JP3933751B2 - 開缶タブを備えた2ピース缶蓋材用の表面処理アルミニウム材の製造方法 - Google Patents

開缶タブを備えた2ピース缶蓋材用の表面処理アルミニウム材の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、食品を収納するアルミニウム缶、特に清涼飲料、アルコール飲料等の飲料を収納するための2ピース缶の蓋材として好適な2ピース缶用の表面処理アルミニウム材の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
アルミニウム缶の製造方法としては、アルミニウム材を所定の形状に加工した後に塗装する場合と、塗装したアルミニウム材を加工する場合があるが、アルミニウムの2ピース缶の蓋材については後者が一般的である。
しかし、前記のような製造方法においては、加工の際に、加工油の塗布及びその脱脂の工程が必要であり、缶の製造コストの低減が図れないという課題があった。
また、飲料を収納したアルミニウム缶を長期間保存する場合には、その飲料にアルミニウムに対する腐食性があると、アルミニウムが腐食されて溶出し、アルミニウム臭が飲料に混入してしまうという課題があった。
【0003】
そこで最近では、上述の課題を解決する手段として、アルミニウム材の表面にリン酸クロメートの皮膜が形成され、そのリン酸クロメート皮膜の表面に有機樹脂膜をラミネートした2ピース缶用の表面処理アルミニウム材が採用されている。
以下、従来の2ピース缶用の表面処理アルミニウム材の製造方法を説明する。
【0004】
まず、アルミニウムまたはアルミニウム合金の素材に前処理を施す。この前処理は、素材の表面に付着した油脂分を除去し、素材表面の不均質な酸化物皮膜が除去できるものであればよく、アルカリエッチング等が適当である。
次に、リン酸、クロム酸、及びフッ化物を主成分とする浴液にアルミニウム素材を浸漬するか、もしくはアルミニウム素材の表面に該浴液を噴霧することにより、アルミニウム材の表面に薄いゲル状のリン酸クロメートの非晶質皮膜を形成させる。
【0005】
更に、リン酸クロメートで表面処理した表面処理アルミニウム材に、有機樹脂膜をラミネートする。有機樹脂膜として、ポリエチレンとポリエチレンに第二成分を添加して融点を下げた接着層を持つ2層フィルムを用意し、これをリン酸クロメート皮膜の表面にその接着層を下にして積層し、この積層物を、2層フィルムの接着層の融点以上の温度に上げた加熱ローラに通過させてポリエチレンの2層フィルムをラミネートする。このようにして、2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得る。
【0006】
アルミニウム材の表面にポリエチレンのような有機樹脂膜をラミネートさせることで、アルミニウム材を加工する際の加工油の塗布が不要になり、缶の製造工程が簡略化できるので、缶の製造コストを低減できる。また、飲料が直接アルミニウムに接触しないので、飲料へのアルミニウム臭の混入を防ぐことができる。
更に、リン酸クロメートの皮膜は、塗料膜等の有機質皮膜との密着性に優れているという特徴があるので、アルミニウム材への有機樹脂膜の密着性を高めることができる。
更にまた、リン酸クロメート処理は、室温に近い温度で処理することが可能であり、処理浴の管理が容易であり、作業効率も高く、連続処理に適しているという長所があるために、缶の製造コストを低く抑えることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を、開缶タブを備える2ピース缶の蓋材として加工して使用した場合には、有機樹脂膜の密着性が蓋材として要求される密着性を満たしていないために、缶を開缶したときに、開缶タブの周辺で有機樹脂膜が剥がれてフェザーリングと呼ばれる羽毛状の剥離が生じるという課題があった。
また、この剥離が大幅に生じると有機樹脂膜が延びて切断されなくなり、開缶が困難になるという課題があった。
また、万一にも有機樹脂膜にピンホール等が発生した場合には、孔から侵入した飲料等がリン酸クロメート皮膜に接触し、リン酸クロメート皮膜には人体に有害とされるCrが含まれているので、食品衛生上好ましくないという課題があった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、有機樹脂膜の密着性に優れてフェザーリングを生じることなく、食品の衛生上においても問題を生じず、アルミニウム臭が飲料に混入することがない2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を、迅速かつ多量に、低い製造コストで製造できる製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、以下の構成を採用した
