JP2000174486A - 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法 - Google Patents

透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法

Info

Publication number
JP2000174486A
JP2000174486A JP10346073A JP34607398A JP2000174486A JP 2000174486 A JP2000174486 A JP 2000174486A JP 10346073 A JP10346073 A JP 10346073A JP 34607398 A JP34607398 A JP 34607398A JP 2000174486 A JP2000174486 A JP 2000174486A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electromagnetic wave
pattern
wave shielding
transparent
film
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10346073A
Other languages
English (en)
Inventor
Takehiko Matsuyama
武彦 松山
Yasuhiko Kondo
康彦 近藤
Hiroaki Kawasaki
裕章 川崎
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP10346073A priority Critical patent/JP2000174486A/ja
Publication of JP2000174486A publication Critical patent/JP2000174486A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透光性と電磁波の遮蔽効果との双方に優れた
電磁波シールドフィルムおよび電磁波シールドパネル
を、低コストでかつ簡易に製造することができる新規な
製造方法を提供する。 【解決手段】(1) 転写効率の良い転写体を用いた凹版オ
フセット印刷法によって、透明フィルムと金属層との積
層体の金属層の表面にエッチングレジストインキを印刷
してエッチングレジストパターンを形成する工程と、
(2) このパターンが形成されていない部分の金属層をエ
ッチングによって除去し、透明フィルムの片面に所定の
電磁波シールドパターン部を形成して、透光性電磁波シ
ールド部材を得る工程と、(3) 透明フィルムの電磁波シ
ールドパターン部を形成した面等に透明粘着層を形成し
て、透光性電磁波シールドフィルムを得る工程と、(4)
上記透明粘着層上に透明基板等を貼り合わせる工程とを
含む製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、CRT、PDP
(プラズマディスプレイ)、液晶ディスプレイ等のディ
スプレイ装置から照射される電磁波を効果的に遮蔽し得
る、優れた透光性と電磁波の遮蔽効果とを有する透光性
電磁波シールドフィルムの製造方法と、その透光性電磁
波シールドフィルムを用いた透光性電磁波シールドパネ
ルの製造方法とに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、上記ディスプレイ装置の前面等に
設置される透光性電磁波シールドフィルムは、透明フィ
ルム表面の金属層上にフォトレジストを塗布してエッチ
ングレジストの層を形成し、ついで露光・現像作業を行
って電磁波シールドパターン部が形成される以外の部分
のエッチングレジストの層を除去した後、その除去によ
って露出した金属層をエッチングし、最後に残りのエッ
チングレジストの層を除去して所定の電磁波シールドパ
ターン部を形成する、いわゆるフォトリソグラフ法によ
って電磁波シールド部材を作製し、そして、この電磁波
シールド部材の電磁波シールドパターン部を形成した面
またはその反対面に透明粘着層を形成することにより製
造されている。
【0003】また透光性電磁波シールドパネルは、上記
透光性電磁波シールドフィルムにおける粘着層に、ディ
スプレイパネルまたは透明基板を貼り合わせることによ
り製造されている(特開平5−16281号公報、特開
平10−163673号公報など)。かかる製造方法に
より得られた電磁波シールドパネルなどは、電磁波の遮
蔽効果(シールド効果)に優れ、しかも視野角が広く、
視認性および透光性に優れている。これは、電磁波シー
ルド部材の作製に際し、上記フォトリソグラフ法によっ
て厚肉で、かつ非常に線幅の小さい微細な電磁波シール
ドパターン部を高い精度で形成することができるからで
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記フ
ォトリソグラフ法による電磁波シールド部材の作製にお
いては、電磁波シールドパターン部のパターンに対応す
るエッチングレジストの層(以下、エッチングレジスト
パターンという)を形成する際に、フォトレジストの塗
布工程や露光・現像工程といった特別な作業を必要とす
るため工程が複雑で量産に適さないことや、それらの作
業に用いる紫外線露光機や現像機などの設備に費用がか
かかること等が原因で、電磁波シールドパネルの低価格
化には限界があった。
【0005】また近年、PDP等の大型画面(例えば、
大型テレビなど)の需要が急増しており、その大型画面
に対応した大型の電磁波シールドパネルを製造する必要
がある。しかし、上記フォトリソグラフ法では、大型の
露光装置や現像エッチング装置などの新たな設備投資が
必要であったり、塗布工程および露光・現像工程にます
ます時間がかかるなど、その必要性に十分対応すること
ができない問題もあった。
【0006】本発明の目的は、上記の問題点を解決し、
透光性と電磁波の遮蔽効果との両方に優れた透光性電磁
波シールドパネル(透光性電磁波シールドフィルムも含
む、以下同じ)、特にPDP等の大型画面用の透光性電
磁波シールドパネルを簡易にかつ低コストで製造するこ
とができる新規な製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、フォトリソグラフ
法によって形成していたエッチングレジストパターン
を、印刷法によって透明フィルムの金属層上に印刷形成
したのち、従来と同様にしてエッチング作業を行えば、
簡易にかつ安価に電磁波シールド部材を作製でき、ひい
ては電磁波シールドパネルの価格の低減することができ
るという新たな知見を得た。
【0008】すなわち、印刷法によるエッチングレジス
トパターンの形成は、エッチングレジストインキを用い
て、印刷法によって透明フィルムの金属層上にパターン
印刷することによって行われる。このため、かかる印刷
法によれば、従来のフォトリソグラフ法で行っていた塗
布工程や露光・現像工程を必要としないため簡易な方法
であり、またそれらの作業に用いる露光機などの設備投
資も必要でないため、電磁波シールドパネルの低価格化
を実現することができると考えたのである。
【0009】また、前述したPDP等の大型画面用の電
磁波シールドパネルの製造にも、このような利点を有す
ることから、充分に対応することができると考えたので
ある。採用する印刷法としては種々の印刷方法が考えら
れるが、本発明者らは、まず一般的なスクリーン印刷法
を用いてエッチングレジストパターンを印刷することを
試みた。
【0010】ところが、上記スクリーン印刷法によりエ
ッチングパターンを形成した場合には、充分な電磁波の
遮蔽効果と充分な透光性とを有する電磁波シールドパネ
ルを製造することができないことが明らかとなった。そ
の理由としては、以下のことが考えられる。前述のよう
に、電磁波シールドパネルに優れた透光性と電磁波の遮
蔽効果とを付与するには、厚肉で、かつ非常に線幅の小
さい微細な電磁波シールドパターン部を高い精度で形成
する必要がある。
【0011】しかしながら、スクリーン印刷法では、印
刷時にスクリーン版が引き伸ばされるため、メッシュが
伸縮し、印刷寸法や印刷位置に±20μm程度のバラツ
キが生じるおそれがあるため、線幅の小さい(具体的に
は線幅50μm以下)パターンを高い精度で形成するの
は困難であって、透光性に優れた電磁波シールド部材を
作製することができないという問題があった。
【0012】また仮に、このスクリーン印刷法を用いて
線幅が50μm以下のエッチングレジストパターンを印
刷した場合には、パターンの線幅にバラツキが生じた
り、電磁波シールドパターン部のパターンに途切れる
(断線)個所が多数発生するなどの新たな問題が生じ
て、電磁波シールド部材の電磁波の遮蔽効果が低下する
