JP2000318338A - 印刷版製造方法 - Google Patents

印刷版製造方法

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JP2000318338A
JP2000318338A JP11127383A JP12738399A JP2000318338A JP 2000318338 A JP2000318338 A JP 2000318338A JP 11127383 A JP11127383 A JP 11127383A JP 12738399 A JP12738399 A JP 12738399A JP 2000318338 A JP2000318338 A JP 2000318338A
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aluminum
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treatment
plate
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JP11127383A
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Hiroshi Fukuda
浩史 福田
Masae Kawamura
昌江 河村
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Fujifilm Holdings Corp
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 平版印刷版の製造工程の一つであるアル
ミニウム板の表面を電気化学的に粗面化処理する工程に
おいて、均一なピットを生成できるとともに、チャター
マークの品質レベル及び印刷性能レベルを良好に維持し
た平版印刷版用支持体を安価かつ安定的に製造すること
ができるようにする。 【解決手段】 電解処理槽1の内部には、電解液2に浸
漬した状態で電極3及びアルミニウム板4が配置される
とともに、これらの下方に超音波発振素子5が配置され
ている。電極3及びアルミニウム板4は電解処理電源6
に接続されている。このような電気化学的粗面化処理装
置において、超音波発振素子5で周波数が20kHz〜
50kHzの超音波を照射しつつ、電気量が、50c/
dm2以上300c/dm2以下の範囲に調整してアルミ
ニウム板4を粗面化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷版の製造方法
に関するものであり、さらに詳しくは、平版印刷版用支
持体に用いるアルミニウム板を電気化学的に粗面化する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、印刷版用支持体、特に平版印刷
版用支持体としては、アルミニウム又はアルミニウム合
金からなるアルミニウム板が用いられている。
【0003】アルミニウム板を平版印刷版用支持体とし
て使用するためには、感光材との適度な密着性と湿し水
との保水性を有し、さらに均一に粗面化されていること
が必要である。均一に粗面化されているということは、
生成されたピットの大きさが適度に揃っており、かつそ
のピットが全面均一に生成していることである。また、
このピットは、版材の印刷性能である汚れ難さ、耐刷性
等と、また、外観の均一性等にも著しい影響を及ぼすた
めに、均一に所定の大きさのピットを生成することは、
一定品質の平版印刷版用支持体を製造する上で重要なこ
とである。
【0004】平版印刷版用支持体の粗面化方法として
は、機械的粗面化処理、化学的粗面化処理、電気化学的
粗面化処理等があるが、電気化学的粗面化処理として
は、交流電解エッチング法が主に採用されている。この
交流電解エッチング法は、電流波形として普通の正弦波
交流電流、矩形波などの特殊交番波形電流を用い、アル
ミニウム板に対して、黒鉛等適当な電極を対極として粗
面化処理を行っている。そして、このような電気化学的
粗面化処理は、通常1回から3回行われており、異なる
条件で行った粗面化処理を重ねあわせたりすることで良
好な粗面化が行われている。
【0005】このような電気化学的粗面化方法として
