JP4333713B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に設けられた車輪に付与される制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
従来から、車両に設けられた車輪に制動力を付与するための液圧制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この装置は、複数の車輪それぞれに設けられたホイールシリンダの増圧用あるいは減圧用に用いられる複数対の電磁制御弁を含むアクチュエータと、このアクチュエータを制御する電子制御ユニットとを備えている。この装置によれば、運転者によるブレーキペダルの操作量は、センサ等により測定され電気信号に変換されて電子制御ユニットに供される。そして電子制御ユニットにより増圧用または減圧用の電磁制御弁が制御され、車両の4輪のホイールシリンダ圧が独立かつ最適に制御される。このように運転者による操作入力を電気信号に置き換えて制動力を制御することは、一般にブレーキバイワイヤと称されている。また、この液圧制御装置はストロークシミュレータを備えており、電子制御ユニットによりホイールシリンダ圧が制御されている間、運転者のブレーキ操作に応じてマスタシリンダから送出されたブレーキオイルはストロークシミュレータへと流入する。
特開2005−35471号公報
ハイブリッド車や電気自動車などにおいては液圧制動力と回生制動力とを併用して要求制動力を発生させる回生協調制御が実行される場合がある。回生協調制御中は、回生制動力に液圧制動力を補完的に付加して要求制動力を発生させることにより車両の燃費性能の向上が実現される。回生協調制御中に異常が検出された場合には回生協調制御は中止され、マスタシリンダからホイールシリンダへと直接作動流体が供給されて液圧制動力により制動力が確保されるよう制御モードが切り替えられる。回生協調制御中はマスタシリンダの作動流体は運転者のブレーキ操作量に応じてストロークシミュレータへと供給されている。このため、制御モードの切換時にはマスタシリンダに残されている作動流体で制動力を発生させることになる。仮にマスタシリンダに充分に作動流体が残されていない場合であっても、フェイルセーフの観点からは制動力を充分に確保できることが望ましい。
そこで、本発明は、制御モードの切換時のブレーキ性能を向上させることができるブレーキ制御技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、運転者によるブレーキ操作部材への操作量に応じて作動流体を加圧して送出するマスタシリンダと、マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けてブレーキ操作に対する反力を発生させるストロークシミュレータと、マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、マスタシリンダからの作動流体の送出先をストロークシミュレータからホイールシリンダに切り替えてホイールシリンダの増圧を開始する際に、マスタシリンダとともにストロークシミュレータが液圧源として併用されるように作動流体の流路を制御する制御部と、を備える。
この態様によれば、マスタシリンダからの作動流体の送出先をストロークシミュレータからホイールシリンダに切り替えてホイールシリンダの増圧を開始する際に、マスタシリンダとともにストロークシミュレータが液圧源として併用される。通常このような切換時にストロークシミュレータはマスタシリンダから直ちに遮断され、ストロークシミュレータの作動流体はホイールシリンダの増圧に利用されていない。ストロークシミュレータを液圧源として併用することにより、運転者のブレーキ操作量が大きい場合などのようにマスタシリンダに残されている作動流体が少ない場合であっても制動力を確保することが可能となる。このため、切換時のブレーキ性能を向上させることができる。
マスタシリンダとストロークシミュレータとを接続する流路に設けられたシミュレータカット弁と、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する流路に設けられたマスタカット弁と、をさらに備え、制御部は、マスタシリンダからの作動流体の送出先をストロークシミュレータからホイールシリンダに切り替える際に、シミュレータカット弁の閉弁に先行してマスタカット弁を開弁してもよい。
この態様によれば、シミュレータカット弁は、マスタシリンダとストロークシミュレータとを接続する流路に設けられており、開閉によりマスタシリンダとストロークシミュレータとの間の作動流体の流通を制御する。マスタカット弁は、マスタシリンダとホイールシリンダとを接続する流路に設けられており、開閉によりマスタシリンダとホイールシリンダとの間の作動流体の流通を制御する。制御部は、マスタシリンダからの作動流体の送出先をストロークシミュレータからホイールシリンダに切り替える際に、シミュレータカット弁の閉弁に先行してマスタカット弁を開弁する。
このため、切換時に所定時間マスタカット弁及びシミュレータカット弁の双方が開弁されている状態となり、マスタシリンダに加えてストロークシミュレータもホイールシリンダへの作動流体の供給源として機能し得る。よって、マスタシリンダに残されている作動流体が少ない場合であってもストロークシミュレータに蓄えられた作動流体を併用してホイールシリンダを増圧することが可能となり、切換時のブレーキ性能を向上させることができる。
制御部は、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも高い場合に、ストロークシミュレータが液圧源として併用されるように作動流体の流路を制御してもよい。例えば回生協調制御中は回生制動力に相当する分だけマスタシリンダ圧はホイールシリンダ圧よりも高い状態とされる。また、ホイールシリンダ圧を減圧させる作動流体の漏れ異常あるいは減圧弁の開故障が生じた場合には、マスタシリンダ圧はホイールシリンダ圧よりも高い状態となる。マスタシリンダからストロークシミュレータへと作動流体を送出している場合にはマスタシリンダ圧とストロークシミュレータ圧とは同圧となっているから、ストロークシミュレータ圧はマスタシリンダ圧とともにホイールシリンダ圧よりも高圧となる。このため、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも高い場合には、ストロークシミュレータからも差圧によりホイールシリンダに作動流体を供給することが可能である。よって、ストロークシミュレータを液圧源として併用して制動力を充分に確保することが可能となり、切換時のブレーキ性能を向上させることができる。なお、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧以下である場合には、制御部は、シミュレータカット弁を閉弁するとともにマスタカット弁を開弁して、マスタシリンダからの作動流体の送出先の切換を完了させてもよい。
制御部は、マスタシリンダに残されている作動流体をホイールシリンダに供給したとしても所定のブレーキ性能を実現することができないと推定される場合に、ストロークシミュレータが液圧源として併用されるように作動流体の流路を制御してもよい。マスタシリンダに残されている作動流体をホイールシリンダに供給したとしても所定のブレーキ性能を実現することができないと推定される場合においては、フェイルセーフ上、いずれかの液圧源からホイールシリンダに作動流体を供給することが望まれる。本来モード移行時にはストロークシミュレータを速やかに遮断して移行を完了することが望まれるところ、この態様によれば、より必要性の高い場合に限定してストロークシミュレータを液圧源として利用されるという点でフェイルセーフの観点から見て好ましい。なお、マスタシリンダに残されている作動流体をホイールシリンダに供給したとしても所定のブレーキ性能を実現することができると推定される場合には、制御部は、シミュレータカット弁を閉弁するとともにマスタカット弁を開弁して、マスタシリンダからの作動流体の送出先の切換を完了させてもよい。
