JP2005273680A - ボールねじのシール装置およびボールねじ - Google Patents

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Koichi Ueda
浩一 上田
Shintaro Sakai
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Abstract

【課題】 ボールねじにおいて、外部からナット内への異物の侵入を防止できるとともに、ナット内の潤滑剤の外部への漏出を防止でき、寿命の長いシール技術を提供する。
【解決手段】 シール装置1は、ボールねじ2のナット8の端部に装着されるものであって、弾性変形可能なシールリップ13を有する一対の環状シール10、11が、環状スペーサ12により所定の間隔をもって配置されてなり、シール10、11のシールリップ13内径輪郭は、ねじ軸6の垂直断面形状と相似形とされるとともに、ねじ軸6の外径よりも若干小さい径寸法を有し、スペーサ12の内径側における両シール10、11間の空間が潤滑剤充填空間14とされている。
【選択図】 図1

Description

この発明は、ボールねじのシール装置およびボールねじに関し、さらに詳細には、特に工作機械等における移動装置や位置決め装置の作動部として用いられるボールねじに適したシール技術に関する。
この種のボールねじの一般的なシール構造としては、図9(a)に示すように、ねじ軸aの外周面形状に対応した内径面形状を有するシールbが、ナットcの両端部に取付け固定されてなるが、シールbの内径面とねじ軸aの外周面とが非接触で、両者間に隙間があることから、外部からナットc内への大きな異物の侵入は防げるが、小さなあるいは微細な異物の侵入は防ぐことができず、これら侵入した異物の存在がボールねじの動作精度の低下の原因となっていた。
また、ナットc内部に封入された潤滑剤としてのグリースが、ねじ軸a外周面に付着してナットc外へ漏出してしまい、このナットc内のグリースの減少が潤滑寿命の低下の原因となっていた。
この点に関して、例えば特許文献1に記載されるシール装置が提案されている。このシール装置は、図9(b)に示すように、耐磨耗性に優れた合成樹脂等の弾性変形可能な材質の薄板からなり、ねじ軸aの軸直角断面とほぼ相似しかつそれより小径の内径形状を有するシールリングdと、このシールリングdの両側に固着され、上記ねじ軸aのねじ溝eに対する周り止め形状を内径に有する2つの金属リングf、gとからなり、上記ナットcの両側に、軸方向に対してのみ固定状態で装着される構造とされている。
このシール装置においては、上記シールリングdの内径部分がリップ状に弾性変形してねじ軸a外周面に密着係合するので、細かい異物のナットc内への侵入も有効に防止されて、そのシール性能が向上されている。
しかしながら、このシール装置にあっては、シールリングdとねじ軸aとの接触部分において、グリースが封入されるナットc内側は潤滑されるが、外側は潤滑されないという状況があり、これがため、シールリングdの外側が摩耗しやすくて、早期にシール性能の低下を招いてしまい、シール装置の寿命が比較的短いという問題があった。
実開昭60−164158号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、大小を問わず外部からナット内への異物の侵入を防止できるとともに、ナット内の潤滑剤の外部への漏出を防止でき、しかも寿命の長い構造を備えたボールねじのシール装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的とするところは、上記シール装置を備えるボールねじを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明のボールねじのシール装置は、ボールねじのナットの端部に装着されるものであって、弾性変形可能なシールリップを有する一対の環状シールが、環状スペーサにより所定の間隔をもって配置されてなり、上記シールのシールリップ内径輪郭は、ねじ軸の垂直断面形状と相似形とされるとともに、ねじ軸の外径よりも若干小さい径寸法を有し、上記スペーサの内径側における上記両シール間の空間が潤滑剤充填空間とされていることを特徴とする。
