JP4329730B2 - 非水二次電池とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、放電電位、放電容量及び充放電サイクル寿命等の充放電特性が改善された非水二次電池に関するものであり、特に水分散性の合剤ペーストを使用した電極を有する非水二次電池とその製造方法に関する。
高放電電位、高放電容量の非水二次電池として、最近、リチウムを吸蔵放出するリチウムイオン電池が実用化されてきた。リチウムを挿入放出できる化合物である正極活物質あるいは負極材料は、導電剤や結着剤とともにホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどの分散機を使用して分散媒中に分散されて分散ペーストを形成し、この分散ペーストを集電体上に塗布して乾燥することによって電極シートを製造する。分散媒としては非水溶媒を選択する場合が多いが、これは水による活物質などの直接の劣化や電池を組み立てたときの残留水分による電池性能の劣化を避けるためである。しかし、有機溶媒を用いる場合には、作業環境、排出などの環境問題、均一な膜を作りにくいなどの問題があり、水分散系で扱うことが求められている。
リチウムを挿入放出できる化合物である正極活物質あるいは負極材料、特に負極材料は水中では安定とはいえず、非水二次電池の放電容量や充放電サイクル性に悪影響を及ぼし問題となっていた。特許文献1〜3には活物質を予め水洗処理する方法が示されている。しかしこれらの方法によっても放電特性の向上は十分ではない。水分散性の合剤ペーストを用いた場合に充放電サイクルが劣化する理由はまだ明らかになっていないが、先に述べた理由の他に、サイクル経時中の電池の内部抵抗を増大させる要因があることが示唆されている。
特開平1−296567号公報 特開平3−145071号公報 特開平3−64860号公報
本発明の第一の目的は、放電電位、放電容量及び充放電サイクル寿命等の充放電特性が改善された非水二次電池とその製造方法を提供することであり、本発明の第二の目的は分散性を改良した水分散性の合剤ペーストを使用した電極を有する非水二次電池とその製造方法を提供することであり、本発明の第三の目的は分散性を改良した合剤の水ペーストの製造方法とこれを利用した非水二次電池を提供することである。更に本発明の第四の目的は分散性を改良した合剤を用いた最適厚みの非水二次電池とその製造方法とを提供することである。
本発明の課題は、リチウムを吸蔵放出できる正極と負極およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池に関し、少なくとも、リチウムを吸蔵放出できる活物質と、炭素化合物からなる少なくとも一種以上の導電剤とを含有する水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる該電極の少なくとも一つの電極の製造において、該導電剤の少なくとも一種を分散助剤とともにあらかじめ水中に分散させた分散液を使用した該水分散合剤ペーストから調整した電極を用いることを特徴とする非水二次電池の製造方法により達成された。
本発明の非水二次電池とその製造方法を用いることにより充放電サイクル性など優れた電池性能を安定して得ることができる。
以下に本発明の実施の形態について説明する
(1)リチウムを吸蔵放出できる正極と負極およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池に関し、少なくとも、リチウムを吸蔵放出できる活物質と、炭素化合物からなる少なくとも一種以上の導電剤とを含有する水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる該電極の少なくとも一つの電極の製造において、該導電剤の少なくとも一種を分散助剤とともにあらかじめ水中に分散させた分散液を使用した該水分散合剤ペーストから調整した電極を用いることを特徴とする非水二次電池の製造方法。
(2)少なくともリチウムを吸蔵放出可能な活物質を含有する水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる負極の製造方法において、該水分散合剤ペーストのpHが5以上10以下であることを特徴とする非水二次電池用負極シートの製造方法。
(3)少なくとも、リチウムを吸蔵放出できる活物質と、炭素化合物からなる一種以上の導電剤とを含有する水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる正極シートと負極シート、およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池に於いて、該正極シートと該負極シートの少なくとも一方は、該導電剤の少なくとも一種を分散助剤とともにあらかじめ水中に分散させた分散液を使用した該水分散合剤ペーストから調整した電極シートであることを特徴とする非水二次電池。
(4)すくなくとも、リチウムを吸蔵放出できる活物質と、炭素化合物からなる一種以上の導電剤とを含有する水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる正極シートと負極シート、およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池に於いて、該負極シートに用いる水分散ペーストのpHが5以上10以下であることを特徴とする非水二次電池。
(5)負極シートに用いる水分散ペーストのpHが5以上10以下であることを特徴とする前記(3)に記載の非水二次電池。
(6)シート状導電性支持体の両面に電極合剤を塗設または圧着して成るシート状の負極および正極を有する非水二次電池において、電池組立て時の該負極の片面の合剤厚みが10〜80μmであり、かつ正極の片面の合剤厚みが100〜180μmであることを特徴とする非水二次電池。
(7)シート状導電性支持体の両面に電極合剤を塗設または圧着して成るシート状の負極および正極を有する非水二次電池において、電池組立て時の該負極の片面の合剤厚みが10〜80μmであり、かつ正極の片面の合剤厚みが100〜180μmであり、あらかじめ水分散した導電剤を使用し、かつ水分散合剤ペーストのpHが5以上10以下であることを特徴とする前記(3)〜(5)のいづれか1項に記載の非水二次電池。
(8)あらかじめ水中に分散させた該導電剤のうち少なくとも一種がアセチレンブラックであることを特徴とする前記(3)に記載の非水二次電池。
(9)正極合剤中に含有される正極活物質の少なくとも一種がLia MOb (ここでMは、その少なくとも一種がCo、Mn、Ni、V、Feを含む遷移金属、a=0.2〜1.2、b=1.4〜3)であることを特徴とする前記(3)〜(6)のいづれか1項に記載の非水二次電池。
(10)負極合剤中に含有される負極活物質の少なくとも1種は、周期律表IIIA、IVA、VA族元素から選ばれる一種以上の元素を含む酸化物およびカルコゲン化合物から選ばれる化合物であることを特徴とする前記(3)〜(6)のいづれか1項に記載の非水二次電池。
(11)負極シートに用いる水分散ペーストのpHが6以上9以下であることを特徴とする前記(4)に記載の非水二次電池。
(12)負極シートに用いる水分散ペーストの温度を5℃以上80℃未満に保つことを特徴とする前記(4)または(11)に記載の非水二次電池。
(13)負極シートに用いる水分散ペーストを調整後、7日以内に集電体上への塗布を行うことを特徴とする前記(4)または(11)、(12)のいづれか1項に記載の非水二次電池。
(14)前記(6)における負極の片面の合剤厚みが10〜80μmであり、かつ正極の片面の合剤厚みが100〜170μmであることを特徴とする前記(6)に記載の非水二次電池。
(15)前記(10)の負極活物質が、下記一般式(1)で表されることを特徴とする前記(10)に記載の非水二次電池。
一般式(1) SnM1xOy
式中、M1 は、Si 、Ge 、Pb 、Bi、Sb、P、B、Al、Asから選ばれる少なくとも一種を表し、x=0〜4、y=1〜10の数字を表す。
(16)前記(10)の負極活物質が、下記一般式(2)で表されることを特徴とする前記(10)に記載の非水二次電池。
一般式(2) SnM2zOy
式中、M2 は、Ge 、Pb 、Bi、Sb、P、B、Al、Asから選ばれる少なくとも一種を表し、z=0〜4、y=1〜10の数字を表す。
(17)前記(10)の負極活物質が、下記一般式(3)で表されることを特徴とする前記(10)に記載の非水二次電池。
一般式(3) SnSi p M2qOr
式中、M2 は、Ge 、Pb 、Bi、Sb、P、B、Al、Asから選ばれる少なくとも一種を表し、0.1≦p+q≦4、0.05≦p≦2、1.1≦r≦10である。
(18)負極に用いる水分散合剤ペーストのpHが5以上10以下であることを特徴とする前記(1)に記載の非水二次電池用負極シートの製造方法。
(19)負極に用いる水分散ペーストのpHが6以上9以下であることを特徴とする前記(18)に記載の非水二次電池用負極シートの製造方法。
(20)負極に用いる水分散ペーストの温度を5℃以上80℃未満に保つことを特徴とする前記(18)または(19)に記載の非水二次電池用負極シートの製造方法。
(21)負極に用いる水分散ペーストを調整後、7日以内に集電体上への塗布を行うことを特徴とする前記(18)〜(20)のいづれか1項に記載の非水二次電池用負極シートの製造方法。
(22)負極の片面の合剤厚みが10〜80μmであり、かつ正極の片面の合剤厚みが100〜170μmであることを特徴とする前記(1)または(18)〜(21)のいづれか1項に記載の非水二次電池の製造方法。
