JP4334477B2 - 電磁波遮蔽用シート - Google Patents

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Description

本発明は、電磁波を遮蔽(シールドともいう)用のシートに関し、さらに詳しくは、CRT、PDPなどのディスプレイの前面に配置して、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、ディスプレイの画像を良好に視認でき、金属箔(薄膜)メッシュを用いた電磁波遮蔽用シートに関するものである。
(技術の概要)近年、電気電子機器の機能高度化と増加利用に伴い、電磁気的なノイズ妨害(Electro Magnetic Interference;EMI)が増えている。電磁波ノイズは大きく分けて伝導ノイズと放射ノイズがある。伝導ノイズはノイズフィルタなどを用いる方法がある。一方、放射ノイズは電磁気的に空間を絶縁するため、筐体を金属にしたり、回路基板間に金属板を挿入したり、ケーブルを金属箔で巻くなどの方法がある。これらの方法は回路や電源ブロックの電磁波遮蔽の効果はあるが、CRT、プラズマディスプレイパネル(PDPという)などの、ディスプレイ前面より発生する電磁波遮蔽用には、不透明であるため適さない。
プラズマディスプレイパネルは、データ電極と蛍光層を有するガラスと透明電極を有するガラスとの組合体であり、作動すると電磁波、近赤外線、及び熱が大量に発生する。通常、電磁波を遮蔽するためにプラズマディスプレイパネルの前面に前面板を設ける。ディスプレイ前面から発生する電磁波の遮蔽性は、30MHz〜1GHzにおける30dB以上の機能が必要である。また、ディスプレイ前面より発生する波長800〜1,100nmの近赤外線も、他のVTRなどの機器を誤作動させるので、遮蔽する必要がある。さらに、ディスプレイの表示画像を視認しやすくするため、電磁波遮蔽用の金属メッシュ枠(ライン部)部分が見えにくく、電磁波遮蔽用シートとしては適度な透明性(可視光透過性、可視光透過率)を有することが必要である。
さらにまた、プラズマディスプレイパネルは大型画面を特徴としており、例えば、37型、42型、さらに大型サイズもある。このため、電磁波遮蔽用シートのライン数は通常、縦及び横方向に数千本にも及び、該ラインの幅は一定範囲内でなければならない。もし、広狭があると、全体の画像に対してポツンと白黒点が見えて違和感を感ずる。
(先行技術)ディスプレイ画像の視認性を向上させるために、前面板は、電磁波遮蔽と適度な透明性(可視光の透過率)と、均一なるメッシュ構造が求められている。
メッシュ構造を有するものでは、基板/透明アンカ層/メッシュパターン状の無電解メッキ層からなる電磁波シールド材料が、特開平5−283889号公報で開示されている。また、電磁波遮蔽シートの金属メッシュをフォトレジスト法で形成する方法が、特開平09−293989号公報で開示されている。さらには、銅箔に幾何学図形をフォトリソグラフイ法で形成した銅箔付きプラスチックフィルムをプラスチック板に積層した電磁波遮蔽構成体が、特開平10−335885号公報で開示されている。しかしながら、いずれの方法でも、電磁波遮蔽シートのメッシュのライン幅の精度とその影響については、示唆されていない。
さらにまた、特開平11−186785号公報で、透明基材と平行した切断面の面積が前記透明基材から離れるにつれて小さくなる、即ち、ラインの断面を台形とする方法が開示されている。しかしながら、ライン幅のバラツキについては言及されていない。しかしエッチンッグの過剰又は途中停止する方法のため、ライン幅の精度(バラツキ)の制御は極めて困難である。ライン幅にバラツキがあると濃淡ムラが発生し、外観上よくない。また、特に黒と白の点状欠点、線状欠点が発生して画像の視認性が良くないという欠点がある。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、CRT、PDPなどのディスプレイの前面に配置して、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、ディスプレイ画像の視認性、特に黒と白の点状欠点、線状欠点が発生しにくい電磁波遮蔽用シートを提供することである。
上記の課題を解決するために、第1の発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、透明基材の一方の面へ、メッシュ状の導電材層が積層された電磁波遮蔽用シートにおいて、前記導電材層のラインの直線部における幅が所定値±30%の範囲内であるようにしたものである。本発明によれば、CRT、PDPなどのディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、メッシュのライン部分は非視認性で、電磁波遮蔽性、透明性の両特性を満たし、かつ、ライン幅が一定範囲内にあることで、メッシュの濃淡ムラがなく、画像を良好に視認することができる電磁波遮蔽用シートが提供される。
第2の発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、透明基材の一方の面へメッシュ状の導電材層が積層された電磁波遮蔽用シートにおいて、前記導電材層のラインの直線部における前記透明基材と直交したライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径が、前記導電材層の厚さの1.5〜3.0倍であるようにしたものである。本発明によれば、CRT、PDPなどのディスプレイの前面に配置して、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、ギラツキが少なく、ディスプレイ画像を良好に視認することができる電磁波遮蔽用シートが提供される。
第3の発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、透明基材の一方の面へ、メッシュ状の導電材層が積層された電磁波遮蔽用シートにおいて、前記導電材層のラインの直線部における幅が所定値±30%の範囲内であり、かつ、前記透明基板と直交したライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径が、前記導電材層の厚さの1.5〜3.0倍であるようにしたものである。本発明によれば、CRT、PDPなどのディスプレイの前面に配置して、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、メッシュの濃淡ムラがなく、ディスプレイ画像の視認性、特に黒と白の点状欠点、線状欠点が発生しにくいと共にギラツキも少ない電磁波遮蔽用シートが提供される。
