JPH11251722A - 耐熱性配線基板 - Google Patents

耐熱性配線基板

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JPH11251722A
JPH11251722A JP4719398A JP4719398A JPH11251722A JP H11251722 A JPH11251722 A JP H11251722A JP 4719398 A JP4719398 A JP 4719398A JP 4719398 A JP4719398 A JP 4719398A JP H11251722 A JPH11251722 A JP H11251722A
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JP
Japan
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heat
substrate
wiring board
pattern
electrodeposition
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JP4719398A
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English (en)
Inventor
Yasumasa Akimoto
靖匡 秋本
Junichi Arai
潤一 新井
Eizaburo Watanabe
英三郎 渡辺
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Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH11251722A publication Critical patent/JPH11251722A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電着金属パターン転写法による耐熱性配線基板
の製造において、使用する粘接着剤が耐熱性に優れ、電
着マスクが耐久性に優れ、大型化対応可能な耐熱性配線
基板を提供することにある。 【解決手段】表面に金属電着パターン30を有する耐熱
性配線基板1において、転写用基板20上に形成された
該電着金属パターン30を粘接着剤層60を介して被転
写基板10に転写しなり、前記粘接着剤層60が、焼成
によって消失する有機質成分と熱融着する無機成分とか
らなり、さらに前記電着金属パターンを転写用基板上に
形成するための電着マスク70材がシリコーン樹脂の常
温、加熱もしくは放射線硬化物でなることを特徴とし、
また前記転写用基板20が、被転写基板10と同一材種
もしくは熱膨張係数が同等である素材からなり、その表
面に電着物易剥離性表面を形成してなる耐熱性配線基板
1としたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に金属導電性
パターンを有する耐熱性配線基板に関するものであり、
特に電着金属パターン転写法を用いた耐熱性配線基板に
関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、ガラス基板やセラミック板へ
耐熱性導電性パターンを形成する方法としては、焼成型
導電性ペーストをスクリーン印刷し、焼成するスクリー
ン印刷法、基板全面へ蒸着等で導電膜を形成した後フォ
トリソグラフィー法でパターンニングするエッチング
法、同様にフォトリソグラフィー法を使用するが、ペー
ストを感光性にしたFordel(デュポン社製)を使
用する方法などが知られている。また、所望のパターン
を電着によって得るパターン電着法(アディティブ法と
も言われる)がある。
【0003】しかし、これらの方法は、最近の電気部品
の高性能化・高精細化と低価格化に伴う配線パターンの
高機能化・高精細化と、プロセス等の低コスト化には対
応が難しくなっているのが現状である。例えばプラズマ
ディスプレイ基板の配線パターンとして線巾30〜40
μm、厚さ5〜20μm、位置精度±5μm/m、長さ
1000mm程度の配線パターンが収率よく、低コスト
で得られる方法が要望されているが、以下に述べるよう
に従来技術では対応できていない。
【0004】すなわち、スクリーン印刷法では、線巾が
60〜70μm程度が細線化の限度であり、位置精度も
±100μm/m程度が限界である。さらに、ペースト
の使用によって、焼成物の場合の電気伝導率はムクのも
のの略半分程度であるので、抵抗値の低い配線パターン
を得るためには、例えば何回も重ね刷りする必要があっ
た。
【0005】また、フォトリソグラフィー法を使用する
方法では、線巾、位置精度、電気伝導度については要求
仕様を満足することができる場合が多いが、材料を全面
に形成するために、無駄が多いこと、プロセスが長いこ
と、エッチング液による基板の汚染の問題があること、
大型の場合真空装置で成膜するには装置が高価であるこ
と、等の問題がある。しかし、仕様が厳しい場合に他の
方法がなく、やむを得ず使用されている場合が多い。
【0006】さらにまた、パターン電着法では、プリン
ト回路板の製造にはかなり使用されているが、最初に電
気伝導性のない基板上に無電解メッキ法で導体パターン
を形成するので、基板に無電解メッキの開始作用を有す
る触媒等を所望のパターンで形成する必要があり、また
汚れ等をかなり注意して除去しないと、無電解メッキが
