JP4671540B2 - パターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、プラズマディスプレイパネル(PDP)の隔壁形成、電極形成、更にはプリント配線板等の製造のためのパターン形成方法に関し、更に詳しくは高精細凹凸模様の形成能に優れる新規なサンドブラスト加工によるパターン形成方法を提供する。
【0002】
【従来の技術】
サンドブラスト加工法によるパターン形成は、凹凸模様の精細化やパネルの大型化の要請に適合できるため、プラズマディスプレイパネル(PDP)の隔壁形成、電極形成等の製造のためのパターン形成に実用化されている。
かかる加工法は、基材面に設けた感光性樹脂組成物層にパターンマスクを介して露光を行ない硬化部(露光部)と未硬化部(未露光部)よりなる画像を形成させた後、未露光部分をアルカリ溶液で現像、除去し次いで露出した基材面をサンドブラスト加工で研削して、凹凸模様を生成させるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来行われているサンドブラスト加工法においては、細線パターンの形成に有利であると言ってもせいぜい70μm程度のピッチ幅の形成が限度であり、より鮮明なパネル画面が要請される現在の市場要求を必ずしも満足できず、その対策が望まれるところである。
特に、従来技術では細線パターン間のスペース部、即ちサンドブラスト加工で研削されるスペース部において、研削距離を100μm以上、更には200μm〜300μm程度と深くする程、目的とするピッチ幅やその形状に狂いを生じ易く、その影響はピッチ幅を小さくしようとする程深刻である。
従って、基材のサンドブラスト研削を深くしても生成する凸部の形状に悪影響を及ぼすことなく、ピッチ幅が70μm以下好ましくは10μm〜50μm程度の小さい細線パターンを形成することは極めて有用である。
【0004】
【問題を解決するための手段】
そこで、本発明者はかかる事情に鑑み鋭意研究をした結果、
基材面に設けた感光性樹脂組成物層にパターンマスクを介して露光を行った後、未露光部分又は未露光部分と該未露光部分の下部の基材面をサンドブラスト加工して、凹凸模様を形成させるにあたり、カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル系樹脂をベースポリマーとして含む、感光性樹脂組成物層(但し、感光性樹脂組成物には無機物質を含まない。)を使用する場合その目的を達成し得ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を詳細に述べる。
まず、本発明で使用する基材は特に制限はなく、ガラス、低融点ガラスペースト積層ガラス、銅張プリント配線基板、その他各種セラミック等任意の物が対象となる。
【0006】
かかる基材に設けられる感光性樹脂組成物層はカルボキシル基を含有しないウレタンアクリル系樹脂をベースポリマーとし、光重合開始剤及び必要に応じてエチレン性不飽和化合物を配合した組成物である。
本発明で用いるカルボキシル基を含有しないウレタンアクリル系樹脂(A)は特に限定されないが、ポリオール系化合物とジイソシアネート化合物を1:2のモル比で反応させて得られる化合物(I)に、アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物(II)を付加させて得られるものが好ましい。
【0007】
ポリオール系化合物としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、アクリル系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等いずれも使用できる。
具体的にはエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリブチレングリコール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA、ポリカプロラクトン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ポリトリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、アラビトール、キシリトール、ガラクチトール、グリセリン、ポリグリセリン、ポリテトラメチレングリコール等の多価アルコールや、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイドのブロック又はランダム共重合の少なくとも1種の構造を有するポリエーテルポリオール、該多価アルコール又はポリエーテルポリオールと無水マレイン酸、マレイン酸、フマール酸、無水イタコン酸、イタコン酸、アジピン酸、イソフタル酸等の多塩基酸との縮合物であるポリエステルポリオール、カプロラクトン変性ポリテトラメチレンポリオール等のカプロラクトン変性ポリオール、ポリオレフィン系ポリオール等が挙げられる。
これらの中でも分子量が500以上のもの、特に分子量500〜4000のものが用いられ、かかる分子量が500未満では耐サンドブラスト性が低下して好ましくない。
【0008】
また、ジイソシアネート系化合物としては、具体的にヘキサメチレンジイソシアネート、ヘプタメチレンジイソシアネート、2,2−ジメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、オクタメチレンジイソシアネート、2,5−ジメチルヘキサン−1,6−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、ノナメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート、ウンデカメチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、トリデカメチレンジイソシアネート、ペンタデカメチレンジイソシアネート、ブテンジイソシアネート、1,3−ブタジエンー1,4−ジイソシアネート、2−ブチニレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシリレンジイソシアネート、1,4−キシリレンジイソシアネート等を挙げることができ、好適にはヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが使用される。
