JP4305334B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、帯電器を備えた電子写真方式の画像形成装置に関する。
電子写真方式によって画像形成を行う画像形成装置では、像担持体である感光体上に帯電手段であるコロナ放電式の帯電器によって一様帯電を行った後、像露光手段によって像露光を行って潜像を形成し、現像手段によって現像してトナー像としたのち、転写器によって記録紙上にトナー像の転写を行うことがなされている。
従来、この種の画像形成装置に用いられるコロナ放電式の帯電器としては、ワイヤ放電方式とピン放電方式(ピン電極型、鋸歯状電極型等)に大別される。そして、ワイヤやピンなどの放電部材と感光体との間に感光体の電位を制御するためのグリッドが配置される。
このコロナ放電により発生するオゾン等の放電生成物により感光体が被爆すると、感光体の劣化が発生し、露光されても感光体電位が所定の値まで落ちずに帯電電位に近い値になる。これにより、トナーが現像されず、画像中に横方向(感光体の軸方向)の白筋となって現れる。
特にこれらの現象は、画像形成動作の終了後に放置し、再度画像形成動作を行う場合に発生しやすい。これは帯電器内にオゾン等の放電生成物が残留し、その残留物が感光体表面に拡散することで感光体を劣化させるものと考えられている。
従来、このような感光体の劣化の対策として、たとえば、帯電器内に送風することで、オゾン等を排出する方法(特許文献1参照)やプリント終了後、所定時間後に感光体を回転させ、回転時の気流で感光体表面のオゾン等を拡散させる方法(特許文献2参照)が知られている。
特開平5−313470号公報 特開平4−104267号公報
従来、前述のいずれの方法においても、十分に感光体の劣化を抑えることは難しかった。
本発明者は、この原因について鋭意研究したところ、以下のことが判明した。
感光体の帯電電位を制御するために感光体と放電部材の間に配置されているグリッドは、通常は、ステンレスやタングステン等を用いたワイヤグリッドか、ステンレス等の板金にエッチング等によってパターン形成された板状グリッドが用いられる。特にグリッドは表面積が大きく、かつ、ステンレスやタングステン等の素材に対するオゾン等の放電生成物の付着性が強いので、グリッド表面に付着したオゾン等の放電生成物は、送風や回転の気流では十分に排出されず、その後、画像形成動作を停止した状態で、徐々に感光体表面に拡散し、感光体の劣化を引き起こす。特に、グリッドは感光体に近づけて配置されているので、この影響はきわめて大きい。
特に、近年、前述の画像形成装置では、装置の小型化と処理の高速化が求められている。この要求を満たすためには、感光体ドラムを小径のドラムとし、周縁部に配置されたコロナ帯電器、像露光手段、現像手段等の処理手段を小型化し、それらの処理手段間の間隔を狭めることが必要である。また、各色毎に感光体ドラムを配置した場合は、感光体ドラム間の間隔をできるだけ狭めることが必要である。これらのことにより、画像形成装置全体としての空間が狭くなり、帯電器から発生したオゾン等の放電生成物が、感光体周辺に停留したまま排出されにくくなっており、装置の小型化と高速化に関して、感光体の劣化による画像の白筋が、大きな問題となってくる。
本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、感光体の劣化を抑え、白筋のない画像形成が可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決する方策を検討した結果、少なくとも表面が金で形成されたグリッドを使うことで、グリッド表面と前記オゾン等の放電生成物の付着力が弱まり、送風や回転時の気流により、グリッド表面のオゾン等の放電生成物を排出できるため、感光体の劣化を抑制できる。また残留しているオゾン等の放電生成物が感光体に到達しても所定時間毎に回転させることで、劣化を分散できるので、局所的な感光体の劣化を抑えられることを見いだした。
また、従来、グリッドの帯電安定性を高めるため表面に金メッキすることは知られているが、グリッドの金メッキと感光体の劣化の関係については知られていない。
本発明の目的は、以下のような構成により達成される。
請求項1に記載の発明は、トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段とを備えた画像形成装置であって、
前記帯電手段は、放電部材と、前記放電部材と前記像担持体の間に配置され、少なくとも表面が金で形成されたグリッドとを備えており、更に、画像形成動作が行われていないときに、前記像担持体を所定の時間間隔で回転させる制御手段とを有し、
前記像担持体は、第1の像担持体と、前記第1の像担持体より下方に配置された第2の像担持体を有し、前記帯電手段は前記第1の像担持体を帯電させる第1の帯電手段と前記第2の像担持体を帯電させる第2の帯電手段を有し、
前記制御手段は、前記第1の像担持体を回転させる時間間隔より前記第2の像担持体を回転させる時間間隔の方が短くなるように前記第1の像担持体と前記第2の像担持体との間で回転の時間間隔を異ならせることを特徴とする画像形成装置である。
ここで、所定の時間間隔は、30秒〜5分が像担持体の劣化を画像上でより目立たなくさせる観点から好ましい。