とともに、視認性も低下するという問題があった。
【0013】次に本発明者らは、スクリーン印刷法に比
べて高い印刷精度をもつ平板オフセット印刷法や凸版オ
フセット印刷法について検討を行ったところ、これらの
印刷法では、一回の印刷で形成できるエッチングレジス
トパターンのインキの層の厚みは約0.5μm程度にし
か過ぎないため、当該インキの層の下部の金属層をエッ
チング液から保護する効果が不十分となって、次に行う
エッチング作業によって必要なパターン部分の金属層を
も除去されてしまい、電磁波シールドパターン部を形成
することすらできないという場合があった。
【0014】エッチングレジストとしての充分な特性を
確保するには、このインキの層の厚みは少なくとも数μ
m以上は必要であり、上記の平板オフセット印刷法や凸
版オフッセット印刷法では、かかる厚みを得るために印
刷を繰り返し行う必要があった。そのため、エッチング
レジストパターンの形成に時間がかかり、電磁波シール
ドパネルの量産に適さない、すなわち低価格化を実現で
きないことが明らかとなった。
【0015】さらに本発明者らは、エッチングレジスト
パターンを形成する印刷法について引き続く検討を重ね
た結果、凹版の凹部にエッチングレジストインキを充填
し、ついでこのエッチングレジストインキを転写体表面
に一旦転移させた後、被印刷物上に印刷する、いわゆる
凹版オフセット印刷法によれば、数μm以上の適度な厚
みを有し、かつ非常に線幅の小さい微細なエッチングレ
ジストパターンのインキの層を、上記の他のオフセット
印刷法に比べて少ない印刷回数で印刷することができる
という事実を見出した。
【0016】すなわち、凹版オフセット印刷法によれ
ば、凹版の凹部の深さを適宜変更することによってイン
キの層の厚みを任意に調節することができるので、エッ
チングレジストとしての充分な特性を確保し得るインキ
の層の厚みを、一回の印刷で行うことができるのであ
る。ところが、凹版オフセット印刷法に用いられる転写
体は、通常、ニトリル−ブタジエンゴムなどのゴム材料
から構成されていることから、転写体から金属層上への
エッチングレジストインキの転写効率が悪く、転写体か
ら金属層上への転写の際にエッチングレジストインキが
分裂して、そのレジスト用インキの一部が転写体表面に
残存する現象(いわゆる、インキの泣き別れ)が発生す
るという新たな問題が生じた。
【0017】このインキの泣き別れの発生は、電磁波シ
ールド部材における電磁波シールドパターン部内に断線
個所を発生させ、その結果、製造される電磁波シールド
パネルは、透光性は良好であるものの、電磁波の遮蔽効
果や視認性に悪影響を及ぼすおそれがあった。そこで本
発明者らは、凹版オフセット印刷法に使用する転写体に
ついてさらに検討した結果、驚くべきことに、少なくと
もその表面がシリコーンゴムからなる転写体を使用し
て、凹版オフセット印刷法により、透明フィルムの片面
の金属層上に、エッチングレジストパターンのインキの
層を印刷すれば、上述のようなインキの泣き別れが発生
せずに、線幅の小さい微細なエッチングレジストパター
ンを高い精度で形成することができ、ひいては透光性と
電磁波の遮蔽効果との両方に優れた透光性電磁波シール
ドパネルを簡易にかつ低コストで製造することができる
という事実を見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】すなわち、本発明の電磁波シールドフィル
ムの製造方法は、(1) 少なくともその表面がシリコーン
ゴムからなる転写体を用いた凹版オフセット印刷法によ
って、透明フィルムと金属層との積層体の金属層の表面
に、エッチングレジストインキを印刷して、電磁波シー
ルドパターン部のパターンに対応するエッチングレジス
トパターンを形成する工程と、(2) エッチングレジスト
パターンが形成されていない部分の金属層をエッチング
によって除去し、透明フィルムの片面に所定の電磁波シ
ールドパターン部を形成して、透光性電磁波シールド部
材を得る工程と、(3) 上記透明フィルムの、電磁波シー
ルドパターン部を形成した面またはその反対の面に、透
明粘着層を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0019】また、本発明の透光性電磁波シールドパネ
ルの製造方法は、(1) 少なくともその表面がシリコーン
ゴムからなる転写体を用いた凹版オフセット印刷法によ
って、透明フィルムと金属層との積層体の金属層の表面
に、エッチングレジストインキを印刷して、電磁波シー
ルドパターン部のパターンに対応するエッチングレジス
トパターンを形成する工程と、(2) エッチングレジスト
パターンが形成されていない部分の金属層をエッチング
によって除去し、透明フィルムの片面に所定の電磁波シ
ールドパターン部を形成して、透光性電磁波シールド部
材を得る工程と、(3) 上記透明フィルムの、電磁波シー
ルドパターン部を形成した面またはその反対の面に、透
明粘着層を形成して、透光性電磁波シールドフィルムを
得る工程と、(4) 上記透明粘着層上にディスプレイパネ
ルまたは透明基板を貼り合わせる工程とを含むことを特
徴とする。
【0020】本発明の製造方法によれば、これまでフォ
トリソグラフ法で形成していたエッチングレジストの層
を、エッチングレジストインキを用いて凹版オフセット
印刷法によって印刷形成することにより、フォトリソグ
ラフ法に比べて工程が簡素化されるとともに、コストを
大幅に低減させることができる。また上記凹版オフセッ
ト印刷法は、電磁波シールドパターン部のパターンを極
めて微細に、かつ高い精度で形成することができる。
【0021】よって、透光性電磁波シールド部材にかか
るコストが低減され、ひいては透光性電磁波シールドパ
ネルの生産性の向上と価格の低減化とを図ることができ
る。また本発明の製造方法は、このような利点を有する
ことから、PDP等の大型画面用の電磁波シールドパネ
ルの製造にも適している。本発明の製造方法において、
視野角や視認性などを損なう問題がなく、透光性と電磁
波の遮蔽効果との両方に優れた透光性電磁波シールドパ
ネルを得るには、電磁波シールドパターン部が形成され
ている領域の全面積と形成されていない領域の全面積と
の比、および電磁波シールドパターン部のパターンの線
幅と厚みが所定の範囲になるように、上記工程を行うの
が好ましい。
【0022】すなわち、電磁波シールドパターン部が、
パターンの線幅が5〜40μmで、膜厚が0.5〜50
μmであり、かつ電磁波シールドパターン部の全面積S
sと、透明フィルム上における電磁波シールドパターン
部が形成されていない領域の全面積Skとが、式(1) : 1≦Sk/Ss≦9.0 …(1) なる関係を満たすように形成されるのが好ましい。
【0023】本発明の製造方法によって得られる透光性
電磁波シールドパネルは、透光性および電磁波の遮蔽効
果に優れていることから、当該電磁波シールドパネルで
CRTの表示画面やPDPの大型表示画面などを覆って
も、視認性が良好で、かつ表示画面が暗くなることがな
く、表示画面から照射される電磁波を高度に遮蔽するこ
とができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
まず、積層体および上記工程(1) に使用する種々の部材
について説明する。 (積層体)本発明に用いる透明フィルムとしては、可視
光線に対する充分な透光性と、ディスプレイ装置の表示
画面から発せられる熱に耐え得る充分な耐熱性とを具備
した樹脂フィルムなどがあげられる。かかる樹脂フィル
ムはロール状に連続処理して使用することができるの
で、作業性およびコスト面の改善を図ることができる。
【0025】具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリスチレン等のポリオレフィン類;ポリ塩化ビニ
ル(PVC)、ポリ塩化ビニリデン等のビニル類;ポリ
エチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエ
ステル類;ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、
ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリエーテルス
ルホン(PES)、ポリイミド樹脂などの樹脂フィルム
や、それらの樹脂フィルムに近赤外線をカットする機能
を付与したものがあげられる。上記例示の樹脂フィルム
のうち、とりわけ透過性が非常に良好で、かつ安価に入
手できるポリエチレンテレフタレートフィルム(PET
フィルム)が好ましい。
【0026】透明フィルムの厚みは特に限定されない
が、電磁波シールド部材1の透光性を維持するという観
点から、通常0.02〜5mmの範囲で設定される。金
