JP4240966B2 - 近接場光マスク、これを用いた近接場露光装置、これを用いたドットパターン作製方法 - Google Patents

近接場光マスク、これを用いた近接場露光装置、これを用いたドットパターン作製方法 Download PDF

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    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、量子ドットデバイスやサブ波長構造デバイス等微細パターンを形成するための露光装置及び、これに用いられるマスクに関するものである。
【0002】
【背景技術】
半導体メモリの大容量化やCPUプロセッサの高速化・大集積化の進展とともに、光リソグラフィーのさらなる微細化は必要不可欠のものとなっている。一般に光リソグラフィー装置における微細加工限界は、用いる光の波長程度である。このため、光リソグラフィー装置に用いる光の短波長化が進み、現在は近紫外線レーザーが用いられ、0.1μm程度の微細加工が可能となっている。
【0003】
このように微細化が進む光リソグラフィーであるが、0.1μm以下の微細加工を行なうためには、レーザーのさらなる短波長化、その波長域でのレンズ開発等解決しなければならない課題も多い。
【0004】
一方、光による0.1μm以下の微細加工を可能にする手段として、近接場光学顕微鏡(以下SNOMと略す)の構成を用いた微細加工装置が提案されている。例えば、100nm以下の大きさの微小開口から滲み出る近接場光を用いてレジストに対し、光波長限界を越える局所的な露光を行なう装置である。
【0005】
しかしながら、これらのSNOM構成のリソグラフィー装置では、いずれも1本(または数本)の加工プローブで一筆書きのように微細加工を行なっていく構成であるため、あまりスループットが向上しないという問題点を有していた。
【0006】
これを解決する一つの方法として、遮光膜に0.1μm以下の開口パターンを設けた光マスクに裏面から光を照射し、開口パターンから滲み出る近接場光を用いて光マスクのパターンをレジストに対して一括して転写する近接場マスク露光技術の提案がなされている(特開平11−145051号)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の近接場マスク露光を用いて、ドットパターンを露光する場合には、図10に示したようにドット開口部1001が配置されたマスクパターンを用いていた。
【0008】
ところが、より微細なサイズのドットパターンを形成するために開口部のサイズを小さくすると、開口から発生する近接場光の強度が減少し、露光に要する時間が長くなり、加工装置としてのスループットが低下するという課題が生じた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決する手段としての本発明は、第1に、遮光膜によって構成された遮光部該遮光部に設けた開口とを有し、該開口から発生する近接場光を用いて被露光物にパターン状の露光を行なう近接場光マスクであって、前記遮光に設けた開口が、100nmより小さい幅を有する少なくとも2本以上の平行な第1のスリット開口列と、100nmより小さい幅を有し、かつ、該第1のスリット開口列間を結び、第1のスリット開口列に垂直な第2のスリット開口とからなり、前記第1のスリット開口列の間に位置する前記遮光部と、前記第2のスリット開口と、の交差する部分に対応して前記パターンが形成されることを特徴とする。
【0010】
第2に,本発明の第1である上記近接場光マスクと,前記第1のスリット開口列に平行な電界成分を持つ偏光光を、該近接場光マスクに照射する光照射手段と、該近接場光マスクを被露光物に対して近接場領域以下まで近接させる手段とからなる近接場露光装置である。
【0012】
【発明の実施の形態】
(マスク)
幅が100nm以下のスリット開口に可視〜近紫外域の波長の光を照射した場合、入射光の電場の方向とスリット開口が平行の場合、発生する近接場光の光量が小さく、入射光の電場の方向とスリットが垂直の場合、近接場光の光量が大きい。これは、入射光の電場の方向に対して、平行なスリット部分の端部分に比べ、垂直なスリット開口の端部分で近接場光が増強されるためである。
【0013】
そこで、近接場露光に用いるフォトレジストに対して、入射光の電場の方向がスリット開口に平行の場合に発生する近接場光の光量に対しては、潜像形成のしきい値以下となり、入射光の電場の方向がスリット開口に垂直な場合に発生する近接場光の光量に対しては、潜像形成のしきい値以上となるように露光量を調整することにより、入射光の電場の方向に対して、垂直なスリット開口のパターンの潜像のみをフォトレジスト中に形成できる。
【0014】
例えば、図1に示すように、近接場光マスク101の遮光膜102に設けた入射光の電場の方向に平行な第1のスリット開口列103に対して、複数の開口列を結ぶように入射光の電場の方向に垂直な第2のスリット開口104を設ける。説明のため、第2のスリット開口104を図1中に開口よりもひと回り小さな点線で囲った部分で示す。このとき、第2のスリット開口は、2つの第1のスリット開口列を結ぶものでも良いし、3つ以上の第1のスリット開口列を結ぶものであっても良い。
