
で、マスター基板1表面の光硬化済みの電着樹脂は剥離
層4の撥水力によってマスター基板1への付着力を弱め
ることが可能となり、被転写基板7と接する熱硬化性の
電着樹脂は温水によって加温され粘性を付与されること
で、微細パターン膜5をパターン形状を維持した状態で
繰り返し再現性の良く完全剥離転写することが可能とな
っている。
【0070】(実施の形態2)以下に本発明の実施の形
態2における微細パターンの製造方法について説明す
る。なお、本実施の形態では、微細パターンがプリント
配線板を製造する際のメッキマスクとして利用されたも
のである。
【0071】図10は本発明の実施の形態2における微
細パターン形成のためのマスター基板の構成を示す斜視
図である。図10において、マスター基板10は微細パ
ターン形成を電着法によりおこなうもので、被転写基板
上に微細パターン膜を剥離転写させる作用を有する。マ
スター基板10は剛性のあるガラス等からなる絶縁性基
板2と、この絶縁性基板2上に積層形成された導電層1
1と、この導電層11上に所定形状の配線導体のメッキ
マスクを形成するためのパターン絶縁層12とから構成
されている。
【0072】このようなマスター基板10を作製するマ
スター基板作製工程から微細パターン膜を電着形成する
微細パターン形成工程について図11〜図13を用いて
説明する。
【0073】図11は本発明の実施の形態2のマスター
基板の要部断面図、図12はマスター基板上の導電層に
剥離層を形成する工程を示す要部断面図、図13は導電
層に微細パターン膜を形成する工程を示す要部断面図で
ある。
【0074】まず、ガラス基板からなる剛性を有する絶
縁性基板2に厚さ500nmのニッケル薄膜をスパッタ
法を用いて成膜する。次に、感光性ポリイミド樹脂をス
ピンコート法にて厚さ30μmに塗布して、フォトマス
クを用いて露光した後、N−メチルピロリドン系の水溶
液にて現像してパターン絶縁層12に対応したレジスト
パターンを形成する。このレジストパターンを加熱硬化
して厚さ20μmの耐熱性、耐久性を有するポリイミド
樹脂からなるパターン絶縁層12を形成する。これによ
り、図11に示すように、本発明の実施の形態2の微細
パターンの製造方法に用いられるマスター基板10が形
成される。
【0075】次に、図12に示すように、導電層11上
に、撥水性と液体中で導電性を有する剥離層4を形成す
る。
【0076】次に、図13に示すように、導電層11上
の剥離層4の表面に、フタロシアニンブルー系青色顔料
を30ml/lの濃度で添加したアクリル系アニオン型
電着樹脂浴を用いて厚さ25μmの微細パターン膜5を
電着形成する。ここで、微細パターン膜5中に顔料等の
電着樹脂以外の微粒子を含有することで、この微粒子が
骨材となって、剥離転写の際に微細パターン膜5が形状
変形し難くなる。
【0077】以上のように形成された本実施の形態の微
細パターン膜を被転写基板へ剥離転写する剥離転写工程
について図14〜図16を用いて説明する。
【0078】図14はマスター基板上の微細パターン膜
に水分を含浸させる含水工程を示す要部断面図、図15
はマスター基板上の微細パターン膜を被転写基板に剥離
転写する工程を示す要部断面図、図16は被転写基板に
剥離転写された微細パターン膜を示す要部断面図であ
る。
【0079】まず、図14に示すように、微細パターン
膜5が電着形成されたマスター基板10を純水(水)1
3中に1分間浸漬することで、微細パターン膜5に十分
水分を含浸させる。
【0080】次に、柔軟性を有するポリイミドフィルム
8の表面に厚さ1μmの銅箔9を形成した被転写基板7
を用意する。そして、マスター基板10を純水中から取
り出して、図15に示すように、マスター基板10上の
微細パターン膜5を被転写基板7に密着させた後、微細
パターン膜5を密着させた被転写基板7を加温ヒータ1
4にて70℃に加温する。これにより、マスター基板1
0と接している微細パターン膜5の内部は水分を含有し
マスター基板10表面の剥離層4の撥水力によって付着