属層を構成する材料としては、例えば銀、銅、ニッケ
ル、パラジウム、金、アルミニウム、タングステン、ク
ロム、チタン等からなる膜が挙げられ、これらは単独で
または2種以上を混合して用いられる。上記例示の材料
のうち、導電性、耐酸化性、製造コストなどを考慮する
と銅が好適に用いられる。
【0027】透明フィルムと金属層との積層体を形成す
る方法としては、特に限定されないが、例えば透明フィ
ルムの片面に金属箔を貼り付ける方法や、メッキにより
透明フィルムの片面に金属層を形成する方法などがあげ
られる。金属層の厚みは、電磁シールドパターン部の厚
みに応じて設定されるが、通常、0.5〜50μmの範
囲に設定されるのがよい。
【0028】金属層の厚み、すなわち前記パターン部の
膜厚Wtが0.5μmを下回ると、電磁波シールドパタ
ーン部内に断線が発生しやすくなるとともに、良好な導
電性も得られず、電磁波の遮蔽効果が低下するおそれが
ある。また、金属層Mの機械的強度が劣り剥がれ易く、
電磁波シールドパネルとして用いた場合に電磁波シール
ドパターン部が剥がれるおそれがある。
【0029】一方、金属層の電気抵抗を下げるという観
点から膜厚Wtは大きい方が好ましいが、膜厚Wtが5
0μmを超えると、視野角によって画面の明るさが変わ
りやすくなり(すなわち、視野角が狭いことを意味す
る)、このような電磁波シールドパネルをディスプレイ
装置前面に設置した場合には、表示画面が見えにくくな
るおそれがある。
【0030】膜厚Wtは上記範囲の中でも、好ましくは
1〜30μm、より好ましくは2〜15μmの範囲にあ
るのがよい。また本発明において、電磁波シールドパネ
ルの視認性を良好にするために、透明フィルムと金属
層との間に、あるいは透明フィルムの表面に形成した
金属層上に黒色層を設けるのがよい。
【0031】すなわち、の黒色層の場合には、透明フ
ィルムの観察面からの外光の反射を防止し、画面のコン
トラストを大きく向上させることができる。また、の
黒色層の場合には、透明フィルムの反対側の観察面から
の外光の反射を防止し、画面のコントラストを大きく向
上させることができる。とくに、透明フィルムと金属層
との間に設けるの黒色層が多用される。大型テレビの
PDP用の透光性電磁波シールドパネルとして用いる場
合には、このの黒色層を形成し、透明フィルムの観察
面からの外光の反射を防止するのがよい。
【0032】例えば金属層が銅層である場合に、上記
の黒色層は、透明フィルムの表面にパラジウム(メッキ
触媒)を含む層を形成し、ついで銅メッキを行うことに
よって、上記層中のパラジウムを黒化させることにより
形成される。また、上記の黒色層は、透明フィルムの
片面への銅層の形成が銅箔を貼り付け、そして銅箔を水
酸化ナトリウムと次亜塩素酸ナトリウムとの混合液中に
浸漬させるブラックオキサイド処理によって銅箔の表面
層を黒化させることにより形成される。 (工程(1) のエッチンレジストパターンの形成)まず、
凹版オフセット印刷法に使用する転写体および凹版につ
いて説明する。
【0033】上記凹版オフセット印刷法に使用する転写
体としては、少なくともその表面がシリコーンゴムにて
形成されているものなら特に制限はなく、多孔質の弾性
層を有する一層または複数層の支持体上に、シリコーン
ゴムからなる表面ゴム層を設けたブランケットなどが使
用可能である。具体的に説明すると、上記転写体の形状
としては、シート状のブランケットを円筒状の胴(ロー
ラ)に巻き付けたもの、ローラ状のものなどがあげられ
る。また、印刷ずれの生じないものであれば、パット印
刷等に用いられる曲面状の弾性体や、その弾性体にシー
ト状のブランケットを取り付けたものなどであってもよ
い。
【0034】転写体の表面をシリコーンゴムにて形成す
ると、凹版から受け取ったエッチングレジストインキを
ほぼ100%、電磁波シールドパターン部の元になる金
属層表面に転写できるため、一回の印刷で十分な膜厚を
有するエッチングレジストパターンを形成することがで
きる。このシリコーンゴムとしては付加型、室温硬化型
(RTV)型、電子線硬化型等の種々のものがあげられ
るが、硬化の際に副生成物を発生するおそれがない室温
硬化型(RTV)型の付加型シリコームゴムが寸法精度
の面において優れており、好適に使用される。
【0035】ゴムの硬度はエッチングレジストパターン
の印刷に影響を及ぼしており、硬度が高いとエッチング
レジストインキを受理する部分の変形量が減るため、凹
版の凹部内のインキを十分に転写できないおそれがあ
る。逆に、硬度が低いと変形量が大きくなり、高精度で
印刷ができなくなるおそれがある。そのため、ゴム硬度
は、JIS−A硬度で10〜70度であるのが好まし
く、20〜60度であるのがより好ましい。このゴムの
硬度を調整するために、例えばシリコーンオイルやシリ
コーンゲル等を適宜配合してもよい。
【0036】また転写体の表面形状は、特に印刷パター
ンが微細になるほど印刷形状に大きく影響を及ぼすこと
から、表面粗さが10点平均粗さで1.0μm以下であ
るのが好ましく、より好ましくは0.5μm以下であ
る。転写体の支持体としては、その表面が平坦なもので
あればよく、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエステ
ル、ポリカーボネイト(PC)等のプラスチックや、ア
ルミニウム、ステンレス等の金属板などを使用すること
ができる。
【0037】凹版オフセット印刷法に用いられる凹版と
しては、その表面が平滑性であるものなら特に制限はな
く、例えば基板の表面に電磁波シールドパターン部に対
応した凹部を形成した、平板状のものや、平板状のもの
を巻き付けたもの、円筒状のもの、あるいは円柱状のも
のがあげられる。中でも円筒状のものを使用すると輪転
印刷が可能になり、ロールトゥロールで生産することが
できる。また生産コストの低減を図ることができる。
【0038】凹版の表面が平滑でないと、後述するドク
ターブレードによってかき取ることができず、残ったイ
ンキによって非画線部分に汚れが生じ、その汚れが次工
程でエッチングレジストとして機能して、電磁波シール
ドパターン部以外の必要としない部分に金属層が残って
しまうおそれがある。上記基板としては、例えばソーダ
ライムガラス、ノンアルカリガラス、石英、低アルカリ
ガラス、低膨張ガラス等のガラス板のほか、ステンレ
ス、銅、低膨張合金アンバー等の金属板など、従来公知
の種々のものを使用できる。中でも、安価で、かつパタ
ーンのエッジ形状を非常にシャープに形成することが可
能な、ソーダライムガラス等のガラス板を用いるのが特
に好ましい。
【0039】凹版の凹部は、従来どおり、フォトリソグ
ラフィ法、エッチング法、電鋳法などによって形成する
ことができる。上記凹版の凹部の深さは、エッチングレ
ジストパターンの寸法および印刷後の膜厚により適宜選
択されるが、通常、エッチングレジストパターンのイン
キの層の厚みが乾燥後の厚さで1〜100μm程度、好
ましくは2〜50μm程度となるように、前記凹部の深
さを2〜200μm程度、好ましくは4〜100μm程
度の範囲に設定するのがよい。
【0040】凹版の凹部の線幅および線間隔は、後述す
る電磁波シールドパターン部の形状に応じて適宜設定さ
れる。また、凹版の種類に応じて、導電性ペーストをか
き取るドクターブレードを凹版に有していてもよい。そ
の際ブレード刃としては、例えばステンレスなどの金属
や、ゴム、樹脂、セラミックなどが用いられる。
【0041】また上記凹版の凹部表面には、凹版から転
写体への導電性ペーストの転移性を高めるために、被覆
層を形成しておくのが好ましい。被覆層を構成する材料
としては、付加型シリコーンゴムまたは紫外線硬化型シ
リコーンゴムなどが使用される。エッチングレジストパ
ターンの形成に使用するエッチングレジストインキとし
ては、後述するエッチング液に対して充分な耐薬品性を
有し、かつエッチング終了後に、アルカリ(例えば濃度
1〜3重量%の水酸化ナトリウム水溶液など)または有
機溶媒(例えばメタノール、アセトン、トルエンなど)
などによって簡単に除去できるものが好ましい。
【0042】また、エッチングレジスト除去後は金属層
(例えば銅箔)の表面が剥き出しになるので、電磁波シ
ールド部材の反射を防止するために表面を意図的に酸化
させるなどして、表面の反射率を低下させておくのが好
ましい。エッチングレジストインキに使用し得る樹脂と
しては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール
樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、ポリビニルブチ
ラール樹脂、あるいはエチルセルロース樹脂などがあげ
られ、とくにアクリル樹脂、またはフェノール樹脂が好
ましい。
【0043】次に、エッチングレジストパターンを形成
