JP2570983Y2 - ボールねじのワイパシール装置 - Google Patents
ボールねじのワイパシール装置Info
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- JP2570983Y2 JP2570983Y2 JP1990024972U JP2497290U JP2570983Y2 JP 2570983 Y2 JP2570983 Y2 JP 2570983Y2 JP 1990024972 U JP1990024972 U JP 1990024972U JP 2497290 U JP2497290 U JP 2497290U JP 2570983 Y2 JP2570983 Y2 JP 2570983Y2
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- Japan
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- seal
- ball screw
- ring body
- thin
- screw shaft
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Description
【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案はボールねじのナット端部に付設されるワイパ
シール装置に関する。
シール装置に関する。
「従来の技術」 従来よりねじ軸(雄ねじ)のねじ底とナットの対向ね
じ底との間に形成される断面円形のらせん溝の一端から
他端側に向け連通するボール循環路を設けて両者間を無
端状に連通させるとともに、該らせん溝とボール循環路
内に鋼球を充填して、ねじ軸回転時における摩擦抵抗と
バックラッシュの低減を図るボールねじ装置は公知であ
り、この種の装置においては、一般に前記ナット端部に
ワイパシールを付設し、ナット両端面側よりの塵埃等の
進入を防いでいる。
じ底との間に形成される断面円形のらせん溝の一端から
他端側に向け連通するボール循環路を設けて両者間を無
端状に連通させるとともに、該らせん溝とボール循環路
内に鋼球を充填して、ねじ軸回転時における摩擦抵抗と
バックラッシュの低減を図るボールねじ装置は公知であ
り、この種の装置においては、一般に前記ナット端部に
ワイパシールを付設し、ナット両端面側よりの塵埃等の
進入を防いでいる。
そしてこのようなワイパシール装置として、例えば実
公昭41-15218号において、可撓芯線を芯とした合成樹脂
製剛毛材を円板状に集合固着させると共に、該円板中心
域を前記ねじ軸外径に併せ穿孔し、略ドーナツ状に形成
したシール板を前記ナット端面に固着させた装置が提案
されているが、かかる装置によれば前記シール板が多数
本の剛毛材の集合体であるために必然的に無数の微小空
隙が存在し、この為微小塵埃を捕捉することが困難であ
るのみならず、前記剛毛材の一部が脱落若しくは切欠し
て転動部内に入り込む恐れもある。
公昭41-15218号において、可撓芯線を芯とした合成樹脂
製剛毛材を円板状に集合固着させると共に、該円板中心
域を前記ねじ軸外径に併せ穿孔し、略ドーナツ状に形成
したシール板を前記ナット端面に固着させた装置が提案
されているが、かかる装置によれば前記シール板が多数
本の剛毛材の集合体であるために必然的に無数の微小空
隙が存在し、この為微小塵埃を捕捉することが困難であ
るのみならず、前記剛毛材の一部が脱落若しくは切欠し
て転動部内に入り込む恐れもある。
かかる欠点を解消するために、例えば、実開昭60−16
4158号に示すように、耐摩耗性に優れた合成樹脂等の弾
性変形可能な薄板を用いて形成したリング体の内径形状
をねじ軸の軸直角断面とほぼ相似させ且つそれより小径
に形成し、所定の弾性力をもってねじ軸周面を封止可能
に構成したシールリングを用い、そしてシールリングの
撓みや弾性変形により前記ねじ軸周面間に空隙が生ずる
のを防止する為に、ねじ軸のねじ溝に対する回り止め形
状を内径に有する2つの金属リングを前記シールリング
の両側に固着させて積層体を形成し、そしてこれらの積
層体を一体的に軸方向に対してのみ固定させて前記ナッ
ト端部に装着したワイパシール装置を提案している。
4158号に示すように、耐摩耗性に優れた合成樹脂等の弾
