JP4324441B2 - 素子基板、表示装置 - Google Patents

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Description

本発明はTFT(薄膜トランジスタ)基板などの素子基板に関する。また、本発明は液晶表示装置などの表示装置に関する。
液晶プロジェクションに用いられる液晶素子(ライトバルブ)としては、通常、TFTアクティブマトリクス型の液晶表示装置が用いられる。TFT型の液晶表示装置は、TFT基板と、これに対向して配置される対向基板と、両基板に挟まれた液晶層とを有する。TFT基板には、それぞれの画素毎に画素信号用TFTが設けられている。以下、従来技術によるTFT基板について説明する。
図9および図10は、従来技術によるTFT基板の一例を模式的に示す図であり、図9はTFT近傍のレイアウトを示す平面図、図10は図9中のC−C' 線断面図である。石英基板501上に所定形状の下部遮光膜503aが設けられ、この下部遮光膜503a上に第1絶縁膜506を介してTFT半導体層507が設けられている。このTFT半導体層507上にゲート酸化膜508が設けられ、ゲート酸化膜508を介してTFT半導体層507上にゲート配線509が設けられている。TFT半導体層507には、チャネル領域507c、ソース領域507a、ドレイン領域507bおよび容量素子用の下部容量電極503が形成されている。
下部容量電極503の所定部上には、ゲート酸化膜508を介して上部容量電極505が設けられている。下部容量電極503と上部容量電極505とでゲート酸化膜508を挟んだ構造により、容量素子が構成される。ゲート配線509および上部容量電極505を覆うように第2絶縁膜510が設けられている。この第2絶縁膜510およびゲート酸化膜508の所定部分には、ソースコンタクトホール511およびドレインコンタクトホール512がそれぞれ設けられている。
第2絶縁膜510上には、ソースコンタクトホール511を通じてTFTのソース領域507aに接続されたソース配線513が、ドレインコンタクトホール512を通じてTFTのドレイン領域507bに接続されたドレイン電極514がそれぞれ設けられている。これらのソース配線513およびドレイン電極514上には第3絶縁膜515が設けられ、ドレイン電極514上の所定部分における第3絶縁膜515には画素電極コンタクトホール518が設けられている。第3絶縁膜515上には、画素電極コンタクトホール518を通じてドレイン電極514と接続された画素電極519が設けられている。
一方、液晶プロジェクションに用いられる液晶素子では、TFTにより画素毎のスイッチのON/OFFを行って、液晶層の画素毎の透過率を制御する。これにより、液晶素子に入射した強力な光は、画像情報に応じて透過率が制御され、レンズなどの光学素子を介してスクリーンなどに拡大投影される。ここで、入射光や基板裏面からの反射光がTFTチャネル部に入射した場合、光励起によってオフ時にリーク電流が発生し、液晶の表示品位を劣化させていた。したがって、液晶表示装置の表示品位向上において、容量素子の高容量化による表示保持や高遮光化が望まれている。
しかし、これらを実現するためには、液晶表示装置における画素間遮光領域を拡大する必要があるので、画素開口部が縮小されてしまう。また近年、表示装置の小型化が望まれており、それについての対応も必要になっている。図9および図10に示す従来のTFT基板においても、TFT、ソース配線513、ゲート配線509および上部容量電極505などは、それぞれが所定の面積を有するので、画素開口率を向上させる妨げになっていた。画素開口率の向上を目的とする技術が、例えば特許文献1に開示されている。
特開2001-66638号公報
特許文献1の技術では、画素電極駆動用TFTと保持容量素子が設けられた液晶表示装置において、TFTを構成する薄膜半導体層の下層に保持容量素子が設けられている。しかしこの技術においても、表示装置の小型化に伴い画素開口率が低下することが問題となる。
