JP3867420B2 - 平版印刷版用支持体及びその製造方法 - Google Patents

平版印刷版用支持体及びその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版用支持体及びその製造方法に関するものであり、更に詳しくは、陽極酸化皮膜の強度を飛躍的に上げ、非塗工紙、特に再生紙使用時の高耐刷性、高耐摩耗性を有し、かつ長期保存安定性に優れる平版印刷版用支持体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、感光性平版印刷版に用いられる支持体としては、印刷適性の面から親水性、保水性、感光層との接着性に優れたものが要求され、このような観点から通常表面を砂目立てといわれる粗面化処理を施されたアルミニウム版が用いられている。粗面化処理は、ボール研磨、ブラシ研磨、ブラスト研磨、ホーニング研磨等の機械的粗面化法、また塩酸、硝酸等の酸性電解液中で交流あるいは直流によって支持体表面を電解処理する電気化学的粗面化法等が知られている。また、これらの手法を複数組み合わせる事もある。このような方法で砂目立て処理したアルミニウム版はそのままでは印刷適性、耐摩耗性、保存時安定性に劣るので、次いで陽極酸化処理を行って表面に陽極酸化膜を形成させる。陽極酸化処理としては硫酸、リン酸、シュウ酸、クロム酸等が従来から広く知られており、これらの酸を単独、あるいは複数混合して用いる。
【0003】
これらの酸中でアルミニウムを陽極酸化すると、陽極酸化皮膜には表面に垂直であり、個々が均一に分布した極微細なマイクロポアが形成される。
【0004】
このマイクロポアは陽極酸化皮膜の空隙となるために、マイクロポアの容積が増加するにつれて酸化皮膜の強度が低下してしまうという問題が生じている。また、マイクロポア容積の増大は陽極酸化皮膜の表面積の増大となり、表面活性が増加する。その結果、感光層を塗布する際には特に問題は生じないものの、現像処理の際に非画線部の感光層が完全に除去されない現象、いわゆる現像不良が発生してしまう。この問題を現像液で対処しようとすると、より多くの酸化皮膜(水和酸化アルミニウム)が溶出し、現像液を劣化させてしまう問題を抱えている。
【0005】
また、現像後、版を長時間大気中に放置すると、露出した非画線部の陽極酸化皮膜の高エネルギー表面が汚れを吸着してしまういう問題がある。
【0006】
マイクロポアの空隙及び表面積は陽極酸化処理時の電圧に依存し、電圧が高い程空隙が少なく、硬質でありかつ表面活性が低い酸化皮膜が得られる事が知られている。しかし、電圧を上げると陽極酸化処理面での温度やイオン濃度の偏り等の影響による電流の一局集中がおこり、反応が局所的に進行したいわゆる「やけ」が発生し、連続的に生産する事が困難であった。
【0007】
また陽極酸化処理の初期は電流、あるいは電圧が不安定であり、その際に形成された陽極酸化皮膜表面におけるマイクロポアの密度が非常に多くなってしまうという問題もある。
【0008】
これらの問題を解決し、各種印刷適性、特に耐刷性を改良するために、特開昭61−100497号では酸の限定と表面処理、マイクロポアの形状の規定、特開昭63−62795号では粗面化処理後の水和物形成及び珪酸塩処理、特開平1−150583号では陽極酸化皮膜の封孔率の規定、特開平5−50779号ではマイクロポア中への水酸基を有する無機粒子の含有およびその製造方法、特開平8−324144号では封孔処理後のマイクロポア密度、陽極酸化皮膜厚さ、マイクロポア径及びRzの関係式の規定、特開平10−062972号では陽極酸化皮膜の珪酸処理とマイクロポア径、マイクロポア密度が規定されているが、いずれの方法でも非塗工紙、特に再生紙を使用した際の耐刷性を得る事は不可能であった。
【0009】