制御部は、所定の条件が満たされている場合にシミュレータカット弁を開弁したままマスタカット弁を開弁し、所定の条件が満たされている間は、シミュレータカット弁を開弁していてもよい。この態様によれば、例えばマスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも高い場合やマスタシリンダに残されている作動流体では必要とされるブレーキ性能を実現することができない場合などのように所定の条件が満たされている場合に、制御部はシミュレータカット弁を開弁したままマスタカット弁を開弁する。そして制御部はこの条件が満たされている間はシミュレータカット弁を開弁している。これにより、ストロークシミュレータに蓄えられた作動流体を有効に活用して制動力を確保することができる。
シミュレータカット弁は、規定の制御電流の供給を受けて発生する電磁力により開弁状態が保証され、制御電流の供給が遮断されている間は閉弁状態となる常閉型の電磁制御弁であり、制御部は、マスタカット弁の開弁に際して規定の制御電流よりも小さい中間電流をシミュレータカット弁へ供給してもよい。この態様によれば、中間電流を適宜設定することにより、シミュレータカット弁の上下流間の差圧が減少して中間電流に対応する所定圧に達した時に自動的にシミュレータカット弁を閉弁させるようにすることができる。シミュレータカット弁への制御電流を中間電流に低減するというシンプルな制御によりストロークシミュレータ圧を有効に活用することができるという点で好ましい。
制御部は、シミュレータカット弁の上下流間に作用する差圧が零となった時にシミュレータカット弁が閉弁されるように中間電流を設定してもよい。このようにすれば、マスタシリンダ圧とストロークシミュレータ圧とが等しくなった時点でシミュレータカット弁は自動的に閉弁される。シミュレータカット弁への制御電流を中間電流に低減するというシンプルな制御によりストロークシミュレータ圧を有効に活用することができるという点で好ましい。
制御部は、マスタカット弁の開弁から予め設定されているシミュレータカット弁開弁時間が経過した時にシミュレータカット弁を閉弁してもよい。この態様によれば、シミュレータカット弁の開弁時間を適宜設定することにより、ストロークシミュレータに蓄えられた作動流体を有効に活用することができるとともに、開弁時間経過後に速やかにシミュレータカット弁を閉弁してマスタシリンダからの送出先の切換を完了することができる。よって、迅速な切換をより重視する場合には好ましい態様である。
本発明によれば、制御モードの切換時のブレーキ性能を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置20を示す系統図である。同図に示されるブレーキ制御装置20は、車両用の電子制御式ブレーキシステム(ECB)を構成しており、車両に設けられた4つの車輪に付与される制動力を制御する。本実施形態に係るブレーキ制御装置20は、例えば、走行駆動源として電動モータと内燃機関とを備えるハイブリッド車両に搭載される。このようなハイブリッド車両においては、車両の運動エネルギを電気エネルギに回生することによって車両を制動する回生制動と、ブレーキ制御装置20による液圧制動とのそれぞれを車両の制動に用いることができる。本実施形態における車両は、これらの回生制動と液圧制動とを併用して所望の制動力を発生させるブレーキ回生協調制御を実行することができる。
ブレーキ制御装置20は、図1に示されるように、各車輪に対応して設けられたディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLと、マスタシリンダユニット27と、動力液圧源30と、液圧アクチュエータ40とを含む。
ディスクブレーキユニット21FR,21FL、21RRおよび21RLは、車両の右前輪、左前輪、右後輪、および左後輪のそれぞれに制動力を付与する。マニュアル液圧源としてのマスタシリンダユニット27は、ブレーキ操作部材としてのブレーキペダル24の運転者による操作量に応じて加圧されたブレーキフルードをディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出する。動力液圧源30は、動力の供給により加圧された作動流体としてのブレーキフルードを、運転者によるブレーキペダル24の操作から独立してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに対して送出することが可能である。液圧アクチュエータ40は、動力液圧源30またはマスタシリンダユニット27から供給されたブレーキフルードの液圧を適宜調整してディスクブレーキユニット21FR〜21RLに送出する。これにより、液圧制動による各車輪に対する制動力が調整される。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RL、マスタシリンダユニット27、動力液圧源30、および液圧アクチュエータ40のそれぞれについて以下で更に詳しく説明する。各ディスクブレーキユニット21FR〜21RLは、それぞれブレーキディスク22とブレーキキャリパに内蔵されたホイールシリンダ23FR〜23RLを含む。そして、各ホイールシリンダ23FR〜23RLは、それぞれ異なる流体通路を介して液圧アクチュエータ40に接続されている。なお以下では適宜、ホイールシリンダ23FR〜23RLを総称して「ホイールシリンダ23」という。
ディスクブレーキユニット21FR〜21RLにおいては、ホイールシリンダ23に液圧アクチュエータ40からブレーキフルードが供給されると、車輪と共に回転するブレーキディスク22に摩擦部材としてのブレーキパッドが押し付けられる。これにより、各車輪に制動力が付与される。なお、本実施形態においてはディスクブレーキユニット21FR〜21RLを用いているが、例えばドラムブレーキ等のホイールシリンダ23を含む他の制動力付与機構を用いてもよい。
マスタシリンダユニット27は、本実施形態では液圧ブースタ付きマスタシリンダであり、液圧ブースタ31、マスタシリンダ32、レギュレータ33、およびリザーバ34を含む。液圧ブースタ31は、ブレーキペダル24に連結されており、ブレーキペダル24に加えられたペダル踏力を増幅してマスタシリンダ32に伝達する。動力液圧源30からレギュレータ33を介して液圧ブースタ31にブレーキフルードが供給されることにより、ペダル踏力は増幅される。そして、マスタシリンダ32は、ペダル踏力に対して所定の倍力比を有するマスタシリンダ圧を発生する。
マスタシリンダ32とレギュレータ33との上部には、ブレーキフルードを貯留するリザーバ34が配置されている。マスタシリンダ32は、ブレーキペダル24の踏み込みが解除されているときにリザーバ34と連通する。一方、レギュレータ33は、リザーバ34と動力液圧源30のアキュムレータ35との双方と連通しており、リザーバ34を低圧源とすると共に、アキュムレータ35を高圧源とし、マスタシリンダ圧とほぼ等しい液圧を発生する。レギュレータ33における液圧を以下では適宜、「レギュレータ圧」という。なお、マスタシリンダ圧とレギュレータ圧とは厳密に同一圧にされる必要はなく、例えばレギュレータ圧のほうが若干高圧となるようにマスタシリンダユニット27を設計することも可能である。
