JP5382165B2 - ボールねじ - Google Patents
ボールねじ Download PDFInfo
- Publication number
- JP5382165B2 JP5382165B2 JP2012114847A JP2012114847A JP5382165B2 JP 5382165 B2 JP5382165 B2 JP 5382165B2 JP 2012114847 A JP2012114847 A JP 2012114847A JP 2012114847 A JP2012114847 A JP 2012114847A JP 5382165 B2 JP5382165 B2 JP 5382165B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nut
- seal
- spiral groove
- screw shaft
- screw
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Transmission Devices (AREA)
Description
このようなボールねじのボールは、ねじ軸の回転運動に伴ってねじ溝を転動するため、ねじ軸に付着した塵埃や摩耗粉などの異物がナット内に入り込むと、ナット内に入り込んだ異物によってボールの転がり運動が阻害され、焼付きなどの損傷が生じることがある。そこで、ナット内への異物の侵入等を防ぐために、ナットの軸方向両端にリング状のシールが配置されている。
下記の特許文献1には、ボールねじのシールとして、ナットに固定される縁部を備えた本体(円板状のシール本体)と、ねじ軸の外周面および螺旋溝に弾性変形状態で接触するリップ部(シール片の環状円筒部)と、を有し、リップ部のねじ軸と接触する先端部の断面を円弧状にしたものが記載されている。
本発明の課題は、シールのリップ部のねじ軸との接触面の潤滑状態を良好にして、ボールねじのシール性能を向上させることである。
図1は、この実施形態のボールねじの外形を示す図である。
このボールねじは、ナット1とねじ軸2とボール3とシール4とリターンチューブ5を備えている。ナット1の内周面に螺旋溝11が形成されている。ねじ軸2の外周面に螺旋溝21が形成されている。ボール3は、ナット1の螺旋溝11とねじ軸2の螺旋溝21で形成される軌道溝の間に配置されている。シール4はリング状で、ナット1の内部の軸方向両端に配置されている。リターンチューブ5は、ボール3を軌道溝の終点から始点まで外部を経由して戻すためのものであり、この例ではサーキット数が3であるため3個設けてある。また、図示されていないが、ナット1には、各サーキットに1カ所の給脂穴が形成され、軸方向両端部に排出穴が形成されている。
理想状態とは、図4(a)に示すように、ナット1の螺旋溝11とねじ軸2の螺旋溝21で形成される軌道溝をなす円の中心と、この軌道溝内に配置されたボール3の中心が一致している状態を指す。
この実施形態では、ナット1の螺旋溝11とねじ軸2の螺旋溝21の断面が円弧状に形成され、この軌道溝とボール3との間に、シール4のねじ軸2に対する「しめしろ」よりも小さい寸法(例えば、しめしろの20%以下の寸法)の隙間を設けてある。すなわち、軌道溝をなす円の直径A1より「しめしろよりも小さい寸法」の分だけ小さい直径A2のボール3が組み込まれている。また、リップ部42aを含むゴム成形体42の硬さはデュロメ−タA50〜90であり、シール4のねじ軸2に対する「しめしろ」はボール3の直径A2の10%以下である。
この理想状態で、ねじ軸2の同一断面円の各位置での、シール4のリップ部42aとねじ軸2の螺旋溝21および外周面22との接触状態は、図4(a)〜(d)のようになっている。破線はリップ部42aの設計形状を示す。
このように、図4(a)〜(d)の状態から図5(a)〜(d)の状態になる間に、リップ部42aの先端が、軸方向でねじ軸2の螺旋溝21および外周面22を摺動する。これに伴って、ナット1の内部に封入された潤滑剤がリップ部42aの異なる位置に付着する。
このように、図4(a)〜(d)の状態から図6(a)〜(d)の状態になる間に、リップ部42aの先端が、軸方向でねじ軸2の螺旋溝21および外周面22を摺動する。これに伴って、ナット1の内部に封入された潤滑剤がリップ部42aの異なる位置に付着する。
このように、半径Rと半径rの関係がr<Rの場合には、シールのリップ部42aとねじ軸の螺旋溝21Aとの間に隙間が生じない。そのため、図7(b)に示すような、ねじ軸2の螺旋溝21Bの断面形状が、ゴシックアーク状であって、両円弧が尖った状態で連結されているものと比較して、シールのリップ部とねじ軸との接触状態が良好となる。
図8(b)は、シールのリップ部42aの断面形状が図7(a)と異なる例を示すが、この例でも、ねじ軸2の螺旋溝21Dの断面形状がゴシックアーク状であって、二つの円弧が半径Rの円弧で滑らかに連結されている。また、リップ部42aの先端部の断面が半径r(<R)の円弧状に形成されている。この例でも、シールのリップ部42aとねじ軸の螺旋溝21Dとの間に隙間が生じないため、シールのリップ部とねじ軸との接触状態が良好となる。
さらに、軌道溝とボールとの隙間をシールのねじ軸に対するしめしろより小さくするためには、螺旋溝の断面形状をゴシックアーク状とすることが有利である。
図10は、ナット1のフランジ6側に対するシール4の固定方法を示している。図10(a)は、ナット1をフランジ6側から見た図である。図10(b)はナット1のフランジ6側にシール4が固定された状態を示す部分破断断面図である。図10(a)では、フランジ6の内周面62をなす円と、ナット1の螺旋溝11間の内周面12をなす円が見えている。
この例では、ナット1の軸方向端部の、シール4の取り付け部となる内周面13の位置を貫通する雌ねじ14を、周方向4カ所に形成し、この雌ねじ14に螺合する止めねじ(止め部材)9を用いて、シール4をナット1に固定している。止めねじ9は、雌ねじ14に螺合する軸部91と、先端の円錐状部分92とからなる。