また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、前記メッシュ状導電材層の外周部の1〜50メッシュ分を除いた内周部分又は0.15〜15mm分を除いた内周部分について、ラインの直線部における幅が所定置±30%の範囲内であることを特徴とする。また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、前記導電材層のラインの直線部における幅が5〜25μmで、ラインとラインのピッチが150〜500μmであることを特徴とする。本発明によれば、大面積のシートでも取扱い時に折れ曲がったり、折りくせのつきにくい電磁波遮蔽用シートが提供される。
また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、上記導電材層が金属層であることを特徴とする。また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、上記導電材層の少なくとも一方の面へ黒化処理をしてあることを特徴とする。また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、上記導電材層の少なくとも黒化処理面へ防錆層を設けたことを特徴とする。本発明によれば、電磁波を遮蔽性に優れ、ディスプレイ画像の視認性がよく、錆びにくい電磁波遮蔽用シートが提供される。
また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、上記メッシュ状の導電材層の少なくとも開口部凹部を透明樹脂で充填して、導電材層面が実質的に平坦化状態であることを特徴とする。本発明によれば、開口部の凹凸が埋まって作業性に優れる電磁波遮蔽用シートが提供される。
また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、上記メッシュ状の導電材層の開口部凹部を充填して、実質的に平坦化させる透明樹脂へ可視光線中の波長570〜605nm帯域の光を吸収する色補正用光線吸収剤及び/又は近赤外線の波長800〜1100nm帯域光を吸収する近赤外線吸収剤を含有することを特徴とする。また、本発明に係わる電磁波遮蔽用シートは、少なくとも一方の面へ、可視光線中の波長570〜605nm帯域の光を吸収する色補正用光線吸収剤じ及び/又は近赤外線の波長800〜1100nm帯域光を吸収する近赤外線吸収剤層を設けることを特徴とする。本発明によれば、PDPディスプレイから発生する近赤外線、赤外線及び電磁波を遮蔽し、又ディスプレイから発生する画像再現上は不要な色光を補正してディスプレイ画像を良好に視認することができる電磁波遮蔽用シートが提供される。
図1は、本発明の電磁波遮蔽用シートの平面図である。
図2は、本発明の電磁波遮蔽用シートの一部を模式的に示す斜視図である。
図3Aは、図1のAA断面図であり、図3Bは図1のBB断面図である。
図4は、導電材層の構成を説明する断面図である。
図5Aは、巻取りロール状での加工を説明する平面図であり、図5Bは、側面図及びその一部拡大図である。
図6は、ディスプレイ面へ貼着する本発明の電磁波遮蔽用シートの断面図である。
図7は、メッシュ部のラインの直線部における透明基材と直交したライン切断面の形状に於いて、上底107Uと下底107Bとを結ぶ上手側面部107Sの曲率半径rが、金属層の厚さtに対して1.5t≦r≦3.0であることを示す図である。
本発明の実施態様について、図面を参照して詳細に説明する。但し、本発明は以下の実施形態のみに限定されるわけでは無い。
図1は、本発明の電磁波遮蔽用シートの平面図である。
図2は、本発明の電磁波遮蔽用シートの一部を模式的に示す斜視図である。
(全体の構成)図1に示すように、本発明の電磁波遮蔽用シート1は、メッシュ部103と接地用枠部101とからなっている。メッシュ部103は、図2に示すように、ライン107で囲まれた複数の開口部(セルともいう)105からなっている。接地用枠部101はディスプレイへ設置した場合にアースがとられる。
また、基材11の一方の面へ接着剤層13を介して導電材層109が積層されている。該導電材層109は開口部105が密に配列したメッシュ状であり、該メッシュは開口部105と枠をなしているライン107から構成されている。ライン107の幅は、図2に示すようにライン幅Wと称し、ラインとラインとの間隔をピッチPと称する。
図3は、図2の代表的な1実施形態に関するAA断面図、及びBB断面図である。
図4は、導電材層の構成を説明する断面図である。
(層の構成) 図3(A)は開口部を横断する断面を示し、開口部105とライン107が交互に構成され、図3(B)はライン107を縦断する断面を示し、導電材層109からなるライン107が連続して形成されている。導電材層109は、導電性のものであればよく、好ましくは金属層21であり、必要に応じて該金属層21の、少なくとも一方の面(観察側の面)へ黒化処理23A又は23Bを行う。さらに該黒化処理23A及び/又は23Bを覆うように、防錆層25A及び/又は25Bを設けるが、防錆層は少なくとも黒化処理側に設ければよい。該防錆層25A、25Bは金属層21及び黒化処理23A、23Bの防錆機能を持ち、かつ、黒化処理23A、23Bの脱落も防止する。
(発明のポイント1) メッシュ部103のライン107の直線部における幅Wが所定値±30%の範囲内とする。すなわち、メッシュ部103のライン107の直線部における幅Wは、所定値・(100%±30%)範囲内であり、所定値に対し±30%の以内の誤差範囲内にある。このようにライン幅のバラツキをある範囲内へおさめることで、電磁波遮蔽性と適度な透明性を有し、メッシュの濃淡ムラが少なく、優れた画像の視認性を得ることができる。そして、好ましくはメッシュ部103のライン幅Wの所定値が5〜25μmで、ラインとラインのピッチPが150〜500μmである。
(発明のポイント2) また、図3Aまたは図7に示す如く、メッシュ部103のライン107の直線部における透明基材と直交したライン切断面の形状に於いて、上底107Uと下底107Bとを結ぶ土手側面部107Sの曲率半径rが、前記金属層の厚さtに対して、1.5t≦r≦3.0tとなるようにする。ライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手の曲率半径を規制することで、電磁波遮蔽性と適度の透明性を有し、表示光のギラツキが少なく、または外光の反射が抑えられ、優れた画像の視認性を得ることができる。
(発明のポイント3) メッシュのラインの直線部における幅が所定値±30%の範囲内であり、かつ、透明基板と直交したライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径が、前記金属層の厚さの1.5〜3.0倍とする。このように、ライン幅のバラツキを抑え、かつ、ライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径を規制することで、電磁波遮蔽性と適度の透明性を有し、メッシュの濃淡ムラが少なく、かつ、特に黒と白の点状欠点及び線状欠点が少なく、かつ、表示光のギラツキが少なく、または外光の反射が抑えられ、優れた画像の視認性を得ることができる。
本明細書では、本発明の電磁波遮蔽用シートをCRT、PDPなどのディスプレイ用を主体に記載しているが、ディスプレイ以外の電磁波遮蔽用に使用できることはいうまでもない。
