JP4322988B2 - ボールねじ装置のシール部材 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールを介してねじ軸とナット部材とが螺合したボールねじ装置に使用され、かかるねじ軸とナット部材との隙間に外部から塵芥等の異物が侵入するのを防止するシール部材に係り、特に、合成樹脂製の薄板をねじ軸の外周面に弾性的に接触させて異物の侵入を防止するタイプのシール部材の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
ボールねじ装置は、所定のリードで螺旋状のボール転走溝が形成されたねじ軸と、ボールを介して上記ねじ軸に螺合するナット部材とから構成されており、モータの回転運動を効率よく直線運動に変換し得ることから、工作機械等におけるテーブル送り機構として広く使用されている。
【0003】
このボールねじ装置においてはナット部材が長尺のねじ軸に沿って移動していることから、ねじ軸にワークの切削粉や塵芥等の異物が付着した状態でナット部材が移動すると、ボール転走溝を転動するボールがこれら異物を噛み込んでしまい、ねじ軸の回転に対するナット部材の移動精度が早期に低下してしまう。このため、ボールねじ装置を実際に使用するに当たっては、ナット部材の軸方向の両端に該ナット部材とねじ軸との隙間を密封するシール部材を装着し、ナット部材の移動に併せてねじ軸に付着した異物を上記シール部材で除去するように構成するのが一般的である。
【0004】
従来、この種のシール部材としては、実開昭60−164158号公報や実開昭61−142952号公報に開示されたものが知られている。具体的には、耐摩耗性を有する合成樹脂製の薄板からなり、その中心にはねじ軸が貫通する貫通孔が形成されている。かかる貫通孔はねじ軸の軸方向断面の形状に合致して形成されており、貫通孔の内周縁がシールリップ部としてねじ軸の外周面に緊密に接触し、ねじ軸に付着した塵芥やクーラント液等を該ねじ軸の表面から拭い取るように構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来のシール部材は単に合成樹脂製の薄板に特定形状の貫通孔を穿ったのみであり、シールリップ部として機能する貫通孔の内周縁の断面形状に何ら注意をはらっていないことから、以下のような不具合があった。
【0006】
すなわち、ねじ軸に形成されたボール転走溝の断面は曲面状であるのに対し、ねじ軸に接するシール部材の断面は矩形状であり、しかもボール転走溝には所定のリード角が与えられていることから、図7(a)〜(c)に示すように、ボール転走溝100に対するシール部材101の当接の状態はねじ軸102の周方向に沿って不均一なものとなり、シール部材101とねじ軸102との間に隙間が発生し易くなり塵芥等の異物が除去しきれないといった問題点があった。
【0007】
また、従来のシール部材ではその内周縁の断面形状が矩形状であることから、シール部材とねじ軸の外周面とが面接触を生じ易く、ねじ軸の回転駆動に必要なトルクが増加するといった問題点もあった。
【0008】
更に、ボールねじ装置においてはボール転走溝のリードに狂いが生じるのを防止するため、ねじ軸の昇温による熱膨張を極力抑える必要があるが、前述のように従来のシール部材はねじ軸と面接触を生じ易く、その分だけねじ軸に対して摩擦熱が流入し易いといった問題点もあった。シール部材とねじ軸との接触面積を減少させるためには、シール部材そのものを極めて薄く形成すれば良いのだが、その場合にはシール部材の剛性も低下してしまい、ねじ軸に付着した異物を効果的に除去できない他、かかるシール部材をナット部材に装着する際の取り扱いが面倒になってしまう。
【0009】