請求項2に記載の発明は、前記制御手段は、前記像担持体の1回の回転動作における回転距離が、前記像担持体の回転方向における前記帯電手段の長さより長くなるようにするとともに、回転させる前後において、前記帯電手段に対向する前記像担持体の部位を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記第1の像担持体と前記第1の帯電手段を有する第1の画像形成ユニットと前記第2の像担持体と前記第2の帯電手段を有する第2の画像形成ユニットに分かれていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記放電部材の少なくとも表面が金で形成されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記放電部材の基材の表面に金メッキが施されていることを特徴とする請求項に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記グリッドの基材の表面に金メッキが施されていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記放電部材が放電ワイヤであることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項1に記載の発明によれば、帯電手段のグリッド表面が金で形成されているため、グリッド表面とオゾン等の放電生成物の付着力が弱まり、像担持体の回転時の気流により、グリッド表面のオゾン等の放電生成物を排出できるため、画像形成動作が行われていないときの像担持体の劣化を抑制できる。また残留しているオゾン等の放電生成物が像担持体に到達しても所定時間毎に像担持体を回転させることで、劣化を分散できるので、局所的な像担持体の劣化を抑えられる。
オゾン等の放電生成物は、概して空気より重いので、下側に移動しやすいことや、熱気流が上方に流れやすいために上方の方が機内温度が高くなることによりオゾン等の放電生成物が分解されやすくなることに起因して、下方に位置する第2の像担持体の方が上方に位置する第1の像担持体より、劣化しやすくなる傾向にある。このような場合、第2の像担持体を回転させる時間間隔を第1の像担持体を回転させる時間間隔より短くすることで、効率的にかつ確実に像担持体の劣化を分散でき、また、回転による気流の発生頻度の増加により、劣化を抑えられる。
回転の時間間隔を変えることで、容易に回転の動作条件を異ならせることができ、また効果的に、像担持体の劣化を抑えられる。
請求項2に記載の発明によれば、画像形成動作が行われていないときに、残留しているオゾン等の放電生成物が像担持体に到達しても、像担持体の回転距離を、前記帯電手段の長さより長くなるようにするとともに、回転させる前後において、帯電手段に対向する像担持体の部位を異ならせることで、帯電手段と対向した位置にある像担持体が、帯電手段と対向しない位置に確実に移動するので、局所的な像担持体の劣化を抑えられる。
請求項に記載の発明によれば、ユニット化により密閉性があがり、オゾン等の放電生成物が像担持体の周辺に停留しやすい環境であるので、本発明の効果が顕著に発揮される。
請求項に記載の発明によれば、放電部材の表面が金で形成されているため、放電部材の表面とオゾン等の放電生成物の付着力が弱まり、像担持体の回転時の気流により、放電部材表面のオゾン等の放電生成物を除去できるため、像担持体の劣化を抑制できる。
請求項に記載の発明によれば、金メッキにより、均一に表面に金が形成できるので、より容易にオゾン等の放電生成物を除去できる。
請求項に記載の発明によれば、金メッキにより、均一に表面に金が形成できるので、より容易にオゾン等の放電生成物を除去できる。
請求項に記載の発明によれば、放電ワイヤの場合、オゾン等の放電生成物の生成量が比較的多いので、本発明の効果が顕著に発揮される。
以下に本発明に関する実施の形態の例を示すが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラー画像形成装置の構成を示す図である。
カラー画像形成装置は画像形成装置本体GH及び自動原稿搬送装置JGからなる。
画像形成装置本体GHは、鉛直方向に配置された複数の画像形成部10Y、10M、10C、10Kと、ベルト状の中間転写体6と、給紙搬送部と、定着手段24とを有する。
4つの画像形成部の10Y、10M、10C、10Kの各画像形成部毎に覆い部材を設けて、4つの画像形成ユニットに分けても良い。
イエロー色の画像を形成する画像形成部10Yは、像担持体である感光体1Yの周囲に配置された帯電手段2Y、露光手段3Y、現像手段4Y、吸引手段100Y(図示せず)及びクリーニング手段8Yを有する。マゼンタ色の画像を形成する画像形成部10Mは、前記と同様に像担持体である感光体1M、帯電手段2M、露光手段3M、現像手段4M、吸引手段100M(図示せず)及びクリーニング手段8Mを有する。シアン色の画像を形成する画像形成部10Cは、前記と同様に像担持体である感光体1C、帯電手段2C、露光手段3C、現像手段4C、吸引手段100C(図示せず)及びクリーニング手段8Cを有する。黒色画像を形成する画像形成部10Kは、前記と同様に像担持体である感光体1K、帯電手段2K、露光手段3K、現像手段4K、吸引手段100K(図示せず)及びクリーニング手段8Kを有する。帯電手段2Yと露光手段3Y、帯電手段2Mと露光手段3M、帯電手段2Cと露光手段3C及び帯電手段2Kと露光手段3Kとは、潜像形成手段を構成する。5Y、5M、5C、5Kはそれぞれ、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、黒トナーを収容したトナー容器であり、これらのトナー容器からは、現像手段4Y、4M、4C、4Kにおける消費に対応したトナーが供給される。
