JP4333947B2 - 粗面化された表面を備えたアルミニウム合金シート - Google Patents

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Description

発明の詳細な説明
本発明は、粗面化された表面を有するアルミニウム合金シート材料に関する。また、本発明は、そのシート材料の製造方法及びシート材料の利用に関する。このシート材料は、特にリソグラフ用プレートの製造に利用される。
現在のリソグラフシート市場は、主としてAA1000系及びAA3000系の合金から製造された製品により構成されている。リソグラフ用材料として使用するために調製された合金シートは、従来は、金属製造業者により洗浄されて、過剰の油分と金属微粉末が除去される。そして、洗浄済みシートは、通常はメッキ業者によって、硝酸又は塩酸電解液中で電気化学的エッチング(電解砂目立て)する直前に、アルカリにより短時間の、普通は5〜10秒の化学エッチングがなされる。予備エッチング(化学エッチング)処理により、自然形成された合金シート表面の酸化物が除去され、活性の高いアルミニウムの新しい表面が生じて、電解砂目立てによる粗面化ができるようになる。従来の予備エッチング工程により得られたアルミニウムの新しい表面は、比較的滑らかで、浅いマイクロピットを含んでいる。
リソグラフ用支持板に適したアルミニウムシートを製造するには、支持体の表面を粗面化又は砂目立てして、支持板上への有機被膜の付着力を増加し、保水性を高める必要がある。支持体に塗布した感光層は、後に露光され現像されて、インクを受容する画像領域と、保水性の非画像領域とを有するリソグラフプレートが得られる。画像領域は、通常は有機被膜で覆われており、非画像領域は、通常は被覆されていない支持体表面である。この目的のために、アルミニウム合金シートは、シート表面の光学的非接触表面計の測定結果がおよそRa1〜2μmになるように、粗面化する必要がある。この粗面化は、必ずではないが通常は電解砂目立てにより行われる。本発明は、標準的な砂目立て処理工程の前に、予備陽極酸化処理工程と、それに続くエッチング工程と、を提供する。
リソグラフ用支持板の製造において、砂目立て又は粗面化の工程にかかる費用は、経済性の重要な一部分である。本発明の1つの態様は、本発明によるアルミニウム合金表面の粗面化が、予備エッチング工程を含む従来の方法に比べて、より経済的に行えるという発見に基いている。
硝酸による電解砂目立ては、表面欠陥が非常に生じやすく、その欠陥は、リソグラフ印刷プレートの最終製品にまで現れる。このような欠陥は、非エッチング欠陥として知られている。非エッチング欠陥は、砂目立てされていない明るい線として現れ、通常は幅約100μm、長さ数ミリメートルである。当業者は、非エッチング欠陥の原因が、電解砂目立て処理中に、合金表面が不動態化することが原因である認識している。不動態化は、薄膜の局所的汚染、金属の巻込み、又は、不活性(noble)粒子、例えば局所的不動態化を引き起こす銅リッチ材料の巻込みにより生じることがある。我々は、本発明によって、非エッチング欠陥が解消できる又は少なくとも低減できることを見出した。
GB−A−2145738には、電解コンデンサ用のアルミニウム箔の陽極酸化処理が開示されている。ベーマイト(boehmite)タイプの薄膜を作製し、その箔を燐酸電解液中で陽極酸化処理した。最終的に得られる箔は、全て除去することができない陽極酸化被膜を有している。
EP−A−0645260には、アルミニウム板の電気化学的な粗面化と、アルカリ中でのエッチングとを含んだ平版印刷用プレートの支持板の製造方法が開示されている。陽極酸化処理の工程は、開示されていない。
US6024858には、化学エッチングと電気化学的粗面化とを含むアルミニウム支持板の製造工程が開示されている。また、酸性溶液中での陽極酸化処理も開示されているが、陽極酸化被膜の除去については開示されていない。
US5731124には、粗面化と、その次の陽極酸化処理とを含むアルミニウム箔の調製方法が開示されている。その後、重炭酸ナトリウムにより洗浄する。
US5556531には、アルカリ金属のケイ酸塩溶液による酸化アルミニウム層の処理と、処理した層のすすぎと、を含むアルミニウム材料の処理方法が開示されている。この処理では、酸化層を除去することはできない。
US5282952には、リソグラフ印刷プレート用の基板を調製する方法が開示されている。この方法は、プレートの陽極酸化処理工程を含んでいるが、酸化層が完全に除去されることはない。
US5104484には、電解による粗面化と、アルカリ又は酸によるエッチングと、を含むPS版用の基板の製造方法を開示している。プレートは、最終工程において陽極酸化処理されて、形成された酸化薄膜は除去されない。
US4980271には、改良したリソグラフ印刷用プレートの構造が開示されている。化学的又は電気化学的な砂目立て及び陽極酸化処理による標準的なプレートの下処理方法が開示されている。
US4689272には、酸化アルミニウム層の処理方法が開示されており、アルカリ水溶液による処理と、有機ポリマーを含有する水溶液による分離した酸化物層の処理と、を含まれている。