開口率向上の策として、コンタクトホールのスタック構造化が挙げられる。スタック構造化とは、複数のコンタクトホールを重ね合わせることで、コンタクトホールの形成に必要な面積を減らすことである。しかし、容量素子とドレイン電極とを接続するコンタクトホールやTFTのドレイン領域とドレイン電極とを接続するコンタクトホールはいずれも深いので、これらコンタクトホール近傍においてドレイン電極に段差部分(傾斜部分)が生じる。したがって、これらコンタクトホールと、ドレイン電極および画素電極を接続するコンタクトホールとのスタック構造化が困難である。
さらに、表示装置の小型化に伴う遮光面積縮小による容量の低下、および表示装置の高輝度化による遮光性能強化の必要性も問題となってくる。
本発明は、容量面積を確保しつつ画素開口率を向上させることを目的の一つとする。また本発明は、遮光効果を向上させて、半導体層への光の入射を低減することにより、表示品位を向上させることを目的の一つとする。
本発明の素子基板は、凹状に窪んだ凹部を有する基板と、前記凹部の底面および側面に少なくとも一部が形成された容量素子と、前記底面における前記容量素子よりも上方に、かつ平面視における前記凹部内に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成されたゲート配線と、前記絶縁層上に形成されたドレイン電極とを有し、前記ゲート配線の上面は前記容量素子の上面よりも下方に位置し、前記容量素子は、前記凹部外の前記基板面に一部が形成され、前記ドレイン電極が接する前記絶縁層の上面と、前記容量素子の最も上方の面とが面一であり、前記ドレイン電極と前記容量素子とがコンタクトホールを介さずに接続されていることを特徴とする。なお、本明細書において「上方」とは、基板側に対して反対側の方向を意味する。
本発明によれば、容量素子を平面に構成するよりも、凹部側面分の容量素子の面積(すなわち容量)が増加する。また、容量増加に比して、平面視における容量素子の占有面積の増加を抑えることができる。したがって、本発明の素子基板を用いて、例えば液晶表示装置を作製した場合、画素開口率の低下を抑えることができる。また、ゲート配線の上面が容量素子の上面よりも下方に位置するため、凹部の底面および側面に形成された容量素子部分が半導体層の遮光層として機能するので、半導体層の下面および側面における遮光効果が増す。したがって、半導体層への光の入射を防止することができるので、表示品位が向上する。なお、本明細書において「下方」とは、基板側の方向を意味する。また、ドレイン電極が接する絶縁層の上面と、容量素子の最も上方の面とが面一であり、ドレイン電極と容量素子とがコンタクトホールを介さずに接続されているため、コンタクトホールを形成するのに必要なドレイン電極の面積を減らすことができる。即ち、コンタクトホールを形成するのに必要な面積を確保するために、ドレイン電極の占有面積を拡大する必要がない。したがって、画素開口率増加や画素サイズ縮小が可能となり、素子基板を利用した表示装置の小型化が可能となる。
記凹部は、行方向に延びる複数の行方向溝および前記行方向と交差する列方向に延びる複数の列方向溝から構成され、平面視において格子状であっても良い。なお、「行方向」および「列方向」は、基板面の平面視における第1方向と、これに交差する第2方向を規定するだけであり、基板面の上下方向や左右方向を規定するものではない。
前記半導体層の上方に形成されたゲート配線と、前記半導体層のソース領域に電気的に接続されたソース配線とをさらに有しており、前記ゲート配線および前記ソース配線は、平面視において前記行方向溝内および前記列方向溝内にそれぞれ形成されていても良い。
記ドレイン電極上に形成され、前記ドレイン電極の一部を露出させるコンタクトホールが形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成され、前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続された画素電極とをさらに有しており、前記ドレイン電極と前記容量素子とが接続されている部分と、前記コンタクトホールとは、平面視において少なくとも一部が重なっていても良い。
