JP2002256490A - アルミニウム材の表面処理方法 - Google Patents

アルミニウム材の表面処理方法

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JP2002256490A
JP2002256490A JP2001051424A JP2001051424A JP2002256490A JP 2002256490 A JP2002256490 A JP 2002256490A JP 2001051424 A JP2001051424 A JP 2001051424A JP 2001051424 A JP2001051424 A JP 2001051424A JP 2002256490 A JP2002256490 A JP 2002256490A
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aluminum material
aqueous solution
treatment
compound
surface treatment
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Masatoshi Tokunaga
雅敏 徳永
Yoshihiro Sakashita
嘉宏 坂下
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NIHON ANODIZING CO Ltd
Nihon Kentetsu Co Ltd
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NIHON ANODIZING CO Ltd
Nihon Kentetsu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 梨地処理の目的を達成すると共に、色むらの
無い外観が得られるアルミニウム材の表面処理方法の提
供。 【解決手段】 アルミニウム材を、Cu化合物および/ま
たはAg化合物を含有するフッ化水素アンモニウム水溶液
に浸漬するアルミニウム材の表面処理方法、および、ア
ルミニウム材を、好ましくはアンモニウムの硝酸塩およ
び/またはナトリウムの亜硝酸塩である無機塩類を含有
する水酸化ナトリウム水溶液に浸漬するアルミニウム材
の表面処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム材の
表面処理方法並びに該表面処理方法を用いた陽極酸化処
理用または二次電解着色処理用のアルミニウム材および
アルミニウム材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、アルミニウムまたはアルミニウム
合金(以下、両者をアルミニウムと総称する)の押出形
材や板材などのアルミニウムの成形材(以下、これらを
アルミニウム材と記す)がサッシ、スパンドレル、間仕
切り、内扉、カーテンウォールなどに用いられている。
【0003】上記したアルミニウム材は、アルミニウム
をダイスを用いて押出して得られた成形材(押出形材)
や圧延加工されたアルミニウム板材または板材を折り曲
げ加工した曲げ加工材に各種の表面処理を施して製品と
なる。図1に、建材用などに用いられるアルミニウム材
の表面処理工程を示す。アルミニウム材(以下、アルミ
ニウム被処理材、もしくは被処理材とも記す)は、先ず
脱脂処理によって、アルミニウム被処理材(:被処理
材)表面の油分、汚れを除去する。
【0004】次に、アルカリ水溶液などを用いた一般的
に梨地処理と呼ばれるエッチング処理(以下、梨地処理
とも記す)によって、アルミニウムの表面を溶解し、押
出形材における押出し成形時に形成されたダイスマーク
(:ダイスによる疵)または板材における圧延加工時の
ロール跡などの疵を除去すると共に、金属感を弱めるた
めに表面粗度を大とし表面光沢を低下させる。
【0005】次に、デスマット処理(脱スマット処理)
によって、エッチング処理(:梨地処理)によって生じ
たスマット(エッチングで溶け残ったアルミニウム以外
の成分)を溶解除去する。次に、陽極酸化によってアル
ミニウムの表面に酸化皮膜を形成し、下地のアルミニウ
ムの防食・保護を行うと共に、ポアを形成し、後処理に
おける着色(発色)効果を高める。
