JP4945438B2 - ローラねじ - Google Patents

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Description

【技術分野】
【0001】
本発明は、ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にローラを介在させたローラねじに関する。
【背景技術】
【0002】
ねじ軸とナットとの間に転がり運動可能にボールを介在させたボールねじは、すべり接触するねじに比べて、ナットに対してねじ軸を回転させる際の摩擦係数を低減できるので、工作機械・ロボットの位置決め機構、送り機構、あるいは自動車のステアリングギヤ等に実用化されている。
【0003】
近年許容荷重を増大するために、転動体としてボールの替わりにローラを使用したローラねじが、例えば特許文献1のように考案されている。このローラねじでは、ねじ軸の外周面にローラ転走溝を形成し、ナットの内周面にもねじ軸のローラ転走溝に対向する螺旋状のローラ転走溝を形成し、ねじ軸のローラ転走溝とナットのローラ転走溝との間の負荷ローラ転走路に、転動体として複数のローラを配列している。そして、ナットに負荷転走の一端及び他端に接続される無負荷ローラ戻し通路が形成される循環部材を設け、負荷ローラ転走路を転がるローラを負荷転走路の一端から掬い上げ、他端に戻し、これにより負荷転走路を転がるローラを循環させる。
【特許文献1】
特開平11−210858号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
負荷ローラ転走路では、ローラはその側面に荷重を受けながら、ねじ軸のローラ転走溝及びナットのローラ転走溝上を転がる。ボールは四方八方いずれの方向にも転がることができるが、ローラはその移動方向が一方向に限られており、負荷ローラ転走路においては、ローラの姿勢が定められている。このため、負荷ローラ転走路から掬い上げたローラを再び負荷ローラ転走路に戻す際、負荷ローラ転走路の定められたローラの姿勢に合わせて戻す、すなわち側面形状が四角形のローラの姿勢を断面四角形状の負荷ローラ転走路の形状に一致させる必要がある。
[0005]
このような姿勢を一致させて戻す必要性に対応するために、従来、循環部材の無負荷ローラ戻し通路をねじることにより、ローラが無負荷ローラ戻し通路を移動するに従って徐々にローラの姿勢を変化させ、最終的にはローラの姿勢を負荷ローラ転走路の断面形状に一致させることが行なわれていた。
[0006]
しかし、循環部材の無負荷ローラ戻し通路をねじると、ねじった分だけ無負荷ローラ戻し通路を移動するローラの抵抗が増えてしまい、ローラを円滑に移動させることができなくなるおそれがある。
[0007]
そこで本発明は、負荷ローラ転走路に接続される無負荷ローラ戻し通路をねじらなくても、ローラを循環させることができるローラねじを提供することを目的とする。
課題を解決するための手段
[0008]
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照番号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものでない。
【0009】
上記課題を解決するために請求項1の発明は、外周面に螺旋状のローラ転走溝(5a)が形成されたねじ軸(5)と、内周面に前記ねじ軸(5)の前記ローラ転走溝(5a)に対向する螺旋状のローラ転走溝(6a)が形成されたナット(6)と、前記ねじ軸(5)の前記ローラ転走溝(5a)と前記ナット(6)の前記ローラ転走溝(6a)との間の負荷ローラ転走路(9)の一端及び他端に接続される無負荷ローラ戻し通路(10)が形成される循環部材(12,13)と、前記負荷ローラ転走路(9)及び前記無負荷ローラ戻し通路(10)に配列される複数のローラ(7)と、を備え、前記循環部材(12,13)の前記無負荷ローラ戻し通路(10)の両端部に前記負荷ローラ転走路(9)の一端及び他端に接続される一対の方向転換路(16)が設けられ、前記ナット(6)の正面からみて、前記無負荷ローラ戻し通路(10)の両端部の一対の方向転換路(16)は直線状に伸び、且つ前記一対の方向転換路(16)のなす角度は実質的に90度であり、前記無負荷ローラ戻し通路(10)がねじれていないことを特徴とするローラねじである。