また特開平4−97896号、同4−148992号ではアルミニウムの表面に水和酸化皮膜を形成した後に陽極酸化処理を施す方法が規定されているが、高電圧での陽極酸化時に「やけ」の発生を防ぐには不十分であった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、過酷な印刷条件でも良好な耐刷性、耐摩耗が得られ、また長時間放置後の安定性が得られる平版印刷版用支持体と、上記支持体を、やけが発生する事無く連続的に得る製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記構成により達成される。
【0012】
(1) アルミニウム平版印刷版用支持体の陽極酸化処理を行う際、アルミニウム表面にバリヤー型陽極酸化皮膜を形成し、引き続きポーラス型陽極酸化皮膜を形成することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法
(2) 前記1記載の製造方法によって得られる平版印刷版用支持体の、陽極酸化皮膜の最表層のマイクロポア密度400〜700個/μm2であり、かつ、陽極酸化皮膜とアルミニウムとの界面のマイクロポア密度350〜650個/μm2あることを特徴とする平版印刷版用支持体。
【0013】
) 陽極酸化皮膜の最表層のマイクロポア密度が400〜600個/μm2であり、かつ、陽極酸化皮膜とアルミニウムとの界面のマイクロポア密度が350〜500個/μm2あることを特徴とする前記記載の平版印刷版用支持体。
【0015】
以下、本発明について詳細に記載する。上記目的を満たすための平版印刷版用支持体及びその製造方法について詳細な研究を行った結果、陽極酸化皮膜表層のマイクロポア密度が400〜700個/μm2かつ陽極酸化皮膜とアルミニウムとの界面のマイクロポア密度が350〜650個/μm2、好ましくは陽極酸化皮膜表層のマイクロポア密度が400〜600個/μm2かつ陽極酸化皮膜とアルミニウムとの界面のマイクロポア密度が350〜500個/μm2であると上記目的を達成できる事を見出したが、特により印刷条件が過酷である再生紙使用時の支持体の耐刷性、耐摩耗性を飛躍的に向上させる事ができた。また、アルミニウム表面にバリヤー型陽極酸化皮膜を形成し、続いてポーラス型陽極酸化皮膜を形成する事により高電圧による電解でも「やけ」の発生が抑えられ、上記物性を有する優れた陽極酸化皮膜を得る事が可能となる事を新たに見出した。
【0016】
バリヤー型陽極酸化皮膜とはホウ酸塩、炭酸塩、酒石酸塩等、特定の電解液でアルミニウムを陽極酸化する事によって得られる、多孔質構造ではない緻密な陽極酸化アルミニウム皮膜を指す。
【0017】
ポーラス型陽極酸化皮膜とは、平版印刷版用アルミニウム支持体の表面に一般的に作製される、皮膜表面に垂直であり、個々が均一に分布した極微細なマイクロポアを有する陽極酸化アルミニウム皮膜を指す。
【0018】
本発明に使用されるアルミニウム支持体は、純アルミニウムおよびアルミニウム合金よりなる支持体である。アルミニウム合金としては種々のものが使用でき、例えば珪素、銅、マンガン、マグネシウム、クロム、亜鉛、鉛、ビスマス、ニッケル、チタン、鉄等の金属とアルミニウムの合金が用いられる。本発明に使用されるアルミニウム支持体は、組成を特に限定するものではなく、公知、公用のものを適用する事ができる。好ましい素材としてはJIS規格A1050、同1100である。アルミニウム支持体は、粗面化に先立ってアルミニウム表面の圧延油を除去するために脱脂処理を施すことが好ましい。脱脂処理としては、トリクレン、シンナー等の溶剤を用いる脱脂処理、ケシロン、トリエタノール等のエマルジョンを用いたエマルジョン脱脂処理、苛性ソーダ等のアルカリの水溶液を用いたアルカリ脱脂処理等が用いられる。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、上記脱脂処理のみでは除去できない汚れや酸化皮膜も除去することができるために好ましい。脱脂処理に苛性ソーダ等のアルカリ水溶液を用いた場合、支持体の表面にはアルカリ不溶性のスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、またはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。