前記容量素子は、下部容量電極、容量用誘電膜および上部容量電極から構成され、前記上部容量電極は、CMP(化学的機械研磨)処理に際してバリア性能の高い金属膜から形成されていることが好ましい。前記上部容量電極は、タングステン、タンタル、チタン、ニオブおよびこれらの化合物より選ばれた材料、またはタングステン、タンタル、チタン、ニオブもしくはこれらの化合物を主成分とする材料を含んでいても良い。
本発明の表示装置は、本発明の素子基板と、前記素子基板に対向して配置される対向電極と、前記素子基板と前記対向電極との間に介在する表示媒体層とを有する。「表示媒体層」とは、互いに対向する電極間の電位差により光透過率が変調される層、または互いに対向する電極間を流れる電流により自発光する層である。表示媒体層は、例えば液晶層、無機または有機EL層、発光ガス層、電気泳動層、エレクトロクロミック層などである。
発明の素子基板を用いて、例えば液晶表示装置を作製することによって、容量面積を確保しつつ画素開口率を向上させることができる。また、本発明によれば、遮光効果を向上させて、半導体層への光の入射を低減することにより、表示品位を向上させることができる。さらに、本発明によれば、素子基板を利用した表示装置の小型化が可能となる。
以下、図面を参照しながら本発明による実施形態を説明する。なお、以下の実施形態では素子基板としてTFT基板を例に説明するが、本発明の素子基板はこれに限定されない。また、以下の実施形態では透過型の液晶表示装置について説明するが、本発明の表示装置はアクティブ素子基板を有する表示装置に広く適用することができる。例えば、反射型または透過反射両用型の液晶表示装置、PDP(Plasma Display Panel)、有機または無機EL(Electro Luminescence)表示装置、エレクトロクロミック表示装置などにも適用することができる。
(実施形態1)
図1は実施形態1のTFT基板のレイアウトを部分的に示す平面図である。図2は図1中のA−A' 線断面図であり、図3は図1中のB−B' 線断面図である。図4〜図6は、本実施形態のTFT基板の製造工程を示す断面図である。図7は図5中の工程(d)におけるTFT基板の平面図である。以下、図1〜図7を参照しながら、本実施形態のTFT基板の製造工程とともに、TFT基板の構造を説明する。なお、図4は工程(a)〜(c)を、図5は工程(d)〜(f)を、図6は工程(g)および(h)をそれぞれ示している。
工程(a)
フォトエッチング技術を用いて、絶縁性の石英基板1に深さ1.4μmの凹部2を形成する。凹部2は、行方向に延びる複数の行方向溝2aおよび行方向と交差する列方向に延びる複数の列方向溝2bから構成され、平面視において格子状である(図7参照)。但し、エッチングされなかった石英基板1の一部(以下、便宜上「凸部」ともいう。)1aが行方向溝2a側に延出しており、行方向溝2aの幅が一部で狭くなっている。なお、凹部2は、表示領域内に形成される。
本実施形態では、石英基板1をエッチングすることによって凹部2を形成しているが、基板1に凹部2を形成する方法はこれに限定されない。例えば石英基板1上に絶縁膜を成膜し、絶縁膜をフォトエッチングして、凹部2を形成しても良い。この場合、凸部1aは絶縁膜から形成される。
工程(b)
リン等の不純物が高濃度にドーピングされた膜厚100nmの多結晶シリコン膜を成膜する。その後、フォトエッチング技術を用いてパターニングし、下部容量電極3を形成する。下部容量電極3は、少なくともその一部が凹部2の底面および側面に形成されるようにする。また、下部容量電極3は、容量用の配線としての機能を持たせるために、表示領域全体に格子状に形成し、外部からの電位を直接印加できるようにする。なお、下部容量電極3は、表示領域全体にストライプ状に形成しても良い。
