JP4315539B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、感光性樹脂組成物に関し、更に詳しくは感度、解像力、耐現像液性、耐サンドブラスト性等に優れ、ドライフィルムレジスト用途にも有用な感光性樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルム等のベースフィルム上に感光性樹脂組成物を層状に塗布乾燥成層し、その上からポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルム等の保護フィルムを積層した3層ラミネートフィルムは、一般にドライフィルムフォトレジスト(以下、DFRと称することがある)と称され、プリント配線板の製造用、金属の精密加工用等に広く利用されている。
【0003】
その使用にあたっては、まずDFRからベースフィルム又は保護フィルムのうち接着力の小さいほうのフィルムを剥離除去して感光性樹脂組成物層の側を銅張基板の銅面等のパターンを形成させたい基材表面に貼り付けた後、パターンマスクを他方のフィルム上に当接させた状態で露光し(当該他方のフィルムを剥離除去してから露光する場合もある)、次いでその他方のフィルムを剥離除去して現像に供する。露光後の現像方式としては、溶剤現像型のものと稀アルカリ現像型のものとがある。
【0004】
DFRのほか、該基材面に直接感光性樹脂組成物を塗布成層し、その上に積層したポリエステルフィルム等のフィルムを介してパターンマスクを密着させ、露光を行う方法も良く知られている。
近年、プラズマディスプレイパネルの隔壁形成等にDFRを用いたサンドブラスト法が行われるようになってきた。
【0005】
かかる用途に用いることのできるDFR用の感光性樹脂組成物としては、例えば、▲1▼特定の方法により得られた酸価20〜200mgKOH/gの重合架橋性不飽和アクリルウレタン化合物、該ウレタン化合物と相溶性を有するアルカリ可溶な高分子化合物及び光増感剤からなる固体状光重合性樹脂組成物(特公昭62−924号公報)、▲2▼特定の末端カルボキシル−アクリル型ポリウレタンプレポリマーを用いた感光性樹脂組成物(特公平2−10165号公報)、▲3▼酸価が100〜600mgKOH/gで重量平均分子量が10000〜500000のベースポリマー、重合性不飽和基を1個有する化合物10〜50重量%と重合性不飽和基を2個有する化合物10〜90重量%を含有する重合性不飽和化合物及び光重合開始剤からなる光重合性組成物(特開平3−6202号公報)、▲4▼酸価が100〜200mgKOH/gで重量平均分子量が30000〜120000のベースポリマー、エチレン性不飽和化合物、P,P′−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン、ヘキサアリールビイミダゾール及びロイコ染料の各成分を特定量含有し、かつ重合性不飽和基を2個有するエチレン性不飽和化合物をその成分中に95重量%以上含有する感光性樹脂組成物(特開平7−248621号公報)、▲5▼カルボキシル基及びアミド結合を有する特定のポリマー、アミノ基又はその四級化塩を含む不飽和化合物、及び4,4’−ジアジド−3,3’−ジメトキシビフェニルを含有する感光性重合体組成物(特開平7−219224号公報)、▲6▼特定の末端(メタ)アクリレート基含有ウレタン化合物と酸価が50〜250mg/KOHgのアルカリ可溶性高分子化合物と光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物(特開平8−305017号公報)、▲7▼2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有し、酸価50〜250mg/KOHg、硬化後のTgが5〜95℃のカルボキシル基変性ウレタン(メタ)アクリレート化合物と酸価が50〜250mg/KOHgのアルカリ可溶性高分子化合物と光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物(特開平8−54734号公報)、▲8▼2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有するウレタン(メタ)アクリレート化合物、酸価が50〜250mg/KOHgのアルカリ可溶性高分子化合物、チオシアン酸アルカリ塩とポリアルキレンオキサイドセグメントを有する高分子化合物および光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物(特開平9−152713号公報)が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、サンドブラスト法においては、耐現像液性(現像時の細線密着性能)や、耐サンドブラスト性(サンドブラスト時のマスキング性能)、解像力等の性能が要求され、更にDFR化した際の支持体フィルム等との密着を制御する等のハンドリング性も要求され、上記の▲1▼▲6▼▲7▼▲8▼では、比較的耐サンドブラスト性は満足するものの、耐アルカリ性に問題があり、解像性が不足し、かつ現像時の現像液濃度や現像時間等を厳しく管理する必要があり(ラチテュードが狭く)、▲2▼▲3▼▲4▼は、比較的解像性や耐現像性は良好であるが、耐サンドブラスト性が不足し、▲3▼▲4▼では、硬化後のレジストに柔軟性が得られず耐サンドブラスト性に劣り、▲5▼では、解像性が不足する上にフォトドープ(感光性樹脂組成物溶液)及びそれを用いたDFRの保存安定性に問題があると共に耐サンドブラスト性に十分とは言い難く、サンドブラスト法に用いるにはまだまだ改善の余地がある。
又、ウレタン化合物を含有する▲1▼、▲2▼、▲6▼、▲7▼、▲8▼等は、支持体フィルムとの密着が上がり、ハンドリング性を損なう可能性が高く好ましいものではない。