US4545866には、変更した電解砂目立て処理が開示されており、最後に陽極酸化処理工程を含んでいる。
US4492616には、最終工程が陽極酸化処理工程の場合の酸化アルミニウム層の処理方法が開示されている。得られた層は、調整されるが、除去されない。
US4483913には、平板印刷用プレートが開示されている。表面の陽極酸化被膜は、調整されるが、除去されない。
DE−A−3717757には、リソグラフ印刷用プレートの製造用の基板の製造が開示されており、砂目立て、陽極酸化処理、および親水化処理(hydrophilising)を含んでいる。
DE−A−3335440には、陽極酸化処理したプレートに光化学層を塗布した後に、エッチングを行う方法が開示されている。
このように、先行技術に記載された方法は、予備陽極酸化処理を行わない電解砂目立てを時々開示しており、陽極酸化薄膜が製造された場合には、その薄膜は完全に溶解されることはない。
本発明の第1の態様では、粗面化された表面を有し、リソグラフ用基板として使用されるアルミニウム合金シートを製造する方法を提供する。その方法には、(1)アルミニウム合金シートの表面を陽極酸化処理条件で処理して、上記シート表面に厚さ10〜50nmの酸化アルミニウムバリア層を形成する工程と、(2)酸化アルミニウムバリア層を、アルカリ水溶液により、35℃〜80℃で、全ての又は実質的に全てのバリア層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ処理して、合金表面に粗面を残す工程と、を含んでおり、工程(2)において、処理時間が3〜20秒である。
もし、バリア層が全て又は実質的に全て表面から除去されなければ、結果として砂目立てが不十分になる。バリア層は、完全に除去されるのが好ましい。
合金を制御された条件下で陽極酸化処理して合金シート表面に酸化アルミニウムバリア層を形成し、そのバリア層をアルカリ水溶液中で化学エッチングすることによって形成された表面は、先に陽極酸化バリア層を形成しない表面に比べると、ピット化及び粗面化が、より高い程度になることを見出した。
我々は、理論に束縛されることを望まないが、エッチングの初期段階において、アルカリエッチングが、連続的に溶解して陽極酸化層内の割れ目を攻撃して、アルミニウム表面に達すると考えている。アルカリ水溶液がアルミニウム表面に接触することにより、合金表面上の陽極酸化層の下側でアルミニウムの溶解が起こる。アルミニウム表面を局所的に溶解して比較的深いピットを生じるには、金属表面と陽極酸化層との間に「くぼみ」を形成するのが効果的である。また、同時に酸化層も溶解しており、一定時間の後には、酸化層が完全に溶解して、合金シートには、深いミクロピットを有する又は粗面化された表面が残される。化学エッチングを含む方法は、従来のエッチングに比べて、ミクロピットが多い表面、即ち、粗面化がより進んだ表面を形成することができ、さらに、エッチング続いて行う電解砂目立ての時間を、従来よりも短くできる利点があることが明らかになった。
本発明の方法により調製されたアルミニウムシートの粗面は、このあとに感光層を塗布し、露光し、現像する工程を含む従来の方法によって処理して、リソグラフシートとして使用できる。
本発明では、アルミニウム合金シートを陽極酸化処理して、シート表面に酸化アルミニウムバリア層を形成する。アルミニウム合金は、AA1000系又はAA3000系から選ばれるのが好ましい。本発明で使用される合金には、リソグラフに使用するのに好適なAA1050A合金、AA1200A合金、及びAA3103合金が含まれる。より良い特性、特に砂目立て感応性の点からみて、AA1050A合金が最も好ましい。
通常は、アルミニウム合金シート表面を洗浄し、燐酸電解液を用いて陽極酸化処理を行うことにより、厚さ10〜50nmの酸化アルミニウムバリア層を形成する。ここで「酸化アルミニウムバリア層」とは、アルミニウム合金シートの表面に形成されており、バリア機能を有する酸化物層を意味している。このバリア層は、非多孔質であるのが好ましい。しかしながら、バリア層に、酸化物層のバリア機能を損なわない孔部を含んでもよい。多孔質の酸化物層は、バリア機能を有していないので、バリア機能を有する酸化物層を使用することにより解決された技術的問題については解決できない。
本発明の方法で使用される陽極酸化処理は、直流(DC)又は交流(AC)のいずれでも利用できるが、交流のほうがより好ましい。交流の波形は、要求に応えればよく、正弦波又はそれ以外にすることができる。交流の電流は、カソード方向又はアノード方向のいずれを基準にしてもよい。交流の周波数は、1秒間に少なくとも数回のサイクルであり、好ましくは工業用周波数である。
