JP2016070498A - 転がり軸受 - Google Patents

Abstract

【課題】製造コストを減少させ且つ障害を改善する構造を有する新たな転がり軸受を提供すること。【解決手段】内側リング５と、外側リング３と、内側リング５と外側リング３との間に配置された転動要素７と、を備える転がり軸受１であって、内側リング５及び外側リング３の少なくとも一方が、ハウジング３４と、ハウジング３４内に取り付けられた２つのハーフレースウェイ３０，３２であって、それぞれが、転動要素７と接触するように構成された接触面３００，３２０を備えている。ハウジング３４とハーフレースウェイ３０，３２の１つとの間に配置された少なくとも１つの予圧要素３６と、を備えている、転がり軸受１に関する。ハーフレースウェイ３０，３２が円錐台形リングによって形成され、ハーフレースウェイの接触面３００，３２０が円錐台形である。【選択図】図１

Description

本発明は、転がり軸受、特に自動車のステアリングコラムで使用するための転がり軸受に関する。

ハウジング内に取り付けられた金属リングによって形成され且つ弾性要素によって予圧された２つのハーフレースウェイが設けられた少なくとも１つのリングを備える転がり軸受は、しばしば、コラムのずれの影響を軽減するために、ステアリングコラムで使用される。

特許文献１は、このような転がり軸受を開示し、この転がり軸受では、ハーフレースウェイは、湾曲接触面を含む複雑な形状を有している。このような構成は、比較的高い製造コストを意味する。さらに、湾曲接触面と転動要素との間の接触は、接触線に沿って行われ、このことは、ノイズの生成をもたらす摩擦及び製造誤差の不十分な許容範囲を意味する。

欧州特許出願公開第９８５５１９号明細書

本発明の目的は、製造コストを減少させ且つ障害を改善する構造を有する新たな転がり軸受を提供することである。

このために、本発明は、内側リングと、外側リングと、内側リングと外側リングとの間に配置された転動要素と、を備える転がり軸受であって、内側リング及び外側リングの少なくとも一方が、ハウジングと、ハウジング内に取り付けられた２つのハーフレースウェイであって、ハーフレースウェイのそれぞれが、転動要素と接触するように構成された接触面を備えている、ハーフレースウェイと、ハウジングとハーフレースウェイの１つとの間に配置された少なくとも１つの予圧要素と、を備えている、転がり軸受に関する。この転がり軸受は、ハーフレースウェイが円錐台形リングによって形成され且つハーフレースウェイの接触面が円錐台形であることを特徴とする。

本発明により、ハーフレースウェイは、よりシンプルな形状を有し、このことは、製造コストを減少させ、且つ転がり軸受の径方向のコンパクト性を向上させる。さらに、軸受内の摩擦は、各ハーフレースウェイと玉との間で１つのみの接触点があるという事実によって減少させられる。

有利であるが必須ではない本発明のさらなる側面によれば、このような転がり軸受は、以下の特徴の１つ以上を含んでもよい：
− 転動要素が玉である；
− ハウジングが、予圧要素を保持するように構成された少なくとも１つの保持部分を備えている；
− 保持部分が、転動要素に向かって傾けられている；
− 転がり軸受が、転動要素が角度方向に間隔をあけられることを維持するように構成されたケージを備えている；
− ケージが、径方向において、転がり軸受の内側リング及び外側リングの一方のリングのハーフレースウェイの１つと、転がり軸受の内側リングと、の間に配置されている；
− 予圧要素がエラストマーリングである；
− 予圧要素がウェーブスプリングである；
− ハーフレースウェイが、プレス成形された金属シートから作られている；
− ハーフレースウェイが、合成材料、特にプラスチック材料から作られている；
− ハウジングが、ハーフレースウェイの１つと接触する凸状部分を備えている；
− ハーフレースウェイを備えた転がり軸受のリングが、２つの予圧要素を備えている；
− 転がり軸受の内側リング及び外側リング双方が、ハウジングと、２つのハーフレースウェイと、少なくとも１つの予圧要素と、を備えている。

本発明は、説明するための例としての添付の図を参照してこれから説明される。

本発明の第１実施形態による転がり軸受の部分的な断面図である。 本発明の第２実施形態による転がり軸受の部分的な断面図である。

本発明による転がり軸受１は、図１に表されている。この転がり軸受１は、外側リング３と、内側リング５と、外側リング３と内側リング５との間に配置された、この例では玉７である転動要素と、を備えている。転がり軸受１は、中心回転軸線Ｘ−Ｘ’を規定している。この説明では、形容詞“軸方向”及び“径方向”が回転軸線Ｘ−Ｘ’を参照して使用される。