また更に、ナット部材はねじ軸の回転方向に応じて該ねじ軸上を往復運動することから、かかるねじ軸に形成されたボール転走溝はその断面がゴシックアーチ状に形成されており、ボール転走溝の研削加工の都合上、図7に示す如く、該ボール転走溝100の谷部には螺旋状の逃げ溝103が形成されてしまう。このため、シール部材101の内周縁の断面が矩形状に形成されている場合、シール部材101は上記逃げ溝103の内部にまでは入り込めず、逃げ溝103内に付着した塵芥等がシール部材101をくぐり抜けてナット部材の内部に侵入してしまうといった問題点もあった。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、ねじ軸の全周に対して隙間なく均一に接触させて必要十分なシール効果を発揮し得ると共に、ねじ軸を駆動する際の回転トルクの増加及び昇温をも抑えることができ、しかもナット部材に装着する際の取り扱いも容易なボールねじ装置のシール部材を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、ボールを介してねじ軸とナット部材とが互いに螺合したボールねじ装置に使用され、上記ナット部材の軸方向の両端に装着されると共に上記ねじ軸の外周面に接触し、これらナット部材とねじ軸との隙間を密封するシール部材であって、ゴム又は合成樹脂の薄板をリング状に形成してなると共に、内周縁には上記ねじ軸の外周面に弾性的に接触するシールリップ部を有し、かかるシールリップ部は軸方向の厚みが表裏両側から徐々に薄くなる尖塔状に形成されると共に、上記ねじ軸に接するシールリップ部の先端は曲面状に形成されていることを特徴とするものである。
【0012】
このような本発明のシール部材によれば、ねじ軸の外周面に対して接触するシールリップ部は軸方向の厚みが表裏両面から徐々に薄くなる尖塔状に形成され、しかも該シールリッブ部の先端は曲面状に形成されていることから、シール部材はボール転走溝以外のねじ軸の外周面に対して常に線接触を生じる。また、シールリッブ部は尖塔状に形成されており、その先端に形成された曲面の曲率はボール転走溝の曲面の曲率よりも極めて小さいことから、かかるシール部材はボール転走溝の内壁に対しても途切れることなく線接触を生じる。その結果、本発明のシール部材はねじ軸の外周面の全周に対して均一に線接触を生じ、シール部材とねじ軸との間に隙間が生じるのを可及的に防止することができる。
【0013】
また、このようにシール部材がねじ軸と均一に線接触を生じるので、部分的にに面接触を生じていた従来のシール部材と比較してねじ軸との接触面積が減少し、その分だけねじ軸の回転駆動に必要なトルクを低減させ、且つ、ねじ軸の発熱を抑えることができるものである。
【0014】
更に、シールリッブ部を尖塔状に形成していることから、シール部材それ自体は板厚をシールリップ部よりも厚く設定することができ、シールリップ部の剛性が向上してねじ軸に付着した異物を効果的に排除し得る他、かかるシール部材をボールねじ装置のナット部材に取り付ける際に、その取付作業を容易に行うことができるといった利点もある。
【0015】
また更に、シールリップ部を尖塔状に形成したことにより、かかるシールリップ部の先端がボール転走溝内の逃げ溝の内部にまで入り込み易く、かかる逃げ溝内に付着している塵芥やクーラント液等も効果的に除去することができる。
【0016】
本発明のシール部材においては、シールリップの内径をねじ軸の外径よりも若干小さめに形成しておき、ねじ軸に対する締代を設けることで、より緊密にシールリップ部をねじ軸に当接させることができる。その一方、締代を設けると、ねじ軸に対するシール部材の摺接力が大きくなり、ねじ軸の回転駆動に必要なトルクが増加する他、かかるねじ軸に流入する摩擦熱も大きくなる。従って、かかる観点からすれば、リング状に形成されたシール部材の円周上の一箇所を半径方向に切断し、シール部材のねじ軸に対する押圧力の低減を図るのが好ましい。このように構成すれば、シール部材とねじ軸とを確実に接触させつつ、シール部材のねじ軸に対する過度の摺接を防止することができる。
【0017】
また、シール部材の円周上を一箇所切断する際には、その切り口がボール転走溝のねじれ方向と同一となるように切断するのが好ましい。このような方向に沿ってシール部材を斜めに切断すれば、ねじ軸が回転した際にシール部材の切り口が拡開せず、塵芥等がシール部材の切り口からナット部材の内部に侵入するのを効果的に防止することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明のボールねじ装置のシール部材を詳細に説明する。