好適な実施態様として、上記シールは、エラストマー製の薄板状シール体と、このシール体を補強する補強板とからなり、上記シール体の内径部が上記シールリップを形成するとともに、上記補強板の内径輪郭が上記ねじ軸の垂直断面形状と相似形でかつねじ軸の外径よりも若干大きい径寸法を有する。
上記シール体と補強板の一体化構造としては、次の2態様が好適に採用される。
(1)上記シール体と補強板は一体成形されるとともに、上記補強板が上記シール体内に埋設された芯金の形態とされる。
(2)上記シール体の両側面に2枚の上記補強板が積層固定されて、上記補強板が上記シール体を両側から挟持状に補強する押え板の形態とされる。
また、上記一対のシールとスペーサは、好適には、円周方向へ所定間隔をもって等配された複数の締付部材により締付け固定されてなり、上記一対のシールの配置間隔(W)は、下記の計算式を満たすように設定される。
計算式:W=P×m/n
(ただし、P:ねじ軸のボール転動溝のピッチ、n:締付部材の等配数、m:整数)
本発明のボールねじは、上記シール装置を備えるものであって、外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、内周面に上記ボール転動溝に対向するボール転動溝を有するナットと、上記ねじ軸のボール転動溝およびナットのボール転動溝の間に転動走行可能に配列された複数のボールとを備えてなり、上記ナットの少なくとも一端部に、この部位を密封する上記シール装置が装着され、このシール装置の上記一対のシールが、上記ねじ軸の外周面に所定の締め代をもって摺接するとともに、これらシール間の上記潤滑剤充填空間に潤滑剤が充填されていることを特徴とする。
本発明のシール装置によれば、弾性変形可能なシールリップを有する一対の環状シールが、環状スペーサにより所定の間隔をもって配置されてなり、上記シールのシールリップ内径輪郭は、ねじ軸の垂直断面形状と相似形とされるとともに、ねじ軸の外径よりも若干小さい径寸法を有し、上記スペーサの内径側における上記両シール間の空間が潤滑剤充填空間とされているから、以下に列挙するような種々のすぐれた効果が得られ、大小を問わず外部からナット内への異物の侵入を防止できるとともに、ナット内の潤滑剤の外部への漏出を防止でき、しかもシール性能の低下がなくて、装置寿命の長いシール装置を提供することができる。
(1)上記一対のシール(外側に位置する第1シールと内側に位置する第2シール)は、共にそのシールリップがねじ軸と所定の締め代をもって摺接し、第1シールは、外部からナット内への異物の侵入を有効に防止するとともに、第1および第2シール間の潤滑剤充填空間に充填された潤滑剤としてのグリースがナットの外部へ漏出するのを有効に防止することができる。
(2)また、第2シールは、上記ナット内の潤滑剤としてのグリースが外部に漏れることを有効に防止するとともに、第1および第2シール間の上記グリースがナット内へ侵入するのを有効に防止することができる。
(3)上記ねじ軸が回転して、ねじ軸とナットが軸方向へ相対的に移動するとき、第1シールの外側は、グリースによって潤滑がされない状態でねじ軸と摺動するため、摩耗しやすいが、第2シールは、内外両面が上記両グリースによって潤滑されるため、摩耗がほとんど生じない。
(4)第1シールが摩耗して外部からの異物の侵入が生じても、第1および第2シール間にグリースが存在することにより、第2シールが十分にねじ軸外周面と接触しているため、これら異物のナット内への侵入は有効に阻止され得る。
(5)第1シールの摩耗が進行して、ねじ軸外周面との接触圧が低下すると、それ以上の摩耗の進行がなくなるので、第1シールを異物が内側へ通過することはあっても、第1および第2シール間のグリースがなくなるほどグリースの漏出は生じない。
また、上記シール装置をナットの両側端部または片側端部に備えた本発明のボールねじにおいては、上述したシール装置の効果が得られる結果、工作機械等における移動装置や位置決め装置の作動部など、金属の切削屑やセラミックス切削粉あるいは研削粉がねじ軸に付着するような過酷な環境下で使用しても、長期間にわたってボールねじ本来の機能を維持することができる。