する工程(1) を図面を用いて説明する。上記エッチング
レジストレジストパターンの形成は、例えば図2に示す
凹版オフセット印刷機によって、図3(a)〜(c)に
示す工程を経て凹版から転写体へ、転写体から積層体の
金属層上へエッチングレジストインキが転写されること
により行われる。
【0044】なお、図2に示す凹版オフセット印刷機
は、平板状の凹版を用いたオフセット印刷機の一例を示
すもので、図中の符号Bkはその表面がシリコーンゴム
にて形成された、ローラ状の転写体(あるいはローラに
シート状にブランケットを捲き付けた転写体であっても
よい)、符号Mは金属層、符号21は凹版、符号22は
凹版の凹部、符号23はドクターブレード、符号2は透
明フィルム、符号Lは透明フィルム2と金属層Mとの積
層体である。
【0045】図3(a) に示すように、まず、電磁波シー
ルドパターン部のパターンに対応した凹版21の凹部2
2に、必要な量のエッチングレジストインキIをドクタ
ーブレード23を用いて充填する。このエッチングレジ
ストインキIの充填は、予め凹版21の凹部22に充分
なエッチングレジストインキIを供給しておき、ドクタ
ーブレード23によって余分なエッチングレジストイン
キIを掻き取るようにすればよい。
【0046】なお、凹版21の凹部22の表面には図示
していないが、インキの転移性を向上するため、表面自
由エネルギーが小さい被覆層を形成しておくのが好まし
い。かかる被覆層を構成する材料として、例えば付加型
シリコーンゴムまたは紫外線硬化型シリコーンゴムなど
が使用される。これらのシリコーンゴムは比較的薄い膜
厚であっても、凹版21から転写体Bkへのエッチング
レジストインキIの転移性に優れている。
【0047】次に、図3(b)に示すように、転写体B
kを凹版21に所定の圧力で押しつけながら図中の実線
の矢印方向に回転させ、凹版21の凹部22内のエッチ
ングレジストインキIをインキの分断を発生させること
なく、転写体Bkの周りに転移させる。その際、上記転
写体Bkは凹版21に通常0.1〜5kg/cm2 、好
ましくは1〜2kg/cm2 の範囲で押圧されているの
がよい。
【0048】前述のように、本発明に使用する転写体B
kは、少なくともその表面がシリコーンゴムにて形成さ
れたものであり、かかる転写体Bkは凹版21から受け
取ったエッチングレジストインキIをほぼ100%、電
磁波シールドパターン部の元になる金属層Mの表面に転
写できるため、一回の印刷で十分な膜厚を有するインキ
膜を形成することができる。
【0049】従って、本発明では、印刷精度を低下させ
る原因となるインキの分断は、凹版21から転写体Bk
へエッチングレジストインキIを転移する際の一回だけ
になるため、印刷の精度が非常に良好になり、パターン
の線幅が20μm程度の微細なパターン印刷が可能とな
る。そして、図3(c)に示すように、転写体Bkを透
明フィルム2上の金属層Mの表面に所定の圧力で押しつ
けながら図中の実線の矢印方向に回転させ、転写体Bk
の周りに転移させたエッチングレジストインキIを分断
させることなく完全に、金属層M上に転写させる。そし
て、金属層M上に、前記凹版21の凹部22のパター
ン、すなわち、電磁波シールドパターン部10のパター
ンに対応するエッチングレジストパターンPが印刷、形
成される。
【0050】上記転写体Bkは金属層Mに通常0.1〜
5kg/cm2 、好ましくは1〜2kg/cm2 の範囲
で押圧されているのがよい。金属層M上に印刷形成され
たエッチンレジストパターンPのインキの層の厚みは、
通常1〜100μm、好ましくは2〜50μmの範囲に
あるのがよい。そして、このインキの層は、通常60〜
200℃で1〜30分間、好ましくは80〜150℃で
5〜10分間程度加熱して、硬化される。
【0051】この例の製造方法によれば、製造コスト上
で問題となっていたフォトリソグラフ法に代えて、凹版
オフセット印刷法によるわずか一回の印刷によって、上
記フォトリソグラフ法によるものと同程度に高精度のエ
ッチンレジストの層を、電磁波シールドパターン部10
の元になる金属層M上に形成することができる。従っ
て、透光性と電磁波の遮蔽効果との双方に優れた電磁波
シールド部材1を低コストでかつ簡易に製造でき、ひい
ては電磁波シールドパネルAの低価格化を実現すること
ができる。
【0052】本発明の構成は、以上で説明した例に限定
されず、例えば平板状の凹版に代えて、例えば図4に示
すように、円柱状の凹版を用いたオフセット印刷機によ
って、金属層M上にエッチングレジストインキIを印刷
して、エッチングレジストパターンPを形成してもよ
い。なお、この円柱状の凹版を用いたオフセット印刷機
は、円柱状の凹版21の近傍には、この円柱状の凹版2
1と当接可能なようにローラからなる転写体Bkが配置
されており、この転写体Bkの近傍には金属層Mを積層
した透明フィルム2が配置されている。また上記円柱状
の凹版21には凹部にエッチングレジストインキIを充
填するドクターブレード23が設けられており、このブ
レード23はインキ溜を有している。図4中の符号24
は厚胴であり、エッチングレジストインキIの転写体B
kから金属層Mへの転写時の圧力を調節するためのもの
である。
【0053】凹版21からの転写体Bkへの転移工程、
および転写体Bkの表面から金属層Mの転写工程におけ
る印圧としては、とくに限定されないが、通常0.1〜
5kg/cm2 程度で印刷すればよい。凹版21から転
写体BkへのエッチングレジストインキIの転移速度
は、転写体BkのエッチングレジストインキIの転移性
を高めるという観点から、通常5〜300mm/sec
前後に設定されるのがよい。
【0054】また、転写体Bkから金属層Mへのエッチ
ングレジストインキIの転写速度は、通常5〜300m
m/sec前後の範囲に設定されるのがよい。かかる条
件により、凹版21の凹部22内に充填されたエッチン
グレジストインキIは、インキの分断を最小限に押えて
転写体Bkに転移し、続いて転写体Bkから透明フィル
ム2上の金属層Mの表面に良好に転写される。
【0055】次に、上記工程(2) について説明する。エ
ッチングに使用するエッチング液としては、従来公知の
ものが使用可能で、例えば塩化第二鉄等の塩化鉄系や、
塩化銅系などがあげられる。エッチング処理の方法とし
ては従来公知の種々の方法が使用でき、例えば金属層M
上にエッチングレジストを形成させた透明フィルム2
を、5〜100mm/秒程度の速度で移動させつつ、金
属層M表面にエッチング液を2〜5kg/cm 2 程度の
圧力で吹きかける方法などがあげられる。
【0056】このエッチング処理によって、図5(a) お
よび(b) に示すように、上記金属層Mのうち、エッチン
グパターンパターンPが形成されていない部分の金属層
Mが除去して電磁波シールドパターン部10に対応する
パターンを形成し、ついで、そのパターン上のエッチン
グレジストをアルカリ(例えば濃度1〜3重量%の水酸
化ナトリウム水溶液など)または有機溶媒(例えばメタ
ノール、アセトン、トルエンなど)などによって除去
し、洗浄、乾燥してやると、透明フィルム2の片面に電
磁波シールドパターン部10を形成する透光性電磁波シ
ールド部材1が得られる。
【0057】また、エッチングレジスト除去後は金属層
(例えば銅箔)の表面が剥き出しになるので、透光性電
磁波シールド部材1の反射を防止するために、層の表面
を意図的に酸化させるなどして、表面の反射率を低下さ
せるのが好ましい。すなわち、透光性電磁波シールド部
材1は外光の反射が低い黒色にするのが好ましい。さら
に、本発明においては、電磁波シールドパネルAの物性
(透過率や視認性など)に悪影響を及ぼさない範囲であ
れば、エッチング後にレジストが残存していてもよい。
この場合、カーボンブラック(アセチレンブラック等の
良導電性カーボンブラックが好ましい)、有機黒色顔料
(ペリレン系ブラック等)、黒色染料(アニリンブラッ
ク等)などの黒色顔料をあらかじめエッチングレジスト
インキに配合しておくのが好ましい。
【0058】本発明にかかる透光性電磁波シールドパネ
ルAとしては、図1(a) に示すように、透明フィルム2
の片面に電磁波シールドパターン部10を形成した透光
性電磁波シールド部材1と、透明基板50とを透明粘着
層25を介して貼り合わせたものが例示される。本発明
にかかる透光性電磁波シールドフィルムBとしては、例
えば図1(b) に示すように、例えば透明フィルム2の電
磁波シールドパターン部10を形成した面に、透明粘着
層25を形成し、ついでその透明粘着層25上に、剥離
が容易なフィルム75を貼り合わせたものが例示され
る。 (透光性電磁波シールド部材)透光性電磁波シールド部
材1における電磁波シールドパターン部10のパターン
形状には、例えば図6に示すストライプ状のパターン1
1、図7および8に示す格子状のパターン12,13等