[0010]
ここで実質的に90度としたのは、ローラ(7)と無負荷ローラ戻し通路(10)との間にはわずかに隙間が空くので、一対の方向転換路(16)のなす角度が90度からわずかに外れても、無負荷ローラ戻し通路(10)をねじらなくて済む場合があることを考慮したものである。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のローラねじにおいて、前記無負荷ローラ戻し通路(10)は、その中央部に前記ナット(6)の軸線と平行に直線状に伸びる直線通路(11)を有することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のローラねじにおいて、前記無負荷ローラ戻し通路(10)には、前記ローラ(7)の進行方向から見た状態において、隣接するローラ(7)の軸線が互いに直交するように、前記複数のローラ(7)がクロス配列されることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3いずれかに記載のローラねじにおいて、前記ローラ(7)は、直径と長さの比が1:1であり、前記無負荷ローラ戻し通路(10)の断面形状は、正方形であることを特徴とする。
【0014】
ここで、直径と長さの比がほぼ1:1としたのは、厳密には長さが直径よりも僅かに小さく設定されるからである。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項1ないし4いずれかに記載のローラねじにおいて、前記方向転換路(16)が形成される循環部材の一対の方向転換路構成部(13)は、前記ナット(6)の軸線方向の両端面に取り付けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1に記載の発明によれば、循環部材の無負荷ローラ戻し通路をねじらなくてもローラを循環させることができるので、ローラが無負荷ローラ戻し通路を移動する際、無負荷ローラ戻し通路のねじれに起因した抵抗が生ずることがない。
【0017】
請求項2に記載の発明によれば、ねじ軸のリードが大きい場合や、負荷ローラ転走路の巻き数が多い場合にも対応できる循環部材が得られる。
【0018】
請求項1に記載の発明のように一対の方向転換路を配置すると、無負荷ローラ戻し通路を経由することで、ねじ軸の軸線の一方向(1)からの荷重を負荷していたローラが、反転した状態で(すなわち、ねじ軸の軸線の前記一方向(1)とは反対方向(2)からの荷重を負荷する状態で)負荷ローラ転走路に戻る。請求項3に記載の発明によれば、ローラをクロス配列するので、ローラが反転してもねじ軸の軸線の一方向(1)及び他方向(2)からの荷重を負荷することができる。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、直径と長さの比がほぼ1:1のローラを使用し、無負荷ローラ戻し通路の断面形状を正方形にすることで、ナットの正面からみて、直線状に伸びる一対の方向転換路のなす角度を90度に設計することができる。
【0020】
請求項5に記載の発明によれば、ナットの正面からみて90度で交差する方向転換路が形成される一対の方向転換路構成部を、ナットに取り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態におけるローラねじの斜視図。
【図2】ローラねじの主要部品の分解斜視図。
【図3】全部品を組み合わせたローラねじの側面図。
【図4】図3のIV−IV線矢視図。
【図5】ねじ軸を示す側面図。
【図6】ねじ軸のローラ転走溝の溝直角断面形状を示す図。
【図7】ナット6の詳細図(図中(A)はナットの正面図を示し、図中(B)は軸線方向に沿った断面図を示し、図中(C)は裏面図を示す)。
【図8】方向転換路構成部の取付け座の詳細図(図中(B)は(A)のB−B線断面図を示す)。
【図9】ナットのローラ転走溝の溝直角断面形状を示す図。
【図10】ローラの側面図。
【図11】負荷ローラ転走路内のローラを示す断面図。
【図12】螺旋状の負荷ローラ転走路、円弧状の方向転換路及び直線通路を循環するローラの軌道の中心線を示す図。
【図13】ナットの一方側の端面に取付けられる方向転換路構成部と他方側の端面に取付けられる方向転換路構成部との位置関係を示す図。