力が極めて弱い状態で、微細パターン膜5の表面は加温
され粘性を有した状態となる。
【0081】したがって、この状態の微細パターン膜を
被転写基板7から引き剥がすと、図16に示すように、
微細パターン膜5をそのパターン形状を維持した状態で
容易に被転写基板7へ完全剥離転写することができる。
なお、剥離転写後のマスター基板10は、電着法にて再
度微細パターン膜5が形成され、図14に戻って微細パ
ターン膜の転写のために繰り返し使用することができ
る。
【0082】以上のように被転写基板7に剥離転写され
た微細パターン膜5をメッキマスクとして利用するメッ
キ工程について図17〜図19を用いて説明する。
【0083】まず、被転写基板7の表面に転写された微
細パターン膜5を140℃で30分間の加熱乾燥し、被
転写基板7表面の銅箔9への付着強度を上げる。
【0084】次に、図17に示すように、加熱乾燥した
微細パターン膜5をメッキマスクとして利用して、銅箔
9の露出している部分に電気メッキ法にて銅メッキ膜1
5を形成する。
【0085】その後、図18に示すように、微細パター
ン膜を70℃に加熱した水酸化ナトリウム水溶液にて除
去する。
【0086】最後に、図19に示すように、ポリイミド
フィルム8上の銅メッキされていない銅箔部分を塩化鉄
系水溶液にてエッチング除去することで微細パターン形
状をした銅配線が形成されたプリント配線板が得られ
る。
【0087】更に、微細パターン膜5をメッキマスクと
して利用するメッキ転写工程について図20〜図23を
用いて説明する。
【0088】まず、メッキ膜と付着し難く、且つ導電性
を有するステンレス鋼基板等からなる被転写基板16表
面に微細パターン膜5を図11〜図16に示す方法によ
って形成する。そして、被転写基板16表面に転写され
た微細パターン膜5を140℃で30分間加熱乾燥し、
被転写基板16表面への付着強度を上げる。
【0089】次に、図20に示すように、加熱乾燥した
微細パターン膜5をメッキマスクとして利用して、被転
写基板16の露出している部分に電気メッキ法にて銅メ
ッキ膜15を形成する。
【0090】その後、図21に示すように、微細パター
ン膜を70℃に加熱した水酸化ナトリウム水溶液にて除
去する。
【0091】更に、図22に示すように、これを銅メッ
キ膜15がポリイミドフィルム17上に形成された接着
層18と密着加圧する。
【0092】次に、被転写基板16を引き剥がすと、図
23に示すように、銅メッキ膜15がポリイミドフィル
ム17上に転写される。最後に、ポリイミドフィルム1
7上の接着層18を硬化させることで、微細パターン形
状をした銅配線が形成されたプリント配線板が得られ
る。
【0093】本実施の形態では、メッキ転写工程の被転
写基板16として、メッキ膜と付着し難く、且つ導電性
を有するステンレス鋼基板が用いられているが、電気鋳
造法で用いられる母型の離型皮膜を表面に形成した導電
性基板を用いても同様の効果が得られる。なお、離型皮
膜としては、窒化チタン膜や導電性酸化皮膜、ポーラス
状酸化皮膜や極薄の有機系皮膜等がある。
【0094】また、本実施の形態では、ポリイミド樹脂
等の耐熱温度が100℃以上の耐熱性樹脂にてマスター
基板10を構成するパターン絶縁層12を形成するよう
にしている。これは、温水への浸漬及び剥離転写時の加
温に対してマスター基板10の耐久性良い利用を可能と
するためである。また、本実施の形態では、感光性ポリ
イミド樹脂等の感光性を有する耐熱性樹脂を露光現像し
てパターン絶縁層12を形成しているが、非感光性樹脂
をパターンエッチングしてパターン絶縁層を形成しても
同様の効果が得られる。
【0095】更に、本実施の形態では、マスター基板1
0を構成する導電層11を、絶縁性基板2上にスパッタ
リング法等を用いて積層形成しているが、導電性基板を
導電層として、その上に直接パターン絶縁層を形成して
も同様の効果が得られる。
【0096】また、本実施の形態2及び前記した実施の
形態1では、剛性のあるマスター基板1,10を用いて
柔軟性を有する被転写基板へ剥離転写するよういしてい