次にこれらアルミ板は通常、均一緻密な砂目を有する様に粗面化処理が行われるが、粗面化法としてはロール状金属ワイヤーやナイロンブラシを回転させて行うワイヤーグレイン、ブラシグレインや研磨剤を表面に衝突させて行うブラストグレイン等の機械的粗面化法や電解グレインと称される電気化学的粗面化方法、更にはこれらの粗面化法を組み合わせた方法及び中間に比較的強い化学的粗面化を組み合わせた方法等が提案されている。本願では、これらのうち少なくとも1種の粗面化処理を施すことが好ましい。中でも、塩酸水溶液中での電解研磨処理を施すことが好ましい。塩酸水溶液中での電解条件は特に規定はないが、例えば塩酸の濃度が1〜10wt%、液温5〜50℃、電流密度20〜100A/dm2、電気量100〜800C/dm2の範囲で行う。また電気化学的粗面化処理を行った後には酸またはアルカリによる化学的な処理を行う。この目的は、電気化学的粗面化処理後の表面に生成したスマット等を取り除くためである。酸としては、例えば硫酸、過硫酸、弗酸、燐酸、硝酸、塩酸等が含まれ、塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が含まれる。これらの中でもアルカリの水溶液を用いるのが好ましい。上記処理をアルカリの水溶液で行った場合、支持体の表面にはアルカリ不溶性のスマットが生成するので、この場合には、燐酸、硝酸、硫酸、クロム酸等の酸、あるいはそれらの混酸に浸漬しデスマット処理を施すことが好ましい。
【0019】
続いて表面の強度を付与し、かつ表面の活性を制御するために陽極酸化処理を施す。本発明のアルミニウム陽極酸化皮膜を得るためには、第1にアルミニウム表面にバリヤー型の陽極酸化皮膜を形成し、薄く緻密な陽極酸化皮膜の絶縁層を得る。第2にこの表面にポーラス型陽極酸化皮膜を作製する。
【0020】
このように第2の陽極酸化処理前に緻密な絶縁層を設けることにより、高電圧の陽極酸化処理で顕著になる電解開始時の急激な電流の立ち上がりを防止する事ができ、電解開始から終了に至るまで安定な電解、すなわち「やけ」の発生しない優れたマイクロポア形状を得ることができる。
【0021】
第1のバリヤー型陽極酸化皮膜を得るための電解質としては、バリヤー型皮膜を形成するものならどのようなものを用いても構わないが、ホウ酸アンモニウム、炭酸アンモニウム等の水溶液中で直流電解することが好ましい。バリヤー型陽極酸化皮膜の厚さは陽極酸化時の電圧に大きく依存するため、電圧を制御する事は非常に重要である。本発明では5〜40V、好ましくは10〜30Vの範囲で行うことが好ましい。電圧が低すぎると第2のポーラス型陽極酸化皮膜作成時に表面絶縁層としての効果が得られない。また、電圧が高すぎるとポーラス型陽極酸化処理の電解時間が長くなってしまう。電解液濃度、電解時間は実際の製造設備によって大きく異なるが、一例として20〜30℃、電解時間10〜30秒で行う。また、バリヤー型酸化皮膜の膜厚がおよそ以下の関係式で成り立つように電流密度、電解時間を調整する事も好ましい。膜厚が以下の関係式を下回る場合は電流密度、電解時間の一方あるいは両方を増加させる。
【0022】
陽極酸化電圧[V]×1.0≦バリヤー型陽極酸化皮膜の膜厚(nm)
第2のポーラス型陽極酸化皮膜を得るための電解質としては、ポーラス型陽極酸化皮膜を形成するものならばどのようなものを用いても構わないが、硫酸、リン酸を単独あるいは混合して直流電解する事が好ましい。電圧は18〜40Vが好ましく、20〜30Vで行う事がより好ましい。電流密度は5〜60A/dm2が好ましく、5〜40A/dm2がより好ましい。ポーラス型陽極酸化皮膜の膜厚は電解時間に比例するが、0.3〜1.5μmが好ましく、0.5〜1.0μmがより好ましい。
【0023】
陽極酸化された支持体は、必要に応じて封孔処理を施してもよい。支持体にはさらに、親水層を設けてもよい。親水層の形成には、米国特許第3,181,461号明細書に記載のアルカリ金属珪酸塩、米国特許第1,860,426号明細書に記載の親水性セルロース、特開昭60−149491号公報、特開昭63−165183号公報に記載のアミノ酸及びその塩、特開昭62−19494号公報に記載のリン酸塩、特開昭59−101651号公報に記載のスルホ基を有するモノマー単位を含む高分子化合物等を用いることができる。