【0015】
このような近接場光マスク101を用いてフォトレジストに露光を行った結果、フォトレジスト中に形成される潜像パターンを105に示す。近接場光マスク101における遮光部分106と第2のスリット開口104の交差する部分に潜像が形成される。この潜像形成部分を107に示す。この理由は、前述したように、入射光の電場の方向に対して、平行なスリット部分の端部分に比べ、垂直なスリット開口の端部分で近接場光が増強されることと、第1のスリット開口列と第2のスリット開口の交差する部分には開口の端部分が存在しないことによる。
【0016】
上記のような近接場光マスク101における遮光部分106と第2のスリット開口104の交差する部分に発生する近接場光の強度は、交差部分と同じ大きさの単独のドット開口に発生する近接場光の強度に比べ、大きい。これは、交差部分の周囲の近傍において、入射光の電場の方向と垂直な方向に遮光膜がないため、遮光膜中の電子移動による遮蔽の効果が交差部分に及ばないためである。
【0017】
図6に本発明の近接場光マスクの構成の詳細を示す。図6aはマスクのおもて面側から見た図、図6bは断面図である。
【0018】
図6に示すように、近接場光マスクは、0.1〜1μmの膜厚の薄膜からなる露光波長の光に対して透明なマスク母材101上に前述したように膜厚50〜100nm程度の金属薄膜602を設け、100nm以下の幅の微小開口パターン603を形成したものである。マスク母材601は、基板604に支持されている。
【0019】
マスク母材601の厚さが薄ければ、より弾性変形しやすく、レジスト/基板表面のより細かな大きさの凹凸やうねりに対してまでならうように弾性変形することが可能であるため、より密着性が増すことになる。しかしながら、露光面積に対して薄過ぎるとマスクとしての強度が不足したり、密着・露光を行った後、剥離させる場合にレジスト/基板との間に作用する吸着力で破壊してしまったりする。
【0020】
以上の機械的特性の観点からは、マスク母材601の厚さとして、0.1〜100μmの範囲にあることが望ましい。
【0021】
(露光装置)
以下で,本発明の近接場光マスクを用いた露光装置の例を説明する.
図7は、この近接場光マスクを用いた近接場マスク露光装置の構成を表す図面である。図7において、701は本発明の露光用のマスクとして用いる近接場光マスクである。近接場光マスク701は、マスク母材702、金属薄膜703から構成されている。マスク母材702上に金属薄膜703が設けられており、金属薄膜703には微小開口パターン704が形成されている。
【0022】
近接場光マスク701のおもて面(図7では下側)は圧力調整容器705外に、裏面(図7では上側)は圧力調整容器705内に面するように配置されている。圧力調整容器705は内部の圧力を調整することができるようになっている。
【0023】
709は露光光源である.光源から出射された光は,偏光器714とコリメータレンズ711を経て露光光710となり,圧力調整容器705のガラス窓712をとおってマスク701に照射される.偏光器714は,透過した光の電界方向が、マスクの第1スリット開口に平行な方向となるように,偏光軸が設定されている。
【0024】
基板706の表面にレジスト707を形成したものを被露光物とする。レジスト707/基板706をステージ708上に取り付け、ステージ708を駆動することにより、近接場光マスク701に対する基板706のマスク面内2次元方向の相対位置合わせを行う。次に、マスク面法線方向にステージ708を駆動し、近接場光マスク701のおもて面と基板706上のレジスト707面との間隔が全面にわたって100nm以下になるように両者を密着させる。
【0025】
この後、露光光源709から出射される露光光710を、ガラス窓712を通し、圧力調整容器705内に導入し、近接場光露光用マスク701に対して裏面(図7では上側)から照射し、近接場光露光用マスク701おもて面のマスク母材702上の金属薄膜703に形成された微小開口パターン704から滲み出す近接場光でレジスト707の露光を行う。
【0026】
ここで、レジスト707の材料としては、通常の半導体プロセスに用いられるフォトレジスト材料を選択すれば良い。これらのレジスト材料に対して露光可能な光波長はおおむね200〜500nmの範囲にあるが、特に350〜450nmの範囲にあるg線・i線対応のフォトレジストを選択すれば、種類も多く、比較的安価であるため、プロセス自由度も高く、コストが低減できる。
【0027】
これらのフォトレジストには、それぞれ膜厚や露光波長に対応した露光感度Eth(=露光に関するしきい値)が存在し、露光感度Eth以上の光量を照射することによって、露光が行われる。本発明の近接場光露光装置では、後に詳述するように、レジスト膜厚が100nm以下であることが望ましく、これらのフォトレジストを膜厚100nm以下で用いる場合の露光感度Ethは、おおむね5〜50mJ/cmの範囲にある。
【0028】