スタートせず欠陥の原因となる。また、無電解メッキ液
の管理にも厳重な配慮が必要であり、無電解メッキ液に
よる基板の汚染についても注意が必要である。すなわ
ち、優れた方法ではあるが、安定生産のためにはかなり
高度の技術とノウハウが必要であり、コストもそれほど
下がらないので、大幅な普及に至ってない。また、本発
明の目的である耐熱性については、ガラス基板に対して
は付着力を高くする工夫が必要であるが、耐熱性を含め
た良い方法はまだない。セラミック基板に対してはアデ
ィティブ法はまだ実用されていない。
【0007】一方、近年、電着金属パターン転写法が、
通常のプリント回路板の作成にある程度使用されるよう
になってきた。例えば、特開平2−71582号公報で
は、上記電着金属パターン転写法における電着マスク部
分として所望のパターンが穿孔された板を採用し、基板
に貼りつけて使用する方法が提案されている。
【0008】上記電着金属パターン転写法の通常の工程
は、図4(a)に示すように、転写用基板(20)とし
て、電着金属膜を容易に剥離することができるステンレ
スの板を使用し、その上にフォトレジスト(40)を塗
布し、所望のパターンを有するフォトマスク(50)を
通して露光し、現像して、図4(b)に示すように、所
望の電着部分以外のフォトレジストの硬化部(40a)
でなる電着マスク(70)を転写用基板(20)上に形
成する。続いて、図4(c)に示すように、所望の厚さ
まで電着し、金属電着パターン(30)をフォトレジス
トの硬化部(40a)でなる電着マスク(70)以外の
部分に形成する。必要に応じて研磨して平らにした後、
図4(d)に示すように、フォトレジストを剥離した転
写用基板(20)上に金属電着パターン(30)が形成
された転写体(2)とする。
【0009】続いて、図4(e)に示すように、表面に
粘着剤もしくは接着剤(以下粘接着剤層(60)と言
う)が施され被転写基板(10)表面と上記で得られた
転写体(2)の金属電着パターン(30)面を密着貼り
合わせた後、両者を引き剥がすことによって、図4
(f)に示すような被転写基板(10)上に金属電着パ
ターン(30)が形成された配線基板(1)を得るもの
である。
【0010】このように電着金属パターン転写法の利点
は、アディティブ法と異なり、転写用基板(20)とし
て電気電導性のあるものを使用するので、無電解メッキ
でなく電気メッキも使用できることである。また、転写
用基板(20)をメッキ液に浸漬しないので、メッキ液
による基板の汚染がないことである。この相違は、セラ
ミック基板のような多孔性の物質においては、重要であ
る。
【0011】しかし、上述したように、この方法を耐熱
性(例えば300℃以上)が要求される後工程を通過す
る基板に使用した例は無い。例えば導電体パターンを形
成した後に後工程で300℃以上の加熱工程を要するも
のとしては、プラズマディスプレイの基板、プラズマト
ロン(ソニー社商品名)の一部の基板、蛍光表示管の基
板、エレクトロルミネッセンス、アクティブマトリック
ス型液晶ディスプレイの基板、(多層)セラミック回路
板、等があるが、上記のようなステンレスでなる金属製
の転写用基板(20)が使用されていない。その理由
は、実際上、粘接着剤層(60)が耐熱性に欠けるため
である。
【0012】また、上記電着金属パターン転写法におい
て、電着マスク(70)によって形成された凹部(7
2)(導電パターン部)に電着によって析出した金属電
着パターン(30)を被転写基板(10)上に転写する
工程において、従来の方法では、電着マスク(70)で
あるフォトレジストの硬化部(40a)を剥離してから
転写している。その理由は、もし生産性の向上のため、
剥離せずに転写すると、被転写基板(10)上の粘接着
剤層(60)に電着マスク(70)の一部あるいは全部
が粘着されてしまい、剥離時に破損してしまうか、ある
いは逆に粘着剤が電着マスクに付着してしまい、繰り返
して行う場合の障害となると言う問題があるからであ
る。
【0013】この解決方法として、図5に示すように、
粘接着剤層(60)の塗布領域を、転写部分すなわち金
属電着パターン(30)部に限る方法が、特開平4−2
60389号公報に開示されている。すなわち、粘接着
剤層(60)に電気伝導性のある材料を使用してパター
ン電着する方法でって、粘着剤のパターンニングに再度
電着を使用するという巧妙な方法である。この改良によ
って、粘接着剤層(60)が必要部分にだけ形成される
のでフォトレジストの硬化部(40a)でなる電着マス
クに粘接着剤が付着することが少なくなった。しかし、
電着工程がひとつ増える上、そのような電着性を有する
粘接着剤は高価でありまた粘着特性等が十分でない場合
があった。
【0014】さらにまた、上記電着マスク(70)の破
損等の対策法が特開平6−175340号公報に開示さ
れている。この方法は、転写用基板(20)表面全面に
剥離性樹脂層を形成する方法である。しかし、この方法
においては以下に示す問題点があった。すなわち、その
工程において、まず基板上にマスキング層として絶縁層
を基板全面に、例えばイオンプレーティング法、真空蒸
着法、スパッタリング法等の各種の薄膜形成法で形成
し、つぎにこの層をフォトリソグラフィによってパター
ンニングし、その後、この状態の基板全面にシリコーン
樹脂等の剥離性樹脂層を、例えば掛け流し法、スピンコ
ート法、ロールコート法などの方法によって、形成する
というものであり、工程が非常に多い上に、剥離性樹脂
層の厚さの調整が微妙であった。すなわち、厚さは0.