【0007】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者は、かかる事情に鑑み、鋭意研究をした結果、カルボキシル基含有ジオール化合物及び平均分子量500以下の酸価を有しないジオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン化合物に、エチレン性不飽和基を1個以上有し、かつヒドロキシル基を1個有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)、光重合開始剤(B)、及びヒドロキシル基含有単官能モノマーを共重合比で50重量%以上含有する酸価50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマー(C)からなる感光性樹脂組成物が、高解像度を有し、耐現像液性、耐サンドブラスト性等に優れることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】
本発明では、特にカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)が下記一般式(1)で示されるカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂であることが好ましい。
【0009】
【化4】
ここで、R1はエチレン性不飽和基を1個以上有し、かつヒドロキシル基を1個有する化合物のウレタン結合残基、R2はポリイソシアネート化合物の両端ウレタン結合残基、Xは下記一般式(2)及び一般式(3)で示される結合種である。nは2以上の整数である。
【0010】
【化5】
ここで、R2はポリイソシアネート化合物の両端ウレタン結合残基、R3はカルボキシル基含有ジオールの両端ウレタン結合残基であり、hは1〜20の整数である。
【0011】
【化6】
ここで、R2はポリイソシアネート化合物の両端ウレタン結合残基、R4は平均分子量500以下の酸価を有しないジオールの両端ウレタン結合残基であり、iは1〜20の整数である。
【0012】
本発明では、更に(メタ)アクリル酸アルキルエステル(D)を含有してなる感光性樹脂組成物であるとき、ハンドリング性に優れるため、特に好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に述べる。
本発明で用いられるカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)は、カルボキシル基含有ジオール化合物及び平均分子量500以下の酸価を有しないジオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン化合物に、エチレン性不飽和基を1個以上有し、かつヒドロキシル基を1個有する化合物を反応させて得られるものであればよい。
【0014】
特には上記一般式(1)で示される構造を有する化合物であることが好ましい。ジオール化合物のうち、カルボキシル基含有ジオールは少なくとも樹脂(A)の酸価が10〜90mgKOH/gとなる量を含有することが好ましく、かかる樹脂酸価が10mgKOH/g未満では現像性の低下による解像性の低下を招き、90mgKOH/gを越えると耐サンドブラスト性が低下することとなり好ましくない。
【0015】
上記のカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)を得る方法としては、特に限定されないが、例えば、▲1▼平均分子量500以下、好ましくは70〜500、特に好ましくは90〜460のカルボキシル基含有ジオール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)を1:2のモル比(理論値)で反応させて得られる反応生成物(a3)と、平均分子量500以下、好ましくは60〜400、特に好ましくは100〜350の酸価を有しないジオール化合物(a4)とポリイソシアネート化合物(a2)をm:m−1のモル比(mは2以上の整数)(理論値)で反応させて得られる反応生成物(a5)をk:k−1のモル比(kは2以上の整数)(理論値)で反応させ、得られる反応生成物(a6)とエチレン性不飽和基を1個以上有しかつヒドロキシル基を1個有する化合物(a7)を1:2のモル比(理論値)で反応させる方法、▲2▼平均分子量500以下、好ましくは70〜500、特に好ましくは90〜460のカルボキシル基含有ジオール化合物(a1)、平均分子量500以下、好ましくは60〜400、特に好ましくは100〜350の酸価を有しないジオール化合物(a4)、ポリイソシアネート化合物(a2)の所定量を一括仕込みし反応させた後、該反応生成物(a6)とエチレン性不飽和基を1個以上有しかつヒドロキシル基を1個有する化合物(a7)を1:2のモル比(理論値)で反応させる方法、等が挙げられる。
本発明では特に、▲1▼の方法が均一な現像性を得る点で好ましい。
【0016】
以下、▲1▼の方法について詳述する。
かかるカルボキシル基含有ジオール化合物(a1)としては、特に限定されないが、分子量500以下、好ましくは70〜500、特に好ましくは90〜460であることが必要で、具体例としては、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸、酒石酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、ジヒドロキシメチル酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、ホモゲンチジン酸等が挙げられ、好適には2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)ブタン酸が用いられる。該カルボキシル基含有ジオール化合物(a1)の分子量が500を越えると反応溶媒への溶解性が低下してイソシアネートとの反応性が低下し好ましくない。
【0017】
ポリイソシアネート化合物(a2)としては、特に限定されないが、分子量500以下のポリイソシアネート化合物が好ましく、具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリデカメチレンジイソシアネート、ペンタデカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2−ブチニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート等が挙げられ、好適にはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが用いられる。該ポリイソシアネート化合物(a2)の分子量が500を越えるとジオールとの反応性が低下して好ましくない。