電解液の濃度、電解液中のアルミニウム含有量、温度、電流密度、及び陽極酸化処理の時間の全ては、当然であるが、形成される酸化物層の厚みに影響する。通常は、燐酸の濃度は、10〜30%の範囲にされるが、十分に納得できる処理変数を得るためには、約20%であるのが好ましい。他の酸を用いて同様の効果を得られることに注目すべきであり、代表例としては、硝酸、硫酸、及びリンを含有する酸がある。電解液は、アルミニウムを、通常は20g/リットル以下で含んでおり、3〜15g/リットルにされるのが好ましい。陽極酸化処理は、通常は、溶液を用いて高い温度で行う。温度は、40℃〜80℃の範囲内、好ましくは45℃〜70℃の範囲内である。陽極酸化処理は、通常は、電流密度1〜5kAm−2で、好ましくは2〜3kAm−2で行われる。陽極酸化処理は、数秒以下で行って、希望の厚さの酸化物層を形成するのが好ましい。我々は、厚さ10〜28nmの酸化物膜が、20%の燐酸、3〜15g/リットルのアルミニウム含有量、55℃〜80℃の温度、電流密度2〜3kAm−2で、約0.5秒間の陽極酸化処理により形成できることを見出した。例示として、下記の表1に示したバリア薄膜は、AA1050A合金シートを8g/リットルのアルミニウム含有の20%燐酸により陽極酸化処理して形成した。
Figure 0004333947
陽極酸化処理工程の後に、陽極酸化アルミニウム合金シートは、貯蔵されるか、又は実質的に遅れることなく処理されてエッチング工程に進む。
陽極酸化アルミニウム合金シートは、そのままでも商品にすることができる。また、バリア層の厚さが10〜50nm、好ましくは10〜30nm、例えば20〜30nmである非多孔質酸化アルミニウム層を備えたシートは、本明細書に記載された特別な利点を備えるのに適している。これらのことを考慮して、本発明の別の態様では、厚さ10〜50nm、好ましくは10〜30nm、例えば20〜30nmのバリア層を有する非多孔質酸化アルミニウム層を表面上に備えたアルミニウム合金シートを提供する。アルミニウム合金は、上述のように、AA1000系又はAA3000系から選ばれるのが好ましく、特にAA1050A合金が好ましい。
本発明のさらに別の態様では、非多孔質酸化アルミニウム層を表面に備えたアルミニウム合金シートを、リソグラフ用基板として使用される粗面化アルミニウム合金シートの製造に利用することを提供する。非多孔質酸化アルミニウム層は、厚さ20〜30nmのバリア層を有している。粗面化アルミニウム合金シート製造は、非多孔質酸化アルミニウム層を、アルカリ水溶液により、35℃〜80℃で、全ての又は実質的に全ての層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ処理して、合金表面に粗面を残す処理を含んでおり、上記粗面を残す処理の処理時間が3〜20秒である。
陽極酸化アルミニウム合金シートは、続いて、アルカリ水溶液を用いた化学エッチングにより、35℃〜80℃で、全ての又は実質的に全ての酸化アルミニウム層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ処理して、合金表面に深いピット、又は粗面を残す。
アルカリ水溶液は、通常はNaOH又はKOHの、好ましくは1〜10wt%である。エッチング工程で使用されるアルカリは、2〜5%のNaOH溶液であるのがより好ましい。化学エッチングは、全ての又は実質的に全ての酸化アルミニウム層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ行われ、その時点で、合金表面は粗面化される。表面は、水酸化ナトリウム溶液によって、総時間を変更してエッチングされた。得られたマイクロピットの程度は、水酸化ナトリウムによるエッチング時間と、陽極酸化処理したアルミニウムシート上の酸化アルミニウム層の厚さとに依存することが示された。マイクロピットの程度は、面粗さが最大になり表面光沢が最小になるまでの間は、水酸化ナトリウムのエッチング時間と共に増加する。これは、バリア層の厚さにも依存する。例えば、バリア層が厚さ20nmの場合には、3%NaOHにより、60℃、約3〜5秒間処理すると、面粗さが最大に、表面光沢が最小になる。バリア層が厚さ28nmの場合には、約8秒間処理すると、面粗さが最大に、表面光沢が最小になる。バリア層のない表面に同様の処理を行うと、比較的滑らかな表面になり、バリア層を備えたアルミニウム表面で形成されたミクロピットの類の形跡はない。表面光沢が最小になる時点を越えてアルカリエッチングを行うと、上述のいずれの利点を通り越して、ついには、陽極酸化処理しない出発物質をエッチングして得られたのと同様の表面になる。ピットが形成された表面は、過剰にアルカリエッチングすることにより、事実上滑らかになる。
上述したように、アルミニウム合金シートを粗面化する本発明の方法は、従来の技術によってアルミニウムシートを電解砂目立する場合に有利である。第1に、上記のように製造された合金シートは、標準的な処理を行った合金シートに比べて、粗面化の進んだ表面を有しているので、それに続く電解砂目立て工程を(従来の技術に比べて)短時間で行っても、十分な砂目立ての合金表面を提供できる。電解砂目立ての時間を短縮することにより、化学薬品の消費量が減り、高価な廃棄物が一層少なくなる。このように、本発明は、電解砂目立てしたアルミニウム合金シートの製造方法を更に提供する。この製造方法は、(1)アルミニウム合金、好ましくはAA1000系又はAA3000系から選ばれたアルミニウム合金のシート表面に陽極酸化処理条件を適用して、その表面に厚さ10〜50nmの酸化アルミニウムバリア層を形成する工程と、(2)酸化アルミニウム層をアルカリ溶液により、35℃〜80℃で、全ての又は実質的に全てのバリア層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ処理して、合金表面に粗面を残す工程と、(3)合金シートの粗面に電解砂目立てを行う工程と、を含んでいる。