下部容量電極3上に、膜厚40nmのSiO膜からなる容量用誘電膜4を成膜した後、O雰囲気、900℃の条件の酸化アニール処理を行なう。この酸化アニール処理を行うことによって、容量用誘電膜4が耐圧に優れた膜となる。
容量用誘電膜4上に、膜厚200nmのタンタル(Ta)膜を成膜する。その後、フォトエッチング技術を用いてパターニングし、上部容量電極5を形成する。上部容量電極5は、少なくともその一部が凸部1a上に形成されている。上部容量電極5は、CMP(化学機械的研磨)処理に際してバリア性能の高い金属膜から形成することが好ましい。これにより、後述の絶縁膜研磨工程におけるCMP処理にて、上部容量電極5の上面にて研磨をストップさせることができる。バリア性能の高い金属としては、高融点金属が挙げられる。例えば、タングステン、タンタル、チタン、ニオブおよびこれらの化合物より選ばれた材料、またはタングステン、タンタル、チタン、ニオブもしくはこれらの化合物を主成分とする材料が挙げられる。
上部容量電極5と下部容量電極3との間に容量用誘電膜4が挟まれた構造によって、容量素子20が形成される。容量素子20は、少なくともその一部が凹部2の底面および側面に形成されている。本実施形態では、容量素子20の一部が凸部1aの上面にも形成されている。この容量素子20は、凹状に窪んだ凹部2の底面および側面に形成されている。したがって、同じ容量の容量素子を平面的にのみ構成する場合と比較すると、平面視における容量素子20の占有面積が小さくなるので、遮光領域が小さくなる。すなわち、画素開口率を向上させることができる。反対に、同じ占有面積で比較すると、容量素子を平面的にのみ構成する場合よりも、凹部2の側面分の面積が増加するので、容量が増加して、液晶表示装置の表示品位が向上する。
工程(c)
膜厚400nmのSiO膜からなる第1絶縁膜6を基板1全面に成膜して、上部容量電極5を第1絶縁膜6で被覆する。その後LPCVD法(減圧化学的気相成長法)により第1絶縁膜6上に厚さ70nmの非晶質シリコン膜を成膜する。600℃、20時間の条件の熱処理を行なって非晶質シリコン膜を結晶化させる。さらに所定の形状にエッチングして、TFT半導体層7を形成する。TFT半導体層7は、平面視において凹部2(行方向溝2a)内で、かつ容量素子20を構成する下部容量電極3または上部容量電極5の領域内に形成される。
工程(d)
TFT半導体層7上に、膜厚80nmのSiO膜からなるゲート酸化膜8を成膜する。ゲート酸化膜8上に、リン等の不純物が高濃度にドーピングされた膜厚150nmの多結晶シリコン膜および膜厚150nmのWSi膜が順次積層された積層膜を成膜する。フォトエッチング技術を用いてこの積層膜をパターニングして、ゲート配線9を形成する。ゲート配線9は、平面視において行方向溝2a内に形成される。またゲート配線9の一部はTFT半導体層7の行方向中央部に重畳するように形成される。
凹部2の深さが1.4μmに設定されているのに対して、第1絶縁膜6の膜厚400nm、TFT半導体層7の膜厚70nm、ゲート酸化膜8の膜厚80nmおよびゲート配線9の膜厚300nmの合計膜厚は850nmである。すなわち凹部2の深さは合計膜厚よりも大きいので、TFT半導体層7のうち、後にチャネル領域7cになる領域およびゲート配線9は、容量素子20の上部容量電極5の上面より低く形成される。下部容量電極3または上部容量電極5が凹部2の底面だけでなく側面にも形成されているので、TFT半導体層7の下面から入射する光だけでなく側面から入射する光も遮光される。すなわち、下部容量電極3または上部容量電極5による遮光効果が増す。
ゲート配線9をマスクとして、TFT半導体層7にリン等の不純物を3×1015原子/cm、75Kevの条件で注入する。これにより、高濃度不純物領域であるソース領域7aおよびドレイン領域7bが形成される。またゲート配線9に重畳するチャネル領域7cが形成される。
工程(e)
