JP4315482B2 - 遊技用システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった遊技結果価値を精算可能な遊技用システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の遊技用システムとして従来から一般的に知られているものに、たとえば、遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった遊技結果価値を精算可能な遊技用システムがあった。
【0003】
かかる遊技用システムを導入する遊技場の中には、遊技媒体の貸出しを受ける際の貸出レートを遊技者自身が選択可能な貸出レート選択方式による遊技を提供する遊技場がある。貸出レート選択方式による遊技を提供する遊技場においては、たとえば安い貸出レートによって行なわれた遊技の結果遊技者の所有となった遊技結果価値の精算にあたっては、通常の貸出レートによる場合に比べて低い交換率でこれを精算するようにして貸出レートと精算とのバランスが図られていた。かかる貸出レート選択方式を採用し、たとえば、通常の貸出レートによる遊技を提供する一方、これに対してたとえば半額の貸出レートによる遊技を提供することにより、遊技の結果得られる利益よりもどちらかいえば遊技行為自体を楽しむことを目的として遊技を行なう者が比較的安い料金で多くの遊技媒体を使用して比較的長時間遊技を行なうことができるようになる。このため遊技場は、貸出レート選択方式を採用することにより、時間潰しの目的で遊技を行なう者等、幅広い客層による支持を得られ、より多くの集客を期待できるようになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、複数の貸出レートで遊技を提供する場合には、上述のように貸出レートと精算とのバランスを図る必要があり、貸出レートに応じた態様で遊技結果価値が精算されるようにしなければならない。たとえば、安い貸出レートによる遊技の結果、遊技者の所有となった遊技結果価値が通常の貸出レートの場合と同一の交換率で所定の景品等と交換されてしまうのでは遊技場に不利益が生じる一方、逆の場合には遊技者に不利益が生じることになるためである。
【0005】
このため、従来においては、貸出レートを管理できるようにするために、たとえば遊技機設置島等のエリア毎に遊技媒体の貸出レートを分け、各エリアの貸出レートに対応した精算手段の一例となるジェットカウンタを各エリア毎に設ける等の措置が講じられていた。また、それでもなお遊技者がジェットカウンタを誤って使用したり、あるいは不正行為を行なうことを防止するために、遊技場の店員が常時監視にあたっていた。したがって、従来においては、遊技機設置島ごとにジェットカウンタが必要となって設備経費が増大するとともに人的経費も増大し、さらには、遊技場内における遊技機等のレイアウトが制限されてしまうという不都合があった。
【0006】
一方、遊技者は特定の機種の遊技機で任意の貸出レートによる遊技を行ないたくとも、その遊技機が希望の貸出レート以外の遊技機設置島に配置されている場合には、希望通りの貸出レートで遊技を行なうことができないという不都合が生じていた。
【0007】
ところで、前記遊技用システムの中には、たとえば、ジェットカウンタで代表される精算手段が遊技機設置島に配設された複数の遊技機に個別に対応して複数設けられているような遊技用システムがある。この種の遊技用システムでは、遊技機で得られた遊技結果価値をいずれのジェットカウンタで精算するのかが明確に定められている。そこで、かかるシステムの特徴を利用して前記貸出レート選択方式による遊技を円滑に提供することが望まれる。
【0008】
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、特に、精算手段が遊技機に対応して設けられているようなシステム構成下において異なる貸出レートによる遊技を提供するに際し、遊技場での管理運用を容易にしつつ、かつ、遊技者の利便性を向上させることが可能な遊技用システムを提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の本発明は、遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった遊技結果価値を精算可能な遊技用システムであって、
前記遊技媒体の貸出レートを遊技者が選択可能な貸出レート選択手段と、
前記遊技媒体の貸出レートを特定するための情報が記録された記録媒体を受付ける記録媒体受付手段と、
前記貸出レート選択手段の操作に基づいた前記貸出レートを前記記録媒体受付手段により受付けられている前記記録媒体の記録情報によって特定可能に記憶する貸出レート記憶手段と、
前記貸出レート記憶手段に記憶された貸出レートで前記遊技媒体を貸出すことが可能な遊技媒体貸出手段と、
前記遊技機による遊技者の遊技状況を含む所定情報に基づいて当該遊技者の所有となった前記遊技結果価値の大きさを特定するための遊技結果価値特定手段と、
遊技機に対応して設けられ、前記遊技媒体貸出手段で貸出された遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった前記遊技媒体を計数する計数手段と、
前記計数手段の計数結果と前記貸出レート記憶手段に記憶された貸出レートとに応じた精算後の遊技結果価値の大きさを特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体を発行する価値特定用記録媒体発行手段とを含み、
前記貸出レート記憶手段は、前記記録媒体受付手段に前記記録媒体が再度受付けられることによって、前記貸出レート選択手段の再度の操作に基づいた前記貸出レートを前記記録媒体の記録情報によって改めて特定可能に記憶し、
前記価値特定用記録媒体発行手段は、前記計数手段の計数値が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数に満たないときに、前記価値特定用記録媒体の発行を禁止することを特徴とする。
【0011】
請求項2に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定数以上超える場合に、当該計数手段の計数動作を途中で不能動化する制御が可能な計数不能動化制御手段を含むことを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の本発明は、請求項1に記載の発明の構成に加えて、前記計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定以上超える場合に、当該所定以上の大きさの超過価値を前記計数手段が計数する遊技媒体の数から差し引いて精算後の遊技結果価値を算出し、算出した遊技結果価値を特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体を前記価値特定用記録媒体発行手段から発行させる制御を行なう超過価値減算発行制御手段を含むことを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の本発明は、請求項3に記載の発明の構成に加えて、前記超過価値相当の遊技媒体を遊技者に返却可能な遊技媒体返却手段を含むことを特徴とする。
【0014】
【作用】
請求項1に記載の本発明によれば、記録媒体受付手段の働きにより、遊技媒体の貸出レートを特定するための情報が記録された記録媒体が受付けられる。貸出レート記憶手段の働きにより、貸出レート選択手段の操作に基づいた前記貸出レートが前記記録媒体受付手段により受付けられている前記記録媒体の記録情報によって特定可能に記憶される。遊技媒体貸出手段の働きにより、前記貸出レート記憶手段に記憶された貸出レートで遊技媒体が貸出される。遊技結果価値特定手段の働きにより、前記遊技機による遊技者の遊技状況を含む所定情報に基づいて当該遊技者の所有となった前記遊技結果価値の大きさが特定される。前記遊技機に対応して設けられた計数手段の働きにより、前記遊技媒体貸出手段で貸出された遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった前記遊技媒体が計数される。価値特定用記録媒体発行手段の働きにより、前記計数手段の計数結果と前記貸出レート記憶手段に記憶された貸出レートとに応じた精算後の遊技結果価値の大きさを特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体が発行される。
前記貸出レート記憶手段の働きにより、前記記録媒体受付手段に前記記録媒体が再度受付けられることによって、前記貸出レート選択手段の再度の操作に基づいた前記貸出レートが前記記録媒体の記録情報によって改めて特定可能に記憶される。前記価値特定用記録媒体発行手段の働きにより、前記計数手段の計数値が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数に満たないときに、前記価値特定用記録媒体の発行が禁止される。
【0016】
請求項2に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、計数不能動化制御手段の働きにより、計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定数以上超える場合に、当該計数手段の計数動作が途中で不能動化する制御が行なわれる。
【0017】
請求項3に記載の本発明によれば、請求項1に記載の発明の作用に加えて、超過価値減算発行制御手段の働きにより、前記計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定以上超える場合に、当該所定以上の大きさの超過価値を前記計数手段が計数する遊技媒体の数から差し引いて精算後の遊技結果価値を算出し、算出した遊技結果価値を特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体を前記価値特定用記録媒体発行手段から発行させる制御が行なわれる。
【0018】
請求項4に記載の本発明によれば、請求項3に記載の発明の作用に加えて、遊技媒体返却手段の働きにより、前記超過価値相当の遊技媒体が遊技者に返却される。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。まず、第1実施形態(図1〜図14)を説明した後、第2実施形態(図15〜図19)、第3実施形態(図20〜図23)、第4実施形態(図20、図24〜図26)を順に説明する。
【0020】
第1実施形態
図1は、本発明に係る遊技用システム(第1実施形態)を遊技場1に適用した場合のシステム構成を説明するためのシステムブロック図である。遊技場1には遊技機(パチンコ遊技機)9を複数台配設可能な遊技機設置島3が構成されている。図示する遊技機設置島3には、複数の遊技機9のうちの1台が示されている。さらに遊技機設置島3には各遊技機9に対応して、計数カード発行機6、カードユニット8、ジェットカウンタ10、制御装置13が配設されている。
【0021】
カードユニット8は、プリペイドカード(PC)11のカード度数を引落として遊技機9の上皿91(図2参照)に貸玉を貸出す装置である。ジェットカウンタ10は、遊技機9から払出された賞球等を計数するための個別ジェットカウンタであって遊技機設置島3に固定されている。計数カード発行機6は、ジェットカウンタ10の計数結果を精算し計数カードを発行するとともに遊技機9から各種遊技情報を収集する。制御装置13は、遊技機9から差玉等の遊技情報を収集するとともに遊技機9の打止制御等を行なう。
【0022】
さらに遊技場1には、プリペイドカード11を販売するカード販売機4、計数カードを受付けて景品交換を行なう景品処理装置5、遊技場管理装置(ホール用管理コンピュータ)2等が配設されている。また、図示を省略しているが、遊技場1にはプリペイドカード管理会社との通信を中継する中継装置が設置されている。プリペイドカード管理会社は、プリペイドカード11を集中管理するとともに各遊技場1へプリペイドカード11を納入している。
【0023】
次に、図1を参照しつつ本システムの概要について、遊技者が遊技を行なう手順に沿って説明する。まず、玉貸しに必要なプリペイドカード11は、カード販売機4で購入する。現金の投入と引換えにカード販売機4から発行されるプリペイドカード11には、パチンコ玉の貸出しに使用できる貸出価値の一例となるカード度数情報と、各プリペイドカード11を識別するための識別情報(ID)の一例となるカードナンバーが記録されている。
【0024】
また、カード販売機4でプリペイドカード11が発行された場合には、カード発行情報が遊技場管理装置2と中継装置(図示省略)へ出力される。その他、カード販売機4から遊技場管理装置2へは、カード切れ情報、釣銭切れ情報等が出力される。
【0025】
カードユニット8にプリペイドカード11を挿入すれば、プリペイドカード11の記録情報がカードユニット8で読出される。カードユニット8には、貸玉料(貸玉レート)を遊技者が選択可能な操作部8bが設けられている。ここで、貸玉料(貸玉レート)とは、パチンコ玉1発を貸出すのに必要な貸玉単価である。
【0026】
特にこの実施形態では、貸玉料を一般的な「4円」とするか、その半額の「2円」とするかがカードユニット8で選択可能とされている。遊技者がプリペイドカード11をカードユニット8に挿入の上、貸玉料を選択すれば、選択された貸玉料がそのプリペイドカード11に記録されているカードナンバーとともにカードユニット8に一時的に登録され、登録情報として記憶される。登録された貸玉料は貸玉料情報として制御装置13へ出力され記憶される。
【0027】
一般的に使用される貸玉料は、たとえば4円程度であるが、カードユニット8で貸玉料を2円に設定すると、貸玉料を4円に設定した場合と比較して同じカード度数で2倍のパチンコ玉の玉貸しを受けることができる。ただし、遊技を行なった結果所有したパチンコ玉は貸玉料が4円の場合には2.5円であるのに比較してその半額で景品と交換されることになる。したがって、貸玉料として通常の4円の半額の2円を選択することにより、貸玉料が4円の場合に比較して遊技の結果所有した同数のパチンコ玉を精算して得られる利益は少なくなるものの、より多くの貸玉を受けて比較的長時間遊技を楽しむことができるようになる。なお、貸玉操作によりパチンコ玉が貸出されれば、貸出額を特定可能な貸出情報がカードユニット8から遊技場管理装置2へ出力される。