性変形可能な薄板を用いて形成したリング体の内径形状
をねじ軸の軸直角断面とほぼ相似させ且つそれより小径
に形成し、所定の弾性力をもってねじ軸周面を封止可能
に構成したシールリングを用い、そしてシールリングの
撓みや弾性変形により前記ねじ軸周面間に空隙が生ずる
のを防止する為に、ねじ軸のねじ溝に対する回り止め形
状を内径に有する2つの金属リングを前記シールリング
の両側に固着させて積層体を形成し、そしてこれらの積
層体を一体的に軸方向に対してのみ固定させて前記ナッ
ト端部に装着したワイパシール装置を提案している。
「考案が解決しようとする技術的課題」 しかしながら、前記装置においてもねじ軸周面の封止
を図るシールリング薄層の1枚のリング体である為に、
ねじ軸周面に付着した塵埃全てを補足するのは中々困難
であり、而もねじ軸は螺旋状に転動しているためい、該
シールリングが必ずしも前記転動に追従してねじ軸周面
を円滑にシール出来るとは限らず、シールリング内に塵
埃が侵入しやすい。
を図るシールリング薄層の1枚のリング体である為に、
ねじ軸周面に付着した塵埃全てを補足するのは中々困難
であり、而もねじ軸は螺旋状に転動しているためい、該
シールリングが必ずしも前記転動に追従してねじ軸周面
を円滑にシール出来るとは限らず、シールリング内に塵
埃が侵入しやすい。
そして、一旦シールリングを通過しナット内部に侵入
した塵埃は、ボール転動部に巻き込まれ、位置決め精度
の劣化、或いは、摩耗を促進させ、重欠点につながる。
した塵埃は、ボール転動部に巻き込まれ、位置決め精度
の劣化、或いは、摩耗を促進させ、重欠点につながる。
かかる欠点を解消する為に、前記シール薄層のリング
体を複数枚重畳して用いることも可能であるが、このよ
うに構成するとシールリング自体の可撓性が低下するた
めにおねじ周面への追従性に欠け、而も接触抵抗が増加
するために、駆動トルクを増大させたり、発熱を伴な
い、結果として耐久性が低下する等の問題が生じる。
体を複数枚重畳して用いることも可能であるが、このよ
うに構成するとシールリング自体の可撓性が低下するた
めにおねじ周面への追従性に欠け、而も接触抵抗が増加
するために、駆動トルクを増大させたり、発熱を伴な
い、結果として耐久性が低下する等の問題が生じる。
本考案はかかる従来技術の欠点に鑑み、おねじ周面へ
の追従性の低下や接触抵抗が増加することなく、確実に
ナット内部への塵埃の侵入を防ぐことの出来るボールね
じのワイパシール装置を提供することを目的とする。
の追従性の低下や接触抵抗が増加することなく、確実に
ナット内部への塵埃の侵入を防ぐことの出来るボールね
じのワイパシール装置を提供することを目的とする。
「課題を解決する為の技術手段」 本考案は、ボールねじのねじ底とナットの対向ねじ底
との間に形成されるらせん溝にボールを介在させ前記ナ
ット端部に前記らせん溝幅より狭い厚さのシールリング
体を付設したボールねじのワイパシール装置である点に
ついては前記従来技術と同様であるが、特に、少なくと
も、内径形状をボールねじ軸断面形状と相似形であって
該断面形状及び前記シールリング体の内径より大に形成
した薄層リング体を、複数のシールリング間に介装し
て、これらを一体的に積層固定して前記シールリング体
を構成した点を第1の特徴とする。
との間に形成されるらせん溝にボールを介在させ前記ナ
ット端部に前記らせん溝幅より狭い厚さのシールリング
体を付設したボールねじのワイパシール装置である点に
ついては前記従来技術と同様であるが、特に、少なくと
も、内径形状をボールねじ軸断面形状と相似形であって
該断面形状及び前記シールリング体の内径より大に形成
した薄層リング体を、複数のシールリング間に介装し
て、これらを一体的に積層固定して前記シールリング体
を構成した点を第1の特徴とする。
更に、本考案は、前記シールリングに前記リング体を
一体的に積層固定させた状態で、ナット端部に装着させ
た場合に、前記薄層リング体の内径及び前記複数のシー
ルリング内縁間に挟まれるねじ軸周面側にリング状の溜
まり空隙を形成した点を第2の特徴とする。
一体的に積層固定させた状態で、ナット端部に装着させ
た場合に、前記薄層リング体の内径及び前記複数のシー
ルリング内縁間に挟まれるねじ軸周面側にリング状の溜
まり空隙を形成した点を第2の特徴とする。
「作用」 本考案によれば、前記シールリング間にはボールねじ