基板1全面に第2絶縁膜10を成膜して、ゲート配線9を第2絶縁膜10で被覆する。第2絶縁膜10は、次のCMP処理で平坦化するために、上部容量電極5の上面からゲート酸化膜8の面までの段差以上の膜厚が必要である。本実施形態では、第2絶縁膜10の膜厚を1.2μmに設定する。
工程(f)
上部容量電極5の上面が露出するまでCMP処理を行う。上部容量電極5はCMP処理に対してバリア性能の高い膜で構成されているので、研磨のストッパとしての役割を果たす。上部容量電極5の露出した部分の一部はドレイン電極−容量接続部21となる。CMP処理を行なうことによって、第2絶縁膜10の上面と上部容量電極5の上面が面一となる。なお、上部容量電極5の露出した部分のすべてをドレイン電極−容量接続部21としても良い。
工程(g)
第2絶縁膜10およびゲート酸化膜8にソースコンタクトホール11およびドレインコンタクトホール12を形成して、ソース領域7aおよびドレイン領域7bの所定部分を露出させる。膜厚80nmのTiW膜、膜厚400nmのAl−Si膜および膜厚150nmのTiW膜を順次積層した積層膜を成膜し、フォトエッチング技術により、積層膜をパターニングして、ソース配線13およびドレイン電極14を形成する。
ソース配線13はソースコンタクトホール11を介してTFT半導体層7のソース領域7aに接続され、ドレイン電極14はドレインコンタクトホール12を介してTFT半導体層7のドレイン領域7bに接続される。ドレイン電極14はドレイン電極−容量接続部21にて上部容量電極5にも接続されている。また、第2絶縁膜10の上面と上部容量電極5の上面が面一であるので、ドレイン電極14は、ドレインコンタクトホール12近傍を除いて平坦となる。ソース配線13は上部容量電極5の露出している部分と接続しないように、平面視において凹部2(列方向溝2b)内に形成される(図1参照)。なお、ドレインコンタクトホール12は深いので、ドレインコンタクトホール12近傍においてドレイン電極14に段差部分(傾斜部分)が生じる。
工程(h)
基板1全面に第3絶縁膜15を成膜して、ソース配線13およびドレイン電極14を第3絶縁膜15で被覆する。膜厚120nmのTiW膜を成膜し、フォトエッチング技術によりTiW膜をパターニングして、上部遮光膜16を形成する。上部遮光膜16は凹部2を覆うように形成し、チャネル領域7cに上部から光が入射しないようにする。
上部遮光膜16を形成した後、第4絶縁膜17を成膜し、ドレイン電極−容量接続部21上の第4絶縁膜17に画素電極コンタクトホール18を形成する。ドレインコンタクトホール12近傍を除くドレイン電極14は平坦であるので、画素電極コンタクトホール18を平坦なドレイン電極−容量接続部21上に形成することが可能となる。
膜厚120nmのインジウム錫酸化膜(ITO膜) を成膜し、フォトエッチング技術により、ITO膜をパターニングする。これにより、画素電極コンタクトホール18を介してドレイン電極14と接続された画素電極19が形成される。
本実施形態では、第2絶縁膜10の上面と上部容量電極5の上面が面一であるので、ドレイン電極14はドレイン電極−容量接続部21にて上部容量電極5に接続されている。しかし、仮に第2絶縁膜10の上面と上部容量電極5の上面が面一でないとすると、第2絶縁膜10にコンタクトホールを形成し、コンタクトホールを介してドレイン電極14と上部容量電極5とを接続する必要がある。この場合、コンタクトホールの形成によって、コンタクトホール近傍のドレイン電極14に段差部分が生じる。この段差部分やドレインコンタクトホール12近傍の段差部分に画素電極コンタクトホール18を形成すると、画素電極19のカバレッジが悪くなり、コンタクト特性に影響を及ぼすことがある。したがって、画素電極コンタクトホール18はドレイン電極14の平坦な部分に形成するのが望ましい。しかし、コンタクトホールを介してドレイン電極14と上部容量電極5とを接続した場合には、ドレイン電極14の平坦な部分の面積が減少することになるので、画素電極コンタクトホール18を形成するのに必要な面積を確保するために、ドレイン電極14の占有面積を拡大する必要がある。したがって、画素開口率増加や画素サイズ縮小が困難となる。
