JP2008124299A - Emiシールド部材の製造方法及びemiシールド部材並びに画像表示装置 - Google Patents

Emiシールド部材の製造方法及びemiシールド部材並びに画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】コスト面での問題を解決するために、フォトリソグラフィーを用いずに、安価で簡便にエッチングメッシュからなるシールド層を形成できるEMIシールド部材の製造方法及びEMIシールド部材並びに画像表示装置を提供する。
【解決手段】電磁波を遮断するメッシュ状のシールド層12を備えたEMIシールド部材1の製造方法であって、透明フィルム11上に導電性物質からなる導電層を一様に積層して積層体を形成する工程と、連続的に搬送される積層体の導電層上に、印刷にてメッシュ状のレジストパターンを搬送方向に対して連続して形成する工程と、エッチングによるパターンニングを行う工程と、レジストを剥離して導電性物質からなるメッシュ状のシールド層12を形成する工程とを有するEMIシールド部材1の製造方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば、CRTやPDP、液晶、ELなどの画像表示装置の画像を表示する前面側に設けられ、この前面から発生する電磁波を遮断し、かつ、透明性を有するEMIシールド部材の製造方法及びこの方法で製造されるEMIシールド部材並びにこのEMIシールド部材を備えた画像表示装置に関する。
近年、各種の電気設備や電子応用設備の利用が増加するのに伴い、電磁気的なノイズ妨害(EMI;Electro-Magnetic Interference)も増加の一途をたどっている。ノイズは大きく分けて伝導ノイズと放射ノイズに分けられる。伝導ノイズの対策としては、ノイズフィルタなどを用いる方法がある。
一方、放射ノイズの対策としては、電磁気的に空間を絶縁する必要があるため、例えば、筐体を金属体または高導電体にしたり、回路基板同士の間に金属板を設置したり、ケーブルに金属箔を巻き付けたりすることにより、ディスプレイから発生する電磁波(EMI)が外部に放出されることを防止している。これらの対策は、回路や電源ブロックではEMIシールド効果が期待できるが、CRT、PDPなどの画像表示装置の画像を表示する前面より発生するEMIのシールド用途としては、透明性に欠けるため画像の視認性を確保できず、適したものではなかった。
そこで、シールド性と透明性を両立させたEMIシールド部材を得る手段として、透明基材上に導電性を有する層(シールド層)を形成させる方法が多数提案されている。
例えば、特許文献1、2には、透明基材上に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜シールド層を形成する方法が開示されている。
特許文献3、4には、メッシュ状の良導電性繊維を透明基材に埋め込む方法によって得られたEMIシールド部材が開示されている。
特許文献5、6には、金属粉末等を含む導電性樹脂を、透明基材上にメッシュ形状になるように直接印刷する方法によって得られたEMIシールド部材が開示されている。
特許文献7には、透明基材上の表面に凹凸を形成させた後に銅箔を貼り付け、エッチングにより銅のメッシュを形成する方法が開示されている。
ところで、シールド層は、特許文献1、2に記載のような、透明基材上に金属または金属酸化物を蒸着して薄膜シールド層を形成するスパッタタイプと、特許文献3〜7に記載のような、導電性物質をメッシュ状に形成するメッシュタイプに大別できる。
スパッタタイプは透明基材の全面にシールド層を形成する方法であるが、光の透過性も確保しなければならないため、その膜厚を厚くすることができない。通常、シールド層には、電磁波規制により表面抵抗を1.5Ω/□以下(クラスB:家庭用)にすることが求められるが、シールド層の膜厚が薄くなるほど表面抵抗は低抵抗になりにくくなる。そのため、スパッタタイプでは、膜厚を薄く形成し、かつ、表面抵抗が1.5Ω/□以下のシールド層を作成することが困難であった。
一方、メッシュタイプは、工法によりさらに4つの工法、すなわち、エッチングメッシュ、繊維メッシュ、印刷メッシュ、銀塩メッシュに大別される。現在、これらの中で品質が安定しており、かつ表面抵抗が1.5Ω/□以下を満たし、ユーザーから高い信頼を得ているエッチングメッシュが大部分のシェアを占めている。
エッチングメッシュは、通常、レジスト塗布(または貼り合せ)、露光、現像の3工程を有するフォトリソグラフィーを用いて作成する。
特開平1−278800号公報 特開平5−323101号公報 特開平5−327274号公報 特開平5−269912号公報 特開昭62−57297号公報 特開平2−52499号公報 特許第3473310号公報