【図14】方向転換路構成部の内周側を示す図(図中(A)は正面図を示し、図中(B)は側面図を示す)。
【図15】方向転換路構成部の内周側を示す図(図中(A)は側面図を示し、図中(B)は裏面図を示す)。
【図16】方向転換路構成部の外周側を示す図(図中(A)は正面図を示し、図中(B)は側面図を示す)。
【図17】方向転換路構成部の外周側を示す図(図中(A)は側面図を示し、図中(B)は正面図を示す)。
【図18】直線部の断面図。
【図19】直線通路を移動するローラの姿勢の回転を示す図。
【図20】リテーナを示す図(図中(A)は正面図を示し、図中(B)は(A)のX-X線断面図を示し、図中(C)は(A)のY-Y線断面図を示す)。
【符号の説明】
【0022】
5…ねじ軸
5a…ローラ転走溝
6…ナット
6a…ローラ転走溝
7…ローラ
9…負荷ローラ転走路
10…無負荷ローラ戻し通路
11…直線通路
12…直線部(循環部材)
13…方向転換路構成部(循環部材)
16…方向転換路
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施形態におけるローラねじの斜視図を示す。ローラねじは、外周面に螺旋状のローラ転走溝5aが形成されたねじ軸5と、内周面にローラ転走溝5aに対向する螺旋状のローラ転走溝6aが形成されるナット6とを備える。ねじ軸5のローラ転走溝5aとナット6のローラ転走溝6aとの間の負荷ローラ転走路には、ローラ7の進行方向から見た状態において、複数のローラ7が隣接するローラ7の軸線が互いに直交するようにクロス配列される。ねじ軸5の軸線方向の一方向(1)及び他方向(2)の荷重(図3参照)を負荷するためには、このようにローラ7をクロス配列する必要がある。この実施形態では、一つ置きに軸線が直交するローラ7が配置され、軸線が平行なローラ7の数と軸線が直交するローラの数との比は1:1になる。ローラ7間にはローラ7同士の接触を防止するリテーナ8が介在される。
【0024】
ナット6をねじ軸5に対して相対的に回転させると、複数のローラ7がローラ転走溝5aとローラ転走溝6aとの間の負荷ローラ転走路9を転がり運動する。負荷ローラ転走路9の一端まで転がったローラ7は、無負荷ローラ戻し通路10を経由した後、数巻き手前の負荷ローラ転走路9の他端に戻される。
【0025】
図2は、無負荷ローラ戻し通路10が形成される循環部材12,13の斜視図を示す。無負荷ローラ戻し通路10は、中央部の直線通路11と、両端部の方向転換路16とからなる。直線通路11は、ナット6の軸線と平行に直線状に伸びる。方向転換路16は、曲線状、例えば円弧状に伸びる。
【0026】
ナット6には、ねじ軸5の軸線と平行に伸びる貫通孔が形成され、この貫通孔にパイプ状の直線部12が挿入される。この直線部12内に、直線的な軌道を有する断面四角形状の直線通路11が形成される。詳しくは後述するが、直線通路11はねじられることなく、ローラ7が直線通路11を移動してもローラ7の姿勢は回転することはない。
【0027】
ナット6の軸線方向の両端面には、方向転換路構成部13が取付けられる。方向転換路構成部13には、円弧状の軌道を有すると共に断面四角形状の方向転換路16が形成される。方向転換路構成部13は、方向転換路16の四角形断面の対角線の位置で内周側13aと外周側13bとに2分割されている。これら方向転換路構成部13の内周側13a及び外周側13bそれぞれはフランジ部を有する。方向転換路構成部13の内周側13a及び外周側13bを重ね合わせてナット6の端面に位置決めし、ボルト等の固定手段でフランジ部をナット6の端面に固定する。直線部12の両端は方向転換路構成部13に嵌まるので、方向転換路構成部13をナット6に固定することで、直線部12もナット6に固定される。
【0028】
図3はローラねじの側面図を示し、図4は図3のIV−IV線矢視図を示す。上記直線部12及び方向転換路構成部13が組み込まれたナット6の軸線方向の両端面には、異物を除去するため、並びにナット6の内部から潤滑剤が漏れるのを防止するために、ラビリンスシール14が取付けられる。そしてナット6の端面には、ラビリンスシール14を覆うキャップ15が取付けられる。
【0029】