【0028】
遊技機9で遊技が開始されれば、各種遊技情報が遊技機9から計数カード発行機6へ出力される。計数カード発行機6は各種遊技情報を集計して遊技場管理装置2へ集計結果を出力する。遊技の途中あるいは遊技終了時にジェットカウンタ10で持玉が計数されれば、ジェットカウンタ10から制御装置13へ計数結果が出力される。制御装置13は、この計数結果を累積的に記憶する。
【0029】
持玉のすべてがジェットカウンタ10で計数された後、計数カード発行機6で計数カードを発行する操作が行なわれれば、計数カード発行操作情報が制御装置13に入力される。制御装置13は、この計数カード発行操作情報が入力されることに基づいて内部に累積的に記憶している計数値(計数結果)を計数カード発行機6へ出力した後、その計数値を0にリセットする。なお、貸玉料が通常額(4円)の半額(2円)で遊技が行なわれていた場合(以下、半額遊技という)には、内部に記憶している計数値をその半値に減算し、減算後の値を計数値として計数カード発行機6へ出力する。
【0030】
計数カード発行機6は、制御装置13より入力された計数値に基づいて、計数カードを発行する。計数カードには、制御装置13より入力された計数値を特定可能な情報が記録されている。
【0031】
計数カードの発行を受けた遊技者がその計数カードを景品処理装置5に挿入すれば、計数カードに記録された計数値の価値範囲内で景品交換を行なうことが可能とされる。景品処理装置5で景品交換が行なわれれば、景品交換に使用された計数値や景品の種類を特定可能な情報が遊技場管理装置2へ出力される。
【0032】
以上のシステム構成によれば、同一の遊技機設置島あるいは遊技機で異なる貸玉料によってパチンコ玉を貸出して遊技を提供することが可能となる。これにより、特定の機種の遊技機で任意の貸玉料による遊技を行ないたくとも、その遊技機が希望の貸玉料以外の遊技機設置島に配置されているために、希望通りの貸玉料で遊技者が遊技を行なうことができないなどという不都合を解消でき、遊技者にとっての利便性を向上できる。
【0033】
また、以上のシステム構成によれば、貸玉料に応じた複数種類のジェットカウンタを遊技場1内に用意して、遊技者に貸玉料に応じたジェットカウンタで精算を行なうことを義務づける必要がなくなる。
【0034】
図2は、遊技機9の設けられた遊技機設置島3の一部を示す正面図である。遊技機設置島3には、複数の遊技機9が並列して設置されており、各遊技機9の間には、それぞれの遊技機9に対応した玉返却装置12とカードユニット8とが設けられている。
【0035】
また、遊技機9の下部には、遊技機9から払出されたパチンコ玉を一時的に貯留可能なジェットカウンタ10が設けられている。このジェットカウンタ10は、各遊技機9に対応した個別ジェットカウンタであり、遊技機設置島3に固定されている。ジェットカウンタ10は、遊技機設置島3の内部に設けられた玉回収樋(図示省略)と連通しており、遊技者が玉計数レバー10bをスライド操作することによりジェットカウンタ10内に一時的に貯留されたパチンコ玉が玉計数器10c(図3参照)で計数され、その計数値がジェットカウンタ10の玉数表示部10aに累積して表示される。なお、玉計数器10cで計数されたパチンコ玉は玉回収樋に回収される。
【0036】
さらに、各遊技機9の上部には、計数カード発行機6が設けられている。計数カード発行機6には、計数カード発行機6に設けられた各種スイッチの操作手順の表示や遊技場の係員を呼出した際にその旨の報知表示が行なわれる表示部(呼出ランプ)6d、計数カード発行口6a、操作部6bおよび6c等が設けられている。
【0037】
プリペイドカード11をカードユニット8のカード挿入口8aに挿入の上、遊技者が遊技機9で所定の玉貸操作を行なうと、プリペイドカード12から貸玉料に応じたカード残高が引落されて、引落残高に相当する数のパチンコ玉がカードユニット8の遊技機9への指令に応じて遊技機9の賞球貸玉払出機構(図示省略)により遊技機9の上皿91に貸出される。
【0038】
図2では詳細な図示を省略しているが、遊技機9には、複数種類の図柄の可変表示が行なわれるいわゆる可変表示装置や可変入賞球装置、その他、入賞口等が設けられている。たとえば、打玉が遊技機9の遊技領域に設けられた所定の始動入賞口に始動入賞することに基づいて可変表示装置の可変表示結果が導出表示される。始動入賞が発生すれば、遊技機9から始動入賞情報が出力される。可変表示装置の表示結果が予め定められた大当り図柄の組み合わせ(たとえば777等)となれば、大当りが発生して可変入賞球装置に打玉を入賞させることが可能な大当り制御が開始される。また、大当たりの発生に伴って遊技機9から大当たり情報が出力される。さらに大当り図柄の中でも特に定められた確変図柄で大当りが発生した場合には、その後、大当り確率が高くなる確変(確率変動)が発生する。この確変は、たとえばその後大当りが2回発生するまで継続し、2回目の大当り制御終了後に大当り確率が通常のものに復帰する。確変(確率変動)が発生すれば、その確率変動状態が終了するまで継続的に確変情報が遊技機9から出力される。可変入賞球装置やその他の入賞口にパチンコ玉が入賞すれば、パチンコ遊技機9から所定数の賞品玉が払出される。
【0039】
可変入賞球装置やその他の入賞口にパチンコ玉が入賞すれば、遊技機9の上皿91に所定数の賞品玉が払出される。そして上皿91をオーバフローするパチンコ玉は自動的に下皿92へ落入する。下皿92には、パチンコ玉をジェットカウンタ10へ移動させるための下皿玉抜レバー93が設けられている。遊技者が必要に応じて下皿玉抜レバー93をスライド操作することにより、下皿92に貯留されているパチンコ玉がジェットカウンタ10へ案内される。ジェットカウンタ10に設けられた玉計数レバー10bをスライド操作すれば、ジェットカウンタ10内のパチンコ玉が回収されて計数され、玉数表示部10aに表示されている計数値が加算更新される。
【0040】
遊技中に持玉が残り少なくなった場合には、再度、玉貸操作を行なって貸玉を上皿91に補充してやる必要がある。しかしながら、遊技者が計数値を所有している場合には、この計数値を引落として玉返却口12aからパチンコ玉の返却を受けることも可能である。玉返却装置12には、計数値を引落としてパチンコ玉の返却を受けるための玉返却スイッチ12bが設けられており、遊技者がこの玉返却スイッチ12bを操作することにより、計数値が引落されて玉数表示部10aの計数値が減算表示され、玉返却口12aからパチンコ玉が上皿91に供給される。
【0041】
持玉を最終的に精算するためには、すべての持玉をジェットカウンタ10で計数した後、計数カード発行機6の操作部6cを押圧操作すればよい。操作部6cを押圧操作することにより、玉数表示部10aに表示されている計数値を特定可能な情報の記録された計数カードが計数カード発行口6aより発行される。なお、貸玉料が通常額(4円)の半額(2円)であった場合には、計数カードには玉数表示部10aに表示されている計数値の半値が記録されている。また、計数カード発行の際に操作部6cではなく操作部6bを押圧した場合には、遊技者が獲得した計数値のうち、たとえば計数値を特殊景品と交換する際に生ずる端数分を除いた計数値のみが計数カードに記録して発行され、端数はたとえば玉返却口12aからパチンコ玉として返却される。
【0042】
ところで、遊技機9で大当りが発生すると多量のパチンコ玉が払出される可能性があるため、遊技の射倖性を抑制するなどの目的からいわゆる持玉遊技を遊技場側が制限する場合がある。持玉遊技とは、大当りが発生することに基づいて払出されたパチンコ玉を大当り終了後の遊技に継続して使用することをいう。本実施形態では、この持玉遊技を制限する方式(持玉遊技方式)としてたとえば、大当り制御が1回終了する毎に遊技者にパチンコ玉の精算を義務づける1回交換方式と、遊技機9で確変(確率変動)が生じている期間中は持玉遊技を許容し、確変終了後にパチンコ玉の精算を義務づける確変ラッキー方式とのうち、どちらかを設定部15(図3参照)の設定操作により選択可能である。なお、持玉遊技を無制限に許容する無制限方式とすることもできる。
【0043】
図3は、遊技機設置島3のシステムブロック図である。図3には各装置間で送受信される主な情報が示されている。図3を参照して各装置間で送受信される情報の流れと各装置の制御動作について詳細に説明する。
【0044】
まず、カードユニット8にプリペイドカード11を挿入すれば、プリペイドカード11の記録情報がカードユニット8で読出される。遊技者が操作部8bを操作して貸玉料を選択すれば、選択された貸玉料がそのプリペイドカード11に記録されているカードナンバーとともにカードユニット8に登録され、記憶される。この際、カードユニット8から制御装置13へ貸玉料を特定可能な貸玉料情報(貸玉料選択情報)が出力される。制御装置13はこの情報を内部に記憶して貸玉料を特定する。一旦、カードユニット8で貸玉料が設定されると、そのカードユニット8に対応する遊技機9における遊技者の持玉がなくなったと判断されるまで貸玉料は変更できず、また、プリペイドカード11を排出させることも禁止される。これにより、遊技の途中に貸玉料が変更されてしまい、貸玉料に応じた精算を行なうための処理が複雑化することを防止できる。また、当初貸玉料2円でパチンコ玉の貸出しを受けておき、精算時に貸玉料を4円に変更してその差額で利益をあげるなどという不正行為が行なわれることを防止できる。
【0045】
遊技機9で打玉が打込まれる毎に打込玉数を特定可能な打込玉情報が発生し、賞球や貸玉が払出される毎にその玉数を特定可能な補給玉情報が発生する。これらの補給玉情報および打込玉情報は、遊技機設置島3から制御装置13へ入力される。制御装置13は、補給玉情報と打込玉情報とから次の2種類の差玉(補給玉情報−打込玉情報)を算出してそれぞれを記憶する。1つは、遊技機9の1日当りの差玉であり、遊技場の開店時刻から閉店まで累積的に演算される総合差玉である。総合差玉は、1日毎に「補給玉情報−打込玉情報=(貸玉数+賞球数)−打込玉数」で算出される。もう1つは、1遊技毎の差玉であり、カードユニット8にプリペイドカード11が挿入されて遊技が開始した後当該遊技が終了して計数カード発行機6で遊技結果が精算されるまでの間に入力される補給玉情報と打込玉情報とに基づいた個別差玉である。個別差玉は、1遊技毎に「補給玉情報−打込玉情報=(貸玉数+賞球数)−打込玉数」で算出される。この個別差玉は、その遊技者の遊技開始から現在に至るまでの間で算出された差玉である。遊技中においては、何らかの弾みで賞球が遊技機9の上皿91や下皿92等から床に落ちたりする等するために、個別差玉の数は遊技者が遊技の結果所有している持玉(計数値を含む)の数とは完全に一致するとは限らないが、ある程度の誤差を許容すればこの個別差玉によって遊技者が所有しているはずの持玉数を概略的に特定できる。制御装置13は、この個別差玉により遊技者が所有している持玉の数を予想でき、概略特定可能になる。以降、この個別差玉を概略情報ともいう。なお、制御装置13は、遊技場管理装置2からの出力要求情報に応じて1日当りの総合差玉を特定可能な差玉情報を遊技場管理装置2へ出力する。
【0046】
ジェットカウンタ10の計数レバー10bが操作されてパチンコ玉が玉計数器10cで計数されるごとに、その計数結果を特定可能な計数情報が玉計数器10cから制御装置13に入力される。制御装置7は、この計数情報を累積的にカウントして遊技者所有の計数値を算出する。そして、算出された計数値と内部に記憶している個別差玉とを比較して計数値が個別差玉よりも所定値以上大きくなっていないかどうか判断する。所定値以上大きくなっている場合には、たとえばある遊技機9で貸玉料4円による遊技を行ないつつ、貸玉料2円で貸出しを受けたパチンコ玉をその遊技機9に対応するジェットカウンタ10に混入させて精算する等のような不正行為が行なわれる可能がある。そこで、この場合には、制御装置13からジェットカウンタ10へ計数禁止情報が出力される。ジェットカウンタ10は、計数禁止情報が入力されることに基づいて計数禁止ソレノイド(図示省略)を励磁する。これにより、計数レバー10bが固定されてそれ以上の計数が禁止される。したがって、前述した不正行為が行なわれることを精算前に未然に防止できる。なお、計数禁止情報を出力するとともに遊技場管理装置2へ不正行為が行なわれる可能性のある旨を示す情報を出力するようにして遊技場係員にその旨が報知されるように構成してもよい。
【0047】
遊技機9から計数カード発行機6および制御装置13へは、確率変動情報、大当り情報、始動入賞情報等の遊技情報が遊技状況に応じて出力される。計数カード発行機6および制御装置13はこれらの情報を計数し、必要に応じて遊技場管理装置2へ出力する。
【0048】
遊技の途中に玉返却装置12の玉返却スイッチ12bが操作されれば、玉返却装置12から制御装置13へ玉返却スイッチ情報が出力される。制御装置13は、内部に記憶している計数値が所定値以上であることを条件に、玉返却装置12へ玉返却装置制御情報(玉返却数情報)を出力する。玉返却装置12は、この玉返却装置制御情報に基づいた所定数のパチンコを玉返却口12aから返却する。
【0049】
計数カード発行機6の操作部6cが操作されれば、計数カード発行操作情報が計数カード発行機6から制御装置13へ出力される。この情報を受けた制御装置13は、内部に記憶している計数値と個別差玉とに基づいて遊技者が所有している持玉のすべてが計数されているか否かを判断し、すべてが計数されていない場合には計数カードの発行を禁止すべき旨を示す禁止情報を計数カード発行機6へ出力する。これにより、計数カード発行機6では計数カードの発行処理が中断される。持玉のすべてが計数されていることを条件にして、計数カードの発行を許容するようにしたのは、貸玉料2円で得た持玉の一部のみを計数して形式上の精算を行なった後、貸玉料を4円に変更して遊技を再開することにより、貸玉料2円で払出されたパチンコ玉を貸玉料4円の遊技に使用するとういう不正行為が行なわれることを防止するためである。
【0050】
一方、持玉のすべてが計数されている場合には、計数カードに記録すべき計数値を算出し、これをカードR/W制御情報に含めて計数カード発行機6へ出力する。さらに内部に記憶している計数値(計数カウンタの計数カウンタ値)をリセットするとともに個別差玉を0にリセットし、次回の遊技に備える。また、制御装置13は記憶削除指令情報をカードユニット8へ出力してカードユニット8に挿入されているプリペイドカード11の登録情報を削除させる処理を行なう。これにより、カードユニット8では、挿入されているプリペイドカード11に対して再度貸玉料を選択可能とされる。