露光光源709としては、用いるレジスト707を露光可能な波長の光を照射するものを用いる必要がある。例えば、レジスト707として、前述のg線・i線対応のフォトレジストを選択した場合、露光光源709として、HeCdレーザー(光波長:325nm,442nm)、GaN系の青色半導体レーザー(同:〜410nm)や、赤外光レーザーの第2高調波(SHG)レーザーや第3高調波(THG)レーザー、水銀ランプ(g線:436nm,i線:365nm)を用いれば良い。
【0029】
露光光源709の駆動電圧・電流及び照射時間を調節することにより、露光光量の調節を行う。例えば、ビーム径1mm,光出力100mWのHeCdレーザーのビームをビーム・エクステンダーやコリメーターレンズを用いて、100mm×100mmの領域に拡大した場合、単位面積あたりの光パワーは1mW/cmとなる。この光をレジスト表面に10秒照射すると、レジストの露光光量は10mJ/cmとなり、この値が前述のレジストの露光感度Ethを越えている場合、露光が行われる。実際は、近接場光露光マスクを間に挟んだ状態で、光照射が行われるので、マスクの透過率を考慮した光パワーの調整が必要である。
【0030】
(近接場露光の原理)
ここで、図8を用い、近接場光による露光の原理を説明する。
【0031】
図8において、近接場光露光用マスク801を構成するマスク母材802に入射した入射光803は、金属薄膜804に形成された微小開口パターン805を照射する。ここで、微小開口パターン805の大きさ(幅)は、入射光803の波長に比べて小さく、100nm以下である。
【0032】
通常、光は波長より小さい大きさの開口をほとんど透過しないが、開口の近傍には近接場光806と呼ばれる光がわずかに滲み出している。この光は、開口から約100nmの距離以下の近傍にのみ存在する非伝搬光であり、開口から離れるとその強度が急激に減少する性質のものである。
【0033】
そこで、この近接場光806が滲み出している微小開口パターン805に対して、基板807上に形成したレジスト808表面を100nm以下の距離にまで近づける。すると、この近接場光806がレジスト808中で散乱されて伝搬光に変換され、レジスト808を露光する。
【0034】
ここで、金属薄膜804の厚さを100nm程度とすれば、入射光803が金属薄膜804の微小開口パターン805形成部分以外の部分を透過する直接透過光309をほぼ100%遮光することができ、微小開口パターン805形成部分に対向する部分以外のレジスト808表面が露光することを防止することができる。
【0035】
しかしながら、さらに線幅の小さいパターンを形成するためには、微小開口パターン805の開口幅を小さく、すなわち、微小開口パターン805のアクペクト比(=金属薄膜804の膜厚/微小開口パターン305の開口幅)を大きくする必要がある。
【0036】
本実施例で説明したような微小開口パターン805から滲み出る近接場光806を用いた露光方式では、微小開口パターン805の開口幅が小さくなるにつれ、近接場光806の光量が減少する。また、同じ開口幅であっても、金属薄膜804の膜厚が大きいほど、近接場光806の光量が減少する。これは、光波長より小さい幅の通り路の長さが長いほど近接場光が滲み出しにくいことによる。これらの理由から、微小開口パターン805の開口幅を小さくするにつれ、露光時間が増大してしまう。
【0037】
また、微小開口パターン805の開口幅を小さくしようとすると、アクペクト比が大きくなり、近接場光露光マスク801作製により高度な技術が必要となるため、歩留まりが低下してしまう。
【0038】
さて、レジスト808膜厚が十分に薄ければ、レジスト808中で近接場光の散乱は面内(横)方向にあまり広がることなく、入射光803の波長より小さい大きさの微小開口パターン805に応じた微小パターンの潜像をレジストに形成・転写することができる。
【0039】
このように近接場光による露光を行なった後は、通常のプロセスを用いて基板807の加工を行う。例えば、レジストを現像した後、エッチングを行うことにより、基板807に対して上述の微小開口パターン805に応じた微小パターンを形成する。
【0040】
(密着方法)
次に、近接場光マスクとレジスト/基板の密着方法の詳細について図7を用いて説明する。
【0041】
近接場光露光マスク701のおもて面と基板706上のレジスト707面がともに完全に平坦であれば、全面にわたって両者を密着させることが可能である。しかしながら、実際には、マスク面やレジスト/基板面に凹凸やうねりが存在するので、両者を近づけ、接触させただけでは、密着している部分と非密着部分が混在する状態になってしまう。
【0042】
そこで、近接場光露光マスク701の裏面からおもて面方向に向かって圧力を印加することにより、近接場光露光マスク701に弾性変形による撓みを生じさせ、レジスト707/基板706へ押し付けるようにすることにより、全面にわたって密着させることができる。
【0043】
このような圧力を印加する方法の一例として、図7に示したように、近接場光露光マスク701のおもて面を圧力調整容器705外側に面するように、裏面を圧力調整容器705内側に面するように配置させ、ポンプ等の圧力調整手段713を用いて、圧力調整容器内に高圧ガスを導入し、圧力調整容器705内が外気圧より高い圧力になるようにする。
【0044】
他の例として、圧力調整容器705の内部を露光光710に対して透明な液体で満たし、シリンダーを用いて圧力調整容器705内部の液体の圧力を調整するようにしても良い。