また、プラズマディスプレイパネルは大型画面を特徴としており、電磁波遮蔽用シートの大きさ(外形寸法)は、例えば、37型では620×830mm程度、42型では580×980mm程度もあり、さらに大型サイズもある。このため、電磁波遮蔽用シートのライン数はメッシュの大きさにもよるが、通常、縦及び横方向に数千本にも及ぶ。該ラインの幅は「μm」単位の精度で、一定範囲内に形成しなければならない。もし、広狭があると、人間がディスプレイ画像を観察した際に、広い部分は黒点欠点となり、狭い部分は白点欠点となる。全体の画像に対してポツンと白黒があると、人間は極めて強い違和感を感ずる。即ち、本発明の電磁波遮蔽用シートはライン幅のバラツキ及び/又はライン切断面の形状を制御することで、電磁波遮蔽性と適度の透明性を有し、メッシュの濃淡ムラがなく、かつ、黒点欠点及び/又は白点欠点が極めて少なく、画像の視認性に優れるものである。
本発明の電磁波遮蔽用シートの導電材部109としては、金属層21の少なくとも一方の面へ黒化処理23A及び/又は23Bを設け、さらに、該黒化処理23A及び/又は23Bの少なくとも黒化処理面へ、防錆層25A及び/又は25Bが設けられている。
該導電材部109を接着剤を介して透明なフィルム状の基材11と積層した後に、フォトリソグラフイ法でメッシュ状とする。必要に応じて、金属層側を平坦化し、さらに必要に応じて特定波長の可視及び/又は近赤外線を吸収する光線吸収剤層を設ける。このような電磁波遮蔽用シートをディスプレイの前面に配置すると、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、メッシュの濃淡ムラがなく、黒又は白の点状線状の欠点が極めて少なく、かつ、適度の透明性を有し、ディスプレイに表示された画像を良好に視認することができる。
(製造方法の概略) 本発明の電磁波遮蔽用シート1は、まず、少なくとも観察側に、黒化処理及び防錆層を設けた導電材層109を用意し、該導電材層109を透明なフィルム状の基材11の一方の面へ接着剤を介して積層した後に、導電材層109面へレジスト層をメッシュパターン状に設け、レジスト層で覆われていない部分の導電材層109をエッチングにより除去した後に、レジスト層を除去する所謂フォトリソグラフイ法で製造すればよい。さらに、既存の設備を使用でき、これらの製造工程の多くを連続的に行うことで、品質及び歩留まりが高く、生産効率が高く生産できる。
本発明の電磁波遮蔽用シート1の、各層の材料及び形成について説明する。
(導電材層) 電磁波を遮蔽する導電材層109としては、例えば金、銀、銅、鉄、アルミニウム、ニッケル、クロムなど充分に電磁波をシールドできる程度の導電性を持つ金属層21が適用できる。金属層21は単体でなくても、合金あるいは多層であってもよい。、金属層21としては、鉄の場合には低炭素リムド鋼や低炭素アルミキルド鋼などの低炭素鋼、Ni−Fe合金、インバー合金が好ましく、また、カソーディック電着を行う場合には、電着のし易さから銅又は銅合金箔が好ましい。該銅箔としては、圧延銅箔、電解銅箔が使用できるが、厚さの均一性、黒化処理及び/又はクロメート(処理)層との密着性、及び10μm以下の薄膜化ができる点から、電解銅箔が好ましい。該金属層21の厚さは1〜100μm程度、好ましくは5〜20μmである。これ以下の厚さでは、フォトリソグラフイ法によるメッシュ加工は容易になるが、金属の電気抵抗値が増え電磁波遮蔽効果が損なわれ、これ以上では、所望する高精細なメッシュの形状が得られず、その結果、実質的な開口率が低くなり、光線透過率が低下し、さらに視角も低下して、画像の視認性が低下する。
金属層21の表面粗さとしては、Rz値で0.5〜10μmが好ましい。これ以下では、黒化処理しても外光が鏡面反射して、画像の視認性が劣化する。これ以上では、接着剤やレジストなどを塗布する際に、表面全体へ行き渡らなかったり、気泡が発生したりしてする。表面粗さRzは、JIS−B0601に準拠して測定した10点の平均値である。
(黒化処理) 電磁波遮蔽用シート1へ入射する日光、電燈光等の外光を吸収させて、ディスプレイの画像の視認性を向上するために、メッシュ状の導電材部109の観察側に黒化処理を行って、コントラスト感を出すことが必要である。該黒化処理は金属層面を粗化及び/又は黒化すればよく、金属酸化物、金属硫化物の形成や種々の手法が適用できる。鉄の場合には、通常スチーム中、450〜470℃程度の温度で、10〜20分間さらして、1〜2μm程度の酸化膜(黒化膜)を形成するが、濃硝酸などの薬品処理による酸化膜(黒化膜)でもよい。また、銅箔の場合には、銅箔を硫酸、硫酸銅及び硫酸コバルトなどからなる電解液中で、陰極電解処理を行って、カチオン性粒子を付着させるカソーディック電着が好ましい。該カチオン性粒子を設けることでより粗化し、同時に黒色が得られる。記カチオン性粒子としては、銅粒子、銅と他の金属との合金粒子が適用できるが、好ましくは銅−コバルト合金の粒子である。
本明細書では、粗化及び黒色化を合わせて黒化処理という。該黒化処理の好ましい黒濃度は0.6以上である。なお、黒濃度の測定方法は、COLOR CONTROL SYSTEMのGRETAG SPM100−11(キモト社製、商品名)を用いて、観察視野角10度、観察光源D50、照明タイプとして濃度標準ANSI Tに設定し、白色キャリブレイション後に、試験片を測定する。また、該黒化処理の光線反射率としては5%以下が好ましい。光線反射率は、JIS−K7105に準拠して、ヘイズメーターHM150(村上色彩社製、商品名)を用いて測定する。
(合金粒子) 上記カチオン性粒子としては、銅粒子、銅と他の金属との合金粒子が適用できるが、好ましくは銅−コバルト合金の粒子である。銅−コバルト合金の粒子を用いると、黒化の程度が著しく向上して可視光をよく吸収する。電磁波遮蔽用シートの視認性を評価する光学特性として、色調をJIS−Z8729に準拠した表色系「L、a、b、ΔE」で表わした。該「a」及び「b」の絶対値が小さい方が導電材部109が非視認性となり、画像のコントラスト感が高まり、結果として画像の視認性が優れる。銅−コバルト合金の粒子を用いると、銅粒子と比較して「a」及び「b」をほぼ0に近くできる。
また、銅−コバルト合金粒子の平均粒子径は0.1〜1μmが好ましい。これ以上では、銅−コバルト合金粒子の粒子径を大きくすると金属層21の厚さが薄くなり、基材11と積層する工程で銅箔が切断したりして加工性が悪化し、また、密集粒子の外観の緻密さが欠けて、ムラ状が目立ってくる。これ以下では、粗化が不足するので、画像の視認性が悪くなる。
(防錆層) 金属層21及び/又は黒化処理への、防錆機能と黒化処理の脱落や変形を防止するために、少なくとも黒化処理を有する金属箔面へ、防錆層25A及び/又は25Bを設ける。該防錆層25A、25Bとしては、ニッケル及び/又は亜鉛及び/又は銅の酸化物、又はクロメート処理層が適用できる。ニッケル及び/又は亜鉛及び/又は銅の酸化物の形成は、公知のメッキ法でよく、厚さとしては、0.001〜1μm程度、好ましくは0.001〜0.1μmである。