図1は本発明のシール部材が装着されるボールねじ装置の一例を示すものである。同図において、符号1は所定のリードで螺旋状のボール転走溝11が形成されたねじ軸、符号2はボール3が組み込まれる無限軌道を備えると共にボール3を介して上記ねじ軸1に螺合したナット部材、符号4は上記ナット部材の軸方向の両端に装着される本発明のシール部材であり、これらねじ軸1とナット部材2との相対的な回転により該ナット部材2がねじ軸1の軸方向へ運動するように構成されている。
【0019】
上記ナット部材2は上記ねじ軸1が貫通する円筒状に形成されており、その外周面には該ナット部材2をテーブル等の可動体に固定するためのフランジ部21が突設されている。また、このナット部材2の内周面には上記ねじ軸1のボール転走溝11と相対向する螺旋状の負荷転走溝22が形成されており、ボール3はこれらボール転走溝11と負荷転走溝22との間で荷重を負荷しながら転走する。
【0020】
一方、このナット部材2の内周面にはボール3をねじ軸1とナット部材2との間で無限循環させるためのデフレクタ23が嵌合している。このデフレクタ23はねじ軸1のボール転走溝11を1巻分だけ飛び越えるようにナット部材2に固定されており、ねじ軸1のボール転走溝11を転走してきたボール3は該デフレクタ23によって進路を変えられると共に、ねじ軸1の外径を乗り越えて1巻分前のボール転走溝11に戻され、これによってボール3がナット部材2内を無限循環するように構成されている。また、この実施例におけるナット部材2には該ナット部材2の円周を4等分するようにして4個のデフレクタ23が固定されており、ボール3の無限軌道は全部で4条形成されている。
【0021】
図2は上記ナット部材2に対するシール部材4の装着状態を示す図である。かかるシール部材4は摩擦係数の小さな合成樹脂(例えば、PTFE)の薄板をリング状に形成したものであり、その中心には上記ねじ軸1が挿通される貫通孔40が形成されている。このシール部材4はナット部材2の端部にシール固定リング5を装着することにより、かかるナット部材2とシール固定リング5との間に挟持されるようになっている。すなわち、ナット部材2の軸方向の端部には上記シール部材4を収容するための凹所24が設けられる一方、上記シール固定リング5にはナット部材2の凹所24に嵌合するボス51が形成されており、固定ねじ52を用いてシール固定リング5をナット部材2の端部に係合させると、図3に示すように、ナット部材2の凹所24とシール固定リング5のボス51との間にシール部材4が挟み込まれて固定される。
【0022】
図4は上記シール部材4の形状の詳細を示すものである。このシール部材4は板厚2mm程度に形成されており、その中心の貫通孔40はねじ軸1の軸方向断面と略同じ形状をなしている。すなわち、図4(a)においてシール部材4の半径方向の幅が厚い箇所r1 はねじ軸1のボール転走溝11の内部に接し、半径方向の幅が薄い箇所r2 はねじ軸1の最大外径部に接しており、これによってシール部材の内周縁がその全周にわたってねじ軸の外周面に接するようになっている。
【0023】
一方、リング状に形成されたシール部材4の内周縁は上記ねじ軸1の外周面に弾性的に接触するシールリップ部41となっており、図4にも示す通り、このシールリップ部41はねじ軸1の軸方向に沿った厚みがシール部材4の表裏両側から徐々に薄くなる尖塔状に形成されると共に、その先端42は曲面状に形成されている。
【0024】
また、このシール部材4の内径はねじ軸1の外径よりも若干小さめに設定されており、シール部材4の貫通孔40にねじ軸1を挿通させると、上記シールリップ部41がねじ軸1と緊密に接するようになっている。
【0025】