以下本発明の技術について詳述する。本発明の非水二次電池に用いられる正、負極、特にシート状の正負極は、正極合剤あるいは負極合剤の水分散ペーストをシート状の集電体上に塗設して作る。正極あるいは負極合剤には、それぞれリチウムを吸蔵放出することの出来る化合物である正極活物質あるいは負極材料の他に、それぞれに導電剤、結着剤、分散助剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤を含むことができる。
水分散性の合剤ペーストの調整方法としては、水中にこれらを一括添加して分散させる方法、分散助剤をあらかじめ水中に分散させて、これに導電剤を添加して分散させる方法、導電剤、分散助剤をあらかじめ混合してから水中に分散させる方法のいずれでもよく、導電剤を液状の分散助剤あるいは分散助剤の高濃度溶液と混合あるいは混練してから水中に分散させる方法が好ましい。
導電剤、分散助剤の混合、混練、あるいは水中への分散にはニーダー、ミキサー、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリミキサー、ペイントシェイカー、サンドミルなどの混合攪拌機を適宜使用することができる。
本発明で使用できる炭素化合物からなる導電剤としては、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛などの天然黒鉛、人口黒鉛などのグラファイト類、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類、炭素繊維などをあげることができる。これらの中で、カーボンブラックがより好ましく、アセチレンブラックが特に好ましい。
これらの炭素化合物はいずれも疎水的であり、水分散ペーストを作るのが困難である。例えばアセチレンブラックは、特に導電性、電解質の通液性に優れており、良好な導電剤であるが、一方で水に対しての濡れが悪く、常用の電極製造法においては活物質とともに水系の合剤ペーストに良好に分散させるのが困難である。また、ファーネスブラックやグラファイト等は有機溶媒中では分散性により優れているが、水中では凝集性が強く十分な分散性ではない。特開平2−158055号公報には二酸化マンガン活物質と炭素粉末の導電剤とを予め混合して混合粉とした上で塗布用の合剤ペーストを調整する方法が示されている。しかし、この方法によっても活物質に比して導電剤の水中での分散性が著しく劣るため活物質が十分に分散された状態でも導電剤の分散状態はいまだ不十分であり、分散ペースト中で導電剤が一部凝集体を形成してしまう。
従って、本発明のように、導電剤である炭素化合物は、予め分散助剤と共に水中に分散させたものを用いるのが有利である。
本発明において、炭素化合物の分散に使用できる分散助剤としては、炭素数6〜22の脂肪酸(例、カプロン酸、カプリル酸、カプロン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、ステアロール酸等)、上記脂肪酸とアルカリ金属(Li、Na、K等)またはアルカリ土類金属(Mg、Ca、Ba等)からなる金属石鹸、脂肪族アミン、シランカップリング剤、チタンカップリング剤等のカップリング剤、高級アルコール、ポリアルキレンオキサイドリン酸エステル、アルキルリン酸エステル、アルキルホウ酸エステル、サルコシネート類、ポリアルキレンオキサイドエステル類、レシチン等の化合物、アルキレノキサイド系、グリセリン系等のノニオン性界面活性剤、高級アルキルアミン類、第4級アンモニウム塩類、ホスホニウムまたはスルホニウム等のカチオン性界面活性剤、カルボン酸、スルホン酸、リン酸、硫酸エステル、リン酸エステル基等のアニオン性界面活性剤、アミノ酸、アミノスルホン酸、アミノアルコールの硫酸またはリン酸エステル等の両性界面活性剤、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコールあるいはその変性体、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体などの水溶性ポリマー類などがある。中でもカルボキシメチルセルロース以下の水溶性ポリマー類は炭素化合物からなる導電剤を特に良好に分散させるので好ましく、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコールあるいはその変性体、スチレン−マレイン酸共重合体が特に好ましい。これら分散助剤も単独でも2種以上を混合しても使用することができる。
導電剤の炭素化合物を水中に分散するためには、ミキサーやホモブレンダーなどの公知の分散機と分散方法を用いることができる。
これらの導電剤分散液は正極、負極いずれの電極シート作製においても使用することができるが、両極それぞれに使用して、電池を構成することが好ましい。
これらの炭素化合物からなる導電剤は単独でも2種以上を混合しても使用することができる。また、本発明の炭素化合物に加えてさらに、金属繊維などの導電性繊維類、銅、ニッケル、アルミニウム、銀などの金属粉類、酸化亜鉛、チタン酸カリウムなどの導電性ウィスカー類、酸化チタンなどの導電性金属酸化物あるいはポリフェニレン誘導体などの有機導電性材料などを単独またはこれらの混合物として使用することができる。
炭素化合物からなる導電剤の添加量は、特に限定されないが、各電極の合剤中において1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。
また分散助剤の使用量も特に限定されないが、導電剤の使用量に対して1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。これら導電剤、分散助剤の添加量は多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位重量あたりの容量が減少し、少なすぎると導電性あるいは導電剤の分散性が低下し、容量は減少する。
他の導電剤と組み合わせて使用する場合も総量がこの範囲に入ることが好ましい。
先に述べたようにリチウムを吸蔵、放出することのできる化合物は水中において必ずしも安定ではない。特にリチウム含有遷移金属化合物あるいは無機酸化物を負極材料に使用した場合、低pHあるいは高pH領域において材料の溶出や表面状態の変化が起こり、これにより非水二次電池の放電容量やサイクル寿命などの充放電特性が損なわれる。特に充放電特性の優れた非晶質の負極材料の場合、このような状況下において表面に部分的な結晶化が起こり、このことが優れた特性を損なっていることを本発明者は見いだした。
そこで負極を製造する際に調整する水分散合剤ペーストのpHを適切な範囲とすることにより放電容量やサイクル寿命など充放電特性の優れた非水二次電池が得られることを見いだした。水分散合剤ペーストのpHは、含まれる負極材料や導電剤、結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤や各種添加剤の種類や量によって変わる。これらを適切に選択、調節することにより好ましいpHの水分散合剤ペーストを得ることができ、非水二次電池を優れた充放電特性を持つものとすることができる。好ましいpHの範囲は5以上10以下であり、より好ましくは5.5以上9.5以下、さらに好ましくは6以上9以下である。
水分散合剤ペーストのpHはpH調節剤を添加することにより調節してもよい。この場合pH調節剤は合剤成分と同時に添加してもよく、またできあがった水分散合剤ペーストに後から添加してもよい。
pH調節剤は無機および有機の酸あるいはアルカリを使用することができる。酸としは硫酸、塩酸、硝酸、酢酸、蓚酸、蟻酸等、アルカリとしては水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等を使用することができる。
負極材料を安定に保つためには水分散合剤ペーストを調合してから塗布するまでに高温としないことが好ましい。また温度が低すぎると合剤の塗布性に問題を生じるので好ましくない。好ましい温度範囲は5℃以上80℃以下であり、より好ましくは5℃以上50℃以下である。
さらに負極材料を安定に保つためには水分散合剤ペーストを調合してから塗布するまで長時間をおかないことが好ましい。好ましい時間範囲は7日以内であり、より好ましくは4日以内である。
本発明に於いて、正負極のいずれか一方に負担をかけ充放電サイクル寿命を低下させることのない、好ましい正負極の合剤厚みは、電池組立て時の該負極の片面の合剤厚みが5〜80μmであり、かつ正極の片面の合剤厚みが90〜180μmである。更に好ましくは、負極の片面の合剤厚みが10〜80μmであり、かつ正極の片面の合剤厚みが100〜180μmである。
本発明の負極シートに用いられるリチウムを挿入放出できる化合物(以下、負極材料と言う)としては、炭素質化合物、無機酸化物、無機カルコゲナイド、有機高分子化合物が好ましい。これらは単独でも、組み合わせて用いてもよい。例えば、炭素質化合物と無機酸化物の組み合わせなどが挙げられる。
これらの負極材料は、高容量、高放電電位、高安全性、高サイクル特性の効果を与えるので好ましい。
炭素質化合物としては、天然黒鉛、人口黒鉛、気相成長炭素、有機物の焼成された炭素などから選ばれ、黒鉛構造を含んでいるものが好ましい。また、炭素質化合物には、炭素以外にも、異種化合物、例えばB,P,N,S,SiC,B4 Cを0〜10重量%含んでもよい。
無機酸化物又は無機カルコゲナイドを形成する元素としては、遷移金属又は周期律表13〜15族の金属、半金属元素をあげることが出来る。