外側リング３及び内側リング５のそれぞれは、玉７のためのレースウェイを有している。外側リング３のレースウェイは、２つの円錐台形リングによって形成された２つのハーフレースウェイ３０及び３２によって形成され、これらレースウェイは、玉７と接触する円錐台形接触内面３００及び３２０をそれぞれ有している。従って、各玉７は、ハーフレースウェイ３０との１つの接触点と、ハーフレースウェイ３２との１つの接触点と、を有している。従って、ハーフレースウェイ３０及び３２と玉７との間の接点の接触半径は、無限である。これは、ハーフレースウェイ３０及び３２と玉７との間の摩擦を減少させることを可能にする。また、製造誤差の影響は軽減される。

ハーフレースウェイ３０及び３２は、好ましくは、プレス成形された金属シートから作られる。あるいは、ハーフレースウェイ３０及び３２は、合成材料、特にプラスチック材料、例えばＰＡ６６から作られてもよい。

ハーフレースウェイ３０及び３２は、同一である。従って、ハーフレースウェイ３０及び３２は、同じプロセス及び工具を使用して製造することができ、転がり軸受１の製造コストを減少させる。

内側リング５は、大きく且つ重く、且つ玉７のためのレースウェイを形成する凹所５ａを備えている。

外側リング３は、その中にハーフレースウェイ３０及び３２が取り付けられたハウジング３４を備えている。ハウジング３４は、回転軸線Ｘ−Ｘ’に沿って延在する軸方向部分３４０を備えている。また、ハウジング３４は、軸方向部分３４０の縁部に接続された、側方部分３４２及び若干傾いた保持部分３４４を備え、側方部分３４２及び保持部分３４４は、ハーフレースウェイ３０及び３２の近くに延在している。

側方部分３４２は軸線Ｘ−Ｘ’に対して凸形状を有し、この凸形状はハーフレースウェイ３０の円錐台形外面３０２と接触している。この接触は、その中に転がり軸受１が取り付けられた図示しない装置と、ハウジング３４と、ハーフレースウェイ３０と、玉７と、内側リング５と、転がり軸受１が取り付けられた図示しないシャフトと、の間の電気導電性を保証することを可能にする。側方部分３４２は、玉７に向かって方向づけられた湾曲部分３４６によって延在させられている。湾曲部分３４６は、ハウジング３４の剛性を向上させる。

外側リング３は、保持部分３４４とハーフレースウェイ３２との間に配置された少なくとも１つの予圧要素３６を備えている。この例では、予圧要素３６は、ハーフレースウェイ３２の円錐台形外面３２２と接触するエラストマーリングである。予圧要素３６は、ハーフレースウェイ３０及び３２を玉７と接触させて維持する弾性力を与え、ずれを減少させ、且つ転がり軸受１の稼働中に生じる振動を減衰させる。

予圧要素３６は、ハーフレースウェイ３２に対して保持部分３４４によって押し付けられ、このため、予圧要素３６は、転がり軸受１の稼働中に変形する。保持部分３４４は、ハウジング３４の初期状態では軸方向に延在し、その後、ハーフレースウェイ３０及び３２と玉７と予圧要素３６とがハウジング３４内に取り付けられるときに内側に変形させられる。従って、保持部分３４４は、玉７に向かって傾けられる。

転がり軸受は、玉７が角度方向に間隔をあけられる状態を維持するように構成されたケージ９を備えている。ケージ９は、径方向においてハーフレースウェイ３２と内側リング５との間に配置されている。ケージ９は、内側リング５と径方向で面する略シリンダ面によって形成されたヒール９０を備えている。このような構成は、転がり軸受１の径方向のコンパクト性を向上させる。ケージ９は、好ましくは、プラスチック材料から作られる。

本発明の図示しない実施形態によれば、予圧要素３６は、軸線Ｘ−Ｘ’に中心合わせされ且つ軸方向弾性力を与えるために保持部分３４４とハーフレースウェイ３２との間に配置されたウェーブスプリングである。このようなウェーブスプリングは、予圧機能を損なう可能性がある極めて重大な変形を回避する利点を提供する。

本発明の第２実施形態は、図２に表されている。この実施形態では、第１実施形態の要素と同様の要素は、同じ参照符号を有し、且つ同じ方式で動作する。第１実施形態との差異のみが以下で詳細に説明される。

図２の実施形態では、外側リング３は、ハウジング３５と、２つの予圧要素３８及び３９と、を備えている。ハウジング３５は、軸方向部分３５０と、２つの側方部分３５２及び３５４と、を備えている。予圧要素３８及び３９は、ハウジング３５とハーフレースウェイ３０及び３２との間に配置された環状エラストマーリングによって形成されている。