【0045】
さて、圧力調整手段713から圧力調整容器705内に高圧ガスを導入し、圧力調整容器705内の圧力を増大させ、近接場光マスク701のおもて面と基板706上のレジスト707面とを全面にわたって均一な圧力で密着させる。
【0046】
このような方法で圧力の印加を行うと、パスカルの原理により、近接場光マスク701のおもて面と基板706上のレジスト707面との間に作用する斥力が均一になる。このため、近接場光マスク701や基板706上のレジスト707面に対し、局所的に大きな力が加わったりすることがなく、近接場光マスク701や基板706、レジスト707が局所的に破壊されたりすることがなくなるという効果を有する。
【0047】
このとき、圧力調整容器705内の圧力を調整することにより、近接場光マスク701とレジスト707/基板706との間に働かせる押し付け力、すなわち、両者の密着力を制御することができる。例えば、マスク面やレジスト/基板面の凹凸やうねりがやや大きいときには、圧力調整容器内の圧力を高めに設定することにより、密着力を増大させ、凹凸やうねりによるマスク面とレジスト/基板面との間の間隔ばらつきをなくすようにすることができる。
【0048】
ここでは、近接場光露光マスクとレジスト/基板を密着させるために、近接場光マスクの裏面を加圧容器内に配置し、加圧容器内より低い外気圧との圧力差により、近接場光マスクの裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにした例を示したが、逆の構成として、近接場光マスクのおもて面およびレジスト/基板を減圧容器内に配置し、減圧容器内より高い外気圧との圧力差により、近接場光マスクの裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにしても良い。いずれにしても、近接場光マスクのおもて面側に比べ、裏面側が高い圧力となるような圧力差を設けるようにすれば良い。
【0049】
(剥離方法)
さて、近接場露光終了後における近接場光マスクとレジスト/基板の剥離に関しては以下のように行う。
【0050】
圧力調整手段713を用いて、圧力調整容器705内の圧力を外気圧より小さくし、基板706上のレジスト707面から近接場光マスク701上の金属薄膜703面を剥離させる。
【0051】
また、このような方法で圧力の減圧を行い、レジスト707/基板706からの近接場光マスク701の剥離を行う場合、パスカルの原理により、近接場光マスク701のおもて面と基板706上のレジスト707面との間に作用する引力が均一になる。このため、近接場光マスク701や基板706上のレジスト707面に対し、局所的に大きな力が加わったりすることがなく、近接場光マスク701や基板706、レジスト707が剥離時に局所的に破壊されたりすることもなくなるという効果を有する。
【0052】
このとき、圧力調整容器705内の圧力を調整することにより、近接場光マスク701とレジスト707/基板706との間に働く引力、すなわち、両者の引っ張り力を制御することができる。例えば、マスク面とレジスト/基板面との間の吸着力が大きいときには、圧力調整容器内の圧力をより低めに設定することにより、引っ張り力を増大させ、剥離しやすくすることができる。
【0053】
前述したように、密着時の圧力印加の装置構成において、図7とは逆の構成として、近接場光マスクのおもて面およびレジスト/基板を減圧容器内に配置し、減圧容器内より高い外気圧との圧力差により、近接場光マスクの裏面側からおもて面側に圧力が加わるようにした場合は、剥離時には、容器内を外気圧より高い圧力にすればよい。
【0054】
いずれにしても剥離時には、近接場光マスクのおもて面側に比べ、裏面側が低い圧力となるような圧力差を設けるようにすれば良い。
【0055】
(マスク作製方法)
本発明の近接場光マスク作製方法の詳細について、図9を用いて説明する。
【0056】
図9aに示すように、両面研磨された厚さ500μmのSi(100)基板901に対し、LP−CVD法を用い、表面(図9中では上面)・裏面(図9中では下面)にそれぞれ、膜厚2μmのマスク母材用のSi3N4膜902・エッチング窓用のSi3N4膜903を成膜する。その後、水晶振動子による膜厚モニターにより制御を行いながら、微小開口パターンを形成するための金属薄膜として、蒸着法により表面のSi3N4膜902上にCr薄膜904を膜厚が50nmとなるように成膜する。
【0057】
次に、表面に電子線用のレジスト905を塗布し、電子線ビーム906で10nm幅の描画パターン907を形成し(図9b)、現像を行った後、ドライエッチングを行い、Cr薄膜904に微小開口パターン908を形成する(図9c)。
【0058】
続いて、裏面のSi3N4膜903にエッチング用の窓909を形成し(図9c)、Si基板901に対し、KOHを用いて裏面から異方性エッチングを行い、薄膜状のマスク910を形成する(図9d)。
【0059】
最後に、マスク支持部材911に接着し、近接場光マスクとする(図9e)。
【0060】