遷移金属化合物としては、特にV,Ti,Fe,Mn,Co,Ni,Zn,W,Moの単独あるいは複合酸化物、又はカルコゲナイドが好ましい。更に好ましい化合物として、特開平6−44972号記載のLip Coq1-qr (ここでp=0.1〜2.5、q=0〜1、r=1.3〜4.5)を挙げる事ができる。
有機高分子化合物としては、リチウムイオンをドープできるポリアセン、ポリアセチレン、ポリピロールやこれらの誘導体を用いることができる。
本発明に於いて好ましく用いられる負極材料は、周期律表第13族〜15族元素を含む無機酸化物または無機カルコゲナイドであり、周期律表13族〜15族元素とは、B、Al、Ga、In、Ti、C、Si、Ge、Sn、Pb、N、P、As、Sb、Biである。
これらの化合物としては、GeO、GeO2 、SnO、SnS、SnO2 、SnS2 、GeS、GeS2 、InS、PbO、PbS、PbO2 、Pb23 、Pb34 、Sb23 、Sb24 、Sb25 、Bi23 、Bi24 、Bi25 InOをあげることが出来る。
上記の複合カルコゲン化合物、複合酸化物は電池組み込み時に主として非晶質であることが好ましい。ここで言う主として非晶質とはCuKα線を用いたX線回折法で2θ値で20°から40°に頂点を有するブロードな散乱帯を有する物であり、結晶性の回折線を有してもよい。好ましくは2θ値で40°以上70°以下に見られる結晶性の回折線の内最も強い強度が、2θ値で20°以上40°以下に見られるブロードな散乱帯の頂点の回折線強度の500倍以下であることが好ましく、さらに好ましくは100倍以下であり、特に好ましくは5倍以下であり、最も好ましくは結晶性の回折線を有さないことである。
上記の複合酸化物、複合カルコゲン化合物の中で次の一般式(1)及び(2)の化合物がより好ましい。
一般式(1) SnM1xOy
式中、M1 は、Si、Ge、Pb、Bi、Sb、P、B、Al、Asから選ばれる少なくとも一種を表し、x=0〜4、y=1〜10の数字を表す。
一般式(2) SnM2zOy
式中、M2 は、Ge、Pb、Bi、Sb、P、B、Al、Asから選ばれる少なくとも一種を表し、z=0〜4、y=1〜10の数字を表す。
一般式(1)の化合物の中で、一般式(3)の化合物が更に好ましい。
一般式(3) SnSi p M2qOr
式中、M2 は、一般式(2)のM2 とおなじである。p,qは0.1≦p+q≦4、0.05≦p≦2、1.1≦r≦10を表す。
一般式(1)〜(3)の複合酸化物としては例えば下記のものがあるが、これらに限定されるものではない。
SnSi0.011.02、SnGe0.011.02、SnPb0.051.1 、SnSi0.1 Ge0.1 Pb0.12.6 、SnSi0.2 Ge0.12.6 、SnSi0.72.4 、SnGe0.72.4 、SnSi0.82.6 、SnSiO3 、SnPbO3 、SnSi0.9 Ge0.13 、SnSi0.8 Ge0.23 、SnSi0.8 Pb0.23 、SnSi0.8 Ge0.1 Pb0.13 、SnSi1.23.4 、SnSi26 、SnB0.011.015 、SnAl0.011.015 、SnP0.012.015 、SnP0.051.125 、SnB0.051.075 、SnP0.11.25、SnB0.11.15、SnP0.31.75、SnB0.72.05、SnP0.83 、SnPO3.5 、SnBO2.5 、SnSi0.250.20.23 、SnSi0.50.20.23 、SnSi0.80.23.1 、SnSi0.80.22.9 、SnSi0.8 Al0.22.9 、SnSi0.6 Al0.20.22.8 、SnSi0.6 Al0.20.23 、SnSi0.60.20.23 、SnSi0.4 Al0.20.42.7 、SnSi0.6 Al0.10.10.33.25、SnSi0.6 Al0.10.30.13.05、SnSi0.5 Al0.30.40.23.55、SnSi0.5 Al0.30.40.54.30、SnSi0.8 Al0.30.20.23.85
本発明においては、以上示したような一般式(1)から(3)で示される化合物を主として負極材料として用いることにより、より充放電サイクル特性の優れた、かつ高い放電電圧、高容量で安全性が高く,急速充電特性が優れた非水二次電池を得ることができる。本発明において、特に優れた効果を得ることができるのは、Snを含有し且つSnの価数が2価で存在する化合物を負極材料として用いる場合である。Snの価数は化学滴定操作によって求めることができる。例えばPhysics and Chemistry of Glasses Vol.8 No.4 (1967)の165頁に記載の方法で分析することができる。また、Snの固体核磁気共鳴(NMR)測定によるナイトシフトから決定することも可能である。例えば幅広測定において金属Sn(0価のSn)はSn(CH34 に対して7000ppm付近と極端に低磁場にピークが出現するのに対し、SnO(=2価)では100ppm付近、SnO2 (=4価)では−600ppm付近に出現する。このように同じ配位子を有する場合ナイトシフトが中心金属であるSnの価数に大きく依存するので、119 Sn−NMR測定で求められたピーク位置で価数の決定が可能となる。
本発明の負極材料に各種化合物を含ませることができる。例えば、1族元素(Li、Na、K、Rb、Cs)、2族元素(Be、Mg、Ca、Sr、Ba)、遷移金属(Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Y、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、ランタノイド系金属、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg)や周期表17族元素(F、Cl、Br、I)を含ませることができる。また電子伝導性をあげる各種化合物(例えば、Sb、In、Nbの化合物)のドーパントを含んでもよい。添加する化合物の量は0〜20モル%が好ましい。
本発明における一般式(1)〜(3)で示される複合カルコゲン化合物、複合酸化物の合成法としては、焼成法、溶液法があるが、焼成法が好ましい。焼成法について以下に説明する。
焼成条件としては、昇温速度として昇温速度毎分4℃以上2000℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは6℃以上2000℃以下である。とくに好ましくは10℃以上2000℃以下であり、かつ焼成温度としては250℃以上1500℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは350℃以上1500℃以下であり、とくに好ましくは500℃以上1500℃以下であり、かつ焼成時間としては0.01時間以上100時間以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.5時間以上70時間以下であり、とくに好ましくは1時間以上20時間以下であり、かつ降温速度としては毎分2℃以上107 ℃以下であることが好ましく、さらに好ましくは4℃以上107 ℃以下であり、とくに好ましくは6℃以上107 ℃以下であり、特に好ましくは10℃以上107 ℃以下である。
本発明における昇温速度とは「焼成温度(℃表示)の50%」から「焼成温度(℃表示)の80%」に達するまでの温度上昇の平均速度であり、本発明における降温速度とは「焼成温度(℃表示)の80%」から「焼成温度(℃表示)の50%」に達するまでの温度降下の平均速度である。
降温は焼成炉中で冷却してもよくまた焼成炉外に取り出して、例えば水中に投入して冷却してもよい。またセラミックスプロセッシング(技報堂出版1987)217頁記載のgun法・Hammer−Anvil法・slap法・ガスアトマイズ法・プラズマスプレー法・遠心急冷法・melt drag法などの超急冷法を用いることもできる。またニューガラスハンドブック(丸善1991)172頁記載の単ローラー法、双ローラ法を用いて冷却してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には、焼成中に原料を供給しつつ焼成物を連続的に取り出してもよい。焼成中に溶融する材料の場合には融液を攪拌することが好ましい。
焼成ガス雰囲気は好ましくは酸素含有率が5体積%以下の雰囲気であり、さらに好ましくは不活性ガス雰囲気である。不活性ガスとしては例えば窒素、アルゴン、ヘリウム、クリプトン、キセノン等が挙げられる。
本発明の負極活物質の平均粒径(D)としては、0.7〜25μmであり、かつ全体積の60%以上が0.5〜30μmであることが好ましい。さらに好ましくは、平均粒径(D)が0.8〜20μmであり、かつ全体積の75%以上が0.5〜30μmである。特に好ましくは、平均粒径(D)が1.0〜16μmであり、かつ全体積の90%以上が0.5〜30μmである。ただし、使用する該負極活物質の粒径は、負極の片面の合剤厚みを越えないものであることはいうまでもない。
ここでいう平均粒径とは一次粒子のメジアン径のことであり、レーザー回折式の粒度分布測定装置により測定される。
また、本発明の負極活物質の粒径1μm以下の粒子群の占める体積は全体積の30%以下であり、かつ粒径20μm以上の粒子群の占める体積が全体積の25%以下であることが好ましい。さらに好ましくは、粒径1μm以下の粒子群の占める体積が全体積の20%以下であり、かつ粒径20μm以上の粒子群の占める体積が全体積の14%以下である。特に好ましくは、粒径1μm以下の粒子群の占める体積が全体積の10%以下であり、かつ粒径20μm以上の粒子群の占める体積が全体積の10%以下である。