(クロメート) 該クロメート処理は、被処理材へクロメート処理液を塗布し処理する。該塗布方法としては、ロールコート、カーテンコート、スクイズコート、静電霧化法、浸漬法などが適用でき、塗布後は水洗せずに乾燥すればよい。クロメート処理を片面に施す場合は、ロールコートなどで片面に塗布し、両面に施す場合は、浸漬法で行えばよい。クロメート処理液としては、通常CrOを3g/lを含む水溶液を使用する。この他、無水クロム酸水溶液に異なるオキシカルボン酸化合物を添加して、6価クロムの一部を3価クロムに還元したクロメート処理液も使用できる。また、6価クロムの付着量の多少により淡黄色から黄褐色に着色するが、3価クロムは無色であり、3価と6価クロムを管理すれば、実用上の問題がない透明性が得られる。オキシカルボン酸化合物としては、酒石酸、マロン酸、クエン酸、乳酸、グルコール酸、グリセリン酸、トロパ酸、ベンジル酸、ヒドロキシ吉草酸などを、単独又は併用して用いる。還元性は化合物により異なるので、添加量は3価クロムへの還元を把握しながら行う。また、クロメート処理は黒化処理面へ設ける場合には、防錆効果に加えて黒化の効果をより高められ、黒化強調処理としても機能する。
黒化処理及び防錆層は、少なくとも観察側に設ければよく、コントラストが向上してディスプレイの画像の視認性が良くなる。また、他方の面、即ちディスプレイ面側に設けてもよく、ディスプレイから発生する迷光を抑えられるので、さらに、画像の視認性が向上する。
次に、該防錆層及び黒化処理を施した金属層(導電材層)、透明な基材を接着剤又は粘着剤で積層する。
(基材) 基材11の材料としては、透明であると共に使用条件や製造に耐える透明性、絶縁性、耐熱性、機械的強度などがあれば、種々の材料が適用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート・ポリブチレンテレフタレート・ポリエチレンナフタレート・ポリエチレンテレフタレート−イソフタレート共重合体・テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体・ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンナフタレートの共押し出しフィルムなどのポリエステル系樹脂、ナイロン6・ナイロン66・ナイロン610などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン・ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニルなどのビニル系樹脂、ポリアクリレート・ポリメタアクリレート・ポリメチルメタアクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリイミド・ポリアミドイミド・ポリエーテルイミドなどのイミド系樹脂、ポリアリレート・ポリスルホン・ポリエーテルスルホン・ポリフェニレンエーテル・ポリフェニレンスルフィド(PPS)・ポリアラミド・ポリエーテルケトン・ポリエーテルニトリル・ポリエーテルエーテルケトン・ポリエーテルサルファイトなどのエンジニアリング樹脂、ポリカーボネート、ポリスチレンなどのスチレン系樹脂などがある。
該基材は、これら樹脂を主成分とする共重合樹脂、または、混合体(アロイでを含む)、若しくは複数層からなる積層体であっても良い。該基材は、延伸フィルムでも、未延伸フィルムでも良いが、強度を向上させる目的で、一軸方向または二軸方向に延伸したフィルムが好ましい。該基材の厚さは、通常、12〜1000μm程度が適用できるが、50〜700μmが好適で、100〜500μmが最適である。これ以下の厚さでは、機械的強度が不足して反りやたるみなどが発生し、これ以上では、過剰な性能となってコスト的にも無駄である。
該基材は、これら樹脂の少なくとも1層からなるフィルム、シート、ボード状として使用するが、これら形状を本明細書ではフィルムと総称する。通常は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系のフィルムが透明性、耐熱性がよくコストも安いので好適に使用され、ポリエチレンテレフタレートが最適である。また、透明性は高いほどよいが、好ましくは可視光線透過率で80%以上である。
該基材フィルムは、塗布に先立って塗布面へ、コロナ放電処理、プラズマ処理、オゾン処理、フレーム処理、プライマー(アンカーコート、接着促進剤、易接着剤とも呼ばれる)塗布処理、予熱処理、除塵埃処理、蒸着処理、アルカリ処理、などの易接着処理を行ってもよい。該樹脂フィルムは、必要に応じて、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
(積層法) 積層(ラミネートともいう)法としては、基材11又は導電材層109の一方に、接着剤又は粘着剤を塗布し必要に応じて乾燥して、加熱又は加熱しないで加圧する。その後必要に応じて30〜80℃の温度下で、エージング(養生)してもよい。また、基材11自身、又は基材11が複数層で積層面が、例えば、アイオノマー樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体などの熱接着性の樹脂であれば、加熱下で加圧するだけでよく、特に接着剤、粘着剤は使用せずに積層が可能である。また基材11上に無電解メッキ、蒸着等により直接金属層21を形成して積層することも出来る。この場合も接着剤、粘着剤無しでの積層は可能である。
(接着剤) 接着剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂などが適用できる。また、エッチング液による染色や劣化が少なく、加工適性のよい熱硬化型樹脂を用いた、当業者がドライラミネーション法(ドライラミともいう)と呼ぶ方法が好ましい。さらに、紫外線(UV)などの電離放射線で硬化(反応)するUV硬化型樹脂も好ましい。
(ドライラミ) ドライラミネーション法とは、溶媒へ分散または溶解した接着剤を塗布し乾燥させて、貼り合せ基材を重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させることで、2種の材料を積層させる方法である。また、ドライラミネーション法を改良したノンソルベントラミネーション法でもよく、溶媒へ分散または溶解せずに接着剤自身を塗布し乾燥させて、貼り合せ基材を重ねて積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させることで、2種の材料を積層させる方法である。
ドライラミネーション法、またはノンソルベントラミネーション法で用いる接着層の接着剤として、熱、または紫外線・電子線などの電離放射線で硬化する接着剤が適用できる。熱硬化接着剤としては、具体的には、2液硬化型樹脂の接着剤、例えば、ポリエステルウレタン系樹脂、ポリエーテルウレタン系樹脂、アクリルウレタン系樹脂等のウレタン系接着剤、アクリル系接着剤、ポリエステル系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリ酢酸ビニル系接着剤、エボキシ系接着剤、ゴム系接着剤などが適用できるが、2液硬化型ウレタン系接着剤が好適である。