【0011】
請求項1に記載の開缶タブを備えた2ピース缶蓋材用の表面処理アルミニウム材の製造方法は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を、硼酸、硼酸塩、アジピン酸、酒石酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩の群から選ばれる1種または2種以上からなる電解質水溶液により、浴温50℃〜60℃、pH3〜8,電流密度0.3〜10A/dmの条件で電解し、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に含水量0.6%以下であり厚みが50〜1500Åである無孔質陽極酸化皮膜を形成する工程と、ポリエチレンフィルムとポリエチレンにフタル酸を添加した接着層を備えた2層フィルムからなる有機樹脂膜を該無孔質陽極酸化皮膜の表面に、温度190〜220℃、線圧13〜18kg/cmの条件でラミネートする工程とを備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の開缶タブを備えた2ピース缶蓋材用の表面処理アルミニウム材(以下、2ピース缶用の表面処理アルミニウム材という)について、その製造方法により詳しく説明する。
本発明の2ピース缶用の表面処理アルミニウム材の素材となるアルミニウムまたはアルミニウム合金としては、主に材料硬度の観点から、Al−Mn系の3000系合金、Al−Mg系の5000系合金が用いられているが、本発明の趣旨からは特に限定されるものではなく、各種圧延板が適用される。
【0013】
また、これらの合金に溶体化処理、時効処理などの種々の調質処理を施したものも用いられる。さらに、これらのアルミニウム合金の表面にクラディングしたクラッド材も使用できる。
本発明にあっては、これらの合金のなかでも、アルミニウムの2ピース缶の蓋材として使用される5000系が好ましい。
【0014】
このような素材に対して前処理が施される。この前処理としては特に限定されず、要は素材の表面に付着した油脂分を除去し、素材表面の不均質な酸化物皮膜が除去できるものであればよい。例えば、弱アルカリ性の脱脂液による脱脂処理を施したのち、水酸化ナトリウム水溶液でアルカリエッチングをしたのち、硝酸水溶液中でデスマット処理を行う方法や、脱脂処理後に酸洗浄を行う方法などが適宜選択して用いられる。
また、脱脂と同時に積極的にエッチングして材料が着色しない程度に表面を粗面化し、アンカー効果を増すことも行われる。ここでのエッチングとしては、水酸化ナトリウム等によるアルカリエッチング、硫酸、フッ化水素酸等による酸エッチング、硝酸等の酸性溶液中での電解によるエッチングが利用できる。
【0015】
ついで、この前処理が施された素材を電解質溶液中で電解する陽極酸化処理を施すことにより、素材の表面に無孔質陽極酸化皮膜を形成する。
陽極酸化処理は、プレス加工などの加工を施したものに対して行うこともできるが、コイル状などの未加工の状態のアルミニウムまたはアルミニウム合金に対して連続して行うことが好ましい。多量の素材に対して迅速に酸化処理を行うことが可能となるからである。
【0016】
電解液としては、生成する無孔質陽極酸化皮膜を溶解しにくく、かつ無孔質の陽極酸化皮膜を生成する電解質である硼酸、硼酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩の群から選ばれる1種または2種以上を溶解した皮膜溶解性の低い電解質水溶液が用いられる。これらの電解質のなかでも硼酸、硼酸塩、アジピン酸塩が好ましい。
電解質水溶液中の電解質濃度は、2〜150g/lが好ましい。電解質濃度が2g/lより低濃度では皮膜むらが生じ易く、一方、150g/lを超えると溶解し難く沈澱を生じることがあるからである。
電解浴の浴温は、40℃以上、好ましくは40℃〜60℃、より好ましくは 50〜60℃の範囲である。浴温が40℃未満では、電解質の溶解性が低く、液抵抗による電圧ロスが大きくなるからである。一方、浴温が60℃を超えると、加熱にコストを要するからである。また、浴温が50〜60℃であると、無孔質の陽極酸化皮膜の含水量を少なくするのに効果的である。
また、電解質水溶液中の水素イオン濃度(pH)は、3〜8の範囲が好ましい。pHが3より低いと陽極酸化皮膜は多孔質化する傾向にあり、一方、pHが8を超えると皮膜が溶解されたり、膜の生成率が低下して所定の厚みが得られなくなるからである。