本発明の負極活物質の比表面積としては0.1〜10m2 /gであることが好ましく、さらに好ましくは0.1〜8m2 /gであり、特に好ましくは0.2〜7m2 /gである。測定は通常のBET法による方法で行なうことができる。
所定の粒子サイズにするには、焼成物または粗粉砕物を粉砕及び/又は分級する方法を用いることが好ましい。粉砕方法としては、乾式粉砕法、溶媒を媒体とした湿式粉砕法が用いられる。湿式粉砕法では用いられる溶媒としては、取扱い性および安全性の観点から例えば、水、トルエン、キシレン、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、N,N−ジメチルホルムアミドなどが好ましい。使用する溶媒の量としては、粉末材料の1/10〜20倍が好ましく、1/5〜10倍が特に好ましい。粉砕方法として好ましくは乾式粉砕法及び/又は水を媒体とした湿式粉砕法である。粉砕機としては、例えば、乳鉢、ボールミル、円振動ボールミル、旋動振動ミル、衛星ボールミル、遊星ボールミル、旋回気流型ジェットミル、ポットミル、遠心ミル、タワーミル、サンドミル、アトライター、セントリミル、ダイノミル、ローラーミル、ピンミル、チューブミル、ロッドミル、ジョークラッシャーなどが用いられるが、好ましくは旋回気流型ジェットミル、ボールミル、振動ボールミルによる粉砕方法である。さらに、所定の粒径に合わせるために分級することが好ましく、風力分級装置(例えばサイクロン)や篩などが好ましく用いられる。篩で分級する場合は乾式法または水等の溶媒を用いた湿式法が好ましい。また、粉砕や分級の温度は、用いる材料、溶媒の種類にもよるが、5〜150℃が好ましく、10〜90℃がより好ましい。
本発明の負極活物質を電極合剤として構成する前に、100〜400℃の温度範囲で熱処理することが電池容量向上の観点から好ましい。熱処理雰囲気としては空気中、不活性ガス雰囲気中(たとえばアルゴンガス、窒素ガス、ヘリウムガス等)、酸素ガス、水素ガス等の活性ガス雰囲気中あるいは加圧、減圧雰囲気中等いずれでもよいが好ましくは、空気中、不活性ガス雰囲気中、減圧雰囲気中である。また、ここで言う電極合剤として構成する前とは、たとえば結着剤や導電剤等と混合する前のことであり、負極活物質のみで熱処理することを指すものである。また、熱処理する時期としては、電極合剤として構成する90日前から直前が好ましく、さらに好ましくは30日前から直前である。熱処理温度は120〜350℃がさらに好ましく、150〜300℃が特に好ましい。熱処理時間は0.5〜120時間が好ましく、1〜80時間がさらに好ましく、1〜48時間が特に好ましい。
本発明の正極シートに使用する正極活物質は、リチウムイオンを吸蔵放出できる化合物であればよいが、特に、遷移金属酸化物や遷移金属カルコゲナイドから選ばれる。特に遷移金属酸化物が好ましく、更にリチウムを含む遷移金属酸化物が特に好ましい。
本発明で用いられる好ましい遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Nb、Mo、Wを挙げることができ、これら遷移金属の化合物の中では、二酸化マンガン、五酸化バナジウム、酸化鉄、酸化モリブデン、硫化モリブデン、酸化コバルト、硫化鉄、硫化チタンなどが好ましい。これらの化合物は、単独で、あるいは2種以上を併用して用いることができる。又、リチウムを含む遷移金属酸化物として用いることもできる。
リチウム化合物や遷移金属化合物の他に、一般に、Ca2+のようにイオン伝導性を高める化合物、あるいは、P、B、Siを含むような非晶質網目形成剤(例えば、P25 、Li3 PO4 、H3 BO3 、B23 、SiO2 など)と混合して焼成しても良い。また、Na、K、Mgなどのアルカリ金属イオンおよび/またはSi、Sn、Al、Ga、Ge、Ce、In、Biなどを含む化合物と混合して焼成しても良い。リチウムを含む遷移金属酸化物は、例えば、リチウム化合物、遷移金属化合物の混合物を焼成することにより合成することができる。
本発明で用いられる好ましい正極活物質の具体例は、特開昭61−5262号公報、米国特許第4,302,518号明細書、特開昭63−299056号、特開平1−294364号、特公平4−30146号、米国特許第5,240,794号、同5,153,081号、特開平4−328258号、特開平5−54889号等に記載されている。代表的な化合物を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix Coa Ni1-a2 、Lix Cob1-bz 、Lix Cob Fe1-bz 、Lix Mn24 、Lix MnO2 、Lix Mnb Co2-bz 、Lix Mnb Ni2-bz 、Lix Mnb2-bz 、Lix Mnb Fe2-bz 、Lix Coc1-c2 (ここでx=0.05〜1.2、a=0.1〜0.9、b=0.8〜0.98、c=0.85〜0.99、z=1.5〜5)があげられる。
本発明で用いる正極活物質は、リチウム化合物と遷移金属化合物を混合、焼成する方法や溶液反応により合成することができるが、特に焼成法が好ましい。
焼成の為の詳細は、特開平6−60867号の段落0035、特開平7−14579号公報等に記載されており、これらの方法を用いることができる。焼成によって得られた正極活物質は水、酸性水溶液、アルカリ性水溶液、有機溶剤にて洗浄した後使用してもよい。
更に、遷移金属化合物に化学的にリチウムイオンを挿入する方法としては、リチウム金属、リチウム合金やブチルリチウムと遷移金属酸化物と反応させることにより合成する方法であっても良い。
本発明で用いる正極活物質の平均粒子サイズは特に限定されないが、0.1〜50μmが好ましい。0.5〜30μmの粒子の体積が95%以上であることが好ましい。より詳しくは、粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の18%以下であり、かつ15μm以上25μm以下の粒子群の占める体積が、全体積の18%以下であることが好ましく、さらに好ましくは粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の17%以下であり、かつ15μm以上25μm以下の粒子群の占める体積が、全体積の7%以下であることであり、特に好ましくは粒径3μm以下の粒子群の占める体積が全体積の16%以下であり、かつ15μm以上25μm以下の粒子群の占める体積が、全体積の2%以下であることである。
体積累積分布としては、好ましくはD(25%)=3〜7μm、D(50%)=4〜9μm、D(75%)=5〜12μm、D(90%)=6〜13μmであり、さらに好ましくはD(25%)=3〜5μm、D(50%)=4〜7μm、D(75%)=5〜8μm、D(90%)=6〜9μmであり、特に好ましくはD(25%)=3〜5μm、D(50%)=4〜6μm、D(75%)=5〜7μm、D(90%)=6〜9μmである。
また、本発明の正極活物質は1μm以下もしくは25μm以上に実質的に粒径分布を有さないことが望ましい。ここでいう実質的に粒径分布を有さないとは、1μm以下もしくは25μm以上の粒子の体積分率が3%以下であることを意味する。さらに好ましくは25μm以上の粒子の体積分率が2%以下であり、特に好ましくは1μm以下もしくは25μm以上の粒子の体積分率が0%である。
比表面積としては特に限定されないが、BET法で0.01〜50m2 /gが好ましい。0.1m2 /g〜20m2 /gがより好ましく、さらに好ましくは0.1m2 /g〜5m2 /gであり、特に好ましくは0.2m2 /g〜1m2 /gである。
また正極活物質5gを蒸留水100mlに溶かした時の上澄み液のpHとしては7以上12以下が好ましい。
本発明の正極活物質を焼成によって得る場合、焼成温度としては500〜1500℃であることが好ましく、さらに好ましくは700〜1200℃であり、特に好ましくは750〜1000℃である。焼成時間としては4〜30時間が好ましく、さらに好ましくは6〜20時間であり、特に好ましくは6〜15時間である。
本発明で用いられる酸化物の正極活物質あるいは負極材料の表面を、用いられる正極活物質や負極材料と異なる化学式を持つ酸化物で被覆することができる。この表面酸化物は、酸性にもアルカリ性にも溶解する化合物を含む酸化物が好ましい。さらに、電子伝導性の高い金属酸化物が好ましい。例えば、PbO2 、Fe23 、SnO2 、In23 、ZnOなどやまたはこれらの酸化物にドーパント(例えば、酸化物では原子価の異なる金属、ハロゲン元素など)を含ませることが好ましい。特に好ましくは、SiO2 、SnO2 、Fe23 、ZnO、PbO2 である。
表面処理された金属酸化物の量は、該正極活物質あるいは負極材料当たり、0.1〜10重量%が好ましい。また、0.2〜5重量%が特に好ましく、0.3〜3重量%が最も好ましい。
また、このほかに、正極活物質や負極材料の表面を改質することができる。例えば、金属酸化物の表面をエステル化剤により処理、キレート化剤で処理、導電性高分子、ポリエチレンオキサイドなどにより処理することが挙げられる。
また、負極材料の表面を改質することもできる。例えば、イオン導電性ポリマーやポリアセチレン層を設けるなどにより処理することが挙げられる。また、正極活物質や負極材料は水洗などの精製工程を経てもよい。