【0051】
一方、計数カード発行機6は、カードR/W制御情報の入力に基づいて計数カードを計数カード発行口6aから発行する。計数カードが発行されれば、計数カード発行機6から制御装置7へカードR/W情報が出力される。これにより、制御装置7は計数カードの発行処理が終了したことを把握する。
【0052】
遊技者が遊技機9に設けられたプリペイドカード排出スイッチ(図示省略)を操作すれば、排出許可情報が入力されていることを条件にプリペイドカード11がカードユニット8から排出される。排出許可情報は、制御装置13で遊技者の持玉が存在しないと判断される場合に制御装置13からカードユニット8に入力される情報である。たとえば、計数カードの発行が終了している場合や遊技者が持玉すべてを遊技に使用し尽くしてしまった場合などに排出許可情報が制御装置13からカードユニット8に入力される。
【0053】
なお、設定部15では、遊技機9の持玉遊技方式を設定できる。たとえば遊技場の係員などが予め設定部15に登録されている設定値の中から所望の設定値を選択することにより、持玉遊技方式を1回交換方式、ラッキーナンバー方式、無制限方式のいずれかに設定できる。制御装置13は遊技状態を監視し、設定部15で設定された持玉遊技方式に応じて遊技機9へ打止指令信号を出力して遊技機9を打止状態に制御する。
【0054】
以上のシステム構成によれば、遊技者の持玉が個別差玉により概略特定され、概略特定された持玉の数と実際にジェットカウンタ10で計数されるパチンコ玉の数との間に大きな差があるか否かの判定が行なわれるために、たとえば、貸玉料を4円に設定して遊技機9を占有しつつ、その遊技機9とは異なる遊技機9に対応するカードユニット8を使用して貸玉料2円で貸出しを受けたパチンコ玉を貸玉料を4円に設定されている遊技機9のジェットカウンタ10に投入して貸玉料の差額で利益を受けるという不正行為が行なわれることを防止できる。
【0055】
さらに、遊技者は貸玉料をカードユニット8で選択可能であるために、カード販売機4でプリペイドカード11を販売する時点で貸玉料を定める必要がない。このため、カード販売機4に貸玉料を選択する機能や選択に応じた貸玉料でプリペイドカード11を販売する機能を設ける必要がなく、カード販売機4の構成を極力簡略化できる。また、遊技者はプリペイドカード11を購入する時点で予め貸玉料を選択する必要がなく、実際に遊技を行なう時点で貸玉料を選択可能であるために、利便性が向上される。
【0056】
以上により、異なる貸玉料による遊技を提供するに際して、遊技場での管理運用を容易にしつつ、かつ、遊技者の利便性を向上させることが可能な遊技用システムを提供することができる。
【0057】
図4は、制御装置13の制御内容を説明するためのブロック図である。制御装置13は、制御プログラム133aが記憶されたROM133、補給玉カウンタ132a,打込玉カウンタ132b,計数カウンタ132cなどの各種演算用カウンタなどの記憶されたRAM132、各種演算処理を実行するCPU131、各種情報を入力する入力ポート130、各種情報を出力する出力ポート136、LED回路134、音声合成回路135などから構成されている。
【0058】
出力ポート131からは、打止指令情報、カードR/W制御情報、玉返却装置制御情報、音声情報、計数禁止情報、LED情報、記憶削除指令情報等が出力される。一方、入力ポート130には、補給玉検出情報(補給玉情報)、打込玉検出情報(打込玉情報)、各種遊技情報、貸玉料選択情報、操作スイッチ情報、玉返却スイッチ情報、カードR/W情報、計数情報、設定情報等が入力される。CPU131は、入力ポート130に入力されるこれらの情報に応じて以下のような各種処理を実行する。
【0059】
CPU131は、補給玉検出情報の入力に応じて補給玉カウンタ132aのカウンタ値を加算更新し、打込玉検出情報の入力に応じて打込玉カウンタ132bのカウンタ値を加算更新する。そして、両カウンタを利用して総合差玉と個別差玉とを算出し、それぞれをRAM132内に記憶する。
【0060】
CPU131は、各種遊技情報の入力の有無に基づいて遊技機9の遊技状態を把握する。たとえば、大当り情報の入力により大当り制御が開始したことを把握し、大当り情報の入力停止により大当り制御が終了したことを把握する。確変情報の入力により確変が開始したことを把握し、確変情報の入力停止により確変が終了したことを把握する。CPU131は、これら各種遊技情報を集計し、記憶する。
【0061】
CPU131は、貸玉料選択情報の入力に応じて貸玉料を特定し、これをRAM132内部に記憶する。なお、その後再度貸玉料選択情報の入力があれば、すでに記憶している貸玉料を新たに入力された貸玉料選択情報に基づいて更新する。
【0062】
CPU131は、操作部6c等の操作に応じて入力される操作スイッチ情報(計数カード発行操作情報)に基づいて、計数カードに記録すべき計数値を算出し、これをカードR/W制御情報に含めて計数カード発行機6へ出力する。CPU131は、カードR/W制御情報を出力するとともに記憶削除指令情報をカードユニット8へ出力する。
【0063】
CPU131は、玉返却スイッチ情報の入力に応じてRAM132内部に記憶している計数カウンタ132cの計数値を減算更新し、玉返却装置制御情報を玉返却装置12へ出力する。
【0064】
CPU131は、カードR/W情報の入力に基づいて、計数カードが正常に発行されたか否かなどの計数カード発行機6の制御状況を把握する。
【0065】
CPU131は、計数情報の入力に応じて計数カウンタ132cのカウンタ値を加算更新する。CPU131は、この計数値をジェットカウンタ10の計数表示部10aに表示させるためのLED情報をLED回路134へ出力する。LED回路134はこれをジェットカウンタ10へ出力する。CPU131は、計数カウンタ132cのカウンタ値とRAM132内部に記憶している個別差玉とを比較してカウンタ値が個別差玉よりも所定値以上大きくなっている場合には計数禁止情報をジェットカウンタ10へ出力し、計数を禁止する。
【0066】
CPU131は、設定部15から入力される設定情報に基づいて持玉遊技方式を把握する。そして、ROM133に記憶されている制御プログラム133aの中からその方式に応じた打球禁止・解除プログラムを実行する。すなわち、持玉遊技方式に応じて定められた持玉遊技終了条件が成立すれば、打止指令信号を出力する。なお、遊技者がなおも遊技を継続しようとする場合には、音声合成回路135から音声情報を出力する。これにより遊技機9のスピーカなどから、精算動作を促す報知が行なわれる。
【0067】
図5は、カード販売機4の構成を示すブロック図である。カード販売機4は、制御手段40、操作部41、貨幣受入部42、釣り払出し部43、カードリーダライタ44aを含むカード発行部44、情報送信部45、情報出力部46を含む。なお、情報送信部45は、プリペイドカード11を管理し各遊技場1へプリペイドカード11を納入しているプリペイドカード管理会社の中継装置(図示省略)と情報の送受信が可能に構成されている。
貨幣受入部42に貨幣が受入れられれば金額情報が制御手段40に入力される。カード販売機4には、カード度数の異なる複数種類のプリペイドカード11が予めストックされている。なお、操作部41には、複数種類のプリペイドカード11のうち、いずれを購入するのかを遊技者が選択可能な選択ボタン(図示省略)が各プリペイドカード11に対応して設けられている。制御手段40は、金額情報に基づいて、発行可能なプリペイドカード11の種類を決定する。そして、決定したプリペイドカード11に対応する選択ボタンを点灯させる制御を行なう。点灯中の操作ボタンのうち、いずれかが操作されれば、選択情報が制御手段40へ出力される。制御手段40はこの選択情報に基づいて発行すべきプリペイドカード11を特定し、特定されたプリペイドカード11をカード発行部44へ案内する。カード発行部44に案内されたプリペイドカード11は、カードライタ44aでカードナンバーとセキュリティ情報とが記録された後、発行される。制御手段40は、釣銭を返却する必要がある場合には、釣り払出し部43より釣銭を払出す。また、情報出力部46からは、カード発行情報、カード切れ情報、釣銭切れ情報等の各種情報が遊技場管理装置2へ出力される。さらに制御手段40は、プリペイドカード11が販売される毎に売上額を特定可能な売上情報を情報送信部45を介して中継装置(図示省略)へ出力する。
【0068】
図6は、計数カード発行機6の構成を示すブロック図である。計数カード発行機6は、制御手段60、計数カードの記録情報を処理するカードリーダライタ6a、操作部6c、情報入力部61、情報記憶部62、情報出力部63、通信部64、呼出ランプとして機能するとともに計数カード発行機6の操作手順等を表示する表示部6dを含む。
【0069】
操作部6cの操作があれば制御手段60は計数カード発行操作情報を情報出力部63を介して制御装置13へ出力する。これに対して、制御装置13から情報入力部61には、カードR/W制御情報または発行禁止情報が入力される。制御手段60はカードR/W制御情報に基づいて計数カードに記録すべき計数値を特定する。そして、カードリーダライタ6aを制御して計数カードに計数値を記録させ、計数カードを発行する。一方、制御手段60は発行禁止情報に基づいて計数カードの発行動作を禁止するとともに、表示部6dへ表示制御情報を出力して持玉の計数を促すメッセージを表示部6dに表示させる。
【0070】
遊技機9から情報入力部61には、確変情報、大当り情報、始動情報等の遊技情報が随時入力される。制御手段60はこれらの遊技情報の入力に基づいて大当り回数や確率変動継続回数、始動回数を計数し、計数結果を情報記憶部62へ記憶させる制御を行なう。制御手段60は、たとえば遊技場管理装置2からの情報送信要求に応じて情報記憶部62に記憶されている各種遊技情報を通信部64を介して遊技場管理装置2へ出力する。
【0071】
制御手段60から表示部6dへは、各種表示制御情報が出力される。遊技者が計数カード発行機6で所定の係員呼出操作を行なえば、計数カード発行機6に設けられている呼出ランプを点灯させるための制御が行なわれるとともに情報出力部63を介して呼出情報が島呼出ランプへ出力される。島呼出ランプは、計数カード発行機6が設置されている遊技機設置島毎に対応して設けられており、この島呼出ランプの点灯により遊技場係員への報知が行なわれる。
【0072】
図7は制御装置13の構成を示すブロック図である。制御装置13は、制御手段130、情報入力部131、情報記憶部132、情報出力部133、通信部134を含む。
【0073】
カードユニット8から情報入力部131には、貸玉料選択情報が入力される。制御手段130は、貸玉料選択情報に基づく貸玉料を情報記憶部132に記憶する。遊技機9から情報入力部131には各種遊技情報が入力される。制御手段130は、各種遊技情報を集計し情報記憶部132に記憶する。そして、集計結果を通信部134を介して遊技場管理装置2へ送信する。遊技機9の補給玉情報および打込玉情報が遊技機設置島3から情報入力部131に入力される。制御手段130は、情報入力部131に入力される補給玉情報や打込玉情報を計数し、計数結果を情報記憶部132に記憶する。なお、制御手段130は、補給玉情報および打込玉情報に基づいて個別差玉と総合差玉とを算出し、情報記憶部132に記憶する。
【0074】
ジェットカウンタ10から情報入力部131には、計数情報が入力される。制御手段130は、計数情報に基づいて計数カウンタ132c(図4参照)を更新する。制御手段131は、計数カウンタ132cのカウンタ値に基づいたLED情報を情報出力部133を介してジェットカウンタ10へ出力する。制御手段131は、計数カウンタ132cのカウンタ値と個別差玉との関係に応じて不正に多く計数される可能性があると判断した場合には、情報出力部133を介してジェットカウンタ10へ計数禁止情報を出力する。
【0075】
計数カード発行機6から情報入力部131には、計数カード発行操作情報とカードR/W情報とが入力される。計数カード発行操作情報を受けた制御手段130は、計数カー計数カードの発行を許容すべきか否かを判断し、許容する場合には計数カードに記録すべき計数値を算出する。そして、算出結果をカードR/W制御情報に含めて計数カード発行機6へ出力するとともに記憶削除指令情報をカードユニット8へ出力する。一方、許容しない場合には発行禁止情報を計数カード発行機6へ出力する。また、制御手段130は、遊技者の持玉が存在しないと判断できた場合にはカードユニット8へ排出許可情報を出力し、プリペイドカード11の排出を許容する。
【0076】
図8は、カードユニット8の構成を示すブロック図である。カードユニット8は、制御手段80、カードリーダライタ8a、操作部8b、情報入力部81、情報出力部82、情報送信部83、玉貸通信部84、LED回路部85を含む。なお、制御手段100は、プリペイドカード12の貸玉料をカードナンバー別に記憶するための記憶部を含む。
【0077】
カードユニット8にプリペイドカード11が挿入されれば、プリペイドカード11の記録情報がカードリーダライタ8aで読出される。制御手段80は、記録情報に基づいてカード残度数を特定する。そして、カード残度数の表示のための残度数表示信号をLED回路部85へ出力する。LED回路部85へ出力された信号は、遊技機9に設けられた度数表示部(図示省略)に入力され、カード残度数が表示される。制御手段80は、操作部8bから出力される操作信号に応じて制御手段80内部の記憶部を検索し、カードユニット8に挿入されているプリペイドカード11の貸玉料がすでに登録済であるか否か判断する。そして登録されていないことを条件にして操作信号に応じた貸玉料による玉の貸出しを許容する。また、その貸玉料は、カードナンバーとセットで登録情報として記憶部に記憶されるともにその貸玉料を特定可能な貸玉料選択情報が情報出力部82を介して制御装置13へ出力される。
【0078】
制御手段80は、玉貸通信部84を介して玉貸しのための制御を行なう。遊技機9に設けられた玉貸ボタン(図示省略)で貸玉操作が行なわれると、その旨が玉貸通信部84を介して制御手段80へ通知される。制御手段80はプリペイドカード11から貸玉料に応じた度数を引落とすとともに玉貸許可信号を玉貸通信部84を介して遊技機9へ出力し、玉の貸出しを許容する。また、貸出額を特定可能な貸出情報が情報出力部82および情報送信部83からそれぞれ遊技場管理装置2とプリペイドカード管理会社の中継装置(図示省略)へ出力される。