【0018】
上記カルボキシル基含有ジオール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)を反応させるに当たっては、公知の反応手段を用いることができ、例えば、ポリイソシアネート化合物(a2)に安定な溶媒(酢酸エチル等)中で該溶媒の還流以下の温度で反応させればよい。但し、本発明においては、上記の如くカルボキシル基含有ジオール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)の反応モル比を理論値として1:2にすること(実際の仕込みに当たっては数%程度の誤差は許容される)が好ましく、かかる条件を逸脱すると両末端にイソシアネートを付加することができず、後述する反応において目的とするカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂を得ることが困難となり好ましくない。
【0019】
更に、カルボキシル基含有ジオール化合物(a1)の含有量としては、目的とするカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)の樹脂酸価が10〜90mgKOH/gとなる量を含有することが必要である。
【0020】
平均分子量500以下の酸価を有しないジオール化合物(a4)としては、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等のアルキルジオール、ネオペンチルグリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール等のグリコール、アジピン酸とエチレングリコールを1:1.1のモル比で反応して得られるエステル系ポリオール、カプロラクトン開環付加によるエーテル系ポリオール等が挙げられる。
【0021】
平均分子量500以下の酸価を有しないジオール化合物(a4)とポリイソシアネート化合物(a2)の反応においては、公知の方法が上記と同様、採用されるが、かかる反応モル比については、平均分子量500以下の酸価を有しないジオール化合物(a4)とポリイソシアネート化合物(a2)をm:m−1のモル比(mは2以上の整数)(理論値)で反応させることが好ましい。
【0022】
そして更に、上記反応で得られる反応生成物(a3)と反応生成物(a5)をk:k−1のモル比(kは2以上の整数)(理論値)で反応させる。
かかる反応については、反応生成物(a3)をメチルエチルケトンや酢酸エチル等の溶媒に溶解あるいは分散させ、そこに反応生成物(a5)を加え、各溶媒の還流以下の温度で反応させることが好ましい。又、反応を促進するためにジブチルチンラウレート等の公知の触媒を添加することもできる。
【0023】
かくして得られる反応生成物(a6)とエチレン性不飽和基を1個以上有しかつヒドロキシル基を1個有する化合物(a7)を1:2のモル比(理論値)で反応させることにより、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)が得られる。
【0024】
かかるエチレン性不飽和基を1個以上有しかつヒドロキシル基を1個有する化合物(a7)としては、ヒドロキシメチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等が挙げられ、好適には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0025】
エチレン性不飽和基を1個以上有しかつヒドロキシル基を1個有する化合物(a7)は分子末端のイソシアネート基と反応することにより末端に二重結合が付加された形のカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂が調製される。
かくして得られるカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)は、上記の如くその酸価が10〜90mgKOH/g、好ましくは20〜70mgKOH/gであることが好ましい。
【0026】
光重合開始剤(B)としては、特に限定されず、公知の光重合開始剤を用いることができるが、例えば、P,P′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P,P′−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、ベンジルジフェニルジスルフィド、ベンジルジメチルケタール、ジベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ナフトキノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、ジクロロアセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベンゾスパロン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、トリブロモフェニルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホン、更には2,4,6−[トリス(トリクロロメチル)]−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4’−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(ピペロニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4’−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、アクリジン及び9