【0006】陽極酸化後のアルミニウム被処理材(:被
処理材)は、用途に応じて電解着色、電着塗装、焼き付
けまたは封孔処理、静電塗装などが施され製品となる。
一方、前記したアルミニウム材の表面処理工程において
は、前記したエッチング処理(梨地処理)が製品の外観
に大きな影響を及ぼす。しかしながら、従来の梨地処理
においては、被処理材のダイスマークや疵の除去、光沢
の低下にとらわれ、色調、外観に関する意匠面において
は、着色後の色調安定性に問題があり、色むらが生じる
場合があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記した従
来技術の問題点を解決し、梨地処理の目的を達成すると
共に、従来のグレー系もしくはブロンズ系などの色調を
維持しつつ、更にカーテンウォールなどの建材用に適用
可能な色むらの無い外観が得らるれアルミニウム材の表
面処理方法並びに該表面処理方法を用いた陽極酸化処理
用または二次電解着色処理用のアルミニウム材およびア
ルミニウム材を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、アルミニ
ウム材を、Cu化合物および/またはAg化合物を含有する
フッ化水素アンモニウム(:酸性フッ化アンモニウム)
水溶液に浸漬することを特徴とするアルミニウム材の表
面処理方法である。前記した第1の発明においては、前
記Cu化合物が塩基性炭酸銅で、Ag化合物が硝酸銀である
ことが好ましい(第1の発明の第1の好適態様)。
【0009】また、前記した第1の発明、第1の発明の
第1の好適態様においては、前記フッ化水素アンモニウ
ム水溶液のCu化合物および/またはAg化合物の合計含有
量が0.013 〜0.1mol/l、前記水溶液の液温が40〜80℃、
アルミニウム材の前記水溶液への浸漬時間が1〜5min
であることが好ましい(第1の発明の第2の好適態様、
第3の好適態様)。
【0010】第2の発明は、アルミニウム材を、無機塩
類を含有する水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することを
特徴とするアルミニウム材の表面処理方法である。前記
した第2の発明においては、前記無機塩類が硝酸アンモ
ニウムおよび/または亜硝酸ナトリウムであることが好
ましい(第2の発明の第1の好適態様)。また、前記し
た第2の発明、第2の発明の第1の好適態様において
は、前記水酸化ナトリウム水溶液の無機塩類の含有量が
0.5 〜4.0mol/l、前記水溶液の液温が40〜80℃、アルミ
ニウム材の前記水溶液への浸漬時間が3〜20min である
ことが好ましい(第2の発明の第2の好適態様、第3の
好適態様)。
【0011】第3の発明は、前記した第1の発明、第1
の発明の第1の好適態様〜第3の好適態様、第2の発
明、第2の発明の第1の好適態様〜第3の好適態様いず
れかに記載の表面処理方法で得られたアルミニウム材に
陽極酸化処理を施すことを特徴とするアルミニウム材の
表面処理方法である。第4の発明は、前記した第3の発
明に記載の表面処理方法で得られたアルミニウム材に二
次電解着色処理を施すことを特徴とするアルミニウム材
の表面処理方法である。
【0012】第5の発明は、前記した第1の発明、第1
の発明の第1の好適態様〜第3の好適態様、第2の発
明、第2の発明の第1の好適態様〜第3の好適態様いず
れかに記載の表面処理を施したアルミニウム材であるこ
とを特徴とする陽極酸化処理用のアルミニウム材であ
る。第6の発明は、前記した第3の発明に記載の表面処
理を施したアルミニウム材であることを特徴とする二次
電解着色処理用のアルミニウム材である。
【0013】第7の発明は、前記した第3の発明に記載
の表面処理を施したアルミニウム材であることを特徴と
するアルミニウム材である。第8の発明は、前記した第
4の発明に記載の表面処理を施したアルミニウム材であ
ることを特徴とするアルミニウム材である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明をさらに詳細に説明
する。本発明者らは前記した課題を解決するために鋭意
検討した結果、下記知見(1)、(2) を見出し本発明に至
った。 (1) Cu化合物、Ag化合物を含有するフッ化水素アンモニ
ウム水溶液を用いたエッチング処理(梨地処理):アル