該2液硬化型ウレタン系樹脂としては、具体的には、例えば、多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られるポリマー、具体的には、例えば、多官能イソシアネートとしては、トリレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアナートイソホロンジイソシアナート等の芳香族(乃至は油環式)ポリイソシアナート、あるいは、ヘキサメチレンジイソシアナート、キシリレンジイソシアナートイソホロンジイソシアナート等の脂肪族(乃至は脂環式)ポリイソシアナート等の多官能イソシアネート等が用いられる。これらポソイソシアネートとしては、前記イソシアナートの多量体(3量体等)、付加体を用いるも出来る。スヒロドチシル基含有化合物としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリアクリレートポリオール等のヒドロキシル基含有化合物が用いられる。これら多官能イソシアネートとヒドロキシル基含有化合物との反応により得られる2液型ウレタン系樹脂を使用することができる。
好ましくは、エッチング液による染色、劣化がないスチレン−マレイン酸共重合ポリマーで変性したポリエステルポリウレタンと脂肪族ポリイシシアネートを配合した接着剤である。
ドライラミネーション法では、これらを主成分とする接着剤組成物を有機溶媒へ溶解または分散し、これを、例えば、ロールコーティング、リバースロールコーティング、グラビアコーティング、グラビアリバースコーティング、グラビアオフセットコーティング、キスコーティング、ワイヤーバーコーティング、コンマコーティング、ナイフコーティング、デップコーティング、フローコーティング、スプレイコーティングなどのコーティング法で塗布し、溶剤などを乾燥して、本発明のラミネーション用接着層を形成することができる。好ましくは、ロールコーティング、リバースロールコーティング法である。
該接着層の膜厚としては、0.1〜20μm(乾燥状態)程度、好ましくは1〜10μmである。該接着層を形成したら直ちに、貼り合せ基材を積層した後に、30〜120℃で数時間〜数日間エージングすることで、接着剤を硬化させることで接着する。該接着剤の塗布面は、基材側、導電材部側のいずれでもよい。好ましくは、粗化してある銅箔側で、粗面の全体に行き渡って、積層体へ気泡の発生が抑えられる。
ノンソルベントラミネーション法は、基本的にはドライラミネーション法と同様であるが、接着剤組成物を有機溶媒へ溶解または分散しないで、接着剤組成物そのままを用いるが、必要に応じて、粘度を低下させるために、接着剤組成物を加熱加温して用いる場合もある。
(粘着剤) 粘着剤としては、公知の感圧で接着する粘着剤が適用できる。粘着剤としては、特に限定されるちのではなく、例えば、天然ゴム系、ブチルゴム・ポリイソプレン・ポリイソブチレン・ポリクロロプレン・スチレン−ブタジエン共重合樹脂などの合成ゴム系樹脂、ジメチルポリシロキサンなどのシリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ酢酸ビニール・エチレン−酢酸ビニール共重合体などの酢酸ビニール系樹脂、ウレタン系樹脂、アクリロニトリル、炭化水素樹脂、アルキルフェノール樹脂、ロジン・ロジントリグリセリド・水素化ロジンなどのロジン系樹脂が適用できる。
(ゴム系粘着剤) ここでゴム系粘着剤は、クロロプレンゴム,ニトリルブタジエンゴム,アクリルゴム,スチレンブタジエンゴム,スチレンイソプレンスチレン,スチレンブタジエンスチレン,スチレンエチレンブタジエンスチレン,ブチルゴム,ポリイソブチレンゴム,天然ゴム,ポリイソプレンゴムなどの粘着ゴムの一又は複数に、フェノール系樹脂,変性フェノール樹脂,ケトン樹脂,アルキッド樹脂,ロジン系樹脂,クマロン樹脂,スチレン系樹脂,石油樹脂,塩化ビニル系樹脂などの粘着付与材の一又は複数を配合したものが有効である。
(ゴム系粘着剤) ゴム系粘着剤は、アクリル系接着材と比較して耐薬品性、耐膨潤性、耐温度性、粘着性、および剥離強度に優れているので、接着部分が酸性又はアルカリ性の物質に曝されても剥離が生じない。また、ゴム系粘着材は、酸性又はアルカリ性の薬液中で加水分解をほとんど発生せず、粘着寿命が長い。
(粘着剤層の形成) これらの樹脂、またはこれらの混合物を、ラテックス、水分散液、または有機溶媒液として、スクリーン印刷またはコンマコートなどの、公知の印刷またはコーティング法で、印刷または塗布し必要に応じて乾燥した後に、一方の材料と重ねて加圧すれば良い。
図5は、巻取りロール状での加工を説明する平面図及び側面図である。
具体的な積層方法としては、通常、帯状で連続して巻き取られたロール状(巻取りロールという)で行う。図5(A)は平面図で巻取りロールから巻きほぐされて伸張された状態で、電磁波遮蔽用シート1が一定間隔で面付けされている。図5(B)は側面図で、導電材層109(金属層21を含む)の一方の面と基材11とが積層されている。まず、巻取りロールの導電材層109へ、上記の黒化処理及び防錆層の形成をして、該防錆層へ接着剤を塗布し乾燥した後に、基材11を重ね合わせて加圧すればよい。さらに、必要に応じて30〜80℃の雰囲気で数時間〜数日のエージング(養生、硬化)を行って、巻取りロール状の積層体とする。
(フォトリソ法) 該積層体の導電材層面へ、レジスト層をメッシュパターン状に設け、レジスト層で覆われていない部分の導電材層をエッチングにより除去した後に、レジスト層を除去するフォトリソグラフイ法で、メッシュ状とする。
(マスキング) まず、基材11と導電材層109の積層体の導電材層109面を、フォトリソグラフイ法でメッシュ状とする。この工程も、帯状で連続して巻き取られたロール状の積層体を加工して行く。該積層体を連続的又は間歇的に搬送しながら、緩みなく伸張した状態で、マスキング、エッチング、レジスト剥離する。
まず、マスキングは、例えば、感光性レジストを導電材層109上へ塗布し、乾燥した後に、所定のパターン(メッシュのライン部)版(フォトマオク)にて密着露光し、水現像し、硬膜処理などを施し、ベーキングする。
レジストの塗布は、巻取りロール状の帯状の積層体(基材11と導電材層109)を連続又は間歇で搬送させながら、その導電材層109面へ、カゼイン、PVA、ゼラチンなどの感光性レジストをディッピング(浸漬)、カーテンコート、掛け流しなどの方法で行う。また、レジストは塗布ではなく、ドライフィルムレジストを用いてもよく、作業性が向上できる。ベーキングはカゼインレジストの場合、200〜300℃で行うが、積層体の反りを防止するために、できるだけ低温度が好ましい。