本実施形態では、Cr薄膜904に対する微小開口パターン908形成工程に、電子線による加工法を用いた例を示したが、電子線加工以外にも集束イオンビーム加工法、X線リソグラフィ法、走査型プローブ顕微鏡(SPM)加工法を用いても良い。なかでも走査型トンネル顕微鏡(STM)や原子間力顕微鏡(AFM)、近接場光学顕微鏡(SNOM)に代表されるSPM技術を応用した加工法を用いて微小開口パターン形成を行えば、10nm以下の極微小開口パターン形成が可能であるため、これも本発明に極めて適した加工法である。
【0061】
(露光方法)
本実施形態では、マスク母材を薄膜化し、弾性変形させることにより、レジスト面形状に対してならわせ、マスク全面をレジスト面に密着させる例を示した。本発明の概念はこれに限定されるものではなく、薄膜化せず、剛性の高いマスク母材の場合も適用されるが、この場合はマスク面とレジスト面との全面密着性が悪化してしまう。
【0062】
また、レジスト/基板に密着する側の金属薄膜602表面が平坦でないと、マスクとレジスト/基板がうまく密着せず、結果として露光むらを生じてしまう。このため、金属薄膜602表面の凹凸の大きさは、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下という極めて平坦なものである必要がある。
【0063】
ここで、微小開口パターンの幅は露光に用いる光の波長より小さく、レジストに対して行う所望のパターン露光幅とする。具体的には、1〜100nmの範囲から選択することが好ましい。微小開口パターンが100nm以上の場合は、本発明の目的とする近接場光ばかりでなく、強度的により大きな直接光がマスクを透過してしまうことになり好ましくない。また、1nm以下の場合は、露光が不可能ではないが、マスクから滲み出す近接場光強度がきわめて小さくなり、露光に長時間を要するのであまり実用的でない。
【0064】
なお、微小開口パターンの幅は100nm以下である必要があるが、長手方向の長さに関しては制限はなく、自由なパターンを選択することができる。例えば、図6aに示したようなカギ型パターンでも良いし、(図示しないが、)S字パターンでも良い。
【0065】
本発明の近接場光露光装置に適用する被加工用の基板206として、Si、GaAs、InP等の半導体基板や、ガラス、石英、BN等絶縁性基板、それらの基板上に金属や酸化物、窒化物等を成膜したものなど広く用いることができる。
【0066】
ただし、本発明の近接場光露光装置では、近接場光露光用マスク701とレジスト707/基板706とを露光領域全域にわたって、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下の間隔になるよう密着させることが重要である。したがって、基板としては、なるべく平坦なものを選択する必要がある。
【0067】
同様に、本発明で用いるレジスト707も表面の凹凸が小さく平坦である必要がある。また、近接場光マスク701から滲み出た光は、マスクから距離が遠ざかるにつれて指数関数的に減衰するため、レジスト707に対して100nm以上の深いところまで露光しにくいこと、及び、散乱されるようにレジスト中に広がり、露光パターン幅を広げることになることを考慮すると、レジスト707の厚さは、少なくとも100nm以下で、さらにできるだけ薄い必要がある。
【0068】
以上から、レジスト材料・コーティング方法として、少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下の膜厚であって、かつ、レジスト表面の凹凸の大きさが少なくとも100nm以下、望ましくは10nm以下という極めて平坦なものであるような材料・コーティング方法を用いる必要がある。
【0069】
このような条件をみたすものとして、レジスト材料をなるべく粘性が低くなるように溶媒に溶かし、スピンコートで極めて薄くかつ均一厚さになるようコーティングしてもよい。
【0070】
また、他のレジスト材料コーティング方法として、一分子中に疎水基、親水基官能基を有する両親媒性レジスト材料分子を水面上に並べた単分子膜を所定の回数、基板上にすくい取ることにより、基板上に単分子膜の累積膜を形成するLB(Langmuir Blodgett)法を用いても良い。
【0071】
また、溶液中や気相中で、基板に対して、一分子層だけ物理吸着あるい化学結合することにより基板上に光レジスト材料の単分子膜を形成する自己配向単分子膜(Self Assemble Monolayer)形成法を用いても良い。
【0072】
これらのコーティング方法のうち、後者のLB法やSAM形成法は極めて薄いレジスト膜を均一な厚さで、しかも表面の平坦性よく形成することができるため、本発明の近接場光露光装置にきわめて適したレジスト材料のコーティング方法である。
【0073】
近接場露光においては、露光領域全面にわたり近接場光マスク701とレジスト707/基板706の間隔が100nm以下でしかもばらつきなく一定に保たれている必要がある。
【0074】
このため、近接場露光に用いる基板としては、他のリソグラフィープロセスを経て、すでに凹凸を有するパターンが形成され、基板表面に100nm以上の凹凸があるものは好ましくない。
【0075】
したがって、近接場露光には、他のプロセスをあまり経ていない、プロセスの初期の段階のできるだけ平坦な基板が望ましい。したがって、近接場露光プロセスと他のリソグラフィープロセスを組み合わせる場合も、近接場露光プロセスをできるだけ、初めに行うようにするのが望ましい。