動力液圧源30は、アキュムレータ35およびポンプ36を含む。アキュムレータ35は、ポンプ36により昇圧されたブレーキフルードの圧力エネルギを窒素等の封入ガスの圧力エネルギ、例えば14〜22MPa程度に変換して蓄えるものである。ポンプ36は、駆動源としてモータ36aを有し、その吸込口がリザーバ34に接続される一方、その吐出口がアキュムレータ35に接続される。また、アキュムレータ35は、マスタシリンダユニット27に設けられたリリーフバルブ35aにも接続されている。アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力が異常に高まって例えば25MPa程度になると、リリーフバルブ35aが開弁し、高圧のブレーキフルードはリザーバ34へと戻される。
上述のように、ブレーキ制御装置20は、ホイールシリンダ23に対するブレーキフルードの供給源として、マスタシリンダ32、レギュレータ33およびアキュムレータ35を有している。そして、マスタシリンダ32にはマスタ配管37が、レギュレータ33にはレギュレータ配管38が、アキュムレータ35にはアキュムレータ配管39が接続されている。これらのマスタ配管37、レギュレータ配管38およびアキュムレータ配管39は、それぞれ液圧アクチュエータ40に接続される。
液圧アクチュエータ40は、複数の流路が形成されるアクチュエータブロックと、複数の電磁制御弁を含む。アクチュエータブロックに形成された流路には、個別流路41、42,43および44と、主流路45とが含まれる。個別流路41〜44は、それぞれ主流路45から分岐されて、対応するディスクブレーキユニット21FR、21FL,21RR,21RLのホイールシリンダ23FR、23FL,23RR,23RLに接続されている。これにより、各ホイールシリンダ23は主流路45と連通可能となる。
また、個別流路41,42,43および44の中途には、ABS保持弁51,52,53および54が設けられている。各ABS保持弁51〜54は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされた各ABS保持弁51〜54は、ブレーキフルードを双方向に流通させることができる。つまり、主流路45からホイールシリンダ23へとブレーキフルードを流すことができるとともに、逆にホイールシリンダ23から主流路45へもブレーキフルードを流すことができる。ソレノイドに通電されて各ABS保持弁51〜54が閉弁されると、個別流路41〜44におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
更に、ホイールシリンダ23は、個別流路41〜44にそれぞれ接続された減圧用流路46,47,48および49を介してリザーバ流路55に接続されている。減圧用流路46,47,48および49の中途には、ABS減圧弁56,57,58および59が設けられている。各ABS減圧弁56〜59は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングをそれぞれ有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。各ABS減圧弁56〜59が閉状態であるときには、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて各ABS減圧弁56〜59が開弁されると、減圧用流路46〜49におけるブレーキフルードの流通が許容され、ブレーキフルードがホイールシリンダ23から減圧用流路46〜49およびリザーバ流路55を介してリザーバ34へと還流する。なお、リザーバ流路55は、リザーバ配管77を介してマスタシリンダユニット27のリザーバ34に接続されている。
主流路45は、中途に分離弁60を有する。この分離弁60により、主流路45は、個別流路41および42と接続される第1流路45aと、個別流路43および44と接続される第2流路45bとに区分けされている。第1流路45aは、個別流路41および42を介して前輪側のホイールシリンダ23FRおよび23FLに接続され、第2流路45bは、個別流路43および44を介して後輪側のホイールシリンダ23RRおよび23RLに接続される。
分離弁60は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。分離弁60が閉状態であるときには、主流路45におけるブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されて分離弁60が開弁されると、第1流路45aと第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
また、液圧アクチュエータ40においては、主流路45に連通するマスタ流路61およびレギュレータ流路62が形成されている。より詳細には、マスタ流路61は、主流路45の第1流路45aに接続されており、レギュレータ流路62は、主流路45の第2流路45bに接続されている。また、マスタ流路61は、マスタシリンダ32と連通するマスタ配管37に接続される。レギュレータ流路62は、レギュレータ33と連通するレギュレータ配管38に接続される。
マスタ流路61は、中途にマスタカット弁64を有する。マスタカット弁64は、マスタシリンダ32から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。マスタカット弁64は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたマスタカット弁64は、マスタシリンダ32と主流路45の第1流路45aとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに規定の制御電流が通電されてマスタカット弁64が閉弁されると、マスタ流路61におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
また、マスタ流路61には、マスタカット弁64よりも上流側において、シミュレータカット弁68を介してストロークシミュレータ69が接続されている。すなわち、シミュレータカット弁68は、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とを接続する流路に設けられている。シミュレータカット弁68は、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により開弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。シミュレータカット弁68が閉状態であるときには、マスタ流路61とストロークシミュレータ69との間のブレーキフルードの流通は遮断される。ソレノイドに通電されてシミュレータカット弁68が開弁されると、マスタシリンダ32とストロークシミュレータ69との間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。
ストロークシミュレータ69は、複数のピストンやスプリングを含むものであり、シミュレータカット弁68の開放時に運転者によるブレーキペダル24の踏力に応じた反力を創出する。ストロークシミュレータ69としては、運転者によるブレーキ操作のフィーリングを向上させるために、多段のバネ特性を有するものが採用されると好ましい。
レギュレータ流路62は、中途にレギュレータカット弁65を有する。レギュレータカット弁65は、レギュレータ33から各ホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給系路上に設けられている。レギュレータカット弁65も、ON/OFF制御されるソレノイドおよびスプリングを有しており、規定の制御電流の供給を受けてソレノイドが発生させる電磁力により閉弁状態が保証され、ソレノイドが非通電状態にある場合に開とされる常開型電磁制御弁である。開状態とされたレギュレータカット弁65は、レギュレータ33と主流路45の第2流路45bとの間でブレーキフルードを双方向に流通させることができる。ソレノイドに通電されてレギュレータカット弁65が閉弁されると、レギュレータ流路62におけるブレーキフルードの流通は遮断される。