さらに、上記のような過酷な環境下はもちろんのこと、異物が侵入しない比較的クリーンな環境下で使用する場合にあっても、ボールねじに対して定期的にグリースアップする必要があったが、長期間にわたってグリースアップする必要のない、いわゆるメンテナンスフリーの状態で使用することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
実施形態1
本発明に係るボールねじのシール装置が図1〜図4に示されており、このシール装置1は、具体的にはボールねじ2のナット端部をシールするものである。
すなわち、ボールねじ2は、図1に示すように、外周面に螺旋状のボール転動溝5を有するねじ軸6と、内周面に上記ボール転動溝5に対向するボール転動溝7を有するナット8と、上記両ボール転動溝5、7の間に転動走行可能に配列された複数のボール9、9、…とを備えてなり、ナット8の少なくとも一端部(図示の実施形態においては両端部)に、シール装置1、1がそれぞれ装着されている。
そして、ねじ軸6が回転すると、ボール9、9、…が上記両ボール転動溝5、7に沿って転動走行して、これら両ボール転動溝5、7の一端に到達したボールは図示しないリターンチューブを介してボール転動溝5、7の他端に戻って循環し、これにより、ねじ軸6とナット8が軸方向へ相対的に移動するようにされている。
シール装置1は、一対の環状シール10、11が、環状スペーサ12により所定の間隔をもって配置されてなる環状のものであり、スペーサ12の内径側における両シール10、11間の環状空間が潤滑剤充填空間14とされている。
シール10、11は、いずれも弾性変形可能なシールリップ13を有する薄肉円環状のもので、同一構造を備えており、具体的には、エラストマー製のシール体15と、このシール体15を補強する補強板16とからなる。
図示の実施形態においては、上記シール体15と補強板16が一体成形されて、補強板16はシール体15内に埋設された芯金の形態とされている。
シール体15は、上記シール10の弾性部位を構成する薄肉円環状のもので、その内径部位が上記シールリップ13を形成する。このシールリップ13の断面形状は接触するねじ軸6の外周面との関係を考慮して適宜設定されるが、図示の実施形態においては矩形状に形成されている。このような断面矩形状のシールリップ13にあっては、製作が容易であるとともに、ねじ軸6のボール転動溝5との接触が線接触になり、ボールねじ2の回転作動時において発熱を最小限に抑えることができるという利点がある。この点を考慮して、ねじ軸6のボール転動溝5以外の外径部と接触する部位のみ、線接触可能な断面V字形状に形成しても良い。
このシールリップ13の内径輪郭は、図4(a)に示すように、ねじ軸6の垂直断面形状(図3のX−X断面形状参照)と相似形とされるとともに、このねじ軸6の外径よりも若干小さい径寸法を有するように設定されている。
シール体15の構成材料であるエラストマーとしては、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、アクリルゴム、シリコーンゴム、ふっ素ゴム、ウレタンゴムあるいはテフロン(登録商標)などの一般的なシール材として用いられるものが使用され、図示の実施形態においてはニトリルゴムが用いられている。
補強板16は、具体的には金属製の薄肉円環状のもので、その内径輪郭は、図4(b)に示すように、上記シールリップ13の内径輪郭と同様に、上記ねじ軸6の垂直断面形状と相似形とされるとともに、このねじ軸6の外径よりも若干大きい径寸法を有するように設定されている。
そして、このようにシール体15と補強板16が一体成形されてなるシール10、11において、上記シール体15からなるシールリップ13がねじ軸6の外周面に所定の締め代をもって弾発的に摺接するとともに、補強板16はこのシールリップ13の変形しやすさを補強して、ねじ軸6との適正な接触圧を維持する機能を有する。
スペーサ12は、上記一対のシール10、11、つまりナット8に対して軸方向外側に配置される第1シール10と、軸方向内側に配置される第2シール11との間に潤滑剤充填空間14を形成するためのものである。このスペーサ12は、具体的には硬質材料からなる円環状体とされ、図示の実施形態においては金属製リングの形態とされている。スペーサ12の円筒内径面の径寸法は、ねじ軸6の外径よりも大きく設定されている。