もっとも、シール部材4のねじ軸1に対する摺接力が余りに強いと、ねじ軸1を回転駆動する際に余分なトルクが必要となり、また、摩擦熱の発生によってねじ軸1のリードが変動してしまうことから、このシール部材4は図中の符号43の箇所において半径方向に切断されており、シール部材4がねじ軸1に対して過度に圧接しないように配慮されている。また、このように円周方向の一箇所を切断することで、シール部材4をねじ軸1に対して装着し易くなるといった利点もある。
【0026】
更に、かかる切断面43はねじ軸1のボール転走溝11のねじれ方向に沿って斜めに形成されており、ねじ軸1が回転した際に該回転に連れ回されてシール部材4が拡開しようとしても、シール部材4は切断面43の面方向に沿って拡開することから、該切断面43の間に隙間が生じることはなく、ナット部材2の内部に塵芥等が侵入するのを効果的に防止することができるようになっている。
【0027】
図6は以上のように構成された本実施例のシール部材4のボール転走溝11に対する当接の様子を示すものである。前述の如くこのシール部材4ではシールリップ部41が尖塔状に形成されていることから、図6(a)〜(c)に示すように、かかるシールリップ部41はボール転走溝11の内部のどの位置に当接しようとも常に均一な線接触を生じる。また、シールリップ部41の先端42は図5に示すように曲面状に形成されていることから、図6(a)及び(c)の如く、ボール転走溝11がシール部材4に対してその表裏いずれの側から当接しようとも、シールリップ部41の先端は不断なくボール転走溝11に接する。これにより、ナット部材2とねじ軸1との完全に密封し、ねじ軸1に付着した塵芥やクーラント液等がナット部材2の内部に侵入するのを効果的に防止することができるものである。
【0028】
更に、ねじ軸1に摺接するシールリップ部41を尖塔状に形成したことから、かかるシールリップ部41の先端の厚みを薄く設定しつつも、シール部材4そのものの厚みt(図4参照)は大きく設定することができるので、その分だけシールリップ部41の剛性を高めることができ、ねじ軸1に付着した塵芥やクーラント液等の除去能力を高めることも可能となる。加えて、シール部材そのものの剛性が高まるので、このシール部材をナット部材に装着する際の取り扱いも容易になるものである。
【0029】
一方、ボールねじ装置においてはナット部材2がねじ軸1の回転方向に応じて該ねじ軸1上を進退するため、かかるねじ軸1のボール転走溝11は二つのボール転走面が交わったゴシックアーチ状に形成されており、これらボール転走面の研削加工の都合上から、上記ボール転走溝11の底部には螺旋状の逃げ溝12が形成されてしまう。従来のシール部材の如くシールリップ部の先端が矩形状をなしていると、図7(b)に示したように、かかる逃げ溝103内に入り込んだ塵芥を除去することは困難であるが、本実施例ではねじ軸1に接しているシールリッブ部41が尖塔状に形成されており、その先端が極めて薄く形成されていることから、図6(b)に示す如く、上記逃げ溝12内にもシールリップ部41の先端が入り込み、かかる逃げ溝12内の塵芥がナット部材2の内部に侵入するのも防止することができるものである。
【0030】
図8は、シールリップ部41が尖塔状に形成された本発明のシール部材4と、シールリップ部が矩形状に形成された従来のシール部材の双方に関し、ねじ軸に付着させた塵芥(ダスト)がどの程度ナット部材2の内部に侵入するかを確認した実験結果を示すものである。双方のシール部材とも材質はPTFEであり、外径44mm、内径32mmである。また、ねじ軸1の回転数は100rpm、ナット部材2のストローク量は100mmに設定し、ねじ軸1の表面にはダストとしてグリースを均一に塗布した。実験はシールリップ部の厚みを変化させ、厚みの変化に応じてシールリップ部によるダストの侵入量が変化するか否かを観察して行った。但し、本発明のシール部材ではシールリップ部が尖塔状に形成されていることから、曲面状に形成されたシールリップ部の先端のRをシールリップ部の厚みとして記録し、シール部材そのものの厚みはRの値にかかわらず常に2mmとした。
【0031】
