JP4326831B2 - 吹出口装置 - Google Patents

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JP4326831B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車のインストルメントパネルに備えられる空調装置の吹出口装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、自動車のインストルメントパネルに備えられ、空調装置から供給される風の風向などを調整する吹出口装置が知られている。そして、この種の吹出口装置では、多数のルーバを連動して回動させ、風の吹き出し方向を制御している。しかしながら、この構成では、ルーバや、これらルーバを連結するリンクなどの部品点数が多く、構造が複雑で、製造コストの低減が困難である問題を有している。
【0003】
この点、ケース体の内側に、スリット状の吹出口と同様の厚さ寸法の仕切板を配置し、この仕切板の上流側などにルーバを配置して外観の向上を図った構成が知られている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、この構成では、仕切板により流路が狭くなり、通気抵抗が増大する問題を有している。
【0004】
また、ケース体の内側に、円柱状あるいは球状のグリルを配置し、このグリルを回動して風向を調整する構成が知られている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この構成では、グリルを大きく回動させた際に、グリルの一部が流れに逆らう方向に傾斜して流路に突出し、通気抵抗が増大する問題を有している。
【0005】
【特許文献1】
特公平5−15938号公報 (第2項、第2図A)
【0006】
【特許文献2】
実開昭52−16148号公報 (第1図)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、多数のルーバを連動して回動する構成では、部品点数が多く、構造が複雑で、製造コストの低減が困難である問題を有している。また、ケース体の内側に、スリット状の吹出口と同様の厚さ寸法の仕切板を配置する構成や、ケース体の内側に、円柱状あるいは球状のグリルを配置する構成では、通気抵抗が増大する問題を有している。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、簡略な構成で流体を円滑に制御できる吹出口装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の吹出口装置は、吹出口、及びこの吹出口に向かう所定方向に流体が流れる流体通路を設けたケース体と、前記流体通路に配置され、それぞれ前記吹出口に向かい互いに接近する方向に傾斜して突設された案内部を設けるとともにそれぞれ前記所定方向に沿って進退可能に案内された複数の案内体を備えた案内手段と前記一の案内部に対して他の案内部を前記所定方向に沿って相対的に互いに反対方向に移動させる操作手段とを具備したものである。
【0010】
そして、この構成では、操作手段を操作し、一の案内部を他の案内部より吹出口側に相対的に移動させることにより、この吹出口側の案内部により流体の吹き出し方向が案内される。また、複数の案内部を吹出口に対して同じ位置に配置することにより、流体が正面方向に案内される。構造が簡略で、製造コストが容易に低減されるとともに、形状の自由度が向上する。流体通路の内側の流体を妨げる構造の抑制が可能になり、通気抵抗が容易に減少する。さらに、案内部が互いに反対方向に移動するため、操作手段の操作量に対して、流体の向きを大きく変化させることができ、操作性が容易に向上する。
【0011】
請求項2記載の吹出口装置は、請求項1記載の吹出口装置において、操作手段は、複数の案内部をそれぞれ前記所定方向に沿って互いに離間する方向に移動させるものである。
【0012】
そして、この構成では、操作手段を操作する量に対して、風向が大きく変化し、操作性が容易に向上する。
【0013】
請求項3記載の吹出口装置は、請求項1記載の吹出口装置において、操作手段は、複数の案内部を、これら案内部が互いに連続する位置に移動させるものである。
【0014】
そして、この構成では、案内部が互いに連続する位置に移動させることにより、流体が集中するように案内され、集中拡散状態が調整される。
【0015】
請求項4記載の吹出口装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の吹出口装置において、操作手段は、揺動可能に支持され、操作可能なノブ部及び各案内部に回動可能かつスライド可能に連結されたリンク接続部を備えたノブ体を備えたものである。
【0016】
そして、この構成では、ノブ部を揺動操作することで、流体の吹き出し方向が調整される。構造が簡略で、製造コストが容易に低減される。
【0017】
請求項5記載の吹出口装置は、請求項1ないし3いずれか一記載の吹出口装置において、操作手段は、回動自在に支持された操作可能なノブ部を設けたノブ体と、このノブ体の回動に応じて回動され各案内部に回動可能かつスライド可能に連結されたカム溝を設けたカム体とを備えたものである。
【0018】
そして、この構成では、ノブ部を回動操作することで、流体の吹き出し方向が調整される。
【0019】
請求項6記載の吹出口装置は、請求項5記載の吹出口装置において、ノブ体は、吹出口の外縁部に沿って回動する円環状に形成されたものである。
【0020】
そして、この構成では、ノブ体を吹出口の外縁部に沿って回動操作することにより、流体の吹き出し方向が調整される。流体通路にノブ体を配置する必要がなく、通気抵抗が容易に減少するとともに、外観の向上が可能になる。
【0021】
請求項7記載の吹出口装置は、請求項1ないし6いずれか一記載の吹出口装置において、ケース体は、流体通路を設けた内筒と、この内筒を回転可能に嵌合する外筒とを備えたものである。
【0022】