本発明の水分散性ペーストに用いられる結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーを一種またはこれらの混合物を用いることができる。好ましい例としては、でんぷん、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、再生セルロース、ジアセチルセルロース、ポリビニルクロリド、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、スチレンブタジエンゴム、ポリブタジエン、フッ素ゴム及びポリエチレンオキシドを挙げることができる。また、多糖類のようにリチウムと反応するような官能基を含む化合物を用いるときは、例えば、イソシアネート基のような化合物を添加してその官能基を失活させることが好ましい。その結着剤の添加量は、特に限定されないが、1〜50重量%が好ましく、特に2〜30重量%が好ましい。合剤中における結着剤の分布は、均一でも、不均一でもよい。
本発明に於いて好ましく用いられる結着剤は、分解温度が300℃以上のポリマーである。ここで、分解温度とは、ポリマーを真空中で加熱した時、その重量がが減少する温度のことであり、ある温度幅をもっている。例えばポリエチレンの分解温度は335〜450℃である。S.L.Madorskyらは、ポリマーの熱安定性を正確に比較するため、熱天秤を用いて真空中でポリマーを等温熱分解し、30分後の減量率と温度の関係を求め、減量率が50%に達する半寿命温度(Th)を定めた(例えば、S.P.E.J.,17巻、665頁(1961)に記載されている。)。これによると、前記ポリエチレンのThは406℃である。本発明で定義する分解温度はThに相当する。
上記分解温度(Th)が300℃以上のポリマーで本発明の結着剤として好ましいものとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、ポリエステル、ふっ素樹脂などが挙げられるが、ふっ素樹脂が特に好ましい。ここで、ふっ素樹脂とは、JIS6900「プラスチック用語」に記載されている様に、重合体の分子内に炭素−ふっ素結合を持つ樹脂の総称である。
上記ふっ素樹脂の好ましい例としては、以下のものが挙げられる。
(A−1) ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)
(A−2) ポリふっ化ビニリデン(PVDF)
(A−3) テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)
(A−4) テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)
(A−5) ふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体
(A−6) ふっ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体
(A−7) エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体(ETFE樹脂)
(A−8) ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)
(A−9) ふっ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体
(A−10)プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体
(A−11)エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)
(A−12)ふっ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体
(A−13)ふっ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体
上記ポリマーに、さらに他のエチレン性不飽和モノマーを共重合しても良い。共重合可能なエチレン性不飽和モノマーとしては、例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン、ブタジエン、スチレン、N−ビニルピロリドン、N−ビニルピリジン、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルビニルエーテルなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
フィラーは、構成された電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30重量%が好ましい。
イオン導電剤は、無機及び有機の固体電解質として知られている物を用いることができ、詳細は電解液の項に記載されている。圧力増強剤は、後述の内圧を上げる化合物であり、炭酸塩が代表例である。
電解質は、一般に、溶媒と、その溶媒に溶解するリチウム塩(アニオンとリチウムカチオン)とから構成されている。溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン、ギ酸メチル、酢酸メチル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトンなどの非プロトン性有機溶媒を挙げることができ、これらの一種または二種以上を混合して使用する。これらの溶媒に溶解するリチウム塩のカチオンとしては、例えば、ClO4 - 、BF4 - 、PF6 - 、CF3 SO3 - 、CF3 CO2 - 、AsF6 - 、SbF6 - 、(CF3 SO2)2- 、B10Cl10 2-、(1,2−ジメトキシエタン)2 ClO4 - 、低級脂肪族カルボン酸イオン、AlCl4 - 、Cl- 、Br- 、I- 、クロロボラン化合物のアニオン、四フェニルホウ酸イオンを挙げることができ、これらの一種または二種以上を使用することができる。なかでも環状カーボネート及び/又は非環状カーボネートを含ませることが好ましい。例えば、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネートを含ませることが好ましい。また、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートを含ませることが好ましい。またエチレンカーボネートのほかに、プロピレンカーボネート、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルカーボネートあるいはジエチルカーボネートを適宜混合した電解液にLiCF3 SO3 、LiClO4 、LiBF4 および/あるいはLiPF6 を含む電解質が好ましい。それらの支持塩では、LiPF6 を含ませることが特に好ましい。
これら電解質を電池内に添加する量は、特に限定されないが、正極活物質や負極材料の量や電池のサイズによって必要量用いることができる。
支持電解質の濃度は、特に限定されないが、電解液1リットル当たり0.2〜3モルが好ましい。
また、電解液の他に次の様な固体電解質も併用することができる。
固体電解質としては、無機固体電解質と有機固体電解質に分けられる。
無機固体電解質には、Liの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩などがよく知られている。なかでも、Li3 N、LiI、Li5 NI2 、Li3 N−LiI−LiOH、Li4 SiO4 、Li4 SiO4 −LiI−LiOH、x Li3 PO4 − (1-x)Li4 SiO4 、Li2 SiS3 、硫化リン化合物などが有効である。
有機固体電解質では、ポリエチレンオキサイド誘導体か該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマー、イオン解離基を含むポリマーと上記非プロトン性電解液の混合物、リン酸エステルポリマー、非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マトリックス材料が有効である。さらに、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する方法もある。また、無機と有機固体電解質を併用する方法も知られている。
また、放電や充放電特性を改良する目的で、他の化合物を電解質に添加しても良い。例えば、ピリジン、トリエチルフォスファイト、トリエタノールアミン、環状エーテル、エチレンジアミン、n−グライム、ヘキサリン酸トリアミド、ニトロベンゼン誘導体、硫黄、キノンイミン染料、N−置換オキサゾリジノンとN,N’−置換イミダリジノン、エチレングリコールジアルキルエーテル、第四級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール、ピロール、2−メトキシエタノール、AlCl3 、導電性ポリマー電極活物質のモノマー、トリエチレンホスホルアミド、トリアルキルホスフィン、モルホリン、カルボニル基を持つアリール化合物、12−クラウン−4のようなクラウンエーテル類、ヘキサメチルホスホリックトリアミドと4−アルキルモルホリン、二環性の三級アミン、オイル、四級ホスホニウム塩、三級スルホニウム塩などを挙げることができる。
また、電解液を不燃性にするために含ハロゲン溶媒、例えば、四塩化炭素、三弗化塩化エチレンを電解液に含ませることができる。また、高温保存に適性をもたせるために電解液に炭酸ガスを含ませることができる。
また、正極や負極の合剤には電解液あるいは電解質を含ませることができる。例えば、前記イオン導電性ポリマーやニトロメタン、電解液を含ませる方法が知られている。