るため、マスター基板1,10と被転写基板とを密着接
合した後、両者を容易に引き剥がすことができる。従っ
て、マスター基板1,10上の微細パターン膜5を容易
に被転写基板に剥離転写することができる。なお、柔軟
性のあるマスター基板を用いて剛性のある被転写基板へ
の転写でも同様の効果が得られる。また、柔軟性のある
マスター基板として、薄い金属箔等でも同様の効果が得
られる。
【0097】(実施の形態3)以下に本発明の実施の形
態3による微細パターンの製造方法について説明する。
本実施の形態では、微細パターンがカラーフィルタを製
造する用途として利用されたものである。
【0098】図24は本発明の実施の形態3における微
細パターン形成のためのマスター基板の構成を示す斜視
図である。
【0099】図24において、マスター基板19は微細
パターン形成を電着法によりおこなうもので、被転写基
板上に微細パターン膜を剥離転写させる作用を有する。
マスター基板19は柔軟性と耐熱性、耐久性のあるポリ
イミドフィルム等からなる絶縁性基板(基板)20と、
この絶縁性基板20上に形成されたカラーフィルタの所
定形状のブラックマトリックスを形成するためのブラッ
クマトリックス形成用電極層(パターン電極層)21、
赤色フィルタを形成するための赤色フィルタ形成用電極
層(パターン電極層)22、青色フィルタを形成するた
めの青色フィルタ形成用電極層(パターン電極層)23
および緑色フィルタを形成するための緑色フィルタ形成
用電極層(パターン電極層)24とから構成されてい
る。
【0100】このようなマスター基板19を作製するマ
スター基板作製工程から微細パターン膜を電着形成する
微細パターン形成工程について図25〜図29を用いて
説明する。
【0101】図25は本発明の実施の形態3のマスター
基板上の各電極層に剥離層を形成する工程を示す要部断
面図、図26はマスター基板上にブラックマトリックス
を電着形成する工程を示す要部断面図、図27はマスタ
ー基板上に赤色フィルタを電着形成する工程を示す要部
断面図、図28はマスター基板上に青色フィルタを電着
形成する工程を示す要部断面図、図29はマスター基板
上に緑色フィルタを電着形成する工程を示す要部断面図
である。
【0102】まず、図24において、柔軟性と耐熱性、
耐久性を有するポリイミドフィルムからなる絶縁性基板
20に厚さ500nmのニッケル薄膜をスパッタ法を用
いて成膜する。次に、ポジ型フォトレジストをロールコ
ート法にて厚さ2μmに塗布して、フォトマスクを用い
て露光した後、炭酸ナトリウム水溶液にて現像してブラ
ックマトリックス形成用電極層21、赤色フィルタ形成
用電極層22、青色フィルタ形成用電極層23、緑色フ
ィルタ形成用電極層24に対応したレジストパターンを
形成する。このレジストパターンをエッチングマスクと
して利用し、絶縁性基板20上のニッケル薄膜を硝酸と
酢酸の水溶液からなるエッチング液によってエッチング
した後、上記レジストパターンを水酸化ナトリウム水溶
液にて除去することでブラックマトリックス形成用電極
層21、赤色フィルタ形成用電極層22、青色フィルタ
形成用電極層23、緑色フィルタ形成用電極層24を形
成する。これにより、図24に示すように、本発明の実
施の形態3の微細パターンの製造方法に用いるマスター
基板19が形成される。
【0103】次に、図25に示すように、これらの電極
層21〜24上に、撥水性と液体中で導電性を有する剥
離層4を形成する。
【0104】次に、図26に示すように、ブラックマト
リックス形成用電極層21の表面に形成された剥離層4
上にカーボンブラック系黒色顔料を30ml/lの濃度
で添加したアクリル系アニオン型電着樹脂浴を用いて厚
さ2μmのブラックマトリックス(微細パターン膜)2
5を形成する。
【0105】次に、図27に示すように、赤色フィルタ
形成用電極層22の表面に形成された剥離層4上に、ア
ントラキノン系赤色顔料を30ml/lの濃度で添加し
たアクリル系アニオン型電着樹脂浴を用いて厚さ2μm
の赤色フィルタ(微細パターン膜)26を形成する。
【0106】次に、図28に示すように、続いて青色フ
ィルタ形成用電極層23の表面に形成された剥離層4上
に、フタロシアニンブルー系青色顔料を30ml/lの
濃度で添加したアクリル系アニオン型電着樹脂浴を用い
て厚さ2μmの青色フィルタ27(微細パターン膜)を
形成する。
【0107】次に、図29に示すように、緑色フィルタ
形成用電極層24の表面に形成された剥離層4上に、フ
タロシアニングリーン系緑色顔料を30ml/lの濃度
で添加したアクリル系アニオン型電着樹脂浴を用いて厚
さ2μmの緑色フィルタ28(微細パターン膜)を形成
する。
【0108】以上のように形成された本実施の形態の微
細パターン膜を被転写基板へ剥離転写する剥離転写工程
について図30〜図32を用いて説明する。
【0109】図30はマスター基板上に微細パターン膜
に温水を含浸させる含水工程を示す要部断面図、図31
はマスター基板上の微細パターン膜を被転写基板に剥離
転写する工程を示す要部断面図、図32は被転写基板に
剥離転写された微細パターン膜を示す要部断面図であ
る。
【0110】まず、図30に示すように、ブラックマト
リックス25、赤色フィルタ26、青色フィルタ27、
緑色フィルタ28が電着形成されたマスター基板19を
温度が70℃の温水6中に1分間浸漬することで、微細
パターン膜に十分温水を含浸させるとともに、微細パタ
ーン膜を加温する。
【0111】次に、マスター基板19と接している微細
パターン膜の内部は水分を含有しマスター基板19表面
の剥離層4の撥水力によって付着力が極めて弱い状態
で、微細パターン膜の表面は加温され粘性を有した状態
となったマスター基板19を温水中から取り出す。そし
て、図31に示すように、この状態の微細パターン膜を
光透過性を有するガラス基板からなる被転写基板29に
密着加圧する。
【0112】その後、両者を引き剥がすと、図32に示
すように、微細パターン膜はそのパターン形状を維持し
た状態で容易に被転写基板29へ完全剥離転写される。
なお、剥離転写後のマスター基板19は、電着法にて再
度微細パターン膜が形成され、図30に戻って微細パタ
ーン膜の転写のために繰り返し使用することができる。
【0113】以上のように被転写基板29に剥離転写さ
れた微細パターン膜を140℃で30分間の加熱乾燥す
ることで、転写後のブラックマトリックス25および赤
色フィルタ26、青色フィルタ27、緑色フィルタ28
の微細パターン膜の表面が略同一平面状の高精度で高密
度なカラーフィルタを形成することができる。
【0114】なお、本実施の形態では、光透過性を有す
るガラス基板を被転写基板29として微細パターン膜を
剥離転写しているが、光学素子基板を被転写基板とし
て、ブラックマトリックスおよび赤色フィルタ、青色フ
ィルタ、緑色フィルタの微細パターン膜を剥離転写して
も同様の高精度で高密度なカラーフィルタが形成され
る。
【0115】また、本実施の形態では、ポリイミド樹脂
等の耐熱温度が100℃以上の耐熱性樹脂にてマスター
基板19を構成する絶縁性基板が形成されている。これ
は、温水への浸漬及び剥離転写時の加温に対してマスタ
ー基板19の耐久性良い利用を可能とするためである。
【0116】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、微細パ
ターン膜の内部は水分を含浸してマスター基板表面の剥
離層の撥水力によって付着力が弱められ、且つ微細パタ
ーン膜の表面は加温され粘性を生じるため、微細パター
ン膜をそのパターン形状を維持した状態で被転写基板に
再現性良く完全剥離転写することができるという有効な
効果が得られる。
【0117】また、本発明によれば、このようにして微
細パターン膜の完全剥離転写が容易に可能になることか
ら、粘着力の弱い電着樹脂、即ち形状変形し難い電着樹
脂が利用できるようになり、微細パターン形状を維持し
た状態で微細パターン膜の完全剥離転写が可能となり、
剥離転写時に微細パターン膜の劣化や歩留まり低下等が
なくなるので、高精細、高密度の微細パターン膜を安価
に信頼性よく量産することができるという有効な効果が
得られる。
【0118】さらに、本発明によれば、マスター基板へ
のダメージも軽減できるためマスター基板を耐久性良く
繰り返し利用することが可能となるという有効な効果が
得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における微細パターン形
成のためのマスター基板の要部を示す斜視図
【図2】図1のマスター基板を示す要部断面図
【図3】マスター基板上のパターン電極層に剥離層を形
成する工程を示す要部断面図
【図4】パターン電極層に微細パターン膜を形成する工
程を示す要部断面図
【図5】マスター基板上の微細パターン膜に温水を含浸
させる含水工程を示す要部断面図
【図6】マスター基板上の微細パターン膜を被転写基板
に剥離転写する工程を示す要部断面図
【図7】被転写基板に剥離転写された微細パターン膜を
示す要部断面図
【図8】本発明の実施の形態1における微細パターンの
製造方法における一工程を示す要部断面図
【図9】本発明の実施の形態1における微細パターンの
製造方法における図8に続く工程を示す要部断面図
【図10】本発明の実施の形態2における微細パターン
形成のためのマスター基板の構成を示す斜視図
【図11】本発明の実施の形態2のマスター基板の要部
断面図
【図12】マスター基板上の導電層に剥離層を形成する
工程を示す要部断面図
【図13】導電層に微細パターン膜を形成する工程を示
す要部断面図
【図14】マスター基板上の微細パターン膜に水分を含
浸させる含水工程を示す要部断面図
【図15】マスター基板上の微細パターン膜を被転写基
板に剥離転写する工程を示す要部断面図
【図16】被転写基板に剥離転写された微細パターン膜
を示す要部断面図
【図17】本発明の実施の形態2における微細パターン
の製造方法における一工程を示す要部断面図
【図18】本発明の実施の形態2における微細パターン
の製造方法における図17に続く工程を示す要部断面図
【図19】本発明の実施の形態2における微細パターン
の製造方法における図18に続く工程を示す要部断面図
【図20】本発明の実施の形態2における微細パターン
の製造方法における一工程を示す要部断面図
【図21】本発明の実施の形態2における微細パターン
の製造方法における図20に続く工程を示す要部断面図
【図22】本発明の実施の形態2における微細パターン
の製造方法における図21に続く工程を示す要部断面図
【図23】本発明の実施の形態2における微細パターン
の製造方法における図22に続く工程を示す要部断面図
【図24】本発明の実施の形態3における微細パターン
形成のためのマスター基板の構成を示す斜視図
【図25】本発明の実施の形態3のマスター基板上の各
電極層に剥離層を形成する工程を示す要部断面図
【図26】マスター基板上にブラックマトリックスを電
着形成する工程を示す要部断面図
【図27】マスター基板上に赤色フィルタを電着形成す
る工程を示す要部断面図
【図28】マスター基板上に青色フィルタを電着形成す
る工程を示す要部断面図
【図29】マスター基板上に緑色フィルタを電着形成す
る工程を示す要部断面図
【図30】マスター基板上に微細パターン膜に温水を含
浸させる含水工程を示す要部断面図
【図31】マスター基板上の微細パターン膜を被転写基
板に剥離転写する工程を示す要部断面図
【図32】被転写基板に剥離転写された微細パターン膜
を示す要部断面図
【符号の説明】
1 マスター基板 2 絶縁性基板(基板) 3 パターン電極層 4 剥離層 5 微細パターン膜 6 温水 7 被転写基板 10 マスター基板 11 導電層 12 パターン絶縁層 13 純水(水) 14 加温ヒータ 19 マスター基板 20 絶縁性基板(基板) 21 ブラックマトリックス形成用電極層(パターン電
極層) 22 赤色フィルタ形成用電極層(パターン電極層) 23 青色フィルタ形成用電極層(パターン電極層) 24 緑色フィルタ形成用電極層(パターン電極層) 25 ブラックマトリックス(微細パターン膜) 26 赤色フィルタ(微細パターン膜) 27 青色フィルタ(微細パターン膜) 28 緑色フィルタ(微細パターン膜) 29 被転写基板
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // G02B 5/20 101 H01L 21/88 B H01L 21/60 21/92 604F

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上に所定形状のパターン電極層を形成
    してマスター基板を作製するマスター基板作製工程と、 前記マスター基板上に撥水性薄膜からなる剥離層を形成
    する剥離層形成工程と、 前記剥離層上に電着法にて微細パターン膜を形成する微
    細パターン形成工程と、 前記微細パターン膜に40℃〜90℃の温水を含浸させ
    る含水工程と、 前記マスター基板上の温水を含浸した前記微細パターン
    膜を被転写基板に密着させ、この微細パターン膜を前記
    マスター基板から剥離させて前記被転写基板に転写する
    剥離転写工程とを備えたことを特徴とする微細パターン
    の製造方法。
  2. 【請求項2】基板上に所定形状のパターン電極層を形成
    してマスター基板を作製するマスター基板作製工程と、 前記マスター基板上に撥水性薄膜からなる剥離層を形成
    する剥離層形成工程と、 前記剥離層上に電着法にて微細パターン膜を形成する微
    細パターン形成工程と、 前記微細パターン膜に水分を含浸させる含水工程と、 前記マスター基板上の前記微細パターン膜を被転写基板
    に密着させる密着工程と、 前記微細パターン膜を密着させた被転写基板を40℃〜
    90℃に加温する加温工程と、 前記マスター基板上の水分を含浸して加温された前記微
    細パターン膜を前記マスター基板から剥離させてこれを
    前記被転写基板に転写する剥離転写工程とを備えたこと
    を特徴とする微細パターンの製造方法。
  3. 【請求項3】前記マスター基板作製工程が、 絶縁性基板上に導電層を形成する導電層形成工程と、 前記導電層のエッチングにより所定形状のパターン電極
    層を形成してマスター基板を作製するパターン電極層形
    成工程よりなることを特徴とする請求項1または2記載
    の微細パターンの製造方法。
  4. 【請求項4】前記マスター基板作製工程が、 絶縁性基板上に導電層を形成する導電層形成工程と、 前記導電層上に絶縁層を形成し、前記絶縁層のエッチン
    グにより所定形状のパターン絶縁層を形成してマスター
    基板を作製するパターン絶縁層形成工程よりなることを
    特徴とする請求項1または2記載の微細パターンの製造
    方法。
  5. 【請求項5】前記マスター基板作製工程が、 導電性基板上に絶縁層を形成し、前記絶縁層のエッチン
    グにより所定形状のパターン絶縁層を形成してマスター
    基板を作製するパターン絶縁層形成工程よりなることを
    特徴とする請求項1または2記載の微細パターンの製造
    方法。
  6. 【請求項6】前記マスター基板もしくは前記被転写基板
    の一方が柔軟性を有し、かつ他方が剛性を有することを
    特徴とする請求項1〜5の何れか一項に記載の微細パタ
    ーンの製造方法。
  7. 【請求項7】前記マスター基板となる前記絶縁性基板が
    耐熱性樹脂であることを特徴とする請求項3または4記
    載の微細パターンの製造方法。
  8. 【請求項8】前記マスター基板上の前記パターン絶縁層
    が耐熱性樹脂であることを特徴とする請求項4または5
    記載の微細パターンの製造方法。
  9. 【請求項9】前記剥離層形成工程が、 前記マスター基板上にフッ化グラファイト薄膜で構成さ
    れる撥水性薄膜からなる剥離層を形成する剥離層形成工
    程よりなることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項
    に記載の微細パターンの製造方法。
  10. 【請求項10】前記剥離層形成工程が、 前記マスター基板上にフッ素系コーティング剤で構成さ
    れる撥水性薄膜からなる剥離層を形成する剥離層形成工
    程よりなることを特徴とする請求項1〜8の何れか一項
    に記載の微細パターンの製造方法。
  11. 【請求項11】剥離層形成工程が、 前記マスター基板上に末端基としてシリコン系化合物も
    しくはチタン系化合物を有するパーフルオロポリエーテ
    ルで構成される撥水性薄膜からなる剥離層を形成する剥
    離層形成工程よりなることを特徴とする請求項1〜8の
    何れか一項に記載の微細パターンの製造方法。
  12. 【請求項12】前記剥離層の厚みが5nm以上で100
    nm以下であることを特徴とする請求項9〜11の何れ
    か一項に記載の微細パターンの製造方法。
  13. 【請求項13】前記微細パターン形成工程で形成される
    前記微細パターン膜には、電着樹脂以外の微粒子が含有
    されていることを特徴とする請求項1〜12の何れか一
    項に記載の微細パターンの製造方法。
  14. 【請求項14】前記微細パターン形成工程で形成される
    前記微細パターン膜は、その膜厚方向に電着樹脂以外の
    微粒子の含有量が変化していることを特徴とする請求項
    13記載の微細パターンの製造方法。
  15. 【請求項15】前記微細パターン形成工程で形成される
    前記微細パターン膜には、その膜厚方向に少なくとも2
    種類以上の異なる電着樹脂以外の微粒子が積層含有され
    ていることを特徴とする請求項13記載の微細パターン
    の製造方法。
  16. 【請求項16】前記微細パターン形成工程で形成される
    前記微細パターン膜には、その膜厚方向に少なくとも2
    種類以上の異なる電着樹脂が積層形成されていることを
    特徴とする請求項1〜12の何れか一項に記載の微細パ
    ターンの製造方法。
  17. 【請求項17】前記微細パターン形成工程で形成される
    前記微細パターン膜には、その膜厚方向に少なくともガ
    ラス転移温度の異なる電着樹脂が積層形成されているこ
    とを特徴とする請求項16記載の微細パターンの製造方
    法。
  18. 【請求項18】前記微細パターン形成工程で形成される
    前記微細パターン膜には、その膜厚方向に少なくとも樹
    脂硬化手段の異なる電着樹脂が積層形成されていること
    を特徴とする請求項16記載の微細パターンの製造方
    法。
  19. 【請求項19】請求項1〜18の何れか一項に記載の微
    細パターンの製造方法によって絶縁性基材と金属箔より
    なる被転写基板上に剥離転写された微細パターン膜を形
    成し、前記微細パターン膜をエッチングマスクとして用
    い、前記金属箔をエッチング除去することによりプリン
    ト配線板を得ることを特徴とする微細パターンの製造方
    法。
  20. 【請求項20】請求項1〜18の何れか一項に記載の微
    細パターンの製造方法によって絶縁性基材等よりなる被
    転写基板上に剥離転写された微細パターン膜をメッキマ
    スクとして用い、前記被転写基板上に金属膜をメッキ形
    成することによりプリント配線板を得ることを特徴とす
    る微細パターンの製造方法。
  21. 【請求項21】請求項1〜18の何れか一項に記載の微
    細パターンの製造方法によって、顔料を含む電着樹脂か
    らなり、少なくとも2種類以上の異なる色を有する二次
    元パターン電着物より構成される微細パターン膜の集合
    体にて構成されたカラーフィルタを光透過性基板もしく
    は光学素子基板上に得ることを特徴とする微細パターン
    の製造方法。
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