本実施形態によれば、ドレイン電極14と上部容量電極5との接続にコンタクトホールを形成する必要がないので、そのコンタクトホールを形成するのに必要なドレイン電極14の面積を減らすことができる。言い換えれば、画素電極コンタクトホール18を形成するのに必要な面積を確保するために、ドレイン電極14の占有面積を拡大する必要がない。したがって、画素開口率増加や画素サイズ縮小が可能となり、表示パネルの小型化が可能となる。
以上の工程(a)〜(h)を経ることによって、本実施形態のTFT基板が作製される。このTFT基板を用いて、透過型の液晶表示装置を作成する工程について簡単に説明する。TFT基板の画素電極19上にポリイミド系やポリアミド系の配向膜を形成し、ラビング処理を行なう。一方、透明共通電極およびラビング処理された配向膜が基板上に順次積層された共通基板を用意する。TFT基板と共通基板とをシール材を介して貼り合わせ、両基板の間隙に液晶材料を注入して、液晶層を形成する。両基板の外側面のそれぞれに、偏光層が貼り合わされて、透過型の液晶表示装置が作製される。
本実施形態の液晶表示装置によれば、容量面積を確保しつつ画素開口率を向上させることができる。また、半導体層への光の入射が低減されるので、表示品位を向上させることができる。したがって、本実施形態の液晶表示装置は、投射型液晶表示装置(液晶プロジェクション)に用いられる液晶ライトバルブとして好適に用いられる。
なお、本実施形態は本発明により作製されるTFT基板の一例であり、本発明は本実施形態に記載された材料や膜厚、形成方法などに限定されない。
(実施形態2)
図8は、実施形態2のTFT基板の断面図であり、図1中のA−A' 線断面図に相当する。図8において、実施形態1のTFT基板の構成要素と実質的に同じ機能を有する構成要素は、実施形態1で付された参照番号に400を加えた参照番号で示し、その説明を省略する。例えば、実施形態1で示したゲート配線9と実質的に同じ機能を有する構成要素を参照番号409で示す。
本実施形態のTFT基板は、TFT半導体層のチャネル領域407cとソース領域407aの間およびチャネル領域407cとドレイン領域407bの間に一対の低濃度不純物領域407dが形成されている点で、実施形態1のTFT基板と異なる。
本実施形態のTFT基板は、上記工程(d)中の不純物を注入する工程を除いて、実施形態1と同様にして製造することができる。例えば、実施形態1と同様のプロセスでゲート配線409の形成までを行なった後、以下の不純物注入工程を行なう。ゲート配線409をマスクとして、リン等の不純物を2×1013原子/cm、75Kevの条件でTFT半導体層407に注入する。TFT半導体層407上にフォトレジストを形成し、リン等の不純物を3×1015原子/cm、75Kevの条件で注入する。これにより、高濃度不純物領域であるソース領域407aおよびドレイン領域407bが形成される。またゲート配線409に重畳するチャネル領域407cが形成される。さらにチャネル領域407cとソース領域407aの間およびチャネル領域407cとドレイン領域407bの間に、一対の低濃度不純物領域407dが形成される。低濃度不純物領域407dを形成することによって、TFT半導体層407に抵抗成分を付加することになるので、液晶表示装置のオフ状態でのリーク電流の増加を抑制することができる。
以降、実施形態1と同様のプロセスで画素電極419の形成まで行うことにより、本実施形態のTFT基板が作製される。なお、本実施形態は本発明により作製されるTFT基板の一例であり、本発明は本実施形態に記載された材料や膜厚、形成方法などに限定されない。
本発明の素子基板は、液晶表示装置、PDP、有機または無機EL表示装置、エレクトロクロミック表示装置などに利用することができる。