図5はねじ軸5を示す。ねじ軸5の外周には所定のリードを有する螺旋状のローラ転走溝5aが形成される。この実施形態では、許容荷重を増加させ、且つナット6の全長を短くするためにローラ転走溝5aの条数を四条に設定している。勿論ローラ転走溝5aの条数は一条、二条、三条等様々に設定することができる。
【0030】
図6は、ねじ軸5のローラ転走溝5aの断面形状を示す。ローラ転走溝5aの断面はV字形状でその開き角度は90度に設定される。ローラ転走溝5aの底には90度の交差部分も研削加工できるように研削逃げのための円弧部5bが形成される。
【0031】
図7はナット6の詳細図を示す。図7(A)はナット6の正面図を示し、図7(B)は軸線方向に沿った断面図を示し、図7(C)はナット6の裏面図を示す。ナット6の内周面には、ねじ軸5のローラ転走溝5aに対向する螺旋状のローラ転走溝6aが形成される。またナット6には、ナット6の軸線方向に伸びる貫通孔17が形成される。貫通孔17は中央部17aが小径に形成され、中央部の両側の両端部17bが中央部17aよりも僅かに大径に形成される。貫通孔17の中央部17aに直線部12が挿入され、両端部17bに方向転換路構成部13が挿入される。ナット6の端面には、方向転換路構成部13をナット6に取付けるための取付け座18が形成される。直線部12及び方向転換路構成部13はローラ転走溝6aの条数と等しい数(この実施形態では4つ)設けられ、四条のローラ転走溝6aそれぞれを転がるローラ7を循環させる。
【0032】
図8は、取付け座18の詳細図を示す。取付け座18には、後述する方向転換路構成部13の薄肉部(23、図15(A)参照)に形状を合わせた円弧形状の逃げ溝19が形成される。通常のエンドキャップ方式のボールねじでは、ナットの端面はフラットに形成され、逃げ溝19は形成されることがない。そして、フラットな部分に方向転換路を構成する部材が取付けられる。しかしローラねじの場合、ローラ7を円滑に循環させるためには方向転換路16の曲率半径がボールねじに比べて大きくなる傾向がある。方向転換路16の曲率半径が大きくなると、方向転換路構成部13がナット6のローラ転走溝6aに干渉し易くなる。方向転換路構成部13に薄肉部23を形成し、且つナット6の端面に方向転換路構成部13の薄肉部23に形状を合わせた逃げ溝19を形成することで、方向転換路16の曲率半径がボールねじに比べて大きくなっても、ローラ転走溝6aに方向転換路構成部13が干渉するのを防止することができる。
【0033】
図9は、ナット6のローラ転走溝6aの断面形状を示す。ローラ転走溝6aの断面はV字形状でその開き角度は90度に設定される。ローラ転走溝6aの底には、90度の交差部分も研削加工できるように研削逃げのための円弧部6bが形成される。
【0034】
図10はローラ7の側面図を示す。負荷ローラ転走路9を転がるローラ7は円筒形状でその直径Dと長さLが略等しい(正確にはローラ7の直径Dがローラの長さLよりも僅かに大きい)。このため側面からみたローラ7の形状は正方形に近くなり、直径と長さの比はほぼ1:1となる。この実施形態では、ローラ7の側面形状に合わせて負荷ローラ転走路9及び無負荷ローラ戻し通路10の断面形状が正方形に形成される。
【0035】
図11は、負荷ローラ転走路9に収容されたローラ7を示す。ローラ7は、その側面がローラ転走溝5aの壁面と該壁面に対向するナット6のローラ転走溝6aの壁面との間で圧縮されることで荷重を負荷する。このため、ねじ軸5の軸線方向の一方向の荷重しか負荷できない。すなわち、一つのボールがねじ軸の軸線方向の一方向(1)及び該一方向(1)と反対方向(2)の荷重を負荷するのとは対照的に、一つのローラ7は、ねじ軸5の軸線方向の一方向(1)又は他方向(2)のいずれか一方の荷重のみ(図11では一方向(1)の荷重のみ)を負荷できるだけである。ねじらない無負荷ローラ戻し通路10を経由させると、ねじ軸5の軸線の一方向(1)からの荷重を負荷していたローラ7が、反転した状態で(すなわち、ねじ軸5の軸線の前記一方向(1)とは反対方向(2)からの荷重を負荷する状態で)負荷ローラ転走路9に戻る。ローラ7をクロス配列することで、ローラ7が反転しても、ねじ軸5の軸線の一方向(1)及び他方向(2)の双方からの荷重を負荷することができる。
【0036】