そして、この構成では、請求項1ないし6いずれか一記載の構成とともに、外筒に対して内筒を回動することにより、自在な方向に流体が案内される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吹出口装置の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0024】
図1及び図2において、10は吹出口装置で、この吹出口装置10は、ベンチレータ、グリル、あるいは風向制御装置などとも呼ばれるもので、自動車の車室に臨み、インストルメントパネルなどに一体あるいは別体に設けられた開口部に取り付けられている。そして、この吹出口装置10は、図示しないダクトを介して空調装置に接続され、この空調装置から供給される流体としての風である空調風の風向などを制御するようになっている。なお、以下、車室側を下流側、ダクトに接続される側を上流側とし、この上流側から下流側に向かう方向を所定方向Aとして説明する。
【0025】
そして、この吹出口装置10は、ケース体11と、このケース体11に収納された案内手段12と、この案内手段12を操作する操作手段14とを備えている。そして、ケース体11は、本実施の形態では、高さ寸法が小さく幅寸法の大きい薄型の角筒状の合成樹脂製のケース本体21と、このケース本体21の下流側の端部に取り付けられた合成樹脂製のフィニッシャ22とを備え、内側に流体通路Bが形成されている。そして、このフィニッシャ22は、下流側に向かって高さ寸法が小さくなるように形成され、幅方向に長いスリット状の吹出口24が形成されている。さらに、このフィニッシャ22の吹出口24は、両側に対をなして区画されて一対の吹出部25,25が形成され、各吹出部25,25には、それぞれ固定あるいは可動の複数のルーバ27が垂直状に取り付けられている。さらに、フィニッシャ22の幅方向の中央部には、操作手段支持部28が設けられている。この操作手段支持部28は、両側一対の支持片部29,29と、これら支持片部29,29から互いに接近する水平方向に突設された円柱状の軸部30とを備えている。
【0026】
また、案内手段12は、上下一対の案内体31,31を備えている。各案内体31は、合成樹脂にて一体に形成されたいわば導風板で、案内体本体部32と、この案内体本体部32から一体に突設された案内部33とを備えている。そして、案内体本体部32は、ケース本体21の内面に沿った形状で、本実施の形態では、平板状に形成されている。そして、この案内体本体部32は、ケース本体21の内面に摺動自在に案内され、所定方向Aに沿って進退自在に支持されている。また、案内部33は、案内体本体部32の下流側の端部から、下流側に向かって流体通路Bの中心に向かう傾斜面となるように延設されている。また、本実施の形態では、各案内部33は、それぞれフィニッシャ22とほぼ並行になるように傾斜し、案内体31の所定方向Aへの前進限では、案内部33がフィニッシャ22に沿って当接するようになっている。また、上下の案内体31が、互いに所定方向Aに対して同じ位置にある場合の案内部33の先端部同士の間隔寸法Lは、フィニッシャ22の吹出口24の寸法とほぼ等しくなるように形成されている。さらに、案内部33からは、幅方向の中心部から僅かにずれた位置から、上下方向すなわち所定方向Aと垂直にリンク受部35が突設されている。このリンク受部35は、幅方向を厚さ方向とする板状で、幅方向に貫通し上下方向すなわちリンク受部35の長手方向に沿って長いリンク受け孔部36が形成されている。
【0027】
さらに、操作手段14は、合成樹脂にて略T状に形成され、円形の凹部あるいは円孔状の軸受部41を設けた基部42と、この基部42から下流側に一体に延設されたノブ部44と、基部42の上流側からノブ部44と直交する上下方向に突設された一対のリンク接続部45とを備えている。そして、この操作手段14は、基部42の軸受部41にフィニッシャ22の一対の軸部30を挟み込むように挿入し、ケース体11に揺動自在に軸支されている。すなわち、本実施の形態では、ノブ部44がケース本体21の吹出口24から下流側すなわち車室側に突出し、このノブ部44が上下方向に揺動可能となるように軸支されている。言い換えれば、ノブ部44は、シーソー式のスイッチのように支持されている。また、リンク接続部45の先端部近傍からは、両側方向に円柱状のリンク軸部47が突設され、これらリンク軸部47が、各案内体31のリンク受け孔部36に挿入され回動自在かつ移動自在に連結されている。
【0028】
そこで、この操作手段14のノブ部44を上下に揺動操作することにより、上下の案内体31,31が連動して互いに反対方向に移動し、風向を調整できるようになっている。
【0029】
すなわち、図1(a)に示すように、ノブ部44が所定方向Aと平行な水平状態では、リンク軸部47とリンク受け孔部36とのリンク機構により、上下の案内体31,31が互いに所定方向Aに対して同じ位置に移動する。この状態では、上下に対をなす案内体31の案内部33が互いに同様に作用し、空調風Fは、所定方向Aに沿って正面側に案内される。
【0030】
また、図1(b)に示すように、ノブ部44が所定方向Aと交差するいずれかの方向に揺動操作された場合は、例えば、上側に揺動操作された場合は、リンク軸部47とリンク受け孔部36とのリンク機構により、下側の案内体31の案内部33が下流側に前進し、上側の案内体31の案内部33は上流側に後退する。この状態では、上流側に移動した案内部33により向きが変えられた空調風F1も含めて、下流側に移動した案内部33により空調風Fが集められるように案内され、ノブ部44の向きと同じ方向である上方に向かって空調風を曲げることができる。
【0031】
このように、本発明の第1の実施の形態によれば、ケース体11の内部に、案内部33,33を備えた案内体31,31を進退自在に配置し、操作手段14によりこれら案内部33,33を偏位させることで、所望の方向に容易に風向を制御できる。そこで、多数のルーバを用いる構成などに比べて、構造を簡略化でき、製造コストを低減できるとともに、小型化、軽量化が容易になり、種々の形状の吹出口に対応することも容易になる。