【0024】
更に、感光性平版印刷版を重ねたときの感光層への擦れ傷を防ぐために、また、現像時、現像液中へのアルミニウム成分の溶出を防ぐために、特開昭50−151136号、特開昭57−63293号、特開昭60−73538号、特開昭61−67863号、特開平6−35174号等に記載されている、支持体裏面に保護層を設ける処理を行うことが出来る。
【0025】
本発明の平版印刷版用支持体に感光性組成物の層を設けることにより、平版印刷版あるいは感光性平版印刷版を得ることができる。感光性組成物としてはどのようなものを用いても構わないが、特開平10−869号に記載のものが好ましい。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明の様態はこれに限定されない。なお、本文中%は重量%を表す。
【0027】
実施例1
厚さ0.3mmのアルミニウム版(材質1050、調質H16)を、85℃に保たれた10%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、30秒間脱脂処理を行った後水洗した。この脱脂したアルミニウム版を、25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に1分間浸漬し、デスマット処理した後水洗した。次いでこのアルミニウム版を、1.0%の塩酸水溶液中において、温度30℃、電流密度60A/dm2の条件で50Hzの正弦波交流電流により30秒間電解粗面化した。その後、60℃に保たれた10%水酸化ナトリウム水溶液中に10秒間浸漬し、次いで25℃に保たれた10%硫酸水溶液中に20秒間浸漬し、デスマット処理した後水洗した。続いて、第1段の陽極酸化処理として5%のホウ酸アンモニウム水溶液中で温度20℃、電圧15Vで30秒間陽極酸化処理を行い、表面にバリヤー型陽極酸化膜を形成した。水洗後、第2段の陽極酸化処理として10%硫酸水溶液中で温度10℃、電圧20Vで70秒間陽極酸化処理を行い、バリヤー型陽極酸化を転化してポーラス型陽極酸化膜を形成した。十分水洗した後に80℃で5分間乾燥してアルミニウム印刷版用支持体1を得た。
【0028】
実施例2
第1段の陽極酸化処理で電圧20Vで陽極酸化処理を行い、第2段の陽極酸化処理で電圧25Vで陽極酸化処理を行った以外は実施例1と同様にしてアルミニウム印刷版用支持体2を得た。
【0029】
比較例1
第1段の陽極酸化処理を行わずにpH10のKOH水溶液に100℃30秒間浸漬した後、第2段の陽極酸化処理において電圧20Vで陽極酸化処理を行った以外は実施例1と同様にしてアルミニウム印刷版用支持体3を得た。その際に陽極酸化処理面にやけが発生し、陽極酸化膜の膜厚が面内で大きく異なった。このような印刷版用支持体は外観上の問題もあり、印刷版に用いる事はできない。
【0030】
比較例2
第1段の陽極酸化処理を行わず、第2段の陽極酸化処理において電圧17Vで陽極酸化処理を行った以外は実施例1と同様にしてアルミニウム印刷版用支持体4を得た。
【0031】
比較例3
第1段の陽極酸化処理を行わず、第2段の陽極酸化処理において電圧13Vで陽極酸化処理を行った以外は実施例1と同様にしてアルミニウム印刷版用支持体5を得た。
【0032】
陽極酸化皮膜最表層のマイクロポア密度測定
上記アルミニウム支持体1、2、4、5を5%、30℃のリン酸水溶液に浸漬してマイクロポア径を拡大し、表面におけるマイクロポアの面積率が40%以上となる様にした。これらの試料について高分解能走査型電子顕微鏡(日立製作所製S−5000)を用いて加速電圧3.0kV、250,000倍で観察し、5視野の平均値で陽極酸化膜最表層のマイクロポア密度を求めた結果、表1に示した結果が得られた。
【0033】
陽極酸化皮膜とアルミニウムの界面のマイクロポア密度測定