ジイソシアネート化合物の分子量は300以下が有利であり、分子量が300を越えると反応性が低下して好ましくない。
【0009】
かかるポリオール系化合物とジイソシアネート系化合物を反応させるにあたっては、公知の反応手段を用いることができ、例えばジイソシアネート系化合物に安定な溶媒(酢酸エチル等)中で60〜90℃の温度で反応させればよい。但し、本発明においては、ポリオール系化合物とジイソシアネート系化合物の反応モル比を理論値として1:2にすること(実際の仕込みに当たっては数%程度の誤差は許容される)が好ましく、かかる条件を逸脱すると両末端にイソシアネート基を付加することができず、後述するエチレン性不飽和基の導入が困難となり好ましくない。
【0010】
次いで、上記の如くポリオール系化合物とジイソシアネート系化合物を反応させて得られた化合物(I)に、アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物(II)を反応させるのであるが、公知の方法を採用でき例えば、上記の化合物(I)溶液中にアクリロイル基含有ヒドロキシ化合物(II)を添加し、50〜80℃の温度で反応させればよい。また、反応を促進するためにジブチルチンスズラウレート等の公知の触媒を添加することもできる。
【0011】
かかるアクリロイル基含有ヒドロキシ化合物(II)としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシプロピルフタレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、上記アクリロイル基含有ヒドロキシ化合物にε−カプトラクトンを開環付加した化合物等が挙げられ、好適には2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートが使用される。
【0012】
本発明では感光性樹脂組成物層中のベースポリマーとして、カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル系樹脂(A)単独のみならず、かかる樹脂以外に軟化温度が30℃以上の高分子化合物、特にカルボキシル基含有アクリル系樹脂、カルボキシル基含有セルロース誘導体等任意のものが1種又は2種併用して使用可能である。かかる併用により感光性樹脂組成物層をドライフイルムレジストの形態で使用する場合、特に該ドライフイルムレジストをロール状に巻き取って保存する際に、ロール端部からの感光性樹脂組成物層のエッジフュージョンが効率良く防止できる効果が期待できる。
カルボキシル基含有アクリル系樹脂あるいはカルボキシル基含有セルロース誘導体を併用する場合、その混合量はカルボキシル基を含有しないウレタンアクリル系樹脂に対して50重量%以下、好ましくは3〜40重量%が適当である。
【0013】
上記で言うカルボキシル基含有アクリル樹脂は、主として(メタ)アクリル酸アルキルエステルとエチレン性不飽和カルボン酸との共重合体である。
該(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくはメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの使用が有用である。
【0014】
エチレン性不飽和カルボン酸としては(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、アコニット酸、ケイ皮酸、モノアルキルマレート、モノアルキルフマレート、モノアルキルイタコネート、無水シトラコン酸、シトラコン酸等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸である。
【0015】
アクリル樹脂を共重合によって製造する時に、他の共重合可能なモノマーを併用することもでき、該モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有不飽和モノマー、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有不飽和モノマー、(メタ)アクリルアミド、N−(メタ)アクリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビニルピロリドン、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン等が挙げられ、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、スチレンが有用である。
軟化感度の調整は共重合モノマーの種類や重合度を調節することによって達成される。
尚、軟化温度の測定は熱機械的分析機(パーキンエルマー社製:TMA7)を使用し、0〜200℃の温度範囲、10℃昇温、110mN荷重の条件にて測定する。
【0016】
又カルボキシル基含有セルロース誘導体としてはヒドロキシプルピルメチルセルロースアセテート、ヒドロキシプルピルメチルセルロースアセテートサクシネート、セルロースアセテートヘキサヒドロフタレート、ヒドロキシプルピルメチルセルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプルピルメチルセルロースヘキサヒドロフタレート等が代表例として例示される。
【0017】
本発明では更に上記ウレタンアクリル系樹脂(A)の使用時には、光重合開始剤(B)が併用される。(B)としては特に限定されず、公知の光重合開始剤を用いることができるが、P,P′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P,P′−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、ベンジルジフェニルジスルフィド、ベンジルジメチルケタール、ジベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ナフトキノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ベンゾフェノン、ジクロロアセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベゾスパロン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、トリブロモフェニルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホンが挙げられる。