【0032】
また、構造が簡略で、ケース体11の内側の流体通路Bに複雑なリンク装置などを配置する必要がないとともに、空調風の流れに対して逆方向となる傾斜面が形成されないため、通気抵抗を軽減し、空調装置の効率を向上できるとともに、騒音を小さくできる。
【0033】
特に、案内体31が2個の場合は、構造を簡略にでき、製造コストの低減や、小型化、軽量化、通気抵抗の軽減、騒音の減少などを容易に図ることができる。
【0034】
また、対をなす案内部33,33が同時に互い反対方向に移動するため、操作手段14のノブ部44の操作量に対して、風向を大きく変化させることができ、操作性を容易に向上できる。
【0035】
なお、上記の実施の形態では、角筒状のケース体11を用い、狭い部分に配置する際に好適な吹出口装置10を形成したが、ケース体の形状は種々の形状を採ることができ、また、適宜の構成を組み合わせて、上下方向など一次元のみならず、二次元的に案内することもできる。また、上記の実施の形態では、揺動するノブ部44を備えた操作手段14を各案内体31,31に連結し、構造の簡略化を実現したが、この構成に限られず、ギアやカムを用いたリンク機構を用い、あるいは、これらリンク機構をケース体の外側に配置して、外観の向上、操作性の向上、あるいは通気抵抗の減少などを図ることもできる。
【0036】
さらに、流体を案内する案内部は、2個のものに限られず、3個以上備えることもできる。また、各案内部は、単純に互いに反対方向に移動させるのみならず、ケース体に対して一体的に前後に移動させることにより、集中、拡散状態を調整することもできる。
【0037】
以下、他の実施の形態を図面を参照して順次説明する。
【0038】
第2の実施の形態は、図3ないし図6に示すように、円形の開口部に取り付けられるいわゆる丸形ベンチレータを実現するものである。
【0039】
この吹出口装置110は、ケース体111と、このケース体111に収納された案内手段112と、この案内手段112を操作する操作手段114とを備えている。そして、ケース体111は、本実施の形態では、合成樹脂製の円筒状の外筒(アウターケース)120及び内筒(インナーケース)121と、これら外筒120及び内筒121の下流側の端部に取り付けられた合成樹脂製のフィニッシャ122とを備え、内側に流体通路Bが形成されている。そして、内筒121は、円筒状をなす内筒本体121aと、この内筒本体121aの上流側の端部に外周側に突設して形成されたフランジ部121bと、下流側の端部近傍から外周側に爪状に突設された弾性変形可能な複数の取付突部121cとが一体に形成されている。また、外筒120は、内筒本体121aの外周部に摺動可能に嵌合する円筒状をなし、外周面に、車体に取り付けられる図示しない取付部が形成されている。また、フィニッシャ122は、内筒本体121aの先端部に嵌合する嵌合部122aと、円形状の吹出口124の一部を桟で覆うガード部122bとが形成されている。また、嵌合部122aには、取付突部121cに係合する取付孔部122cが形成されている。そこで、内筒本体121aの外周部に外筒120を嵌合し、さらに、内筒本体121aの先端部にフィニッシャ122を嵌合した状態で、取付突部121cと取付孔部122cとの係合で内筒121にフィニッシャ122が固定されるとともに、このフィニッシャ122の嵌合部122aと内筒121のフランジ部121bとの間で、外筒120が相対的に回転可能に支持されている。さらに、このフィニッシャ122のガード部122bには、操作手段支持部128が設けられている。この操作手段支持部128は、一対の支持片部129,129と、これら支持片部129,129から互いに接近する水平方向に突設された円柱状の軸部130とを備えている。
【0040】
また、案内手段112は、一対の案内体131,131を備えている。各案内体131は、合成樹脂にて一体に形成されたいわば導風板で、案内体本体部132と、この案内体本体部132から一体に突設された案内部133とを備えている。そして、案内体本体部132は、内筒121の内面に沿った形状で、本実施の形態では、円筒の一部をなす曲面状に形成されている。そして、この案内体本体部132は、内筒121の内面に摺動自在に案内され、所定方向Aに沿って進退自在に支持されている。また、案内部133は、案内体本体部132の下流側の端部から、下流側に向かって流体通路Bの中心に向かう傾斜面となるように延設されている。また、本実施の形態では、各案内部133は、円錐台の一部である曲面状に形成されている。さらに、各案内体131からは、内周側に向かい、所定方向Aと垂直にリンク受部135が突設されている。そして、このリンク受部135の先端部近傍には、円柱状のリンク軸部136が形成されている。
【0041】
さらに、操作手段114は、合成樹脂にて略T状に形成され、円形の凹部あるいは円孔状の軸受部141を設けた基部142と、この基部142から下流側に一体に延設されたノブ部144と、基部142の上流側からノブ部144と直交する上下方向に突設された一対のリンク接続部145とを備えている。そして、ノブ部144は、基部142よりも幅寸法の大きい四角板状に形成されている。また、この操作手段114は、基部142の軸受部141をフィニッシャ122の一対の軸部130を挟み込むように挿入し、ケース体111に揺動自在に軸支されている。すなわち、本実施の形態では、ノブ部144が内筒121の吹出口124から下流側すなわち車室側に突出し、このノブ部144が揺動可能となるように軸支されている。言い換えれば、ノブ部144は、シーソー式のスイッチのように支持されている。また、リンク接続部145の先端部近傍には、リンク接続部145の長手方向に沿って長いリンク受け孔部147が形成されている。そして、これらリンク受け孔部147に、各案内体131のリンク軸部136がに挿入され回動自在かつ移動自在に連結されている。
【0042】
また、この吹出口装置110は、一対の案内体131,131を操作手段114に組み付け、この操作手段114をフィニッシャ122に組み付けたアッセンブリを構成し、一方、内筒121と外筒120とを組み合わせ、この内筒121の内側にアッセンブリを挿入することにより容易に組み立てられる。