スペーサ12は、図1および図2に示すように、上記一対のシール10、11の間に介装された状態で、円周方向へ所定間隔をもって等配された複数の締付部材20、20、…により締付け固定されて一体化される。
図示の実施形態のシール装置1においては、上記締付部材20としてリベットが使用されるとともに、このリベット20の等配数との関係で上記一対のシール10、11が互換性を持つ構造が採用されている。
すなわち、上記スペーサ12の軸方向幅、つまり一対のシール10、11の配置間隔W(具体的には、図1に示すごとく両シール10、11のシールリップ13、13の厚さ方向中央間の距離)は、下記の計算式を満たすように設定されている。
計算式:W=P×m/n
(ただし、P:ねじ軸6のボール転動溝5のピッチ、n:リベット20の等配数、m:整数)
一対のシール10、11の配置間隔Wが上記のように設定される理由は、次のとおりである。
ねじ軸6の垂直断面形状は、そのねじピッチつまりボール転動溝5のピッチP毎に同一形状を有している。
したがって、第1および第2シール10、11の配置間隔W(具体的には、図1に示すごとく両シール10、11のシールリップ13、13の厚さ方向中央間の距離)がねじピッチPに等しければ、ねじ軸6の垂直断面形状と相似形の内径輪郭を有する上記両シール10、11は、周方向において同じ向きに取り付けられる必要がある。
また、第1および第2シール10、11の配置間隔WがねじのピッチPの1/2であれば、ねじ軸6の垂直断面形状は周方向に180°ずれた形状、つまり周方向に逆転した形状になるので、両シール10、11も周方向へ相対的に180°ずらした状態で取り付けられる必要がある。
このとき、両シール10、11のリベット穴21が2の倍数つまり偶数で等配されていれば、両シール10、11においてリベット穴21の周方向位置がそれぞれ一致するが、3等配や5等配のような奇数で等配されていると、リベット穴21の周方向位置は一致しない。
例えば、両シール10、11のリベット穴21が3等配であれば、両シール10、11を周方向へ120°ずらすごとに一致する。また、ねじ軸6をそのねじピッチPの1/3ごとに切断した場合の垂直断面形状も120°ずれている。
ゆえに両シール10、11の配置間隔WをねじピッチPの1/3にすれば、両シール10、11を周方向へ120°ずらして取り付けて、両シール10、11の内径輪郭とねじ軸6の垂直断面形状を一致させたときに、両シール10、11のリベット穴21の周方向位置も一致する。
また、両シール10、11の配置間隔WをねじピッチPの4/3にすれば、両シール10、11を周方向へ120°×4=480°(つまり120°)ずらして取り付けて、両シール10、11の内径輪郭とねじ軸6の垂直断面形状を一致させたときに、両シール10、11のリベット穴21の周方向位置も一致する。
以上より、一対のシール10、11の配置間隔Wが、上記計算式を満たすように設定されることにより、両シール10、11はリベット20の等配数との関係で互換性を持つ構造となる。
以上のように構成されたシール装置1は、ボールねじ2のナット8の両端部に挿入係止されるとともに、ナット8の外径側からセットボルト22によりそれぞれのスペーサ12部分が回り止めおよび抜け止めされて固定される。
これにより、シール装置1の一対のシール(第1シール10および第2シール11)が、ねじ軸6の外周面に所定の締め代をもって摺接するとともに、これらシール10、11間の潤滑剤充填空間14には、潤滑剤としてグリースが充填封入される。
しかして、ナット8の両端部に装着されたシール装置1にあっては、以下のような作用効果を奏する結果、大小を問わず外部からナット8内への異物の侵入を有効に防止できるとともに、ナット8内の潤滑剤としてのグリースの外部への漏出も有効に防止でき、しかもシール性能の低下がなくて、装置寿命が長い。