ミニウム材を、Cu化合物および/またはAg化合物を含有
するフッ化水素アンモニウム水溶液に浸漬することによ
って、アルミニウム材表面のエッチングが促進され、き
め細かい梨地が得られると共に、二次電解着色後の色調
安定性が増し、表面全体で均一な着色を得ることができ
る。
【0015】(2) 無機塩類を含有する水酸化ナトリウム
水溶液を用いたエッチング処理(梨地処理):アルミニ
ウム材を、無機塩類を含有する水酸化ナトリウム水溶液
に浸漬することによって、アルミニウム材表面のエッチ
ングが促進され、きめ細かい梨地が得られると共に、二
次電解着色後の色調安定性が増し、表面全体で均一な着
色を得ることができる。
【0016】以下、前記した図1に基づいて、本発明に
おけるI.アルミニウム材、II. エッチング処理(梨地処
理)、III.陽極酸化、IV. 電解着色の順に説明する。な
お、以下、上記したII. エッチング処理(梨地処理)〜
IV. 電解着色における処理を、アルミニウム材の表面処
理または単に表面処理とも記す。 〔I.アルミニウム材:〕本発明におけるアルミニウム材
としては、アルミニウムまたはアルミニウム合金(:ア
ルミニウム)をダイスを用いて押出して得られた成形材
(押出形材)や圧延加工されたアルミニウム板材または
板材を折り曲げ加工した曲げ加工材などの成形材(アル
ミニウム材)が適用される。
【0017】アルミニウム合金を素材とするアルミニウ
ム材としては、その種類は特に制限されるものではな
く、例えば、JIS 規格における1000番系〜8000番系のア
ルミニウム合金を素材とするアルミニウム材が適用され
る。 〔II. エッチング処理(梨地処理):〕被処理材である
アルミニウム材は、酸性脱脂もしくは弱アルカリ性脱脂
などによって汚れを除去した後、エッチング処理(梨地
処理)を施す。
【0018】前記したように、アルミニウム材のアルカ
リ水溶液などを用いたエッチング処理(:梨地処理)
は、押出形材における押出し成形時に形成されたダイス
マーク(:ダイスによる疵)または板材における圧延加
工時のロール跡などの疵を除去すると共に、表面光沢を
低下させるために重要な処理であると共に、梨地処理の
条件は、製品の外観に大きな影響を及ぼす。
【0019】本発明においては、上記したアルミニウム
材の表面疵の除去および表面光沢の低下である従来の梨
地処理の目的を達成すると共に、後工程の電解着色時に
得られるアルミニウム材の色むらの無い意匠性に優れた
アルミニウム材を得ることが可能な梨地処理方法を見出
すことを課題とした。この結果、(1) Cu化合物、Ag化合
物を含有するフッ化水素アンモニウム水溶液を用いたエ
ッチング処理(梨地処理)、もしくは、(2) 無機塩類を
含有する水酸化ナトリウム水溶液を用いたエッチング処
理(梨地処理)によって、上記した課題を解決すること
が可能であることを見出した。
【0020】以下、(1) Cu化合物、Ag化合物を含有する
フッ化水素アンモニウム水溶液を用いたエッチング処理
(梨地処理)(第1の発明)、(2) 無機塩類を含有する
水酸化ナトリウム水溶液を用いたエッチング処理(梨地
処理)(第2の発明)について説明する。 (1) Cu化合物、Ag化合物を含有するフッ化水素アンモニ
ウム水溶液を用いたエッチング処理(梨地処理)(第1
の発明):第1の発明は、アルミニウム材を、Cu化合物
および/またはAg化合物を含有するフッ化水素アンモニ
ウム水溶液に浸漬するアルミニウム材の表面処理方法で
ある。
【0021】本発明においては、Cu化合物が炭酸銅(I
I)で、Ag化合物が硝酸銀であることが好ましい。これ
は、特に、Cu化合物として炭酸銅(II)、Ag化合物とし
て硝酸銀を用いることによって、色むらの無い色調安定
性に優れたアルミニウム材を得ることが可能となるため
である。
【0022】また、本発明においては、フッ化水素アン
モニウム(:酸性フッ化アンモニウム)水溶液のフッ化
水素アンモニウムの含有量が、0.5 〜2.0 mol/l である
ことが好ましい。これは、上記含有量が0.5mol/l未満の
場合は、アルミニウム材表面の疵の除去およびアルミニ
ウム材表面における所定表面粗さの形成が困難となり、
逆に上記含有量が2.0mol/lを超える場合は、エッチング
が過度となり、表面粗さの形成が不均一となるためであ
る。