は、従来、種種の方法が提案されていいる。例えば、特
殊な電源波形を使った粗面化方法(特開昭53−675
07号公報、特開昭55−25381号公報)、交流を
用い陽極時と陰極時の電気量の比率を工夫した粗面化方
法(特開昭54−65607号公報)、単位面積の通電
量の組み合わせによるもの(特開昭56−29699号
公報)、電源周波数を調整してチャターマークを許容レ
ベルに抑えることによりチャターマークを改善したもの
(特開平2−298300号公報)、ラインスピード、
給電電極の先端部距離などを最適な条件にすることで、
チャターマークをほとんど目立たなくできるようにした
もの(特開平6−88299号公報)、電流波形の立ち
上がり時間を急峻にすることで均一なピットを生成でき
るようにしたもの(特開平3−79799号公報)等が
提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述した特開平3−7
9799号公報で提案された電気化学的粗面化方法は、
均一なピットを生成することができ好ましいものであっ
たが、電流のピーク値迄に達する時間が短く、それに見
合う電圧を印加しなければならず、電源使用素子も耐電
圧の高いものが必要であり、ランニングコストが高いと
いう欠点があった。さらに、外観品質で重要なチャター
マークが発生しやすいという欠点もあった。
【0007】また、特開平2−298300号公報及び
特開平6−88299号公報において提案されている電
気化学的粗面化方法は、ラインスピードによって周波数
を制御したり給電部距離等を変更しなければならず、現
実には、各種品種によりラインスピードを変える必要が
あり、品種切り替え作業が非常に大変になり、生産コス
トが上がってしまうものであった。
【0008】また、コストダウンのために、近年、熱処
理工程を省略したアルミニウム板や不純物の多いアルミ
ニウム合金を用いるようになり、そのようなアルミニウ
ム板を表面処理するとスジ状の面質故障が生じるという
問題があった。
【0009】本発明の目的は、平版印刷版の製造工程の
一つであるアルミニウム板の表面を電気化学的に粗面化
処理する工程において、均一なピットを生成できるとと
もに、チャターマークの品質レベル及び印刷性能レベル
を良好に維持した平版印刷版用支持体を安価かつ安定的
に製造することができる印刷版製造方法を提供すること
にある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題は、本発明の印
刷版製造方法によって達成される。すなわち、本発明の
印刷版製造方法は、周波数が20kHz〜50kHzの
超音波を照射しつつアルミニウム板を電気化学的に粗面
化処理することを特徴として構成されている。
【0011】前記アルミニウム板は、中間焼鈍処理及び
均熱処理の少なくとも一つを省略したDC鋳造法で製造
されたアルミニウム板又は中間焼鈍処理を省略した連続
鋳造法で製造されたアルミニウム板であり、かつアルミ
ニウム合金の異元素を含有する割合が、Siが0.05
〜1.0重量%、Feが0.1〜1.0重量%、Cuが
0.01〜0.2重量%、Tiが0.01〜0.1重量
%、Mnが0〜1.5重量%、Mgが0.0〜0.3重
量%、Znが0〜0.1重量%であることが好ましい。
【0012】また、アルミニウム板を電気化学的に粗面
化処理する電気量が、50c/dm 2以上300c/d
2以下であることが好ましい。
【0013】さらに、アルミニウム板の電気化学的な粗
面化処理後のアルカリエッチングにおけるアルミニウム
溶解量が3g/m2以下であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】平版印刷版の製造において、その
支持体となるアルミニウム板の表面処理工程は、一般的
に、機械的粗面化工程、アルカリエッチング工程、アル
カリエッチング工程で発生したスマット(アルカリエッ
チングしたアルミニウム板の表面に生成されるアルカリ
に不溶な物質)を除去するデスマット工程、電気化学的
に粗面化する電気化学的粗面化工程、電気化学的粗面化
工程で発生したスマットを除去するデスマット工程、電
気化学的粗面化工程で生成したピットのエッジをアルカ
リエッチングするアルカリエッチング工程、デスマット