【0043】
そこで、この操作手段114のノブ部144を揺動操作することにより、案内体131,131が連動して互いに反対方向に移動するとともに、ノブ部144を回転させて内筒121とともに案内体131,131を回転させることにより、風向を調整できるようになっている。
【0044】
すなわち、図5(a)に示すように、ノブ部144が所定方向Aと平行な状態では、リンク軸部136とリンク受け孔部147とのリンク機構により、上下の案内体131,131が互いに所定方向Aに対して同じ位置に移動する。この状態では、上下に対をなす案内体131の案内部133が互いに同様に作用し、空調風Fは、所定方向Aに沿って正面側に案内される。
【0045】
また、図5(b)に示すように、ノブ部144が所定方向Aと交差するいずれかの方向に揺動操作された場合は、例えば、下側に揺動操作された場合は、リンク軸部136とリンク受け孔部147とのリンク機構により、上側の案内体131の案内部133が下流側に前進し、下側の案内体131の案内部133は上流側に後退する。この状態では、上流側に移動した案内部133により向きが変えられた空調風F1も含めて、下流側に移動した案内部133により空調風Fが集められるように案内され、ノブ部144の向きと同じ方向である下方に向かって空調風を曲げることができる。
【0046】
さらに、ノブ部144をつまんでひねることにより、外筒120に対して、内筒121とともに案内体131,131が360度自在に回動し、対をなす案内体131の位置関係を保ったまま、風向を360度自在に調整できる。
【0047】
このように、本発明の第2の実施の形態によれば、ケース体111の内部に、案内部133,133を備えた案内体131,131を進退自在に配置し、操作手段114によりこれら案内部133,133を偏位させることで、風向を所望の方向に容易に制御できる。さらに、外筒120に対して、内筒121を回転自在に設けたため、風向を360度自在に調整できる。そこで、多数のルーバを用いる構成などに比べて、構造を簡略化でき、製造コストを低減できるとともに、径寸法などの小型化や軽量化が容易になり、丸形状の吹出口に対応することも容易になる。
【0048】
また、丸形状であっても、構造が簡略で、ケース体111の内側の流体通路Bに複雑なリンク装置などを配置する必要がないとともに、空調風の流れに対して逆方向となる傾斜面が形成されないため、通気抵抗を軽減し、空調装置の効率を向上できるとともに、騒音を小さくできる。
【0049】
次に、第3の実施の形態を図7ないし図10を参照して説明する。
【0050】
この第3の実施の形態も、第2の実施の形態と同様に、円形の開口部に取り付けられるいわゆる丸形ベンチレータを実現するものである。
【0051】
この吹出口装置210は、ケース体211と、このケース体211に収納された案内手段212と、この案内手段212を操作する操作手段214とを備えている。そして、ケース体211は、本実施の形態では、合成樹脂製の円筒状の外筒(アウターケース)220及び内筒(インナーケース)221と、これら外筒220及び内筒221の下流側の端部に取り付けられた合成樹脂製のフィニッシャ222とを備え、内側に流体通路Bが形成されている。そして、内筒221は、本実施の形態では、案内体すなわち導風板としても機能するもので、第1内筒部223aと第2内筒部223bとを組み合わせ、両側に切欠部223cを設けた略円筒状の内筒本体221aと、この内筒本体221aの上流側の端部に外周側に突設して形成されたフランジ部221bとが形成されている。また、この内筒本体221aの下流側の端部近傍からは、外周側に向かい、爪状に突設された弾性変形可能な複数の取付突部221cが一体に形成されている。また、内筒本体221aの下流側の端部からは、円錐台の一部である曲面状をなして下流側の吹出口224に向かって流体通路Bの中心に向かう傾斜面となる第2の案内部としての固定案内部225が切欠部223cと交互に形成されている。また、内筒本体221aの切欠部223cに沿った部分には、案内体ガイド部223dが所定方向Aに沿った凹溝として形成されている。さらに、第1内筒部223aには、平板状をなす取付台部223eが形成されている。そして、この取付台部223eには、第1の軸支部223fと、この第1の軸支部223fの下流側に位置する第2の軸支部223gとがそれぞれ垂直にすなわちケース211の軸心に向かって形成されている。さらに、第2の軸支部223gには、ケース211の軸心に向かう軸支体226が外周側から挿入されている。この軸支体226は、円柱状をなす軸支体本体部226aと、この軸支体本体部226aの基端部に、軸支体本体部226aより径寸法が大きく形成された受部226bと、軸支体本体部226aの先端部に軸支体本体部226aより径寸法が小さく突設されたピン部226cとを備えている。また、第2内筒部223bには、第1内筒部223aの第1の軸支部223fと同軸に、第1の軸支部223fが形成されている。
【0052】
また、外筒220は、内筒本体221aの外周部に摺動可能に嵌合する円筒状をなし、外周面に、車体に取り付けられる図示しない取付部が形成されている。
【0053】
さらに、フィニッシャ222には、内筒本体221aの先端部に嵌合する嵌合部222aと、円形状の吹出口224の一部を桟で覆うガード部222bとが形成されている。また、嵌合部222aには、取付突部221cに係合する取付孔部222cが形成されている。そこで、内筒本体221aの外周部に外筒220を嵌合し、さらに、内筒本体221aの先端部にフィニッシャ222を嵌合した状態で、取付突部221cと取付孔部222cとの係合で内筒221にフィニッシャ222が固定されるとともに、このフィニッシャ222の嵌合部222aと内筒221のフランジ部221bとの間で、外筒220が相対的に回転可能に支持されている。さらに、このフィニッシャ222のガード部222bには、操作手段支持部228が設けられている。この操作手段支持部228は、一対の支持片部229,229と、これら支持片部229,229から互いに接近する水平方向に突設された円柱状の軸部230とを備えている。さらに、ガード部222bの周囲に位置して、吹出方向を示す表示部222eが形成されている。
【0054】
また、案内手段212は、一対の案内体231,231を備えている。各案内体231は、合成樹脂にて一体に形成されたいわば導風板で、案内体本体部232と、この案内体本体部232から一体に突設された第1の案内部であり可動案内部となる案内部233とを備えている。そして、案内体本体部232は、内筒221の内筒本体221aに略沿った形状で、円筒の一部をなす曲面状に形成され切欠部223cに所定方向Aに沿って進退自在に嵌合する中本体部232aと、この中本体部232aの上流側に連続し、内筒本体221aの外面に沿った形状で切欠部223cを覆った状態になる外本体部232bとを備えている。さらに、各外本体部232bの両側の端部には、案内体ガイド部223dに摺動自在に係合する案内体ガイド受部232cが形成されている。このようにして、各案内体本体部232は、内筒221に摺動自在に案内され、所定方向Aに沿って進退自在に支持されている。また、案内部233は、案内体本体部232の下流側の端部から、下流側に向かって流体通路Bの中心に向かう傾斜面となるように延設されている。また、本実施の形態では、各案内部233は、固定案内部225と連続可能な円錐台の一部である曲面状に形成されている。さらに、各案内体231からは、内周側に向かい、所定方向Aと垂直にリンク受部235が突設されている。そして、このリンク受部235の先端部近傍には、円柱状のリンク軸部236が形成されている。
【0055】
さらに、操作手段214は、リンク機構を構成し互いに歯合して回動するダイアル241、中間ギヤ242、及びカムギヤ243を備えている。そして、ダイアル241は、円盤状をなし、中央部に設けた円形の凹部あるいは円孔状の軸受部241aを軸部230に挟み込むように挿入して嵌合し、ケース体211のフィニッシャ222に回動自在に軸支されている。そして、このダイアル241は、フィニッシャ222に取り付けられた状態で、フィニッシャ222から下流側に突出する部分がノブ部244となり、軸受部241aを挟んでノブ部244の反対側には歯合部241bが形成されている。また、中間ギヤ242は、円盤状をなし、中央部に、円形の凹部あるいは円孔状の軸受部242aが形成され、外周の全周に歯合部242bが形成されているとともに、図10に示すように、一面に、摺動抵抗を軽減する突部242cが形成されている。また、カムギヤ243は、図7などに示すように、円盤状をなすカム板部243aと、このカム板部243aの一面に同軸に形成された歯合部243bと、カム板部243aの軸心から両面に突設された円柱状の軸部243cと、この軸部243cの両端部から突設されたピン部243dとを備えている。さらに、カム板部243aには、一面に、所定の形状の曲線状をなす凹溝である第1のカム溝245が形成されているとともに、他面に、所定の形状の曲線状をなす凹溝である第2のカム溝246が形成されている。そして、このカムギヤ243は、上下のピン部243dをケース体211の内筒本体221aの第1の軸支部223f,223f間に嵌合し、内筒221に回転自在に軸支されている。さらに、フィニッシャ222にダイアル241を取り付け、内筒221にカムギヤ243を取り付けた状態で、これらダイアル241の歯合部241bとカムギヤ243の歯合部243bとにそれぞれ歯合するように、中間ギヤ242の歯合部242bが配置されている。そして、この中間ギヤ242は、一面に設けた軸受部242aに軸支体226のピン部226cを嵌合するとともに、他面に設けた突部242cがカムギヤ243のカム板部243aの一面上に摺動自在に支持されている。さらに、カムギヤ243の第1のカム溝245に、一方の案内体231のリンク受部235のリンク軸部236を回動かつ移動可能に係合し、カムギヤ243の第2のカム溝246に、他方の案内体231のリンク受部235のリンク軸部236を回動自在かつ移動自在に係合して、リンク機構に案内体231,231が連結されている。
【0056】
また、この吹出口装置210の組立作業は、フィニッシャ222の軸部230に軸受部241aを係合して、フィニッシャ222にダイアル241を挟み込むようにして組み付ける。また、第1内筒部223aの第1の軸支部223fと第2内筒部223bの第1の軸支部223fとの間にカムギヤ243のピン部243dを係合し挟んで組み合わせるとともに、一対の案内体231,231のリンク軸部236,236をカム溝245,246に係合する。さらに、中間ギヤ242をカムギヤ243にあてがって歯合部243bに歯合させ、第2の軸支部223gから挿入した軸支体226のピン部226cを軸受部242aに挿入し、中間ギヤ242を回転自在に支持してアッセンブリを構成する。そして、このアッセンブリを外筒221に挿入し、さらに、中間ギヤ242にダイアル241の歯合部241bが歯合するようにして、アッセンブリにフィニッシャ222とダイアル241とを組み付け、取付突部221cを取付孔部222cに係合することにより、吹出口装置210が容易に構成される。
【0057】
そして、このように構成された吹出口装置210は、ダイアル241を回動操作することにより、対をなす案内体231,231が連動して進退し、風向及び集中拡散状態が調整される。すなわち、図9(a)に示すように、ダイアル241を一方の方向の回転限まで回動することにより、対をなす案内体231,231が相対向する位置でかつ下流側の前進限に移動する。この状態では、案内体231,231の案内部233と、内筒221の固定案内部225との位置が略連続した面である円錐台状に揃った状態になり、正面に向かって集中した状態で風を案内できる。
【0058】
また、図9(b)に示すように、ダイアル241を中間位置まで回動することにより、一方の案内体231が相対的に前進し、他方の案内体231が相対的に後退した状態になり、すなわち、案内体231,231の位置が所定方向Aに沿って互いに離間した状態になり、上流側に移動した案内部233により向きが変えられた空調風も含めて、下流側に移動した案内部233により空調風が集められるように案内され、空調風を曲げることができる。さらに、この状態で、フィニッシャ222などを把持して回転させることにより、外筒220に対して、内筒221とともに案内体231,231が360度自在に回動し、対をなす案内体231の位置関係を保ったまま、風向を360度自在に調整できる。
【0059】
さらに、図9(c)に示すように、ダイアル241を他方の方向の回転限まで回動することにより、対をなす案内体231,231が相対向する位置でかつ上流側の後退限に移動する。この状態では、案内体231,231の案内部233と、内筒221の固定案内部225との位置がずれた状態になり、正面に向かって拡散した状態で風を案内できる。
【0060】
このように、本発明の第3の実施の形態によれば、ケース体211の内部に、案内部233,233を備えた案内体231,231を進退自在に配置し、操作手段214によりこれら案内部233,233を偏位させることで、風向を所望の方向に容易に制御できる。さらに、外筒220に対して、内筒221を回転自在に設けたため、風向を360度自在に調整できる。さらに、案内部233,233を揃えた状態で複数の位置に移動可能とし、ケース体211に設けた固定案内部225との位置関係を異ならせることにより、風の集中拡散状態も制御できる。そこで、多数のルーバを用いる構成などに比べて、構造を簡略化でき、製造コストを低減できるとともに、小型化、軽量化が容易になり、丸形状の吹出口に対応することも容易になる。
【0061】
また、丸形状であっても、構造が簡略で、ケース体211の内側の流体通路Bに多数のルーバを駆動する複雑なリンク装置などを配置する必要がないとともに、空調風の流れに対して逆方向となる傾斜面が形成されないため、通気抵抗を軽減し、空調装置の効率を向上できるとともに、騒音を小さくできる。
【0062】
次に、第4の実施の形態を図11ないし図13を参照して説明する。
【0063】
この第4の実施の形態も、第2の実施の形態と同様に、円形の開口部に取り付けられるいわゆる丸形ベンチレータを実現するものである。
【0064】
この吹出口装置310は、ケース体311と、このケース体311に収納された案内手段312と、この案内手段312を操作する操作手段314とを備えている。そして、ケース体311は、本実施の形態では、合成樹脂製の円筒状の外筒(アウターケース)320及び内筒(インナーケース)321と、これら外筒320及び内筒321の下流側の端部に取り付けられた合成樹脂製のフィニッシャ322とを備え、内側に流体通路Bが形成されている。そして、内筒321は、本実施の形態では、案内体すなわち導風板としても機能するもので、両側に切欠部323cを設けた略円筒状の内筒本体321aと、この内筒本体321aの上流側の端部に外周側に突設して形成されたフランジ部321bとが形成されている。また、この内筒本体321aの下流側の端部近傍からは、外周側に向かい、爪状に突設された弾性変形可能な複数の取付突部321cが一体に形成されている。
【0065】
また、内筒本体321aの下流側の端部からは、円錐台の一部である曲面状をなして下流側の吹出口324に向かって流体通路Bの中心に向かう傾斜面となる第2の案内部である固定案内部325が切欠部323cと交互に形成されている。また、内筒本体321aの外周面には、切欠部323cの上流側に位置し、案内体ガイド部323dが所定方向Aに沿った凹溝として形成されている。さらに、各固定案内部325の先端部からは、内周側に向かい第2取付突部321dが対をなして突設されている。
【0066】
また、外筒320は、内筒本体321aの外周部に所定の間隔を介して嵌合する円筒状をなし、外周面に、車体に取り付けられる取付部320aが形成されている。
【0067】
さらに、フィニッシャ322には、内筒本体321aの先端部に嵌合する嵌合部322aと、円形状の吹出口324の一部を桟で覆うガード部322bとが形成されている。また、嵌合部322aには、取付突部321cに係合する取付孔部322cと、第2取付突部321dに係合する取付リブ322dとが形成されている。さらに、ガード部322bの周囲に位置して、吹出方向を示す表示部322eが形成されている。そこで、内筒本体321aの先端部にフィニッシャ322を嵌合した状態で、取付突部321cと取付孔部322cとの係合及び第2取付突部321dと取付リブ322dとの係合で、内筒321にフィニッシャ322が固定される。
【0068】
また、案内手段312は、一対の案内体331,331を備えている。各案内体331は、合成樹脂にて一体に形成されたいわば導風板で、案内体本体部332と、この案内体本体部332から一体に突設された第1の案内部であり可動案内部となる案内部333とを備えている。そして、案内体本体部332は、内筒321の内筒本体321aに略沿った形状で、円筒の一部をなす曲面状に形成され切欠部323cに所定方向Aに沿って進退自在に嵌合する中本体部332aと、この中本体部332aの上流側に連続し、内筒本体321aの外面に沿った形状で切欠部323cを覆った状態になる外本体部332bとを備えている。さらに、各外本体部332bの内周面には、案内体ガイド部323dに摺動自在に係合する案内体ガイド受部332cが一対のリブとして、すなわち所定方向Aに沿った溝状に形成されている。このようにして、各案内体本体部332は、内筒321に摺動自在に案内され、所定方向Aに沿って進退自在に支持されている。また、案内部333は、案内体本体部332の下流側の端部から、下流側に向かって流体通路Bの中心に向かう傾斜面となるように延設されている。また、本実施の形態では、各案内部333は、固定案内部325と連続可能な円錐台の一部である曲面状に形成されている。さらに、各外本体部332bの外周面には、それぞれリンク接続部335が形成されている。各リンク接続部335は、外周側に向かって突設された一対の連結ピンにて構成され、各連結ピンは、所定方向Aに互いに所定間隔を介して離間している。