【0018】
又2,4,6−[トリス(トリクロロメチル)]−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4’−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4’−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(ピペロニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4’−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、アクリジン及び9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o−メトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メトキシフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,4,2’,4’−ビス[ビ(p−メトキシフェニル)]−5,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5,4’,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(p−メチルチオフェニル)−4,5,4’,5’−ジフェニル−1,1’−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)−1,1’−ビイミダゾール等や特公昭45−37377号公報に開示される1,2’−、1,4’−、2,4’−で共有結合している互変異性体等のヘキサアリールビイミダゾール誘導体、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、そのほかにも2−ベンゾイル−2−ジメチルアミノ−1−[4−モルフォリノフェニル]−ブタンなどを挙げることができ、好ましくはヘキサアリールビイミダゾール誘導体の使用が有利である。
【0019】
光重合開始剤(B)の配合量としては、(A)100重量部に対して0.1〜20重量部、より望ましくは、1〜7重量部である。かかる配合量が0.1重量部未満では感度が著しく低下して良好な作業性が得られず、逆に20重量部を越えると感光性樹脂組成物をドライフイルムフォトレジスト(DFR)化して製品化したときの保存安定性が低下して好ましくない。
【0020】
更に本発明においては、ロイコ染料(C)を含有することも好ましく、かかるロイコ染料(C)としては、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)メチレンジルチオフェニルメタン、ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−o−トリル)ベンジルチオフェニルメタン、ロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ロイコダイアモンドグリーン等が挙げられ、中でもロイコクリスタルバイオレット、ロイコマラカイトグリーン、ロイコダイアモンドグリーンの1種または2種以上が好適に用いられる。かかるロイコ染料(C)の配合量は、(A)100重量部に対して0.05〜3重量部、より望ましく0.1〜1重量部である。かかる配合量が0.05重量部未満では感度が著しく低下して良好な作業性が得られず、逆に3重量部を越えるとDFR化したときの保存安定性が低下して好ましくない。
【0021】
本発明で使用する感光性樹脂組成物には、上記の(A)〜(C)以外に、エチレン性不飽和化合物が併用されても良く、かかる化合物の具体例として2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロピルフタレート、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、フタル酸誘導体のハーフ(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等の単官能モノマーが挙げられる。
【0022】
又エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA型ジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、フタル酸ジグリシジルエステルジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の2官能モノマー、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリロイルオキシエトキシトリメチロールプロパン、グリセリンポリグリシジルエーテルポリ(メタ)アクリレート等の3官能以上のモノマーなどのエチレン性不飽和化合物を配合することもできる。
【0023】
かかるエチレン性不飽和化合物の配合量は、(A)100重量部に対して、0〜20重量部が好ましく、更には0〜10重量部で、かかる配合量が20重量部を越えると硬化レジストが硬くなり過ぎて、耐サンドブラスト性の低下を招いて好ましくない。
【0024】
また、そのほかクリスタルバイオレット,マラカイトグリーン,ブリリアントグリーン,パテントブルー,メチルバイオレット,ビクトリアブルー,ローズアニリン,パラフクシン,エチレンバイオレット等の着色染料、密着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、溶剤、表面張力改質材、安定剤、連鎖移動剤、消泡剤、難燃剤などの添加剤を適宜添加することができる。
【0025】