工程、陽極酸化工程及び各工程毎の水洗工程からなって
いる。
【0015】本発明は、以上のようなアルミニウム板の
表面処理工程における電気化学的粗面化処理工程に関す
るものである。
【0016】本発明による電気化学的粗面化処理の前
に、まず、必要に応じてアルミニウム板を機械的に粗面
化処理する。この機械的粗面化処理としては、ブラシグ
レイン、液体ホーニング等各種方法があり、求める粗
さ、粗面形状、コストなどによって各種選択する。
【0017】この機械的粗面化処理の後であって電気化
学的粗面化処理の前にアルカリエッチングしてアルミニ
ウム板の表面を洗浄する。アルカリエッチングに用いら
れるアルカリ液としては、一般に、濃度1%〜40%の
苛性ソーダ、メタ珪酸ソーダ、グルコン酸ソーダ等を用
い、エッチング温度は20℃〜90℃、エッチング処理
時間は1秒〜2分、また、その中に含まれているアルミ
濃度は20%以下で処理する。
【0018】アルミニウム溶解量としては、機械的粗面
化処理を行った場合は、2g/m2以上、 15g/m2
以下が好ましく、機械的粗面化処理を行わない場合は、
0.01g/m2以上、15g/m2以下が好ましい。ア
ルカリエッチング処理に続いて、アルカリエッチングに
より発生したスマットを除去するためにデスマット処理
を行う。デスマット方法としては、特公昭56−113
16号公報に記述の硫酸を使った方法、あるいは、硝酸
で行う方法等各種提案されている。
【0019】以上のような前処理工程の後、電解液の中
で交流又は直流電流を流して本発明による電気化学的粗
面化処理を行い、アルミニウム板に電気化学的にピット
を生成して粗面化する。
【0020】本発明において電気化学的な粗面化処理に
使用する電解液は、酸性電解液、中性塩溶液、アルカリ
溶液など特に限定はしないが、例えば、硝酸溶液の場合
は、硝酸濃度は5g/l〜50g/l、アルミニウム濃
度は、1g/l〜50g/l、温度は、10℃〜60
℃、電解電流密度は、10A/dm2〜80A/dm2
好ましい。
【0021】上記電解液での電気化学的粗面化処理時
に、電解液中に周波数が20kHz〜50kHzの超音
波を照射しながら粗面化処理する。周波数が20kHz
〜50kHzの超音波を照射することにより、チャター
マークの発生を少なくすることができ、特に、熱処理工
程を省略したアルミニウム板や不純物の多いアルミニウ
ム合金からなるアルミニウム板を用いた場合であって
も、均一な粗面を形成できるとともに、スジ状の面質故
障の発生を防止することができる。超音波の周波数が2
0kHz未満であったり、周波数が50kHzを超える
場合には、均一な粗面化の効果が低下することがある。
【0022】本発明で用いるアルミニウム板としては、
中間焼鈍処理及び均熱処理の少なくとも一つを省略した
DC鋳造法で製造されたアルミニウム板又は中間焼鈍処
理を省略した連続鋳造法で製造されたアルミニウム板で
あり、かつアルミニウム合金の異元素を含有する割合
が、Siが0.05〜1.0重量%、Feが0.1〜1.0
重量%、Cuが0.01〜0.2重量%、Tiが0.0
1〜0.1重量%、Mnが0〜1.5重量%、Mgが
0.0〜0.3重量%、Znが0〜0.1重量%である
ものを用いることができる。
【0023】このようなアルミニウム板を用いることに
より、印刷版を安価に製造することができる。従来、こ
のようなアルミニウム板はスジ状の面質故障が発生し、
良好な品質の印刷版を製造することができないものであ
ったが、本発明により初めて印刷版として良好な品質に
できたものである。
【0024】アルミニウム板を電気化学的に粗面化処理
する電気量は、 50c/dm2以上300c/dm2
下が好ましい。電気量が50c/dm2未満であると、
超音波照射によるピット小径化の効果がほとんど無くな
ることがある。また、電気量が300c/dm2を超え
ると、 汚れ難さ及びチャターマークが悪化するととも
に、均一に粗面化することが困難になる。
【0025】アルミニウム板の電気化学的な粗面化処理
後のアルカリエッチングにおけるアルミニウム溶解量は
3g/m2以下が好ましい。アルミニウム溶解量が3g
/m2を超えると、汚れ難さが悪化するものである。
【0026】本発明における電気化学的粗面化処理に用
いる電気化学的粗面化処理装置の例を図1及び図2に示
す。