本発明では、電解砂目立ては、硝酸又は塩酸を用いて行うが、硝酸による電解砂目立てを利用するのが好ましい。この方法では、電解砂目立て工程は、当業者には周知での条件で行われる。
本発明は、硝酸による電解砂目立てにおける非エッチング欠陥を減少させる方法を提供することもできる。本明細書中で報告するが、硝酸の電解砂目立ての原材料として、ここに記載した方法で粗面化された合金シートを利用することにより、非エッチング欠陥を実質的に減少することができる。
本発明の別の態様では、本発明の方法によって形成したアルミニウムシートを、リソグラフ用基板として使用する。このように、本発明の方法で粗面化したアルミニウム合金シートは、付加的な砂目立てしたプレートの基板として使用するのに有利である。付加的な砂目立てをすることにより、洗浄して巻き取った表面に、少なくとも1つの被膜を塗布して、リソグラフ用基板に所望の磨耗性、親水性、付着性を与えることができる。基板の均一な外見は、美観性及び操作性の双方の点で魅力的であるので、被膜を、透明にすることができる。本発明で得られるピット表面は、合金シートと、この合金シートに塗布する被膜との結合性を向上させ、また、基板に更に均一な外見を与えることができる。そのような被膜には、最上層が例えば熱アブレージョンにより除去できる場合、ゾルゲル法によって形成された親水層及び疎水層の被膜又は薄膜が含まれている。
実施例
実施例1
AA1050Aリソグラフシートを、約8g/リットルのAlを含有した20%燐酸を用いて、0.5秒間で、陽極酸化処理した。交流の電流密度を変えて、薄膜の厚さを変化させた。処理温度は表2に示した。
Figure 0004333947
上記の条件と表2の条件とにより調製したサンプルを、3%NaOHにより、60℃で、10秒間処理した。比較のために、陽極酸化処理したサンプルと同じAA1050Aリソグラフシートのサンプルを準備し、陽極酸化層を形成しないように燐酸で洗浄し、他のサンプルと同じエッチング条件で処理した。処理表面の60°光沢度(gloss value)を、Rhopoint光沢度計を用いて、巻き方向に測定した。光沢度を表3に示す。
Figure 0004333947
表3から判るように、酸化アルミニウムバリア層が厚めのサンプルは、アルカリエッチングすると光沢度が低くなる。走査型電子顕微鏡(SEM)には、これらの合金表面が、標準的に洗浄した合金表面(陽極酸化層なし)をアルカリエッチングした表面と比べると深いミクロピットがあることが示されている。
実施例2
AA1050Aリソグラフシートのサンプルを、20%燐酸を用いて洗浄し、その後にアルカリエッチングした。同じ合金シート材料から成る別のサンプルを、実施例1と同様に陽極酸化処理して、厚さ10、20、及び28nmの非多孔質酸化アルミニウム薄膜を形成した。このサンプルを、さらにアルカリでエッチングした。アルカリエッチングは、3%NaOHにより、60℃、20秒以下で行われた。アルカリエッチングした表面の光沢度を、Rhopoint光沢度計を用いて測定した。測定は、エッチング前のサンプルと、1、2、3、4、5、8、10、15、及び20秒間でエッチングしたサンプルとで行った。陽極酸化処理していないサンプル(PTL標準)及び陽極酸化処理したサンプルについて、エッチング時間と60°光沢度との関係をプロットし、図1に示す。比較のために、陽極酸化処理せずに燐酸中で工業的に電解洗浄したサンプル(PTL標準)もプロットした。
図1から、得られた光沢レベルは、非多孔質酸化アルミニウム層の厚さと、アルカリエッチングの程度と、に依存している。陽極酸化層が10nmと薄いと、陽極酸化処理せずに洗浄のみの材料と同様の感応性を示している。しかしながら、厚さ20nmの酸化アルミニウム層を有するサンプルは、3〜5秒のエッチング時間により、最小の60°光沢度に達する。また、厚さ28nmの酸化アルミニウム層を有するサンプルは、約8秒のエッチング時間により、最小の60°光沢度に達する。
陽極酸化処理せずに洗浄のみ行ったサンプルは、いずれのエッチング時間で処理しても、比較的滑らかな表面を示している。このサンプルは、先に陽極酸化層を形成した本発明のサンプルでは得られていたミクロピット類の形跡もミクロピットの程度もない。
得られた結果から明らかなように、マイクロピットの程度は、面粗さが最大になり表面光沢が最小になるまでの間は、水酸化ナトリウムのエッチング時間と共に増加する。表面光沢が最小になる点を越えてアルカリエッチングを行うと、上記のいずれの利点も反対になり、ついには陽極酸化処理しない出発物質をエッチングして得られたのと同様の表面になる。ピットが形成された表面は、過剰にアルカリエッチングすることにより、事実上滑らかになる。すなわち、ピットが形成された表面は、最小光沢点を越えてアルカリエッチングすることにより事実上滑らかになる。