感光体1Y、1M、1C及び1Kのそれぞれは、金属ドラム上にOPC感光層が形成された負帯電性のOPC感光体である。なお、感光体1Y、1M、1C、1Kには、アモルファスSi感光体等のように、OPC感光体以外のものを用いることができ、正帯電性の感光体を用いることもできる。また、感光体の形状は、ドラムではなく、無端状のベルトでもよい。感光層を設けたベルトを複数のローラにより張架し、回転させればよい。
また、本画像形成装置は、不図示の制御手段により、画像形成動作が行われていないときに、所定時間毎に感光体を回転させる制御を行なうことを特徴としている。この回転制御は、画像形成動作が行われていないときに、常時行っても良いし、必要に応じて、たとえば、画像形成動作後のみに行うようにしてもよい。本装置では、主電源である電源スイッチがONの状態において、画像形成が行われないときは、常時、所定時間毎に感光体を回転させる制御を行う。
帯電手段2Y、2M、2C、2Kは、表面が金で形成されたグリッドを備えるスコロトロン放電器であり、放電部材は、放電ワイヤや鋸状電極等を用いることができる。本装置では、放電部材として放電ワイヤを採用している。
帯電手段2Yを被帯電部材である感光体1Yに対向させて、放電ワイヤに放電バイアスを印可し、コロナ放電を発生させて感光体1Yに電荷を付与し、感光体1Yを帯電させる。このとき、感光体1Yと放電ワイヤの間にグリッドを設け、そのグリッドに印可するグリッドバイアスにより、感光体に付与する電荷量を調節し、帯電電位を制御している。グリッドは、ワイヤグリッドや、板金にエッチング等によってパターン形成された板状グリッドなどを用いることができる。本装置では板状グリッドを採用している。同様に、帯電手段2Mは感光体1Mを帯電させ、帯電手段2Cは感光体1Cを帯電させ、帯電手段2Kは感光体1Kをそれぞれ帯電させる。
露光手段3Yは半導体レーザを光源として有し、レーザビームにより感光体1Yをドット露光するものであり、イエロー画像データに基づいて露光する。同様に、露光手段3Mはマゼンタ画像データに基づいて感光体1Mを露光し、露光手段3Cはシアン画像データに基づいて感光体1Cを露光し、露光手段3Kは黒画像データに基づいて感光体1Kを露光する。露光手段3Y、3M、3C、3Kには、LEDアレイ、液晶等のようにレーザビーム以外の露光手段を用いることができるが、ドット露光を行うものが好ましい。
現像手段4Y、4M、4C、4Kは、トナー及びキャリアを含有する二成分現像剤を用いて現像を行うもの又はトナーを含有し、キャリアを含有しない一成分現像剤を用いて現像を行うもののいずれでもよい。また、現像手段4Y、4M、4C、4Kは露光部にトナーを付着させる反転現像方式のもの又は未露光部にトナーを付着させる正規現像方式のもののいずれでもよく、接触現像方式、非接触現像方式のいずれでもよい。このように、現像手段4Y、4M、4C、4Kには、周知の任意のものを用いることができるが、二成分現像剤を用いた反転現像方式の現像手段が好ましい。
中間転写体6は、無端状のベルトであり、複数のローラにより張架され、循環移動可能に支持されている。
画像形成部10Y、10M、10C及び10Kにより形成された各色の画像は、循環移動する中間転写体6上に転写手段7Y、7M、7C及び7Kにより逐次転写されて(1次転写)、合成されたカラー画像が形成される。給紙搬送部の給紙カセット20内に収容された用紙Pは、給紙搬送手段の給紙手段21により給紙され、給紙ローラ22A、22B、22C、レジストローラ23等を経て、転写手段7Aに搬送され、用紙P上にカラー画像が転写される(2次転写)。カラー画像が転写された用紙Pは、定着手段24により定着処理され、排紙ローラ25に挟持されて機外の排紙トレイ26上に載置される。
一方、転写手段7Aにより用紙Pにカラー画像を転写した後、用紙Pを分離した中間転写体6は、クリーニングブレードを有するクリーニング手段8Aによりクリーニングされる。
画像形成装置本体GHの上部には、自動原稿搬送装置JGが設置されている。自動原稿搬送装置JGは原稿給紙台31に載置された原稿dを1枚ずつ搬送して読取位置を通過させ、原稿排紙台32に排紙する。自動原稿搬送装置JGは開閉可能であり、開放することにより、原稿載置部45上に原稿を載置することができる。
40は画像読取部であり、原稿を照明する光源及びミラーからなる走査ユニット41、2枚のミラーを有する走査ユニット42、結像レンズ43、CCDからなる撮像素子44及び原稿載置部45を有する。
自動原稿搬送装置JGを用いた原稿読取においては、図示の位置に走査ユニット41、42を設定するとともに、図示の位置に自動原稿搬送装置JGを設定して原稿dを搬送し多数枚の原稿dを連続読取する。原稿載置部45を用いた原稿読取においては、自動原稿搬送装置JGを開放して、原稿載置部45上に原稿dを載置し、走査ユニット41、42を移動させて原稿dを走査することにより原稿読取が行われる。自動原稿搬送装置JGは自動両面原稿搬送手段を備えている。