(1)外側に位置する第1シール10と内側に位置する第2シール11は、共にそのシールリップ13、13がねじ軸6の外周面と所定の締め代をもって摺接し、第1シール10は、外部からナット8内への異物の侵入を有効に防止するとともに、第1および第2シール10、11間の潤滑剤充填空間14に充填されたグリースがナット8の外部へ漏出するのを有効に防止する。
(2)第2シール11は、ナット8内のグリースが外部に漏れることを有効に防止するとともに、第1および第2シール10、11間のグリースがナット8内へ侵入するのを有効に防止する。
(3)ねじ軸6が回転して、ねじ軸6とナット8が軸方向へ相対的に移動するとき、第1シール10にあっては、そのシールリップ13が、その外側をグリースによって潤滑されない状態でねじ軸6の外周面と摺動するため、摩耗しやすいが、第2シール11にあっては、そのシールリップ13が、その内外両側を上記両グリースによって潤滑されるため、摩耗がほとんど生じない。
(4)第1シール 10が摩耗して外部からの異物の侵入が生じても、第1および第2シール10、11間にグリースが存在することにより、第2シール11が十分にねじ軸6の外周面と接触しているため、これら異物のナット8内への侵入は有効に阻止され得る。
(5)第1シール10シール10、11を構成するの摩耗が進行して、ねじ軸6の外周面との接触圧が低下すると、それ以上の摩耗の進行がなくなるので、第1シール10を異物が内側へ通過することはあっても、第1および第2シール11間のグリースがなくなるほどグリースの漏出は生じない。
また、上記シール装置1をナット8の両側端部に備えたボールねじ2においては、上述したシール装置の作用効果により、工作機械等における移動装置や位置決め装置の作動部など、金属の切削屑やセラミックス切削粉あるいは研削粉がねじ軸に付着するような過酷な環境下で使用しても、長期間にわたってボールねじ2本来の機能を維持することができる。
さらに、上記のような過酷な環境下はもちろんのこと、異物が侵入しない比較的クリーンな環境下で使用する場合にあっても、ボールねじ2に対して定期的にグリースアップする必要があったが、長期間にわたってグリースアップする必要のない、いわゆるメンテナンスフリーの状態で使用することができる。
実施形態2
本実施形態は図5に示されており、シール装置1におけるシール10、スペーサ12およびシール11の整列構造が若干改変されたものである。
すなわち、本実施形態のシール装置1は、図示のごとく、一対のシール10、11の配列方向を実施形態1の場合と逆向きにした状態で、シール10、スペーサ12およびシール11が、複数のリベット20、20、…により締付け固定されて一体化されてなる。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
実施形態3
本実施形態は図6および図7に示されており、シール装置1における一対のシール10、11の構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態のシール装置1における一対のシール10、11の具体的構造は、図示のごとく、シール体15の両側面に、2枚の補強板16が適宜の固定手段により挟持状に積層固定されて、補強板16,16がシール体15を両側から挟持状に補強する押え板の形態とされている。
なお、シール体15および補強板16の形状寸法や構成材料に関する設計条件は実施形態1におけるものと同様である。
また、その他の構成および作用も実施形態1と同様である。
実施形態4
本実施形態は図8に示されており、シール装置1のボールねじ2のナット8に対する取付け固定構造が改変されたものである。
すなわち、本実施形態のシール装置1のナット8に対する取付け固定構造は、シール装置1がナット8の端面に当接係合された状態で、複数の取付けボルト25、25、…により締付け固定されている。
その他の構成および作用は実施形態1と同様である。
なお、上述した実施形態1〜4はあくまでも本発明の好適な実施態様を示すものであって、本発明はこれに限定されることなく、その範囲において種々の設計変更が可能である。