【0079】
持玉の精算が終了して計数カードが発行されれば、制御装置13から情報入力部81に記憶削除指令情報が入力される。制御手段80は、この情報を受けて挿入されているプリペイドカード11に対応して記憶部に記憶している登録情報を削除する。また、遊技者の持玉がなくなれば、制御装置13から情報入力部81に排出許可情報が入力される。制御手段80は、この情報を受けてプリペイドカード11の排出を許容する。
【0080】
遊技機9に設けられた所定のカード返却ボタン(図示省略)を押圧すれば、返却信号が玉貸通信部85を介して制御手段80に入力される。制御手段80は、排出許可情報が入力されていることを条件にしてプリペイドカード11を排出する排出制御を行なう。
【0081】
図9〜図11は、制御装置13により実行される処理内容を説明するためのフローチャートである。特に図9(a)は、処理のメインフローを示し、図9(b)、図9(c)、図10、図11は、これに付随して実行されるサブルーチンを示している。
【0082】
処理のメインフローにおいては、まず、所定のイニシャライズ処理が実行された後(S1)、計数処理(S2)、LED処理(S3)、遊技情報演算処理(S4)、遊技情報出力処理(S5)、計数カード発行処理(S6)、玉返却処理(S7)、打止処理(S8)、揚送研磨処理(S9)の順で各処理が繰返し実行される。以下にS2〜S7の各処理について詳細に説明する。なお、打止処理(S8)は、遊技機9をいわゆる打止め状態に制御する処理であり、揚送研磨処理(S9)は、遊技機設置島内部を循環するパチンコ玉を揚送しつつパチンコ玉表面に付着した汚れを磨き落とす処理である。
【0083】
まず、図9(b)を参照して、S2で実行される計数処理の処理内容を説明する。はじめに情報入力ポートに各種情報を入力するためのポート入力処理が実行された後(SA1)、計数操作が検出されたか否か(計数スイッチがONとなったか否か)が判断される(SA2)。計数スイッチがONとなっていない場合には後述するSA4に移行するが、計数スイッチがONとなっている場合には玉数を計数する処理が実行され、計数カウンタのカウンタ値が計数に応じて更新(+n)される(SA3)。
【0084】
次に、内部に記憶されている概略情報(個別差玉情報)が読出されて(SA4)、計数カウンタ値と概略情報とを比較する処理が実行される(SA5)。次に、計数カウンタのカウンタ値と概略情報により特定される個別差玉との誤差が許容範囲内であるか否かが判断される(SA6)。許容範囲内である場合には、たとえば貸玉料が4円に設定されている場合において、精算者が他人から貸玉料2円で貸出されたパチンコ玉を貰い受けてすべて4円で計数して不当利得を得る等という不正行為は行なわれていないことになる。したがってこの場合には、そのまま処理が終了する。一方、計数カウンタ値と概略情報との誤差が許容範囲でない場合には、前述の不正行為が行なわれている可能性がある。そこでこの場合には、制御装置13から計数禁止情報がジェットカウンタ10へ出力されて計数禁止ソレノイドがONにセットされる(SA7)。
【0085】
次に、図9(c)を参照して、S3で実行されるLED処理の処理内容を説明する。はじめに現在の計数値が参照される(SB1)。次に、参照された計数値に基づいてLED情報が設定される(SB2)。次に、設定されたLED情報がジェットカウンタ10へ出力され(SB3)、処理が終了する。ジェットカウンタ10では、このLED情報に基づいて計数値を表示する。
【0086】
次に、図10(a)を参照して、S4で実行される遊技情報演算処理の内容を説明する。まず、情報入力ポートに各種情報を入力する処理が実行され(SC1)、遊技機9から情報が入力されたか否かが判断される(SC2)。遊技機9からの情報がない場合には後述するSC5に処理が移行するが、遊技機9から情報が入力されている場合には入力された遊技情報を読出す処理が実行される(SC3)。遊技情報には、大当り情報、確変情報、始動入賞情報等が含まれている。次に、遊技情報を演算し、記憶する処理が実行される(SC4)。これにより、大当り回数や確変継続回数等が集計される。
【0087】
次に、遊技機設置島から補給玉情報または打込玉情報が入力されたか否かが判断される(SC5)。いずれの情報も入力されていない場合には処理が終了するが、いずれかの情報が入力されている場合には入力情報に応じて補給玉カウンタおよび打込玉カウンタを加算更新する処理が実行される(SC6)。次に、加算更新後の両カウンタのカウンタ値に基づいて総合差玉を算出し、これを情報記憶部52(図4参照)に記憶する処理が実行される(SC7)。次に、両カウンタのカウンタ値が更新されることに基づいて個別差玉を算出する処理が実行される(SC8)。次に、SC8で算出された個別差玉が0よりも小さい値になっているか否かが判断される(SC9)。個別差玉<0となっている場合には、現時点では遊技者の負けが込んでいることになる。したがって、この場合には遊技者が遊技で勝って所有している玉数は0個であるために個別差玉を0にする処理が実行される(SC10)。SC10の処理の後、またはSC9でNOの判断がなされた後、個別差玉が情報記憶部52に記憶される(SC11)。
【0088】
次に、記憶した個別差玉が所定値Xよりも小さいか否か判断される(SC12)。個別差玉が所定値Xよりも小さい場合には、カードユニット8へ排出許可情報が出力される(SC13)。カードユニット8では、この排出許可情報が入力されることを条件にプリペイドカード11を排出することが可能となる(図12のS18b)。ここでXは、遊技者が持玉(玉数表示部10aに表示される計数値を含む)を所有していないと推定できる値である。個別差玉と遊技者の持玉とは計算上は完全に一致するために、SC12のステップでは「個別差玉=0」であるか否かを判断するようにしてもよい。しかしながら、遊技中に床などにこぼれ落ちるパチンコ玉を考慮した場合、このようにすると実際には持玉が存在しないにもかかわらず「個別差玉>0」が成立するためにプリペイドカード11を排出させることができなくなるおそれがある。そこでこのSC12のステップでは「個別差玉<X」として、Xはたとえば「1」を超える数に設定している。
【0089】
なお、遊技者が持玉を所有していないことを条件にしてプリペイドカード11の排出を許容するようにしたのは、遊技の途中に遊技者がプリペイドカード11を入れ換えて貸玉料を変更し、不当な利益を受けるような不正行為が行なわれることを防止するためである。
【0090】
したがって、SC12で個別差玉が所定値X以上である場合には上記不正行為が行なわれるのを防止するために、排出許可情報が出力されることなく処理が終了する。
【0091】
次に、図10(b)を参照して、S5で実行される遊技情報出力処理の内容を説明する。まず、遊技場管理装置2から情報出力要求信号が入力されたか否かが判断される(SD1)。情報出力要求信号が入力されていない場合は処理が終了するが、入力された場合には、記憶されている遊技情報および差玉情報(総合差玉)を情報記憶部132から読出してこれを遊技場管理装置2へ出力する処理が実行され(SD2)、処理が終了する。
【0092】
次に、図11(a)を参照して、S6で実行される計数カード発行処理の内容を説明する。まず、計数カード発行操作情報が計数カード発行機6から入力されたか否かが判断される(SE1)。計数カード発行操作情報が入力されていない場合には、貸玉料情報がカードユニット8から入力されたか否かが判断される(SE12)。貸玉料情報が入力されている場合には、新たな遊技が開始されるものと判断できるため、内部に記憶している貸玉料情報を新たに入力された情報に更新して記憶する処理が実行され(SE13)、処理が終了する。
【0093】
一方、計数カード発行操作情報が入力されている場合には、計数カウンタ値が参照され(SE2)、計数カウンタの値が0であるか否かが判断される(SE3a)。計数カウンタの値が0である場合には、発行禁止情報が計数カード発行機6へ出力される(SE3c)。計数カウンタの値が0でない場合には、「個別差玉−計数カウンタ<X」の関係が成立するか否かが判断される(SE3b)。SE3bで「個別差玉−計数カウンタ<X」の関係が成立しない場合には、計数カードの発行を行なうためのSE4以下の処理が実行されることなく、発行禁止情報が計数カード発行機6へ出力され(SE3c)、その後処理が前記SE12に移行する。
【0094】
ここでXは、「個別差玉−計数カウンタ<X」の算出結果から遊技者が持玉すべてを計数済であると推定するための値である。個別差玉と遊技者の持玉とは計算上は完全に一致するために、SE3bのステップでは「個別差玉=計数カウンタ」が成立しているか否かを判断するようにしてもよい。しかしながら、遊技中に床などにこぼれ落ちるパチンコ玉を考慮した場合、このようにすると実際にはすべての持玉が計数されているにもかかわらず「個別差玉>計数カウンタ」が成立しているために計数結果の精算を行なうことができなくなるおそれがある。そこでこのSE3bのステップでは「個別差玉−計数カウンタ<X」として、Xはたとえば「1」を超える数に設定している。
【0095】
発行禁止情報が計数カード発行機6へ出力されることにより、計数カード発行機6では計数カードの発行処理が中断される。これにより、貸玉料2円で得た持玉の一部のみを計数して形式上の精算を行なった後、貸玉料を4円に変更して遊技を再開することにより、貸玉料2円で払出されたパチンコ玉を貸玉料4円の遊技に使用するとういう不正行為が行なわれることを防止できる。
【0096】
SE3bで個別差玉から計数カウンタの値を差し引いた値が所定値所定値Xよりも小さい場合と判断された場合には、計数カードの発行を行なうための以下の処理が実行される。まず、内部に記憶している貸玉料設定情報が参照され(SE4)、貸玉料が通常の半額(2円)に設定されて遊技が行なわれたか否か(半額遊技が行なわれたか否か)が判断される(SE5)。貸玉料が通常額(4円)である場合にはSE5でNOの判断がなされ、計数カード発行機6に計数カウンタのカウンタ値がそのまま送出される(SE7)。一方、半額遊技が行なわれた場合には、SE5でYESの判断がなされ、計数カウンタ値がその1/2に減算された後(SE6)、計数カード発行機6に減算後のカウンタ値が送出される(SE7)。
【0097】
次に、遊技場管理装置2へ計数情報が出力される(SE8)。続いて内部に記憶している個別差玉(概略情報)が0にリセットされ(SE9)、さらに計数カウンタがリセットされる(SE10)。次にカードユニット8へ記憶削除指令情報が出力された後(SE11)、処理が前記SE12に移行する。なお、カードユニット8は、この記憶削除指令情報に基づいて内部に記憶しているプリペイドカード11のカードナンバーと貸玉料情報とを削除する(図13のSH4)。
【0098】
次に、図11(b)を参照して、S7で実行される玉返却処理の内容を説明する。まず、玉返却装置12から玉返却操作情報が入力されたか否かが判断される(SF1)。玉返却操作情報が入力されていない場合には処理が終了する。玉返却操作情報が入力されている場合には、まず計数カウンタ値が参照され(SF2)、次にパチンコ玉の返却数を設定した設定値が読込まれる(SF3)。次に、計数カウンタ値が返却設定数以上であるか否かが判断される(SF4)。計数カウンタ値が返却設定数以上である場合には計数カウンタ値の減算と引換えに返却設定数のパチンコ玉を遊技者に返却可能であるために、玉返却数情報に返却設定数が設定される(SF6)。一方、計数カウンタ値が返却設定数に満たない場合には、玉返却数情報に計数カウンタ値が設定され(SF5)、計数カウンタ値の範囲内でパチンコ玉を返却する制御がなされる。次に、SF5またはSF6で設定された玉返却数情報が玉返却装置12へ送出され(SF7)、処理が終了する。なお、玉返却装置12は、この玉返却数情報に基づいてパチンコ玉を遊技者に返却する。
【0099】
図12は、カードユニット8の処理内容を説明するためのフローチャートである。カードユニット8では、まず、所定のイニシャライズ処理が実行される(SG1)。次に、遊技機9が玉貸し可能であるか否かが判断され(SG2)、玉切れその他の異常が発生している場合にはプリペイドカード受付禁止処理が実行され(SG4)、プリペイドカード11を挿入不可能な状態となる。一方、遊技機9が玉貸し可能である場合にはプリペイドカード受付禁止処理が解除され(SG3)、プリペイドカード11を挿入可能な状態となる。次に、プリペイドカード11が挿入されたことを条件に(SG5)、挿入されたプリペイドカード11の記録情報が読取られて残度数が0よりも大きいか否かが判断される(SG6)。残度数が既に0になっている場合には、制御装置13から排出許可情報が入力されていることを条件に(SG18b)、プリペイドカード11が排出される(SG19)。なお、前の遊技者が遊技を終えるなどして新たな遊技者が遊技を開始する際には、制御装置13内に記憶されている個別差玉は0にリセットされている。したがって、図10(a)のSC12では個別差玉<Xが成立して排出許可情報が入力されている。このために、遊技開始前に挿入されたプリペイドカード11の残度数が0の場合には、そのままそのプリペイドカード11が排出される。
【0100】
一方、残度数が存在する場合には、貸玉料設定処理が実行される(SG7)。貸玉料設定処理が実行されることにより、貸玉料が定められる。処理の詳細については図13で後述する。
【0101】
次に、残度数表示信号が遊技機9へ出力される(SG8)。これにより、プリペイドカード11の残度数が遊技機9の度数表示部に表示される。次に、貸玉操作が行なわれたか否かが判断され(SG9)、操作がない場合には処理が後述するSG18aに移行する。貸玉操作があった場合には残度数が0よりも大きいか否かが判断される(SG10)。残度数が既に0になっている場合には制御装置13から排出許可情報が入力されていることを条件に(SG18b)、プリペイドカード11が排出される(SG19)。一方、残度数が存在する場合には、貸玉料が4円に設定されているか否か(貸玉料が4円に設定されているか2円に設定されているか)が判断される(SG11)。貸玉料が4円の場合には貸玉回数カウンタが5にセットされ(SG12)、貸玉料が2円の場合には貸玉回数カウンタに6がセットされる(SG22)。なお、SG12およびSG22でセットされる貸玉回数カウンタは、1回の貸玉操作でカードユニット8がパチンコ遊技機9に貸玉の指令を出す回数であり、パチンコ遊技機9は1回の指令で100円分(25個)の玉を貸出す。次に、SG13またはSG23で貸玉処理がそれぞれ実行され、それぞれ同数のパチンコ玉が所定数だけ貸出される。さらに、SG12で貸玉処理が実行された後は、残度数から「5」が引落とされ(SG14)、SG21で貸玉処理が行なわれた後は残度数から「3」が引落とされる(SG24)。SG14、SG24の各処理が実行されることにより、そろぞれ異なる貸玉料でパチンコ玉の貸出しが行なわれることになる。