次に、図1に示すカラー画像形成装置における画像形成部の部分断面図である図2、図1に示すカラー画像形成装置における帯電手段の分解斜視図である図3、図1に示すカラー画像形成装置における帯電手段の断面図である図4を用いて画像形成部、特に、帯電手段、吸引手段の構造について説明する。
図2における画像形成部10の構造は、図1における画像形成部10Y、10M、10C及び10Kに共通であり、図3、4における帯電手段2の構造は、図1における帯電手段2Y、2M、2C及び2Kに共通である。以下の説明及び図2〜4においては、画像形成部10及び帯電手段2の各構成部について、Y,M、C、Kの符号を省略する。
感光体1は矢印で示すように反時計方向に回転し、感光体1には、下方から順に帯電位置、露光位置及び現像位置が設定される。このような処理を行うために、帯電手段2が下方に、現像手段4が上方にそれぞれ配置されるとともに、露光手段3からの光ビームが現像手段4と帯電手段2との間の間隙から感光体1に入射する構成となっている。
現像手段4における感光体の回転方向の上流と下流に吸引手段100のダクト部の吸引口100Aと100Bがそれぞれ設けられており、ダクトの出口には、吸引ファン100Cが設けられている。この100Aは帯電手段の下流に配置された吸引手段であり、100Bは1つ上の画像形成部の帯電手段の上流に配置された吸引手段として機能する。この吸引口100A、100Bは、図2の紙面の垂直方向、即ち、帯電手段の長手方向に延びていて、帯電手段とほぼ同じ長さを有する。なお、最も下方に位置するKの画像形成部のみは、帯電手段の上流側にも吸引口を設置した。
転写手段7は、下方に向かって移動する感光体1上のトナー像を同様に下方に向かって移動する中間転写体6に転写する。転写後の感光体1は感光体1に対してその下方に配置されたクリーニング手段8によりクリーニングされる。ESは感光体1の表面電位を検知する電位センサ、Lはクリーニング後の感光体1を一様に露光して除電を行う帯電前露光手段(PCL)である。
帯電手段2は、放電ワイヤ50、板状グリッド51及びシールド部材52を有し、シールド部材52は図2に示すように断面コ字状であり、サイドプレートと感光体1の反対側に位置するバックプレートからなり、バックプレートに通風口である開口部52Aを有し、図3に示すように細長い形状を有する。帯電手段2は支持手段としての枠体53に支持され、枠体53で案内されて図2における紙面に直交する方向に引き出すことができる。
また、シールド部材52の長手方向、すなわち、帯電手段2の長手方向の両端は、放電ワイヤの固定部材などで覆われているが、その長手方向の片側には通風口52Bが、他方の片側には吸引口52Cがそれぞれ設けられている。この吸引口52Cは前述の吸引手段100に連通しており(図示せず)、ファン100Cにより吸引力が発生する。
送風時には、通風口52Aからグリッド51に向かって矢印(図2)で示すような空気流が発生し、この空気流は、オゾン等の放電生成物とともに前述の吸引口100Aや100B(厳密には、下方に配置された画像形成部の吸引口100B)から吸引される。また、帯電手段2の長手方向における通風口52Bから発生した空気流は、オゾン等の放電生成物と共に吸引口52Cから吸引される。
枠体53には、送風手段の構成部としてのダクト55が固定される。ダクト55内には、3枚の気流規制板551、552、553が設けられ、これらの気流規制板により、通風路H1、H2、H3が形成されるとともに、これらの通風路に対応した開口53Aが枠体53に設けられ、開口53Aから導入された空気がバックプレートの通風口52Aを通して感光体1に対して均一に吹き付けられる。ダクト55と枠体53の側面53Bにはダクト57が接続され、ダクト57の空気導入口には、ファン58及びフィルタ59が設けられる。このようにダクト55、57、ファン58及びフィルタ59は送風手段を構成する。
送風手段や吸引手段としては、ダクトやフィルタは必ずしも必要ではなく、送風手段や吸引手段としてのファンやポンプなどを、直接、必要な部位に設けても良い。また、本例では、送風用のファンと吸引のファンを、各々1つづつ設けているが、バックプレートの通風口52Aからの送風と長手方向の通風口52Bからの送風とで別々のファンにしても良い。また、前述の吸引口100Aと100Bや帯電手段の長手方向の他方の片側の吸引口52Cについても同様に別々にファンを設けても良い。
図2に示すように、シールドプレート52と枠体53との間の間隙は、現像手段4の下方に位置する部分において、遮蔽手段としてのウレタンシート60により遮蔽される。また、枠体53の底部には、フェライトゴムシートからなる磁気部材としての磁気シート54が接着される。ウレタンシート60により、現像手段4から漏れた現像剤が帯電手段2内に進入することが防止されるとともに、枠体53内に現像剤が進入することが防止される。
また、帯電手段2の着脱操作時に枠体53内に落下した現像剤が飛散し、放電ワイヤ50に付着する場合があるが、断面コ字状の枠体53の底部に磁気部材としての磁気シート54を設けることにより、磁気シート54にキャリアが吸着してその飛散が防止され、キャリアの放電ワイヤ50への付着が確実に防止される。
本発明では、帯電手段のグリッドの表面が金で形成されていることを特徴としており、素材そのものを金で作製するか、あるいは、ステンレスやタングステン等の基材の表面を金で被覆しても良い。金被膜の厚さは、オゾン等の放電生成物の除去効率や製造コストの観点から、平均膜厚で1μm〜5μmが好ましい。