実施形態1のTFT基板のレイアウトを部分的に示す平面図である。 図1中のA−A' 線断面図である。 図1中のB−B' 線断面図である。 実施形態1のTFT基板の製造工程(a)〜(c)を示す断面図である。 実施形態1のTFT基板の製造工程(d)〜(f)を示す断面図である。 実施形態1のTFT基板の製造工程(g)および(h)を示す断面図である。 図5中の工程(d)におけるTFT基板の平面図である。 実施形態2のTFT基板の断面図である。 従来技術によるTFT基板の一例を模式的に示す図であり、TFT近傍のレイアウトを示す平面図である。 図9中のC−C' 線断面図である。
1,401,501 石英基板
2,402,502 凹部
3,403,503 下部容量電極
503a 下部遮光膜
4,404 容量用誘電膜
5,405,505 上部容量電極
6,406,506 第1絶縁膜
7,407,507 TFT半導体層
7a,407a,507a ソース領域
7b,407b,507b ドレイン領域
7c,407c,507c チャネル領域
407d 低濃度不純物領域
8,408,508 ゲート酸化膜
9,409,509 ゲート電極
10,410,510 第2絶縁膜
11,411,511 ソースコンタクトホール
12,412,512 ドレインコンタクトホール
13,413,513 ソース配線
14,414,514 ドレイン電極
15,415,515 第3絶縁膜
16,416 上部遮光膜
17,417 第4絶縁膜
18,418,518 画素電極コンタクトホール
19,419,519 画素電極
20 容量素子
21 ドレイン電極−容量接続部

Claims (8)

  1. 凹状に窪んだ凹部を有する基板と、前記凹部の底面および側面に少なくとも一部が形成された容量素子と、前記底面における前記容量素子よりも上方に、かつ平面視における前記凹部内に形成された半導体層と、前記半導体層上に形成された絶縁層と、前記絶縁層上に形成されたゲート配線と、前記絶縁層上に形成されたドレイン電極とを有し、
    前記ゲート配線の上面は前記容量素子の上面よりも下方に位置し、前記容量素子は、前記凹部外の前記基板面に一部が形成され、前記ドレイン電極が接する前記絶縁層の上面と、前記容量素子の最も上方の面とが面一であり、前記ドレイン電極と前記容量素子とがコンタクトホールを介さずに接続されている素子基板。
  2. 前記凹部は、行方向に延びる複数の行方向溝および前記行方向と交差する列方向に延びる複数の列方向溝から構成され、平面視において格子状である、請求項1に記載の素子基板。
  3. 前記半導体層の上方に形成されたゲート配線と、前記半導体層のソース領域に電気的に接続されたソース配線とをさらに有しており、前記ゲート配線および前記ソース配線は、平面視において前記行方向溝内および前記列方向溝内にそれぞれ形成されている、請求項2に記載の素子基板。
  4. 前記ドレイン電極上に形成され、前記ドレイン電極の一部を露出させるコンタクトホールが形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層上に形成され、前記コンタクトホールを介して前記ドレイン電極に接続された画素電極とをさらに有しており、前記ドレイン電極と前記容量素子とが接続されている部分と、前記コンタクトホールとは、平面視において少なくとも一部が重なる、請求項1に記載の素子基板。
  5. 前記容量素子は、下部容量電極、容量用誘電膜および上部容量電極から構成され、前記上部容量電極は、化学的機械研磨処理に際してバリア性能の高い金属膜から形成されている、請求項1に記載の素子基板。
  6. 前記上部容量電極は、タングステン、タンタル、チタン、ニオブおよびこれらの化合物より選ばれた材料、またはタングステン、タンタル、チタン、ニオブもしくはこれらの化合物を主成分とする材料を含む、請求項5に記載の素子基板。
  7. 請求項1に記載の素子基板と、前記素子基板に対向して配置される対向電極と、前記素子基板と前記対向電極との間に介在する表示媒体層とを有する表示装置。
  8. 前記表示媒体層は液晶層である、請求項7に記載の表示装置。
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