(エッチング) マスキング後にエッチングを行う。該エッチングに用いるエッチング液としては、エッチングを連続して行う本発明には循環使用が容易にできる塩化第二鉄、塩化第二銅の溶液が好ましい。また、該エッチングは、帯状で連続する鋼材、特に厚さ20〜80μmの薄板をエッチングするカラーTVのブラウン管用のシャドウマスクを製造する設備と、基本的に同様の工程である。即ち、該シャドウマスクの既存の製造設備を流用でき、マスキングからエッチングまでが一貫して連続生産できて、極めて効率が良い。エッチング後は、水洗、アルカリ液によるレジスト剥離、洗浄を行ってから乾燥すればよい。
(メッシュ) メッシュ部103は、ライン107で囲まれた複数の開口部105からなっている。開口部105の形状は特に限定されず、例えば、正3角形、2等辺3角形等の3角形、正方形、長方形、菱形、台形などの4角形、5角形、6角形(亀甲形)、8角形等の多角形、円形、楕円形などが適用できる。これらの開口部の複数を、組み合わせてメッシュとする。
パターン版上のメッシュのパターンは、開口率、メッシュの非視認性、及び画像の視認性から、メッシュ部103のライン107の直線部における幅W(図2参照)が所定値±30%の範囲内になる様作画する。エッチング工程でのライン幅のバラツキの発生も考慮し、パターン版上では、該幅の分布範囲は±30%以下とする。好ましくは±20%以下、更に好ましくは±10%以下とすると良い。これに加えて後述の如くエッチング工程の条件を制御し、得られるメッシュ部の該幅を±30%の範囲に収束させる。かつ、図7の如く、透明基板と直交したライン107の切断面の形状に於いて、上底107Uと下底107Bとを結ぶ土手側面部107Sの曲率半径rが、前記金属層の厚さtの1.5〜3.0倍(1.5t≦r≦3.0t)とする。好ましくは、メッシュ部103のライン幅Wの所定値が5〜25μmで、ラインとラインのピッチが150〜500μmとする。
通常、大型のプラズマディスプレイパネル用の電磁波遮蔽用シートには、数千本以上の直線ラインが形成されており、そしてそれぞれが交わっている。該ラインのライン幅のバラツキを抑え、かつ、ライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径を規制することで、電磁波遮蔽性と適度の透明性を有し、メッシュの濃淡ムラが少なく、かつ、特に黒と白の点状及び線状欠点が少なく、かつまた、表示光のギラツキが少なく、又は外光の反射が抑えられ、優れた画像の視認性を有する電磁波遮蔽用シート1を得ることができる。
該ライン幅のバラツキは、例えば、図2に於けるライン幅Wを14μmとすると、W=14±4.2μmで、範囲としてはW=9.8〜18.2μmあり、この範囲内であれば、メッシュの濃淡ムラ、黒及び/又は白の点状及び線状の欠点が発生しない。もし、ライン幅に広狭があると、メッシュが濃淡ムラとなる。また広狭が大きい場合には、人間がディスプレイ画像を観察した際に、広い部分は黒点欠点となり、狭い部分は白点欠点となってしまう。全体の画像に対してポツンと白点及び/又は黒点があると、人間は極めて強い違和感を感ずる。
しかし、本発明の電磁波遮蔽用シートによれば、連続フォトリソグラフイ法で製造し、ライン幅のバラツキを所定の範囲とすることで、メッシュの濃淡ムラの発生は極めて少なく、しかも、電磁波遮蔽性及び透明性には問題はない。また、メッシュの濃淡ムラや黒及び/又は白の点状及び線状の欠点は、レジスト塗布時にレジスト液の飛沫が不要な部分へ付着しても発生するが、連続フォトリソグラフイ法で製造することで、極めてまれである。
また、ライン幅の制御からは、メッシュ部103の外周に接する部分の外周部の部分を除いてもよい。これはメッシュ部が終わって全面金属層21からなる接地用枠部101となるために規則性が途切れ、また、ライン幅を接地用枠部101に内周するメッシュ外周部において、接地用枠部に向かって漸次拡幅したりするなどの別目的の処置をすることがあるためである。該外周部としては、接地用枠部101の内周からメッシュ部の中心に向かって1〜50メッシュ分、又は0.15〜15mm分、好ましくは1〜25メッシュ分、又は0.3〜7.5mm分の領域である。
このように、ラインの透明基板と直交したライン107切断面の形状における上底107Uと下底107Bとを結ぶ土手側面部107Sの曲率半径γが、前記金属層の厚さの1.5〜3.0倍とし、かつ、ライン幅Wが所定値±30%にするには、レジストの種類やエッチング工程の条件で制御する。例えば、レジストとしてドライレジストや液レジストを用いて理、また、エッチング条件としては、エッチング液のボーメ度を35度以上にしたり、エッチング液として塩化第二銅又は塩化第二鉄水溶液を用いて、エッチング液の温度が35度以上としたり、エッチング液のスプレイ流速を2000ml/分以上として、かつ、スプレイノズルを首振りさせたり、左右に揺動させたりしてエッチングすることが望ましい。
また、曲率半径、ライン幅を制御するには、前述したパターン版について、線幅描画の精度を±30%以下に設計、管理する他、パターン版の線幅を得たい製品のライン幅より大きくとり、できるだけ腐蝕する量を大きくして、エッチング液のエッチングスピードを遅くすることによって、制御しやすくなる。
なお、上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径は、透明基板と直交したラインをミクロトームでスライスし、白金パラジュウムをスパッタした後に、該ライン切断面を2000倍の電子顕微鏡で撮影した写真から、上底端値と下底端値から推定したものである。但し、エッチングなので、土手の形状は必ずしも真円形とはならないので、略円形の円周線、台形の斜線に近い線でもよい。断面状に近似する円の半径として曲率半径を求める。
要は上底右端と下底右端、又は上底左端と下底左端を含む曲線が、金属層の厚さの1.5〜3.0倍の曲率半径となればよい。また、曲率半径は一定である必要はなく、変化していてもよいが、金属層の厚さの1.5〜3.0倍の範囲に収まっていればよい。
また、ラインが電磁波遮蔽用シートの図1に於ける端の辺となすバイアス角は、図1の図示では45度を例示しているが、これに限られず、モアレの解消などのために、ディスプレイの発光特性や画素の並びなどを加味して適宜、選択すればよい。
(平坦化) メッシュが形成されると、メッシュのライン107は金属の厚みがあるが、開口部105は金属箔が除去されて凹部となり、導電材部109は凹凸状態となる。該凹凸は次工程で接着剤又は粘着剤が塗布される場合には、該接着剤などで埋まることになる。しかし、その際該凹部の空気が完全には接着剤(又は粘着剤)と置換されずに気泡として残留し易い。気泡が残留する気泡と接着剤(又は粘着剤)との界面で光を散乱させてヘイズ(曇価または濁度)が高くなる。此の問題を防止する為、好ましくは、接着に先立って、予じめ該凹部を透明樹脂で充墳して平坦化する。
該平坦化としては、透明樹脂を凹部に塗布して埋め込むが、凹部の隅々まで侵入しないと、気泡が残り透明性が劣化する。このため、溶剤などで稀釈して低粘度で塗布し乾燥したり、空気を脱気しながら塗布したりして、平坦化層29を形成する。