被膜は、メッキ、蒸着、スパッタリング、塗布等により形成させることができるが、特にメッキが好ましい。メッキは、他の方法に比べて、表面に均一に金が形成できるので、オゾン等の放電生成物の除去性が向上する。また、金メッキ層の形成をパルス電流による電解メッキ法によって行うことにより、通常の直流電流による電解メッキ法による場合に比して、形成される金メッキ層が、組織が緻密で硬く、ピンホールの少ないものとなると共に、層厚が薄くても均一なものとなり、オゾン等の放電生成物の除去性が向上する。
金メッキ層を形成するためのパルス電流による電解メッキ法は、特にそのプロセスや条件が限定されるものではなく、通常の方法と同様にして行うことができる。電解メッキ法における電流は、パルス電流であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば商用電源の交流を整流して得られる種々のパルス電流を用いることができ、矩形波によるパルス電流が好ましく用いられる。このパルス電流のパルス幅(オンタイム)は、例えば数マイクロ秒から数百マイクロ秒の範囲で設定することができるが、このオンタイムの時間は、オフタイムまたは充電時間より長いことが好ましく、これにより、形成される金メッキ層を、組織の緻密なものとすることができる。パルス電流は、電流密度が例えば0.5〜1.6A/dm2、電圧が例えば2〜6Vとされる。実際の金メッキを行うプロセスでは、メッキ対象物であるグリッド基材に対して、種々の前処理工程および後処理工程が行われる。その一例では、例えば、化学研磨処理、水洗処理、酸浸漬処理、水洗処理、純水浸漬処理、金メッキ工程、水洗処理および乾燥処理が行われる。
パルス電流による電解メッキ法では、直流電流によるメッキ法に比して、陰極界面で高電流密度の電解が行われることとなるため、生成する結晶粒径が小さいものとなり、従って組織が緻密で密度が高く、硬い金メッキ層が形成され、しかもこの金メッキ層はピンホールの少ないものとなり、また、層厚が薄くても均一な金メッキ層が形成される。そして、陰極を形成しているグリッド基材の表面と析出する金とが例えば合金化し易い状態が得られるために、金メッキ層の密着性が高いものとなる。
放電ワイヤは、直径が20〜150μmのタングステン、ステンレス、金などの線材を用いることができるが、特に表面が金で形成されていることが好ましい。線材そのものを金で作製するか、あるいは、ステンレス鋼やタングステン等の基材の表面を金で被覆しても良い。金被膜の厚さは、オゾン等の放電生成物の除去効率や製造コスト、放電効率の観点から、平均膜厚で1μm〜5μmが好ましい。
被膜は、メッキ、蒸着、スパッタリング、塗布等により形成させることができるが、特にメッキが好ましい。メッキは、他の方法に比べて、表面に均一に金が形成できるので、オゾン等の放電生成物の除去性が向上する。
図5は本発明の画像形成装置のブロック図を示す。本発明に係る画像形成装置の機能的構成を図5を用いて説明する。図1で説明した構成と同一のものには同じ符号を付けて、その説明を省略する。
本画像形成装置は、画像形成装置の動作を統括制御する制御手段200、原稿画像を読み取って対応する画像データを取り込む機能を果たす画像読取部40、画像読取部からの画像データを入力し、フィルタ処理、階調調整、変倍処理等の画像処理を行う画像処理部301、画像処理部301で処理された画像データに基づいて感光体上にトナー像を形成する画像形成部10Y,10M,10C,10K、感光体上に形成されたトナー像を中間転写体に転写する転写手段7Y,7M,7C,7K、中間転写体のトナー像を記録紙に転写する転写手段7A、転写手段7Aに記録紙を供給する給紙搬送部、トナー像が転写された記録紙を定着する定着手段24、前記感光体を回転させる時間間隔202Y,202M,202C,202Kや回転距離203Y,203M,203C,203Kや回転の線速度204Y,204M,204C,204Kなどの回転の動作条件や画像形成動作終了後、送風手段停止までの時間205Y,205M,205C、205Kや風速206Y,206M,206C,206K、風量207Y,207M,207C,207Kなどの送風条件などの各パラメータを記憶する不揮発メモリーからなる記憶手段208、表示と入力の両方の機能を有し、プリント枚数の設定をはじめ各種の設定や画像形成指令等の指示操作を前記制御手段200に行う操作入力手段209、感光体を所定の時間間隔で回転させるための計時手段(タイマー)である210Y、210M,210C,210K、送風手段を所定時間作動させるための計時手段(タイマー)である211Y、211M,211C,211K、主電源と副電源からなる電源供給手段212等から構成される。前述の画像形成部は、トナー像を担持する感光体1Y,1M,1C,1K,吸引手段100Y、100M,100C,100K、各色ごとに送風手段を有する帯電手段2Y,2M,2C,2K,露光手段3Y,3M,3C,3K,現像手段4Y,4M,4C,4Kなどから構成され、各手段はそれぞれ不図示のモーターなどの駆動手段を有している。制御手段200はCPU(中央演算回路)、メモリM1、図示しない演算ユニット、入出力インターフェイスなどから構成されるコンピューターシステムである。前述の各構成の制御は、予めメモリM1に記憶させてあるプログラムを実行させることによりなされる。
本発明に係る画像形成装置の動作について、図6を用いて説明する。動作は、Y,M,C,Kで共通なので、各部の符号Y,M,C,Kは省略する。