軸全周に亙りリング状空隙(溜まり)が形成されること
になる為に、外側に位置する第1のシールリングで補足
しきれず通過した塵埃は直接ボール転動部側に侵入する
事なく、前記溜まりに一旦貯溜される事になる。
軸全周に亙りリング状空隙(溜まり)が形成されること
になる為に、外側に位置する第1のシールリングで補足
しきれず通過した塵埃は直接ボール転動部側に侵入する
事なく、前記溜まりに一旦貯溜される事になる。
そして前記溜まりは前記3つのリング体と雄ネジ周面
との間で密封空間として形成されているために、前記溜
まりに貯溜された塵埃には雄ネジの転動動作以外の外部
からの力が排除されるために、第2のシールリングでの
補足が確実に行なわれ、ボール転動部側への侵入を確実
に阻止し得る。
との間で密封空間として形成されているために、前記溜
まりに貯溜された塵埃には雄ネジの転動動作以外の外部
からの力が排除されるために、第2のシールリングでの
補足が確実に行なわれ、ボール転動部側への侵入を確実
に阻止し得る。
而も本考案によれば、前記シール作用を営む複数のシ
ールリングが直接積層重合する事なく所定間隔存して配
設されている為に、薄肉化されている夫々のシールリン
グの可撓性の維持と雄ネジ周面化への追従性が保証さ
れ、これによりシールリングの積層構造を採っても接触
抵抗を小にし得、結果として駆動トルクの低減と摩擦抵
抗に起因する発熱が生じる事なく、耐久性の向上につな
がる。
ールリングが直接積層重合する事なく所定間隔存して配
設されている為に、薄肉化されている夫々のシールリン
グの可撓性の維持と雄ネジ周面化への追従性が保証さ
れ、これによりシールリングの積層構造を採っても接触
抵抗を小にし得、結果として駆動トルクの低減と摩擦抵
抗に起因する発熱が生じる事なく、耐久性の向上につな
がる。
更に本考案は中間に位置する薄層リング体により、前
記複数のシールリングの内縁を除くほぼ全面を密着させ
ている為に、薄層リング体と他のシールリングが全体と
して補強し合う事により1のシールリングの厚さを薄く
しても変形が生じる事なく、且つ厚さを薄くする事によ
り雄ネジ周面への追従性が向上し、目的のシール効果を
得る事ができるとともに、接触抵抗を小さくする事が出
来るために、シールリングが密着摺動する際のボールね
じ軸の駆動トルクの増加、及び発熱を僅少に押える事が
可能となる。
記複数のシールリングの内縁を除くほぼ全面を密着させ
ている為に、薄層リング体と他のシールリングが全体と
して補強し合う事により1のシールリングの厚さを薄く
しても変形が生じる事なく、且つ厚さを薄くする事によ
り雄ネジ周面への追従性が向上し、目的のシール効果を
得る事ができるとともに、接触抵抗を小さくする事が出
来るために、シールリングが密着摺動する際のボールね
じ軸の駆動トルクの増加、及び発熱を僅少に押える事が
可能となる。
又前記シールリングの内径形状をねじ軸断面形状より
僅かに相似的に大に形成し、好ましくは薄層リング体を
介して多段状に形成し、ラビリンス効果をもたらすよう
にする事も可能である。
僅かに相似的に大に形成し、好ましくは薄層リング体を
介して多段状に形成し、ラビリンス効果をもたらすよう
にする事も可能である。
特にかかる構成はシールリングとボールねじ軸との摺
動によるねじ軸の駆動トルクの増加、及び発熱がたとえ
僅かであっても問題となる機器、分野で利用可能となら
しめる。
動によるねじ軸の駆動トルクの増加、及び発熱がたとえ
僅かであっても問題となる機器、分野で利用可能となら
しめる。
又前記リング同士の固定及びナット端面への装着はね
じ等を用いて行う事も可能であるが、前記リング体をい
ずれも薄層樹脂で形成する事により、これらを表面に突
起を有する剛性リング体で固定する事が可能である。
じ等を用いて行う事も可能であるが、前記リング体をい
ずれも薄層樹脂で形成する事により、これらを表面に突
起を有する剛性リング体で固定する事が可能である。
この際前記剛性リング体を、ボール軸の軸直角断面形
状と相似従って内径形状を設け、従来技術に見られるよ
うに切屑等の大きなゴミを排除するスクレーバとしての
作用効果をもたせることも可能である。
状と相似従って内径形状を設け、従来技術に見られるよ
うに切屑等の大きなゴミを排除するスクレーバとしての
作用効果をもたせることも可能である。
又、薄層リング体の材質は、ボールねじ軸と非接触で