エッチングによって達成された60°光沢度が最小のときのサンプルの表面粗さの平均粗さRaは、Perthen Focodyn又はLS1プローブを用いて決定された。その数値は、表4に記載されている。
Figure 0004333947
実施例3
リソグラフシート(AA1050A)のサンプルを電解砂目立てするときに、十分な砂目立て表面を得るのに必要な時間を調べる実験を行った。
従来は、電解砂目立ての前に、リソグラフシートは、通常はアルカリ溶液中、例えば3%NaOHにより、60℃、10秒間エッチングしている。このエッチングにより、エッチング表面は、平均粗さRaが0.35〜0.4ミクロンで、60°光沢度が400〜450になる。この処理の目的は、少量の表面を除去して、電解砂目立て前に表面を活性化することである。この処理が行われないと、十分な砂目立てを形成することができない。
この実施例では、AA1050A合金シートのサンプルを、硝酸中で電解砂目立てする。サンプルを、実験室のツインセルシステムにより、液体接触モードで操作して砂目立てした。電解液は、1.5%の硝酸を用いた。電圧は、交流14V(従来のサイン曲線の電源)を印加した。各電極は、15mmの間隔をあけており、対極には工業的に利用されている従来の含浸黒鉛を使用した。対称的な性質(symmetrical nature)に配列するために、前方と後方との電流密度をほぼ一致させる。
これらのサンプルは、以下のように処理される。
1.AA1050Aシートを、燐酸中で予備洗浄して、3%NaOHにより60℃で10秒間エッチングする。
2.AA1050Aシートを、実施例1で記載された手順に従って陽極酸化処理し、厚さ20nmの非多孔質酸化アルミニウム層を形成する。このサンプルを、3%NaOHにより60℃で10秒間エッチングする。
3.AA1050Aシートを、実施例1で記載された手順に従って陽極酸化処理し、厚さ28nmの非多孔質酸化アルミニウム層を形成する。このサンプルを、3%NaOHにより60℃で10秒間エッチングする。
それぞれの場合において、サンプルの表面は、1.5%の硝酸により、40℃、10秒間、電流密度50Adm−2の条件で電解砂目立てされて、実施例2と同様に、平均粗さ(Ra)と60°光沢度とを決定する。この手順は、13、15、及び18秒間でエッチングしたサンプルにも繰り返された。電解砂目立てしたサンプルの平均粗さを表5に、60°光沢度を表6にそれぞれ示した。
Figure 0004333947
Figure 0004333947
これらの結果から、表面を予備陽極酸化処理して厚さ20又は28nmの陽極酸化層を形成し、そしてエッチングすることにより、同様の光沢と面粗さとを備えた表面を、さらに短時間で得られることがわかった。
実施例4
別の電解砂目立ての実験を、電解砂目立て条件の範囲内で、実施例3に記載したミクロセルシステムにて行った。予備陽極酸化処理した表面を利用することにより、電解砂目立て表面が短時間で得られることがわかった。水酸化ナトリウムの予備エッチングは、上記の実施例3に記載されている。その結果を表7に示す。
Figure 0004333947
マイクロセル中での通常の電解砂目立てにより、所望のピット形態と面粗さとを備えた視覚的に良好な構造を形成するには、電圧が14V、時間が30秒であると考えられているが、砂目立て時間が25秒ほどの早さで、視覚的に良好な砂目立てが得られると思われる。
しかしながら、従来取り組んでいる電解砂目立てのシミュレーションの研究によれば、砂目立て時間が25秒よりもほんの少しだけ短いだけで、砂目立ての不足した表面部分が、画像領域及び粗面部分のような不適当な位置に残り、圧延線(roll line)が目視できる状態であり、処理のボーダーラインに非常に近いことが示されている。それゆえ、電解砂目立ての時間を30秒にして、合金の化学的性質に合わせて処理を変更しても、洗浄処理及び電解砂目立て処理を少々変更しても、許容できるようにしている。上記の表は、標準的なAA1050Aを含めた全ての材料において、25秒後には、表面が視覚的に良好になることを示している。上記の表から、ある砂目立て条件においては、予備陽極酸化処理表面から、良好な表面を、短時間で得られることがわかる。また、層の厚さが10〜30nmの場合に有利であることも示している。しかしながら、元の厚さが10nm以下(エッチング前)の陽極酸化薄膜を備えた合金シートサンプルでは、わずかに有利なだけであり、28nmの陽極酸化薄膜を備えた合金シートでは、大いに有利であることがわかった。
実施例5
「これまでで最悪」の非エッチング欠陥のAA1050Aシートのコイルから得られたサンプルを、実施例1に記載した陽極酸化処理条件A、B、C、及びDにより調製した。これらを3%NaOHにより、60℃で10秒間エッチングし、次に1.5%の硝酸により、40℃、13秒間、電流密度50Adm−2で電解砂目立てした。非エッチング欠陥(段状であることが知られている)の数を数えて、その結果を図2A、図2B、図2C、及び図2Dに示した。それぞれの条件における結果に、標準材料における非エッチング欠陥の数も示した。標準試料は、例えば、陽極酸化処理しない(PTL標準)材料に、上記の陽極酸化処理材料と同様のエッチング及び電解砂目立の処理をおこなって形成した。