【0069】
さらに、操作手段314は、リンク機構を構成する一対のガイド体341,341と、操作リング343とを備えている。そして、各ガイド体341は、それぞれ半円筒状をなし、互いに組み合わされて外筒320内に摺動自在に嵌合する略円筒状の回転筒体となるガイド体本体341aを備えている。また、各ガイド体本体341aの側端部には、互いに係合して連結される係合部341b,341cが突設及び凹設されている。さらに、各ガイド体本体341aの内周面には、一体または別体に突条部341dが設けられ、所定方向Aに対して傾斜したガイド手段であるガイド溝344が形成されている。そして、このガイド溝344に、各案内体331のリンク接続部335が移動可能に係合するようになっている。また、各ガイド体本体341aの下流側の端部近傍には、操作部取付部である係合受部341eが形成されている。一方、操作リング343は、円環状をなす操作部343aと、この操作部343aから突設されそれぞれ係合受部341eに係合する一対の係合部343bとを備えている。
【0070】
そして、この吹出口装置310の組立作業は、内筒321に案内体331,331とフィニッシャ322とを組み合わせた状態で、案内体331,331の外周側から、ガイド溝344にリンク接続部335が係合するようにして、ガイド体341,341を組み合わせてアッセンブリを構成する。そして、このアッセンブリを、上流側から外筒320に挿入する。次いで、上流側から、ガイド体341,341にフィニッシャ322を係合して取り付ける。この状態で、外筒320の内側に、ガイド体341,341などが摺動可能で回転可能に支持されるとともに、フランジ部321bと操作部343aとの間で抜け止めされ、吹出口装置310が容易に構成される。
【0071】
そして、このように構成された吹出口装置310は、操作リング343を回動操作することにより、対をなす案内体331,331が連動して進退し、風向及び集中拡散状態が調整される。すなわち、図13(a)に示すように、操作リング343を一方の方向の回転限まで回動することにより、対をなす案内体331,331が相対向する位置でかつ下流側の前進限に移動する。この状態では、案内体331,331の案内部333と、内筒321の固定案内部325との位置が略連続した面である円錐台状に揃った状態になり、正面に向かって集中した状態で風を案内できる。
【0072】
また、図13(b)に示すように、操作リング343を中間位置まで回動することにより、一方の案内体331が相対的に前進し、他方の案内体331が相対的に後退した状態になり、すなわち、案内体331,331の位置が所定方向Aに沿って互いに離間した状態になり、上流側に移動した案内部333により向きが変えられた空調風も含めて、下流側に移動した案内部333により空調風が集められるように案内され、空調風を曲げることができる。さらに、この状態で、フィニッシャ322などを把持して回転させることにより、外筒320に対して、ガイド体341,341及び内筒321とともに案内体331,331が360度自在に回動し、対をなす案内体331の位置関係を保ったまま、風向を360度自在に調整できる。
【0073】
さらに、図13(c)に示すように、操作リング343を他方の方向の回転限まで回動することにより、対をなす案内体331,331が相対向する位置でかつ上流側の後退限に移動する。この状態では、案内体331,331の案内部333と、内筒321の固定案内部325との位置がずれた状態になり、正面に向かって拡散した状態で風を案内できる。
【0074】
このように、本発明の第4の実施の形態によれば、ケース体311の内部に、案内部333,333を備えた案内体331,331を進退自在に配置し、操作手段314によりこれら案内部333,333を偏位させることで、風向を所望の方向に容易に制御できる。さらに、外筒320に対して、内筒321を回転自在に設けたため、風向を360度自在に調整できる。さらに、案内部333,333を揃えた状態で複数の位置に移動可能とし、ケース体311に設けた固定案内部325との位置関係を異ならせることにより、風の集中拡散状態も制御できる。そこで、多数のルーバを用いる構成などに比べて、構造を簡略化でき、製造コストを低減できるとともに、小型化、軽量化が容易になり、丸形状の吹出口に対応することも容易になる。
【0075】
また、丸形状であっても、構造が簡略で、ケース体311の内側の流体通路Bに多数のルーバを駆動する複雑なリンク装置などを配置する必要がなく、さらに、本実施の形態では、流体通路Bにリンク機構が全く配置されず、滑らかな構造にでき、空調風の流れに対して逆方向となる傾斜面が形成されないため、通気抵抗を軽減し、空調装置の効率を向上できるとともに、騒音を小さくできる。
【0076】
なお、上記の各実施の形態で示した構成を適宜組み合わせて用いることもできる。また、ケース体の形状も四角の角筒状や円筒状に限られず、適宜の構成を採ることができる。
【0077】
例えば、図14に示す第5の実施の形態のように、正面視略L字状の吹出口401を備えた吹出口装置410も、容易に形成できる。すなわち、正面視略L字状の薄型のケース体411に、案内手段412を構成する一対の正面視略L字状の案内体412a,412aをそれぞれ進退可能に配置することにより、容易に構成される。なお、この実施の形態では、操作手段413は、ダイアル413aを備えたリンク機構により構成されるが、このダイアル413aは、ケース体411の外側に配置されている。また、フィニッシャ422のガード部422aは、格子状に形成されている。
【0078】
このように、本発明の吹出口装置は、種々の形状を容易に採ることができるため、吹出口を配置する場所が制限され、また、意匠上の要求の大きい自動車用の吹出口装置として、容易に用いることができる。
【0079】
また、上記の各実施の形態では、同時に所定方向に移動する2個の案内部を備えた構成と、同時に所定方向に移動する2個の案内部に加えて、所定方向に移動しない2個の案内部を備えた構成について説明したが、この構成に限られず、例えば、同時に所定方向に移動する3個あるいは4個以上の案内部を備えた構成など、所定方向に移動する案内部と所定方向に移動しない案内部との個数は適宜選択することができる。