液圧アクチュエータ40には、マスタ流路61およびレギュレータ流路62に加えて、アキュムレータ流路63も形成されている。アキュムレータ流路63の一端は、主流路45の第2流路45bに接続され、他端は、アキュムレータ35と連通するアキュムレータ配管39に接続される。
アキュムレータ流路63は、中途に増圧リニア制御弁66を有する。また、アキュムレータ流路63および主流路45の第2流路45bは、減圧リニア制御弁67を介してリザーバ流路55に接続されている。増圧リニア制御弁66と減圧リニア制御弁67とは、それぞれリニアソレノイドおよびスプリングを有しており、何れもソレノイドが非通電状態にある場合に閉とされる常閉型電磁制御弁である。増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、それぞれのソレノイドに供給される電流に比例して弁の開度が調整される。
増圧リニア制御弁66は、各車輪に対応して複数設けられた各ホイールシリンダ23に対して共通の増圧用制御弁として設けられている。また、減圧リニア制御弁67も同様に、各ホイールシリンダ23に対して共通の減圧用制御弁として設けられている。つまり、本実施形態においては、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67は、動力液圧源30から送出される作動流体を各ホイールシリンダ23へ給排制御する1対の共通の制御弁として設けられている。このように増圧リニア制御弁66等を各ホイールシリンダ23に対して共通化すれば、ホイールシリンダ23ごとにリニア制御弁を設けるのと比べて、コストの観点からは好ましい。
なお、ここで、増圧リニア制御弁66の出入口間の差圧は、アキュムレータ35におけるブレーキフルードの圧力と主流路45におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応し、減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧は、主流路45におけるブレーキフルードの圧力とリザーバ34におけるブレーキフルードの圧力との差圧に対応する。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力に応じた電磁駆動力をF1とし、スプリングの付勢力をF2とし、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧に応じた差圧作用力をF3とすると、F1+F3=F2という関係が成立する。従って、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67のリニアソレノイドへの供給電力を連続的に制御することにより、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の出入口間の差圧を制御することができる。
ブレーキ制御装置20において、動力液圧源30および液圧アクチュエータ40は、本実施形態における制御部としてのブレーキECU70により制御される。ブレーキECU70は、CPUを含むマイクロプロセッサとして構成されており、CPUの他に各種プログラムを記憶するROM、データを一時的に記憶するRAM、入出力ポートおよび通信ポート等を備える。そして、ブレーキECU70は、上位のハイブリッドECU(図示せず)などと通信可能であり、ハイブリッドECUからの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて動力液圧源30のポンプ36や、液圧アクチュエータ40を構成する電磁制御弁51〜54,56〜59,60,64〜68を制御する。
また、ブレーキECU70には、レギュレータ圧センサ71、アキュムレータ圧センサ72、および制御圧センサ73が接続される。レギュレータ圧センサ71は、レギュレータカット弁65の上流側でレギュレータ流路62内のブレーキフルードの圧力、すなわちレギュレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。アキュムレータ圧センサ72は、増圧リニア制御弁66の上流側でアキュムレータ流路63内のブレーキフルードの圧力、すなわちアキュムレータ圧を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。制御圧センサ73は、主流路45の第1流路45a内のブレーキフルードの圧力を検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。各圧力センサ71〜73の検出値は、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。
分離弁60が開状態とされて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通している場合、制御圧センサ73の出力値は、増圧リニア制御弁66の低圧側の液圧を示すと共に減圧リニア制御弁67の高圧側の液圧を示すので、この出力値を増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67の制御に利用することができる。また、増圧リニア制御弁66および減圧リニア制御弁67が閉鎖されていると共に、マスタカット弁64が開状態とされている場合、制御圧センサ73の出力値は、マスタシリンダ圧を示す。更に、分離弁60が開放されて主流路45の第1流路45aと第2流路45bとが互いに連通しており、各ABS保持弁51〜54が開放される一方、各ABS減圧弁56〜59が閉鎖されている場合、制御圧センサの73の出力値は、各ホイールシリンダ23に作用する作動流体圧、すなわちホイールシリンダ圧を示す。
さらに、ブレーキECU70に接続されるセンサには、ブレーキペダル24に設けられたストロークセンサ25も含まれる。ストロークセンサ25は、ブレーキペダル24の操作量としてのペダルストロークを検知し、検知した値を示す信号をブレーキECU70に与える。ストロークセンサ25の出力値も、所定時間おきにブレーキECU70に順次与えられ、ブレーキECU70の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキECU70に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、例えば、ブレーキペダル24の操作力を検出するペダル踏力センサや、ブレーキペダル24が踏み込まれたことを検出するブレーキスイッチなどがある。
上述のように構成されたブレーキ制御装置20は、ブレーキ回生協調制御を実行することができる。ブレーキ制御装置20は制動要求を受けて制動を開始する。制動要求は、例えば運転者がブレーキペダル24を操作した場合など、車両に制動力を付与すべきときに生起される。制動要求を受けてブレーキECU70は要求制動力を演算し、要求制動力から回生による制動力を減じることによりブレーキ制御装置20により発生させるべき制動力である要求液圧制動力を算出する。ここで、回生による制動力は、ハイブリッドECUからブレーキ制御装置20に供給される。そして、ブレーキECU70は、算出した要求液圧制動力に基づいて各ホイールシリンダ23FR〜23RLの目標液圧を算出する。ブレーキECU70は、ホイールシリンダ圧が目標液圧となるように、フィードバック制御則により増圧リニア制御弁66や減圧リニア制御弁67に供給する制御電流の値を決定する。