平坦化層29は透明性が高く、メッシュの導電材との接着性が良く、次工程の接着剤との接着性がよいものであればよい。但し、平坦化層29の表面が、突起、凹み、ムラがあると、ディスプレイ前面へ設置した際に、モワレ、干渉ムラ、ニュートンリングが発生したりするので好ましくない。好ましい方法としては、樹脂として熱又は紫外線硬化樹脂を塗布した後に、平面性に優れ剥離性のある基材で積層し、塗布樹脂を熱又は紫外線で硬化させて、剥離性基材を剥離し除去する。平坦化層29の表面は、平面性基材の表面が転写されて、平滑な面が形成される。
該平坦化層29に用いる樹脂としては、特に限定されず各種の天然又は合成樹脂、熱又は電離放射線硬化樹脂などが適用できるが、樹脂の耐久性、塗布性、平坦化しやすさ、平面性などから、アクリル系の紫外線硬化樹脂が好適である。
(NIR吸収層) さらに、平坦化層29に用いる樹脂へ、可視及び/又は近赤外線の特定波長を吸収する光線吸収剤を添加してもよい。可視及び/又は近赤外線の特定波長を吸収することで、不快感が抑えられ、画像の視認性が向上する。近赤外線の特定波長とは、780〜1200nm中でも特に800〜1100nmの波長帯域である。該780〜1000nmの波長領域の80%以上を吸収することが望ましい。該近赤外線吸収剤(NIR吸収剤という)としては、特に限定されないが、近赤外線帯域に急峻な吸収があり、可視光帯域の光透過性が高く、かつ、可視光帯域には特定の波長の大きな吸収がない色素などが適用できる。又、PDPから発光する可視光領域としては、通常、ネオン原子の発光スペクトルであるオレンジ色が多いので、570〜605nm付近をある程度吸収ものが良く、これを色補正用光線吸収剤として用いる。該近赤外線吸収剤としては、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、ナフトキノン系化合物吸収、アントラキノン系化合物、ジチオール系錯体、インモニウム化合物、ジイソモニウム化合物などがある。又、色補正用光線吸収剤としては、アゾ系化合物、フタロシアニン系化合物等が用いられる。平坦化層29へNIR吸収剤を添加したが、添加しない場合には、NIR吸収剤を有する別の層(NIR吸収別層という)を、少なくとも一方の面へ設ければよい。
(NIR吸収別層) NIR吸収層は、平坦化層29側及び/又は逆側の基材11側へ設け、平坦化層29面へ設けた場合は、図1に図示するNIR吸収層31Bで、基材11面へ設けた吸収場合は、図1に図示するNIR吸収層31Aである。該NIR吸収層31B及びNIR吸収層31Aは、NIR吸収剤を有する市販フィルム(例えば、東洋紡績社製、商品名No2832)を接着剤で積層したり、先のNIR吸収剤をバインダへ含有させて塗布してもよい。該バインダとしては、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂や、熱又は紫外線などで硬化するエポキシ、アクリレート、メタアクリレート、イソシアネート基などの反応を利用した硬化タイプなどが適用できる。
(AR層) さらに、図示していないが、電磁波遮蔽用シートの観察側へ、反射防止層(AR層という)を設けてもよい。反射防止層は、可視光線をの反射を防止するためのもので、その構成としては、単層、多層の多くが市販されている。多層のものは、高屈折率層と低屈折率層を交互に積層したもので、高屈折率層としては、酸化ニオブ、酸化チタン、酸化ジルコニウム、ITOなどがあり、低屈折率層としては、酸化珪素物、弗化マグネシウム等がある。また、外光を乱反射する微細な凹凸表面を有する層を有するものもある。
(ハードコート層、防汚層、防眩層) さらに、反射防止(AR)層には、ハードコート層、防汚層、防眩層を設けてもよい。ハードコート層は、JIS−K5400の鉛筆硬度試験でH以上の硬度を有する層で、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレートなどの多官能アクリレートを、熱又は電離放射線で硬化させる。防汚層は、撥水性、撥油性のコートで、シロキサン系、フッ素化アルキルシリル化合物などが適用できる。防眩層は外光を乱反射する微細な凹凸表面を有する層である。
(シート化) 以上のように、連続した帯状の巻取りロール状態で製造してきた部材を切断して、1枚毎の電磁波遮蔽用シート1を得る。該電磁波遮蔽用シート1を、ガラスなどの透明な基板へ貼り付けられ、また必要に応じて、NIR吸収層、AR層、ハードコート層、防汚層、防眩層と組み合されてディスプレイ前面板となる。該基板は、大型のディスプレイには厚さが1〜10mmの剛性を持つものが、また、キャラクタ表示管などの小型のディスプレイには厚さが0.01〜0.5mmのプラスチックフィルムが用いられ、ディスプレイの大きさや用途に応じて、適宜選択すればよい。ここでは、電磁波遮蔽用シート1を一旦ディスプレイ前面板としてから、ディスプレイの前面へ設置したので、基材11側が観察側となっているが、スプレイの前面へ直接貼着してもよい。
図6は、本発明の他の実施形態について、図2のAA断面を図示する断面図である。本実施形態は、ディスプレイ面へ貼着する本発明の電磁波遮蔽用シートである。
(直接貼着) この場合には、メッシュ状となった金属層21側が観察側となり、該金属層側へ少なくとも黒化処理、防錆層を必須に設ければよい。接地用枠部101が表面へ露出するので、電極を引き出し易くアースがとりやすい。また、該接地用枠部101が黒化処理されていて黒い面が観察側となるので、前面ガラス板の額縁状に設けていた黒色印刷が不要となり、工程が短縮でき、コスト面でも有利である。
(実施例1) 導電材として、表面に平均粒子径0.3μmの銅−コバルト合金粒子から成る黒化処理、クロメート(処理)層から成る防錆兼黒化強調層が此の順に付加された厚さ10μmの電解銅箔の銅−コバルト合金粒子面と、厚さが100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムA4300(東洋紡績社製、商品名)とを、2液硬化型ポリウレタン系接着剤でラミネートした後に、56℃で4日間エージングした。接着剤としてはポリオールから成る主剤タケラックA−310とポツイソシアネートから成る硬化剤A−10(いずれも武田薬品工業社製、商品名)を用い、塗布量は乾燥後の厚さで7μmとした。
フォトリソグラフイ法によるメッシュの形成は、連続した帯状でマスキングからエッチングまでを行う、カラーTVシャドウマスク用の製造ラインを流用した。まず、導電材層面の全体へ、カゼインから成る感光性レジストを掛け流し法で塗布した。次のステーションへ搬送し、開口部が正方形でライン幅22±1μm、ライン間隔(ピッチ)300μm、バイアス角度49度、接地用枠部(接地用電極部)の幅5mmのパターン版を用いて、高圧水銀燈を用いて密着露光した。次々とステーションを搬送しながら、水現像し、硬膜処理し、さらに、80℃でバーニング処理をした。
さらに次のステーションへ搬送し、エッチング液として40℃、40°ボーメの塩化第二鉄溶液を用いて、サイドエッチングを効かせるスプレイ法で吹きかけてエッチングし、メッシュの開口部を形成した。次々とステーションを搬送しながら、水洗し、レジストを剥離し、洗浄し、さらに、80℃で乾燥して実施例1の電磁波遮蔽用シートを得た。