005〜0.1μm程度が好ましく、0.005μm未
満であると、外力による剥離性樹脂層の破断等が生じて
マスキング層の保護が不十分となった。また、剥離性樹
脂層の厚さが0.1μmを越えると、電着物質が凹部内
に形成されなかったり、凹部の形状が所定の形状からず
れてしまったりするので好ましくなかった。しかし、こ
のような制約を満足すれば、線巾5μm、厚さ1μmと
いう微細な導電パターンを形成することができる。しか
し、実際にはこの厚さを凹凸のあるパターンで維持する
ように塗布することはかなり困難であり、特に、凹部内
の厚さにむらがあると、電気抵抗のむらとなり、析出速
度のムラとなり、電着物の厚さムラとなって、導電パタ
ーンの均一性が低下するという問題点があった。
【0015】また、上記方法のさらなる改良が特開平6
−283842号公報に開示されている。すなわち、図
6に示すように、剥離性を付与した電着マスク(70)
とするために、電着可能な導電性のオルガノポリシロキ
サンを使用し、厚さを所望値で一定とするため電着塗布
を利用した方法である。しかし、この方法においては上
記の問題点の一つである剥離性層の厚さの不均一性は改
良されたが、その他の工程数等の問題点は解決されてい
ないものであった。
【0016】また、従来の電着金属パターン転写法にお
いて、上記いずれの方法においても、得られる配線基板
の大型化の対応に問題があった。すなわち、電着パター
ン転写方法は大面積なものに適用する際は、寸法精度の
点で問題があった。例えば、通常のプリント配線板では
導電性パターンを何層も積層するが、縦穴のスルーホー
ルがあり、全層の寸法精度が厳しく定められている。ス
ルーホールの直径は近年の高精細化によって、200μ
mから100μmとなり、さらには50μmが求められ
ている。寸法精度も±50μmから25μmとなり、さ
らには12μmが求められている。多層セラミック回路
板においても、高精細化は遅れているが、同様な傾向で
寸法精度の向上が要求されている。
【0017】また、プラズマディスプレーパネル(PD
P)の電極配線パターンの寸法精度はガラス基板(α=
〜8×10-6/ ℃)約1メートルの範囲において、±5
〜10μmである必要があると言われている。また大型
のディスプレイなら、液晶ディスプレイでもプラズマト
ロン等でも同様である。さらに、蛍光表示管や電界放射
型表示装置(FED)等の真空封止が必要な装置におい
ても耐熱性のある配線パターンが必要である。両者とも
現在はサイズが10インチ以下と小型であるが、将来、
大型化、高精細化すれば、上記の±5〜10μm程度の
寸法精度が必要になる。
【0018】このように大型化を阻害している第一の原
因は、電着される転写用基板(20)の熱膨張率が0で
ないため、その温度が露光時と転写時で異なる場合、寸
法がずれてしまうことであり、第二の原因は転写用基板
(20)と被転写基板(10)間の熱膨張率が相違して
いるため、転写工程中に加温等の温度変化を伴う工程を
用いることができないことである。
【0019】従来法では、転写用基板(20)の材質が
ステンレス(熱膨張係数α=〜10×10-6/℃) なの
で、寸法精度を維持するためには、露光時と転写時の温
度の違いをおよそ±1℃以下に抑えなければならず、実
際上はかなり厳しい条件であって、管理上の問題となる
ものであった。
【0020】一方、転写工程中に加熱することは、後に
述べるように接着材を使用する場合には必要であり、粘
着材を使用する場合も加熱硬化が望ましい場合がある。
しかし、被転写物であるセラミック回路板(熱膨張率α
=7〜8×10-8/℃)やガラス基板(α=8×10-6
/℃) の熱膨張率がステンレスとかなり異なるので加熱
は避ける必要がある。例えば、熱膨張率が1×10-6
℃異なっていても、10℃加熱すれば、10μm /mの
寸法ずれとなる。従って、加熱工程が必要な場合、電着
される転写用基板(20)の熱膨張率は被転写基板(1
0)のそれと極めて近いことが必要となる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる従来
技術の問題点を解決するものであり、その課題とすると
ころは、電着金属パターン転写法による耐熱性配線基板
の製造において、使用する粘着剤もしくは接着剤が熱処
理によって耐熱性に優れた接着力を有し、電着マスクが
耐久性を有し、生産性に優れ、大型化対応可能な耐熱性
配線基板を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明に於いて上記課題
を達成するために、まず請求項1の発明では、表面に金
属導電性パターンを有する耐熱性配線基板において、該
金属導電性パターンが電着金属パターンであって、転写
用基板上に形成された該電着金属パターンを粘着剤もし
くは接着剤を介して被転写基板に転写しなることを特徴
とする耐熱性配線基板としたものである。
【0023】また、請求項2の発明では、前記粘着剤も
しくは接着剤が、少なくとも焼成によって消失する有機
質成分と被転写基板に熱融着する無機成分とからなるこ
とを特徴とする請求項1記載の耐熱性配線基板としたも
のである。
【0024】また、請求項3の発明では、前記粘着剤も
しくは接着剤が、前記金属電着パターンに加熱接着性を
有する金属粉を含むことを特徴とする請求項1または2