しかしながら、フォトリソグラフィーでは、パターン部以外のレジストを処分するため中間部材の費用がかかっていた。そのため、エッチングメッシュからなるシールド層を備えたEMIシールド部材は高価であった。また、露光を行うため、製品の搬送が停止、搬送の繰り返し(ステップ搬送)となる。そのため、タクトを短くすることに限界があり、生産性の向上には限界があった。このような理由により、エッチングメッシュからなるシールド層を備えたEMIシールド部材はランニングコストが高かった。
このように、EMIシールド部材の製造にはより一層のコストダウンが求められている。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、コスト面での問題を解決するために、フォトリソグラフィーを用いずに、安価で簡便にエッチングメッシュからなるシールド層を形成できるEMIシールド部材の製造方法及びEMIシールド部材並びに画像表示装置を提供することを目的とする。
本発明のEMIシールド部材の製造方法は、電磁波を遮断するメッシュ状のシールド層を備えたEMIシールド部材の製造方法であって、透明フィルム上に導電性物質からなる導電層を一様に積層して積層体を形成する工程と、連続的に搬送される積層体の導電層上に、印刷にてメッシュ状のレジストパターンを搬送方向に対して連続して形成する工程と、エッチングによるパターンニングを行う工程と、レジストを剥離して導電性物質からなるメッシュ状のシールド層を形成する工程とを有することを特徴とする。
ここで、前記印刷の方式が、凹版印刷であることが好ましい。
また、前記導電性物質が黒化処理された銅であることが好ましい。
また、本発明のEMIシールド部材は、前記EMIシールド部材の製造方法を用いて形成されていることを特徴とする。
また、本発明の画像表示装置は、前記EMIシールド部材が画像を表示する前面側に設けられていることを特徴とする。
本発明によれば、コスト面での問題を解決するために、フォトリソグラフィーを用いずに、安価で簡便にエッチングメッシュからなるシールド層を形成できるEMIシールド部材の製造方法及びEMIシールド部材並びに画像表示装置を提供できる。
以下、図1から図8を参照し、本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材の製造方法及びEMIシールド部材並びに画像表示装置について説明する。本実施形態は、例えばCRTやPDP、液晶、ELなどの画像表示装置(ディスプレイ)の前面に取り付けられてこの前面からから発生する電磁波ノイズを遮断するためのEMI(Electro-Magnetic Interference)シールド部材(電磁波シールド部材)の製造方法及びEMIシールド部材並びに画像表示装置に関するものである。
本実施形態のEMIシールド部材1は、図1及び図2に示すように、透明フィルム11上に、複数の開口部12aが規則的に配列した幾何学形状(メッシュ状)のシールド層12が積層されて一体に形成されている。
透明フィルム(基材)11としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)に代表されるポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン酢ビコポリマー(EVA)などのポリオレフィン類などのプラスチックフィルムやトリアセチルセルロース(TAC)フィルムを用いることができる。
透明フィルム11は、可視光領域(400nm〜700nm)における透過率が70%以上であることが望ましい。また、後述するようなロール・ツー・ロール方式を用いてEMIシールド部材1を製造する場合を考慮すると、ある程度のコシがあり、かつロールへ巻き取るために柔軟性を示すことが望まれることから、透明フィルム11の厚さd1は10μm〜250μmが好適である。
一方、シールド層12は、後述するように導電層をメッシュ状にパターンニングして得られる。パターン形状としては、正方形(図1)、ひし形(図3)などの四角形や、三角形、六角形(図4)など、網状の模様が作成できる形状であればよい。また、網状の模様が一様であれば2種以上の形を組み合わせて使用しても良く、例えば、ひし形と二等辺三角形の繰り返し構造などが挙げられる。
なお、メッシュのパターンとしては、シールド性を有しつつ、光透過特性が良好であることが必要であることから、パターンを形成するライン幅w1は5〜25μmが望ましく、開口部12aの幅(ライン間隔)w2は100〜300μmが望ましい。また、シールド層12の厚さd2は、10〜20μmが望ましい。
図5、6に示す導電層13は導電性物質からなる。導電性物質の材料としては、公知の導電性材料を用いることができるが、例えば、亜鉛、錫、アルミニウム、ニッケル、鉄、銀、金、銅などの金属材料、ITO(酸化インジウム錫)、IZO(酸化インジウム亜鉛)などの透明金属酸化物材料を用いることができる。これらの材料においては、加工性、導電性から銅が望ましい。