【0080】
【発明の効果】
請求項1記載の吹出口装置によれば、操作手段を操作し、一の案内部を他の案内部より吹出口側に相対的に移動させることにより、この吹出口側の案内部により流体の吹き出し方向を案内できる。また、複数の案内部を吹出口に対して同じ位置に配置することにより、流体を正面方向に案内できる。構造が簡略で、製造コストを容易に低減できるとともに、形状の自由度を向上できる。流体通路の内側の流体を妨げる構造の抑制が可能になり、通気抵抗を容易に減少できる。さらに、案内部が互いに反対方向に移動するため、操作手段の操作量に対して、流体の向きを大きく変化させることができ、操作性を容易に向上できる。
【0081】
請求項2記載の吹出口装置によれば、請求項1記載の効果に加え、複数の案内部をそれぞれ所定方向に沿って互いに離間する方向に移動させることにより、操作手段を操作する量に対して、風向を大きく変化させ、操作性を容易に向上できる。
【0082】
請求項3記載の吹出口装置によれば、請求項1記載の効果に加え、複数の案内部を、これら案内部が互いに連続する位置に移動させることにより、流体が集中するように案内でき、集中拡散状態を調整できる。
【0083】
請求項4記載の吹出口装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の効果に加え、ノブ部を揺動操作することで、流体の吹き出し方向を調整できる。構造が簡略で、製造コストを容易に低減できる。
【0084】
請求項5記載の吹出口装置によれば、請求項1ないし3いずれか一記載の効果に加え、ノブ部を回動操作することで、流体の吹き出し方向を調整できる。
【0085】
請求項6記載の吹出口装置によれば、請求項5記載の効果に加え、ノブ体を吹出口の外縁部に沿って回動操作することにより、流体の吹き出し方向を調整できる。流体通路にノブ体を配置する必要がなく、通気抵抗を容易に減少できるとともに、外観の向上が可能になる。
【0086】
請求項7記載の吹出口装置によれば、請求項1ないし6いずれか一記載の効果に加え、請求項1ないし6いずれか一記載の構成とともに、外筒に対して内筒を回動することにより、自在な方向に流体を案内できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吹出口装置の第1の実施の形態を示す図2のI−I断面の動作の説明図である。
【図2】同上吹出口装置の斜視図である。
【図3】本発明の吹出口装置の第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図4】同上吹出口装置の斜視図である。
【図5】同上吹出口装置の図4のII−II断面の動作の説明図である。
【図6】同上吹出口装置の図4のIII−III断面図である。
【図7】本発明の吹出口装置の第3の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図8】同上吹出口装置の斜視図である。
【図9】同上吹出口装置の図8のIV−IV断面の動作の説明図である。
【図10】同上吹出口装置の図8のV−V断面図である。
【図11】本発明の吹出口装置の第4の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図12】同上吹出口装置の斜視図である。
【図13】同上吹出口装置の図12のVI−VI断面の動作の説明図である。
【図14】本発明の吹出口装置の第5の実施の形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 吹出口装置
11 ケース体
12 案内手段
14 操作手段
24 吹出口
31 案内体
33 案内部
44 ノブ部
45 リンク接続部
120 外筒
121 内筒
225 案内部としての固定案内部
A 所定方向
B 流体通路

Claims (7)

  1. 吹出口、及びこの吹出口に向かう所定方向に流体が流れる流体通路を設けたケース体と、
    前記流体通路に配置され、それぞれ前記吹出口に向かい互いに接近する方向に傾斜して突設された案内部を設けるとともにそれぞれ前記所定方向に沿って進退可能に案内された複数の案内体を備えた案内手段と
    前記一の案内部に対して他の案内部を前記所定方向に沿って相対的に互いに反対方向に移動させる操作手段と
    を具備したことを特徴とする吹出口装置。
  2. 操作手段は、複数の案内部をそれぞれ前記所定方向に沿って互いに離間する方向に移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の吹出口装置。
  3. 操作手段は、複数の案内部を、これら案内部が互いに連続する位置に移動させる
    ことを特徴とする請求項1記載の吹出口装置。
  4. 操作手段は、揺動可能に支持され、操作可能なノブ部及び各案内部に回動可能かつスライド可能に連結されたリンク接続部を備えたノブ体を備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の吹出口装置。
  5. 操作手段は、回動自在に支持された操作可能なノブ部を設けたノブ体と、このノブ体の回動に応じて回動され各案内部に回動可能かつスライド可能に連結されたカム溝を設けたカム体とを備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし3いずれか一記載の吹出口装置。
  6. ノブ体は、吹出口の外縁部に沿って回動する円環状に形成された
    ことを特徴とする請求項5記載の吹出口装置。
  7. ケース体は、流体通路を設けた内筒と、この内筒を回転可能に嵌合する外筒とを備えた
    ことを特徴とする請求項1ないし6いずれか一記載の吹出口装置。
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