があげられる。
【0059】電磁波シールドパターン部10のパターン
形状は、上記ストライプ状および格子状のほかに、幾何
学模様であってもよい。すなわち、例えば正三角形、二
等辺三角形、直角三角形等の三角形;正方形、長方形、
ひし形、平行四辺形、台形等の四角形;(正)六角形、
(正)八角形、(正)十二角形、(正)二十角形等の
(正)N角形;円、楕円、星型等の種々の図形単位を繰
り返して得られる幾何学模様を電磁波シールドパターン
部10としてもよい。かかる幾何学模様において、前記
図形単位は2種以上を組み合わせたものであってもよ
い。また、電磁波シールド部材の除電をスムーズに行う
観点から、幾何学模様中の各図形単位がそれぞれ連続し
ていることが好ましい。
【0060】幾何学模様からなるパターン形状の具体例
としては、例えば図9に示すように円形模様(図9(a)
)、ひし形模様(図9(b) )、正六角形模様(図9(c)
)などのパターンがあげられる。なお、図6〜9中に
おいて、ハッチングを施した部分は電磁波シールドパタ
ーン部10を示し、ハッチングを施していない部分は電
磁波パターン部が形成されていない領域20を示す。
【0061】電磁波シールドパターン部10を構成する
パターンの線幅Ws、線間隔Wk(隣合ったパターン部
10間の間隔)および膜厚Wtと、パターン部10の全
面積Ssとパターン部が形成されていない領域20の全
面積Skとの比Sk/Ssとは、それぞれ電磁波の遮蔽
効果を充分なものとすることができ、かつ電磁波シール
ド部材の透光性を確保するためにパターン部10自体が
肉眼で認識できない範囲で設定される。
【0062】電磁波シールドパターン部10のパターン
形状が長方形の格子状である場合において、パターンの
線間隔WkにはWkとWk’の2種の間隔が存在する
が、この場合、線間隔WkとWk’とのそれぞれが後述
する所定の範囲内にあるのが好ましい。なお、電磁波シ
ールドパターン部10のパターン形状が幾何学模様であ
る場合において、線幅Wsとは、幾何学模様を構成する
1ユニット(すなわち、三角形、四角形、N角形、円、
楕円等の構成単位)の幅をいう。線間隔Wkとはユニッ
ト間の距離をいい、1ユニットの面積の平方根(すなわ
ち、1ユニットを正方形と擬制したときの1辺の長さ)
を求め、隣接するユニットとの中心位置での距離から前
記平方根を引いた値をユニット間の距離とする。
【0063】本発明において、電磁波シールドパターン
部10のパターン形状は、電磁波シールドパターン部1
0の全面積Ssと、透明フィルムの表面のうち電磁波シ
ールドパターン部10が形成されていない領域20の全
面積Skとの比Sk/Ssが式(1) : 1≦Sk/Ss≦9.0 なる関係を満たし、かつパターンの線幅Wsが5〜40
μm、好ましくは5〜25μmで、膜厚Wtが0.5〜
50μmとなるように設定するのが好ましい。
【0064】パターンの膜厚Wtが0.5μmを下回る
と、断線が発生しやすくなるとともに、良好な導電性も
得られず、電磁波の効果の低下につながる。また、機械
的強度が劣り、電磁波シールドパネルとして用いた場合
に電磁波シールドパターン部10が剥がれるおそれがあ
る。逆に、膜厚Wtが50μmを超えると、電磁波シー
ルド部材を見る角度(視野角)によって画面の明るさ
(開口率として以下に後述する)が変わるおそれがあ
る。
【0065】膜厚Wtは上記範囲の中でも特に1〜30
μmであるのが好ましく、2〜15μmであるのがより
好ましく、さらに好ましくは2〜10μmの範囲にある
のがよい。また、上記比Sk/Ssが1を下回ると透光
性が不十分になるおそれがある。逆に、比Sk/Ssが
9.0を超えると電磁波の遮蔽効果が不十分になるおそ
れがある。比Sk/Ssは上記範囲の中でも特に1〜5
であるのが好ましく、1〜3であるのがより好ましい。
【0066】パターンの線幅Wsが5μmを下回るよう
に形成するのは困難であり、断線が生じやすくなるた
め、電磁波の遮蔽効果の低下につながる。逆に、線幅W
sが40μmを超えると、充分な電磁波の遮蔽効果と良
好な開口率P(画面の明るさを表す指標である)とを両
立することができないおそれがある。この開口率Pと
は、下記式(2) :
【0067】
【数1】P=100Sk/(Ss+Sk) (式中、Ssは電磁波シールドパターン部10の全面
積、Skは電磁波シールドパターン部が形成されていな
い領域20の全面積、Pは開口率を示す。)によって算
出されるもので、この開口率Pの値が高ければ高いほ
ど、電磁波シールド部材の光の透過性が高くなり、ディ
スプレイの表示画面が明るくなるが、その反面、電磁波
の遮蔽性能は低下し、充分な電磁波の遮蔽効果が電磁波
シールド部材に付与されなくなる。
【0068】そこで本発明では、電磁波シールドパネル
における電磁波の遮蔽効果と開口率Pとの兼ね合いを考
慮して、KEC(関西電子工業振興センター)法に基づ
いて測定した周波数1〜1000MHzにおける減衰率
が60dB以上であるとともに、上記開口率Pが50〜
90%の範囲にあるような電磁波シールドパターン部1
0のパターン形状を印刷形成するのがよい。
【0069】また、電磁波シールドパターン部10のパ
ターン形状がストライプ状または格子状の場合には、上
記開口率Pは前記式(2) の他に、式(3) :
【0070】
【数2】 開口率P(%)=(Wk/Wk+Ws)2 ×100 (式中、Wsはパターンの線幅、Wkはパターンの線間
隔を示す。)によって算出することができる。次に、上
記工程(3) について説明する。
【0071】透明粘着層25としては、本発明に係る透
光性シールドパネルなどに用いる点を考慮すれば、可視
光領域(400〜700nm)で90%以上の透過率を
有するとともに、ディスプレイパネルまたは透明基板5
0に対してJIS Z 0237-1991 に規定される粘
着性が0.3kg/cm以上であり、かつ、優れた耐光
性を有するものが好ましく、かかる透明粘着層25の形
成には、アクリル系の粘着剤が使用される。
【0072】透明粘着層25の形成は、例えば上記粘着
剤を原液のまま、あるいは粘度が高い場合には適宜溶媒
にて希釈し、透明フィルムの表面の、電磁波シールドパ
ターン部を形成した面またはそ反対の面上にロールコー
タ法などの従来公知の方法によって一回ないし数回塗布
することにより行われる。とりわけ、電磁波シールドパ
ターン部10を形成した面に透明粘着層25を形成した
場合には、電磁波シールドパネルとして使用したときに
使用者が電磁波シールドパターン部に触れることがない
ため、長期にわたって優れた電磁波の遮蔽効果を維持す
ることができる。
【0073】透明粘着層25の厚みは、乾燥後の厚みで
通常0.5〜50μm、好ましくは1〜20μm程度で
あるのがよい。本発明にかかる透光性電磁波シールドフ
ィルムBには、必要に応じて上記透明粘着層25上に剥
離が容易なフィルム75を貼り合わせていてもよい。こ
のような形態によって使用時までの保存性を高めること
ができる。
【0074】上記剥離が容易なフィルム75としては、
例えばグラシン紙、セロハンフィルム、アセテートフィ
ルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレフィルムな
どの従来公知のフィルムを使用することができる。透明
粘着層25からの剥離をより容易にするために、フィル
ムの片面または両面をシリコーン樹脂などで離型処理す
るのが好ましい。
【0075】次に、上記工程(4) について説明する。透
明基板50としては、例えばガラス板または樹脂シート
があげられ、とりわけ透明性の高い樹脂シートが使用さ
れる。具体的には、アクリル樹脂、ポリカーボネート、
ポリエチレン、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン、ポリプ
ロピレン、ポリエステル、ポリスルホン、ポリエーテル
スルホン、ポリ塩化ビニル、オレフィン・マレイミド共
重合体、ノルボルネン系樹脂等からなる樹脂シートがあ
げられる。
【0076】透光性電磁波シールドパネルAは、上記工
程(3) で形成した透明粘着層25上に透明基板50を貼
り合わせるか、あるいはテレビ等のディスプレイパネル
に直接貼付することにより作製される。上記透明基板を
貼り合わせて作製した透光性電磁波シールドパネルA
は、ディスプレイパネルに貼付するか、あるいは装着す
ることにより使用される。
【0077】本発明の製造方法によれば、所定のディス
プレイの大きさに対応した透明フィルム2を準備し、そ
の透明フィルム2上に、上述した工程(1) 〜(4) を経て
簡易に、かつ安価に製造することができる。例えば、大
型テレビのPDP用の透光性電磁波シールドパネルを製
造する場合には、PDPの大きさに対応した透明フィル
ム2を準備し、その透明フィルム2上に、上述した工程
(1) 〜(4) の作業を経て電磁波シールドパターン部、透