その結果、ブレーキ制御装置20においては、ブレーキフルードが動力液圧源30から増圧リニア制御弁66を介して各ホイールシリンダ23に供給され、車輪に制動力が付与される。また、各ホイールシリンダ23からブレーキフルードが減圧リニア制御弁67を介して必要に応じて排出され、車輪に付与される制動力が調整される。本実施形態においては、動力液圧源30、増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67等を含んでホイールシリンダ圧制御系統が構成されている。ホイールシリンダ圧制御系統によりいわゆるブレーキバイワイヤによる制動力制御が行われる。ホイールシリンダ圧制御系統は、マスタシリンダユニット27からホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給経路に並列に設けられている。
このとき、ブレーキECU70は、レギュレータカット弁65を閉状態とし、レギュレータ33から送出されるブレーキフルードがホイールシリンダ23へ供給されないようにする。更にブレーキECU70は、マスタカット弁64を閉状態とするとともにシミュレータカット弁68を開状態とする。これは、運転者によるブレーキペダル24の操作に伴ってマスタシリンダ32から送出されるブレーキフルードがホイールシリンダ23ではなくストロークシミュレータ69へと供給されるようにするためである。ブレーキ回生協調制御中は、レギュレータカット弁65及びマスタカット弁64の上下流間には、回生制動力の大きさに対応する差圧が作用する。
なお、本実施形態に係るブレーキ制御装置20は、回生制動力を利用せずに液圧制動力だけで要求制動力をまかなう場合にも、当然ホイールシリンダ圧制御系統により制動力を制御することができる。ブレーキ回生協調制御を実行しているか否かにかかわらず、ホイールシリンダ圧制御系統により制動力を制御する制御モードを以下では適宜「リニア制御モード」と称する。あるいは、ブレーキバイワイヤによる制御と呼ぶ場合もある。
リニア制御モードでの制御中に、例えば故障等の異常の発生によりホイールシリンダ圧が低下したりして、ホイールシリンダ圧が目標液圧から乖離してしまう場合がある。ブレーキECU70は、例えば制御圧センサ73の測定値に基づいてホイールシリンダ圧の応答異常の有無を周期的に判定している。ホイールシリンダ圧の制御応答に異常があると判定された場合には、ブレーキECU70は、リニア制御モードを中止してマニュアルブレーキモードに制御モードを切り替える。マニュアルブレーキモードにおいては、運転者のブレーキペダル12への入力が液圧に変換されて機械的にホイールシリンダ23に伝達され、車輪に制動力が付与される。マニュアルブレーキモードは、フェイルセーフの観点からリニア制御モードのバックアップ用の制御モードとしての役割を有する。
ブレーキECU70は、液圧源からホイールシリンダ23への供給経路を異ならせることによりマニュアルブレーキモードとして複数のモードから選択することができる。本実施形態では、一例として非制御モードへの移行を説明する。非制御モードにおいては、ブレーキECU70は、すべての電磁制御弁への制御電流の供給を停止する。よって、常開型のマスタカット弁64及びレギュレータカット弁65は開弁され、常閉型の分離弁60及びシミュレータカット弁68は閉弁される。増圧リニア制御弁66及び減圧リニア制御弁67は、制御が停止され閉弁される。
その結果、ブレーキフルードの供給経路はマスタシリンダ側とレギュレータ側との2系統に分離される。マスタシリンダ圧が前輪側のホイールシリンダ23FR及び23FLへと伝達され、レギュレータ圧が後輪側のホイールシリンダ23RR及び23RLへと伝達される。マスタシリンダ32からの作動流体の送出先は、ストロークシミュレータ69から前輪側のホイールシリンダ23FR及び23FLに切り替えられる。非制御モードによれば、制御系の異常により電磁制御弁への通電がない場合であっても制動力を発生させることができるので、フェイルセーフの観点から好ましい。
ところで、異常検出時にリニア制御モードから非制御モードへと切り替えられた場合には、マスタシリンダに残されているブレーキフルードで前輪側の制動力を発生させることになる。このとき、ブレーキペダル12の踏込量に応じてマスタシリンダ32からストロークシミュレータ69へとブレーキフルードが送出されているから、マスタシリンダに残されている液量が少なくなっている可能性がある。また、回生協調制御中は回生制動力に相当する分だけホイールシリンダ圧はマスタシリンダ圧よりも低い状態とされる。特に回生制動力のみで要求制動力をまかなうことができていた場合には、液圧制動力は零つまりホイールシリンダ圧は零(大気圧)とされている。回生協調制御が実行されていなくても、減圧リニア制御弁67やABS減圧弁58,59等の開故障や配管からの漏れ等の異常によりホイールシリンダ圧が低下する場合もある。
このようにブレーキバイワイヤによる制御中における異常検出時には、マスタシリンダ32に残されている液量が比較的少なく、ホイールシリンダ圧が比較的低圧という状況が生じることが想定される。この状況下で非制御モードに切り替えて制動力が充分に発揮されるようにするためには、例えばマスタシリンダ32の残り液量を確保すべく大型のマスタシリンダ32を採用することが考えられる。ところがこれはブレーキ装置の大型化を招くという点で必ずしも好ましくない。また、小型のストロークシミュレータ69を採用することによりマスタシリンダ32から送出される液量を少なくすることも考えられるものの、小型のストロークシミュレータ69で良好なブレーキフィーリングを実現することは必ずしも容易ではない。
そこで、本実施形態に係るブレーキ制御装置20は、例えば上述の非制御モードのような静圧モードへの切換の際に所定の条件下でストロークシミュレータ69をマスタシリンダ32とともに液圧源として併用する。これにより、ブレーキ装置の大型化とそれに伴うコストアップを抑制し、なおかつ良好なブレーキフィーリングを実現しながら、異常発生により制御モードを切り替えたときのブレーキ性能を向上させることが可能となる。ここで、静圧モードとは、マスタシリンダ32から複数のホイールシリンダ23のうちの少なくとも1つに直接ブレーキフルードを供給して制動力を発生させる制御モードをいう。なお、静圧モードという表現に対比させて、以下では、リニア制御モードのように動力液圧源30からのブレーキフルードによりホイールシリンダ圧を制御することを動圧制御モードと呼ぶ場合がある。
ブレーキECU70は、マスタシリンダ32からのブレーキフルードの送出先をストロークシミュレータ69からホイールシリンダ23に切り替える際にストロークシミュレータ69が液圧源として併用されるようにブレーキフルードの流路を制御する。具体的には静圧モードへの切換の際に、ブレーキECU70は、シミュレータカット弁68の閉弁に先行してマスタカット弁64を開弁する。マスタカット弁64が開弁されてからシミュレータカット弁68が閉弁されるまでの間は、マスタカット弁64及びシミュレータカット弁68の双方が開弁されている状態となる。このため、マスタシリンダ32に加えてストロークシミュレータ69もホイールシリンダ23へのブレーキフルードの供給源として機能し得る。なお、静圧モードへの切換時にシミュレータカット弁68の閉弁に先行してマスタカット弁64を開弁することを、以下では適宜、SMC先行開弁制御と称する。また、便宜上、マスタカット弁64をSMC64、シミュレータカット弁68をSSC68と称する場合もある。