【0076】
また、図8において、近接場光マスク上の微小開口パターン805から滲み出す近接場光806の強度は、微小開口パターン805の大きさによって異なるので、微小開口の大きさがまちまちであると、レジスト808に対する露光の程度にばらつきが生じてしまい、均一なパターン形成が難しくなる。そこで、これを避けるために、一回の近接場光露光プロセスで用いる近接場光マスク上の微小開口パターンの幅を揃える必要がある。
【0077】
以上の説明では、基板全面に対応する近接場光マスクを用い、基板全面に一括で近接場露光を行う装置について説明を行った。本発明の概念はこれに限定されるものでなく、基板より小さな近接場光マスクを用い、基板の一部分に対する近接場露光を行うことを基板上の露光位置を変えて繰り返し行うステップ・アンド・リピート方式の装置としても良い。
【0078】
【実施例】
[実施例1]
本発明の近接場光マスクの開口パターンの第一の実施例を図2に示す。
【0079】
図2において、近接場光マスク201における遮光部分206と第2のスリット開口204の交差する部分208が四角格子の形状に並んでいる。この近接場光マスク201を用いて露光を行い、フォトレジスト中に形成される潜像パターンは205に示すようにドットが四角格子の形状に並んだものとなる。
【0080】
ここで、近接場光マスク201における開口パターンの大きさの一例を示すと、第1のスリット開口列203の幅が40nm、遮光部分の幅が20nm、第2のスリット開口204の幅が20nm、複数の第2のスリット開口同士の間隔が60nm、交差部分208の大きさが20nm×20nmである。このとき、フォトレジスト中に形成される潜像パターン205は、1つが約30nm×30nmの大きさのドット潜像形成部分207が、図2中で縦方向の周期80nm、横方向の周期60nmで、2次元アレイ状に複数並んだものとなった。
【0081】
[実施例2]
本発明の近接場光マスクの開口パターンの第二の実施例を図3に示す。
【0082】
図3において、近接場光マスク301における遮光部分306と第2のスリット開口304の交差する部分308が三角格子の形状に並んでいる。この近接場光マスク301を用いて露光を行い、フォトレジスト中に形成される潜像パターンは305に示すようにドットが三角格子の形状に並んだものとなる。
【0083】
ここで、近接場光マスク301における開口パターンの大きさの一例を示すと、第1のスリット開口列303の幅が40nm、遮光部分の幅が20nm、第2のスリット開口304の幅が20nm、複数の第2のスリット開口同士の間隔が60nm、交差部分308の大きさが20nm×20nmである。このとき、フォトレジスト中に形成される潜像パターン305は、1つが約30nm×30nmの大きさのドット潜像形成部分307が、図3中で斜め方向の周期100nm、横方向の周期120nmで、三角格子のアレイ状に複数並んだものとなった。
【0084】
[実施例3]
本発明の近接場光マスクの開口パターンの第三の実施例を図4に示す。
【0085】
図4において、近接場光マスク401における遮光部分406と第2のスリット開口404の交差する部分408が六角格子の形状に並んでいる。この近接場光マスク401を用いて露光を行い、フォトレジスト中に形成される潜像パターンは405に示すようにドットが六角格子の形状に並んだものとなる。
【0086】
ここで、近接場光マスク401における開口パターンの大きさの一例を示すと、第1のスリット開口列403の幅が40nm、遮光部分の幅が20nm、第2のスリット開口404の幅が20nm、複数の第2のスリット開口同士の間隔が40nm、交差部分408の大きさが20nm×20nmである。このとき、フォトレジスト中に形成される潜像パターン405は、1つが約30nm×30nmの大きさのドット潜像形成部分407が、図4中で斜め方向の間隔85nm、横方向の間隔60nmで、六角格子のアレイ状に複数並んだものとなった。
【0087】
[実施例4]
本発明の近接場光マスクの開口パターンの第四の実施例を図5に示す。
【0088】
図5において、近接場光マスク501における遮光部分506と第2のスリット開口504の交差する部分508が任意の形状に並んでいる。この近接場光マスク501を用いて露光を行い、フォトレジスト中に形成される潜像パターンは505に示すようにドットが近接場光マスク501のパターンに対応した形状に並んだものとなる。
【0089】
ここで、近接場光マスク501における開口パターンの大きさの一例を示すと、第1のスリット開口列503の幅が40nm、遮光部分の幅が20〜100nm、第2のスリット開口504の幅が20nm、交差部分508の大きさが20nm×20nmである。このとき、フォトレジスト中に形成される潜像パターン505は、1つが約30nm×30nmの大きさのドット潜像形成部分507が、近接場光マスク501のパターンに対応した形状に複数並んだものとなった。
【0090】
次に、本発明の近接場光マスクを用いた近接場マスク露光装置を用いて作製するデバイスの例を説明する。本発明に適したデバイスとしては、100nm以下のドットパターンを有するデバイスであれば良いが、特に適したものは以下のようなデバイスである。