明粘着層を形成すればよい。
【0078】
〔透光性電磁波シールドパネルの製造〕
実施例1 上記の凹版と転写体とを、凹版オフセット印刷機〔住友
ゴム工業(株)製〕に使用して、凹版オフセット印刷法
により、前記透明フィルム表面の金属層上にエッチング
レジストインキを印刷して、凹版の凹部に対応した、す
なわち電磁波シールドパターン部のパターンに対応し
た、線幅20μm、ピッチ間隔120μmで、かつ格子
部分が正方形である格子状パターンのエッチングレジス
トパターンを形成した。
【0079】こうして得られたエッチングレジストパタ
ーンを、クリーンオーブン中にて100℃で20分加熱
して硬化させた後、エッチングレジストパターンが形成
されていない剥き出しになっている金属層部分(非画線
部)を、シャワー噴霧式のエッチング装置〔ヨシタニ社
製,EX−40E〕を用いて、下記の条件にてエッチン
グ処理して、線幅10μm、線間隔120μm、厚み1
0μmで、かつ格子部分が正方形である格子状パターン
の電磁波シールドパターン部を有する透光性電磁波シー
ルド部材を得た。 (エッチング条件) ・エッチング液:塩化第二鉄溶液(濃度42°Be,液
温40℃) ・シャワー噴霧量:1.5kg/cm2 ・処理時間:1分間 ついで、上記得られた電磁波シールド部材の電磁波シー
ルドパターン部上に、粘着材としてのアクリル系粘着剤
〔第日本インキ工業(株)製のファインタック〕をロー
ルコータにて塗布し、厚み約30μmの透明粘着層を形
成して、電磁波シールドフィルムを得た。
【0080】そして、上記電磁波シールドフィルムの透
明粘着層上にガラス板を貼り合わせて電磁波シールドパ
ネルを得た。 実施例2〜6、9 線幅およびピッチ間隔を適宜変更して、下記表1および
2に示す印刷仕様(厚み、線幅、線間隔)の電磁波シー
ルドパターン部のパターンを形成した以外は実施例1と
同様にして、電磁波シールドパターン部材および透明粘
着層を形成し、電磁波シールドパネルを得た。 実施例7 透明フィルムとしてPETフィルムに代えてポリカーボ
ネイトフィルムを使用し、また透明基板としてガラス板
に代えて透明アクリル樹脂シートを使用した以外は実施
例1と同様にして、電磁波シールドパターン部材および
透明粘着層を形成し、電磁波シールドパネルを得た。 実施例8 透明フィルムとして、PETフィルムに代えて近赤外線
(IR)カットPETフィルムを用いた以外は実施例1
と同様にして、電磁波シールドパターン部材および透明
粘着層を形成し、電磁波シールドパネルを得た。 比較例1 凹版オフセット印刷法に代えてスクリーン印刷法にして
線幅110μm、ピッチ間隔1100μmで格子状のエ
ッチングレジストパターンを形成した以外は実施例1と
同様にして、電磁波シールドパターン部材および透明粘
着層を形成し、電磁波シールドパネルを得た。 比較例2 シリコーンブランケットに代えて、NBRブラッケット
を用いた以外は実施例1と同様にして下記表1に示す線
幅Ws、線間隔Wkおよび膜厚Wtの電磁波シールドパ
ターン部材および透明粘着層を形成し、電磁波シールド
パネルを得た。
【0081】なお上記NBRブランケットは、比較例2
には、表面がアクリロニトリル−ブタジエンゴム(NB
R、JIS A硬度40、表面の十点平均粗さ4μm、
表面エネルギー37dyn/cm)である。 比較例3 凹版オフセット印刷法に代えてフォトリソグラフ法によ
って、実施例1と同様の電磁波シールドパターン部材
(但し、厚みは18μm)および透明粘着層を形成し、
電磁波シールドパネルを得た。
【0082】すなわち、透明フィルムの銅層表面の全面
に、スピンコータを用いて感光性のエッチングレジスト
インキ〔紫外線硬化型,太陽インキ社製の商品名PER
−20 K27〕を塗布した後、電磁波シールドパター
ン部のパターンが形成されたマスクをかぶせた。つい
で、マスク越しにその背後から紫外線を露光してエッチ
ングレジストを硬化させパターニングし、アルカリ系の
現像液で現像して、電磁波シールドパターン部以外の部
分を除去して、線幅10μm、線間隔110μmである
電磁波シールドパターン部を有する電磁波シールド部材
を得た。
【0083】そして、実施例1と同様にして電磁波シー
ルド部材の電磁波シールドパターン部上に透明粘着層を
形成し、その透明粘着層上に透明基板を貼り合わせるこ
とにより、電磁波シールドパネルを得た。 〔透光性電磁波シールド部材の物性評価〕上記実施例お
よび比較例で得られた透光性電磁波シールドパネルにつ
いて、以下の物性を評価した。 (電磁波の遮蔽性)「ノイズ対策 シールド材料と手法
測定・分析から対策実例まで」第2版(住友スリーエ
ム ノイズ対策研究会著)、160〜161頁に記載の
KEC(関西電子工業振興センター)法に準拠して、周
波数1MHz〜10GHzの電磁波を照射し、電磁波の
減衰率を算出し、1GHzの電磁波における減衰率(d
B)を透光性電磁波シールド部材の電磁波の遮蔽効果と
した。
【0084】電磁波の遮蔽効果は減衰率(dB)が大き
いほど優れていることを示す。評価の基準は以下のとお
りである。 ◎:60dB以上、電磁波の遮蔽効果が極めて良好であ
った。 ○:50dB以上60dB未満、電磁波の遮蔽効果が良
好であった。 △:40dB以上50dB未満、電磁波の遮蔽効果が実
用上不十分であった。
【0085】 ×:20dB以上40dB未満、電磁波の遮蔽効果が不
十分であった。 ××:0dB〜20dB未満、電磁波の遮蔽効果が極め
て不十分であった。 (透光性の評価)分光顕微鏡(大塚電子(株)製の「M
CPD2000」)にて、波長400〜700nmの光
(可視光線)の透過率(%)を測定し、その平均値から
透光性の評価を行った。透過率が大きいほど透光性が優
れていることを示す。
【0086】 ◎:90%以上、透光性が極めて良好であった。 ○:80%以上90%未満、透光性が良好であった。 △:70%以上80%未満、透光性が実用上不十分であ
った。 ×:50%以上70%未満、透光性が不十分であった。 ××:50%未満、透光性が極めて不十分であった。 (開口率の測定)前記式(3) :
【0087】
【数3】 開口率P(%)=(Wk/Wk+Ws)2 ×100 (式中、Ws、Wkは前記と同じである。)によって開
口率P(%)を算出した。前述したように、この開口率
Pの値が高ければ高いほど、ディスプレイの表示画面が
明るくなるが、その反面、電磁波の遮蔽効果は低下する
ことから、両者を両立するために、周波数1MHz〜1
000MHzの電磁波を照射したときに、電磁波の減衰
率が50dB以上で、かつ開口率50%以上であれば、
両者の特性はともに良好であると評価した。 (視認性の評価)透光性電磁波シールドパネルをPDP
画面の最前面に張り付けて、目視観察を行い、以下の基
準で評価した。
【0088】 ○:電磁波シールドパターン部に全くムラやメッシュ等
が確認されない。 △:電磁波シールドパターン部にかすかにムラやメッシ
ュ等が確認された。 ×:電磁波シールドパターン部の全面にわたりムラやメ
ッシュ等が確認された。 (製造コストの比較)実施例1〜9における透光性電磁
波シールドパネルの製造に要したコストを1として、比
較例1〜3における透光性電磁波シールドパネルの製造
コストの比を求めた。
【0089】各実施例および比較例の電磁波シールドパ
ネルの各物性の評価結果を、透明フィルムの種類、エッ
チングレジストパターンの形成方法、そのパターンの印
刷仕様(線幅Ws、線間隔Wk、膜厚Wt)およびSk
/Ssの値とともに表1および2に示す。
【0090】
【表1】
【0091】
【表2】
【0092】表1および2から明らかなように、シリコ
ーンブランケットを用いた凹版オフセット印刷法にて製
造した実施例1〜9の電磁波シールドパネルは、電磁波
シールドパターン部の線幅Wsが50μm以下と微細な
パターンによって印刷形成されているとともに、透光性
と電磁波の遮蔽効果とがともに優れ、製造コストをも低
く抑えることができた。
【0093】また、実施例1〜9の電磁波シールドパネ
ルは、電磁波シールドパターン部の線幅Ws、膜厚Wt
およびSk/Ss比が前述した所定の範囲内にあるの
で、視認性と視野角(開口率50%以上)とを損なうこ
となく、透光性と電磁波の遮蔽効果とがともに優れてお
り、両者を両立することができるとともに、製造コスト
を低く抑えることもできた。
【0094】これに対し、スクリーン印刷法を用いた比
較例1では、微細なパターンを高い精度で印刷形成する
ことができず、電磁波の遮蔽性や視認性の評価に問題が
生じた。また、NBRブランケットを用いた比較例2で
は、エッチングレジストインキの転移量が少ないために
エッチングレジストパターンにピンホールが多発する結
果、得られる電磁波シールドパターン部に断線個所が発
生して、電磁波の遮蔽性および視認性の評価に問題が生
じた。