なお、この実施形態のようにクロス配列して、一方向(1)の荷重を負荷するローラ7の数と他方向(2)の荷重を負荷するローラ7の数を等しくてもよいが、両方向の許容荷重を変えたい場合には、一方向(1)の荷重を負荷するローラ7の数と他方向(2)の荷重を負荷するローラ7の数を異ならせてもよい。この場合、無負荷ローラ戻し通路10を経由すると、ローラ7が反転してしまい、受けられる荷重の方向も変わってしまうという問題に注意する必要がある。
【0037】
ローラ7の直径Dには、ねじ軸5のローラ転走溝5aの壁面と該壁面に対向するナット6のローラ転走溝6aの壁面との間の距離よりも僅かに大きい所謂オーバーサイズのものが用いられる。このため、負荷ローラ転走路9内でローラは弾性変形していることになり、それに見合う荷重が予圧荷重としてナット6の内部に存在する。ローラ7は負荷ローラ転走路9内でクロス配列されているので、ローラ7からナット6に加わる荷重は隣接するローラ7で互いに反発する方向に作用する。
【0038】
図12は、螺旋状の負荷ローラ転走路9、円弧状の方向転換路16及び直線通路11を循環するローラ7の軌道の中心線を示す。図(A)は負荷ローラ転走路9を移動するローラ7の軌道(ねじ軸5の軸線方向からみた状態)を示し、図(B)は無限循環路の全体を循環するローラ7の軌道を示す(ねじ軸5の側方からみた状態)。負荷ローラ転走路9でのローラ7の軌道は、ねじ軸5の軸線方向からみて半径がRCD/2の円形状になる。無負荷ローラ戻し通路10の直線通路11でのローラの軌道は、ねじ軸5の軸線5cに平行な直線になる。方向転換路16でのローラ7の軌道は、曲率半径Rの円弧になる。
【0039】
これら負荷ローラ転走路9、方向転換路16及び直線通路11の繋ぎ目では、ローラ7の軌道の接線方向が連続になっていて、これによりこれらの繋ぎ目が滑らかになっている。具体的には、負荷ローラ転走路9と方向転換路16との繋ぎ部分では、方向転換路16の接線方向は、ねじ軸5の軸線方向から見た状態において、負荷ローラ転走路9の中心線の接線方向と一致し、且つねじ軸5の側方から見た状態において、負荷ローラ転走路9のリード角と一致する。また直線通路11と方向転換路16の繋ぎ部分では、方向転換路16の接線方向は、直線通路11の中心線の伸びる方向と一致する。
【0040】
図13は、ナット6の一方側の端面に取付けられる方向転換路構成部13と他方側の端面に取付けられる方向転換路構成部13との位置関係を示す。上述したように無負荷ローラ戻し通路10の直線通路11の中心線は、ねじ軸5の軸線5cと平行に伸びる。方向転換路16の中心線は、図13(A)に示されるように、ナット6の正面から見た状態において、負荷ローラ転走路9の中心線の接線方向に直線状に伸びる。そして、手前側の方向転換路16の中心線と奥側の方向転換路16の中心線とは、所定の開き角度90度で交差する。方向転換路16が含まれる平面P1,P2(正確には方向転換路16の中心線が含まれる平面)は、ねじ軸の軸線にほぼ平行になる。
【0041】
ローラ径とローラの長さの比がほぼ1:1のローラを使用すると、図13(A)に示されるように、無負荷ローラ戻し通路10の直線通路11の断面形状を正方形にできる。このため、ナットの正面からみて、直線状に伸びる一対の方向転換路16のなす角度を90度に設計することができる。そうすると、循環部材の無負荷ローラ戻し通路10をねじらなくてもローラを循環させることができる。
【0042】
図14及び図15は、方向転換路構成部の内周側13aを示す。この方向転換路構成部の内周側13aは、曲率半径Rの方向転換路が形成される本体部21と、ナット6の端面に取付けられるフランジ部22とを有する。本体部21の一端には、負荷ローラ転走路9内に入ってローラ7を掬い上げる掬上げ部21aが形成される。本体部21の他端は直線部12に嵌め込まれる。内周側13aの掬上げ部21aは、外周側13bの掬上げ部と協働して螺旋状の負荷ローラ転走路9を転がるローラ7を接線方向に掬い上げる。方向転換路16は掬い上げた直後にローラ7を方向転換させ、円弧状の方向転換路16に沿ってローラを移動させる。ここで、方向転換路16に沿ってローラ7が移動しても、ローラ7の姿勢は回転することがない。
【0043】
方向転換路部材の内周側13aには、方向転換路構成部13が取付けられるナット6の端面よりもナット側に突出すると共に、方向転換路16の形状に合わせて曲線状に曲げられる薄肉部23が形成される。薄肉部23の断面形状はV字形状に形成される。この薄肉部23がナット6の端面に形成された逃げ溝19(図8参照)に嵌り込む。