この実施形態では、側方部分３５２は、軸線Ｘ−Ｘ’に対して径方向にあり、且つハーフレースウェイ３０の外面３０２に対して予圧要素３９を押し付けている。また、側方部分３５４は、軸線Ｘ−Ｘ’に対して径方向にあり、且つハーフレースウェイ３２の外面３２２に対して予圧要素３８を押し付けている。部分３５２及び３５４は、予圧要素３８及び３９のための保持部分を構成している。

図２にのみ表されるが図１の実施形態と組み合わせることができる選択的な実施形態として、外側リング３及び内側リング５は、同様の構造を有している。従って、内側リング５は、外側リング３に対するものと同じ方式で、ハウジング５５と、２つのハーフレースウェイ５０及び５２と、ハウジング５５とハーフレースウェイ５０及び５２との間に取り付けられた２つの予圧要素５８及び５９と、を備えている。

上述された実施形態の技術的特徴は、本発明の新たな実施形態を形成するために組み合わせられてもよい。

３ 外側リング、５ 内側リング、７ 転動要素、９ ケージ、３０，３２，５０，５２ ハーフレースウェイ、３４，３５，５５ ハウジング、３６，３８，３９，５８，５９ 予圧要素、３００，３２０ 接触面、３４２ 凸状部分、３４４，３５２，３５４ 保持部分

Claims (13)

1. 内側リング（５）と、外側リング（３）と、前記内側リング（５）と前記外側リング（３）との間に配置された転動要素（７）と、を備える転がり軸受（１）であって、
   前記内側リング（５）及び前記外側リング（３）の少なくとも一方が、
   − ハウジング（３４；３５；５５）と、
   − 前記ハウジング（３４；３５；５５）内に取り付けられた２つのハーフレースウェイ（３０，３２；５０，５２）であって、前記ハーフレースウェイのそれぞれが、前記転動要素（７）と接触するように構成された接触面（３００；３２０）を備えている、ハーフレースウェイ（３０，３２；５０，５２）と、
   − 前記ハウジング（３４；３５；５４）と前記ハーフレースウェイ（３０，３２；５０，５２）の１つとの間に配置された少なくとも１つの予圧要素（３６；３８，３９；５８，５９）と、
   を備え、
   前記ハーフレースウェイが円錐台形リングによって形成され、前記ハーフレースウェイの前記接触面（３００；３２０）が円錐台形であることを特徴とする転がり軸受。
2. 前記転動要素が玉（７）であることを特徴とする請求項１に記載の転がり軸受。
3. 前記ハウジング（３４；３５；５５）が、前記予圧要素（３６；３８；３９）を保持するように構成された少なくとも１つの保持部分（３４４；３５２；３５４）を備えていることを特徴とする請求項１又は２に記載の転がり軸受。
4. 前記保持部分（３４４）が、前記転動要素（７）に向かって傾けられていることを特徴とする請求項３に記載の転がり軸受。
5. 前記転動要素（７）が角度方向に間隔をあけられることを維持するように構成されたケージ（９）を備えていることを特徴とする請求項１から４のいずれか一項に記載の転がり軸受。
6. 前記ケージ（９）が、径方向において、前記転がり軸受（１）の前記内側リング（５）及び前記外側リング（３）の一方のリング（３）の前記ハーフレースウェイ（３２）の１つと、前記転がり軸受（１）の前記内側リング（５）と、の間に配置されていることを特徴とする請求項５に記載の転がり軸受。
7. 前記予圧要素（３６；３８，３９，５８，５９）がエラストマーリングであることを特徴とする請求項１から６のいずれか一項に記載の転がり軸受。
8. 前記予圧要素がウェーブスプリングであることを特徴とする請求項１から６のいずれか一項に記載の転がり軸受。
9. 前記ハーフレースウェイ（３０，３２；５０，５２）が、プレス成形された金属シートから作られていることを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の転がり軸受。
10. 前記ハーフレースウェイが、合成材料、特にプラスチック材料から作られていることを特徴とする請求項１から８のいずれか一項に記載の転がり軸受。
11. 前記ハウジング（３４）が、前記ハーフレースウェイの１つ（３０）と接触する凸状部分（３４２）を備えていることを特徴とする請求項１から１０のいずれか一項に記載の転がり軸受。
12. ハーフレースウェイ（３０，３２；５０，５２）を備えた前記転がり軸受（１）の前記リング（３，５）が、２つの予圧要素（３８，３９；５８，５９）を備えていることを特徴とする請求項１から１１のいずれか一項に記載の転がり軸受。
13. 前記転がり軸受（１）の前記内側リング（５）及び前記外側リング（３）双方が、ハウジング（３５；５５）と、２つのハーフレースウェイ（３０，３２；５０，５２）と、少なくとも１つの予圧要素（３８，３９；５８，５９）と、を備えていることを特徴とする請求項１から１２のいずれか一項に記載の転がり軸受。

Images