記載の耐熱性配線基板としたものである。
【0025】また、請求項4の発明では、前記電着金属
パターンを転写用基板上に形成するための電着マスク材
がシリコーン樹脂の常温硬化物、加熱硬化物、溶液乾固
物とそれを焼き付けたものもしくは放射線硬化物でなる
ことを特徴とする請求項1、2または3記載の耐熱性配
線基板としたものである。
【0026】また、請求項5の発明では、前記転写用基
板が、被転写基板と同一材種もしくは熱膨張係数が同等
である素材からなり、その表面に電着物易剥離性表面を
形成してなることを特徴とする請求項1、2、3または
4記載の耐熱性配線基板としたものである。
【0027】また、請求項6の発明では、前記被転写基
板の材質がガラスの場合、転写用基板の材質が42合金
でなることを特徴とする請求項1、2、3、または5記
載の耐熱性配線基板としたものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。本発明の耐熱性配線基板は、図2(b)に示すよう
に、表面に金属導電性パターンを有する耐熱性配線基板
において、該金属導電性パターンが電着金属パターン
(30)であって、転写用基板(20)上に形成された
該電着金属パターン(30)を粘接着剤層(60)を介
して被転写基板(10)に転写する電着転写法によって
得られるものであり、前記粘接着剤層(60)が、焼成
によって消失する有機質成分と熱融着する無機成分とか
らなることを特徴とするものである。
【0029】この粘接着剤層(60)によって、図2
(c)に示す耐熱性配線基板(1)の焼成工程におい
て、被転写基板(10)に転写された電着金属パターン
(30)が強固に接着された耐熱性配線基板(1)とす
ることができる。
【0030】また、請求項3の発明では、上記電着金属
パターン(30)を転写用基板(20)上に形成するた
めの電着マスク(70)のマスク材がシリコーン樹脂の
常温硬化、加熱硬化、溶液乾固とそれを焼き付けたもの
もしくは放射線硬化物でなることを特徴とするものであ
る。ここでいう放射線とは、光やX線等の電磁波や電子
線などの化学作用を有するものを指す。
【0031】この電着マスク(70)の易剥離特性によ
って、図1(e)に示すような転写後の電着転写版
(4)の剥離を容易にするため、精度の良い電着金属パ
ターン(30)を被転写基板(10)上に形成すること
ができ、さらにこの電着転写版(4)は多数回の繰り返
し使用を可能とする。
【0032】さらにまた、請求項4の発明では、上記転
写用基板(20)が、被転写基板(10)と同一材種も
しくは熱膨張係数が同等である素材からなり、その表面
に電着物易剥離性表面を形成してなるとしたので、大型
の耐熱性配線基板(1)に対応可能なものとすることが
できる。
【0033】ここで本発明の耐熱性配線基板に関わる材
料等についてさらに詳しく以下に説明する。上記粘接着
剤層(60)の成分である焼成時に消失してしまう材料
としては、焼成用ペーストに関する文献に記載されてい
て、そのほとんどが本発明において使用可能である。代
表的な粘着性物質としては、まずアクリル系樹脂があ
る。この系の樹脂の場合、ガラス転移温度が−70℃〜
200℃の範囲で分子量が5万〜200万までのものを
ブレンドして、必要な粘着性を得る。また、加熱接着剤
の例としては、ブチラ−ル樹脂でガラス転移温度が20
℃〜150℃の範囲で、重合度が500〜2500のも
のがある。スチレン系の樹脂も使用可能である。さらに
は、それ自体には粘接着性はないが、溶剤に溶解した状
態で粘接着性が発現し、ガラスフリットや無機物粉体を
混合した最終状態の粘接着力が、転写用基板(20)か
ら電着金属パターン(30)を剥離するのに充分なもの
が挙げられ、例えば、セルロース系のニトロセルロース
やエチルセルロースである。また特に、強力な接着力が
必要な場合には、硬化型のエポキシ樹脂を使用すること
もできる。
【0034】また、粘接着剤層(60)の成分である熱
融着する成分の材料としてガラスフリットと無機物粉体
の混合物などが挙げられ、そのガラスフリット分として
は、溶融時の被転写基板(10)との馴染みがよいもの
であり、かつ軟化点が後工程の加熱温度より高いものと
する。また、熱膨張係数が被転写基板(10)のそれに
近いことが望ましい。例えば、被転写基板(10)が青
板ガラスである場合には、ホウ珪酸鉛ガラスで組成がB
2 3 =10wt%,SiO2 =22wt%,PbO=68
wt%のものがある。
【0035】しかし、熱膨張係数は混合する無機物質粉
体によってある程度調整することが可能である。混合す
る無機物質粉体としては、例えばアルミナ、ムライト、
珪素、ジルコニア、等が挙げられる。
【0036】また、粘接着剤層(60)に混入する金属
粉としては、加熱すると電着金属に対して接着力を発現
するものが望ましく、例えば、電着金属と同一の金属や
他の金属となじみのよいAu、Ag、Pd、Sn、Zn
およびその合金などが挙げられる。
【0037】つぎに本発明に関わる被転写基板(10)
として、厚膜回路板の場合にはアルミナ基板または、そ
のグリーンシートが使用される。その場合には、ガラス
フリット分は使用しないことが多く、無機物質の粉末が
溶融して接着作用を発現する。例えば、タングステンの
電着金属パターン(30)を転写する場合に使用する粘