本発明の実施形態1であるシール装置を備えるボールねじを示す正面断面図で、同シール装置の要部を拡大した側面断面図を併せて示している。 同シール装置を分解して示す側面断面図で、同シール装置の構成部材の要部を拡大した側面断面図を併せて示している。 同ボールねじのねじ軸を示す正面図で、同ねじ軸のX−X線に沿った垂直断面形状の拡大図を併せて示している。 図4(a)は同シール装置のシール体の輪郭形状を示す正面図、図4(b)は同シール装置の補強板の輪郭形状を示す正面図である。 本発明の実施形態2であるシール装置を分解して示す側面断面図で、同シール装置の構成部材の要部を拡大した側面断面図を併せて示している。 本発明の実施形態3であるシール装置を備えるボールねじを示す正面断面図で、同シール装置の要部を拡大した側面断面図を併せて示している。 同シール装置を分解して示す側面断面図で、同シール装置の構成部材の要部を拡大した側面断面図を併せて示している。 本発明の実施形態4であるシール装置を備えるボールねじの要部を示す正面断面図であり、同シール装置の要部を拡大した側面断面図を併せて示している。 図9(a)は従来のボールねじのシール構造を示す正面断面図、図9(b)は従来の他のボールねじのシール構造の要部を拡大して示す側面断面図である。
符号の説明
1 シール装置
2 ボールねじ
5 ボール転動溝
6 ねじ軸
7 ボール転動溝
8 ナット
9 ボール
10 第1シール(シール)
11 第2シール(シール)
12 スペーサ
13 シールリップ
14 潤滑剤充填空間
15 シール体
16 補強板
20 リベット(締付部材)
21 リベット穴

Claims (6)

  1. ボールねじのナットの端部に装着されるシール装置であって、
    弾性変形可能なシールリップを有する一対の環状シールが、環状スペーサにより所定の間隔をもって配置されてなり、
    前記シールのシールリップ内径輪郭は、ねじ軸の垂直断面形状と相似形とされるとともに、ねじ軸の外径よりも若干小さい径寸法を有し、
    前記スペーサの内径側における前記両シール間の空間が潤滑剤充填空間とされている
    ことを特徴とするボールねじのシール装置。
  2. 前記シールは、エラストマー製の薄板状シール体と、このシール体を補強する補強板とからなり、
    前記シール体の内径部が前記シールリップを形成するとともに、前記補強板の内径輪郭が前記ねじ軸の垂直断面形状と相似形でかつねじ軸の外径よりも若干大きい径寸法を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載のボールねじのシール装置。
  3. 前記シール体と補強板は一体成形されるとともに、前記補強板が前記シール体内に埋設された芯金の形態とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載のボールねじのシール装置。
  4. 前記シール体の両側面に2枚の前記補強板が積層固定されて、前記補強板が前記シール体を両側から挟持状に補強する押え板の形態とされている
    ことを特徴とする請求項2に記載のボールねじのシール装置。
  5. 前記一対のシールとスペーサは、円周方向へ所定間隔をもって等配された複数の締付部材により締付け固定されてなり、
    前記一対のシールの配置間隔(W)は、下記の計算式を満たすように設定される
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のボールねじのシール装置。
    計算式:W=P×m/n
    (ただし、P:ねじ軸のボール転動溝のピッチ、n:締付部材の等配数、m:整数)
  6. 外周面に螺旋状のボール転動溝を有するねじ軸と、
    内周面に前記ボール転動溝に対向するボール転動溝を有するナットと、
    前記ねじ軸のボール転動溝およびナットのボール転動溝の間に転動走行可能に配列された複数のボールとを備えてなり、
    前記ナットの少なくとも一端部に、この部位を密封する請求項1から5のいずれか一つに記載のシール装置が装着され、
    このシール装置の前記一対のシールが、前記ねじ軸の外周面に所定の締め代をもって摺接するとともに、これらシール間の前記潤滑剤充填空間に潤滑剤が充填されている
    ことを特徴とするボールねじ。
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