図面から判るように、非エッチング欠陥の数は、サンプルA(予備陽極酸化処理、層の厚さ10nm)では約40%減少し、サンプルB、C及びD(予備陽極酸化処理、層の厚さ20nm、26nm、及び28nm)では約70%減少した。
実施例6
予備陽極酸化処理してアルカリエッチングしたAA1050Aリソグラフシートを硝酸により電解砂目立てする研究
標準のPTLを洗浄、予備陽極酸化処理して、実施例1の条件B(層の厚さ20nm)及び条件D(層の厚さ28nm)に調製したサンプルを、3%NaOHにより、60℃で、エッチング時間2、5、8、10、12、及び15秒にてエッチングして、続いて脱イオン水によりすすいだ。全サンプルを、1.5%の硝酸により、40℃、電流密度50Adm−2で、砂目立て時間10、13、15、及び18秒にて電解砂目立てした。アルカリエッチングを10秒間行い、電解砂目立てを18秒間行うことにより、通常の工業的洗浄したリソグラフシートは、研究室の容器で完全に処理できることが明らかになった。表8に、60°光沢度の測定結果を示しており、この結果から砂目立ての程度を知ることができる。
Figure 0004333947
上記の結果を用いて、電解砂目立てを18秒間行ったサンプルについて、NaOHエッチング時間と60°光沢度との関係をプロットして、図3に示す。この図から、洗浄した通常のPTLリソグラフシート(例えば予備陽極酸化処理していない)では、電解砂目立てのレベルが、アルカリエッチング時間にあまり依存しないことがわかった。また、予備陽極酸化処理したシートを電解砂目立てするには、最低限のエッチング時間を必要とすることが明らかになった。
13秒間の電解砂目立てを行ったサンプルを製造する実験についても同様にプロット(図4)したところ、予備陽極酸化処理した表面は、アルカリエッチング時間が、条件Bでは5秒以上、条件Dでは10秒以上であれば、PTL標準(予備陽極酸化処理していない)材料に比べて、光沢レベルが低いことが示される。それらは、18秒の砂目立てを行った洗浄した通常のPTL材料と同様の表面を有している。
この結果から、アルカリエッチング条件が適正であるならば、予備陽極酸化表面を利用することにより、光沢レベルの同等な艶消し表面を要求されても、短時間で得ることができる。例えば、エッチング時間を8秒に設定すると、厚さ20nmのバリア薄膜には十分であるが、厚さ28nmの薄膜には利点がなく、実際には通常の材料より悪い。もし、アルカリエッチング時間を12秒まで増加すれば、20nm及び28nmの薄膜ともに、砂目立てに有利である。さらに、15秒まで増加すれば、20nmの薄膜の利点がいずれも減少することが示されている。
実施例7
1050Aリソグラフシートは、20%の燐酸中で、85℃、約1kC/mの電荷密度の電解により洗浄された。次いで、アルカリエッチング(約3%の水酸化ナトリウム)処理が、60℃、12秒以下で行われる。同様に電解洗浄したものを出発材料とする別のサンプルを、陽極酸化処理して、実施例1のサンプルBのように18nmの薄膜を形成する。このサンプルにも、12秒以下のアルカリエッチングで処理した。エッチング時間と60°光沢度との関係をプロットして図5に示す。比較のために、陽極酸化処理せずに燐酸中で電解洗浄したサンプル(PTL標準)もプロットした。図5からわかるように、陽極酸化処理したサンプルが到達する光沢度のレベルは、アルカリエッチング時間に依存している。60°光沢度が最小になるのは、2〜4秒の間である。
リソグラフシートのサンプルを電解砂目立てすることにより、十分な砂目立て表面を達成するのにかかる時間を調べる実験を行った。上記のサンプルには、18nmの薄膜付のものと、標準のPTL材料とが含まれる。
今回の試験も、これまでと同様に、シートをアルカリエッチングにより10秒間エッチングする。エッチング処理に続いて、標準材料及び陽極酸化処理材料を、硝酸により、14、16、18、21、及び23秒間の陽極酸化処理を行ない、60、70、80、90、及び100%の砂目立てを施した。
これらのサンプルを目視により観察した結果、陽極酸化処理したサンプルを18秒間又は21秒間砂目立てしたものと、標準材料を23秒間砂目立てしたものとが、視覚的には同等であった。標準材料のサンプルは、18秒及び21秒という短時間の砂目立て時間では、まだ金属的光沢があり、また外見がまちまちである。硝酸を用いた電解砂目立てをバッチ処理で行うと、表面を幾らか不均一にすることができる。製造されたサンプルは、陽極酸化サンプルを示しており、より早く、より均一な砂目立て感応性を有するようにする。この結果を、以下の表9及び表10に示しており、光沢度を図6に示す。
同様の実験を、6秒のアルカリエッチング処理の条件で繰り返した。ここで6秒とは、図5からわかるように最小時間に近い。再び、これらのサンプルを視覚的に試験した結果、陽極酸化処理したサンプルを18秒間又は21秒間砂目立てしたものと、標準材料を23秒で砂目立てしたものとが、視覚的には同等であった。標準材料のサンプルは、18秒及び21秒という短時間の砂目立て時間では、まだ金属的光沢があり、また外見がまちまちであった。この結果を、以下の表11及び表12に示しており、光沢度を図7に示す。