【0023】また、前記水溶液中のCu化合物および/ま
たはAg化合物の合計含有量が0.013〜0.1mol/l、前記水
溶液の液温が40〜80℃、アルミニウム材の前記水溶液へ
の浸漬時間が1〜5min であることが好ましい。Cu化合
物および/またはAg化合物の合計含有量が0.013mol/l未
満の場合は、後工程の電解着色時に得られるアルミニウ
ム材の色むら形成の防止効果が低下し、逆に、上記合計
含有量が0.1mol/lを超える場合は、上記した色むら形成
の防止効果が実用上飽和し、経済的でない。
【0024】また、前記水溶液の液温が40℃未満の場
合、アルミニウム材の前記水溶液への浸漬時間が1min
未満の場合、いずれの場合も、アルミニウム材表面の疵
の除去、およびアルミニウム材表面における所定表面粗
さの形成が困難となると共に、前記したアルミニウム材
の色むら形成の防止効果が低下する。逆に、前記水溶液
の液温が80℃を超える場合、アルミニウム材の前記水溶
液への浸漬時間が5min を超える場合、いずれの場合
も、エッチングが過度となり、表面粗さの形成が不均一
となる。
【0025】(2) 無機塩類を含有する水酸化ナトリウム
水溶液を用いたエッチング処理(梨地処理)(第2の発
明):第2の発明は、アルミニウム材を、無機塩類を含
有する水酸化ナトリウム水溶液に浸漬するアルミニウム
材の表面処理方法である。前記した第2の発明において
は、前記無機塩類がアンモニウムの硝酸塩および/また
はナトリウムの亜硝酸塩であることが好ましい。
【0026】これは、無機塩類としてアンモニウムの硝
酸塩および/またはナトリウムの亜硝酸塩を用いること
によって、色むらの無い色調安定性に優れたアルミニウ
ム材を得ることが可能となるためである。また、本発明
においては、水酸化ナトリウム水溶液の水酸化ナトリウ
ムの含有量が、 1.0〜 2.0mol/l であることが好まし
い。
【0027】これは、上記含有量が 1.0mol/l 未満の場
合は、アルミニウム材表面の疵の除去およびアルミニウ
ム材表面における所定表面粗さの形成が困難となり、逆
に上記含有量が 2.0mol/l を超える場合は、エッチング
が過度となり、表面粗さの形成が不均一となるためであ
る。また、本発明においては、前記水溶液中の無機塩類
の含有量が0.5 〜4.0mol/l、前記水溶液の液温が40〜80
℃、アルミニウム材の前記水溶液への浸漬時間が3〜20
min であることが好ましい。
【0028】無機塩類の含有量が0.5mol/l未満の場合
は、後工程の電解着色時に得られるアルミニウム材の色
むら形成の防止効果が低下し、逆に、上記含有量が4.0m
ol/lを超える場合は、前記した色むら形成の防止効果が
実用上飽和し、経済的でない。また、前記水溶液の液温
が40℃未満の場合、アルミニウム材の前記水溶液への浸
漬時間が3min 未満の場合、いずれの場合も、アルミニ
ウム材表面の疵の除去、およびアルミニウム材表面にお
ける所定表面粗さの形成が困難となると共に、前記した
アルミニウム材の色むら形成の防止効果が低下する。
【0029】逆に、前記水溶液の液温が80℃を超える場
合、アルミニウム材の前記水溶液への浸漬時間が20min
を超える場合、いずれの場合も、エッチングが過度とな
り、表面粗さの形成が不均一となる。 〔III.陽極酸化:〕前記したエッチング処理(梨地処
理)後のアルミニウム材は、好ましくは硝酸浴あるいは
硫酸浴を用いデスマット処理(脱スマット処理)し、梨
地処理によって生じたスマットを溶解除去する。
【0030】本発明においては、デスマット処理(脱ス
マット処理)後のアルミニウム材を陽極酸化し、アルミ
ニウム材の表面に酸化皮膜を形成することが好ましい。
上記した陽極酸化によって、酸化皮膜による下地アルミ
ニウムの防食・保護が達成できると共に、ポアの形成に
よって電解着色時の着色(発色)効果が高まる。
【0031】陽極酸化の方法は特に制限を受けるもので
はなく、例えば、硫酸水溶液などの電解浴中でアルミニ
ウムを陽極として直流電解する方法を用いることができ
る。 〔IV. 電解着色(二次電解着色):〕本発明において
は、前記した陽極酸化後のアルミニウム材を電解着色
(二次電解着色)し、アルミニウム材表面に意匠性を付
与することが好ましい。
【0032】電解着色の方法は特に制限を受けるもので
はなく、例えば、アルミニウム材にグレー色の着色を行