基材面に上記感光性樹脂組成物層を設ける方法としては特に制限はないが、該感光性樹脂組成物はこれをポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルムなどのベースフィルム面に塗工した後、その塗工面の上からポリエチレンフィルム、ポリビニルアルコール系フィルムなどの保護フィルムを被覆してDFRとした形状での使用が有利である。勿論ディップコート法、フローコート法、スクリーン印刷法等の常法により、基材上に直接塗工し厚さ1〜150μmの感光層を容易に形成することもできる。塗工時にメチルエチルケトン、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、シクロヘキサン、メチルセルソルブ、塩化メチレン、1,1,1−トリクロルエタン等の溶剤を併用することもできる。
【0026】
DFRを使用して画像を形成させるため基材面に感光性樹脂組成物層を設けるには、ベースフィルムと感光性樹脂組成物層との接着力及び保護フィルムと感光性樹脂組成物層との接着力を比較し、接着力の低い方のフィルムを剥離してから感光性樹脂組成物層の側を基材に貼り付ける。
【0027】
次いで、他方のフィルム上にパターンマスクを密着させて露光する。感光性樹脂組成物が粘着性を有しないときは、前記他方のフィルムを剥離してからパターンマスクを感光性樹脂組成物層に直接接触させて露光することもできる。
露光は通常紫外線照射により行い、その際の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプなどが用いられる。
露光量は500〜10000J/m2程度が実用的である。
紫外線照射後は、必要に応じ加熱を行って、硬化の完全を図ることもできる。
【0028】
引き続いて、本発明の最大の特徴であるサンドブラスト加工を行う。
まず露光後のレジスト上のフィルムを剥離除去してから、未露光部分を直接サンドブラスト加工行うのが特徴であり、この方法により基材へのサンドブラスト研削を深くしてもその凸部の形状に悪影響を及ぼさないで、ピッチ幅やスペース幅の小さい細線パターンを形成することが可能となるのである。
【0029】
サンドブラスト加工は粒子径が0.1〜100μm程度のSiC、SiO2、Al2O3等を用いて、ブラスト圧0.05〜10MPaで吹き付けることにより実施される。
最終用途によって未露光部分のみをサンドブラスト研削したり、未露光部分ばかりでなく更にその下部の基材を研削する。前者はプリント配線基板の製造等に、後者はPDPの隔壁や電極形成、セラミックの加工、SiC基板の加工、シリコーンウエハーのダイシングやPZT(圧電素子)の加工、ガラスの食刻等で採用される。
【0030】
かかる加工により基材面に凹凸模様が形成され、次に凸部表面に残存している硬化レジスト(露光部分)の剥離を行う。
硬化レジストのパターンの剥離除去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの0.1〜5重量%程度の濃度のアルカリ水溶液からなるアルカリ剥離液を用いて行う。また、アルカリ水溶液で剥離させる代わりに、硬化レジストのパターンを焼失させることも可能である。
【0031】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。
なお、実施例中「%」、「部」とあるのは、断りのない限り重量基準を意味する。
実施例1
(カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂の調製)
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200g(0.9mol)、酢酸エチル373g及び分子量1000のポリエチレングリコール600g(0.6mol)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で反応させ、残存イソシアネート基が2.3%となった時点で温度を下げ始め、60℃に下がったところで2ーヒドロキシエチルアクリレート71g(0.6mol)を加えて60℃で反応を継続した。残存イソシアネート基が0.3%となった時に反応を終了して、カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂(A1)を得た。
上記で得られたカルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂(A1)のイソシアネート含有率は0.3%、酸価は0mgKOH/g、樹脂分は72%であった。
【0032】
(ドープの調製)
上記のカルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂(A1)溶液139部[固形分換算でウレタンアクリル樹脂(A1)100部]、2,2−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4’,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール4部、ロイコクリスタルバイオレット1部、p,p’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.2部、マラカイトグリーン0.05部、及びメチルエチルケトン45部を配合してよく混合し、ドープを調製した。
【0033】
(DFRの作製)
次にドープを、ギャップ6ミルのアプリケーターを用いて厚さ20μmのポリエステルフィルム上に塗工し、室温で1分30秒放置した後、60℃、90℃、110℃のオーブンでそれぞれ3分間乾燥して、感光性樹脂組成物層の膜厚40μmのDFRとした(ただし保護フィルムは設けていない)。
【0034】
(サンドブラスト加工による未露光部の現像能及び基材の研削加工能評価)
このDFRをオーブンで60℃に予熱した3mm厚のガラス基板上に、ラミネートロール温度50℃、同ロール圧0.2PMa、ラミネート速度0.5m/minにて感光性組成物層が基材に接するようにラミネートした。
【0035】
ラミネート後、室温に10分間放置することにより除熱し、オーク製作所製平行露光機「EXM−1201」にて露光を行った。使用したパターンマスクは▲1▼ライン幅が20から50μmまで5μm毎に設けられ、スペース幅が400μmのもの、▲2▼ライン幅が50から100μmまで10μm毎に設けられ、スペース幅が400μmのものである。又、露光量は5000J/m2である。
【0036】