所定時間毎の感光体の回転動作は、主電源である電源スイッチがONされた状態で、画像形成動作が行われていない時に常時行う。
ステップS101では、電源供給手段212の主電源である電源スイッチがONされる。
ステップS102では、装置の初期化が行われる。
ステップS103では、計時手段であるタイマー210のリセットが行われる。
ステップS104では、操作入力手段209からの画像形成指令があるかどうかを判断する。画像形成指令があれば(ステップS104でYES)、ステップS105の処理が実行され、画像形成指令がなければ(ステップS104でNO)、ステップS108の処理が実行される。
ステップS105では、画像読み取り部40から画像を読み込んで、画像形成部10で画像形成動作を開始する。
ステップS106では、タイマー210がリセットされる。
ステップS107では、制御手段200が、画像形成動作が終了したかどうかを監視し、画像形成動作が終了すると(ステップS107でYES)、ステップS108の処理を実行し、画像形成動作が終了していなければ(ステップ107でNO)、そのままステップS107の処理を継続し、画像形成動作が終了したかどうかを監視する。
ステップS108では、制御手段200を通じてタイマー210が計時を開始する。
ステップS109では、制御手段200は、記憶手段208から感光体1を回転させる時間間隔202を読み出し、タイマー210の計時時間を監視しながら、計時時間が時間間隔202に達すると(ステップS109でYES)、ステップS110の処理を実行し、所定時間に達しないと(ステップS109でNO)、ステップS111の処理を実行する。
ステップS110では、制御手段200は、回転の線速度204や、回転距離203などの回転の動作条件を記憶手段208から読み出して、感光体1の駆動手段に指令を出し、感光体1をその条件で回転させる。その後、ステップS103の処理を実行する。回転距離203は、回転させる前後において、帯電手段に対向する感光体の部位を異ならせるように、感光体の回転方向におけ帯電手段の長さより若干長くなるようにしている。これにより、帯電手段と対向した位置にある感光体が、帯電手段と対向しない位置に確実に移動するので、局所的な感光体の劣化を抑えられる。また、感光体の画像形成部ではない部分にフィンを設けることにより、感光体の回転時の気流によるグリッド表面のオゾン等の放電生成物を除去する効果を高めることができる。
ステップS111では、操作入力手段209からの画像形成指令があるかどうかを判断する。画像形成指令があれば(ステップS111でYES)、ステップS105の処理が実行され、画像形成指令がなければ(ステップS111でNO)、ステップS109の処理が実行される。
以上の動作が、Y,M,C,Kのそれぞれの画像形成部に対して行われる。
本発明に係る画像形成装置の他の実施の形態について、図7を用いて説明する。動作は、Y,M,C,Kで共通なので、各部の符号Y,M,C,Kは省略する。
送風動作は、画像形成動作の開始とほぼ同時に開始し、画像形成動作が終了後の所定時間後に終了する。本画像形成装置では、電源として主電源以外に副電源として電池を備えており、送風中に、主電源がOFFされても副電源により所定時間は送風を行う。
ステップS201では、電源供給手段212の主電源である電源スイッチがONされる。
ステップS202では、装置の初期化が行われる。
ステップS203では、操作入力手段209からの画像形成指令があるかどうかを判断する。画像形成指令があれば(ステップS203でYES)、ステップS204の処理が、画像形成指令がなければ(ステップS203でNO)、ステップS203の処理が継続して行われる。
ステップS204では、制御手段200は、風速206、風量207などの送風条件を記憶手段208から読み出して、送風手段の駆動手段に指令を出し、その条件で、送風手段の動作を開始させる。
ステップS205では、画像読み取り部40から画像を読み込んで、画像形成部10での画像形成動作を開始する。
ステップS206では、タイマー211がリセットされる。
ステップS207では、制御手段200が、画像形成動作が終了したかどうかを監視し、画像形成動作が終了すると(ステップS207でYES)、ステップS208の処理を実行し、画像形成動作が終了していなければ(ステップS207でNO)、そのままステップS207の処理を継続し、画像形成動作が終了したかどうかを監視する。
ステップS208では、制御手段200を通じてタイマー211が計時を開始する。
ステップS209では、制御手段200は、記憶手段208から送風手段停止までの時間205を読み出し、タイマー211の計時時間を監視しながら、計時時間が送風手段停止までの時間205に達すると(ステップS209でYES)、ステップS210の処理を実行し、所定時間に達しないと(ステップS209でNO)、ステップS211の処理を実行する。
ステップS210では、送風手段の駆動手段に指令を出し、送風動作を停止させ、ステップS203の処理を実行する。
ステップS211では、操作入力手段209からの画像形成指令があるかどうかを判断する。画像形成指令があれば(ステップS211でYES)、ステップS205の処理を実行し、画像形成指令がなければ(ステップS211でNO)、ステップS209の処理が実行される。