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,2’,4’−ビス[ビ(p−メトキシフェニル)]−5,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5,4’,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メチルチオフェニル)−4,5,4’,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)−1,1’−ビイミダゾール等や特公昭45−37377号公報に開示される1,2’−、1,4’−、2,4’−で共有結合している互変異性体等のヘキサアリールビイミダゾール誘導体、トリフェニルフォスフィン、その他にも2−ベンゾイル−2−ジメチルアミノ−1−[4−モルフォリノフェニル]−ブタン等を挙げることができるが、好適にはヘキサアリールビイミダゾール誘導体、ベンジルジメチルケタール等のアセトフェノン誘導体、P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4′−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体が用いられる。これらは1種又は2種以上併用して用いられる。
【0027】
光重合開始剤(B)の含有量としては、上記のカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.1〜20重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜15重量部、特に好ましくは1〜12重量部である。かかる含有量が0.1重量部未満では感度が著しく低下して良好な作業性が得られず、逆に20重量部を越えるとDFR化したときの保存安定性が低下して好ましくない。
【0028】
更に、本発明ではヒドロキシル基含有単官能モノマーを共重合比で50重量%以上含有する酸価50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマー(C)が含有され、現像ラチチュードの拡大効果が得られる。
【0029】
該アクリル系ポリマー(C)の重量平均分子量は10,000〜200,000が好ましく、特には30,000〜150,000が好ましく、更には40,000〜120,000が好ましい。重量平均分子量が10,000未満ではDFR化した際にコールドフロー現象が生じることととなり、逆に200,000を越えると現像性、解像力が低下し好ましくない。
【0030】
該アクリル系ポリマー(C)の含有量は、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)100重量部に対して3〜30重量部であることが好ましく、特に好ましくは5〜25重量部である。かかる含有量が3重量部未満では現像ラチチュードの顕著な効果が得られず、30重量部を越えると現像性、解像力が低下し好ましくない。
【0031】
かかるアクリル系ポリマー(C)としては、(メタ)アクリレートと、ヒドロキシル基含有単官能モノマーを共重合させて得られ、ヒドロキシル基含有単官能モノマーは50重量%以上含有させる。かかる含有量が50重量%未満では感光性樹脂組成物のドープ又はDFR化した際に相溶性不良を起こしやすくなり好ましくない。
【0032】
(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート等が例示される。
【0033】
ヒドロキシル基含有単官能モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等が挙げられる。
【0034】
又、他の共重合可能モノマーとして、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテル等を共重合することもできる。
【0035】
更に本発明では、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(D)を含有することが、支持体フィルムとの密着性を制御することができハンドリング性に優れる点で好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、炭素数12〜22、好ましくは15〜22のアルキル基を有するものが好ましく、例えば、ラウリル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられ、中でも特にステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
【0036】
該(メタ)アクリル酸アルキルエステル(D)の含有量は、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜7重量部であることが好ましく、更に好ましくは0.5〜5重量部、特に好ましくは1〜3重量部である。かかる含有量が0.1重量部未満ではDFR化した際の支持体フィルムとの密着性を充分に改善することができずハンドリング性が低下し、7重量部を越えると保存安定性が不安定となり好ましくない。
【0037】
かくして上記カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)、光重合開始剤(B)及びヒドロキシル基含有単官能モノマーを共重合比で50重量%以上含有する酸価50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマー(C)、好ましくは更に(メタ)アクリル酸アルキルエステル(D)からなる感光性樹脂組成物が得られる。
【0038】