この結果から明らかなように、従来のシール部材ではシールリップ部の厚みが厚過ぎても、また薄過ぎてもナット部材の内部に侵入するダストの量は増加し、シールリップの厚みが1mm程度のときが最もシール性能が向上した。これは、シールリップが厚くなり過ぎると、かかるシールリップ部がねじ軸の外周面(特にボール転走溝)に均一に接触しなくなり、ねじ軸とシール部材との間に隙間が生じる一方、薄くなり過ぎると、シールリップ部の剛性が低下し、ダストの排除能力が低下するためと考えられる。これに対し、本発明のシール部材ではシールリップ部の先端のRが小さくなるにつれ、すなわちシールリップ部の先端の厚みが薄くなるにつれ、ナット部材の内部に侵入するダストの量は減少し、シール性能が向上していることが伺われる。これは、シールリップ部の先端が薄くなるにつれて該先端のねじ軸に対する接触がより均一なものとなり、しかもシールリップ部の先端が薄くなってもシール部材そのものの厚みは変わらず、シールリップ部に適度な剛性を付与することができるためと考えられる。
【0032】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明のボールねじ装置のシール部材によれば、そのシールリップ部がねじ軸の外周面の全周に対して途切れることなく均一に線接触を生じるので、シール部材とねじ軸との間に隙間が生じるのを防止して塵芥がナット部材の内部に侵入するのを効果的に防止することができる他、ねじを回転駆動する際のトルクの増加及びねじ軸の昇温をも抑えることが可能となる。
【0033】
また、シール部材それ自体の板厚を大きく設定しつつも、ねじ軸に接するシールリップ部は薄く形成することができるので、シールリップ部の剛性を高めてシール能力の向上を図ることができる他、かかるシール部材のナット部材に対する取付作業も容易なものとすることができる。
【0034】
更に、尖塔状に形成されたシールリップ部の先端がボール転走溝の底部に形成された逃げ溝の内部にまで入り込むので、かかる逃げ溝内に付着している塵芥やクーラント液等も効果的に除去することができ、この点においてもナット部材の内部に塵芥等が侵入するのを効果的に防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のシール部材が装着されるボールねじ装置の一例を示す斜視図である。
【図2】 本発明のシール部材のナット部材に対する装着状態を示す分解斜視図である。
【図3】 本発明のシール部材のねじ軸に対する摺接の状態を示す断面図である。
【図4】 本発明の実施例に係るシール部材を示す正面図及び側面図である。
【図5】 実施例に係るシール部材のシールリップ部を示す拡大図である。
【図6】 実施例に係るシール部材のボール転走溝に対する摺接の状態を示す拡大断面図である。
【図7】 従来のシール部材のボール転走溝に対する摺接の状態を示す拡大断面図である。
【図8】 本発明のシール部材と従来のシール部材との双方に関してナット部材の内部へのダストの侵入性を比較した実験結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1…ねじ軸、2…ナット部材、3…ボール、4…シール部材、41…シールリップ部、42…シールリップ部先端

Claims (1)

  1. ボールを介してねじ軸とナット部材とが互いに螺合したボールねじ装置に使用され、上記ナット部材の軸方向の両端に装着されると共に上記ねじ軸の外周面に接触し、これらナット部材とねじ軸との隙間を密封するシール部材であって、
    ゴム又は合成樹脂の薄板をリング状に形成してなると共に、円周上の一箇所が半径方向に且つ上記ボール転走溝のねじれ方向に沿って斜めに切断され、
    内周縁には上記ねじ軸の外周面に弾性的に接触するシールリップ部を有し、かかるシールリップ部は軸方向の厚みが表裏両側から徐々に薄くなる尖塔状に形成されると共に、上記ねじ軸に接するシールリップ部の先端は曲面状に形成されていることを特徴とするシール部材。
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