以上の動作が、Y,M,C,Kのそれぞれの画像形成部に対して行われる。
吸引手段100の動作を送風動作に併せて行う場合には、吸引手段100の動作は、送風手段の動作タイミングと同様に画像形成動作とほぼ同時に、開始し、画像形成動作の終了後の所定時間後に終了させることが好ましい。
上記制御手段は、1つの制御手段で画像形成動作や送風制御や感光体の回転制御などを行っているが、別々の制御手段で制御を行うようにしても良い。
送風動作と画像形成動作を行わないときの感光体の回転動作の両方を併用して行うと、感光体の劣化を抑える効果がより高まるので好ましい。またY,M,C,Kの画像形成部のうち、少なくとも2つの画像形成部についての送風条件や回転条件を異ならせることで、より効率的に感光体の劣化を抑えられるので好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)図1に示すタンデム型フルカラー複写機において、負帯電性のOPC感光体を用い、感光体の回転の線速度を220(mm/sec)とした。現像剤は、2成分現像剤を用い、現像器中の透磁率センサの測定結果から、トナー濃度を調整することにより、トナー帯電量の調整を行った。帯電器は、図2に示すスコロトロン帯電器を用い、放電ワイヤは、直径が30μmのタングステンのワイヤに平均膜厚が1.5μmの金メッキを施し、その後に表面凹凸をなくすため、φ30μmのダイス処理を行ったものを用いた。グリッドは、ステンレス板に所定のパターンのエッチング処理を行った板状グリッドの表面に、平均膜厚が1.5μmの金メッキをパルス電流による電解メッキ法により施したものを用いた。現像器の現像バイアスは、ベタ画像濃度が最適になるように設定した。露光のレーザー光強度は感光体の中間調電位が所望の範囲になるように設定した。感光体は、画像形成動作終了後の放置時に、画像形成動作終了直後からの放置時間を計時し、3分経過毎に感光体を前述の線速度で、30mm回転させた。この回転距離は、帯電器の感光体回転方向における長さより若干長くしてある。なお、帯電器への送風は行わない。
以下の条件で、Kの画像形成部について、20万プリントの耐久テストを実施した。
スタート時に、温度20℃で相対湿度が50%の環境条件で、ハーフトーン画像を出力し、白筋の発生状況を調べた。その後、5万枚の連続プリントをした後、温度10℃で相対湿度が20%の環境条件で10分間放置した後、ハーフトーン画像を出力し、白筋の発生状況を調べた。スタート後の累積で10万枚の連続プリントをした後、温度20℃で相対湿度が50%の環境条件で10分間放置した後、ハーフトーン画像を出力し、白筋の発生状況を調べた。スタート後の累積で20万枚の連続プリントをした後、温度が30℃で相対湿度が80%の環境条件で10分間放置した後、ハーフトーン画像を出力し、白筋の発生状況を調べた。
(比較例1)放電ワイヤとグリッドの金メッキがなく、画像形成動作終了後の放置時の感光体の回転を行わない点以外は、実施例1と同様である。
(比較例2)画像形成動作終了後の放置時の感光体の回転を行わない点以外は、実施例1と同様である。
(比較例3)グリッドの金メッキがない点以外は、実施例1と同様である。
評価結果を表1に示す。
Figure 0004305334
○:白筋は全くなく、画像として全く問題ない。
○△:白筋はほとんどなく、画像として問題ない。
△:若干の白筋あるが、実用上は問題ない。
×:白筋あり、実用上問題。
××:白筋多く、実用上きわめて問題。
表1よりグリッドを金メッキして、放置時、所謂、画像形成が行われていないときの感光体の回転制御を行った実施例1は、各比較例に比し、白筋の発生がなく、優れていることがわかる。
(実施例2)画像形成装置や現像部、感光体等の諸条件は、感光体の回転制御の代わりに以下に示す帯電器への送風制御を行った点以外は、実施例1と同様である。
図2のスコロトロン帯電器のシールド部材のバックプレートの開口部と帯電器の長手方向の片側の通風口から送風し、帯電器の上流と下流及び帯電器の長手方向の他方の片側の吸引口から吸引した。送風と吸引の動作は、画像形成動作が行われている間及び画像形成動作終了後の5分間について行った。送風は風速0.3(m/sec)で空気を送風した。風速は、帯電器のバックプレート開口部における帯電器長手方向中央部の位置での測定値である。
以下の条件で、Kの画像形成部について、画像評価を行った。
スタート時と3分間の放置後、さらにスタートからの累積で10分間の放置後にそれぞれハーフトーン画像を出力し、白筋の発生状況を調べた。この一連の実験を、温度20℃で相対湿度が50%の環境条件と温度10℃で相対湿度が20%の環境条件で行った。
(比較例4)放電ワイヤとグリッドの金メッキがなく、帯電器への送風、吸引を行わない点以外は、実施例2と同様である。
(比較例5)帯電器への送風、吸引を行わない点以外は、実施例2と同様である。
(比較例6)グリッドの金メッキがない点以外は、実施例2と同様である。
評価結果を表2に示す。
Figure 0004305334
表2よりグリッドを金メッキして、帯電器への送風制御を行った実施例2は、各比較例に比し、白筋の発生がなく、優れていることがわかる。
(実施例3)画像形成装置や現像部、感光体等の諸条件は、Y,M,C,Kの4色の画像形成部でプリントと帯電器への送風を行った以外は、実施例2と同様である。
まず、各色における送風の風速の最適値を調べるため、以下の実験を行った。