セパレーターとしては、大きなイオン透過度を持ち、所定の機械的強度を持ち、絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、80℃以上で孔を閉塞し、抵抗をあげる機能を持つことが好ましい。耐有機溶剤性と疎水性からポリプロピレンおよび/またはポリエチレンなどのオレフィン系ポリマーあるいはガラス繊維などからつくられたシートや不織布が用いられる。セパレーターの孔径は、一般に電池用セパレーターとして用いられる範囲が用いられる。例えば、0.01〜10μmが用いられる。セパレーターの厚みは、一般に電池用セパレーターとして用いられる範囲で用いられる。例えば、5〜300μmが用いられる。セパレーターの製造は、ポリマーの合成後、孔の作り方としては、乾式、延伸法でも溶液、溶媒除去法あるいはそれらの組み合わせでもよい。
電極活物質の集電体としては、構成された電池において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、正極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、アルミニウム、チタン、炭素などの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが用いられる。特に、アルミニウムあるいはアルミニウム合金が好ましい。負極には、材料としてステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、アルミニウム、炭素などの他に、銅やステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたもの、Al−Cd合金などが用いられる。特に、銅あるいは銅合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化することも用いられる。また、表面処理により集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。形状は、フォイルの他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体などが用いられる。厚みは、特に限定されないが、1〜500μmのものが用いられる。
電池の形状はコイン、ボタン、シート、シリンダー、偏平、角などいずれにも適用できる。
ペレットやシートの乾燥又は脱水方法としては、一般に採用されている方法を利用することができる。特に、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせて用いることが好ましい。温度は80〜350℃の範囲が好ましく、特に100〜250℃の範囲が好ましい。含水量は、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質ではそれぞれ500ppm以下にすることがサイクル性の点で好ましい。
ペレットやシートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特に金型プレス法やカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は、特に限定されないが、0.2〜3t/cm2 が好ましい。カレンダープレス法のプレス速度は、0.1〜50m/分が好ましい。プレス温度は、室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負極シートとの幅の比率は、0.9〜1.1が好ましい。特に、0.95〜1.0が好ましい。正極活物質と負極材料の含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なるため、限定できないが、容量、サイクル性、安全性の観点で最適な値に設定できる。
該合剤シートとセパレーターを介して重ね合わせた後、それらのシートは、巻いたり、折ったりして缶に挿入し、缶とシートを電気的に接続し、電解液を注入し、封口板を用いて電池缶を形成する。このとき、安全弁を封口板として用いることができる。安全弁の他、従来から知られている種々の安全素子を備えつけても良い。例えば、過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子などが用いられる。また、安全弁のほかに電池缶の内圧上昇の対策として、電池缶に切込を入れる方法、ガスケット亀裂方法あるいは封口板亀裂方法あるいはリード板との切断方法を利用することができる。また、充電器に過充電や過放電対策を組み込んだ保護回路を具備させるか、あるいは、独立に接続させてもよい。また、過充電対策として、電池内圧の上昇により電流を遮断する方式を具備することができる。このとき、内圧を上げる化合物を合剤の中あるいは電解質の中に含ませることができる。内圧を上げる化合物としては、Li2 CO3 、LiHCO3 、Na2 CO3 、NaHCO3 、CaCO3 、MgCO3 などの炭酸塩などがあげられる。
缶やリード板は、電気伝導性をもつ金属や合金を用いることができる。例えば、鉄、ニッケル、チタン、クロム、モリブデン、銅、アルミニウムなどの金属あるいはそれらの合金が用いられる。キャップ、缶、シート、リード液の溶接法は、公知の方法(例、直流又は交流の電気溶接、レーザー溶接、超音波溶接)を用いることができる。封口用シール剤は、アスファルトなどの従来から知られている化合物や混合物を用いることができる。
本発明の非水二次電池の用途には、特に限定されないが、例えば、電子機器に搭載する場合、カラーノートパソコン、白黒ノートパソコン、サブノートパソコン、ペン入力パソコン、ポケット(パームトップ)パソコン、ノート型ワープロ、ポケットワープロ、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、電子翻訳機、自動車電話、トランシーバー、電動工具、電子手帳、電卓、メモリーカード、テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源などが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、アイロン、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、他の二次電池や太陽電池あるいは一次電池と組み合わせることもできる。
本発明の好ましい組合せは、上記の化学材料や電池構成部品の好ましいものを組み合わすことが好ましいが、特に正極活物質として、Lix CoO2 、Lix NiO2 、Lix MnO2 、Lix Mn24 (ここでx=0.05〜1.2)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含み、導電剤としてアセチレンブラックも共に含む。正極集電体はステンレス鋼かアルミニウムから作られている。ネット、シート、箔、ラスなどの形状をしている。負極材料として、リチウム金属、リチウム合金(Li−Al)、炭素質化合物、酸化物(LiCoVO4 、SnO2 、SnO、SiO、GeO2 、GeO、SnSiO3 、SnSi0.3 Al0.10.20.33.2 )、硫化物(TiS2 、SnS2 、SnS、GeS2 、GeS)などを含む少なくとも1種の化合物を用いることが好ましい。負極集電体はステンレス鋼か銅から作られている。ネット、シート、箔、ラスなどの形状をしている。正極活物質あるいは負極材料とともに用いる合剤には、電子伝導剤としてアセチレンブラック、黒鉛などの炭素材料を混合してもよい。結着剤はポリフッ化ビニリデン、ポリフルオロエチレンなどの含フッ素熱可塑性化合物、アクリル酸を含むポリマー、スチレンブタジエンゴム、エチレンプロピレンターポリマーなどのエラストマーを単独あるいは混合して用いることができる。また、電解液としてエチレンカーボネート、さらに、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネートなどの環状、非環状カーボネートあるいは酢酸エチルなどのエステル化合物の組合せ、支持電解質として、LiPF6 を含み、さらに、LiBF4 、LiCF3 SO3 などのリチウム塩を混合して用いることが好ましい。さらに、セパレーターとして、ポリプロピレンあるいはポリエチレンの単独またはそれらの組合せが好ましい。電池の形態は、コイン、ボタン、シリンダー、偏平、角型のいづれでもよい。電池には、誤作動にも安全を確保できる手段(例、内圧開放型安全弁、電流遮断型安全弁、高温で抵抗を上げるセパレーター)を備えることが好ましい。
以下に具体例をあげ、本発明をさらに詳しく説明するが、発明の趣旨を越えない限り、本発明は実施例に限定されるものではない。以下の実施例のうち、実施例2及び3は参考例である。
実施例1
正極、負極の活物質としてはそれぞれ以下の化合物を使用した。いずれもふるい分けにより10μmを越える径の粒子を除去して使用した。
正極活物質(1)〜(3)
(1)LiCoO2
(2)LiMnO2
(3)LiNiO2
負極材料(1)〜(18)
(1)SnSiO3
(2)SnO
(3)PbO
(4)Sb23
(5)Bi23
(6)GeO
(7)SnSi0.80.23.1
(8)SnSi0.80.2 Al0.23.4
(9)SnSi0.80.2 Sb0.13.25
(10)SnSi0.60.2 Ge0.23.1
(11)SnSi0.60.2 Ge0.1 Al0.13.05
(12)SnP27
(13)SnP2 Al0.27.3
(14)SnSi0.60.43.2
(15)SnSi0.60.4 Al0.23.5
(16)SnSi0.20.8 Al0.23.7
(17)Sn0.7 Si0.20.30.4 Al0.12.6
(18)石油ピッチコークス粉
本発明の正極合剤分散ペースト1〜6の調整