露光後、ポリエステルフイルムを剥がし、不二製作所社製の「PNEUMA BLASTER」(ハイパーノズル、エアー圧:0.2MPa、切削材:SiC#600[平均粒径:23μm]、粉体供給量:110g/min)を用いて、ガン高さ2cm、ガン移動幅24cm、ガン移動速度20m/minの条件でサンドブラスト加工を行って未露光部の現像性及び基材の研削加工性を下記にてそれぞれ評価した。
【0037】
[現像能]
◎:未露光部分をサンドブラスト加工(又はアルカリ現像)した時に、30μm未満の細い露光部が形成できた
○:上記加工時に30μm以上で50μm未満の露光部が、膜厚減30%以内で形成できた
△:上記加工時に30μm以上で50μm未満の露光部が形成できたが、膜厚減が30%を越えた
×:上記加工時に50μm以上の露光部しか形成できなかった
【0038】
[加工能]
◎:ガラスが100μm彫れる条件でサンドブラスト加工した時に、50μm以下の細線部の加工ができた
○:ガラスが100μm彫れる条件でサンドブラスト加工した時には不可であったが、50μm彫れる条件でサンドブラスト加工した時に、50μm以下の細線部の加工ができた
△:ガラスが100μm彫れる条件でサンドブラスト加工した時には不可であったが、50μm彫れる条件でサンドブラスト加工した時に、50μmより太く100μm以下の細線部の加工ができた
×:ガラスが50μm彫れる条件でサンドブラスト加工しても100μmより太い細線部の加工しかできなかった。又はサンドブラスト加工中に細線部が消滅することも起こった
【0039】
更に、サンドブラスト加工後の硬化レジスト500μm角部の剥離状態(40℃の3%水酸化ナトリウム水溶液を0.12MPaの圧力でスプレー)も下記にて評価した。
◎:5分以内に硬化レジスト膜が剥離した
○:5分を越え7分以内に硬化レジスト膜が剥離した
△:7分を越え10分以内に硬化レジスト膜が剥離した
×:硬化レジスト膜の剥離時間が10分を越えた
これらの評価結果を表1に示す。
【0040】
実施例2
(カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂の調製)
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコにヘキサメチレンジイソシアネート168g(1.0mol)、酢酸エチル330g及び分子量650ポリテトラメチレングリコール487.5g(0.75mol)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で反応させ、残存イソシアネート基が2.5%となった時点で温度を下げ始め、60℃に下がったところでεーカプトラクトン変性2−ヒドロキシアクリレート(ダイセル化学社製「Placcel FA−1」)115g(0.5mol)を加えて60℃で反応を継続した。残存イソシアネート基が0.3%となった時に反応を終了して、カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂(A2)を得た。
上記で得られたカルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂(A2)溶液のイソシアネート含有率は0.3%、酸価は0mgKOH/g%であった。
上記樹脂(A2)溶液を用いて、実施例1と同じ実験を行った。評価結果を表1に示す。
【0041】
実施例3
(カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂の調製)
温度計、攪拌機、水冷コンデンサー、窒素ガス吹き込み口を備えた4つ口フラスコにイソホロンジイソシアネート200g(0.9mol)、酢酸エチル516.2g及び分子量2000のポリカプロラクトンジオール(ダイセル化学社製「Placcel 220N」)900g(0.45mol)を仕込み、窒素雰囲気下、80℃で反応させ、残存イソシアネート基が2.7%となった時点で温度を下げ始め、60℃に下がったところで2−ヒドロキシエチルアクリレート104.4g(0.9mol)を加えて60℃で反応を継続した。残存イソシアネート基が0.3%となった時に反応を終了して、カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル樹脂(A3)溶液を得た。
得られた(A3)のイソシアネート含有率は0.3%、酸価は0mgKOH/gであった。
上記樹脂(A3)溶液を用いて、実施例1と同じ実験を行った。評価結果を表1に示す。
【0042】
実施例4〜6
実施例1〜3の実験において、サンドブラスト加工条件を、エアー圧:0.4MPa、切削材:アルミナ#800[平均粒径:16μm]、粉体供給量:220g/minに変更した以外は実施例1と同じ実験を行った。
評価結果を表1に示す。
【0043】
比較例1
実施例1において、露光後の基材を0.3%炭酸ナトリウム水溶液を用い30℃、スプレー圧0.12MPaで1時間、未露光部分がすべて除去されるまでアルカリ現像してから、サンドブラスト加工を行った。
評価結果を表1に示す。
【0044】
【0045】
【発明の効果】
本発明では基材面に設けた、カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル系樹脂を含む感光性樹脂組成物層にパターンマスクを介して露光を行った後、未露光部分又は未露光部分と該未露光部分の下部の基材面をサンドブラスト加工して、凹凸模様を生成させることにより、基材のサンドブラスト研削を深くしてもその凸部の形状に悪影響を及ぼすことなく、ピッチ幅の小さい細線パターンを形成することが可能である。
Claims (3)
- 基材面に設けた感光性樹脂組成物層にパターンマスクを介して露光を行った後、未露光部分又は未露光部分と該未露光部分の下部の基材面をサンドブラスト加工して、凹凸模様を形成させるにあたり、カルボキシル基を含有しないウレタンアクリル系樹脂をベースポリマーとして含む、感光性樹脂組成物層(但し、感光性樹脂組成物には無機物質を含まない。)を使用することを特徴とするパターン形成方法。
- パターンマスクを介して露光を行った後、未露光部分をアルカリ現像することなく直ちに未露光部分又は未露光部分と該未露光部分の下部の基材面を、サンドブラスト加工することを特徴とする請求項1記載のパターン形成方法。
- 感光性樹脂組成物層がドライフイルムフォトレジストであることを特徴とする請求項1または2記載のパターン形成方法。
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