【0095】さらに、フォトリソグラフ法によって電磁
波シールドパターン部を形成した比較例3では、電磁波
シールドパターン部の各物性が良好で、かつ微細なパタ
ーンを形成できるものの、製造コストが凹版オフセット
印刷法に比べて極めて高いという問題が生じた。
【0096】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の製造方法
によれば、透光性と電磁波の遮蔽効果とに優れた電磁波
シールドフィルムおよび電磁波シールドパネルを簡易に
かつ低コストで製造することができる。従って、本発明
の製造方法は、パソコン等のディスプレイ用をはじめ、
PDP等の大型画面用の電磁波シールドパネルの製造方
法としても好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】同図(a) は透光性電磁波シールドパネルAを示
す斜視図と、そのZ−Z部分拡大断面図とである。同図
(b) は透光性電磁波シールドフィルムBの拡大断面図で
ある。
【図2】平板状の凹版を用いたオフセット印刷機を示す
説明図である。
【図3】図2の凹版オフセット印刷機によってエッチン
グレジストインキを透明フィルムの金属層上に印刷し
て、電磁波シールドパターン部のパターンに対応するエ
ッチングレジストパターンを形成する工程を示す説明図
である。
【図4】円筒状の凹版を用いた凹版オフセット印刷法に
よってエッチングレジストインキを透明フィルムの金属
層上に印刷して、電磁波シールドパターン部のパターン
に対応するエッチングレジストパターンを形成する工程
を示す説明図である。
【図5】エッチングレジストパターンの断面図と、電磁
波シールドパターン部のパターンを示す断面図とであ
る。
【図6】ストライプ状パターンの一例を示す模式図であ
る。
【図7】格子状パターンの一例を示す模式図である。
【図8】格子状パターンの他の例を示す模式図である。
【図9】同図(a) 〜(c) は、幾何学模様からなるパター
ンの一例を示す模式図である。
【符号の説明】
A 透光性電磁波シールドパネル B 透光性電磁波シールドフィルム M 金属層 2 透明フィルム L 透明フィルムと金属層との積層体 I エッチングレジストインキ P エッチングレジストパターン 1 透光性電磁シールド部材 Bk 転写体 10 電磁波シールドパターン部 25 透明粘着層 50 透明基板 Ws 線幅 Wt 膜厚
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4F100 AB01B AB17 AG00 AK42 AR00A AR00C AR00D BA02 BA03 BA04 BA07 BA10B BA10C BA10D DC11B DC21B EH712 EJ15B EJ152 GB41 JD08 JD08B JL13C JN01A JN01D YY00B 5E321 AA04 BB21 BB23 CC16 GG05 GH01

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 少なくともその表面がシリコーンゴム
    からなる転写体を用いた凹版オフセット印刷法によっ
    て、透明フィルムと金属層との積層体の金属層の表面
    に、エッチングレジストインキを印刷して、電磁波シー
    ルドパターン部のパターンに対応するエッチングレジス
    トパターンを形成する工程と、(2) エッチングレジスト
    パターンが形成されていない部分の金属層をエッチング
    によって除去し、透明フィルムの片面に所定の電磁波シ
    ールドパターン部を形成して、透光性電磁波シールド部
    材を得る工程と、(3) 上記透明フィルムの、電磁波シー
    ルドパターン部を形成した面またはその反対の面に、透
    明粘着層を形成する工程と、を含むことを特徴とする透
    光性電磁波シールドフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】パターンの線幅が5〜40μmで、膜厚が
    0.5〜50μmであり、かつ電磁波シールドパターン
    部の全面積Ssと、透明フィルム上における電磁波シー
    ルドパターン部が形成されていない領域の全面積Skと
    が、式(1) : 1≦Sk/Ss≦9.0 …(1) なる関係を満たすように上記電磁波シールドパターン部
    を形成する、請求項1記載の透光性電磁波シールドフィ
    ルムの製造方法。
  3. 【請求項3】(1) 少なくともその表面がシリコーンゴム
    からなる転写体を用いた凹版オフセット印刷法によっ
    て、透明フィルムと金属層との積層体の金属層の表面
    に、エッチングレジストインキを印刷して、電磁波シー
    ルドパターン部のパターンに対応するエッチングレジス
    トパターンを形成する工程と、(2) エッチングレジスト
    パターンが形成されていない部分の金属層をエッチング
    によって除去し、透明フィルムの片面に所定の電磁波シ
    ールドパターン部を形成して、透光性電磁波シールド部
    材を得る工程と、(3) 上記透明フィルムの、電磁波シー
    ルドパターン部を形成した面またはその反対の面に、透
    明粘着層を形成して、透光性電磁波シールドフィルムを
    得る工程と、(4) 上記透明粘着層上にディスプレイパネ
    ルまたは透明基板を貼り合わせる工程とを含むことを特
    徴とする透光性電磁波シールドパネルの製造方法。
  4. 【請求項4】パターンの線幅が5〜40μmで、膜厚が
    0.5〜50μmであり、かつ電磁波シールドパターン
    部の全面積Ssと、透明フィルム上における電磁波シー
    ルドパターン部が形成されていない領域の全面積Skと
    が、式(1) : 1≦Sk/Ss≦9.0 …(1) なる関係を満たすように上記電磁波シールドパターン部
    を形成する、請求項3記載の透光性電磁波シールドパネ
    ルの製造方法。
JP10346073A 1998-12-04 1998-12-04 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法 Pending JP2000174486A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10346073A JP2000174486A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10346073A JP2000174486A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000174486A true JP2000174486A (ja) 2000-06-23

Family

ID=18380966

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10346073A Pending JP2000174486A (ja) 1998-12-04 1998-12-04 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000174486A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100334938B1 (ko) * 2000-07-19 2002-05-03 박호군 전자파차폐용 투광성 도전막 및 그 제조방법
WO2003045126A1 (fr) * 2001-11-20 2003-05-30 Bridgestone Corporation Materiau de fenetre transmettant la lumiere et protegeant contre les ondes electromagnetiques et procede de production de ce materiau
JP2008124299A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Toppan Printing Co Ltd Emiシールド部材の製造方法及びemiシールド部材並びに画像表示装置
JP2008283041A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Toppan Printing Co Ltd 光透過性電磁波シールド部材の製造方法
JP2010507261A (ja) * 2006-10-18 2010-03-04 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ポリマー基材上で物質をパターニングする方法