Figure 0004333947
Figure 0004333947
Figure 0004333947
Figure 0004333947
予備活性化したリソグラフシートのアルカリエッチング感応性を示すグラフである。 異なる処理条件で陽極酸化処理したサンプルごとに、非エッチング欠陥の数を示したグラフである(A〜D)。 18秒の硝酸砂目立てしたサンプルについての、NaOHエッチング時間に対する光沢度を示すグラフである。 13秒の硝酸砂目立てしたサンプルについての、NaOHエッチング時間に対する光沢度を示すグラフである。 PTL標準材料及び陽極酸化材料についての、アルカリエッチング時間に対する光沢度を示すグラフである。 10秒のアルカリエッチングしたPTL標準材料及び陽極酸化材料についての、硝酸による電解砂目立て時間に対する光沢度を示すグラフである。 6秒のアルカリエッチングしたPTL標準材料及び陽極酸化材料についての、硝酸による電解砂目立て時間に対する光沢度を示すグラフである。

Claims (32)

  1. 粗面化された表面を有し、リソグラフ用基板として使用されるアルミニウム合金シートの製造方法であって、該方法が、
    (1)アルミニウム合金シートの表面を陽極酸化処理条件で処理して、上記シート表面に厚さ10〜50nmの酸化アルミニウムのバリア層を形成する工程と、
    (2)上記酸化アルミニウムバリア層を、アルカリ水溶液により、35℃〜80℃で、全ての又は実質的に全ての上記バリア層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ処理して、合金表面に粗面を残す工程と、
    を含んでおり、
    工程(2)において、処理時間が3〜20秒である粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  2. アルミニウム合金シートが、AA1000系又はAA3000系から選ばれた合金から成るシートである請求項1に記載のアルミニウム合金シートの製造方法。
  3. アルミニウム合金シートが、AA1050A、AA1200A、又はAA3103の合金シートを含んでいる請求項2に記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  4. 工程(1)において、アルミニウム合金シートが、3〜15g/リットルのアルミニウムを含む20%の燐酸を用いて、温度55℃〜80℃、電流密度2〜3kAm−2の条件で陽極酸化処理される請求項1乃至3のいずれかに記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  5. 陽極酸化処理が交流を用いて行われる請求項1乃至4のいずれかに記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  6. 陽極酸化処理が直流を用いて行われる請求項1乃至4のいずれかに記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  7. アルミニウム合金シート表面に、厚さ10〜50nmの酸化アルミニウムバリア層が形成される請求項1乃至6のいずれかに記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  8. アルミニウム合金シート表面に、厚さ20〜30nmの酸化アルミニウムバリア層が形成される請求項7に記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  9. 酸化アルミニウムバリア層が非多孔質である請求項1乃至8のいずれかに記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  10. 工程(2)において、アルカリ水溶液が、NaOH又はKOHの水溶液から選ばれる請求項1乃至9のいずれかに記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  11. アルカリ水溶液の濃度が1〜10%である請求項10に記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  12. アルカリ水溶液が、2〜5%のNaOH溶液である請求項11に記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  13. アルミニウム合金シートが、AA1050A合金から成り
    シートの表面を陽極酸化処理条件で処理して、上記シート表面に厚さ10〜30nmの非多孔質酸化アルミニウムのバリア層を形成しており、
    工程(2)において、酸化アルミニウム層を、3%アルカリ水溶液により、60℃で、3〜8秒間処理する請求項1に記載の粗面化アルミニウム合金シートの製造方法。
  14. 請求項1乃至13のいずれかに記載の製造方法により形成されて、リソグラフ用基板として使用されるアルミニウム合金シート。