典型的なブレーキ制御装置においては、マスタシリンダ32からのブレーキフルードの送出先はホイールシリンダ23またはストロークシミュレータ69のいずれかとされ、両者は互いに排他的にマスタシリンダ32からのブレーキフルードの供給を受けていた。すなわち、マスタシリンダ32からホイールシリンダ23にブレーキフルードが供給されている間はストロークシミュレータ69には供給されず、逆にストロークシミュレータ69にブレーキフルードが供給されている間はホイールシリンダ23には供給されていない。これは、ストロークシミュレータ69の本質的な役割が、ブレーキバイワイヤによる制御中にホイールシリンダ23に代わって反力を生み出して良好なブレーキフィーリングを実現する点にあるからである。したがって、ホイールシリンダ23と連通させるべくストロークシミュレータ69を1つの液圧源として着目したことが本実施形態の1つの意義であると言える。
本実施形態では、ブレーキECU70は、所定の条件として例えばマスタシリンダ圧のほうがホイールシリンダ圧よりも高いと想定される場合にSMC先行開弁制御を実行する。動圧制御モードではシミュレータカット弁68が開弁されてマスタシリンダ32とストロークシミュレータ69とが連通されているから、マスタシリンダ圧とストロークシミュレータ圧とは同圧となっている。このため、マスタシリンダ圧のほうがホイールシリンダ圧よりも高い場合にはストロークシミュレータ圧も同様にホイールシリンダ圧よりも高い。このため、ストロークシミュレータ69を液圧源として有効に活用して静圧モードへの切換時のブレーキ性能を向上させることができる。
制御モードの切換は、フェイルセーフ上の観点から見れば本来はできるだけ迅速に行われることが望ましい。本実施形態では、まずマスタカット弁64が開弁され、その後にシミュレータカット弁68が閉弁された段階で制御モードの切換が完了する。このようにマスタカット弁64の開弁とシミュレータカット弁68の閉弁のタイミングとをずらしたことにより、モード切替に所定の時間を要することになる。そこで、ストロークシミュレータ圧の有効活用によるブレーキ性能の向上とモード切替の所要時間とを考慮して、SMC先行開弁制御を実行する条件やSMC64及びSSC68の開閉タイミング等を適宜設定することが望ましい。その具体例を以下で更に説明する。
図2は、本実施形態に係る静圧モードへの移行処理の一例を説明するためのフローチャートである。図2に示される処理は、異常が検出された場合などに静圧モードに移行する際にブレーキECU70により実行される。ここでは、回生協調制御中にホイールシリンダ圧に応答異常が検出されて非制御モードに移行する場合を例に挙げて説明する。なお、図において便宜上、マスタシリンダ圧をMC圧と表記し、ホイールシリンダ圧をWC圧と表記している。
図2に示される処理が開始されると、まずブレーキECU70は、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも高いか否かを判定する(S10)。本実施形態では、マスタシリンダ圧としては、レギュレータ圧センサ71により測定されるレギュレータ圧が用いられる。ホイールシリンダ圧としては、制御圧センサ73の測定値が用いられる。
マスタシリンダ圧のほうがホイールシリンダ圧よりも高いと判定された場合には(S10のYes)、ブレーキECU70は、SMC先行開弁制御を実行する(S12〜S16)。回生協調制御中においては、ブレーキECU70は通常、回生制動力の大きさに相当する差圧の分だけマスタシリンダ圧よりも低圧となるようにホイールシリンダ圧を制御している。このため、図2に示される処理においては通常はSMC先行開弁制御が実行されることになる。
なおここで、ブレーキECU70は、静圧モードへ移行すべきと判定した時点で回生協調制御が実行されていた場合には、マスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧の大小を比較することなくSMC先行開弁制御を実行するようにしてもよい。上述のように、回生協調制御中は通常マスタシリンダ圧のほうがホイールシリンダ圧よりも高圧とされているからである。
一方、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧以下であると判定された場合には(S10のNo)、ブレーキECU70は、シミュレータカット弁68を閉弁し(S18)、マスタカット弁64を開弁して(S20)、モード移行処理を終了する。この場合には、ストロークシミュレータ圧の影響がホイールシリンダ圧に及ばないようにシミュレータカット弁68の閉弁をマスタカット弁64の開弁よりも先とするか、あるいは両者を同時に行うことが望ましい。
さて、SMC先行開弁制御が実行される場合には、まずブレーキECU70はマスタカット弁64を開弁する(S12)。図2の処理の開始時点ではシミュレータカット弁68は開弁されているから、この段階でマスタカット弁64及びシミュレータカット弁68の双方が開弁されていることになる。これにより、マスタシリンダ32及びストロークシミュレータ69はともにホイールシリンダ23に連通される。マスタカット弁64の開弁当初、マスタシリンダ圧及びストロークシミュレータ圧はホイールシリンダ圧よりも高く、マスタシリンダ32及びストロークシミュレータ69はともにホイールシリンダ23への液圧源として機能する。なお、このときブレーキECU70はマスタカット弁64を開弁するとともにレギュレータカット弁65を開弁し分離弁60を閉弁する。
次にブレーキECU70は、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧以下となったか否かを判定する(S14)。マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも高い限りは(S14のNo)、ブレーキECU70は、マスタカット弁64及びシミュレータカット弁68の双方が開弁された状態を継続する。逆に、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧に達するか、あるいはマスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも低圧となった場合には(S14のYes)、ブレーキECU70はシミュレータカット弁68を閉弁し(S16)、モード移行処理を終了する。このように、ブレーキECU70は予め設定された条件が満たされている間はマスタカット弁64及びシミュレータカット弁68を開弁しておく。逆に条件が満たされなくなった時にブレーキECU70はシミュレータカット弁68を閉弁する。なお通常は、マスタカット弁64が開弁されてからマスタシリンダ圧はホイールシリンダ圧へと低下してホイールシリンダ圧に達した時にシミュレータカット弁が閉弁される。マスタカット弁開弁前のマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との差圧が大きい場合などには、過渡的にマスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも低圧となる場合もあり得る。
以上のように、本実施形態によれば、シミュレータカット弁68の閉弁タイミングとマスタカット弁64の開弁タイミングとを調整することにより、マスタシリンダ32に残されているブレーキフルードのみならずストロークシミュレータ69に消費されたブレーキフルードを有効に活用してホイールシリンダ23を増圧することができる。特に回生協調制御中に静圧モードに移行する場合には、通常ホイールシリンダ圧よりもストロークシミュレータ圧が高圧となっているため、マスタカット弁64を先行して開弁することによりストロークシミュレータ69の蓄圧をホイールシリンダ23の増圧に自然に活用することができる。これにより、静圧モードへの切換の際のブレーキ性能を向上させることができる。また、マスタシリンダ32の大型化やストロークシミュレータ69の小型化といった方策を採用しなくともブレーキ性能の向上を図ることができるので、マスタシリンダ32やストロークシミュレータ69の設計自由度を向上させることができるという点でも好ましい。