また、導電性物質の表面は、後述するインクの「のり」が良くなるように表面処理されているものが好適である。例えば銅の場合、電解銅箔、圧延銅箔などの銅箔の表面を、硫酸と過酸化水素水の混合溶液を用いて粗面化させ、光沢を無くした銅を用いた方が、表面未処理の銅箔に比べてインクの「のり」が良くなり好適である。
さらに、導電性物質の材料として、黒化処理された銅を用いるのが好ましい。黒化処理された銅を用いたEMIシールド部材1は、ブラックマトリックス効果によって見た目が引き締まるため視覚的にも良好である。なお、黒化処理された銅を用いた場合、図5に示す導電層13の厚さd3は、表面抵抗が1.5Ω/□以下を満たしていれば制限されないが、加工寸法安定性、銅箔の入手の容易さの観点から10μm程度が好ましい。
本発明においては、図5、6に示すように、必要に応じて透明フィルム11と導電層13の間に、両者を張り合わせるための接着剤からなる接着剤層14が設けられていてもよい。
接着剤としては、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系の接着剤を用いることができ、シート状であっても液状であっても構わない。
次に、上記の構成からなるEMIシールド部材1を製造する方法について説明し、本実施形態のEMIシールド部材1の製造方法及びEMIシールド部材1並びにこのEMIシールド部材1を備えた画像表示装置の作用及び効果について説明する。
(a)工程;
図5に示すように、透明フィルム11上に導電性物質からなる導電層13を一様に積層して積層体10を形成する。
透明フィルム11上に導電層13を積層する方法としては、接着剤からなる接着剤層14を介して貼り合せる方法の他、真空蒸着、スパッタ、無電解めっきなどの方法を用いることができる。また、透明フィルム11上に導電層13を厚さが1μm以下になるように積層した後、電気めっきで所望の厚さまでめっきを行うことにより積層体10を形成することもできる。これらの方法のうち、簡便であり、コストも安いことから、接着剤層14を介して貼り合せる方法が好適である。
(b)工程;
図6、8に示すように、連続的に搬送される積層体10の導電層13上に、印刷にてメッシュ状のレジストパターン15を搬送方向に対して連続して形成する。
レジストパターン15の形成には、エッチングレジストを使用する。エッチングレジストとしては、市販のフォトレジストを用いることができる。例えば、東京応化製のレジスト、JSR社製の液状レジストなどが挙げられる。またエッチングレジストの材料としては、UV硬化樹脂、熱可塑性樹脂、アクリル系、エポキシ系などを用いることもできる。これらのエッチングレジストは、単独でインクとしても良いし、溶媒に溶解または分散させてインクとして用いてもよい。
エッチングレジストをメッシュ状のパターンとなるように導電層13上に印刷する方法としては、グラビア印刷などの凹版印刷、凸版印刷(フレキソ印刷)、平版印刷、孔版印刷、インクジェット印刷を用いることができる。中でも凹版印刷や凸版印刷がエッチングレジストパターンを連続して導電層13上に形成できる点で好適である。さらには、レジストパターンを厚く形成できる点で、凹版印刷が特に好ましい。インクジェット印刷や孔版印刷を用いた場合、積層体10をステップ搬送してレジストパターン15を形成することになるため、生産性の点では凹版印刷や凸版印刷に劣る。
ここで、本発明に用いる凹版印刷について説明する。
本発明では、凹版印刷の装置として、例えば、図8に示すような輪転グラビア印刷機20を用いる。輪転グラビア印刷機20は5つの基本的な部品、すなわち、グラビア版シリンダ21、インクパン22、ドクターブレード23、圧胴24、および乾燥炉25から構成される。なお、乾燥炉25は、インク(エッチングレジスト)26の乾燥を表面と内部の両方から効率よく乾燥できる目的で、赤外線(IR)と温風を複合させた方式となっている。
輪転グラビア印刷機20による印刷の流れは次の通りである。
まず、グラビア版シリンダ21の一部がインクパン22に浸され、グラビア版シリンダ21の版面の凹部21aをエッチングレジスト26で満たす。グラビア版シリンダ21が回転して、凹部21a以外の版面に付着したインク(エッチングレジスト)26が、ドクターブレード23で掻き取られる。積層体10は連続的に搬送され、圧胴24とグラビア版シリンダ21に挟まれる。凹部21aに詰まったインク(エッチングレジスト)26が、積層体10の導電層13上に転写され、レジストパターン15が印刷される。その後、乾燥炉25に送られ、インク(エッチングレジスト)26を乾燥する。
なお、印刷速度は、グラビア印刷が転写に遠心力を利用している点を考慮し、2〜30m/分とするのが望ましい。