う場合は、硫酸ニッケルおよび硫酸第一錫を着色主成分
とした弱酸性電解液中で交流通電を行う方法を用いるこ
とができる。以上、本発明のエッチング処理(梨地処
理)および本発明に係わる陽極酸化、電解着色について
述べたが、本発明のエッチング処理(梨地処理)で得ら
れるアルミニウム材は、前記した図1に示すように、さ
らに電着塗装、焼き付け、封孔処理、静電塗装などを施
してもよい。
【0033】本発明によれば、梨地処理の目的を達成す
ると同時に、従来のグレー系もしくはブロンズ系などの
色調を維持しつつ、更にカーテンウォールなどの建材用
に適用可能な色むらの無い外観が得られるアルミニウム
材の表面処理方法並びに該表面処理方法を用いた陽極酸
化処理用または二次電解着色処理用のアルミニウム材お
よびアルミニウム材を提供することが可能となった。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてさらに具体
的に説明する。 〔実施例1〕(本発明例1〜14、比較例)アルミニウム
材として、アルミニウムをダイスを用いて押し出して得
られた成形材(押出形材)を用い、表面処理によって建
材用のカーテンウォルを製造した。
【0035】すなわち、上記したアルミニウム材を、表
1に示すCu化合物(炭酸銅(II)、Ag化合物(硝酸銀)
を含有するフッ化水素アンモニウム水溶液に、表1に示
す浴温、浴浸漬時間で浸漬しエッチング処理(梨地処
理)を行った(本発明例1〜12)。次に、得られたアル
ミニウム材の表面粗さおよびダイスマーク除去性を、下
記測定法および評価基準に基づき評価した。
【0036】(表面粗さ:) Ra :JIS B 0601-1994 に基づく。 Rmax.D:JIS B 0601-1982 に基づく。 ダイスマーク除去性:目視観察により下記基準に基づき
評価した。 ◎:ダイスマークが完全に除去されている。
【0037】 ○:ダイスマークがほぼ完全に除去されている。 表1に、得られた試験結果を試験条件と併せて示す。次
に、前記した本発明例3、10においてエッチング処理
(梨地処理)を施したアルミニウム材を、デスマット処
理し、陽極酸化処理した後、二次電解着色処理(グレー
着色)を施した(本発明例13、14)。
【0038】また、比較として、エッチング処理(梨地
処理)を施さなかったアルミニウム材を、デスマット処
理し、陽極酸化処理した後、二次電解着色処理(グレー
着色)を施した(比較例)。陽極酸化処理および二次電
解着色の条件は下記条件とした。 (陽極酸化処理;) 電解浴:硫酸水溶液(150g-H2SO4/l) 陽極酸化皮膜厚み:20μm (二次電解着色;) 電解浴浴組成; 硫酸第一錫:6g/l、硫酸ニッケル:15g/l 、酒石酸:20
g/l 、硫酸アンモニウム:20g/l 、ほう酸:20g/l 電解浴浴pH;5.5 電解条件;交流電解、対極:カーボン、15V ×2min 次に、得られた各アルミニウム材の任意の箇所からそれ
ぞれ10個の試験片を切り出し、各試験片の色調、光沢度
を、下記測定法で測定すると共に、各試験片の表面粗さ
を前記した測定法で測定した。
【0039】色調 :JIS Z 8730に基づく。 光沢度:JIS Z 8741に基づく。 表2に、得られた試験結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】
【表3】
【0043】〔実施例2〕(本発明例15〜34、比較例) アルミニウム材として、アルミニウムをダイスを用いて
押し出して得られた成形材(押出形材)を用い、表面処
理によって建材用のカーテンウォルを製造した。すなわ
ち、上記したアルミニウム材を、表3に示す硝酸アンモ
ニウム、亜硝酸ナトリウムを含有する水酸化ナトリウム
水溶液に、表3に示す浴温、 浴浸漬時間で浸漬しエッチ
ング処理(梨地処理)を行った(本発明例15〜32)。
【0044】次に、得られたアルミニウム材の表面粗さ
およびダイスマーク除去性を、前記した実施例1と同様
の測定法および評価基準に基づき測定、評価した。表3
に、得られた試験結果を試験条件と併せて示す。次に、
前記した本発明例19、28においてエッチング処理(梨地
処理)を施したアルミニウム材を、デスマット処理し、
陽極酸化処理した後、二次電解着色処理(グレー着色)
を施した(本発明例33、34)。