アセチレンブラック(電気化学(株)製デンカブラック)10重量部、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液60部をプラネタリーミキサー中で5分間予備混練し、水30重量部を添加してさらに20分間攪拌混合して導電剤分散液を調整した。この導電剤分散液100重量部に、正極活物質(1);LiCoO2 (中心粒子サイズ5μm)を200重量部、結着剤として2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合体の水分散物(固形分濃度50重量%)を8重量部、水20重量部を加えてプラネタリーミキサー中で20分間攪拌混合して正極合剤分散ペーストを得た。この合剤ペーストを正極ペースト1とする。
同じように正極活物質(2)、(3)を使用して調整した合剤分散ペーストをそれぞれ正極ペースト2、正極ペースト3とする。また、正極活物質(1)を使用し、分散助剤としてオレイン酸ナトリウムを使用して、正極ペースト1と同様に調整した合剤分散ペーストを正極ペースト4とする。同じく分散助剤としてポリアクリル酸を使用したものを正極ペースト5とする。さらに導電剤としてグラファイト(ロンザ グラファイトKS−6)を使用して正極ペースト1と同様に調整した合剤分散ペーストを正極ペースト6とする。
本発明の負極合剤分散ペースト1−17、51、52の調整
アセチレンブラック10重量部、グラファイト(KS−6)20重量部、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液50部をプラネタリーミキサー中で5分間予備混練し、水20重量部を添加してさらに20分間攪拌混合して導電剤分散液を調整した。この導電剤分散液100重量部に、負極活物質(1);SiSnO3 (SiO2 とSnOを混合し、アルゴン雰囲気中1000℃で12時間焼成して合成、粉砕したもの、中心粒子サイズ2μm)を200重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部、水10重量部を加えてプラネタリーミキサー中で20分間攪拌混合して負極合剤ペーストを得た。この合剤分散ペーストを負極ペースト1とする。
同じように負極活物質(2)〜(17)を使用して調整した合剤分散ペーストを負極ペースト2から17とする。また負極活物質(1)を使用し、分散助剤としてスチレン−マレイン酸共重合体を使用して、負極ペースト1と同様に調整した合剤分散ペーストを負極ペースト51とする。同じく分散助剤としてポリビニルアルコール変性体(クラレ ポバールMP−103)を使用したものを負極ペースト52とする。
比較用正極合剤分散ペースト101、102の調整
本発明の正極合剤分散ペースト1と同組成の合剤の調整を、導電剤の分散液をあらかじめ調整せずに一度の攪拌混合で行った。すなわちアセチレンブラック10重量部、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液60重量部、正極活物質(1);LiCoO2 (中心粒子サイズ5μm)を200重量部、結着剤水分散物(固形分濃度50重量%)を8重量部、水50重量部を加えてプラネタリーミキサー中で60分、あるいは180分攪拌混合して正極合剤分散ペーストを得た。これらをそれぞれ正極ペースト101、102とする。
比較用負極合剤分散ペースト101、102の調整
本発明の負極合剤分散ペースト1と同組成の合剤調整を、同一の混合機を使用して、しかも導電剤の分散液をあらかじめ調整せずに一度の攪拌混合で行った。すなわちアセチレンブラック10重量部、グラファイト(KS−6)20重量部、濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液50重量部、負極活物質;SiSnO3 を200重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部、水30重量部を加えてプラネタリーミキサー中で60分、あるいは180分攪拌混合して負極合剤ペーストを得た。これらをそれぞれ負極ペースト101、102とする。
下記の表1、表2に、上記においてそれぞれ調整した合剤分散ペーストの分散性を示す平均粒子サイズデータを示す。またあわせてこれら合剤ペーストをポアサイズ30μmのミクロフィルターでろ過を行った場合の合剤の通過性を示す。
導電剤の分散液をあらかじめ調整した本発明の合剤は、比較用に調整した合剤に比して短い分散時間、すなわち少ない動力でより小さな平均粒子サイズとなっており、合剤中の粒子の凝集を抑えてより良好な分散状態となっていることがわかる。さらにそれぞれの比較用合剤ペーストのろ過を行った場合のフィルター上残さを分析したところ、炭素化合物の凝集物であることがわかった。本発明の合剤ペーストにおいてはこのような残さは認められず、炭素化合物からなるアセチレンブラック、グラファイトなどの導電剤が良好に分散されていることがわかる。
Figure 0004329730
Figure 0004329730
電池1〜15の作成
上記で調整した正極合剤ペーストをそれぞれブレードコーターで厚さ30μmのアルミニウム箔集電体の両面に塗布・乾燥した後、ローラープレス機で圧縮成型し所定の大きさに裁断し、帯状の正極シートを作成した。圧縮成型後のシートの厚みは220μmとした。さらにドライボックス(露点;−50〜−70℃の乾燥空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、正極シートを作成した。
正極と同様に、調整した負極合剤ペーストを20μmの銅箔集電体に塗布し、上記正極シート作成と同様の方法で負極シートを作成した。加えて負極材料として石油ピッチコークス(負極材料(18))を使用して比較用の合剤ペースト101と同様にして60分の混合攪拌を行って合剤ペーストを調整して負極合剤ペースト118とし、負極シートを作成した。
上記正極シート、微孔性ポリプロピレンフィルム製セパレーター、上記負極シートおよびセパレーターの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。
この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶に収納した。さらに電解液としてLiPF6 の1モル/リットルのエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの等容量混合液を電池缶内に注入した。正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて円筒型電池を作成した。
これらの電池における正極、負極合剤ペーストの組み合わせと容量比を表3に示す。
炭素化合物からなる導電剤の分散液をあらかじめ調整して製造した合剤ペーストを使用した正極シート、負極シートのいずれか、あるいは両方を使用した円筒型電池は、いずれも使用しない組み合わせに比べ高容量を示す。
Figure 0004329730
実施例2
負極材料、正極活物質としてはそれぞれ以下の化合物を使用した。
負極材料(1)〜(10)
(1)SnSi0.6 Al0.30.30.23.6
(2)SnSi0.6 Mg0.1 Al0. 30.23.05
(3)SnSiO3
(4)SnSi0.6 Al0.20.43.5
(5)SnSi0.80.23.1
(6)SnAl0.30.50.22.7
(7)SnB0.50.53
(8)SnO
(9)SnSi0.60.43.2
(10)石油ピッチコークス粉
正極活物質(1)〜(3)
(1)LiCoO2
(2)LiMnO2
(3)LiNiO2
(負極シートの製造)
負極材料(1);SnSi0.6 Al0.30.30.23.6 (中心粒子サイズ5μm)を200重量部、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学(株)製デンカブラック)10重量部、グラファイト(ロンザジャパン KS−6)20重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン10重量部、分散剤として濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液50部をプラネタリーミキサー中で5分間予備混練し、水30重量部を添加してさらに20分間攪拌混合して負極合剤ペーストを得た。この合剤分散ペーストを負極ペースト1とする。
同じように負極材料(2)〜(10)を使用して調整した合剤分散ペーストを負極ペースト2から10とする。さらに負極材料として8、9を使用し、pH調節剤として水酸化リチウム0.5重量部をあらかじめ負極材料とともに加えて上と同じように調整した合剤分散ペーストを負極ペースト108、109とし、負極材料8を使用して水酸化リチウムを3重量部加えた場合を負極ペースト208とする。また、負極ペースト8にpH調節剤として炭酸ナトリウムを1重量部加えさらに5分間の攪拌混合を行ったものを負極ペースト308とする。
これらの負極ペーストを恒温水槽中で温度を一定に保ち、所定時間の後それぞれブレードコーターで厚さ20μmの銅箔集電体の両面に塗布・乾燥した後、ローラープレス機で圧縮成型し所定の大きさに裁断し、帯状の負極シートを作成した。圧縮成型後のシートの厚みは90μmとした。さらにドライボックス(露点;−50〜−70℃の乾燥空気)中で遠赤外線ヒーターにて充分脱水乾燥し、負極シートを作成した。
(正極シートの製造)