あるので、金属で形成しても問題が生ぜず、補強効果が
一層増大するとともに、前記金属座金自体に前記金属製
座金に設けたものと同様な突起を設ける事によりシール
リングの固定が一層確実になる。
あるので、金属で形成しても問題が生ぜず、補強効果が
一層増大するとともに、前記金属座金自体に前記金属製
座金に設けたものと同様な突起を設ける事によりシール
リングの固定が一層確実になる。
「実施例」 以下、図面に基づいて本考案の実施例を例示的に詳し
く説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品
の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な
記載がない限りは、この考案の範囲をそれのみに限定す
る趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
く説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品
の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特定的な
記載がない限りは、この考案の範囲をそれのみに限定す
る趣旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
第1図は本考案の実施例に係るワイパシール装置を組
込んだボールねじ装置の正面断面図で、その概要は前記
したようにねじ軸1(雄ねじ)のねじ底1aとナット2の
対向ねじ底2aとの間に形成される断面円形のらせん溝の
一端から他端側に向け連通するボール循環路(不図示)
を設けて両者間を無端状に連通させるとともに、該らせ
ん溝とボール循環路内に鋼球3を充填してボールねじ装
置を構成する。前記ナットの両端部は螺旋溝と同心状に
座ぐって円状の凹穴4aと止め輪溝4bを形成すると共に該
凹穴4a内にワイパシール装置5を装着する。
込んだボールねじ装置の正面断面図で、その概要は前記
したようにねじ軸1(雄ねじ)のねじ底1aとナット2の
対向ねじ底2aとの間に形成される断面円形のらせん溝の
一端から他端側に向け連通するボール循環路(不図示)
を設けて両者間を無端状に連通させるとともに、該らせ
ん溝とボール循環路内に鋼球3を充填してボールねじ装
置を構成する。前記ナットの両端部は螺旋溝と同心状に
座ぐって円状の凹穴4aと止め輪溝4bを形成すると共に該
凹穴4a内にワイパシール装置5を装着する。
ワイパシール装置5は第1図に示すように、ナイロン
その他の弾性変形可能にして且つ耐摩耗性を有する薄層
樹脂体で形成したシールリング10、12、該シールリング
10、12間に挟持された薄層リング体11とによりシールリ
ング体を構成し、これらのシールリング10、12及び薄層
リング体11をナット2に装着するために、シールリング
側表面に突起20aを有する金属製座金リング20と、前記
止め輪溝4bに係合するスプリング止め輪21からなる。
その他の弾性変形可能にして且つ耐摩耗性を有する薄層
樹脂体で形成したシールリング10、12、該シールリング
10、12間に挟持された薄層リング体11とによりシールリ
ング体を構成し、これらのシールリング10、12及び薄層
リング体11をナット2に装着するために、シールリング
側表面に突起20aを有する金属製座金リング20と、前記
止め輪溝4bに係合するスプリング止め輪21からなる。
尚、前記シールリング10、12の固定手段は第2図に示
すように、シールリング10、12を装着するのに、金属製
座金リング13とボルト14で形成してもよい。
すように、シールリング10、12を装着するのに、金属製
座金リング13とボルト14で形成してもよい。
シールリング10、12の外径形状は前記凹穴4aとほぼ同
形の円形状をなし、その内径形状をねじ軸1の軸直角断
面形状より僅かに相似的に小に形成し、全周に亙りねじ
軸周面に密着可能に形成しているので、ねじ軸周面を圧
接状態で狭持することができる。
形の円形状をなし、その内径形状をねじ軸1の軸直角断
面形状より僅かに相似的に小に形成し、全周に亙りねじ
軸周面に密着可能に形成しているので、ねじ軸周面を圧
接状態で狭持することができる。
而もこの場合、シールリングをナット端面に装着する
際の組み立て誤差を有していてもこれを吸収する事が容