したがって、この例では、ナット1に対するシール4の固定位置がシール4およびナット1の円周方向で調整できる。よって、円周方向で微妙に位置調整しながらシール4をナット1に固定することで、最適な位置関係とすることができるため、高いシール性を得ることができる。
11 ナットの螺旋溝
12 ナットの螺旋溝間の内周面
13 ナットのシール取り付け部となる内周面
14 雌ねじ
17 ねじ
2 ねじ軸
21 ねじ軸の螺旋溝
21A〜21D ねじ軸の螺旋溝
3 ボール
4 シール
41 本体
41a 縁部
42 ゴム成形体
42a リップ部
5 リターンチューブ
6 外向きフランジ
61 ねじ穴
62 外向きフランジの内周面
63 凹部
64 雌ねじ
7 座金(止め部材)
8 ボルト
81 ボルトの頭部
82 ボルトの軸部
9 止めねじ(止め部材)
91 止めねじの軸部
92 止めねじの先端の円錐状部分
A1 軌道溝をなす円の直径
A2 ボールの直径
C ねじ軸の螺旋溝の中心
Claims (1)
- 内周面に螺旋溝が形成されたナットと、外周面に螺旋溝が形成されたねじ軸と、ナットの螺旋溝とねじ軸の螺旋溝で形成される軌道溝の間に配置されたボールと、ナットの軸方向両端に配置されたリング状のシールを備えたボールねじであって、
前記シールは、ナットの内周面に内嵌される縁部を備えた本体と、ねじ軸の外周面および螺旋溝に弾性変形状態で接触するリップ部と、を有し、
前記縁部は、円板状の本体の外周部が板面に対して垂直に曲げられた部分であって、
前記本体の円板部と前記縁部との間に傾斜状の屈曲部を有し、この屈曲部の傾斜面に、止め部材を当接させて前記止め部材をナットに固定することで、シールがナットに固定され、
前記止め部材は、前記シールの本体より剛性が低いものであることを特徴とするボールねじ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012114847A JP5382165B2 (ja) | 2008-05-29 | 2012-05-18 | ボールねじ |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008141225 | 2008-05-29 | ||
JP2008141225 | 2008-05-29 | ||
JP2012114847A JP5382165B2 (ja) | 2008-05-29 | 2012-05-18 | ボールねじ |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009000173A Division JP5195434B2 (ja) | 2008-05-29 | 2009-01-05 | ボールねじ |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012149778A JP2012149778A (ja) | 2012-08-09 |
JP5382165B2 true JP5382165B2 (ja) | 2014-01-08 |
Family
ID=41588584
Family Applications (3)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009000173A Active JP5195434B2 (ja) | 2008-05-29 | 2009-01-05 | ボールねじ |
JP2012114846A Pending JP2012149777A (ja) | 2008-05-29 | 2012-05-18 | ボールねじ |
JP2012114847A Active JP5382165B2 (ja) | 2008-05-29 | 2012-05-18 | ボールねじ |
Family Applications Before (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009000173A Active JP5195434B2 (ja) | 2008-05-29 | 2009-01-05 | ボールねじ |
JP2012114846A Pending JP2012149777A (ja) | 2008-05-29 | 2012-05-18 | ボールねじ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (3) | JP5195434B2 (ja) |
Families Citing this family (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5581085B2 (ja) * | 2010-03-25 | 2014-08-27 | Ntn株式会社 | ボールねじ |
JP2013119922A (ja) * | 2011-12-08 | 2013-06-17 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
CN206054653U (zh) * | 2014-01-06 | 2017-03-29 | 日本精工株式会社 | 滚珠丝杠 |
JP5812202B1 (ja) * | 2014-05-30 | 2015-11-11 | 日本精工株式会社 | ボールねじ装置 |
JP6547284B2 (ja) * | 2014-12-04 | 2019-07-24 | 日本精工株式会社 | ボールねじ |
JP6191715B2 (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-06 | 日本精工株式会社 | ボールねじ装置の組立方法 |
JP6065136B2 (ja) * | 2016-03-15 | 2017-01-25 | 日本精工株式会社 | ボールねじ装置 |