【0045】また、比較として、エッチング処理(梨地
処理)を施さなかったアルミニウム材を、デスマット処
理し、陽極酸化処理した後、二次電解着色処理(グレー
着色)を施した(比較例)。陽極酸化処理および二次電
解着色処理の条件は前記した実施例1と同様の条件とし
た。
【0046】次に、得られたアルミニウム材の色調、光
沢度および表面粗さを前記した実施例1と同様の測定法
で測定した。表4に、得られた試験結果を示す。
【0047】
【表4】
【0048】
【表5】
【0049】
【表6】
【0050】表1〜表4に示されるように、本発明によ
れば、アルミニウム材表面における表面粗さの均一性お
よびダイスマーク除去性に優れ、従来技術以上の優れた
梨地処理を行うことができると共に、着色時の色調に関
して色むらが無く、意匠性に優れたアルミニウム材を提
供することが可能であることが分かった。なお、表2、
表4に示されるように、本発明によれば、梨地処理の有
無による色調差が少なく、意匠性、均一性、再現性の面
でも優れていることが分かった。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、梨地処理の目的を達成
すると同時に、従来のグレー系もしくはブロンズ系など
の色調を維持しつつ、更にカーテンウォールなどの建材
用に適用可能な色むらの無い外観が得られるアルミニウ
ム材の表面処理方法並びに該表面処理方法を用いた陽極
酸化処理用または二次電解着色処理用のアルミニウム材
およびアルミニウム材を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】アルミニウム材の表面処理方法を示す工程図で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂下 嘉宏 大阪府豊中市蛍池西町2丁目7番26号 株 式会社日本電気化学工業所内 Fターム(参考) 4K057 WA05 WB05 WE01 WE02 WE07 WE23 WG01 WG02 WG03 WK10 WN05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルミニウム材を、Cu化合物および/ま
    たはAg化合物を含有するフッ化水素アンモニウム水溶液
    に浸漬することを特徴とするアルミニウム材の表面処理
    方法。
  2. 【請求項2】 前記Cu化合物が塩基性炭酸銅で、Ag化合
    物が硝酸銀であることを特徴とする請求項1記載のアル
    ミニウム材の表面処理方法。
  3. 【請求項3】 前記フッ化水素アンモニウム水溶液のCu
    化合物および/またはAg化合物の合計含有量が0.013 〜
    0.1mol/l、前記水溶液の液温が40〜80℃、アルミニウム
    材の前記水溶液への浸漬時間が1〜5min であることを
    特徴とする請求項1または2記載のアルミニウム材の表
    面処理方法。
  4. 【請求項4】 アルミニウム材を、無機塩類を含有する
    水酸化ナトリウム水溶液に浸漬することを特徴とするア
    ルミニウム材の表面処理方法。
  5. 【請求項5】 前記無機塩類が硝酸アンモニウムおよび
    /または亜硝酸ナトリウムであることを特徴とする請求
    項4記載のアルミニウム材の表面処理方法。
  6. 【請求項6】 前記水酸化ナトリウム水溶液の無機塩類
    の含有量が0.5 〜4.0mol/l、前記水溶液の液温が40〜80
    ℃、アルミニウム材の前記水溶液への浸漬時間が3〜20
    min であることを特徴とする請求項4または5記載のア
    ルミニウム材の表面処理方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6いずれかに記載の表面処理
    方法で得られたアルミニウム材に陽極酸化処理を施すこ
    とを特徴とするアルミニウム材の表面処理方法。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の表面処理方法で得られた
    アルミニウム材に二次電解着色処理を施すことを特徴と
    するアルミニウム材の表面処理方法。
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