上記アルミニウム支持体1、2、4、5を、無水クロム酸20g、85%リン酸35ml(水溶液1リットル中)の混合水溶液に50℃で8時間浸漬する事によって酸化皮膜のみを選択的に除去した。これらの試料のアルミニウム表面に形成された、マイクロポア底部をかたどった凹状ピットについて、酸化皮膜最表層のマイクロポア密度測定と同様の手法で陽極酸化皮膜とアルミニウムの界面のマイクロポア密度を求めた結果、表1に示した結果が得られた。
【0034】
上記アルミニウム支持体1、2、4、5について下記組成の感光性組成物塗布液をワイヤーバーを用いて塗布し、80℃で2分間乾燥し、感光性平版印刷版1、2、4、5を得た。このとき、感光性組成物塗布液は乾燥重量として2.0g/m2となるようにした。
【0035】
ノボラック樹脂 6.70g
(フェノール/m−クレゾール/p−クレゾールのモル比が10/54/36
でMwが4000)
ピロガロールアセトン樹脂(Mw:3000)とo−ナフトキノンジアジド
−5−スルホニルクロリドの縮合物(エステル化率30%)1.50g
ポリエチレングリコール#2000 0.20g
ビクトリアピュアブルーBOH(保土ヶ谷化学(株)製) 0.08g
2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(p−メトキシスチリル)−S−ト
リアジン 0.15g
FC−430(住友3M(株)製) 0.03g
cis−1,2シクロヘキサンジカルボン酸 0.02g
メチルセロソルブ 100ml
得られたポジ型平版印刷版について耐刷性、長時間放置後の安定性を調べたところ、表1に示した結果が得られた。
【0036】
印刷評価
[耐刷性]
得られた平版印刷版を、印刷機(三菱重工業(株)製DAIYA1F−1)にかけ、コート紙、湿し水(東京インキ(株)製エッチ液SG−51 濃度1.5%)、インキ(東洋インキ製造(株)製ハイプラスM紅)を使用して印刷を行い、印刷物の画像部にインキ着肉不良が現れるか、または非画像部にインキが付着するまでの印刷枚数を耐刷性として評価した。
【0037】
[再生紙使用時の耐刷性]
印刷紙に再生紙を用いた以外は上記耐刷性評価と同様にして印刷を行い、印刷物の画像部にインキ着肉不良が現れるか、または非画像部にインキが付着するまでの印刷枚数を耐刷性として評価した。
【0038】
[長時間放置後安定性]
現像後の版を5日間放置した後、バーニング処理及びガム引きを行わなかった以外は耐刷性評価と同様の条件で1000枚の印刷を行い、汚れの程度を目視により評価した。
【0039】
○汚れが全く生じなかった
△わずかに汚れた
×部分的〜全面が汚れた
【0040】
【表1】
Figure 0003867420
【0041】
表1から明らかなように、本発明の支持体はやけが発生する事無く製造でき、しかも、過酷な印刷条件でも良好な耐刷性、耐摩耗が得られ、また長時間放置後の安定性が得られる平版印刷版用支持体であることが判る。
【0042】
【発明の効果】
本発明により、過酷な印刷条件でも良好な耐刷性、耐摩耗が得られ、また長時間放置後の安定性が得られる平版印刷版用支持体と、上記支持体を、やけが発生する事無く連続的に得る製造方法を提供することができた。

Claims (3)

  1. アルミニウム平版印刷版用支持体の陽極酸化処理を行う際、アルミニウム表面にバリヤー型陽極酸化皮膜を形成し、引き続きポーラス型陽極酸化皮膜を形成することを特徴とする平版印刷版用支持体の製造方法
  2. 請求項1記載の製造方法によって得られる平版印刷版用支持体の、陽極酸化皮膜の最表層のマイクロポア密度が400〜00個/μm2であり、かつ、陽極酸化皮膜とアルミニウムとの界面のマイクロポア密度が350〜650個/μm2あることを特徴とする平版印刷版用支持体。
  3. 陽極酸化皮膜の最表層のマイクロポア密度が400〜600個/μm 2 であり、かつ、陽極酸化皮膜とアルミニウムとの界面のマイクロポア密度が350〜500個/μm 2 であることを特徴とする請求項2記載の平版印刷版用支持体
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