【0102】
次に、SG14またはSG24の引落とし残度数に基づいてプリペイドカード11の残度数が更新され(SG15)、引落とし情報が遊技場管理装置2へ出力される(SG16)。次に、中継装置へ引落とし情報が出力される(SG17)。中継装置は、プリペイドカード11を管理する管理会社に各種情報を中継して送信する装置であり、遊技場1内に設置されている。
【0103】
次に、プリペイドカード11の返却操作が行なわれたか否かが判断される(SG18a)。返却操作が行なわれていない場合には前記SG9に処理が移行するが、返却操作が行なわれている場合には、制御装置13から排出許可情報が入力されていることを条件に(SG18b)、プリペイドカード11を排出する制御が行なわれ(SG19)、処理が前記SG2へ移行する。一方、排出許可情報が入力されていない場合には前述した不正行為が行なわれる可能性があるために、プリペイドカード11を排出する制御は行なわれることなく、処理が前記SG2へ移行する。
【0104】
図13は、SG7で実行される貸玉料設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。貸玉料設定処理では、まず、プリペイドカード11の記録情報が読込まれ(SH1)、カードナンバーが特定される。次に制御手段80の記憶部に記憶されている記憶情報が読出される(SH2)。制御手段80の記憶部には、カードユニット8に挿入されているプリペイドカード11のカードナンバーとその貸玉料とがセットで記憶されている。SH2で読出される記憶情報は、この情報である。次に、記憶削除指令情報が入力されているか否かが判断される(SH3)。記憶削除指令情報は、計数カードが計数カード発行機6から発行されて1遊技が終了したことに基づいて制御装置13から出力される情報である(図11のSE11)。
【0105】
記憶削除指令情報が入力されていない場合には、操作部8bで貸玉料を選択する操作が行なわれたか否かが判断される(SH5)。一方、記憶削除指令情報が入力されている場合には新たな遊技のために貸玉料の選択操作が行なわれることに備えるべく、セットで記憶しているプリペイドカード11のカードナンバーと貸玉料情報とを削除する処理が行なわれた後(SH4)、前記SH5へ処理が移行する。
【0106】
SH5で貸玉料を選択する操作が行なわれていないと判断された場合には、現在挿入されているプリペイドカード11のカードナンバーと一致するカードナンバーが制御手段80の記憶部から読出された情報に含まれているか否かが判断される(SH6)。一致するカードナンバーが含まれている場合には、記憶部の記憶情報に基づいてすでに登録済の貸玉料が設定される(SH9)。一方、一致するカードナンバーが含まれていない場合には、プリペイドカード11の貸玉料の登録はされていないことになる。そこで、この場合には操作部8bの選択を待つべく、処理が前記SH5に戻る。
【0107】
SH5で貸玉料の選択操作があれば、先のSH7と同様に、挿入されているプリペイドカード11のカードナンバーと一致するカードナンバーが制御手段80の記憶部から読出された情報に含まれているか否かが判断される(SH7)。一致するカードナンバーが含まれている場合には、そのカードナンバーに対応してセットで記憶されている貸玉料と遊技者が選択した貸玉料とが一致しているか否か判断される(SH8)。一致している場合には、選択に応じた貸玉料が設定される(SH10)。一方、一致していない場合には操作部8bで選択された貸玉料を無視して記憶部の記憶情報に基づいた貸玉料が設定される(SH9)。また、SH7で一致するカードナンバーが含まれていないと判断された場合には、操作部8bで選択された貸玉料が設定される(SH10)。
【0108】
次に、プリペイドカード11のカードナンバーと設定された貸玉料とが記憶部に記憶される(SH11)。次に、その貸玉料を特定可能な貸玉料情報が制御装置13へ出力された後(SH12)、処理が終了する。なお制御装置13は、この貸玉料情報を記憶し(図11のSE13)、遊技者が半額遊技を行なっているか否かを判断する。
【0109】
この貸玉料設定処理が実行されることにより、一旦遊技者が貸玉料を選択すれば制御装置13から記憶削除指令情報が入力されるまでその貸玉料が固定される。このため、遊技途中に貸玉料が変更されることがない。したがって、精算時の貸玉料の特定が複雑になることを防止できる。
【0110】
なお、SH7で一致するカードナンバーがあると判断された場合には、そのカードナンバーに対応してセットで記憶されている貸玉料と遊技者が選択した貸玉料とが一致していることを条件に(SH8)、操作部8bで選択された貸玉料が設定されるが(SH9)、このような処理に代えて、SH7でYESと判断された場合には常に操作部8bで選択された貸玉料を無視して記憶部の記憶情報に基づいた貸玉料が設定されるように構成してもよい。
【0111】
図14は、計数カード発行機6の処理内容を説明するためのフローチャートである。特に図14(a)は、計数カード発行機6のメインフローを示し、図14(b)は、これに付随して実行されるサブルーチンを示す。
【0112】
計数カード発行機6では、まず、所定のイニシャライズ処理が実行される(SL1)。次に、カード発行処理、計数カード発行機6の表示部6dの表示制御を行なうランプ処理の順で各処理が繰返し実行される(SL2、SL3)。
【0113】
次に図14(b)を参照して、SL2で実行されるカード発行処理について説明する。カード発行処理では、計数カードの発行操作が行なわれるまで処理が待機され(SM1)、計数カードの発行操作が行なわれたことを条件にしてその操作時点から所定時間内に遊技者自身がすでに所持している計数カードが挿入されたか否か判断される(SM2)。計数カードが挿入されている場合にはその計数カードを計数カード発行機6内部のカードリーダライタ6a(図6参照)に引込む処理がなされ(SM3)、計数カードが挿入されていない場合には、ストックされている新規の計数カードがカードリーダライタ6aに送り出される(SM4)。次に、計数カード発行操作情報が制御装置13へ送出される(SM5)。なお、制御装置13は、この計数カード発行操作情報が受信されることに基づいて計数カードに記録すべき計数カウンタ値を算出する処理等を行なう(図11(a))。
【0114】
次に、制御装置13から発行禁止情報が入力されたか否かが判断される(SM6a)。発行禁止情報が入力されている場合には、計数カードは発行されることなく中断処理が実行される(SM6c)。中断処理とは、遊技者が計数カードを挿入している場合にはこれを排出し、新規カードがカードリーダライタ6aに送り出されている場合にはこれを退避させるとともに、表示部6dに計数を促すメッセージを表示させる処理である。
【0115】
発行禁止情報が入力されていない場合には、計数カウンタ値が入力されたか否か判断され(SM6b)、入力されていない場合には前記SM6aに処理が戻る。計数カウンタ値が入力されれば、その計数カウンタ値をカードリーダライタ6aに位置する計数カードに書込む処理が実行される(SM7)。なお、ここで書込まれる計数カウンタ値は、すでに貸玉料を考慮して算出された値であり、たとえば半額遊技が行なわれている場合にはジェットカウンタ10で実際に計数された計数値の半分の値である。次に、計数カウンタ値が書込まれた計数カードを発行する処理が行なわれ(SM8)、計数カードの発行を終えたことを条件に(SM9)、処理が終了する。
【0116】
第2実施形態
次に、図15〜図19を参照して第2実施形態について説明する。図15は、カード販売機14の正面図であり、図16は、カード販売機14の構成を示すブロック図である。また、図17は、カードユニット18の構成を示すブロック図である。
【0117】
第2実施形態と第1実施形態との相違点は、第1実施形態ではカードユニット8で貸玉料が選択可能に構成されているのに対し、第2実施形態ではカード販売機14で貸玉料が選択可能に構成されている点にある。したがって、第2実施形態におけるカード販売機14にはプリペイドカード11を購入する前に貸玉料を選択するための貸玉料選択操作スイッチ148が設けられている。一方、カードユニット18には第1実施形態のカードユニット8のような貸玉料を選択するための操作部8bは設けられていない。
【0118】
この第2実施形態の場合には、第1実施形態と比較してカードユニット側に貸玉料を選択するための機能を設ける必要がないために、特にカードユニットが遊技機9に1対1対応で設けられている場合には、遊技場はカードユニットにかかる設備費用を低減できる。なお、システムの全体構成については、カード販売機14およびカードユニット18を除いては、図1に示した第1実施形態と同様であるために、ここではその詳細な説明は省略する。
【0119】
次に図15および図16を参照して、カード販売機14について説明する。カード販売機4aには、先に図5に示したカード販売機4と同様に、カード額面別にプリペイドカード11の種類を表示する表示部141、表示部141に表示されたプリペイドカード11に対応して設けられた操作部(操作スイッチ)142、紙幣受入部146を構成する紙幣挿入口146aおよびリーダライタ146b、投入金額を表示する表示部144、貨幣貯留部146c、プリペイドカード発行部143を構成するプリペイドカード発行口143aおよびカードリーダライタ143b、釣り払出し部147を構成する釣り払出し口147aおよび釣銭貯留部147b、キャンセルボタン142aが設けられており、さらに内部には、制御手段140、情報送信部149a、情報出力部149b等が設けられている。
【0120】
一方、第1実施形態のカード販売機4とは異なり、貸玉料を選択するための貸玉料選択操作スイッチ148がカード販売機14の正面に設けられている。なお、この貸玉料選択操作スイッチ148はカード販売機14の貸玉料選択操作手段142a(図16参照)に含まれる。
【0121】
プリペイドカード11を購入する者は、必要な額面の紙幣を紙幣挿入口146aに投入した上で、貸玉料選択操作手段141cで貸玉料を選択する。これにより、選択された貸玉料と投入金額とに応じて購入可能なプリペイドカード11の度数が定められ、定められた度数の範囲にあるプリペイドカード11を購入するための操作スイッチ142が点灯する。遊技者が操作スイッチ142を操作して所望のプリペイドカード11を選択することにより、選択されたプリペイドカード11がカードリーダライタ143bへ案内され、カード度数、セキュリティ情報、カードナンバー、および貸玉料が記録された後、カード発行口143aから発行される。また、情報出力部149bからは、カード発行情報、カード切れ情報、釣銭切れ情報等の各種情報が遊技場管理装置2へ出力される。また、情報送信部149aは、プリペイドカード11を管理し各遊技場1へプリペイドカード11を納入しているプリペイドカード管理会社の中継装置(図示省略)と情報の送受信が可能に構成されている。制御手段140は、プリペイドカード11が販売される毎に売上額を特定可能な売上情報を情報送信部149aを介して中継装置へ出力する。
【0122】
次に図17を参照して、カードユニット18の構成について説明する。カードユニット18は、貸玉料を選択するための操作部8bが設けられていない点を除いて先に図8に示したカードユニット8と同様の構成である。カードユニット18は、制御手段180、プリペイドカード11の記録情報を読取るカードリーダライタ180a、制御装置13からの情報が入力される情報入力部181、遊技場管理装置2と制御装置13へ情報を出力するための情報出力部182、プリペイドカード管理会社の中継装置(図示省略)へ貸出情報を送信するための情報出力部183、遊技機9との間で玉貸制御用信号の通信を行なう玉貸通信部184、カード残度数の表示制御を行なうためのLED回路部185を含む。
【0123】
カードユニット18にプリペイドカード11が挿入されれば、プリペイドカード11の記録情報がカードリーダライタ180aで読出される。制御手段180は、記録情報に基づいてカード残度数と貸玉料を特定する。そして、カード残度数の表示のための信号をLED回路部185へ出力するとともに、貸玉料情報を制御装置13へ出力する。その後、記録情報に応じた貸玉料による玉の貸出しを許容する。なお、制御装置13は貸玉料情報に基づいて貸玉料を特定し、これを記憶する。また、第1実施形態と同様に個別差玉を演算するとともにジェットカウンタ10の計数値を記憶する。そして、個別差玉と計数値とを比較してジェットカウンタ10での計数動作に制限を加える。
【0124】
カードユニット18に対応する遊技機9で遊技者が遊技を終え、遊技機9に設けられた所定のカード返却ボタン(図示省略)を押圧すれば、返却信号が玉貸通信部184を介して制御手段180に入力される。制御手段180は、制御装置13から排出許可情報が入力されていることを条件に、この返却信号に応じてプリペイドカード11の排出制御を行なう。
【0125】
図18は、カードユニット18で実行される貸玉料設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。カードユニット18は、第1実施形態に係るカードユニット18と同様に図12に示した処理を順に実行するが、サブルーチンとして示した貸玉料設定処理(SG7)の処理内容が第1実施形態(図13)と異なる。以下にその内容を説明する。
【0126】
まず、プリペイドカード11の記録情報が読込まれ(SH1)、カードナンバーと貸玉料とが特定される。次に貸玉料が4円であるか否か(4円であるかあるいは2円であるか)が判断される(SH2)。プリペイドカード11に記録されている貸玉料が4円の場合にはカードユニット8における貸玉料が4円に設定される(SH3)。一方、プリペイドカード11に記録されている貸玉料が2円の場合にはカードユニット8における貸玉料が2円に設定され(SH4)、処理が終了する。