【0044】
図16及び図17は、方向転換路構成部の外周側13bを示す。この方向転換路構成部の外周側13bは、曲率半径Rの方向転換路16が形成される本体部25と、ナット6の端面に取付けられるフランジ部26とを有する。本体部25の一端には、負荷ローラ転走路9内に入ってローラを掬い上げる掬上げ部25aが形成される。本体部25の他端は直線部12に嵌め込まれる。外周側の掬上げ部25aは、内周側の掬上げ部21aと協働して螺旋状の負荷ローラ転走路9を転がるローラ7を接線方向に掬い上げる。方向転換路16は掬い上げた直後にローラ7を方向転換させ、円弧状の方向転換路16に沿ってローラを移動させる。またこの方向転換路構成部の外周側13bには、ねじ軸5のローラ転走溝5aの形状に合わせた突出部27が形成され、これにより掬上げ部25aの強度を確保している。方向転換路構成部13は金属製であっても樹脂製であってもよい。
[0045]
図18は、直線部12の断面図を示す。直線通路11はねじられておらず、ローラ7が無負荷ローラ戻し通路10の直線通路11を通過する間、ローラ7の姿勢が回転することもない。直線部12は金属製であっても樹脂製であってもよい。
[0046]
図19は、直線通路11を移動するローラ7の姿勢を示す。この図19から直線通路11を移動しても、ローラ7の角A1の位置が変化せず、ローラ7の姿勢が回転しないのがわかる。
[0047]
図20は、本実施形態で使用されるリテーナ8の詳細図を示す。リテーナ8は隣接するローラの軸線が直角を保つようにローラの姿勢を保持する。リテーナ8には、リテーナ8自体も反転することを考慮して、円環状の負荷ローラ転走路9の内周側と外周側とで厚みが変わることのないフラットなものが用いられる。
[0048]
なお、本発明は上記実施形態に限られることなく、本発明の要旨を変更しない範囲で他の実施形態にも具現化できる。例えば循環部材には、この実施形態のようなエンドキャップ方式の循環部材に限られることなく、リターンパイプ方式等様々な方式の循環部材を用いることができる。
[0049]
本明細書は、2005年3月23日出願の特願2005−083131に基づく。この内容はすべてここに含めておく。

Claims (5)

  1. 外周面に螺旋状のローラ転走溝が形成されたねじ軸と、
    内周面に前記ねじ軸の前記ローラ転走溝に対向する螺旋状のローラ転走溝が形成されたナットと、
    前記ねじ軸の前記ローラ転走溝と前記ナットの前記ローラ転走溝との間の負荷ローラ転走路の一端及び他端に接続される無負荷ローラ戻し通路が形成される循環部材と、
    前記負荷ローラ転走路及び前記無負荷ローラ戻し通路に配列される複数のローラと、を備え、
    前記循環部材の前記無負荷ローラ戻し通路の両端部に前記負荷ローラ転走路の一端及び他端に接続される一対の方向転換路が設けられ、
    前記ナットの正面からみて、前記無負荷ローラ戻し通路の両端部の前記一対の方向転換路は直線状に伸び、且つ前記一対の方向転換路のなす角度は実質的に90度であり、
    前記無負荷ローラ戻し通路がねじれていないことを特徴とするローラねじ。
  2. 前記無負荷ローラ戻し通路は、その中央部に前記ナットの軸線と平行に直線状に伸びる直線通路を有することを特徴とする請求項1に記載のローラねじ。
  3. 前記無負荷ローラ戻し通路には、前記ローラの進行方向から見た状態において、隣接するローラの軸線が互いに直交するように、前記複数のローラがクロス配列されることを特徴とする請求項1又は2に記載のローラねじ。
  4. 前記ローラは、直径と長さの比が1:1であり、
    前記無負荷ローラ戻し通路の断面形状は、正方形であることを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載のローラねじ。
  5. 前記方向転換路が形成される循環部材の一対の方向転換路構成部は、前記ナットの軸線方向の両端面に取り付けられることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載のローラねじ。
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