  15. 粗面化された表面を有し、リソグラフ用基板として使用されるアルミニウム合金シートの利用であって、
    上記アルミニウム合金シートは、その製造工程中に、シート表面に厚さ20〜30nmの非多孔質酸化アルミニウム層が備えており、
    製造工程が、非多孔質酸化アルミニウム層を、アルカリ水溶液により、35℃〜80℃で、全ての又は実質的に全ての層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ処理して、合金表面に粗面を残す処理を含んでおり、
    上記粗面を残す処理の処理時間が3〜20秒であるアルミニウム合金シートの利用。
  16. 合金シートがAA1050A合金から成る請求項15に記載のアルミニウム合金シートの利用。
  17. 上記非多孔質酸化アルミニウム層が、2〜5%のアルカリ水溶液により、3〜8秒間処理される請求項15又は16に記載のアルミニウム合金シートの利用。
  18. リソグラフ用基板として使用される砂目立てしたアルミニウム合金シートの製造方法であって、該方法が、
    (1)アルミニウム合金シートの表面を陽極酸化処理条件で処理して、上記シート表面に厚さ10〜50nmの酸化アルミニウムのバリア層を形成する工程と、
    (2)上記酸化アルミニウムバリア層を、アルカリ水溶液により、35℃〜80℃で、全ての又は実質的に全ての上記バリア層を合金表面から除去するのに十分な時間だけ処理して、合金シートに粗面を残す工程と、
    (3)上記合金シートの粗面を砂目立てする工程と、
    を含んでおり、
    工程(2)において、処理時間が3〜20秒である砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  19. アルミニウム合金シートが、AA1000系又はAA3000系から選ばれた合金から成るシートである請求項18に記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  20. アルミニウム合金が、AA1050A、AA1200A、又はAA3103の合金から選ばれる請求項18又は19に記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  21. 工程(1)において、アルミニウム合金シートが、3〜15g/リットルのアルミニウムを含む20%の燐酸を用いて、温度55℃〜80℃、電流密度2〜3kAm−2の条件で陽極酸化処理される請求項18乃至20のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  22. 陽極酸化処理が交流を用いて行われる請求項18乃至21のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  23. 陽極酸化処理が直流を用いて行われる請求項18乃至21のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  24. アルミニウム合金シート表面に、厚さ10〜50nmの酸化アルミニウムバリア層が形成される請求項18乃至23のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  25. アルミニウム合金シート表面に、厚さ20〜30nmの酸化アルミニウムバリア層が形成される請求項24に記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  26. 酸化アルミニウムバリア層が非多孔質である請求項18乃至25のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  27. 工程(2)において、アルカリ水溶液が、NaOH又はKOHの水溶液から選ばれる請求項18乃至26のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  28. アルカリ水溶液の濃度が1〜10%である請求項27に記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  29. アルカリ水溶液が、2〜5%のNaOH溶液である請求項28に記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  30. 工程(3)において、砂目立てが、硝酸中での電解砂目立てである請求項18乃至29のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  31. 工程(3)において、砂目立てが、付加的な砂目立てである請求項18乃至29のいずれかに記載の砂目立てアルミニウム合金シートの製造方法。
  32. 上記付加的な砂目立てが、アルミニウム合金シートの粗面にゾルゲル法による被膜又は薄膜を塗布することを含み、上記被膜及び薄膜が、親水性又は疎水性の層を含んでいる請求項31に記載の方法。
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