【0091】
[実施例5]
第1の例として、本発明は量子ドットの作製に適している。具体的なデバイスとしては、図11に示すような100nm以下のサイズの量子ドットが周期的に配列した超格子デバイスが挙げられる。
【0092】
図11に示した量子ドット超格子デバイスは、GaAs量子ドット1101をi型AlGaAs1102中に埋め込んだ活性層1103をn型AlAsクラッド層1104とp型AlAsクラッド層1105に挟んだものの両側にn側電極1106とp側電極1107を設けた構造をなすことにより、発光効率を高めた発光デバイスの例である。
【0093】
このような量子ドット超格子デバイスの作製方法は以下のとおりである。p側電極、p型AlAsクラッド層を設けた基板上に所定厚さのi型AlGaAsを成長させた後、その上にGaAs層を所定厚さに成長させる。次に、このGaAs層を本発明の露光装置・方法を用いて、フォトレジスト塗布→露光→現像→エッチングのプロセスを行い、所定の2次元ドットアレイ形状にパターニングし、GaAs量子ドットを形成する。フォトマスクは図3の三角格子パターンを持つものを用いた。さらに、この上に所定厚さのi型AlGaAsを成長させた後、n型AlAsクラッド層、n側電極を設ける。
【0094】
[実施例6]
第2の例として、本発明はサブ波長構造(=SWS)を有する光素子の作製に適している。サブ波長構造では、100nm以下の構造を広い範囲に作製することが必要である。具体的デバイスの一例としては、図12に示すような反射防止構造素子が挙げられる。
【0095】
図12に示した反射防止構造素子は、石英基板1201上に形成された石英円錐状構造1202の2次元アレイから構成されている。ここで、石英円錐状構造1202のピッチは、基板に対して入射させる光の波長よりも小さくしておくと、この構造が入射光に対する無反射機能を有する。また、第1の例と同様、必要に応じて石英円錐状構造の一部に欠陥を導入し、部分的に反射(散乱)機能を持たせるようにしても良い。
【0096】
このような反射防止構造素子の作製方法は以下のとおりである。石英基板に対して、本発明の露光装置・方法を用いて、ネガ型フォトレジスト塗布→露光→現像のプロセスを行い、所定の2次元ドットアレイ形状にレジストをパターニングする。次に、この2次元ドットアレイ形状のフォトレジストパターンをマスクとして、石英のエッチングを行うを行うことで、図12に示すように、先端が尖鋭で、裾が広がった円錐状構造を形成される。
【0097】
[実施例7]
第3の例として、本発明は局所プラズモンを利用したセンサの作製に適している。局所プラズモンの発生には、金属において100nm以下の構造を作製することが必要である。具体的なデバイスとしては、図13に示すようなナノ金属微粒子に光を照射したときに、ナノ金属微粒子周囲に発生する局所プラズモンにより、電界を増強させ、センシング感度を向上させるようなバイオセンサが挙げられる。
【0098】
図13に示したバイオセンサは、ガラス基板1301上に形成されたAuナノ粒子1302の周囲にセンサ材料1303を設けたものの2次元アレイから構成されている。このセンサに対し、検出のための光を照射し、透過光のスペクトルからセンサ信号が得られる。
【0099】
このようなバイオセンサの作製方法は以下のとおりである。Au薄膜を成膜したガラス基板に対して、本発明の露光装置・方法を用いて、フォトレジスト塗布→露光→現像→エッチングのプロセスを行い、所定の2次元ドットアレイ形状にAu薄膜をパターニングし、Auのナノ粒子アレイを作製する。次に、Auと結合を作るような官能基を分子中に導入したセンサ材料を結合させ、Auナノ粒子の周囲を覆うようにセンサ材料を配置させる。
【0100】
さて、従来の自己組織的な手法を用いて作製する上記のような素子における構造に比べ、本発明を用いて作製する構造は周期やサイズの規則性が向上するため、デバイス性能が向上する。また、設計どおりの構造に対する局所的な欠陥の導入が自由であり、デバイスに特有の機能を持たせることも可能になった。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の近接場光マスクでは、遮光膜に設けた開口パターンを100nmより小さい幅で、かつ、該入射光の電場の方向に平行な少なくとも2本以上の第1のスリット開口列と、100nmより小さい幅で、かつ、該第1のスリット開口列間を結ぶ入射光の電場の方向に垂直な第2のスリット開口とから構成することにより、開口パターンから発生する近接場光強度を増大させ、露光における加工スループットを向上させることができた。また、これにより、このマスクを用いて作製したデバイスの作製コストを低減することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の近接場光マスクの原理を説明する図
【図2】本発明の近接場光マスクの第1の実施例を示す図
【図3】本発明の近接場光マスクの第2の実施例を示す図
【図4】本発明の近接場光マスクの第3の実施例を示す図
【図5】本発明の近接場光マスクの第4の実施例を示す図
【図6】近接場光マスクの構成を示す図
【図7】近接場マスク露光装置の構成を示す図