US20130153559A1 (en) * 2011-01-13 2013-06-20 Lg Chem, Ltd. Heating element and a production method thereof
KR101302257B1 (ko) * 2011-01-13 2013-09-03 주식회사 엘지화학 발열체 및 이의 제조방법
US9156539B2 (en) 2007-02-19 2015-10-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Aircraft window member, method of manufacturing the same, and aircraft window assembly
EP3614418A1 (en) * 2008-02-28 2020-02-26 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US10620767B2 (en) 2008-02-28 2020-04-14 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100334938B1 (ko) * 2000-07-19 2002-05-03 박호군 전자파차폐용 투광성 도전막 및 그 제조방법
WO2003045126A1 (fr) * 2001-11-20 2003-05-30 Bridgestone Corporation Materiau de fenetre transmettant la lumiere et protegeant contre les ondes electromagnetiques et procede de production de ce materiau
US8764996B2 (en) 2006-10-18 2014-07-01 3M Innovative Properties Company Methods of patterning a material on polymeric substrates
JP2010507261A (ja) * 2006-10-18 2010-03-04 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー ポリマー基材上で物質をパターニングする方法
JP2008124299A (ja) * 2006-11-14 2008-05-29 Toppan Printing Co Ltd Emiシールド部材の製造方法及びemiシールド部材並びに画像表示装置
US9156539B2 (en) 2007-02-19 2015-10-13 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Aircraft window member, method of manufacturing the same, and aircraft window assembly
JP2008283041A (ja) * 2007-05-11 2008-11-20 Toppan Printing Co Ltd 光透過性電磁波シールド部材の製造方法
US10691275B2 (en) 2008-02-28 2020-06-23 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
EP3614418A1 (en) * 2008-02-28 2020-02-26 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US10620767B2 (en) 2008-02-28 2020-04-14 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US10817121B2 (en) 2008-02-28 2020-10-27 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US10860147B2 (en) 2008-02-28 2020-12-08 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US11429231B2 (en) 2008-02-28 2022-08-30 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US11620024B2 (en) 2008-02-28 2023-04-04 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US11822750B2 (en) 2008-02-28 2023-11-21 3M Innovative Properties Company Touch screen sensor
US9029735B2 (en) * 2011-01-13 2015-05-12 Lg Chem, Ltd. Heating element and a production method thereof
KR101302257B1 (ko) * 2011-01-13 2013-09-03 주식회사 엘지화학 발열체 및 이의 제조방법
US20130153559A1 (en) * 2011-01-13 2013-06-20 Lg Chem, Ltd. Heating element and a production method thereof

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100497186B1 (ko) 전자파 차폐용 시트 및 그 제조방법
TW566078B (en) Electromagnetic wave shielding sheet
US9292146B2 (en) Photosensitive film, method for producing capacitance type input device, capacitance type input device, and image display apparatus using the same
TWI287802B (en) Thin sheet for shielding electromagnetic wave
JP4780254B2 (ja) 導電性基板およびその製造方法ならびにタッチパネル
JP3017987B1 (ja) 透光性電磁波シ―ルド部材およびその製造方法
JP2000174486A (ja) 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法
US9040149B2 (en) Printing plate and method for manufacturing same
TWI744549B (zh) 電極膜及其製造方法
JP3017988B1 (ja) 透光性電磁波シ―ルド部材およびその製造方法
JP2002133944A (ja) 導電性インキ組成物とそれを用いた微細パターンの印刷方法および透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP2003318596A (ja) 電磁波遮蔽用シート
JP2000269682A (ja) 透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP4887873B2 (ja) パターン形成体の製造方法
JP2009238851A (ja) ディスプレイ用光学フィルム、ディスプレイ用光学シート体、ディスプレイ装置、及びディスプレイ用光学フィルムの製造方法
JP6722291B2 (ja) 導電性フィルム、タッチパネル、フォトマスク、インプリントテンプレート、導電性フィルム形成用積層体、導電性フィルムの製造方法、および電子デバイスの製造方法
JP7035437B2 (ja) 導電パターン付き基板の製造方法および導電パターン付き基板
JP2004111784A (ja) 光透過性電磁波遮蔽シート及びその製造方法
JP2000269683A (ja) 透光性電磁波シールド部材の製造方法
JP4657685B2 (ja) 電磁波シールドフィルムの製造方法およびそのフィルム
JP2004288800A (ja) 電磁波シールド材およびその製造方法
KR20200045776A (ko) 터치 패널의 제조 방법
JP2000174485A (ja) 透光性電磁波シールドフィルムおよび透光性電磁波シールドパネルの製造方法
JP2007194532A (ja) 光透過性電磁波シールドシートの製造方法、および光透過性電磁波シールドシート
JPWO2003045126A1 (ja) 電磁波シールド性光透過窓材及びその製造方法