引き続いて本実施形態の変形例を説明する。図3は、本実施形態の変形例に係る静圧モードへの移行処理の一例を説明するためのフローチャートである。上述の実施形態においては、SMC先行開弁制御を実行する条件としてマスタシリンダ圧のほうがホイールシリンダ圧よりも高いこと(S10)としていたが、このS10の判定条件に代えて他の条件を採用することも可能である。例えば、ブレーキECU70は、マスタシリンダに残されているブレーキフルードをホイールシリンダに供給したとしても所定のブレーキ性能を実現することができないと推定される場合にSMC先行開弁制御を実行してもよい。以下の変形例に係る説明においては、上述の実施形態と同一の箇所については説明を適宜省略する。
ここで、以下の説明の便宜上、マスタシリンダ32に残されている液量をマスタシリンダ残液量と呼び、ホイールシリンダ23に収容されている液量をホイールシリンダ消費液量と適宜呼ぶこととする。マスタシリンダ残液量とホイールシリンダ消費液量との和を制動有効液量と呼ぶ。また、マスタシリンダ32から送出されストロークシミュレータ69に収容されている液量をシミュレータ消費液量と呼ぶ。制動有効液量は、静圧モードにおいてシミュレータ消費液量を利用しない場合に制動に利用し得る最大の液量に相当する。
この変形例においては、ブレーキECU70は、所定のブレーキ性能を実現するために必要とされる液量と制動有効液量との大小関係に基づいてSMC先行開弁制御を実行するか否かを判定する。ここで、所定のブレーキ性能としては、例えば、故障時に法規上義務づけられている必要最低限のブレーキ性能としてもよいし、あるいは、この法規性能を超えて適宜設定されたブレーキ性能としてもよい。所定のブレーキ性能を実現するために必要とされる液量を、以下では適宜、必要性能液量と呼ぶことにする。
図3に示される処理が開始されると、ブレーキECU70は制動有効液量が必要性能液量に達しているか否かを判定する(S22)。ブレーキECU70は、制動有効液量が必要性能液量に満たないと判定される場合に(S22のNo)、SMC先行開弁制御を実行する(S12〜S16)。この場合にはマスタシリンダ残液量とホイールシリンダ消費液量とがともに比較的少量となっているものと考えられる。例えば、要求制動力の大半が回生制動力でまかなわれているためにホイールシリンダ圧が低くなっているという状況や、ブレーキペダル12の踏込が比較的強いためにシミュレータ消費液量が多いという状況などが想定される。
ここで、ブレーキECU70は、マスタシリンダ残液量をストロークセンサ25の測定値またはレギュレータ圧センサ71の測定値に基づいて演算により推定する。または、これらの測定値とマスタシリンダ残液量との対応関係を示すマップを予め取得してブレーキECU70に記憶しておき、ブレーキECU70はこのマップを利用してマスタシリンダ残液量を求めてもよい。ホイールシリンダ消費液量は、制御圧センサ73の測定値に基づいて演算によりあるいはマップから推定される。必要性能液量は予め設定されてブレーキECU70に記憶されている。
一方、制動有効液量が必要性能液量に達していると判定される場合には(S22のYes)、ブレーキECU70は、シミュレータカット弁68を閉弁し(S18)、マスタカット弁64を開弁して(S20)、モード移行処理を終了する。この場合にはマスタシリンダ残液量またはホイールシリンダ消費液量が比較的多量であるものと考えられる。例えば、強い液圧制動力が必要とされホイールシリンダ圧が高圧とされている状況や、ブレーキペダル12の踏込が比較的弱いためにシミュレータ消費液量が少ない状況などが想定される。
この変形例によれば、最初に述べた実施形態とは異なり、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも高圧であっても制動有効液量が必要性能液量を満たしていればSMC先行開弁制御は実行されない。よって、必要性能液量が満たされている限りは迅速に静圧モードに移行することができるという点でフェイルセーフ上好ましい。また、必要性能液量に満たない場合にはストロークシミュレータ圧を有効に活用してモード移行時のブレーキ性能を満足させることができる。したがって、この変形例によれば、モード移行時のブレーキ性能の向上と迅速なモード移行との両立をより効果的に実現することができる。
なお、上述の説明では制動有効液量と必要性能液量とを比較しているが、これに代えてブレーキECU70はマスタシリンダ残液量と必要性能液量とを比較してSMC先行開弁制御を実行するか否かを判定してもよい。このようにしても、ブレーキECU70は、ブレーキECU70は、マスタシリンダに残されているブレーキフルードをホイールシリンダに供給したとしても所定のブレーキ性能を実現することができないか否かを判定することができる。
また、上述の図2及び図3に示される移行処理においては、ブレーキECU70はマスタカット弁64の開弁後のシミュレータカット弁68の閉弁タイミングをマスタシリンダ圧とホイールシリンダ圧との大小関係に基づいて判定しているが(S14)、これに限られない。例えば、シミュレータカット弁の開弁時間を予め設定しておき、ブレーキECU70は、マスタカット弁64の開弁後にこのシミュレータカット弁開弁時間が経過した時にシミュレータカット弁68を閉弁してもよい。シミュレータカット弁開弁時間は、モード移行の所要時間とストロークシミュレータ圧の有効活用とのバランスを考慮して、例えば実験等により適宜設定することが可能である。このようにすれば、ストロークシミュレータ69に蓄えられたブレーキフルードを有効に活用することができるとともに、開弁時間経過後に速やかにシミュレータカット弁を閉弁して静圧モードへの移行を完了することができる。これは、静圧モードへの迅速な移行をより重視する場合には好適な変形例である。
あるいは、マスタカット弁64の開弁後に、ブレーキペダル12への踏込が解除され制動オフの判定がなされるまでシミュレータカット弁68を開弁しておくことも可能である。このようにすれば比較的簡単な制御でSMC先行開弁制御を実現することができる。
なお、本実施形態においては、シミュレータ消費液量を利用することを考慮してマスタシリンダ32の総収容液量をより少なく設計し、小型のマスタシリンダを実現することが可能となる。必要とされるブレーキ性能を確保するためのホイールシリンダ圧をX(MPa)とすると、マスタシリンダ32の総収容液量は、ホイールシリンダ圧がX(MPa)のときのホイールシリンダ消費液量と、ストロークシミュレータ圧がX(MPa)のときのシミュレータ消費液量との和に設定することができる。この和により与えられるマスタシリンダ32の総収容液量となるようにマスタシリンダ32のストローク及び径を設計すれば、必要性能を満足する最小のマスタシリンダを実現することができる。
次に本実施形態の更なる変形例を説明する。図4は、本実施形態の更なる変形例に係る静圧モードへの移行処理の一例を説明するためのフローチャートである。上述の実施形態ではいずれにおいてもシミュレータカット弁68が閉弁されるまでの間、シミュレータカット弁68には規定の開弁電流が供給されて開弁されている。ところが、この変形例においては、ブレーキECU70は、規定の制御電流よりも小さい中間電流をマスタカット弁64の開弁に際してシミュレータカット弁68へ供給する。中間電流を適宜設定することにより、シミュレータカット弁68の上下流間の差圧が減少して中間電流に対応する所定圧に達した時に機械的にシミュレータカット弁68を閉弁させるようにすることができる。なお、以下の変形例に係る説明においては、上述の実施形態と同一の箇所については説明を適宜省略する。