正極活物質(1);LiCoO2 (中心粒子サイズ5μm)を200重量部、導電剤としてアセチレンブラック(電気化学(株)製デンカブラック)10重量部、結着剤として2−エチルヘキシルアクリレートとアクリル酸とアクリロニトリルの共重合体の水分散物(固形分濃度50重量%)を8重量部、分散剤として濃度2重量%のカルボキシメチルセルロース水溶液60部をプラネタリーミキサー中で5分間予備混練し、水50重量部を添加してさらに20分間攪拌混合して正極合剤分散ペーストを得た。この合剤ペーストを正極ペースト1とする。
同じように正極活物質(2)、(3)を使用して調整した合剤分散ペーストをそれぞれ正極ペースト2、正極ペースト3とする。
調整した正極合剤ペースト1、2、3をそれぞれ30μmのアルミニウム箔集電体に塗布し、上記負極シート作成と同様の方法でそれぞれ正極シート1、2、3を作成した。
(電池の製造)
上記負極シート、微孔性ポリプロピレンフィルム製セパレーター、上記正極シートおよびセパレーターの順に積層し、これを渦巻き状に巻回した。
この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶に収納した。さらに電解液としてLiPF6 の1モル/リットルのエチレンカーボネートと1,2−ジメトキシエタンの等容量混合液を電池缶内に注入した。正極端子を有する電池蓋をガスケットを介してかしめて円筒型電池を作成した。
これらの電池における負極、正極シートの組み合わせと電極シート単位面積あたり電流3.5mA/m2 で充電及び放電を行った場合のサイクル試験の結果を表4および表5に示す。数値は300サイクルを経たときの容量保持率である。
Figure 0004329730
(表4の説明)
pHが本発明の好ましい範囲にある負極ペーストを使用した負極シートを用いて製造した電池(電池番号1から6、9、11、13、14)はpHが過度に低いペーストを使用したもの(電池番号7、8および12)、あるいは過度に高いペーストを使用したもの(電池番号10)に比べサイクル特性に優れる。またあらかじめpH調節剤を添加して合剤ペーストのpHを好ましい範囲としたもの(負極ペースト108、109/電池番号9、13)、合剤ペーストを調整後直ちにpH調節剤を添加して好ましい範囲としたもの(負極ペースト308/電池番号11)は、pH調節剤を使用しないもの(電池番号8、12)に比較してサイクル特性に優れる。
Figure 0004329730
(表5の説明)
同一構成の負極ペーストを使用した場合、保持温度が低い方がサイクル特性が良好である(電池番号15、16、17、18)。ただし、保持温度を0℃とした場合、合剤ペーストの流動性が悪化し、塗り付け不良となり電池を作製することができなかった。
また負極ペーストを調合してからの経時は短いほどサイクル特性が良好である(電池番号15、19、20)。
負極シートをCuKα線を用いたX線回折分析を行ったところ、シート番号1から6、9、11、13、14にはペースト調整前の合剤構成材料に見られた以外の新たな回折線の生成は認められなかった。一方シート番号7、8、10、12にはペースト調整前の負極材料には見られなかった回折線を生じており、負極材料表面に新たな結晶化成分が生成したものと考えられる。
負極ペースト1を作る際に、実施例1で予備分散したアセチレンブラックを同重量用いること以外は電池番号1と全く同様に電池21を作った。また、電池番号2とは、予備分散したアセチレンブラックを用いること以外は全く同様にして電池22を作った。電池21、22の容量保持率はそれぞれ93%、94%であり、導電剤の予備分散することによりサイクル特性が向上することがわかる。
実施例3
負極材料として、以下の化合物を使用した。
(1)SnO
(2)GeO
(3)PbO
(4)Pb23
(5)Bi33
(6)SnSiO3
(7)SnSi0.80.23.1
(8)SnSi0.80.2 Al0.23.4
(9)SnSi0.80.2 Sb0.13.25
(10)SnSi0.60.2 Ge0.23.1
(11)SnSi0.60.2 Ge0.1 Al0.13.05
(12)Sn227
(13)Sn22 Al0.27.3
(14)SnSi0.60.43.2
(15)SnSi0.60.4 Al0.23.5
(16)SnSi0.20.8 Al0.23.7
(17)Li4 SiO4
(18)LiSiO
上記負極活物質を86重量部、導電剤としてアセチレンブラック3重量部とグラファイト6重量部の割合で混合し、さらに結着剤としてポリ弗化ビニリデンを4重量部及びカルボキシメチルセルロース1重量部を加え、水を媒体として混練してスラリーを得た。該スラリーを厚さ18μmの銅箔の両面に、ドクターブレードコーターを使って塗布し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成型して帯状の負極シートを作成した。負極シートの圧縮成型後の片面の合剤厚さを表6に示す。
正極活物質として、LiCoO2 を87重量部、導電剤としてグラファイト9重量部の割合で混合し、さらに結着剤としてNipolLX820B(日本ゼオン製)3重量部とカルボキシメチルセルロース1重量部を加え、水を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔支持体(集電体)の両面に塗布した。該塗布物を乾燥後、カレンダープレス機により圧縮成型して帯状の正極シートを作成した。正極シートの圧縮成型後の片面の合剤厚さを表6に示す。
上記負極シート及び正極シートのそれぞれの端部にニッケル及びアルミニウム製のリード板をそれぞれ溶接した後、露点−40℃以下の乾燥空気中で150℃で2時間熱処理した。熱処理は遠赤外線ヒーターを用いて行った。さらに、熱処理済の正極シート5(図1中の符号5を表す)、微孔性ポリプロピレンフィルム製セパレータ(セルガード2400)3、熱処理済の負極シート4及びセパレータ3の順で積層し、これを渦巻き状に巻回した。
この巻回体を負極端子を兼ねるニッケルメッキを施した鉄製の有底円筒型電池缶2に収納した。さらに、電解質として1mol/リットル・LiPF6(エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの2対8重量比混合液)を電池缶内に注入した。正極端子を有する電池蓋8をガスケット1を介してかしめて円筒型電池を作成した。なお、正極端子8は正極シート5と、電池缶2は負極シート4と予めリード端子により接続した。図1に円筒型電池の断面を示した。なお、7は安全弁である。
完成した電池について、電流密度1mA/cm2 で4.2Vまで充電し、その後2.7Vまで放電する操作を繰り返し行って充放電サイクル試験を行い放電容量が初期の60%になるまでのサイクル数を充放電サイクル寿命とした。また、1kHzにおける電池の内部抵抗も測定した。結果を表6に示す。
Figure 0004329730
実施例に使用した円筒型電池の断面図を示したものである。
符号の説明
1 ポリプロピレン製絶縁封口体
2 負極端子を兼ねる負極缶(電池缶)
3 セパレーター
4 負極シート
5 正極合剤シート
6 電解液
7 安全弁
8 正極端子
9 PTC素子
10 封口板
11 絶縁リング

Claims (9)

  1. 少なくともリチウムを吸蔵放出可能な活物質を含有する水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる負極の製造方法において、該水分散合剤ペーストが、炭素化合物からなる少なくとも一種以上の導電剤を少なくとも一種の分散助剤とともにあらかじめ水中に分散させた分散液を使用したものであり、且つ、pHが5以上10以下であることを特徴とする非水二次電池用負極シートの製造方法。
  2. 少なくとも、リチウムを吸蔵放出できる活物質と、炭素化合物からなる一種以上の導電剤とを含有する正極シートと負極シート、およびリチウム塩を含む非水電解質を電池容器に収納してなる非水二次電池において、該正極シートと該負極シートの少なくとも一方は、該導電剤の少なくとも一種を分散助剤とともにあらかじめ水中に分散させた分散液とし、該分散液と該リチウムを吸蔵放出できる活物質を混合した水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる電極シートであることを特徴とする非水二次電池。
  3. 該負極シートに用いる水分散合剤ペーストのpHが5以上10以下であることを特徴とする請求項2記載の非水二次電池。
  4. 該水分散合剤ペーストを集電体上に塗布乾燥してなる電極シートが、負極シートであることを特徴とする請求項2または3記載の非水二次電池。
  5. シート状導電性支持体の両面に電極合剤を塗設して成るシート状の負極および正極を有する非水二次電池において、電池組立て時の該負極の片面の合剤厚みが10〜80μmであり、かつ正極の片面の合剤厚みが100〜180μmであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の非水二次電池。
  6. あらかじめ水中に分散させた該導電剤のうち少なくとも一種がアセチレンブラックであることを特徴とする請求項2記載の非水二次電池。
  7. 負極合剤中に含有される負極活物質の少なくとも1種は、周期律表IIIA、IVA、VA族元素から選ばれる一種以上の元素を含む酸化物およびカルコゲン化合物から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項4記載の非水二次電池。
  8. 負極シートに用いる水分散ペーストの温度を5℃以上80℃未満に保つことを特徴とする請求項4記載の非水二次電池。
  9. 負極シートに用いる水分散ペーストを調整後、7日以内に集電体上への塗布を行うことを特徴とする請求項4または8記載の非水二次電池。
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