CN111890098A (zh) * | 2020-03-24 | 2020-11-06 | 黑马赵防护技术(青岛)有限公司 | 一种卡扣弧形滑块 |
Family Cites Families (8)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0543310Y2 (ja) * | 1988-12-28 | 1993-11-01 | ||
JP3646452B2 (ja) * | 1997-01-31 | 2005-05-11 | 日本精工株式会社 | ボールねじ用密封形シール |
JPH1113892A (ja) * | 1997-06-20 | 1999-01-22 | Nok Corp | 密封装置 |
JPH11125337A (ja) * | 1997-10-24 | 1999-05-11 | Nok Corp | リップタイプシール |
JP2003148628A (ja) * | 2001-11-09 | 2003-05-21 | Nsk Ltd | ゴムシール装置 |
JP2003314659A (ja) * | 2002-04-24 | 2003-11-06 | Nsk Ltd | ボールねじ装置 |
JP2004156704A (ja) * | 2002-11-06 | 2004-06-03 | Nissei Plastics Ind Co | ボールねじ機構及びボールねじ潤滑装置 |
JP4816318B2 (ja) * | 2006-08-11 | 2011-11-16 | 日本精工株式会社 | ボールねじ装置 |
-
2009
- 2009-01-05 JP JP2009000173A patent/JP5195434B2/ja active Active
-
2012
- 2012-05-18 JP JP2012114846A patent/JP2012149777A/ja active Pending
- 2012-05-18 JP JP2012114847A patent/JP5382165B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012149777A (ja) | 2012-08-09 |
JP2010007851A (ja) | 2010-01-14 |
JP2012149778A (ja) | 2012-08-09 |
JP5195434B2 (ja) | 2013-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5382165B2 (ja) | ボールねじ | |
US7708353B2 (en) | Seal assembly for hub flange and slinger | |
US20100066030A1 (en) | Hermetic sealing device | |
US9927010B2 (en) | Ball screw device | |
US9958011B2 (en) | Bearing assembly having surface protrusions and a seal | |
JP2008045673A (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP5821926B2 (ja) | ボールねじ装置用シール | |
US20210010532A1 (en) | Bearing device for wheels | |
JP2020106081A (ja) | ハブユニット軸受 | |
JP2012057796A (ja) | ボールねじ用ダブルリップ式防塵ワイパー構造 | |
JP2009074589A (ja) | 密封装置 | |
JP2010002009A (ja) | 転動装置 | |
JP2010071374A (ja) | 転動装置 | |
JP6200252B2 (ja) | 密封装置 | |
US20200292082A1 (en) | Sealing device | |
JPH0734225U (ja) | 車輪用軸受の密封装置 | |
JP2010230059A (ja) | 密封装置および転がり軸受 | |
JP5293420B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2006017180A (ja) | 合成樹脂製の冠形保持器 | |
JP2020070860A (ja) | プーリ付き転がり軸受 | |
JP5369902B2 (ja) | 密封装置および転がり軸受装置 | |
WO2024053511A1 (ja) | 車輪用軸受装置 | |
JP2003049853A (ja) | 車両用軸受装置のシール構造 | |
JP2009074601A (ja) | 密封装置 | |
JP2011074989A (ja) | 運動用シール |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120518 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130523 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130604 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130724 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130903 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130916 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5382165 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |