JP4494626B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は耐サンドブラスト性、レジスト剥離性に優れた感光性樹脂組成物に関し、特にドライフィルムレジストの形態として使用可能な感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポリエステルフィルムなどのベースフィルム上に感光性樹脂組成物を層状に塗布乾燥成層し、その上からポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコールフィルムなどの保護フィルムを積層した3層ラミネートフィルムは、一般にドライフィルムレジスト(以下DFRと略記することがある)と称され、プリント配線基板の製造用、金属の精密加工用等に広く利用されている。その使用にあたっては、まずDFRからベースフィルムまたは保護フィルムのうち接着力の小さいほうの一方のフィルムを剥離除去して、感光性樹脂組成物層の側を銅張基板の銅面表面に張り付けた後、パターンマスクを他方のフィルム上に当接させた状態で露光し(当該他方のフィルムを剥離除去してから露光する場合もある)、次いでその他方のフィルムを剥離除去して現像に供する。露光後の現像方式としては、溶剤現像型のものと希アルカリ現像型のものとがある。
【0003】
DFRのほか、該基材面に直接感光性樹脂組成物を塗布成層し、その上に積層したポリエステルフィルムなどのフィルムを介してパターンマスクを密着させ、露光を行う方法も良く知られている。また近年、かかるプリント配線基板の製造を中心とするDFRの用途以外にプラズマディスプレイパネルの隔壁形成等にDFRを用いたサンドブラスト法が行われるようになってきた。
【0004】
かかる用途に用いることのできるDFR用の感光性樹脂組成物としては、例えば、▲1▼2個以上の(メタ)アクリロイル基を含有し、酸価50〜250mgKOH/g、硬化後のTgが5〜95℃のカルボキシル基変性ウレタン(メタ)アクリレート化合物と酸価が50〜250mgKOH/gのアルカリ可溶性高分子化合物と光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物(特開平8−54734号公報)が提案されている。
しかし、上記▲1▼の開示技術では耐現像液性に問題があり、現像時の現像液濃度や現像時間等を厳しく管理する必要があるという欠点があった。そこで、本出願人は先に▲2▼カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂100重量部に対して、酸価が10〜250のアクリル系樹脂を0〜20重量部、ヘキサアリールビイミダゾールを0.5〜10重量部、ロイコ染料を0.05〜3重量部含有する感光性樹脂組成物(特許3034823号)を開示した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記▲2▼の開示技術ではレジストの耐現像液性は満足した結果が得られたもののレジストの耐サンドブラスト性(耐ブラスト性と略記することもある)やブラスト後のレジスト剥離性に改善の余地があった。
市場での更なる耐ブラスト性の向上とブラスト後のレジスト剥離性の向上(剥離時間が短い)への要求を満足させることはできないのが実状である。
【0006】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者らはかかる事情に鑑み、鋭意研究をした結果、カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール化合物(B)を0.5〜30重量部、光重合開始剤(C)を0.1〜20重量部及び光発色性染料(D)を0.05〜5重量部含有してなる感光性樹脂組成物が、耐ブラスト性、ブラスト後のレジスト剥離性に優れ、かつレジストの保存安定性、耐現像液性の点でも良好な性能をもつことを見いだし本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明で使用するカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)は、カルボキシル基含有ジオール化合物(a1)とジイソシアネート化合物(a2)を通常1:2のモル比で反応させて得られる化合物(a3)にポリオール(a4)を付加させ、更にエチレン性不飽和基含有ヒドロキシ化合物(a5)を付加させて得られるものが好ましく、更にはかかるカルボキシル基含有ジオール化合物(a1)としては分子量が500以下、又ジイソシアネート化合物(a2)としては分子量が300以下のものが好ましい。
【0008】
上記の分子量が500以下のカルボキシル基含有ジオール化合物(a1)としては、具体的に酒石酸、ジヒドロキシメチル酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、4,4−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、ホモゲンチジン酸等が挙げられ、好適には2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸が用いられる。該カルボキシル基含有ポリオール化合物(a1)の分子量が500を越えると反応溶媒への溶解性が低下してジイソシアネートとの反応性が低下し好ましくない。
【0009】
また分子量300以下のジイソシアネート化合物(a2)としては、具体的にヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタンメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリデカメチレンジイソシアネート、ペンタデカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエン−1,4−ジイソシアネート、2−ブチニレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートやジフェニルメタンジイソシアネートの水添加体等が挙げられ、好適にはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トルエンジイソシアネートが用いられる。該ジイソシアネート化合物(a2)の分子量が300を越えるとジオール化合物との反応性が低下して好ましくない。
【0010】
(a3)に付加反応させるポリオール(a4)としては、分子量500以上のものが好ましく、更には500〜10000、特には500〜4000であり、分子量が500未満では硬化レジストの柔軟性が低下して好ましくない。具体的にはポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、アルキレンオキサイド変性ビスフェノール系ジオール、アクリル系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオールが挙げられる。更には、1,6−ヘキサンジオール等の低分子ジオールとイソホロンジイソシアネート等のポリイソシナネートをα:α−1(αは2以上の整数)のモル比で反応させて得られたウレタン系ジオールも挙げられる。
【0011】
更に、エチレン性不飽和基含有ヒドロキシ化合物(a5)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好適には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが用いられる。
【0012】
カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)を調製するにはまず、上記ジオール化合物(a1)とジイソシアネート化合物(a2)を反応させて反応生成物(a3)を得る。該反応は公知の反応手段を用いることができ、例えば、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の溶媒中で溶媒の沸点以下(好ましくは60〜80℃)の温度で(a1)と(a2)を反応させればよい。本発明においては、上記の如くジオール化合物(a1)とジイソシアネート化合物(a2)との反応モル比を1:2程度にすることにより両末端にイソシアネートを付加することができ、後述する分子量500以上のポリオール(a4)の導入が効率良く行われる。
【0013】
次いで、反応生成物(a3)に分子量500以上のポリオール(a4)を添加し、該溶媒の沸点以下の温度で反応させる。この時反応を促進するためにジブチルチンラウレート等の公知の触媒を添加するのが有利である。触媒は該ポリオール(a4)に対して0.01〜0.1重量%程度使用し、60〜80℃で3〜10時間程度反応させる。反応生成物(a3)と該ポリオールとの反応モル比はβ:β−1(βは2以上の整数)程度にすることにより両末端にイソシアネートを付加できるが、反応モル比によっては、その後必要に応じて更に(a2)を反応させると後述する(a5)の導入が効率よく行われる。
更に、エチレン性不飽和基含有ヒドロキシ化合物(a5)を系に仕込み反応させ、残存ジイソシアネート基含有率が0.1〜0.5重量%程度になった時点で反応を終了してカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)が得られる。
【0014】
本発明で使用するカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)は、酸価が10〜150mgKOH/g、好ましくは50〜130mgKOH/gが有利であるので(a1)、(a2)、(a4)、(a5)の種類や配合割合、縮合度等を選択して上記範囲にするのが望ましい。酸価が10mgKOH/g未満では解像度が劣ることがあり、150mgKOH/gを越えると耐現像液性が劣ることがあり好ましくない。
【0015】
上記範囲に酸価を調整する以外に(A)中に占める反応生成物(a3)の重量割合を15〜65重量%とすることが好ましく、かかる含有量が15重量%未満では硬化レジストの充分な強度が得られず、逆に65重量%を越えると硬化レジストの柔軟性が低下して好ましくない。
【0016】
本発明の組成物において(A)に配合されるカルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール化合物(B)とは、カルボキシル基含有ジオール化合物にε-カプロラクトンを開環付加反応させることにより得ることができ、カルボキシル基含有ジオールとしては前述した(A)の説明中で開示した(a1)が用いられ、(B)として具体的には下記一般式(1)〜(6)で示されるものが挙げられるが、特に一般式(1)〜(3)のものが好ましく、特には(1)が好ましい。
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
上記一般式(1)〜(6)において、R1はH、CH3、CH2CH3のいずれかを、R2、R3はCH2、CH2CH2、C6H4のいずれかを、mは0〜3の整数を示す。
なお一般式(1)〜(3)におけるnは、1〜50の整数、より好ましくは1〜30の整数、特に好ましくは2〜20の整数で、かかるnが0の時DFRとして保存した時に感光性樹脂組成物中にゲルが発生したり、結晶が析出して保存安定性を損うことがあり、50を越えて付加した際はレジスト剥離性が不足する。また、一般式(4)〜(6)におけるnは、1〜25の整数、より好ましくは1〜15の整数、特に好ましくは1〜10の整数で、かかるnが0の時あるいは25を越えて付加した際は上記一般式(1)〜(3)の場合と同様の欠点が発生する。
【0024】
かかる化合物(B)は酸価が10〜500mgKOH/gが好ましく、更には10〜250mgKOH/gであり、水酸基価は30〜500mgKOH/gが好ましく、更には45〜250mgKOH/gである。酸価が10mgKOH/g未満ではレジスト剥離性が劣る場合があり、500mgKOH/gを越えると耐現像性が劣ることがあり好ましくない。水酸基価が30mgKOH/g未満では剥離性が劣る場合があり、500mgKOH/gを越えるとDFRとした時、上記と同様に保存安定性が劣ることがあり好ましくない。
かかる(B)の市販品として具体的には、ダイセル化学工業社製『Placcel 205BA』、『Placcel 210BA』、『Placcel 220BA』等が挙げられる。
【0025】
上記(B)の配合量はカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、0.5〜30重量部である必要があり、好ましくは1〜30重量部、特には3〜25重量部である。かかる配合量が0.5重量部未満ではレジスト剥離性、耐ブラスト性が不充分となり、30重量部を越えると上記と同様にDFRの保存安定性が低下して不適当である。
【0026】
光重合開始剤(C)としては、ベンゾイン化合物、ベンゾフェノン化合物、アセトフェノン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、チオキサントン化合物、ベンゾトリアゾール化合物、トリアジン化合物、アクリジン化合物、2−メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−1−プロパノン、トリブロモメチルフェニルスルホン、N−フェニルグリシン、ジフェニルジスルフィド、ジベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ナフトキノン、ピバロインエチルエーテル、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベンゾスパロン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノンが挙げられ、これらの1種類又は2種類以上が用いられる。
【0027】
ベンゾイン化合物としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテルが挙げられる。
【0028】
ベンゾフェノン化合物としては、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノンが挙げられる。
【0029】
アセトフェノン化合物としては、1,1−ジクロロアセトフェノン、p−t−ブチルジクロロアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノンが挙げられる。
【0030】
ヘキサアリールビイミダゾール化合物としては、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,2’,4’−ビス[ビ(p−メトキシフェニル)]−5,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5,4’,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メチルチオフェニル)−4,5,4’,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)−1,1’−ビイミダゾール等が挙げられ、更には特公昭45−37377号公報に開示される1,2’−、1,4’−、2,4’−で共有結合している該化合物の互変異性体を用いることもできる。
上記の中でも2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが好適に用いられる。
【0031】
チオキサントン化合物としては、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントンが挙げられる。
【0032】
ベンゾトリアゾール化合物としては、1,2,3−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、5−カルボキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾール、ビス(N−2−エチルヘキシル)アミノメチレン−1,2,3−トリルトリアゾール、ビス(N−2−ヒドロキシエチル)アミノメチレン−1,2,3−ベンゾトリアゾールが挙げられる。
【0033】
トリアジン化合物としては、2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−プロピル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(p−トリル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−4’−メトキシフェニル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−[4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル]−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(2’,4’−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルロメチル)−s−トリアジン、2−(α,α,β−トリクロロエチル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−p−メチルスチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−p−メトキシスチリル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンが挙げられる。
【0034】
アクリジン化合物としては2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロルパノンアクリジン、9−フェニルアクリジンが挙げられる。
【0035】
また、上記光重合開始剤(C)の配合量としては、カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部が必要であり、かかる配合量が0.1重量部未満では感度が著しく低下して良好な作業性が得られず、逆に20重量部を越えるとDFRの保存安定性が低下して本発明の目的を達成することができない。
また、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールが(C)全量の20重量%以上を占めるとき、耐現像液性、耐ブラスト性がより得られ易く、20重量%未満では耐現像液性が低下する。
【0036】
光発色性染料(D)としては、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)メチレンチオフェニルメタン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)ベンジルチオフェニルメタン、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ロイコダイアモンドグリーン等のロイコ染料が挙げられ、中でもロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ロイコダイアモンドグリーンの1種または2種以上が好適に用いられ、その配合量としては、カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部が必要である。かかる配合量が0.05重量部未満では感度が著しく低下して良好な作業性が得られず、逆に5重量部を越えるとDFRの保存安定性が低下して本発明の目的を達成することができない。
【0037】
本発明においては、上記(A)〜(D)以外に、酸価が50〜250mgKOH/gのアクリル系樹脂(E)を添加することにより、耐現像液性を更に向上させることができる。
かかるアクリル系樹脂(E)の酸価としては、70〜200mgKOH/gが好ましく、更には100〜170mgKOH/gである。酸価が50mgKOH/g未満では現像性の付与に関し、十分な添加効果が得られず、解像度が低下し、逆に250mgKOH/gを越えると耐現像液性や耐ブラスト性が低下することがある。
【0038】
かかる酸価が50〜250mgKOH/gのアクリル系樹脂(E)は、通常はカルボキシル基含有のアクリル系樹脂が用いられ、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とし、上記酸価を満足するようにエチレン性不飽和カルボン酸を配合し、必要に応じて他の共重合可能なモノマーを共重合したアクリル系共重合体である。
ここで(メタ)アクリル酸エステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートなどが例示される。
【0039】
エチレン性不飽和カルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などのモノカルボン酸が好適に用いられ、そのほか、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などのジカルボン酸、あるいはそれらの無水物やハーフエステルも用いることができる。これらの中では、アクリル酸とメタクリル酸が特に好ましい。
他の共重合可能モノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、アルキルビニルエーテルなどが例示できる。
【0040】
更に、かかるアクリル系樹脂(E)の重量平均分子量は30000〜200000が好ましく、特に40000〜150000、殊に40000〜130000である。重量平均分子量が30000未満では耐現像液性に関し充分な効果が得られず、逆に200000を越えると現像性が低下し、解像度が低下して好ましくない。
【0041】
かかるアクリル系樹脂(E)の配合量は、上記のカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、1〜50重量部とすることが必要で、配合量が1重量部未満では期待する耐現像液性が得られず、また50重量部を越えると、硬化レジストが硬くなり過ぎて耐ブラスト性の低下を招いて本発明の目的を達成することができない。
【0042】
また、本発明においては、上記の(A)〜(D)以外に、更に酸価を有しないアクリルウレタン系樹脂(F)をカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して1〜100重量部、好ましくは3〜70重量部、特に好ましくは5〜50重量部含有するとき現像性を低下させずに耐ブラスト性を更に向上させることができる。配合量が、1重量部未満では期待する耐ブラスト性の向上効果が得られず、また100重量部を越えると現像性の低下により解像力が低下する。
【0043】
酸価を有しないアクリルウレタン系樹脂(F)は、例えば、分子量500〜10,000、好ましくは500〜4,000のポリオール(ポリエステルポリオールやポリエーテルポリオール)nモルに、ポリイソシアネート化合物(n+1)モルを反応させた後、更にエチレン性不飽和基含有ヒドロキシ化合物を反応させて得られる(nは1以上の整数である。)化合物である。かかる分子量500〜10,000のポリオールやポリイソシアネート化合物、エチレン性不飽和基含有ヒドロキシ化合物としては(A)成分の説明に記載のものと同様のものが挙げられる。反応方法についても(A)成分の説明に記載の方法を採用することができる。
【0044】
本発明においては、上記の(A)〜(F)以外に、エチレン性不飽和化合物を耐現像性付与のために添加してもよく、該エチレン性不飽和化合物としては、単官能モノマー、2官能モノマー、3官能以上のモノマーが挙げられる。
【0045】
単官能モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミドが挙げられる。
【0046】
2官能モノマーとしては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0047】
3官能以上のモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0048】
上記エチレン性不飽和化合物はカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、0.5〜30重量部、好ましくは1〜20添加することができ、0.5重量部未満では十分な耐現像液性が得られず、30重量部以上では可塑化効果が大きくDFRとした際の保存安定性が損なわれる。
【0049】
本発明ではその他、クリスタルバイオレット、マラカイトグリーン、ブリリアントグリーン、パテントブルー、メチルバイオレット、ビクトリアブルー、ローズアニリン、パラフクシン、エチレンバイオレット等の着色染料、密着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、溶剤、表面張力改質材、安定剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤などの添加剤を適宜添加することができる。
【0050】
本発明の感光性樹脂組成物はポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムなどのベースフィルム面に塗工した後、その塗工面の上からポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルム、ポリエステルフィルムなどの保護フィルムを被覆してDFRを製造することにより実用化されることが多い。また、ディップコート法、フローコート法、スクリーン印刷法等の常法により、被処理体上に直接塗工することもできる。
【0051】
次に上記DFRを用いてプリント配線基板製造のためのレジストパターンを形成する方法を説明する。
DFRによってレジストパターンを形成させるには、ベースフィルム及び保護フィルムと感光性樹脂組成物層との接着力を比較し、接着力の低い方のフィルムを剥離し、感光性樹脂組成物層を銅板やガラス面、ITO膜等の基板に貼り付けた後、他方のフィルム上にパターンマスクを密着させて露光する。感光性樹脂組成物が粘着性を有しないときは、前記他方のフィルムを剥離してからパターンマスクを感光性樹脂組成物層に直接接触させて露光することもできる。
露光は通常紫外線照射により行い、その際の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプなどが用いられる。紫外線照射後は、必要に応じ加熱を行って、硬化の完全を図ることもできる。
露光後は、レジスト上のフィルムを剥離除去してから現像を行う。
本発明の感光性樹脂組成物は希アルカリ現像型であるので、露光後の現像は、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリの0.1〜2重量%程度の希薄水溶液を用いえばよい。
【0052】
本発明の感光性樹脂組成物は上記用途以外にサンドブラスト法による隔壁形成を行う時にも有用で、かかる方法について以下説明する。
まず、基板としてリブ形成用ガラス基板を用いる以外は上記と同様にしてレジストパターンを形成する。
上記の如くレジストのパターンが形成された後、粒子径が1〜100μm程度のSiC、SiO2、Al2O3、、炭酸カルシウム等を、ブラスト圧0.05〜1MPaで基板に吹き付けてサンドブラストを行う。
サンドブラスト後、残っている硬化レジストのパターンの剥離を行い、目的とする隔壁が形成される。
硬化レジストのパターンの剥離除去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの0.1〜5重量%程度の濃度のアルカリ水溶液からなるアルカリ剥離液を用いて行う。また、アルカリ水溶液で剥離させる代わりに、硬化レジストのパターンを焼失させることも可能である。
【0053】
本願発明の組成物は上記の他ガラスの食刻やセラミック加工等のサンドブラスト法にも有用で、更にはガラス製のメタルマスクの作製や墓標の食刻等にも用いることができる。
【0054】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
〔カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A1)の製造〕
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(a1)104g(0.78mol)とヘキサメチレンジイソシアネート(a2)261g(1.55mol)、酢酸エチル450gを仕込み、窒素雰囲気下で70℃で残存イソシアネート基が8.2%となるまで両者を反応させて反応生成物(a3)を得た。次いで平均分子量600のポリエチレングリコール(a4)700g(1.16mol)、ジブチルチンラウリレート0.15gを加えて更に反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点でヘキサメチレンジイソシアネート(a2)131.2g(0.78mol)を新たに加えて反応を続け、残存イソシアネート基が2.3%となったところで2ーヒドロキシエチルアクリレート(a5)90.0g(0.76mol)を加え反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A1)〔酸価28.7mgKOH/g、(a3)の含有量31%、固形分74%〕を得た。
【0055】
〔カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A2)の製造〕
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸(a1)119.5g(0.89mol)とイソホロンジイソシアネート(a2)396.2g(1.78mol)、酢酸エチル435gを仕込み、窒素雰囲気下60℃で残存イソシアネート基が8.2%となるまで反応させて反応生成物(a3)を得た。次いで平均分子量1000のポリエチレングリコール(a4)445.6g(0.45mol)、ジブチルチンラウリレート0.15gを加えて更に約5時間反応させ、残存イソシアネート基が3.0%となった時点で2ーヒドロキシエチルアクリレート(a5)61.4g(0.46mol)を加え反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点で反応を終了し、カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A2)〔酸価30.5mgKOH/g、(a3)の含有量50%、固形分70%〕を得た。
【0056】
〔酸価を有しないアクリルウレタン系樹脂(F1)の製造〕
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコに、イソホロンジイソシアネート222g(1.0mol)と平均分子量1000のポリプロピレングリコール670g(0.67mol)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で反応させ、残存イソシアネート基が3.4%となった時点で2ーヒドロキシエチルアクリレート79.0g(0.67mol)を加え反応させ、残存イソシアネート基が0.3%となった時点でメチルエチルケトン243g添加し、アクリルウレタン系樹脂(F1)〔酸価は0mgKOH/g、固形分80%〕を得た。
【0057】
実施例1
上記のカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A1)溶液135.1部(該アクリルウレタン系樹脂(A1)換算で100部)、カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール〔ダイセル化学工業社製『Placcel 205BA』:2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸とε-カプロラクトンの開環付加反応生成物、水酸基価223mgKOH/g、酸価110mgKOH/g〕(B1)10部、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール(C1)4.0部、P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(C2)0.2部、ロイコクリスタルバイオレット(D1)1.0部、更にマラカイトグリーン(D2)0.05部及びメチルエチルケトン95部を配合してよく混合し感光性樹脂組成物を調製した。
かかる組成物について以下の方法で耐ブラスト性、レジスト剥離性、耐現像液性、レジストの保存安定性の評価を行なうための評価に先立ち該組成物を用いてDFRを作成した。
【0058】
上記組成物を、ギャップ8ミルのアプリケーターを用いて厚さ25μmのポリエステルフィルム上に塗工し、室温で1分30秒放置した後、60℃、90℃、110℃のオーブンでそれぞれ3分間乾燥して、レジスト厚40μmのDFRとした(ただし保護フィルムは設けていない)。
[耐ブラスト性]
上記DFRをオーブンで60℃に予熱したリブ形成用ガラス基板(日本電気硝子社製、リブ形成用組成物『白リブDLS−3551』が200μm厚コーティングされたガラス基板)上に、ラミネートロール温度100℃、ラミネートロール圧0.3MPa、ラミネート速度1m/minにてラミネートした。
ラミネート後、室温に10分間放置することにより除熱し、ライン/スペース=80/200のネガパターンを持つマスクを密着させてオーク製作所製の平行露光機『EXM−1201』にて、ストウファーステップタブレット7段相当量の露光を行った。
次いで、0.3%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー圧0.10MPaで最少現像時間の1.5倍の時間現像を行いレジストパターンを作製した後、不二製作所社製の『PNEUMA BLASTER』(ハイパーノズル、圧送エアー圧:0.3MPa、切削剤:炭酸カルシウム系粉体S4#600、粉体供給量:220g/min)を用いて、リブボトム幅が110μmとなるまでサンドブラストを行ってブラスト後のレジスト状態を顕微鏡にて目視観察して以下の通り評価した。
◎ −−−レジストにダメージが無く、リブも良好に形成された。
○ −−−レジストの一部(端部)にややダメージが認められるが、リブ形成は良好であった。
× −−−レジストの全部にダメージがあり、リブにもダメージが生じた。
【0059】
[レジスト剥離性]
上記耐ブラスト性の評価で形成したリブ上のレジストを35℃の1%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬し、レジストが完全に剥離する時間を測定した。
◎−−−30秒未満
○−−−30〜60秒
×−−−60秒を越える
【0060】
[耐現像液性]
上記DFRをオーブンで60℃に予熱したリブ形成用ガラス基板(日本電気硝子社製、リブ形成用組成物『白リブDLS−3551』が200μm厚コーティングされたガラス基板)上に、ラミネートロール温度100℃、同ロール圧0.3MPa、ラミネート速度1m/minにてラミネートした。
ラミネート後、室温に10分間放置することにより除熱し、オーク製作所製の平行露光機『EXM−1201』にて、幅30〜200μmの範囲で10μm毎にスペース幅が得られる様にしたポジパターンを形成するマスクと、スペース幅が300μm一定でライン幅が30から200μmの範囲で10μm毎に得られるようにしたネガパターンを形成するマスクを密着させて、ストウファーステップタブレット7段相当量で露光を行った。
次いで、0.3%炭酸ナトリウム水溶液(30℃)を用いて、スプレー圧0.10MPaで最少現像時間の1.5倍の時間で現像を行って、以下の通り評価した。
◎ −−−80μmのポジパターンが解像し、且つ60μmのネガパターンにダメージが無かった。
○ −−−80μm以上のポジパターンが解像し、且つ60μmのネガパターンにはダメージはあったものの80μmのネガパターンにダメージが無かった。
× −−−80μm以上のポジパターンが解像不良または/解像していても80μmネガパターンにダメージが有る。
【0061】
[レジストの保存安定性]
上記組成物をポリエステルフィルム上に乾燥膜厚が40μmとなるよう500mm幅で塗工乾燥後、カバーフィルムとしてポリエチレンフィルムで挟んで三層構成とし、その後支管外径82.2mmの支管に直径が300mm、フィルムの全長さが150mとなるよう巻付けてスリットし、30℃、40RH%に設定した恒温恒湿機中にて黒ポリ遮光下、2日間放置した。放置後のDFRの状態を観察することにより保存安定性を調べた。
○ −−−DFR中での結晶の発生やムラの発生が起こらなかった。
× −−−DFR中での結晶の発生が認められた。またはムラが発生した。
【0062】
実施例2
実施例1のダイセル化学工業社製『Placcel 205BA』(B1)に代えてダイセル化学工業社製『Placcel 220BA』(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸とε-カプロラクトンの開環付加反応生成物、水酸基価56mgKOH/g、酸価28mgKOH/g)を使用した以外は実施例1と同様に実験し、同様に評価した。
【0063】
実施例3
実施例1のダイセル化学工業社製『Placcel 205BA』(B1)に代えて、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸とε-カプロラクトンの開環付加物(水酸基価60mgKOH/g、酸価30mgKOH/g)を使用した以外は実施例1と同様に実験し、同様に評価した。
【0064】
実施例4
実施例1における感光性樹脂組成物に更にメタクリル酸メチル/n−ブチルアクリレート/スチレン/メタクリル酸の共重合体〔共重合重量比が40/25/12/23、酸価149.8mgKOH/g、ガラス転移温度56.2℃、平均分子量42000〕(E1)10部を添加して、実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0065】
実施例5
実施例1における組成物に更に酸価を有しないアクリルウレタン系樹脂(F1)12.5部を添加して、実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0066】
実施例6
実施例1における組成物に、更に実施例4で使用した(E1)10部及び実施例5で使用した(F1)12.5部を添加して、実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0067】
実施例7
実施例1において、(A1)の替りに(A2)を同量添加して実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0068】
実施例8
実施例1において、(B1)の添加量を20部に変更した以外は実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0069】
実施例9
実施例1において、(C1)の添加量を8.0部に変更した以外は実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0070】
実施例10
実施例1において、(D1)に替えてロイコマラカイトグリーン(D3)に変更した以外は実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0071】
比較例1
実施例1において(B1)の添加量を0.3部に変更して組成物を調製し、実施例1と同様に実験し同様に評価した。
【0072】
比較例2
実施例1において、(B1)の配合量を50部とした以外は同様に実験し同様に評価した。
【0073】
比較例3
実施例1において、(C1)の配合量を0.05部とした以外は同様評価を行った。
【0074】
比較例4
実施例1において、(C1)の配合量を25部とした以外は同様に評価を行った。
【0075】
比較例5
実施例1において、(D1)の配合量を0.03部とした以外は同様に評価を行った。
【0076】
比較例6
実施例1において、(D1)の配合量を8部とした以外は同様に評価を行った。
実施例及び比較例の評価結果を表1に示す。
【0077】
〔表1〕
【0078】
【発明の効果】
本発明の感光性樹脂組成物は、カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール化合物(B)を0.5〜30重量部、光重合開始剤(C)を0.1〜20重量部及び光発色性染料(D)を0.05〜5重量部含有しているため耐ブラスト性、レジスト剥離性、耐現像液性、レジストの保存安定性に優れ、各種のサンドブラスト用途に有用で、特にプラズマディスプレイの隔壁形成向けのサンドブラスト用途に有用である。
Claims (9)
- カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール化合物(B)を0.5〜30重量部、光重合開始剤(C)を0.1〜20重量部及び光発色性染料(D)を0.05〜5重量部含有してなることを特徴とする感光性樹脂組成物。
- カルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)が、カルボキシル基含有ジオール化合物(a1)とジイソシアネート化合物(a2)を反応させて得られる反応生成物(a3)に、ポリオール(a4)を付加反応させ、その後にエチレン性不飽和基含有ヒドロキシ化合物(a5)を付加反応させることにより得られる化合物であって、1分子中にエチレン性不飽和基を1個以上含有することを特徴とする請求項1記載の感光性樹脂組成物。
- カルボキシル基含有ジオール化合物(a1)の分子量が500以下で、ジイソシアネート化合物(a2)の分子量が300以下であり、且つ反応生成物(a3)の(A)中での含有量が15〜65重量%であることを特徴とする請求項2記載の感光性樹脂組成物。
- カルボン酸変性ポリカプロラクトンジオール化合物(B)がカルボキシル基含有ジオール化合物にε-カプロラクトンを開環付加反応させることにより得られた化合物であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- 光重合開始剤(C)として、2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾールを20重量%以上含むことを特徴とする請求項1〜4いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- 光発色性染料(D)として、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ロイコダイアモンドグリーンのいずれか1種または2種以上を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- 更にカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、酸価が50〜250mgKOH/gのアクリル系樹脂(E)を1〜50重量部含有してなることを特徴とする請求項1〜6いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- 更にカルボキシル基含有アクリルウレタン系樹脂(A)100重量部に対して、酸価を有しないアクリルウレタン系樹脂(F)を1〜100重量部含有してなることを特徴とする請求項1〜7いずれか記載の感光性樹脂組成物。
- ドライフィルムレジストに用いることを特徴とする請求項1〜8いずれか記載の感光性樹脂組成物。
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