【0027】図1はバッチ処理方式の電気化学的粗面化
処理装置の模式図である。この図において、1は電解処
理槽で、この電解処理槽1に電解液2が貯溜されてい
る。そして、この電解処理槽1の内部には、電解液2に
浸漬した状態で電極3及びアルミニウム板4が配置され
るとともに、これらの下方に超音波発振素子5が配置さ
れている。また、電極3及びアルミニウム板4は電解処
理電源6に接続されている。このような電気化学的粗面
化処理装置において、超音波発振素子5で超音波を照射
しつつ、アルミニウム板4と電極3との間に交流電圧を
印加して粗面化する。
【0028】図2は連続処理方式の電解処理装置の模式
図である。この図において、11は電解ラジアルセル
で、この電解ラジアルセル11に電解液12が貯溜され
ている。そして、この電解ラジアルセル11には円弧状
に電極13が配置されるとともに、案内ローラ14が設
けられており、この案内ローラ14に案内されてアルミ
ニウム板15が電解ラジアルセル11内を走行するよう
になっている。また、アルミニウム板15が導入される
側の電解ラジアルセル11には超音波発振素子16が設
けられている。さらに、電解ラジアルセル11に隣接し
て給電槽16が設けられ、この給電槽16と電極13と
は電解処理電源17を介して接続されている。このよう
な電気化学的粗面化処理装置において、超音波発振素子
16で超音波を照射しつつ、電極13とアルミニウム板
15との間に交流電圧を印加して粗面化する。
【0029】
【実施例】[実施例1]JIS1050のアルミニウム
板を、15%苛性ソーダ水溶液でアルミニウム溶解量が
8g/m2になるようにエッチングし、 20℃の1%硝
酸液に20秒間浸してデスマット処理を行い、十分水洗
した。その後、液温度50℃の電解処理液(HNO3
10g/l, Al=5g/l)で電気化学的粗面化処
理(電気量100c/dm2)を行いながら、超音波(2
0kHz)を照射した。その後スマットを除去し、 ア
ルミ溶解量が1g/m2になるようにアルカリエッチン
グして再度スマットを除去する。 その後、15%硫酸
中で陽極酸化皮膜を2g/m2行い、水洗、乾燥した。
【0030】このようにして作製したアルミニウム支持
体に、表1に示す組成物を乾燥後の塗布重量が1.8g
/m2になるように塗布して感光層を設けた。
【0031】
【表1】
【0032】[実施例2]電気化学的粗面化処理の電気
量を210c/dm2とした他は、実施例1と同一であ
る。
【0033】[従来例1]超音波の照射を省略した他
は、実施例1と同一である。
【0034】[従来例2]超音波の照射を省略した他
は、実施例2と同一である。
【0035】このようにして製造した印刷版において、
汚れ難さ、砂目立て及びチャターマークを評価した。評
価結果を表2に示す。
【0036】
【表2】
【0037】また、実施例1及び2は、従来例1及び2
に比べ、未エッチング(電気化学的粗面化処理によるピ
ットが形成されていない部分)が減少し、ピット径も約
10〜20%減少していた。
【0038】[実施例3]DC鋳造法から中間焼鈍処理
を省略して製造し、また、アルミニウム合金における異
元素を含有する割合が、Siが0.05重量%、Feが
1.0重量%、Cuが0.2重量%、Tiが0.1重量
%、Mnが1.5重量%、Mgが0.3重量%、Znが
0.05重量%であるアルミニウム板を用いた他は、実
施例1と同様にPS版を製造した。
【0039】[実施例4]電気化学的粗面化処理の電気
量を210c/dm2とした他は、実施例3と同一であ
る。
【0040】[従来例3]超音波の照射を省略した他
は、実施例3と同一である。
【0041】[従来例4]超音波の照射を省略した他
は、実施例4と同一である。
【0042】このようにして製造した印刷版において、
汚れ難さ、砂目立て、結晶スジ及びチャターマークを評
価した。評価結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
【0044】また、実施例3及び4は、従来例3及び4
に比べ、未エッチング(電気化学的粗面化処理によるピ
ットが形成されていない部分)が減少し、ピット径も約
10〜20%減少していた。
【0045】[実施例5]JIS1050のアルミニウ
ム板を、15%苛性ソーダ水溶液でアルミニウム溶解量