【0017】
この電解浴中で、アルミニウムまたはアルミニウム合金素材は、連続あるいは断続であっても陽極となるように電源に接続されて電解される。陰極には不溶性の導電材料が用いられる。
【0018】
電解電流は、直流電流が用いられ直流電解では直流密度0.3〜10A/dm2 程度である。電流密度が0.3A/dm2 未満では皮膜形成に長時間を要してしまい、コイル状の素材を迅速に連続して電解することができない。一方、10A/dm2 を超えると、皮膜やけ等の表面欠損が生じ易くなる。
電解時間は、2〜5秒程度で目的とする皮膜厚さと電解条件により選択して電解が行われる。
【0019】
印加電圧は、電解液の種類と電流密度により決まり、おおむね3〜200Vである。膜厚は電解時間により調整される。
【0020】
このような陽極酸化処理によって素材の表面に厚さの均一な無孔質陽極酸化皮膜が形成される。無孔質陽極酸化皮膜の膜厚は、50〜1500Å、好ましくは100〜1000Å程度である。膜厚が50Å未満であると、皮膜の均一性が低下して有機樹脂膜との十分な密着性が得られない。また、ピンホール等が発生してアルミニウムの溶出が生じる。一方、膜厚が1500Åを超えると、密着性には大きく影響しないが、アルミニウムの表面が皮膜による光の干渉により黄色、紫色、白色等に着色のすることから、外観品質上好ましくない。従って、膜厚は着色の生じない1500Å以下に抑える必要がある。
【0021】
このようにして得られた陽極酸化皮膜は無孔質である。硫酸アルマイトのように多孔質皮膜の場合には、有機樹脂膜にピンホールが生じた際に、孔から腐食性のある飲料等が侵入して下地のアルミニウムが腐食されて溶出し、アルミニウム臭が飲料に混入する。無孔質皮膜であれば、バリヤー性が高く、アルミニウムの溶出が抑えられる。
【0022】
電解時間が数秒である場合には、無効質酸化皮膜の含水量はおおむね5%以下、好ましくは0.6%以下となる。無孔質陽極酸化皮膜の含水量が5重量%を超えると、有機樹脂膜をラミネートさせる際の加熱時に皮膜から水分が放出され、密着性を大きく低下させてしまうために、5重量%以下とする必要がある。
【0023】
有機樹脂膜のラミネートは、特にその条件が限定されることはないが、適当な有機樹脂膜を用意し、これをベーキング処理したアルミニウム材の陽極酸化皮膜の表面に積層し、この積層物を、有機樹脂膜の融点以上の温度に上げた加熱ローラ等に通過させて有機樹脂膜を熱融着させる。ローラによってかけられる線圧は有機樹脂膜の材質や厚み等により適当に決定される。このようにして、有機樹脂膜をラミネートしたアルミニウム材を作製する。
有機樹脂膜としては、ポリエチレンフィルムとポリエチレンに第二成分を添加して融点を下げた接着層を持つ2層フィルム、ポリエステル及びポリエステルにフタル酸やテレフタル酸等の第2成分を加えたものがある。
また、加熱ローラの他に、ヒートプレス等によってもラミネートが可能である。
【0024】
本発明の2ピース缶用の表面処理アルミニウム材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に、ベーキング処理が施された無孔質陽極酸化皮膜が形成され、更に、有機樹脂膜がラミネートされたものであるので、従来のリン酸クロメート皮膜の上に有機樹脂がラミネートされた2ピース缶用の表面処理アルミニウム材と比べて、該無孔質陽極酸化皮膜と有機樹脂膜との親和性がより高く、有機樹脂膜との密着性に優れるために、缶タブを備える缶を開缶したときに、開缶タブの周辺で有機樹脂膜が剥がれるフェザーリングが発生せず、また、大幅な剥離により有機樹脂膜が延びて切断できなくなることもないので、開缶が困難になることもない。
また、無孔質陽極酸化皮膜は厚さが50〜1500オングストロームのものであるので、皮膜の均一性が十分で密着性が良好であり、アルミニウムの表面が皮膜による光の干渉により黄色、紫色、白色等に着色のすることもない。
また、皮膜中の水分量が5重量%以下、、好ましくは0.6重量%以下であるので、ラミネートにおける加熱によっても皮膜から水分が放出されることがなく、有機樹脂膜との良好な密着性が保たれ、フェザーリングを防ぐことができる。
【0025】
また、本発明で形成される陽極酸化皮膜は無孔質のものであるので、万一に有機樹脂膜にピンホールが発生した場合においても、腐食性の飲料が下地のアルミニウムと接触して溶解させることがないので、飲料にアルミニウム臭が混入することがない。