更に本発明においては、上記の(A)〜(C)、好ましくは(A)〜(D)以外に、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート等のフタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の単官能モノマー、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のモノマーなどのエチレン性不飽和化合物を配合することもでき、かかるエチレン性不飽和化合物の配合量は、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)100重量部に対して、0〜20重量部が好ましく、更には好ましくは0〜10重量部であり、かかる配合量が20重量部を越えると硬化レジストが硬くなり過ぎて、耐サンドブラスト性の低下を招いて好ましくない。
【0039】
又、本発明ではその他、ビス(P−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)メチレンチオフェニルメタン、ビス(P−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)ベンジルチオフェニルメタン、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ロイコダイアモンドグリーン等のロイコ染料や、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーン、パテントブルー、メチルバイオレット、ビクトリアブルー、ローズアニリン、パラフクシン、エチレンバイオレット等の着色染料、密着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、溶剤、表面張力改質材、安定剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤などの添加剤を適宜添加することができる。
【0040】
次いで、本発明の感光性樹脂組成物を用いたDFRの製造及びそれを用いたサンドブラスト法(プラズマディスプレイ隔壁形成)について説明する。
(成層方法)
上記の感光性樹脂組成物は、これをポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム等のベースフィルム面に塗工した後、必要に応じてその塗工面の上からポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルム等の保護フィルムを被覆してDFRとする。
【0041】
DFR以外の用途としては、本発明の感光性樹脂組成物を、ディップコート法、フローコート法、スクリーン印刷法等の常法により、被処理体上に直接塗工し、厚さ1〜150μmの感光層を容易に形成することもできる。塗工時に、メチルエチルケトン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサン、メチルセルソルブ、塩化メチレン、1,1,1−トリクロルエタン等の溶剤を添加することもできる。
【0042】
(露光)
DFRによって画像を形成させるにはベースフィルムと感光性樹脂組成物層との接着力及び保護フィルムと感光性樹脂組成物層との接着力を比較し、接着力の低い方のフィルムを剥離してから感光性樹脂組成物層の側をガラス上に均一に形成されたリブ層(ガラス粉体、バインダー及び高沸点溶剤からなるリブペーストをスクリーン印刷して乾燥させた層)に貼り付けた後、他方のフィルム上にパターンマスクを密着させて露光する。感光性樹脂組成物が粘着性を有しないときは、前記他方のフィルムを剥離してからパターンマスクを感光性樹脂組成物層に直接接触させて露光することもできる。
上記のリブ層面上に直接塗工した場合は、その塗工面に直接またはポリエステルフィルムなどを介してパターンマスクを接触させ、露光に供する。
【0043】
露光は通常紫外線照射により行い、その際の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプなどが用いられる。紫外線照射後は、必要に応じ加熱を行って、硬化の完全を図ることもできる。
【0044】
(現像)
露光後は、レジスト上のフィルムを剥離除去してから現像を行う。
本発明の感光性樹脂組成物は稀アルカリ現像型であるので、露光後の現像は、炭酸ソーダ、炭酸カリウム等のアルカリ0.01〜2重量%程度の稀薄水溶液を用いて行う。
【0045】
(サンドブラスト)
上記の如く硬化レジストのパターンが形成された後、粒子径が0.1〜100μm程度のCaCO3、BaSO4、SiC、SiO2、Al2O3等を用いて、ブラスト圧0.05〜1MPaで吹き付けて、現像により露出したリブ層のサンドブラストを行う。
【0046】
(硬化レジスト剥離)
サンドブラスト後、残っている硬化レジストのパターンの剥離を行う。
硬化レジストのパターンの剥離除去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の0.1〜5重量%程度の濃度のアルカリ水溶液からなるアルカリ剥離液を用いて行う。また、アルカリ水溶液で剥離させる代わりに、硬化レジストのパターンを焼失させることも可能である。
【0047】
上記は、プラズマディスプレイ隔壁形成について説明したが、シリコーンウエハーのダイシングやPZT(圧電素子)の加工、ガラスの食刻やセラミック加工等のサンドブラスト法にも有用で、更にはガラス製のメタルマスクの作製や墓標の食刻等にも用いることができる。
【0048】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
【0049】
実施例1
・カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A1)の合成
温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、1,6−ヘキサンジオール236g(2モル)とヘキサメチレンジイソシアネート248g(1.5モル)及び酢酸エチル280gを仕込み、窒素雰囲気下、内温約80℃で、残存イソシアネート基が0.3%になるまで反応を行い、反応液(イ)を得た。
【0050】