グラビア版シリンダ21は、凹部21aの深さが10μm〜50μmであることが望ましい。深さが10μm未満の場合、エッチングレジスト26によっては印刷されたレジストの厚さが薄くなってしまうため、レジストとしての役割を果たしにくくなる。従って、後述する(c)工程(エッチング工程)においてレジスト浮き、またはレジストの割れが発生し、メッシュが形成できにくくなる。一方、深さが50μmを超える場合、メッシュの交点部分がレジストで潰れ、メッシュ形状が崩れやすくなる。
(c)工程
図7に示すように、導電性物質をエッチングによりパターニングを行う。
これにより、エッチングレジストを設けた箇所はエッチングされないが、エッチングレジストを設けていない部分は、導電性物質が除去され、メッシュパターン16が形成される。エッチングを十分に行うと、メッシュパターン16が細線化されるため、(b)工程で形成するレジストパターン15のライン幅よりもメッシュパターン16のライン幅を細くすることができる。また、エッチングの条件によっては図7に示すように、メッシュトップ幅w3がメッシュボトム幅w4よりも狭くなるような、オーバーハング構造のメッシュパターン16を形成することもできる。
エッチングに用いるエッチング液は、例えば導電性物質として銅を用いた場合、塩化第二鉄または塩化第二銅を主要成分として用いることができる。これらは市販の液として入手することもできる。銅以外の金属を導電性物質として用いた場合、各々の金属に対応した剥離剤を用いてエッチングを行うことができる。例えばニッケルの場合は、市販のニッケル剥離剤(メルテックス(株)製「メルストリップMN−955」)を用いてエッチングを行うことができる。
(d)工程
導電性物質上に残存するエッチングレジストを剥離して、導電性物質からなるメッシュ状のシールド層12を形成し、図2に示すようなEMIシールド部材1を製造する。
剥離液としては、例えば、先に述べたエッチングレジストを用いた場合、水酸化ナトリウム水溶液を用いることができる。
本発明においては、上述した(a)〜(d)工程をロール・ツー・ロール方式で実行することも可能であるため、連続してEMIシールド部材1を製造することができる。
ロール・ツー・ロール方式とは、例えば、(a)工程の場合、ロール状に巻いた透明フィルム上に導電層を積層させ積層体を形成し、積層体を再びロールに巻き取る手法のことである一方、ロール・ツー・ロール方式を用いると、製品をロール状に巻き取ることができるので、保管や運搬が容易になる。
また、反動上に印刷パターンが連続で設けられたグラビア版を用いることができるので、積層体10の搬送方向に対して連続したレジストパターン15を形成することが可能となる。従って、不良が生じた場合でも不良箇所のみを除去できるので、任意のサイズのメッシュパターン16を有するEMIシールド部材1を切り取ることができ、生産性が向上する。例えば、42インチのパネルサイズのEMIシールド部材をステップ搬送で製造する場合、1mm程度の断線不良が1箇所でも発見されれば、製造された1つ分のEMIシールド部材を不良品として扱わなければならず、材料としては42インチパネル1枚分の材料、つまり約1m分が無駄になっていた。しかし、本発明によれば、不良部分のみをカットすることで、効率的に42インチのパネルサイズのEMIシールド部材を切り出すことができる。
なお、本発明にあっては、次のようにしてEMIシールド部材1を製造してもよい。
まず、接着剤として、粘着力が比較的弱い転写用接着剤を用い、上述した(a)工程から(d)工程を実施して、基材上に転写用接着剤層を介して導電性物質からなるメッシュ状のシールド層が形成した転写フィルムを作成する。
別途、接着剤層を設けた透明フィルムを用意し、接着剤層を介して、透明フィルムとシールド層とが貼り合わさるように先の転写フィルムを積層する。次いで、転写用接着剤層を剥離して、EMIシールド部材1を得る。
このように、本発明のEMIシールド部材1の製造方法によれば、エッチングレジストをパターン印刷にて形成するので、処分するレジストが大幅に削減できる。そのため、中間部材の費用がかからないので、エッチングメッシュからなるシールド層12を備えたEMIシールド部材1を安価に製造することができる。
また、連続してEMIシールド部材1を製造することが可能であるため、フォトリソグラフィーを用いた場合に比べて簡便かつ、生産性を高めることができる。
また、本発明のEMIシールド部材1を、画像表示装置の前面に貼り付けた場合には、画像表示装置の前面からの可視光が透明フィルム11を透過するとともにシールド層12の開口部12aを通じて外部に透過する。このとき、EMIシールド部材1の開口部12aが規定の面積をもって精度良く形成されているため、EMIシールド部材1は、ヘイズや透明性などの光学特性に優れ、明るい画像を提供することが可能になる。
以下に、本発明の実施形態例を具体的に説明する。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
(a)工程
図5に示すように、透明フィルム11上に、接着剤層14を介して、導電層13を一様に積層した積層体10を作成した。なお、各層の材料として以下のものを用いた。
透明フィルム11:厚さ125μmの無色透明のPETフィルム(東洋紡績(株)製「コスモシャイン」)。
導電層13:片面が黒化処理された、膜厚10μmの銅箔(三井金属鉱山(株)製「TQ−M2−VLP」)。
接着剤層14:接着剤 (東洋モートン(株)製、「AEシリーズ」)。
(b)工程
次いで、図8に示すようなグラビア印刷により、印刷速度5m/分でエッチングレジスト(東洋紡績(株)製、「ERグレード」)をロール・ツー・ロール方式にてパターン印刷し、図6に示すように、導電層13上にメッシュ状のレジストパターン15を形成した。
エッチングレジストのパターンは、正方形が連続的に連なるパターンで、ライン幅w1が20μm、ライン間隔w2が300μmとなるようにした。
さらに、IRと温風を併用した乾燥炉25用いて、30秒間の加熱により、エッチングレジストを硬化させた。
(c)工程
次いで、第二塩化鉄系のエッチング液により銅を溶解させて、図7に示すような、メッシュトップ幅w3が10μm、メッシュボトム幅w4が14μmである、銅のメッシュパターン16を得た。なお、エッチングによる処理条件は以下の通りにした。
比重:1.450
HCl:0.5 M/L
FeCl:25g/L
液温:40℃
(d)工程
次いで、40℃の水酸化ナトリウム水溶液(50g/L)に2分浸漬させてエッチングレジストを剥離し、図1、2に示すように、EMIシールド部材1を得た。
このようにして得られるEMIシールド部材1に備わるシールド層12は、従来のフォトリソグラフィーにより形成されるシールド層と配線幅が同等であった。
また、フォトリソグラフィーの3工程(レジスト塗布、露光、現像工程)に対応する工程を、本発明では1工程(すなわち(b)工程)に置き換え、かつ、ステップ搬送を必要とする露光工程がなくなるため、生産性は倍以上に向上した。
本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材の一部を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材の一部を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材のパターン形状の一例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材のパターン形状の他の例を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材の製造において、透明フィルム上に接着剤層を介して導電層を積層形成した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材の製造において、導電層上にエッチングレジストを積層した状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材の製造において、エッチングによりパターンニングを行った状態を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るEMIシールド部材の製造に用いたグラビア印刷装置を示す概略図である。
符号の説明
1:EMIシールド部材、10:積層体、11:透明フィルム、12:シールド層、12a:開口部、13:導電層、14:接着剤層、15:レジストパターン、16:メッシュパターン、20:輪転グラビア印刷機、21:グラビア版シリンダ、21a:21の版面の凹部、22:インクパン、23:ドクターブレード、24:圧胴、25:乾燥炉、26:インク(エッチングレジスト)

Claims (5)

  1. 電磁波を遮断するメッシュ状のシールド層を備えたEMIシールド部材の製造方法であって、
    透明フィルム上に導電性物質からなる導電層を一様に積層して積層体を形成する工程と、連続的に搬送される積層体の導電層上に、印刷にてメッシュ状のレジストパターンを搬送方向に対して連続して形成する工程と、エッチングによるパターンニングを行う工程と、レジストを剥離して導電性物質からなるメッシュ状のシールド層を形成する工程とを有することを特徴とするEMIシールド部材の製造方法。
  2. 前記印刷の方式が、凹版印刷であることを特徴とする請求項1に記載のEMIシールド部材の製造方法。
  3. 前記導電性物質が黒化処理された銅であることを特徴とする請求項1または2に記載のEMIシールド部材の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載のEMIシールド部材の製造方法を用いて形成されていることを特徴とするEMIシールド部材。
  5. 請求項4に記載のEMIシールド部材が画像を表示する前面側に設けられていることを特徴とする画像表示装置。
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