更に、本発明で形成される陽極酸化皮膜は、人体に有害とされるCrが含まれないので、食品衛生上においても問題がない。
【0026】
【実施例】
以下、本発明を、実施例および比較例により、具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではない。
【0027】
(実施例1)
アルミニウム合金としてJIS5183合金を用い、弱エッチング性の脱脂剤で脱脂処理した後、100g/lのアジピン酸アンモニウムと50g/lの硼酸を溶解した電解質水溶液で、電流密度1.0A/dm、55℃、2秒の電解を施し、アルミニウム合金の表面に無孔質陽極酸化皮膜を形成した。電解終了後、合金を水洗し、70℃で乾燥を施し、表面処理アルミニウム材を得た。
更に、ポリエチレンフィルムとポリエチレンにフタル酸を添加して融点を下げた接着層を持つ厚さ12μmの2層フィルムを、陽極酸化皮膜の表面に接着層を下にして積層し、190〜220℃に上げた加熱ローラで線圧13〜18kg/cmで加圧してポリエチレン膜をラミネートして、2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
【0028】
(実施例2)
無孔質陽極酸化皮膜の電解時間が4秒であること以外は実施例1と同様にして2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
(実施例3)
無孔質陽極酸化皮膜の電解時間が7秒であること以外は実施例1と同様にして2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
【0029】
(実施例4)
70g/lの硼酸と1g/lの硼酸アンモニウムを溶解した電解質水溶液で、電流密度0.5A/dm2、60℃、2秒の電解を施して無孔質陽極酸化皮膜を形成し、70℃で乾燥を施して表面処理アルミニウム材を得たこと以外は実施例1と同様にして2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
(実施例5)
電流密度2A/dm2、60℃、13秒の電解を施して無孔質陽極酸化皮膜を形成したこと以外は実施例4と同様にして2ピース缶用の表面処理アルミニウム材材を得た。
【0030】
(比較例1)
実施例1と同様にしてアルミニウム合金を脱脂処理した後、50℃、10%の水酸化ナトリウム水溶液で、2分間エッチング処理し水洗し、室温、10%の硝酸に1分間浸漬しデスマットした後、15%硫酸で、1.0A/dm2で、20℃、8秒の電解を施し、アルミニウム合金の表面に多孔質陽極酸化皮膜を形成させた後に水洗して、表面処理アルミニウム材を得た。
更に、ポリエチレンとポリエチレンにフタル酸を添加して融点を下げた接着層を持つ厚さ12μmの2層フィルムを、多孔質陽極酸化皮膜の表面に接着層を下にして積層し、190〜220℃に上げた加熱ローラで線圧13〜18kg/cm2で加圧してポリエチレン膜をラミネートして、2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
【0031】
(比較例2)
実施例1と同様にしてアルミニウム合金を脱脂処理した後、50℃、10%の水酸化ナトリウム水溶液で、2分間エッチング処理し水洗し、室温、10%の硝酸に1分間浸漬しデスマットした後、クロム酸クロメート(商品名アロジン)を溶解した55℃の浴液をアルミニウム合金に3.0〜3.5秒間噴霧した後に、水洗して60℃のドライヤーでで乾燥することにより、20mg/m2の付着量のリン酸クロメート皮膜が形成された表面処理アルミニウム材を得た。
更に、ポリエチレンとポリエチレンにフタル酸を添加して融点を下げた接着層を持つ厚さ12μmの2層フィルムを、リン酸クロメート皮膜の表面に接着層を下にして積層し、190〜220℃に上げた加熱ローラで線圧13〜18kg/cm2で加圧してポリエチレン膜をラミネートして、2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
【0032】
(比較例3)
100g/lの硼酸と1g/lの硼酸アンモニウムを溶解した電解質水溶液で36V、電流密度2.0A/dm2、100℃、30分の電解を施して無孔質陽極酸化皮膜を形成して表面処理アルミニウム材を得たこと以外は実施例1と同様にして2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
【0033】
(比較例4)
