JP4835179B2 - ボールねじ装置 - Google Patents
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Description
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、シール板の内周縁の捲れ返る方向を安定させてシール性を向上させる手段を提供することを目的とする。
図1において、1はボールねじ装置である。
2はボールねじ装置1のねじ軸であり、合金鋼等の鋼材で製作された棒状部材であって、その外周面には略半円弧状断面形状の軸軌道溝3が所定のリードで螺旋状に形成されている。
6はフランジ部であり、ナット4の外周部の一方の端部に設けられ、フランジ部6に設けられた図示しないボルト穴等により図示しない機械装置の移動台にボルト等で固定される。
11はシール板であり、合成ゴム、合成樹脂、合成繊維等の弾性を有する弾性材の薄板で、ナット4の軸方向(単に、軸方向という。)の外側に向かって縮小する円錐台形状に形成された皿状の円環部材であって、図2に示すように、その円周方向の一箇所に半径方向に沿う切断部12が設けられており、切断部12の端面を突合させて円錐台形状を形成するように構成され、取付ボルト13を挿通させる軸方向に沿った取付穴14が所定のピッチ円直径、角度ピッチで複数形成されている。
18、19はシール取付板であり、合金鋼等の鋼材で製作されたナット4の内周面の直径と同等の内径を有する円盤状部材であって、取付ボルト13を挿通させるボルト穴がシール板11の取付穴14と同じピッチ円直径、角度ピッチで形成されている。
20は嵌合穴であり、ナット4の軸方向の両側の端部に形成されたシール取付板18、19の外周面が嵌合する穴である。
これにより、シール板11の内周縁15が、ねじ軸2の軸軌道溝3および外周面に摺接する接触式のシールとして機能する。
以上説明したように、本実施例では、シール板をナットの軸方向の外側に向かって縮小する円錐台形状に形成したことことによって、シール板の内周縁の捲れ返る方向を全てナットの軸方向の外側に向かう方向とすることができ、シール板のシール性を向上させてナットの外部からの異物の侵入を確実に防止することができる。
なお、本実施例においては、ナットの両端部にそれぞれ1枚のシール板を設置するとして説明したが、複数のシール板を軸方向に重ねて設置するようにしてもよい。
また、本実施例においては、シール板の切断部の端面を突合わせて円錐台形状のシール板を形成するとして説明したが、図4に示すようにシール板11の切断部12の一端を、他端に重ね合わせるようにしてもよい。このようにすれば切断部12の端面の寸法精度を緩やかにすることが可能になり、円錐台形状のシール板11を更に容易に形成することができる。
なお、上記実施例1と同様の部分は、同一の符号を付してその説明を省略する。
図5において、25はシール板11の切断部12の一端に形成された凸部であり、他端に形成された凹部26に嵌合する形状に形成されている。
このような切断部12の形状を有するシール板11は、一方の切断部12の凸部25を他方の切断部12の凹部26に嵌合させて円錐台形状とし、これをシール取付板18のシール嵌合穴18aに嵌め込み、シール嵌合穴18aの底面とシール取付板19に形成された円錐面とで挟み込んだ後に、取付ボルト13でナット4の両端部の嵌合穴20の底面に締結して固定される。
なお、上記の凸部と凹部の形状を、図6に示す形状としてもよい。
この場合に、凸状の鍵部28の先端部の形状は、三角形や矩形であってもよい。要は首部28aより広がった形状であればどのような形状であってもよい。
なお、上記各実施例においては、シール板11を2枚のシール取付板18、19で挟みつけて固定するとして説明したが、例えば、シール取付板19にシール板11を焼付けて一体に成形するようにし、シール板18を省略するようにしてもよい。
更に、上記各実施例においては、ボールねじ装置のねじ軸を回転させてナットを軸方向に移動させるとして説明したが、ナットを回転させてねじ軸を軸方向に移動させる形式のボールねじ装置に本発明を適用しても同様の効果を得ることができる。
2 ねじ軸
3 軸軌道溝
4 ナット
5 ナット軌道溝
6 フランジ部
7 ボール
11 シール板
12 切断部
13 取付ボルト
14 取付穴
15 内周縁
18、19 シール取付板
18a シール嵌合穴
20 嵌合穴
25 凸部
26 凹部
28 凸状の鍵部
28a 首部
29 凹状の鍵部
Claims (6)
- 外周面に螺旋状の軸軌道溝を形成したねじ軸と、内周面に前記軸軌道溝に対向するナット軌道溝を形成したナットと、前記軸軌道溝とナット軌道溝とを螺合させる複数のボールと、前記ナットの軸方向の端部に設置され、前記ねじ軸の軸直角断面形状と相似の内周縁形状を有するシール板とを備えたボールねじ装置において、
弾性材の薄板からなる前記シール板の円周方向の一箇所に、半径方向に沿った切断部を設け、
前記シール板の全体形状を、円錐台形状に形成したことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1において、
前記シール板の切断部の一端を、他端に重ね合わせたことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1において、
前記シール板の切断部の一端に凸部を形成し、他端に該凸部に嵌合する凹部を形成したことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1において、
前記シール板の切断部の一端に、先端部が首部より広がった凸状の鍵部を形成し、他端に該凸状の鍵部に嵌合する凹状の鍵部を形成したことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項1ないし請求項4のいずれか一項において、
前記シール板を、複数重ねて設置したことを特徴とするボールねじ装置。 - 請求項5において、
前記複数のシール板の切断部の位置を、円周方向にずらせて重ねたことを特徴とするボールねじ装置。
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