一方、温度計、撹拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸80.5g(0.6モル)、ヘキサメチレンジイソシアネート202g(1.2モル)及び酢酸エチル200gを仕込み、内温約80℃で反応を行い、残存イソシアネート基が10.8%になったところで、先の反応液(イ)及び酢酸エチル80gを加え、残存イソシアネート基が1.0%となるまで反応を行った。その後、内温を約60℃に下げた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート23.3g(0.2モル)を加え、残存イソシアネート基が0.3%となるまで反応を行い、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A1)溶液を得た。
【0051】
得られたカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A1)の樹脂分は60%、イソシアネート含有率は0.3%、酸価は25.7mgKOH/gであった。
上記カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A1)溶液を用いて、以下を行った。
【0052】
(ドープの調製)
・カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A1)溶液 166.7部
(該カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A1) 100部)
・2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′, 4.0部
5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール
・P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.2部
・下記に示すアクリル系ポリマー(C1)溶液 18.8部
(該アクリル系ポリマー(C1) 7.5部)
・ロイコクリスタルバイオレット 1.0部
・マラカイトグリーン 0.05部
・メチルエチルケトン 40部
上記のものを配合してよく混合し、感光性樹脂組成物のドープを調製した。
【0053】
アクリル系ポリマー(C1)
メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=35/65(重量比)の共重合体で、樹脂分40%(溶媒:メチルエチルケトン/メチルセロソルブ=8/2(重量比))、平均分子量は90,000、酸価0mgKOH/g、ガラス転移温度は71℃であった。
【0054】
(DFRの作製)
次に上記ドープをギャップ6ミルのアプリケーターを用いて厚さ20μmのポリエステルフィルム上に塗工し、室温で1分30秒放置した後、60℃、90℃、110℃のオーブンでそれぞれ3分間乾燥して、レジスト厚40μmのDFRを作製した(但し、保護フィルムは設けていない)。
【0055】
(リブ形成用ガラス基板へのラミネート)
上記DFRをオーブンで60℃に予熱したリブ形成用ガラス基板(日本電気硝子社製のリブ形成用組成物『白リブDLS−3551』が200μm厚コーティングされたガラス基板)上に、ラミネートロール温度100℃、同ロール圧3kg/cm2、ラミネート速度2m/minにてラミネートした。
【0056】
(露光)
ラミネート後、室温に10分間放置することにより除熱し、オーク製作所製平行露光機:EXM−1201にて露光を行った。
【0057】
▲1▼最小現像時間
上記露光後、1.0%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー圧1.2kg/cm2で現像し、未露光の40μm厚のレジストが溶解し、基板表面が露出するまでの時間(秒)を求めた。
【0058】
▲2▼感度
上記露光において、ストーファー21段ステップタブレットを用い、50mj/cm2から1000mj/cm2まで、50mj/cm2毎に露光を行い、1.0%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー圧1.2kg/cm2で最小現像時間の1.5倍で現像した際に、7段ステップタブレットが残っている時の露光量(mj/cm2)を求めた。
【0059】
▲3▼解像力
上記の7段ステップタブレットの露光量にて、別途、L(ライン幅)/S(スペース幅)において、L=400μmで、Sが30〜100μmで10μm毎に設けられたパターンマスクを真空密着させて、露光を行い、1.0%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー圧1.2kg/cm2で最小現像時間の1.5倍で現像した際に、解像する最小スリット幅(μm)を測定した。
【0060】
▲4▼耐現像液性
上記の7段ステップタブレットの露光量にて、別途、L(ライン幅)/S(スペース幅)において、S=400μmで、Lが10〜150μmで10μm毎に設けられたパターンマスクを真空密着させて、露光を行い、1.0%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー圧1.2kg/cm2で120秒間現像を行い、顕微鏡で観察して以下の通り評価した。
◎・・・Lが80μmにおいて、レジストの膨潤や浮きによる密着不良が全く認められない。
○・・・Lが80μmにおいて、ラインの先端部分が浮き気味に見えるが不良個所は認められない。
△・・・Lが80μmにおいて、ラインの一部又は先端部分に明らかに密着不良が認められる。
×・・・Lが80μmにおいて、ラインの一部又は全部が欠損又は消失しているのが認められる。
【0061】
▲5▼耐サンドブラスト性
上記の7段ステップタブレットの露光量により、ライン/スペース=60μm/160μmのマスクを介して露光し、1.0%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー圧:1.5kg/cm2で最小現像時間の1.5倍の時間現像を行うことにより、レジストパターンを形成した後、不二製作所製の「PNEUMA BLASTER」(ハイパーノズル、エアー圧:0.3MPa、切削材:BaSO4#600、粉体供給量:220g/min)を用いて、リブボトム幅の平均が130μmになるまでサンドブラストを行って、ブラスト後のレジスト状態を顕微鏡にて目視観察して、以下の基準で評価した。