接着剤層(60)には、アルミナ粉末と極少量の融着成
分を混合したものを使用する。
【0038】電着金属パターン(30)となる導電物質
としては、金、銀、銅、ニッケル、鉄、コバルト、クロ
ム、タングステン、モリブデン、タンタル、亜鉛、鉛、
スズ、等がある。また、用途によってはこれらの合金と
してもよい。また、別種の金属を2層、3層とすること
もよい。例えば、下部層を銅とし、表面を金とすれば、
剥き出しであっても空気中で充分に安定である。
【0039】上記電着金属パターン(30)のためのメ
ッキ液としては、電着マスク(70)や、転写用基板
(20)を傷めないものなら使用可能である。実際に
は、転写時に多少の延展性が必要なので、脆いメッキ膜
となる組成のメッキ液は避ける必要がある。
【0040】電着マスク(70)として、剥離する必要
がなく、しかも転写時の粘接着剤層(60)による欠陥
の発生もないものを求めて種々検討した結果、シリコー
ン樹脂が好ましいことを見いだした。すなわち本発明
は、粘着剤もしくは接着剤(60)に粘接着しないレジ
スト剤としてシリコーン樹脂を使用した電着パターン転
写用版(3)を提供することによって、この問題を解決
する。詳しくは、電着パターン転写用版(3)の電着マ
スク(70)用マスク材としてシリコーン樹脂を使用す
ると、上記の組成の粘接着剤層(60)に対して、ほと
んど粘接着しないこと、耐久性があるので、繰り返し使
用できること、メッキ液に対して耐性があることであ
る。特に、酸性のメッキ液に対しては耐性が強い。
【0041】また、シリコーン樹脂によって転写用基板
(20)上に電着マスク(70)を形成する方法とし
て、感光性シリコーン樹脂を使用して、フォトリソ法に
よりパターンニングする方法をとることができる。この
方法はパターン形成が他の方法と比較して容易である。
【0042】上記フォトリソ法に適用されるシリコーン
樹脂の種類としては、多くのものが使用可能であるが、
好ましいものは、第一にパン焼き釜の内面に使用される
付着防止用のものがある。焼き付け型としては、例えば
YSR6209(東芝シリコーン社製)などがある。ま
た、常温乾燥型としては、例えばTSR144(東芝シ
リコーン社製)などがあり、また型取り用のものも使用
可能であり、例えば縮合型のTSE350,TSE35
02,XE3508,TSE3562(東芝シリコーン
社製)などがある。また、付加重合タイプのものとして
は、例えば同社製のYE5623,TSE3450,T
SE3466(東芝シリコーン社製)などがあり、また
ミラブルタイプのものも好ましく使用可能である。いず
れにしても、硬度、粘接着剤層(60)への不粘接着
性、引き裂き強さ等の物性によって選定することができ
る。
【0043】また、シリコーン樹脂を電着マスク(7
0)として所望の形状にパターンニングする他の方法と
しては、まずレーザ光による加熱分解で行う方法があ
る。レーザの種類としては、炭酸ガスレーザ、YAGレ
ーザ、エキシマーレーザがある。また、いわゆるリフト
オフ法によりパターンニングする方法がある。さらにま
た、いわゆる水なしオフセット版に使用される膨潤−剥
離現像法もこのリフトオフ法に含まれる。また、感光性
シリコーン樹脂としては、TUV6000,TUV60
01等の高純度シリーズとTFC7770,XE17−
821等の高感度シリーズ(いずれも東芝シリコーン社
製)などが挙げられる。
【0044】次に、被転写基板(10)と実質上同一の
熱膨張率を有し、しかも電着層易剥離表面を有する電着
転写用基板(20)として、被転写基板(10)と実質
上同一の熱膨張率を有する転写用基板(20)の上に、
電着層易剥離表面を形成したものを提供する。また、熱
膨張率がほとんど0のものとして、素材にインバー合金
板を使用したものを提供する。さらに、被転写基板(1
0)がソーダライムガラスである場合、転写用基板(2
0)として、42合金板を使用したものを提供する。
【0045】電着層易剥離表面としては、電着法で形成
したもの、ゾルゲル法で形成したもの、等があり、その
転写用基板(20)の素材としては、第一にステンレス
板であるが、成分としてクロムを含む物のほうが電着金
属が剥離し易い。一般に研磨して使用する。研磨したほ
うが剥離し易くなる。その他の材質としては、被転写基
板(10)自体、または熱膨張率が被転写基板(10)
とほぼ同一のものを使用し、その上に導電層である金属
層や金属酸化物層でなる金属電着パターン(30)を形
成する。
【0046】上記金属層でなる電着パターン(30)の
形成方法としては、無電解メッキ法、電着法、金属箔貼
着法、真空蒸着法等の真空成膜法がある。また、金属酸
化物層でなる金属電着パターン(30)は、電着金属が
容易に剥離する性質を持ったものを使用し、中でも、銅
の酸化膜、ニッケルの酸化膜、クロムの酸化膜、チタン
の酸化膜、スズの酸化膜、インジューム酸化膜であるか
または、上記金属の混合物または合金の酸化膜が好適で
ある。その形成法としては、陽極酸化法、ゾルゲル法、
熱酸化法、自然酸化法、等がある。この金属酸化物層の
厚さは、電着可能な電気電導度であることが必要であ
り、そのためにも上記のものが好適である。抵抗値とし
ては、シート抵抗で1kΩ以下が実用的である。
【0047】
【実施例】次に本発明を実施例により、本発明を具体的
に説明する。 〈実施例1〉図1に示すように、電着マスク(70)部