易であり、前記一対のシールリングが確実にボールねじ
軸に密着される。
際の組み立て誤差を有していてもこれを吸収する事が容
易であり、前記一対のシールリングが確実にボールねじ
軸に密着される。
薄層リング体11の外径形状も前記凹穴4aとほぼ同形の
円形状をなしその内径形状を軸断面形状より相似形に僅
かに大に形成している。この結果シールリング10、12の
内径はボールねじ軸1の一全周に亙り僅かに密着摺動し
円滑なシール効果を得るが、薄層リング体11の内径は、
ボールねじ軸1全周に亙りリング状空隙を有し、効果と
して薄層リング体11の内縁側とシールリング10、12に挟
まれるボールねじ軸1上に本考案の要旨たる「溜まり」
15が形成されることになり、前記した本考案の作用が円
滑に達成される。
円形状をなしその内径形状を軸断面形状より相似形に僅
かに大に形成している。この結果シールリング10、12の
内径はボールねじ軸1の一全周に亙り僅かに密着摺動し
円滑なシール効果を得るが、薄層リング体11の内径は、
ボールねじ軸1全周に亙りリング状空隙を有し、効果と
して薄層リング体11の内縁側とシールリング10、12に挟
まれるボールねじ軸1上に本考案の要旨たる「溜まり」
15が形成されることになり、前記した本考案の作用が円
滑に達成される。
さて前記シールリングの内径形状について、第3図の
ボールねじ軸1の軸直角断面形状にもとづいて説明する
に、ボールねじ軸1の任意の軸上における該断面形状
は、断面円形に対し、ボール3が転動するボールねじ溝
39部分が弓型状に欠落しており、該欠落部分が360°順
次位相が変化するのみで、基本的には同一形状である。
従って、シールリング10と12との軸方向の距離χmm(第
1図参照)をボールねじ軸1のリードLmmで除し、360°
を乗じた角度だけ回転させると両者は重なり、従って同
一形状部品で良い事が分る。即ち、シールリングはいず
れも、同一部品を距離に対応させて所定位相回転させて
ボールねじナット2に装着するだけで、ボールねじ軸1
と容易に密着摺動させることが可能となる。
ボールねじ軸1の軸直角断面形状にもとづいて説明する
に、ボールねじ軸1の任意の軸上における該断面形状
は、断面円形に対し、ボール3が転動するボールねじ溝
39部分が弓型状に欠落しており、該欠落部分が360°順
次位相が変化するのみで、基本的には同一形状である。
従って、シールリング10と12との軸方向の距離χmm(第
1図参照)をボールねじ軸1のリードLmmで除し、360°
を乗じた角度だけ回転させると両者は重なり、従って同
一形状部品で良い事が分る。即ち、シールリングはいず
れも、同一部品を距離に対応させて所定位相回転させて
ボールねじナット2に装着するだけで、ボールねじ軸1
と容易に密着摺動させることが可能となる。
又、シールリング10、12の内径は、ボールねじ軸1の
一全周に亙り密着摺動しているため、僅かながらもボー
ルねじを駆動するためのトルクを増加させ、発熱を伴
う。これら障害を避けるために、シールリング10、12の
厚さを例えば0.5mm程度に薄くし、薄層リング体11側に
強度性をもたすことにより、シールリング自体の強度は
足りなくても、薄層リング体11の補強作用でシールリン
グ体として機械的強度を確保する事ができる。
一全周に亙り密着摺動しているため、僅かながらもボー
ルねじを駆動するためのトルクを増加させ、発熱を伴
う。これら障害を避けるために、シールリング10、12の
厚さを例えば0.5mm程度に薄くし、薄層リング体11側に
強度性をもたすことにより、シールリング自体の強度は
足りなくても、薄層リング体11の補強作用でシールリン
グ体として機械的強度を確保する事ができる。
シールリング10、12の内径は、ボールねじ軸1の一全
周に亙り密着摺動しているためトルク増加につながる
が、いずれも微量であるから実用上差し支えない場合が
多い。しかし、この微量なトルク増加、発熱でも問題に
なる場合は、シールリング10、12の内径形状を該断面形
状と相似で且つ全周に亙りそれより僅かに大きなシール
リングを使用すれば、シールリング10、12とボールねじ
軸1とを非接触とする事が可能となる。
周に亙り密着摺動しているためトルク増加につながる
が、いずれも微量であるから実用上差し支えない場合が
多い。しかし、この微量なトルク増加、発熱でも問題に
なる場合は、シールリング10、12の内径形状を該断面形