100g/lの硼酸と1g/lの硼酸アンモニウムを溶解した電解質水溶液で電流密度0.5A/dm2、60℃、2秒の電解を施して無孔質陽極酸化皮膜を形成して表面処理アルミニウム材を得たこと以外は実施例1と同様にして2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
【0034】
(比較例5)
電流密度2.0A/dm2、160℃、10秒の電解を施して無孔質陽極酸化皮膜を形成したこと以外は比較例4と同様にして2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を得た。
【0035】
(実験例)
実施例1〜5、比較例1〜5で得られた表面処理アルミニウム材の陽極酸化皮膜の含水量を熱重量分析によって測定した。
【0036】
また、得られた2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を缶タブを備える缶蓋に加工して、缶タブを開けた際のポリエチレン膜の剥がれの程度をフェザーリング性として測定した。その結果を下記表1に示す。評価基準は、剥離しなかったものを(○)、0.1〜0.5mm程度剥離したものを(△)、0.6mm以上剥離したものを(×)とした。
【0037】
更に、2ピース缶用の表面処理アルミニウム材のポリエチレン膜にピンホールを形成させて、缶タブを備える缶蓋に加工し、これを飲料缶に取り付けてリキュールを入れて14日間保存した後に、開缶して味覚でアルミニウム臭の混入をフレーバー性として判定した。その結果を下記表1に示す。評価基準は、アルミニウム臭が感じられないものを(○)、ややアルミニウム臭がするものを(△)、明らかにアルミニウム臭がするものを(×)とした。
【0038】
更に、2ピース缶用の表面処理アルミニウム材の着色の程度を、無処理のアルミニウム材と目視で比較して着色性を判定した。その結果を下記表1に示す。評価基準は、差がないものを(○)、やや着色が感じられるものを(△)、明らかに着色が感じられるものを(×)とした。
【0039】
【表1】
Figure 0003933751
【0040】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明の有機樹脂膜との密着性に優れた表面処理アルミニウム材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に、厚さが50〜1500オングストロームで、含水量が0.6%以下である無孔質陽極酸化皮膜が形成されているので、有機樹脂膜との密着性を高めることが可能であり、缶タブにおけるフェザーリングを防ぐことができる。
また、フェザーリングを防ぐことが可能であるので、有機樹脂膜が延びて切断されず、開缶が困難になることがない。
【0041】
更に、本発明の2ピース缶用の表面処理アルミニウム材は、前記無孔質陽極酸化皮膜の表面に有機樹脂膜をラミネートしているので、アルミニウムが飲料に溶出することがなく、アルミニウム臭の混入を防ぐことができる。また、食品衛生上も問題になることはない。
【0042】
更に、本発明の2ピース缶用の表面処理アルミニウム材の製造方法によれば、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に無孔質陽極酸化皮膜を形成する工程と、有機樹脂膜を該無孔質陽極酸化皮膜の表面にラミネートする工程とを備えており、これらの工程はアルミニウム材等のコイルを供給することにより連続して行うことが可能であるので、フェザーリングを防ぎ、アルミニウム臭の混入のない2ピース缶用の表面処理アルミニウム材を、迅速かつ多量に、低いコストで製造できる。

Claims (1)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金を、硼酸、硼酸塩、アジピン酸、酒石酸塩、クエン酸塩、マロン酸塩の群から選ばれる1種または2種以上からなる電解質水溶液により、浴温50℃〜60℃、pH3〜8,電流密度0.3〜10A/dmの条件で電解し、アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に含水量0.6%以下であり厚みが50〜1500Åである無孔質陽極酸化皮膜を形成する工程と、ポリエチレンフィルムとポリエチレンにフタル酸を添加した接着層を備えた2層フィルムからなる有機樹脂膜を該無孔質陽極酸化皮膜の表面に、温度190〜220℃、線圧13〜18kg/cmの条件でラミネートする工程とを備えることを特徴とする開缶タブを備えた2ピース缶蓋材用の表面処理アルミニウム材の製造方法。
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