1000枚の連続プリントを実施した直後、3分間の放置後、さらにスタートからの累積で10分間の放置後にそれぞれ温度10℃で相対湿度が20%の環境条件でハーフトーン画像を出力し、白筋の発生状況を調べた。実施例2と同様に、画像形成動作が行われている間及び画像形成動作終了後の5分間について、空気を送風しているが、その送風速度を表3に示す6通りの条件でY,M,C,Kのそれぞれについて評価した。結果を表3に示す。
Figure 0004305334
表3より風速の最適値は、Yが0.3(m/sec)、Mが0.5(m/sec)、Cが0.7(m/sec)、Kが1.0(m/sec)とした。
ここで、4色すべてについて1.0(m/sec)の風速で送風すれば、白筋がおさえられることになるが、本機では、4色すべてについて1.0(m/sec)の風速で送風すると、装置使用時の消費電力の上限値である3kWをオーバーしてしまうので使用できない。
そこで、本実施例3では、上記のYが0.3(m/sec)、Mが0.5(m/sec)、Cが0.7(m/sec)、Kが1.0(m/sec)なる風速で送風し、実施例1と同様な方法で、20万プリントの耐久テストを行った。
(実施例4)全色について0.3(m/sec)の風速で送風した以外は、実施例3と同様にして、20万プリントの耐久テストを行った。
Kについての評価結果を表4に示す。
Figure 0004305334
表4より、Y,M,C,Kでそれぞれ異なる最適の風速で送風した実施例3は、全色について0.3(m/sec)の風速で送風した実施例4に比し、白筋の発生の点で優れていることがわかる。また、前述の装置使用時の消費電力を不必要に増加させることなく、効率的に白筋の発生を抑えられる。即ち鉛直方向に複数の画像形成部を設けた場合、より下方に位置する画像形成部ほど風速を上げることが、より好ましいことがわかる。
本発明の実施の形態に係る画像形成装置の一例であるカラー画像形成装置の構成を示す図である。 図1に示すカラー画像形成装置における画像形成部の部分断面図である。 図1に示すカラー画像形成装置における帯電手段の分解斜視図である。 図1に示すカラー画像形成装置における帯電手段の断面図である。 図1に示すカラー画像形成装置における機能ブロック図である。 図1に示すカラー画像形成装置における感光体の回転制御の流れを示すフローチャートである。 図1に示すカラー画像形成装置における送風制御の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1、1Y、1M、1C、1K 感光体
2、2Y、2M、2C、2K 帯電手段
3、3Y、3M、3C、3K 露光手段
4、4Y、4M、4C、4K 現像手段
50 放電ワイヤ
51 グリッド
52 シールドプレート
53 枠体
54 磁気シート
55、57 ダクト
58 送風ファン
59 フィルタ
60 ウレタンシート
100 吸引手段
100C 吸引ファン

Claims (7)

  1. トナー像を担持する像担持体と、前記像担持体を帯電させる帯電手段とを備えた画像形成装置であって、
    前記帯電手段は、放電部材と、前記放電部材と前記像担持体の間に配置され、少なくとも表面が金で形成されたグリッドとを備えており、更に、画像形成動作が行われていないときに、前記像担持体を所定の時間間隔で回転させる制御手段とを有し、
    前記像担持体は、第1の像担持体と、前記第1の像担持体より下方に配置された第2の像担持体を有し、前記帯電手段は前記第1の像担持体を帯電させる第1の帯電手段と前記第2の像担持体を帯電させる第2の帯電手段を有し、
    前記制御手段は、前記第1の像担持体を回転させる時間間隔より前記第2の像担持体を回転させる時間間隔の方が短くなるように前記第1の像担持体と前記第2の像担持体との間で回転の時間間隔を異ならせることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段は、前記像担持体の1回の回転動作における回転距離が、前記像担持体の回転方向における前記帯電手段の長さより長くなるようにするとともに、回転させる前後において、前記帯電手段に対向する前記像担持体の部位を異ならせることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記第1の像担持体と前記第1の帯電手段を有する第1の画像形成ユニットと前記第2の像担持体と前記第2の帯電手段を有する第2の画像形成ユニットに分かれていることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  4. 前記放電部材の少なくとも表面が金で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記放電部材の基材の表面に金メッキが施されていることを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記グリッドの基材の表面に金メッキが施されていることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記放電部材が放電ワイヤであることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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