状と相似で且つ全周に亙りそれより僅かに大きなシール
リングを使用すれば、シールリング10、12とボールねじ
軸1とを非接触とする事が可能となる。
更に、薄層リング体11は常にボールねじ軸と非接触で
あるので、もはや材質を弾性変形可能な合成樹脂である
必要はなく、材料を金属に置換する事が可能であり、こ
れにより補強的効果は一層増大する。
あるので、もはや材質を弾性変形可能な合成樹脂である
必要はなく、材料を金属に置換する事が可能であり、こ
れにより補強的効果は一層増大する。
この場合、金属製の薄層リング体11の両面に第1図の
金属座金リング20の突起20aの如き突起を設けると、複
数枚のシールリング10、12の位置固定とナット2への装
着が容易となる。
金属座金リング20の突起20aの如き突起を設けると、複
数枚のシールリング10、12の位置固定とナット2への装
着が容易となる。
尚、シールリング10、12の内径形状は必要に応じて、
一方を他方に比して相似形に異ならせる事も可能であ
る。
一方を他方に比して相似形に異ならせる事も可能であ
る。
又本考案は、シールリング10、12を薄層リング体の両
側に1枚ずつ装着した場合について記載したが、使用状
況に応じて一方若しくは両者に薄層リング体11を介して
多段状に複数枚装着してもよい。
側に1枚ずつ装着した場合について記載したが、使用状
況に応じて一方若しくは両者に薄層リング体11を介して
多段状に複数枚装着してもよい。
「効果」 以上記載した如く本考案によれば、シールリングによ
って薄層リング体が挟まれるおねじ軸周面上に「溜ま
り」が形成されるために大幅にシール効果を向上させる
事ができ、而も、シールリングの厚さは任意に薄くする
事が可能である為に、ボールねじ軸における軸トルクの
増加、摺動による発熱を押える事が出来る。
って薄層リング体が挟まれるおねじ軸周面上に「溜ま
り」が形成されるために大幅にシール効果を向上させる
事ができ、而も、シールリングの厚さは任意に薄くする
事が可能である為に、ボールねじ軸における軸トルクの
増加、摺動による発熱を押える事が出来る。
又、シールリングの内径形状は位相が異なるのみで同
一部品を使用する事が出来るために製造コスト及び寸法
管理等の面で極めて好ましく且つ熟練度も必要とせずに
自動化も可能となる。
一部品を使用する事が出来るために製造コスト及び寸法
管理等の面で極めて好ましく且つ熟練度も必要とせずに
自動化も可能となる。
又、請求項2記載のように、シールリングの内径形状
をボールねじ軸断面形状と相似形に僅かに大に設定する
事により、密着摺動するシールリングの場合に比してシ
ール効果は落ちるものの発熱等は完全に抑えられる。こ
の場合シールリングを薄層リング体を介して多段状に積
層することにより、「溜まり」部分が多数有するラビリ
ンス効果が期待でき、塵埃の侵入通過を防止する事が可
能となる。
をボールねじ軸断面形状と相似形に僅かに大に設定する
事により、密着摺動するシールリングの場合に比してシ
ール効果は落ちるものの発熱等は完全に抑えられる。こ
の場合シールリングを薄層リング体を介して多段状に積
層することにより、「溜まり」部分が多数有するラビリ
ンス効果が期待でき、塵埃の侵入通過を防止する事が可
能となる。
更に、請求項3記載のように、前記シールリングと薄
層リング体をいずれも薄層樹脂で形成した場合に、表面
に突起を有する金属製座金リングにより、確実に所定位
置に固定する事が出来、位置決め精度が向上する。
層リング体をいずれも薄層樹脂で形成した場合に、表面
に突起を有する金属製座金リングにより、確実に所定位
置に固定する事が出来、位置決め精度が向上する。
等の種々の著効を有す。
第1図乃至第3図は本願考案の実施例に係るボールねじ
のワイパシール装置で、第1図は正面断面図、第2図は
その変形ワイパシール装置を示す拡大断面図、第3図は
ボールねじ軸の軸直角断面図である。 1:ねじ軸、2:ナット 10、12:シールリング、11:薄層リング体
のワイパシール装置で、第1図は正面断面図、第2図は
その変形ワイパシール装置を示す拡大断面図、第3図は
ボールねじ軸の軸直角断面図である。 1:ねじ軸、2:ナット 10、12:シールリング、11:薄層リング体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−142952(JP,U) 実開 昭60−164158(JP,U) 実開 昭60−145658(JP,U) 実開 昭55−89847(JP,U) 実公 昭52−30461(JP,Y2) 実公 平5−43310(JP,Y2)