【0127】
図19は、カード販売機14の処理内容を説明するためのフローチャートである。カード販売機14では、まず、所定のイニシャライズ処理が実行された後(SJ1)、貸玉料の選択操作が行なわれるまで処理が待機される(SJ2)。貸玉料選択操作スイッチ148(図15参照)の操作により貸玉料が選択されれば、選択された貸玉料が認識された後、貨幣の受入れが行なわれるまで処理が待機される(SJ3)。そして、貨幣が受入れられれば(SJ4)貨幣の種類が識別され(SJ5)、投入金額カウンタに投入貨幣額が加算される(SJ6)。次に、投入金額を表示部141(図15参照)に表示させる処理が実行される(SJ7)。次に、会員カード11の貸玉料情報に基づき、購入可能なカードの選択スイッチ142を能動化する処理が実行される(SJ8)。次に、いずれかの選択スイッチ142の押圧があったか否かが判断される(SJ9)。押圧がない場合にはさらに貨幣が受入れられたか否かが判断され(SJ10)、貨幣が受入れられている場合には前記SJ5に処理が移行する。貨幣の受入がない場合には再び選択スイッチ142の押圧があったか否かが判断される。
【0128】
いずれかの選択スイッチ142が押圧操作されれば、選択されたプリペイドカード11に所定のセキュリティ情報と貸玉料情報とを書込む処理が実行される(SJ11)。ここで書込まれる貸玉料情報は、貸玉料選択操作手段142aの操作により選択された貸玉料に基づく情報である。次に、カード発行処理が実行されてプリペイドカード11がカード発行口143a(図15参照)から発行される(SJ12)。次に、遊技場管理装置2へカード発行情報が出力される(SJ13)。この際、同時にプリペイドカード11の売上額を特定可能な売上情報がプリペイドカード管理会社と接続されている中継装置へ出力される(SJ13)。
次に、釣銭として返却すべき返却額があるか否かが判断され(SJ14)、返却額が0の場合には、処理が後述のSJ21へ移行する。一方、返却額がある場合には返却すべき釣銭を釣り払出し口147a(図15参照)から返却する処理が実行された後(SJ15)、貨幣の受入待機状態が解除される(SJ16)。次に、カードストックが確認され(SJ17)、カード切れがあるか否かが判断される(SJ18)。すべての種類のプリペイドカード11についてストックがある場合には後述するSJ21に移行するが、いずれかのプリペイドカード11のストックがない場合には、これに対応するカード選択スイッチ142を不能動化する処理が実行される(SJ19)。さらに、カード切れ情報が遊技場管理装置2へ出力される(SJ20)。次に、釣ストック(釣銭を払出す際に必要な小銭の予備があるか否か)が確認され(SJ21、SJ22)、ストックがある場合には処理が前記SJ2に戻るがストックがない場合には釣切れ情報が遊技場管理装置2へ出力される(SJ23)。遊技場管理装置2へ出力された釣切れ情報に基づき遊技場係員が釣銭を補充した後所定のリセット操作を行なえば(SJ24)、処理が前記SJ21に移行する。
【0129】
第3実施形態
次に、図20〜図23を参照して第3実施形態について説明する。図20は、第3実施形態に係る遊技機設置島3のシステムブロック図である。なお、制御装置13から計数カード発行機6に向かう情報のうち括弧書きで示された「無効値情報」は、後述する第4実施形態において出力される情報である。
【0130】
第3実施形態と第1実施形態との相違点は、第1実施形態では計数カードに記録すべき計数値が貸玉料に応じて制御装置13側で予め演算される(図11のSE5〜SE7)のに対し、第3実施形態ではジェットカウンタ10の計数結果とともに貸玉料情報が制御装置13から計数カード発行機6に出力され、計数カード発行機6側で貸玉料に応じた計数カードが発行されるように構成されている点にある。たとえば、計数カード発行機6は、計数カードにジェットカウンタ10の計数結果をそのまま記録するとともに、特に貸玉料が2円の場合には併せてそのことを特定可能な半額遊技情報を計数カードに記録して発行する。したがって、この第3実施形態では、計数カードを使用した景品交換が行なわれる場合に、景品処理装置5側で計数カードに半額遊技情報が記録されているか否かが判別され、半額遊技情報が記録されている場合には計数カードに記録されている計数値の1/2の価値範囲内での景品交換が認められる。
【0131】
図20に示すシステムブロック図の構成は、図1に示した第1実施形態と同様であるために、図20に示すシステムブロック図についてのこれ以上の詳細な説明は省略する。なお、図20に示すシステム構成では、第2実施形態として説明したカードユニット18が採用されているが、第1実施形態と同様にカードユニット8をシステムに採用してもよい。
【0132】
次に、図21を参照して、制御装置13が実行する計数カード発行処理の内容を説明する。なお、この第3実施形態では、第1実施形態と同じ順序で図9(a)の各処理が実行されるが、ここでは、計数カード発行処理の処理内容のみを以下に詳細に説明し、その他の処理の詳細な説明は省略する。
【0133】
まず、計数カード発行操作情報が計数カード発行機6から入力されたか否かが判断される(SK1)。計数カード発行操作情報が入力されていない場合には、貸玉料情報がカードユニット18から入力されたか否かが判断される(SK12)。貸玉料情報が入力されている場合には、新たな遊技が開始されるものと判断できるため、内部に記憶している貸玉料情報を新たに入力された情報に更新して記憶する処理が実行され(SK13)、処理が終了する。
【0134】
一方、計数カード発行操作情報が入力されている場合には、計数カウンタ値が参照され(SK2)、計数カウンタの値が0であるか否かが判断される(SK3a)。計数カウンタの値が0である場合には、発行禁止情報が計数カード発行機6へ出力される(SK3c)。計数カウンタの値が0でない場合には、「個別差玉−計数カウンタ<X」の関係が成立するか否かが判断される(SK3b)。SK3bで「個別差玉−計数カウンタ<X」の関係が成立しない場合には、計数カードの発行を行なうためのSK4以下の処理が実行されることなく、発行禁止情報が計数カード発行機6へ出力され(SK3c)、その後処理が前記SK12に移行する。ここでXは、「個別差玉−計数カウンタ<X」の算出結果から遊技者が持玉すべてを計数済であると推定するための値である。このステップの内容は、先に説明した図11(a)のSE3bと同様である。
【0135】
SK3bで個別差玉から計数カウンタの値を差し引いた値が所定値所定値Xよりも小さい場合と判断された場合には、内部に記憶している貸玉料設定情報が参照され(SK4)、貸玉料が通常の半額(2円)に設定されて遊技が行なわれたか否か(半額遊技が行なわれたか否か)が判断される(SK5)。貸玉料が通常額(4円)である場合にはSK5でNOの判断がなされ、計数カード発行機6に計数カウンタのカウンタ値が送出される(SK7)。一方、半額遊技が行なわれた場合には、SK5でYESの判断がなされ、計数カード発行機6に半額遊技情報が送出されるとともに(SK6)、計数カウンタのカウンタ値が送出される(SK7)。
【0136】
次に、遊技場管理装置2へ計数情報が出力される(SK8)。続いて内部に記憶している個別差玉数(概略情報)が0にリセットされ(SK9)、さらに計数カウンタがリセットされる(SK10)。次にカードユニット18へ記憶削除指令情報が出力された後(SK11)、処理が前記SK12に移行する。
【0137】
図22は、計数カード発行機6で実行されるカード発行処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、この第3実施形態では、第1実施形態と同じ順序で図14(a)の各処理が実行されるが、ここでは、計数カード発行処理の処理内容のみを以下に詳細に説明する。
【0138】
まず、計数カードの発行操作が行なわれるまで処理が待機され(SN1)、計数カードの発行操作が行なわれたことを条件にしてその操作時点から所定時間内に遊技者自身がすでに所持している計数カードが挿入されたか否か判断される(SN2)。計数カードが挿入されている場合にはその計数カードを計数カード発行機6内部のカードリーダライタ6a(図6参照)に引込む処理がなされ(SN3)、計数カードが挿入されていない場合には、ストックされている新規の計数カードがカードリーダライタ6aに送り出される(SN4)。次に、計数カード発行操作情報が制御装置13へ送出される(SN5)。
【0139】
次に、制御装置13から発行禁止情報が入力されたか否かが判断される(SN6a)。発行禁止情報が入力されている場合には、計数カードは発行されることなく中断処理が実行される(SN6c)。中断処理とは、遊技者が計数カードを挿入している場合にはこれを排出し、新規カードがカードリーダライタ6aに送り出されている場合にはこれを退避させるとともに、表示部6dに計数を促すメッセージを表示させる処理である。
【0140】
発行禁止情報が入力されていない場合には、制御装置13から半額遊技情報が入力されたか否か判断され(SN6b)、入力されている場合には半額遊技情報がカードリーダライタ6aに位置する計数カードに書込まれる(SN7)。半額遊技情報の書込み終了後またはSN6bで半額遊技情報が入力されていないと判断された後、計数カウンタ値が入力されたか否か判断される(SN8)。入力されていない場合には前記SN6aに処理が戻る。計数カウンタ値が入力されれば、その計数カウンタ値をカードリーダライタ6aに位置する計数カードに書込む処理が実行される(SN9)。なお、ここで書込まれる計数カウンタ値は、半額遊技が行なわれているか否かにかかわらずジェットカウンタ10で実際に計数された計数値である。次に、計数カウンタ値が書込まれた計数カードを発行する処理が行なわれ(SN10)、計数カードの発行を終えたことを条件に(SN11)、処理が終了する。
【0141】
図23は、景品処理装置5の処理内容を説明するためのフローチャートである。景品処理装置5は、以下に説明する処理手順に従って計数カードに記録された計数値等を識別し、半額遊技情報が記録されている場合には計数値を半分に減額して景品処理を行なう。
【0142】
まず、計数カードが挿入されるまで処理が待機される(SW1)。計数カードが挿入されれば、挿入された計数カードの記録情報が読取られ(SW2)、半額遊技情報が記録されているか否かが判断される(SW3)。
【0143】
半額遊技情報が記録されていない場合には、計数カードに記録されている数値(計数値)がそのまま景品処理装置5内部の景品交換値演算用カウンタに加算される(SW5)。なお、景品交換値演算用カウンタのカウンタ値は、すべての景品交換処理が終了することに伴って「0」にリセットされる(SW14)。
【0144】
SW3で半額遊技情報が記録されていると判断された場合には、計数カードに記録されている計数値をその1/2とする演算がなされ(SW4)、演算後の数値が景品交換値演算用カウンタに加算更新される(SW5)。
【0145】
次に、追加情報があるか否かが判断される(SW6)。計数カードは複数の遊技結果を記録可能に構成されているために、1枚の計数カードに複数の計数値等が記録されている可能性があるためである。追加情報がある場合には前記SW3に処理が戻る。追加情報がない場合には、さらに新たな計数カードが挿入されたか否かが判断され(SW7)、追加の計数カードが挿入されている場合には処理が前記SW2に戻る。追加のカードがない場合には精算操作が検出されるまで処理が待機される(SW8)。精算操作が検出されれば、特殊景品との交換を行なうための操作であるか否かが判断される(SW9)。特殊景品との交換を行なうための操作である場合には、景品交換値演算用カウンタのカウンタ値に基づいて特殊景品数が演算され(SW18)、特殊景品の払出処理が実行される(SW19)。そして、すべての特殊景品の払出処理が終了したことを条件に(SW20)、景品交換値演算用カウンタのカウンタ値がリセットされる(SW14)。その後、計数カードの情報が消去され(SW15)、情報の消去された計数カードが回収され(SW16)、遊技場管理装置2へ景品交換情報が出力される(SW17)。その後処理が前記SW1に戻る。
【0146】
SW9で特殊景品操作が行なわれているのではない場合には、バーコードリーダ(図示省略)から一般景品に付されたバーコード情報が入力されているか否かが判断される(SW10)。バーコードリーダは、遊技者が一般景品との景品交換を希望して遊技場係員に所望の一般景品を指定した場合に、その一般景品に付されたバーコードを読取るための装置である。バーコードには、景品の種類や景品交換額などの情報が含まれている。
【0147】
バーコード情報が入力されていない場合には、前記SW9に処理が戻る。バーコード情報が入力されている場合には、そのバーコード情報に基づいて景品交換値演算用カウンタのカウンタ値が減算される(SW11)。次に、景品交換値演算用カウンタのカウンタ値に景品交換可能な残数値があるか否かが判断され(SW12)、残数値がない場合には景品交換処理が終了して遊技場管理装置2へ景品交換情報が出力される(SW17)。残数値がある場合には、景品交換処理を終了させるためのリセット操作が検出されたか否かが判断され(SW13)、リセット操作が検出されていない場合にはさらに遊技者が残数値を使用して景品交換を行なう可能性があるために処理が前記SW10に戻る。一方、リセット操作が検出された場合には景品交換値演算用カウンタのカウンタ値がリセットされ(SW14)、計数カードの情報が消去され(SW15)、情報を消去した計数カードを回収し(SW16)、景品交換情報が遊技場管理装置2へ出力される(SW17)。
【0148】
第4実施形態
次に、先の図20および図24〜図26を参照して第4実施形態について説明する。
【0149】
まず、図20を参照して、第4実施形態の特徴点を概説する。第4実施形態では、先の第3実施形態と同様に、制御装置13から計数カード発行機6へジェットカウンタ10の計数結果とともに貸玉料情報が出力され、計数カード発行機6側で貸玉料に応じた計数カードが発行される。この第4実施形態が先の第3実施形態あるいは第1、第2実施形態と異なる点は、先の各実施形態では不正行為を未然に防止するべく個別差玉に基づいてジェットカウンタ10におけるパチンコ玉の計数可能範囲を制限していたのに対し(図9(b)のSA6、SA7)、第4実施形態では計数時にはそのような制限を設けることなく計数を許容し、計数カード発行時に個別差玉に基づいて計数カードに記録する計数値に制限を設けるようにしている点にある。
【0150】
したがって、この第4実施形態では、計数カード発行機6で計数カードの発行操作が検出されることを条件にして、制御装置13から計数カード発行機6へ、計数結果と貸玉料情報と概略情報(個別差玉)とが出力される。そして、個別差玉に基づいて定められる許容範囲内の計数値が計数カード発行機6で算出され、算出結果が有効値として計数カードに記録されて発行される。
【0151】
一方、許容範囲を超える計数結果については無効値として特定されて玉返却装置12から遊技者にパチンコ玉として返却される。具体的には、計数カード発行機6から制御装置13へ無効値を特定可能な無効値情報が出力される。制御装置13は無効値情報に基づいて無効値を特定し、これを玉返却数情報として玉返却装置12へ出力する。これにより、玉返却装置12からは無効値に対応する個数のパチンコ玉が遊技者に返却される。
【0152】
この第4実施形態によれば、計数値が個別差玉に基づいて定められる許容範囲を超える場合には許容範囲内での精算処理が行なわれる一方、許容範囲を超える計数結果はパチンコ玉として遊技者に返却されるために、不正な精算が行なわれることを防止できつつも遊技場側と遊技者との間での無用なトラブルが発生することを防止できる。また、先の各実施形態と異なり、遊技の途中で随時行なわれ得る計数行為はすべて許容され、最終的に遊技が終了して計数カードを発行する段階で精算結果を制限するものであるために、不正の目的なく遊技をしているにも係わらず遊技者の誤操作等や不慮のトラブルなどに起因して遊技途中に計数を行なっている際に計数が禁止されてしまい、遊技中の遊技者に不快感を与えて遊技意欲を減退させてしまうことを防止できる。
【0153】
図24は、制御装置13により実行される計数処理と計数カード発行処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。また、図25は、同じく制御装置13により実行される玉返却処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。なお、この第4実施形態では、第1実施形態と同じ順序で図9(a)の各処理が実行されるが、ここでは、計数処理、計数カード発行処理および玉返却処理の処理内容のみを以下に詳細に説明する。
【0154】
はじめに図24(a)を参照して計数処理の内容について説明する。まず、情報入力ポートに各種情報を入力するためのポート入力処理が実行された後(SP1)、計数操作が検出されたか否か(計数スイッチがONとなったか否か)が判断される(SP2)。計数スイッチがONとなっていない場合には処理が終了する。計数スイッチがONとなっている場合には玉数を計数する処理が実行され、計数カウンタのカウンタ値が計数に応じて更新(+n)される(SP3)。そして処理が終了する。この第4実施形態では、第1実施形態(図9(b))のように、内部に記憶されている概略情報(個別差玉情報)と計数カウンタ値とを比較する処理は行なわれない。図26で説明するように、概略情報と計数カウンタのカウンタ値との比較処理は計数カード発行機6で行なわれるためである。
【0155】
次に、図24(b)を参照して、計数カード発行処理の内容を説明する。まず、計数カード発行操作情報が計数カード発行機6から入力されたか否かが判断される(SQ1)。計数カード発行操作情報が入力されていない場合には、貸玉料情報がカードユニット18から入力されたか否かが判断される(SQ14)。貸玉料情報が入力されている場合には、新たな遊技が開始されるものと判断できるため、内部に記憶している貸玉料情報を新たに入力された情報に更新して記憶する処理が実行され(SQ15)、処理が終了する。
【0156】
一方、計数カード発行操作情報が入力されている場合には、計数カウンタ値が参照され(SQ2)、計数カウンタの値が0であるか否かが判断される(SQ3a)。計数カウンタの値が0である場合には、発行禁止情報が計数カード発行機6へ出力される(SQ3c)。計数カウンタの値が0でない場合には、「個別差玉−計数カウンタ<X」の関係が成立するか否かが判断される(SQ3b)。SQ3bで「個別差玉−計数カウンタ<X」の関係が成立しない場合には、計数カードの発行を行なうためのSQ5以下の処理が実行されることなく、発行禁止情報が計数カード発行機6へ出力され(SQ3c)、その後処理が前記SQ12に移行する。
【0157】
ここでXは、「個別差玉−計数カウンタ<X」の算出結果から遊技者が持玉すべてを計数済であると推定するための値である。このステップの内容は、先に説明した図11(a)のSE3bと同様である。
【0158】
SQ3bで個別差玉から計数カウンタの値を差し引いた値が所定値所定値Xよりも小さい場合と判断された場合には、計数カードの発行を行なうための以下の処理が実行される。まず、内部に記憶している貸玉料設定情報が参照され(SQ4)、貸玉料が通常の半額(2円)に設定されて遊技が行なわれたか否か(半額遊技が行なわれたか否か)が判断される(SQ5)。貸玉料が通常額(4円)である場合にはSQ5でNOの判断がなされ、計数カード発行機6に計数カウンタのカウンタ値がそのまま送出される(SQ7)。一方、半額遊技が行なわれた場合には、SQ5でYESの判断がなされ、計数カウンタ値がその1/2に減算された後(SQ6)、計数カード発行機6に減算後のカウンタ値が送出される(SQ7)。
【0159】
次に、制御装置13内に記憶されている概略情報(個別差玉)が読出され(SQ8)、読出された概略情報が計数カード発行機に送出される(SQ9)。次に、遊技場管理装置2へ計数情報が出力される(SQ10)。続いて内部に記憶している個別差玉数(概略情報)が0にリセットされ(SQ11)、さらに計数カウンタがリセットされる(SQ12)。次にカードユニット18へ記憶削除指令情報が出力された後(SQ13)、処理が前記SQ14に移行する。
【0160】
次に、図25を参照して、玉返却処理を説明する。まず、計数カード発行機6から無効値情報が入力されたか否かが判断される(SR1)。無効値情報が入力されている場合には、無効値に対応する数のパチンコ玉を遊技者に返却するべく、玉返却数情報に無効値が設定され(SR8)、無効値の設定された玉返却数情報が玉返却装置12に送出され(SR7)、処理が終了する。なお、玉返却装置12は、この玉返却数情報に基づいて無効値に対応する数のパチンコ玉を遊技者に返却する。
【0161】
一方、SR1で無効値情報が入力されていない場合には、玉返却装置12から玉返却操作情報が入力されたか否かが判断される(SR2)。玉返却操作情報が入力されていない場合には処理が終了する。玉返却操作情報が入力されている場合には、まず計数カウンタ値が参照され(SR3)、次にパチンコ玉の返却数を設定した設定値が読込まれる(SR4)。次に、計数カウンタ値が返却設定数以上であるか否かが判断される(SR5)。計数カウンタ値が返却設定数以上である場合には計数カウンタ値の減算と引換えに返却設定数のパチンコ玉を遊技者に返却可能であるために、玉返却数情報に返却設定数が設定される(SR6)。一方、計数カウンタ値が返却設定数に満たない場合には、玉返却数情報に計数カウンタ値が設定され(SR9)、計数カウンタ値の範囲内でパチンコ玉を返却する制御がなされる。次に、SR5またはSR6で設定された玉返却数情報が玉返却装置12へ送出され(SR7)、処理が終了する。
【0162】
図26は、計数カード発行機6で実行されるカード発行処理の処理手順を説明するためのフローチャートである。なお、この第4実施形態では、第1実施形態と同じ順序で図14(a)の各処理が実行されるが、ここでは、計数カード発行処理の処理内容のみを以下に詳細に説明する。
【0163】
まず、計数カードの発行操作が行なわれるまで処理が待機され(ST1)、計数カードの発行操作が行なわれたことを条件にしてその操作時点から所定時間内に遊技者自身がすでに所持している計数カードが挿入されたか否か判断される(ST2)。計数カードが挿入されている場合にはその計数カードを計数カード発行機6内部のカードリーダライタ6a(図6参照)に引込む処理がなされ(ST3)、計数カードが挿入されていない場合には、ストックされている新規の計数カードがカードリーダライタ6aに送り出される(ST4)。次に、計数カード発行操作情報が制御装置13へ送出される(ST5)。
【0164】
次に、制御装置13から発行禁止情報が入力されたか否かが判断される(ST6a)。発行禁止情報が入力されている場合には、計数カードは発行されることなく中断処理が実行される(ST6c)。中断処理とは、遊技者が計数カードを挿入している場合にはこれを排出し、新規カードがカードリーダライタ6aに送り出されている場合にはこれを退避させるとともに、表示部6dに計数を促すメッセージを表示させる処理である。
【0165】
発行禁止情報が入力されていない場合には、制御装置13から半額遊技情報が入力されたか否か判断され(ST6b)、入力されている場合には半額遊技情報がカードリーダライタ6aに位置する計数カードに書込まれる(ST7)。半額遊技情報の書込み終了後またはST6bで半額遊技情報が入力されていないと判断された後、計数カウンタ値が入力されたか否か判断される(ST8)。入力されていない場合には前記ST6aに処理が戻る。計数カウンタ値が入力されれば、計数カウンタ値が入力されたか否か判断され(ST6b)、入力されていない場合には前記ST6aに処理が戻る。計数カウンタ値が入力されれば、概略遊技情報(概略情報)が入力されるまで処理が待機される(ST9)。概略遊技情報が入力されれば、概略遊技情報によって特定される個別差玉と既に先に入力されている計数カウンタ値とを比較する処理がなされ(ST10)、両者の値の誤差が許容範囲内にあるか否かが判断される(ST11)。計数カウンタ値が個別差玉よりも異常に大きく、遊技者が遊技の結果得られた持玉以外のパチンコ玉を持込んで計数している可能性がある場合にはST11でNOの判断がなされ、有効値が特定される(ST12)。有効値とは、計数カードに実際に記録する計数値である。有効値は、たとえば計数カウンタ値として定義してもよいが、多少の誤差等を考慮して計数カウンタ値+αで算出される値が有効値とされる。有効値が特定された後に無効値が制御装置13へ送出される(ST13)。無効値は「計数カウンタ値−有効値」により算出される値である。次に、計数カードに有効値が計数値として書込まれる(ST14)。一方、ST11で計数カウンタ値と個別差玉との誤差が許容範囲内であると判断された場合には、計数カウンタ値がそのまま計数値として記録カードに書込まれる(ST14)。
【0166】
次に、計数カードを発行する処理が実行され(ST15)、計数カード発行処理が終了することを条件に(ST16)、カード発行処理が終了する。
【0167】
次に、以上説明した発明の実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
(1) 各実施形態では、貸出レート選択手段で選択された貸出レートで前記遊技媒体を貸出すことが可能な遊技媒体貸出手段の一例として、プリペイドカード11を使用して玉貸しが行なわれるカードユニットを示した。しかしながら、これに代えて、現金を直接投入して玉貸しが行なわれる現金投入式玉貸機などに貸玉料を選択可能な貸玉料選択スイッチを設けて前記遊技媒体貸出手段を構成してもよい。この場合、制御装置13は次のような制御を行なうように構成するとよい。
【0168】
現金投入式玉貸機において貸玉料Aで玉貸しが行なわれれば、貸玉料Aが制御装置13で記憶されるとともに個別差玉(貸玉数+賞球数−打込玉数)が0から貸玉数だけ加算更新される。制御装置13は、個別差玉の大きさを監視し、個別差玉が所定数(たとえば0)以下となるまでは貸玉料選択スイッチの操作を無効にして貸玉料が変更されることを禁止する。以上の制御が行なわれることにより、遊技の途中に貸玉料が変更されてしまい、貸玉料に応じた精算を行なうための処理が複雑化することを防止できるとともに、当初貸玉料2円でパチンコ玉の貸出しを受けておき、精算時に貸玉料を4円に変更してその差額で利益をあげるなどという不正行為が行なわれることを防止できる。制御装置13により、遊技者の所有となった前記遊技結果価値がすべて精算されたと判断できることを条件に貸出レートを変更することを許容する貸出レート変更許容制御手段が構成されている。
【0169】
(2) カードユニット8は、制御装置13により遊技者が持玉を所有していないと判断されること(図10のSC12)を条件にして、カードユニット8に挿入されているプリペイドカード11を排出するように構成した(図12のSG18b)。しかしながら、プリペイドカード11を排出することを制限することに代えて、排出を許容するものの、次のプリペイドカード11を挿入することを禁止するように構成してもよい。あるいは、排出を許容し、かつ、次のプリペイドカード11を挿入することも許容するものの、貸玉料を変更することを禁止するように構成してもよい。制御装置13により、遊技者の所有となった前記遊技結果価値が精算されることを条件に貸出レートを変更することを許容する貸出レート変更許容制御手段が構成されている。
【0170】
(3) プリペイドカード11の残度数が無くなった場合には、カード販売機4等にそのプリペイドカード11を挿入して現金を投入することにより、度数が再度そのプリペイドカード11に記録され発行されるように構成してもよい。これにより、プリペイドカード11を繰返し使用することが可能になる。
【0171】
(4) 異なる貸出レート(貸玉料)の一例として、たとえば4円と2円とを例に挙げた。しかしながら、貸玉料としては、これらの2種類に限られるものではない。また、通常の貸玉料(4円)と、その半額の貸玉料とを例にしているが、通常の貸玉料(4円)に対してそれよりも割高の貸玉料を設定可能に構成してもよい。
【0172】
(5) 計数カード発行機6と遊技機9とは別体に構成されているが、一体的に構成されていてもよい。また、遊技機の一例として、パチンコ遊技機を例に挙げたが、コイン遊技機やスロットマシンにより遊技機を構成することも可能である。また、遊技媒体の一例として、パチンコ玉を例に挙げたが、コイン等であってもよい。制御装置13により、前記遊技機による遊技の結果、遊技者の所有となった遊技結果価値として当該遊技者が前記精算手段で精算する価値の大きさを特定することが可能な価値特定情報を、前記遊技媒体貸出手段が受付けた貸出用記録媒体別に前記遊技機における前記遊技者の遊技状況に基づいて生成する価値特定情報生成手段が構成されている。個別差玉情報(概略情報)により、前記価値特定情報が構成されている。