としてシリコーン樹脂層パターンを形成する以下の方法
で電着転写版(3)を作製した。
【0048】まず、図1(a)に示すように、転写用基
板(20)として、厚さ300μmのSUS304の板
(サイズ650×650mm)を使用し、シリコーンゴ
ム用プライマー(74)(東芝シリコーン製 M12
1)を塗布・乾燥し、次に厚さ30μm のドライフィル
ムフォトレジスト(42)(東京応化製 オーデイルα
430)をドライフィルムラミネータを使用し所定の条
件で貼着した。
【0049】〈実施例1〉
【0050】次に、図1(b)に示すように、所望の導
電体パターンのフォトマスク(50)を用いて露光し、
所定の条件で現像して、図4(c)に示すように、所望
の導電体パターン(線巾30〜200μm )に対応する
ドライフィルムフォトレジスト(42)のパターンを得
た。
【0051】続いて、図1(d)に示すように、上記で
得られた上にに硬化剤を所定量添加した室温硬化型シリ
コーンゴムTSR3450(東芝製)をバーコータで約
30μmの厚さ塗布し、その上に石鹸で離型層を形成し
た厚さ32μmのPETフィルム(44)を乗せた後、
そのフィルム(44)表面をゴムロ−ル(46)でしご
いて、気泡を抜くと共に電着マスク(70)となるシリ
コーンゴムの上面とドライフィルムフォトレジスト(4
2)の上面の高さを同じにした。その状態でシリコーン
ゴムを硬化させた。
【0052】約一日放置後PETフィルム(44)を取
り除き、ドライフィルムフォトレジスト(42)を剥膜
液で除去し、さらにシリコーンゴムの開口部のシリコー
ンゴム用プライマー(74)をイソプロピルアルコール
を使用して除去して、図1(e)に示すような電着転写
版(4)を得た。
【0053】上記で得られた電着転写版(3)を下記の
組成の銀メッキ浴に入れ、下記の条件で、図2(a)に
示すように、所定の厚さ(10μm)までメッキし、水
洗、乾燥して、銀の金属電着パターン(30)を電着マ
スク(70)の凹部に形成した。 〔シアンアルカリ浴〕 シアン化銀 36 g/l シアン化カリウム 60 g/l 炭酸カリウム 15 g/l 〔メッキ条件〕 液温 25℃ 電流密度 1A/dm2
【0054】一方、図2(b)に示すような被転写基板
(10)であるPDP用ガラス(サイズ690×863
mm、厚さ3mm。旭ガラス社製PD−200,アニー
ル済)に以下の組成の転写用粘接着剤をスロットコータ
で厚さ5μm塗布し粘接着剤層(60)とした。 〔転写用粘着剤組成〕 アクリル系粘着剤(東洋インキ製BPS5127) 50g/l ガラスフリット(岩城ガラス社製1WF7570、 50g/l 粒径:90%<6μm、平均3μm) ムライト (粒径:90%<5μm、平均3μm) 30g/l アルミナ (粒径:90%<2μm、平均1μm) 30g/l 有機溶剤 (酢酸エチル1:トルエン1) 100g/l
【0055】次に、図2(b)に示すように、上記で得
られた銀をメッキした電着転写版(4)と上記の粘接着
剤層(60)面をアライメントしながら貼り合わせた。
端から引き剥がすと、銀メッキでなる金属電着パターン
(30)は粘接着剤層(60)に付着して、ガラスでな
る被転写基板(10)の方へ完全に転写した。これを脱
灰温度300〜400℃、焼成温度580℃で焼成する
ことによって、図2(c)に示すような耐熱性配線基板
(1)を得た。
【0056】〈実施例2〉感光性シリコーン樹脂を使用
して電着マスク(70)を作成する方法であり、転写用
基板(20)として、厚さ300μmのSUS304の
板(サイズ650×650mm)を使用し、シリコーン
ゴム用プライマーM121(東芝シリコーン社製)を塗
布・乾燥し、その上に厚さ15μmとなるように感光性
シリコーンTSR6000(東芝シリコーン社製)を塗
布し、プロキシミティ露光法によって、所望の電極パタ
ーンの逆パターン部を硬化させた。その後、未硬化部分
をベンジルアルコールを使用してスプレー法で除去し
て、さらにシリコーンゴム用プライマーをイソプロピル
アルコールを使用して除去して、電着転写版(4)を得
た。
【0057】以下実施例1と同様の材料、操作等により
図2(c)に示すような耐熱性配線基板(1)を得た。
【0058】〈実施例3〉40インチサイズのPDP背
面板の銀の配線パターンを以下のようにして形成した。
まず、被転写基板(10)となるガラス基板と熱膨張率
がほとんど等しい42合金の900×1200mm、厚
さ0.2mmの板を転写用基板(20)とし、銅のスト
ライクメッキを行った後、ニッケルストライクメッキを
施し、その上にクロムを5μmメッキしバフ研磨して、
クロムの鏡面メッキ面を得た。この面に実施例2と同様
の方法によって、線巾60μmの導電性の電着可能凹部
を有する感光性シリコーン樹脂でなる電着マスク(7
0)が転写用基板(20)上に形成された電着転写版
(4)を得た。
【0059】以下実施例1と同様の材料、操作等により
図2(c)に示すような耐熱性配線基板(1)を得た。
【0060】以上実施例1から3で得られた耐熱性配線
基板(1)において、金属電着パターン(30)はガラ
スでなる被転写基板(10)に完全に固着していた。ま
た、寸法精度は電極の左右全体の巾812.80mmの
規格に対し、812.81mmであり高精度の金属電着
パターン(30)であった。