Claims (3)
- 【請求項1】ボールねじのねじ底とナットの対向ねじ底
との間に形成されるらせん溝にボールを介在させ前記ナ
ット端部に前記らせん溝幅より狭い厚さのシールリング
体を付設したボールねじのワイパシール装置において、 少なくとも、内径形状をボールねじ軸断面形状と相似形
であって該断面形状及び前記シールリング体の内径より
大に形成した薄層リング体を、複数のシールリング間に
介装して、これらを一体的に積層固定して前記シールリ
ング体を構成し、 前記薄層リング体の内径及び前記複数のシールリング内
縁間にリング状の溜まり空隙を形成した事を特徴とする
ボールねじのワイパシール装置。 - 【請求項2】前記複数のシールリングの内径形状をねじ
軸断面形状より僅かに相似的に大に形成し、ラビリンス
効果をもたした請求項1)記載のボールねじのワイパシ
ール装置。 - 【請求項3】前記シールリングと薄層リング体をいずれ
も薄層樹脂で形成すると共に、これらを表面に突起を有
する剛性リング体で固定した事を特徴とする請求項1)
記載のボールねじのワイパシール装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990024972U JP2570983Y2 (ja) | 1990-03-14 | 1990-03-14 | ボールねじのワイパシール装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1990024972U JP2570983Y2 (ja) | 1990-03-14 | 1990-03-14 | ボールねじのワイパシール装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03117147U JPH03117147U (ja) | 1991-12-04 |
JP2570983Y2 true JP2570983Y2 (ja) | 1998-05-13 |
Family
ID=31527918
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1990024972U Expired - Lifetime JP2570983Y2 (ja) | 1990-03-14 | 1990-03-14 | ボールねじのワイパシール装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2570983Y2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JP2006300192A (ja) * | 2005-04-20 | 2006-11-02 | Tsubaki Nakashima Co Ltd | グリース潤滑ボールねじ |
JP5250966B2 (ja) * | 2006-11-20 | 2013-07-31 | 日本精工株式会社 | 直線運動装置及び直線運動装置用シール部材の製造方法 |
Family Cites Families (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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JPS60164158U (ja) * | 1984-04-10 | 1985-10-31 | 黒田精工株式会社 | ボ−ルねじのワイパ−装置 |
JPS6441758U (ja) * | 1987-04-17 | 1989-03-13 | ||
JPH028714Y2 (ja) * | 1988-01-07 | 1990-03-01 |
-
1990
- 1990-03-14 JP JP1990024972U patent/JP2570983Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH03117147U (ja) | 1991-12-04 |
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