◎・・・レジストにダメージがなく良好であった。
○・・・レジスト先端部分がやや浮き気味に見えるがレジストにダメージがなかった。
△・・・レジストの一部又は先端に欠けが生じた。
×・・・レジストの一部又は全部が消失した。
【0062】
実施例2
・カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A2)の合成
実施例1と同様に、1,5−ペンタンジオール260g(2.5モル)、イソホロンジイソシアネート444.4g(2モル)及び酢酸エチル176.1gを仕込み、窒素雰囲気下、内温約80℃で、残存イソシアネート基が0.3%となるまで反応を行い、反応液(ロ)を得た。
一方、2−ビス(ヒドロキシエチル)ブタン酸99.2g(0.67モル)、イソホロンジイソシアネート298g(1.34モル)及び酢酸エチル400gを仕込み、内温約80℃にて反応を行い、残存イソシアネート基が7.5%となったところで、上記反応液(ロ)及び酢酸エチル190.4gを加え、残存イソシアネート基が1.1%となるまで反応を行った。その後、内温を約60℃に下げた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート40.6g(0.35モル)を加え、残存イソシアネート基が0.3%になるまで反応を行い、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A2)を得た。
【0063】
得られたカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A2)の樹脂分は61.1%、イソシアネート含有率は0.3%、酸価は19.7mgKOH/gであった。
上記カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A2)溶液を用いて、以下を行った。
【0064】
(ドープの調製)
・カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A2)溶液 163.7部
(該カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A2) 100部)
・2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′, 7.0部
5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール
・P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.2部
・下記に示すアクリル系ポリマー(C2)溶液 25部
(該アクリル系ポリマー(C2) 10部)
・2,2−ジメトキシ−2−ベンジルアセトフェノン 3部
・ロイコダイアモンドグリーン 0.3部
・マラカイトグリーン 0.03部
・メチルエチルケトン 55.0部
上記のものを配合してよく混合し、感光性樹脂組成物のドープを調製した。
【0065】
アクリル系ポリマー(C2)
メチルメタクリレート/2−ヒドロキシエチルメタクリレート=45/55(重量比)の共重合体で、樹脂分40%(溶媒:メチルエチルケトン/イソプロピルアルコール=8/2(重量比))、平均分子量は105,000、酸価0mgKOH/g、ガラス転移温度は76℃であった。
その後、実施例1と同様にDFRを作製し、リブ形成用ガラス基板へのラミネートを行い、露光、現像を行って、実施例1と同様の評価を行った。
【0066】
実施例3
・カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A3)の合成
実施例1と同様に、ジエチレングリコール318g(3モル)、イソホロンジイソシアネート555.5g(2.5モル)及び酢酸エチル375gを仕込み、窒素雰囲気下、内温約80℃で、残存イソシアネート基が0.3%となるまで反応を行い、反応液(ロ)を得た。
一方、2−ビス(ヒドロキシエチル)ブタン酸148g(1モル)、イソホロンジイソシアネート444.4g(2モル)及び酢酸エチル254gを仕込み、内温約80℃にて反応を行い、残存イソシアネート基が10.3%となったところで、上記反応液(ロ)を加え、残存イソシアネート基が2.4%となるまで反応を行った。その後、内温を約60℃に下げた後、2−ヒドロキシエチルアクリレート139g(1.2モル)を加え、残存イソシアネート基が0.3%になるまで反応を行い、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A3)を得た。
【0067】
得られたカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A3)の樹脂分は70.3%、イソシアネート含有率は0.3%、酸価は25.1mgKOH/gであった。
上記カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A3)溶液を用いて、以下を行った。
【0068】
(ドープの調製)
・カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A3)溶液 142.2部
(該カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A3) 100部)
・2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′, 2.7部
5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール
・P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.2部
・下記に示すアクリル系ポリマー(C3)溶液 13.2部
(該アクリル系ポリマー(C3) 5部)
・ベンジルジメチルケタール 3部
・ロイコダイアモンドグリーン 1部
・マラカイトグリーン 0.1部