【0061】〈実施例4〉レーザー光を使用して、シリ
コーン樹脂製の電着マスク(70)を作成する方法であ
り、まず、転写用基板(20)として、厚さ300μm
のSUS304の板(サイズ650×650mm)を使
用し、その表面にシリコーン樹脂厚さ20μmの膜を焼
き付け法によって形成した。
【0062】別に、厚さ150μmのSUS304(サ
イズ650×650mm)の板の全面に厚さ32μmの
PETフィルムを粘接着剤で張りつけたものを用意し、
SUS面にフォトレジスト(シップレイ社製 AZ13
50)を厚さ10μmに塗布し、フォトマスクを介して
露光し、それを現像することによって所望の導電性パタ
ーンの逆パターンのフォトレジスト像を形成した。これ
を第二塩化鉄溶液のエッチング液に浸漬して、所望の形
状の導電性パターンが抜けたレーザ加工用のマスクを得
た。
【0063】次に、このマスクのPETフィルム面を上
記のシリコン樹脂面に粘接着剤で固定した。この状態
で、マスク側からエキシマーレーザを照射してPETフ
ィルム、粘接着剤層、さらにその下にシリコーン樹脂を
焼却した。この状態のものをアセトンに浸漬して、粘接
着剤層とその上の部材を同時に除去して電着転写版
(4)を得た。
【0064】以下実施例1と同様の材料、操作等により
図2(c)に示すような耐熱性配線基板(1)を得た。
【0065】〈実施例5〉転写用基板(20)の素材と
して、インバー合金を使用し、電着マスク(70)部を
焼き付け型シリコーン樹脂層として電着転写版(4)を
作製する方法であり、この電着転写版(4)は転写時に
加熱する場合に使用すると好適である。まず、転写用基
板(20)として、厚さ150μmのインバー合金の板
(サイズ650×650mm)を使用し、表面にクロム
メッキ層を実施例3と同様にして形成した。そのクロム
表面に厚さ30μmのドライフィルムフォトレジスト
(東京応化社製 オーデイル α−430)をドライフ
ィルムラミネータを使用し、所定の条件で貼着した。所
望する導電体パターンの逆パターンをフォトマスクを介
して露光し、所定の条件で現像して、所望の導電体パタ
ーン(線巾30〜200μm)の逆パターンのドライフ
ィルムパターンを得た。
【0066】次に、下記組成のニッケルメッキ浴を使用
して、転写用基板(20)のクロム面でドライフルムが
ない部分に厚さ18μmのニッケルメッキパターンを形
成した。ドライフィルムパターンを剥膜した後、全面に
離型用の加熱硬化シリコーン樹脂(東芝シリコーン社製
TMS6281)を厚さ40μm塗布し、乾燥し、次
に、加熱炉の中に入れ所定の温度処理条件で処理した。
その後、テープ研磨機を使用して、ニッケル表面と厚さ
がほぼ等しくなるまでシリコーン樹脂を研磨した。次
に、ニッケルメッキパターンを粘接着テープを使用して
除去することによって、電着転写版(4)を得た。
【0067】〔ニッケルメッキ浴組成〕 硫酸ニッケル 250g/l 塩化ニッケル 45g/l ホウ酸 30g/l 〔メッキ条件〕 pH 4.5 〔ニッケルメッキ条件〕 温度 50℃ 電流密度 5A/dm2
【0068】以下実施例1と同様の材料、操作等により
図2(c)に示すような耐熱性配線基板(1)を得た。
【0069】〈実施例6〉40インチサイズのPDPの
前面板の銀の配線パターンでなる耐熱性配線基板を以下
のようにして作製した。まず、実施例5と同様にして得
られた電着転写版(4)に、実施例5と同様にして銀メ
ッキを施した。
【0070】一方、図3(a)に示すように、被転写基
板(10)であるガラスからなるPDP用前面板(サイ
ズ650×923mm、厚さ3mm。旭ガラス製PD−
200,アニール済)に、下記組成の転写用粘着剤ペー
ストをスクリーン印刷機で所望のパターンに厚さ15μ
mで印刷し、乾燥して、ITOとなる粘接着剤層(6
0)とした。
【0071】〔転写用粘着剤組成〕 アクリル系粘着剤 50g/l 塗布・焼成型ITO膜ペースト 50g/l
【0072】次に、図3(b)に示すように、上記の銀
メッキされた電着転写版(4)と上記のペースト印刷
(ITOパターン)面とをアライメントしながら貼り合
わせ、図3(c)に示すように、42合金板でなる転写
用基板(20)の端から引き剥がすことによって、銀メ
ッキでなる金属電着パターン(30)がITOとなる粘
接着剤層(60)に転写固着され、さらにこれを脱灰温
度300〜400℃、焼成温度580℃で焼成して、大
型40インチサイズのPDP用耐熱性配線基板(1)を
得た。
【0073】この銀メッキでなる金属電着パターン(3
0)とITOとなる粘接着剤層(60)はガラスでなる
被転写基板(10)上に完全に固着し、ITOの電気伝
導度も仕様値内で、また、寸法精度は電極の上下全体の
巾650mmの規格に対し、650.01mmであっ
た。このように大型の耐熱性配線基板においても高精度
の金属電着パターン(30)を得ることができた。
【0074】〈実施例7〉L/S=40μm/40μm
の狭ピッチ厚膜回路板を以下のように作成した。まず、
サイズ300×250mmの電着転写版(4)を実施例
2に示した方法で作成した。その方法に用いる金メッキ
浴として下記の組成物を用い、この転写用基板(20)
の上に金を5μmの厚さに電着した。
【0075】〔金メッキ浴〕 シアン金カリウム 10g/l シアン化カリウム 30g/l 第2リン酸カリウム 30g/l 〔金メッキ条件〕 浴温度 55℃ 電流密度 0.4A/dm2