が8g/m2になるようにエッチングし、 20℃の1%
硝酸液に20秒間浸しデスマット処理を行い、十分水洗
した。その後、液温度50℃の電解処理液(HNO3
10g/l, Al=5g/l)で電気化学的粗面化処
理(電気量:200c/dm2)を行いながら、超音波
(20kHz)を照射した。その後スマットを除去し、
アルミ溶解量が1g/m2になるようにアルカリエッチ
ングして再度スマットを除去した。 その後、15%硫
酸中で陽極酸化皮膜を2g/m2行い、水洗、乾燥し
た。
【0046】このように作製したアルミニウム支持体
に、実施例1に使用したのと同一の組成物を塗布して感
光層を設けて、PS版を製造した。
【0047】[実施例6]電気化学的粗面化処理の電気
量を250c/dm2とした他は、実施例5と同一であ
る。
【0048】[実施例7]電気化学的粗面化処理の電気
量を300c/dm2とした他は、実施例5と同一であ
る。
【0049】[比較例1]電気化学的粗面化処理の電気
量を350c/dm2とした他は、実施例5と同一であ
る。
【0050】このようにして製造した印刷版において、
汚れ難さ、砂目立て、結晶スジ及びチャターマークを評
価した。評価結果を表4に示す。
【0051】
【表4】
【0052】以上の結果より、 電気化学的粗面化処理
の電気量が300c/dm2を超えると、汚れ難さが悪
化し、また、粗面の形成が不均一になるとともに一部溶
解することが分かった。
【0053】[実施例8]JIS1050のアルミニウ
ム板を、15%苛性ソーダ水溶液でアルミニウム溶解量
が8g/m2になるようにエッチングし、 20℃の1%
硝酸液に20秒間浸しデスマット処理を行い、十分水洗
した。その後、液温度50℃の電解処理液(HNO3=1
0g/l,Al=5g/l)で電気化学的粗面化処理(電
気量:50c/dm2)を行いながら、超音波(20kH
z)を照射した。その後スマットを除去し、 アルミ溶
解量が1g/m2になるようにアルカリエッチングして
再度スマットを除去した。その後、 15%硫酸中で陽
極酸化皮膜を2g/m2行い、水洗、乾燥した。この電
気化学的粗面化処理により砂目立てしたアルミニウム板
のSEM写真を図3に示す。
【0054】このように作製したアルミニウム支持体
に、実施例1に使用したのを同一の組成物を塗布して感
光層を設けて、PS版を製造した。
【0055】[従来例5]超音波を照射しなかった他
は、実施例8と同一である。この電気化学的粗面化処理
により砂目立てしたアルミニウム板のSEM写真を図4
に示す。
【0056】[比較例2]電気化学的粗面化処理の電気
量を40c/dm2とした他は、 実施例8と同一であ
る。この電気化学的粗面化処理により砂目立てしたアル
ミニウム板のSEM写真を図5に示す。
【0057】[従来例6]電気化学的粗面化処理の電気
量を40c/dm2とするとともに、 超音波を照射しな
かった他は、実施例8と同一である。この電気化学的粗
面化処理により砂目立てしたアルミニウム板のSEM写
真を図6に示す。
【0058】このようにして製造した印刷版において、
砂目効果を評価した。評価結果を表5に示す。
【0059】
【表5】
【0060】以上の結果より、 電気化学的粗面化処理
の電気量が50c/dm2未満であると、未エッチング
減少効果がないことが分かった。
【0061】[実施例9]JIS1050のアルミニウ
ム板を、15%苛性ソーダ水溶液でアルミニウム溶解量
が8g/m2になるようにエッチングし、 20℃の1%
硝酸液に20秒間浸しデスマット処理を行い、十分水洗
した。その後、液温度50℃の電解処理液(HNO3=1
0g/l,Al=5g/l)で電解処理(電気量:210
c/dm2)を行いながら、超音波(20kHz)を照射
する。その後スマットを除去し、アルミ溶解量が0.8
/m2になるようにアルカリエッチングして再度スマッ
トを除去する。 その後、15%硫酸中で陽極酸化皮膜
を2g/m2行い、水洗、乾燥した。
【0062】このように作製したアルミニウム支持体
に、実施例1に使用したのと同一の組成物を塗布して感
光層を設けて、PS版を製造した。
【0063】[実施例10]アルカリエッチングにおけ
るアルミニウム溶解量を1g/m2とした他は、実施例
9と同一である。
【0064】[実施例11]アルカリエッチングにおけ
るアルミニウム溶解量を3g/m2とした他は、実施例