・メチルエチルケトン 45部
上記のものを配合してよく混合し、感光性樹脂組成物のドープを調製した。
【0069】
アクリル系ポリマー(C3)
n−ブチルメタクリレート/ヒドロキシエチルメタクリレート/アクリル酸=35/60/5(重量比)の共重合体で、樹脂分38%(溶媒:メチルエチルケトン/メチルセロソルブ=6/4(重量比))、平均分子量は60,000、酸価39mgKOH/g、ガラス転移温度は44℃であった。
その後、実施例1と同様にDFRを作製し、リブ形成用ガラス基板へのラミネートを行い、露光、現像を行って、実施例1と同様の評価を行った。
【0070】
実施例4
実施例1において、更にステアリルメタクリレートを2部配合してドープを調製した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価及び下記のピール強度の評価を行った。
【0071】
▲6▼ピール強度
上記露光後のポリエステルフィルムの剥離除去におけるハンドリング性の評価として、上記DFRを長さ125mm、幅50.8mm、厚さ2.8mmのガラス基板に、上記ラミネート条件でラミネートし、未露光のまま、島津製作所製オートグラフAG−100を用い、ポリエステルフィルムの長さ方向への180度剥離を行い、ピール強度を測定することにより評価し、以下の基準で評価した。
○・・・20g/2inch未満
△・・・20g/2inch以上40g/2inch未満
×・・・40g/2inch以上
【0072】
実施例5
実施例2において、更にステアリルメタクリレートを1部配合してドープを調製した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価及び上記のピール強度の評価を行った。
【0073】
実施例6
実施例3において、更にステアリルメタクリレートを3部配合してドープを調製した以外は同様に行い、実施例1と同様の評価及び上記のピール強度の評価を行った。
【0074】
比較例1
実施例1において、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸の代わりにネオペンチルグリコールを用いた以外は同様に行い、ウレタンアクリル系樹脂(A′)溶液を得た。
【0075】
得られたウレタンアクリル系樹脂(A′)の樹脂分は58.1%、イソシアネート含有率は0.3%、酸価はほぼ0mgKOH/gであった。
次に、実施例1において、カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A1)を上記ウレタンアクリル系樹脂(A′)に変えた以外は同様に行い、実施例1と同様の評価及び上記ピール強度の評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果は、表1に示す。
【0076】
【表1】
【0077】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物は、特定のカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)、光重合開始剤(B)、ヒドロキシル基含有単官能モノマーを共重合比で50重量%以上含有する酸価50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマー(C)、好ましくは更に(メタ)アクリル酸アルキルエステル(D)を含有しているため、解像力、耐現像液性、耐サンドブラスト性、ハンドリング性等に優れ、各種のサンドブラスト用途に有用で、特にプラズマディスプレイの隔壁形成向けのサンドブラスト用途に有用である。
Claims (6)
- カルボキシル基含有ジオール化合物及び平均分子量500以下の酸価を有しないジオール化合物とポリイソシアネート化合物を反応させて得られるウレタン化合物に、エチレン性不飽和基を1個以上有し、かつヒドロキシル基を1個有する化合物を反応させて得られるカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)、光重合開始剤(B)、及びヒドロキシル基含有単官能モノマーを共重合比で50重量%以上含有する酸価50mgKOH/g以下のアクリル系ポリマー(C)からなることを特徴とする感光性樹脂組成物。
- カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)が下記一般式(1)で示されるカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- カルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂(A)が、平均分子量500以下のカルボキシル基含有ジオール化合物(a1)とポリイソシアネート化合物(a2)を1:2のモル比(理論値)で反応させて得られる反応生成物(a3)と、平均分子量500以下の酸価を有しないジオール(a4)とポリイソシアネート化合物(a2)をm:m−1のモル比(mは2以上の整数)(理論値)で反応させて得られる反応生成物(a5)をk:k−1のモル比(kは2以上の整数)(理論値)で反応させ、得られる反応生成物(a6)とエチレン性不飽和基を1個以上有しかつヒドロキシル基を1個有する化合物(a7)を1:2のモル比(理論値)で反応させてなるカルボキシル基含有ウレタンアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物。
- 更に、(メタ)アクリル酸アルキルエステル(D)を含有してなることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- ドライフィルムレジストに用いることを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- プラズマディスプレイパネルの隔壁形成に用いることを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組成物。
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