【0076】一方、グリーンシートの厚さ50μm巾2
00mmのものの上に下記の組成の転写用粘着組成物を
スロットコータで塗布した。 〔転写用粘着組成物〕 アクリル系粘着剤(東洋インキ製造社製BPS4429) 50g/l アルミナ(グリーンシート用と同じ品番) 50g/l 結着剤 5g/l 有機溶剤(酢酸エチル1:トルエン1) 100g/l 乾燥後、この組成物と上記の金メッキパターンをアライ
メントして貼りあわせた。端からそっと引き剥がすと、
金のメッキパターンは、転写用基板(20)から離れ、
端から完全にグリーンシート側に転写された。
【0077】これを、脱灰温度300〜500℃、焼成
温度950℃で焼成した。金パターンは完全にアルミナ
基板に固着していた。
【0078】
【発明の効果】本発明は以上の構成であるから、下記に
示す如き効果がある。即ち、表面に金属導電性パターン
を有する耐熱性配線基板において、該金属導電性パター
ンが電着金属パターンであって、転写用基板上に形成さ
れた該電着金属パターンを粘接着剤層を介して被転写基
板に転写する電着転写法によって得られるものであり、
前記粘接着剤層が、少なくとも焼成によって消失する有
機質成分と電着金属に熱融着する無機成分もしくは金属
粉とからなるので、耐熱性配線基板の焼成工程におい
て、被転写基板に転写された電着金属パターンが強固に
接着された耐熱性配線基板とすることができる。
【0079】また、上記電着金属パターンを転写用基板
上に形成するための電着転写版を形成する電着マスクの
マスク材がシリコーン樹脂の常温硬化、加熱硬化、溶液
乾固もしくは放射線硬化物でなるので、この電着マスク
の易剥離特性によって、転写が安定し、精度の良い電着
金属パターンを被転写基板上に形成することができ、さ
らにこの電着転写版の耐久性が高いので、多数回の繰り
返し使用が可能となり生産性向上に寄与することができ
る。
【0080】さらにまた、上記転写用基板が、被転写基
板と同一材種もしくは熱膨張係数が同等である素材から
なり、その表面に電着物易剥離性表面を形成してなると
したので、大型の耐熱性配線基板に対応可能なものとす
ることができる。従って本発明は、耐熱性の要求される
プラズマディスプレー用の基板や厚膜回路基板などの如
き用途において、優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す電着転写版の製造
工程を側断面で表した説明図である。
【図2】本発明の一実施の形態を示す耐熱性配線基板の
製造工程の一部を側断面で表した説明図である。
【図3】本発明の他の一実施の形態を示す耐熱性配線基
板の製造工程の一部を側断面で表した説明図である。
【図4】本発明に係わる従来の耐熱性配線基板の製造工
程の一実施の形態を側断面で表した説明図である。
【図5】本発明に係わる従来の耐熱性配線基板の一実施
の形態を側断面で表した説明図である。
【図6】本発明に係わる従来の耐熱性配線基板の他の一
実施の形態を側断面で表した説明図である。
【符号の説明】
1‥‥耐熱性配線基板 2‥‥転写体 4‥‥電着転写版 10‥‥被転写基板 20‥‥転写用基板 30‥‥金属電着パターン 40‥‥フォトレジスト 40a‥‥フォトレジストの硬化部 40b‥‥フォトレジストの未硬化部 42‥‥ドライフィルムフォトレジスト 44‥‥PETフィルム 46‥‥ゴムロール 50‥‥フォトマスク 60‥‥粘接着剤層 70‥‥電着マスク 74‥‥プライマー

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】表面に金属導電性パターンを有する耐熱性
    配線基板において、該金属導電性パターンが電着金属パ
    ターンであって、転写用基板上に形成された該電着金属
    パターンを粘着剤もしくは接着剤を介して被転写基板に
    転写しなることを特徴とする耐熱性配線基板。
  2. 【請求項2】前記粘着剤もしくは接着剤が、少なくとも
    焼成によって消失する有機質成分と被転写基板に熱融着
    する無機成分とからなることを特徴とする請求項1記載
    の耐熱性配線基板。
  3. 【請求項3】前記粘着剤もしくは接着剤が、前記電着金
    属パターンに加熱融着性を有する金属粉を含むことを特
    徴とする請求項1または2記載の耐熱性配線基板。
  4. 【請求項4】前記電着金属パターンを転写用基板上に形
    成するための電着マスク材がシリコーン樹脂の常温硬化
    物、加熱硬化物、溶液乾固物とそれを焼き付けたものも
    しくは放射線硬化物でなることを特徴とする請求項1、
    2または3記載の耐熱性配線基板。
  5. 【請求項5】前記転写用基板が、被転写基板と同一材種
    もしくは熱膨張係数が同等である素材からなり、その表
    面に電着物易剥離性表面を形成してなることを特徴とす
    る請求項1、2、3または4記載の耐熱性配線基板。
  6. 【請求項6】前記被転写基板の材質がガラスの場合、転
    写用基板の材質が42合金でなることを特徴とする請求
    項1、2、3、4または5記載の耐熱性配線基板。
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