【図8】近接場露光の原理を説明する図
【図9】近接場光マスクの作製方法を示す図
【図10】近接場光マスクの従来例を説明する図
【図11】本発明の露光装置・方法を用いて作製した量子ドット超格子デバイスの構成を示す図
【図12】本発明の露光装置・方法を用いて作製したサブ波長光素子の構成を示す図
【図13】本発明の露光装置・方法を用いて作製したセンサの構成を示す図
【符号の説明】
101 近接場光マスク
102 遮光膜
103 第1のスリット開口列
104 第2のスリット開口
105 フォトレジスト中に形成された潜像パターン
106 遮光部分
107 潜像形成部分
108 交差部分
201 近接場光マスク
202 遮光膜
203 第1のスリット開口列
204 第2のスリット開口
205 フォトレジスト中に形成された潜像パターン
206 遮光部分
207 ドット潜像形成部分
208 交差部分
301 近接場光マスク
302 遮光膜
303 第1のスリット開口列
304 第2のスリット開口
305 フォトレジスト中に形成された潜像パターン
306 遮光部分
307 ドット潜像形成部分
308 交差部分
401 近接場光マスク
402 遮光膜
403 第1のスリット開口列
404 第2のスリット開口
405 フォトレジスト中に形成された潜像パターン
406 遮光部分
407 ドット潜像形成部分
408 交差部分
501 近接場光マスク
502 遮光膜
503 第1のスリット開口列
504 第2のスリット開口
505 フォトレジスト中に形成された潜像パターン
506 遮光部分
507 ドット潜像形成部分
508 交差部分
601 マスク母材
602 金属薄膜
603 微小開口パターン
604 基板
701 近接場光マスク
702 マスク母材
703 金属薄膜
704 微小開口パターン
705 圧力調整容器
706 基板
707 レジスト
708 ステージ
709 露光光源
710 露光光
711 コリメーターレンズ
712 ガラス窓
713 圧力調整手段
714 偏光器
801 近接場光マスク
802 マスク母材
803 入射光
804 金属薄膜
805 微小開口パターン
806 近接場光
807 基板
808 レジスト
901 Si基板
902 Si3N4薄膜
903 Si3N4薄膜
904 Cr薄膜
905 電子線レジスト
906 電子線ビーム
907 描画パターン
908 微小開口パターン
909 エッチング用の窓
910 薄膜状のマスク
911 マスク支持部材
1001 ドット開口部1001
1101 GaAs量子ドット
1102 i型AlGaAs
1103 活性層
1104 n型AlAsクラッド層
1105 p型AlAsクラッド層
1106 n側電極
1107 p側電極
1108 量子ドットの欠陥
1201 石英基板
1202 石英円錐状構造
1301 ガラス基板
1302 Auナノ粒子
1303 センサー材料

Claims (11)

  1. 遮光膜によって構成された遮光部該遮光部に設けた開口とを有し、該開口から発生する近接場光を用いて被露光物にパターン状の露光を行なう近接場光マスクであって、前記遮光に設けた開口が、100nmより小さい幅を有する少なくとも2本以上の平行な第1のスリット開口列と、100nmより小さい幅を有し、かつ、該第1のスリット開口列間を結び、第1のスリット開口列に垂直な第2のスリット開口とからなり、前記第1のスリット開口列の間に位置する前記遮光部と、前記第2のスリット開口と、の交差する部分に対応して前記パターンが形成されることを特徴とする近接場光マスク。
  2. 被露光物の露光領域が第2のスリット開口のうち第1のスリット開口と重ならない領域である請求項1に記載の近接場光マスク。
  3. 第2スリット開口幅が隣り合う第1スリット開口の間の遮光幅と等しい請求項1または2に記載の近接場光マスク。
  4. 被露光物の露光領域が正方形のドットパターンである請求項3に記載の近接場光マスク。
  5. 複数の第2のスリット開口が所定の間隔で配列されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の近接場光マスク。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の近接場光マスクと、前記第1のスリット開口列に平行な電界成分を持つ偏光光を、該近接場光マスクに照射する光照射手段と、該近接場光マスクを被露光物に対して近接場領域以下まで近接させる手段とからなることを特徴とする近接場露光装置。
  7. 請求項6記載の近接場露光装置を用いて形成するドットパターン作製方法。
  8. 前記ドットが量子ドットであることを特徴とする請求項7記載のドットパターン作製方法。
  9. 前記ドットがサブ波長構造であることを特徴とする請求項7記載のドットパターン作製方法。
  10. 前記ドットが局所プラズモン発生構造であることを特徴とする請求項7記載のドットパターン作製方法。
  11. 前記ドットが複数並んで形成されることを特徴とする請求項7ないし10のいずれか1項に記載のドットパターン作製方法。
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