図4に示される処理は、静圧モードに移行する際にブレーキECU70により実行される。処理が開始されると、ブレーキECU70は、シミュレータカット弁68に供給される制御電流を予め設定されている中間電流に低減させる(S24)。中間電流としては、例えば、シミュレータカット弁68の上下流間に作用する差圧が零となった時にシミュレータカット弁68が閉弁されるように設定される。この場合、具体的にはシミュレータカット弁68に内蔵されている戻しスプリングの弾性力と中間電流によりコイルが発生させる電磁開弁力とが釣り合うように中間電流を設定すればよい。このようにすれば、マスタシリンダ圧とストロークシミュレータ圧とが等しくなった時点でシミュレータカット弁68は自動的に閉弁される。
ブレーキECU70は、シミュレータカット弁68への制御電流を低減させるとともにマスタカット弁64を開弁する(S26)。これにより制御上は静圧モードへの移行が完了する。実際の動作では、ストロークシミュレータ圧が低下してシミュレータカット弁68が機械的に閉弁された時点で静圧モードへの移行が完了する。その後ブレーキECU70は、シミュレータカット弁68への中間電流の供給をブレーキペダル12への踏込が解除され制動オフの判定がなされた時に停止してもよいし、中間電流の供給開始から設定時間経過後に供給停止としてもよい。
この変形例によれば、制御電流を中間電流に低減するというシンプルな制御でSMC先行開弁制御を実行可能であるという点で好ましい。圧力センサ等の測定値を制御に使用していないので、センサの故障時にも実行することができるという利点もある。
中間電流の設定に関しては、ストロークシミュレータ圧を有効に活用するという観点からは上述のように差圧ゼロで閉弁されるように設定することが望ましい。静圧モードへの移行を迅速にするという観点からは、シミュレータカット弁68の上下流間の差圧がある程度残っていても機械的に閉弁されるように中間電流を調整することが望ましい。
なお、本発明の適用は回生協調制御中には限られない。回生協調制御を実行していないリニア制御モードの実行中においても、例えば後輪側からの漏れ異常でホイールシリンダ圧が低下したというような状況にも本発明は適用しうる。このような場合にも、ストロークシミュレータに消費されたブレーキフルードを有効に活用して、静圧モードへの切換の際のブレーキ性能を向上させることができる。
本発明の一実施形態に係るブレーキ制御装置を示す系統図である。 本実施形態に係る静圧モードへの移行処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の変形例に係る静圧モードへの移行処理の一例を説明するためのフローチャートである。 本実施形態の更なる変形例に係る静圧モードへの移行処理の一例を説明するためのフローチャートである。
符号の説明
20 ブレーキ制御装置、 23 ホイールシリンダ、 27 マスタシリンダユニット、 30 動力液圧源、 32 マスタシリンダ、 33 レギュレータ、 64 マスタカット弁、 65 レギュレータカット弁、 66 増圧リニア制御弁、 67 減圧リニア制御弁、 68 シミュレータカット弁、 69 ストロークシミュレータ、 70 ブレーキECU。

Claims (7)

  1. 運転者によるブレーキ操作部材への操作量に応じて作動流体を加圧して送出するマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けてブレーキ操作に対する反力を発生させるストロークシミュレータと、
    前記マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記マスタシリンダと前記ストロークシミュレータとを接続する流路に設けられたシミュレータカット弁と、
    前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとを接続する流路に設けられたマスタカット弁と、
    前記マスタシリンダからの作動流体の送出先を前記ストロークシミュレータから前記ホイールシリンダに切り替えて前記ホイールシリンダの増圧を開始する際に、前記シミュレータカット弁の閉弁に先行して前記マスタカット弁を開弁する制御部と、を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記制御部は、マスタシリンダ圧がホイールシリンダ圧よりも高い場合に、前記ストロークシミュレータが液圧源として併用されるように作動流体の流路を制御することを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 運転者によるブレーキ操作部材への操作量に応じて作動流体を加圧して送出するマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けてブレーキ操作に対する反力を発生させるストロークシミュレータと、
    前記マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記マスタシリンダからの作動流体の送出先を前記ストロークシミュレータから前記ホイールシリンダに切り替える際に、前記マスタシリンダに残されている作動流体を前記ホイールシリンダに供給したとしても所定のブレーキ性能を実現することができないと推定される場合に、前記マスタシリンダと前記ストロークシミュレータとが液圧源として併用されるように作動流体の流路を制御する制御部と、を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  4. 前記制御部は、所定の条件が満たされている場合に前記シミュレータカット弁を開弁したまま前記マスタカット弁を開弁し、前記所定の条件が満たされている間は、前記シミュレータカット弁を開弁していることを特徴とする請求項に記載のブレーキ制御装置。
  5. 運転者によるブレーキ操作部材への操作量に応じて作動流体を加圧して送出するマスタシリンダと、
    前記マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けてブレーキ操作に対する反力を発生させるストロークシミュレータと、
    前記マスタシリンダから送出された作動流体の供給を受けて車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    前記マスタシリンダと前記ストロークシミュレータとを接続する流路に設けられ、規定の制御電流の供給を受けて発生する電磁力により開弁状態が保証され、制御電流の供給が遮断されている間は閉弁状態となる常閉型のシミュレータカット弁と、
    前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとを接続する流路に設けられたマスタカット弁と、
    前記マスタシリンダからの作動流体の送出先を前記ストロークシミュレータから前記ホイールシリンダに切り替える際に、前記マスタカット弁の開弁に際して前記規定の制御電流よりも小さい中間電流を前記シミュレータカット弁へ供給する制御部と、を備えることを特徴とするブレーキ制御装置。
  6. 前記制御部は、前記シミュレータカット弁の上下流間に作用する差圧が零となった時に前記シミュレータカット弁が閉弁されるように前記中間電流を設定することを特徴とする請求項に記載のブレーキ制御装置。
  7. 前記制御部は、前記マスタカット弁の開弁から、予め設定されているシミュレータカット弁開弁時間が経過した時に前記シミュレータカット弁を閉弁することを特徴とする請求項に記載のブレーキ制御装置。
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