9と同一である。
【0065】[比較例3]アルカリエッチングにおける
アルミニウム溶解量を4g/m2とした他は、実施例9
と同一である。
【0066】このようにして製造した印刷版において、
汚れ難さ、砂目立て、結晶スジ及びチャターマークを評
価した。評価結果を表6に示す。
【0067】
【表6】
【0068】以上の結果より、アルカリエッチング量が
3g/m2を超えると、汚れ難さが悪化することが分か
った。
【0069】なお、以上の実施例においては感光層組成
にしたが、本発明は感光層組成に限定されるものではな
く、感光層の代わりに感熱層を設けた描画システムでも
可能である。
【0070】また、以上の実施例においては、電解液と
して酸性溶液を用いたが、本発明は酸性溶液を用いた電
気化学的粗面化処理に限定されるものではない。
【0071】
【発明の効果】本発明は、印刷性能が良好で、かつチャ
ターマークレベルの良い支持体を得ることができ、特
に、品質のよくない安価なアルミニウム板であっても、
良好な支持体を得ることができるので、印刷板を安価に
製造することができる。また、生成するピットの径を小
さくすることができるので、電解処理に必要な電力量、
処理薬品補給量を削減することも可能になり、より安価
に印刷板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による印刷版製造方法を実施する電気
化学的粗面化処理装置の一実施形態の模式図である。
【図2】 本発明による印刷版製造方法を実施する電気
化学的粗面化処理装置の一実施形態の模式図である。
【図3】 電気化学的粗面化処理により砂目立てをした
アルミニウム板のSEM写真の図である。
【図4】 電気化学的粗面化処理により砂目立てをした
アルミニウム板のSEM写真の図である。
【図5】 電気化学的粗面化処理により砂目立てをした
アルミニウム板のSEM写真の図である。
【図6】 電気化学的粗面化処理により砂目立てをした
アルミニウム板のSEM写真の図である。
【符号の説明】
1……電解処理槽 2……電解液 3……電極 4……アルミニウム板 5……超音波発振素子 6……電解処理電源 11…電解ラジアルセル 12…電解液 13…電極 14…案内ローラ 15…アルミニウム板 16…給電槽 17…電解処理電源

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周波数が20kHz〜50kHzの超音
    波を照射しつつアルミニウム板を電気化学的に粗面化処
    理することを特徴とする印刷版製造方法。
  2. 【請求項2】 アルミニウム板が、中間焼鈍処理及び均
    熱処理の少なくとも一つを省略したDC鋳造法で製造さ
    れたアルミニウム板又は中間焼鈍処理を省略した連続鋳
    造法で製造されたアルミニウム板であり、かつアルミニ
    ウム合金の異元素を含有する割合が、Siが0.05〜
    1.0重量%、Feが0.1〜1.0重量%、Cuが
    0.01〜0.2重量%、Tiが0.01〜0.1重量
    %、Mnが0〜1.5重量%、Mgが0.0〜0.3重
    量%、Znが0〜0.1重量%である請求項1記載の印
    刷版製造方法。
  3. 【請求項3】 アルミニウム板を電気化学的に粗面化処
    理する電気量が、50c/dm2以上300c/dm2
    下である請求項1記載の印刷版製造方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム板の電気化学的な粗面化処
    理後のアルカリエッチングにおけるアルミニウム溶解量
    が3g/m2以下である請求項1記載の印刷版製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008013804A (ja) * 2006-07-05 2008-01-24 Furukawa Sky Kk 表面処理性に優れたアルミニウム合金板の製造方法
KR101591438B1 (ko) * 2015-07-31 2016-02-03 한국생산기술연구원 3d 프린팅 금속 제품의 표면 처리 방법

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