【0173】
(6) 個別差玉は、1遊技毎に「補給玉情報−打込玉情報=(貸玉数+賞球数)−打込玉数」で算出されるようにしているが、入賞球個数をより厳密に管理して遊技者の持玉数をさらに正確に演算するようにしてもよい。
【0174】
(7) 貸出レートの意義について
貸出レートとは、たとえば、パチンコ玉や持点などの遊技媒体1つ(1単位、1点)を貸出すのに必要とされる単価を意味する。
【0175】
(8) 前記遊技機による遊技者の遊技状況を含む所定情報に基づいて当該遊技者の所有になった前記遊技結果価値の大きさを特定するための遊技結果価値特定手段における「特定する」とは、概略的に遊技媒体の大きさを特定することを含む広い概念の意味である。
【0176】
(9) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0177】
【課題を解決するための手段の具体例】
図1に示したシステムブロック図により、遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった遊技結果価値を精算可能な遊技用システムが構成されている。パチンコ玉により前記遊技媒体が構成されおり、遊技機9による遊技の結果遊技者に払出されたパチンコ玉あるいはジェットカウンタ10の計数結果である計数値により前記遊技結果価値が構成されている。
【0178】
カードユニット8の操作部8bまたはカード販売機14の貸玉量選択操作スイッチ148により、前記遊技媒体の貸出レートを遊技者が選択可能な貸出レート選択手段が構成されている。カードユニット8,18により、当該貸出レート選択手段で選択された貸出レートで前記遊技媒体を貸出すことが可能な遊技媒体貸出手段が構成されている。制御装置13および計数カード発行機6により、当該遊技媒体貸出手段で貸出された遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった遊技結果価値を精算する精算手段が構成されている。図11(a)のSE4〜SE7、図21のSK4〜SK7、図22のSN6〜SN9、図23のSW3〜SW5、図24(b)のSQ4〜SQ7、図26のST6〜ST15により、当該遊技機で遊技者が前記遊技結果価値を所有するに至る遊技に使用した遊技媒体の貸出レートに応じた態様で前記遊技結果価値を精算するための制御動作を行なう貸出レート態様型精算制御手段が構成されている。
【0179】
図10(a)のSC8により、前記遊技機による遊技者の遊技状況を含む所定情報に基づいて当該遊技者の所有となった前記遊技結果価値の大きさを特定するための遊技結果価値特定手段が構成されている。補給玉情報および打込玉情報により、前記所定情報が構成されている。図9(b)のSA4〜SA6、図26のST9〜ST11により、当該遊技結果価値特定手段により特定される遊技結果価値の大きさと前記精算手段により実際に精算される遊技結果価値の大きさとを照合して異常が発生したか否かを判定する異常判定手段が構成されている。制御装置13によって算出される個別差玉により、前記遊技結果価値特定手段により特定される遊技結果価値が構成されている。
【0180】
図10(a)のSC8により、前記遊技機による遊技者の遊技状況を含む所定情報に基づいて当該遊技者の所有となった前記遊技結果価値としての遊技媒体の数を特定するための遊技媒体数特定手段が構成されている。計数カード発行機6、ジェットカウンタ10、制御装置13により、前記遊技機に対応して設けられた前記精算手段が構成されている。ジェットカウンタ10により遊技者の所有となった前記遊技媒体を計数する計数手段が構成されている。図9(b)のSA7により、当該計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技媒体数特定手段で特定される遊技媒体数を所定数以上超える場合に、当該計数手段の計数動作を途中で不能動化する制御が可能な計数不能動化制御手段が構成されている。
【0181】
計数カード発行機5により、精算後の遊技結果価値の大きさを特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体を発行する価値特定用記録媒体発行手段が構成されている。計数カードにより、前記価値特定用記録媒体が構成されている。図26のST10〜ST15により、実際に精算される遊技結果価値の大きさが前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技結果価値の大きさを所定量以上超える場合に、当該所定量以上の大きさの超過価値を実際に精算される遊技結果価値から差し引いて精算後の遊技結果価値を算出し、算出した遊技結果価値を特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体を前記価値特定用記録媒体発行手段から発行させる制御を行なう超過価値減算発行制御手段が構成されている。図25のSR1、SR7、SR8により、前記超過価値相当の遊技媒体を遊技者に返却可能な遊技媒体返却手段が構成されている。
【0182】
【課題を解決するための手段の具体例の効果】
請求項1に関しては、遊技者が選択した貸出レートで遊技媒体が貸出され、遊技者が前記遊技結果価値を所有するに至る遊技に使用した遊技媒体の貸出レートに応じた精算後の遊技結果価値の大きさを特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体が発行されるために、遊技者の利便性が向上される。また、遊技結果価値が貸出レートに応じた態様で精算されるようにするべく遊技機設置島等のエリア毎に遊技媒体の貸出レートを分け、各エリアの貸出レートに対応した精算機を各エリア毎に設ける等の面倒なレイアウト構成を行なう必要がなくなる。また、計数手段の計数値が遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数に満たないときに、価値特定用記録媒体の発行が禁止されるため、精算する遊技結果価値の大きさの予想と実際に精算される遊技結果価値の大きさとが食い違ってしまうような不正行為の発生を防止できる。以上により、遊技場での管理運用を容易にしつつ、かつ、遊技者の利便性を向上させることが可能な遊技用システムを提供することができる。
【0184】
請求項2に関しては、請求項1に関する効果に加えて、計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定数以上超える場合に、当該計数手段の計数動作が途中で不能動化されるために、たとえば安い貸出レートで貸出しを受けた遊技媒体を高い貸出レートで貸出しを受けた遊技媒体に混入させてまとめて計数した後高い貸出レートで精算するような不正行為が行なわれることを未然に防止できる。
【0185】
請求項3に関しては、請求項1に関する効果に加えて、前記計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定以上超える場合に、当該所定以上の大きさの超過価値を前記計数手段が計数する遊技媒体の数から差し引いて精算後の遊技結果価値を算出し、算出した遊技結果価値を特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体が発行されるために、不正行為により増額された遊技結果価値がそのまま価値特定用記録媒体で特定され、使用されてしまうことを防止できる。
【0186】
請求項4に関しては、請求項3に関する効果に加えて、前記超過価値相当の遊技媒体が遊技者に返却されるために、前記超過価値を無効としてしまうことに比較して遊技場と遊技者との無用のトラブルが発生することを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る遊技用システムのシステムブロック図である。
【図2】遊技機設置島の正面図である。
【図3】遊技機設置島の構成を示すブロック図である。
【図4】制御装置の制御内容を説明するためのブロック図である。
【図5】カード販売機の構成を示すブロック図である。
【図6】計数カード発行機の構成を示すブロック図である。
【図7】制御装置の構成を示すブロック図である。
【図8】カードユニットの構成を示すブロック図である。
【図9】制御装置の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図10】制御装置の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図11】制御装置の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図12】カードユニットの処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図13】カードユニットにより行なわれる貸玉料設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図14】カード発行機の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図15】カード販売機の正面図である。
【図16】カード販売機の構成を示すブロック図である。
【図17】カードユニットの構成を示すブロック図である。
【図18】カードユニットにより行なわれる貸玉料設定処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図19】カード販売機の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図20】遊技機設置島の構成を説明するためのブロック図である。
【図21】制御装置により行なわれる計数カード発行処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図22】計数カード発行機により行なわれるカード発行処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図23】景品処理装置の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図24】制御装置の処理内容(計数処理、計数カード発行処理)を説明するためのフローチャートである。
【図25】制御装置により行なわれる玉返却処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【図26】計数カード発行機により行なわれるカード発行処理の処理内容を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1は遊技場、2は遊技場管理装置、3は遊技機設置島、4および14はカード販売機、5は景品処理装置、6は計数カード発行機、8および18はカードユニット、8bはカードユニット8に設けられた操作部、9は遊技機、10はジェットカウンタ、11はプリペイドカード、12は玉返却装置、148はカード販売機14に設けられた貸玉料選択操作スイッチである。

Claims (4)

  1. 遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった遊技結果価値を精算可能な遊技用システムであって、
    前記遊技媒体の貸出レートを遊技者が選択可能な貸出レート選択手段と、
    前記遊技媒体の貸出レートを特定するための情報が記録された記録媒体を受付ける記録媒体受付手段と、
    前記貸出レート選択手段の操作に基づいた前記貸出レートを前記記録媒体受付手段により受付けられている前記記録媒体の記録情報によって特定可能に記憶する貸出レート記憶手段と、
    前記貸出レート記憶手段に記憶された貸出レートで前記遊技媒体を貸出すことが可能な遊技媒体貸出手段と、
    前記遊技機による遊技者の遊技状況を含む所定情報に基づいて当該遊技者の所有となった前記遊技結果価値の大きさを特定するための遊技結果価値特定手段と、
    遊技機に対応して設けられ、前記遊技媒体貸出手段で貸出された遊技媒体を使用して遊技機による遊技を行なった結果、遊技者の所有となった前記遊技媒体を計数する計数手段と、
    前記計数手段の計数結果と前記貸出レート記憶手段に記憶された貸出レートとに応じた精算後の遊技結果価値の大きさを特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体を発行する価値特定用記録媒体発行手段とを含み、
    前記貸出レート記憶手段は、前記記録媒体受付手段に前記記録媒体が再度受付けられることによって、前記貸出レート選択手段の再度の操作に基づいた前記貸出レートを前記記録媒体の記録情報によって改めて特定可能に記憶し、
    前記価値特定用記録媒体発行手段は、前記計数手段の計数値が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数に満たないときに、前記価値特定用記録媒体の発行を禁止することを特徴とする、遊技用システム。
  2. 前記計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定数以上超える場合に、当該計数手段の計数動作を途中で不能動化する制御が可能な計数不能動化制御手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の遊技用システム。
  3. 前記計数手段が計数する遊技媒体の数が前記遊技結果価値特定手段で特定される遊技媒体数を所定以上超える場合に、当該所定以上の大きさの超過価値を前記計数手段が計数する遊技媒体の数から差し引いて精算後の遊技結果価値を算出し、算出した遊技結果価値を特定可能な情報が記録された価値特定用記録媒体を前記価値特定用記録媒体発行手段から発行させる制御を行なう超過価値減算発行制御手段を含むことを特徴とする、請求項1に記載の遊技用システム。
  4. 前記超過価値相当の遊技媒体を遊技者に返却可能な遊技媒体返却手段を含むことを特徴とする、請求項3に記載の遊技用システム。
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