(実施例2) エッチング液として35°ボーメの塩化第二鉄溶液を用いる以外は、実施例1と同様にして、実施例2の電磁波遮蔽用シートを得た。
(比較例1)レジストとしてドライレジストを用い、エッチング液として20°ボーメの塩化第二鉄溶液を用いて、掛け流し法でエッチングした以外は、実施例1と同様にして、比較例1の電磁波遮蔽用シートを得た。
(実施例3) 実施例1のメッシュ部へ、下記組成の平坦化層組成物を塗布し、厚さが50μmのSP−PET20−BU(トーセロ社製、表面離型処理PETフィルム商品名)をラミネートした後に、高圧水銀灯を用いて200mj/cmの露光(365nm換算)した。そして、SP−PET20−BUを剥離すると、メッシュ部が平坦化した実施例2の電磁波遮蔽用シートが得られた。
平坦化層組成物としては、N−ビニル−2−ピロリドン20質量部、ジシクロペンテニルアクリレート25質量部、オリゴエステルアクリレート(東亜合成(株)製、M−8060)52質量部、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバガイギー社製、イルガキュア184)3質量部を用いた。
(実施例4) 実施例2の平坦化層組成物へ、近赤外線吸収剤としてチオール−ニッケル錯体1質量部を含有させた以外は、実施例2と同様にして電磁波遮蔽用シートを得た。
(実施例5) 実施例2の平坦化層面へ、NIRフィルムNo2832(東洋紡績社製、近赤外線吸収フィルム商品名)を粘着剤で積層した以外は、実施例2と同様にして電磁波遮蔽用シートを得た。
(実施例6) (直接貼り) 銅−コバルト合金粒子のクロメート(処理)層でない面と、PETフィルムをラミネートする以外は、実施例1と同様にし、さらに、実施例3と同様にして平坦化層を形成して、実施例6の電磁波遮蔽用シートを得た。
(評価方法) ライン幅、及びライン切断面の上下幅は、光学顕微鏡を用い、倍率400倍にて、ランダムに100ヶ所を測定した。メッシュの濃淡ムラは目視で観察した。画像の視認性はPDPパネルへ搭載して、表示画像を目視で観察した。なお、曲率半径はライン切断面の2000倍の電子顕微鏡写真から測定した。
(結果) 実施例1では、ライン幅が8〜12μm(所定幅±20%)と範囲内であり、メッシュに濃淡ムラはなく、また、土手側面部の曲率半径は30μm(厚さの3.0倍)で、PDPに表示された画像にもギラツキがなく、視認性が良好であった。
実施例2では、ライン幅が7〜13μmと所定幅±30%の範囲内であり、メッシュに濃淡ムラはなく、また、土手の曲率半径は15μm(厚さの1.5倍)で、PDPディスプレイに表示された画像にもギラツキがなく、視認性が良好であった。
比較例1では、土手の曲率半径は10μm(厚さの1.0倍)で、PDPディスプレイに表示された画像にはギラツキがあり、視認性も悪い上に、ライン幅が9〜19μmと所定値±33%となり、所定値±30%の範囲外であり、メッシュに濃淡ムラも見られた。
実施例3〜5の電磁波遮蔽性シートをPDPのパネルの前面へ搭載して、全面を白画像及び黒画像として目視で観察したところ、PDP画像にギラツキがなく、白及び/又は黒の点状、線状欠点も認めらず、視認性に優れていた。
実施例6の電磁波遮蔽性シートでは、基材面を粘着剤でPDPへ設置したところ、表示光が反射した迷光も少なく、ギラツキもなく、画像の視認性は良好で、さらに電極の引き出し工数も減り、ガラス基板に設ける額縁状の黒印刷も要らなかった。
本発明の電磁疲遮蔽用シートによれば、ディスプレイ表面に装置した際に、ディスプレイから発生する電磁波を遮蔽し、かつ、メッシュのライン部分は非視認性で、電磁波遮蔽性、透明性の両特性を満たし、かつ、ライン幅が一定範囲内にあることで、メッシュの濃淡ムラがなく、ディスプレイ画像に白及び/又は黒の点状、線状欠点が現われ無い。又メッシュの土手側面部の曲率半径とメッシュの厚みとの関係を特定範囲内とした為、画面のギラツキも無く、画像を良好に視認することができる。

Claims (10)

  1. 透明基材の一方の面へ、メッシュ状の導電材層が積層された電磁波遮蔽用シートにおいて、前記導電材層のラインの直線部における前記透明基材と直交したライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径が、前記導電材層の厚さの1.5〜3.0倍であることを特徴とする電磁波遮蔽用シート。
  2. 透明基材の一方の面へ、メッシュ状の導電材層が積層された電磁波遮蔽用シートにおいて、前記導電材層のラインの直線部における幅が所定値±30%の範囲内であり、かつ、前記透明基板と直交したライン切断面の形状における上底と下底とを結ぶ土手側面部の曲率半径が、前記導電材層の厚さの1.5〜3.0倍であることを特徴とする電磁波遮蔽用シート。
  3. 前記メッシュ状導電材層の外周部の1〜50メッシュ分を除いた内周部分又は0.15〜15mm分を除いた内周部分について、ラインの直線部における幅が所定値±30%の範囲内であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の電磁波遮蔽用シート。
  4. 前記導電材層のラインの直線部における幅が5〜25μmで、ラインとラインのピッチが150〜500μmであることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の電磁波遮蔽用シート。
  5. 上記導電材層が金属層であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の電磁波遮蔽用シート。
  6. 上記導電材層の少なくとも一方の面へ黒化処理をしてあることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の電磁波遮蔽用シート。
  7. 上記導電材層の少なくとも一方の面へ黒化処理をし、該黒化処理面へ防錆層を設けたことを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の電磁波遮蔽用シート。
  8. 前記導電材層の少なくとも開口部凹部を透明樹脂で充填して、前記導電材層の面が平坦化状態であることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載の電磁波遮蔽用シート。
  9. 前記透明樹脂は、可視光線中の波長570〜605nm帯域の光を吸収する色補正用光線吸収剤及び/又は近赤外線の波長800〜1100nm帯域光を吸収する近赤外線吸収剤を含有することを特徴とする請求項8に記載の電磁波遮蔽用シート。
  10. 表側の面と裏側の面の少なくとも一方の面に、可視光線中の波長570〜605nm帯域の光を吸収する色補正用光線吸収剤及び/又は近赤外線の波長800〜1100nm帯域光を吸収する近赤外線吸収剤層を設けることを特徴とする請求項8に記載の電磁波遮蔽用シート。
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