以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、フローチャートにおける数字の前に付されたアルファベットSはステップを意味する。
図1〜図13を参照して、本発明の一実施形態による画像形成装置100について説明する。画像形成装置100(ここではカラープリンター)本体内には4つの画像形成部Pa、Pb、Pc及びPdが、搬送方向上流側(図1では右側)から順に配設されている。これらの画像形成部Pa〜Pdは、異なる4色(シアン、マゼンタ、イエロー及びブラック)の画像に対応して設けられており、それぞれ帯電、露光、現像及び転写の各工程によりシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの画像を順次形成する。
これらの画像形成部Pa〜Pdには、各色の可視像(トナー像)を担持する感光体ドラム(像担持体)1a、1b、1c及び1dが配設されており、さらに駆動手段(図示せず)により図1において時計回りに回転する中間転写ベルト(中間転写体)8が各画像形成部Pa〜Pdに隣接して設けられている。これらの感光体ドラム1a〜1d上に形成されたトナー像が、各感光体ドラム1a〜1dに当接しながら移動する中間転写ベルト8上に順次一次転写されて重畳される。その後、中間転写ベルト8上に一次転写されたトナー像は、二次転写ローラー9の作用によって記録媒体の一例としての転写紙P上に二次転写される。さらに、トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13においてトナー像が定着された後、画像形成装置100本体より排出される。感光体ドラム1a〜1dを図1において反時計回りに回転させながら、各感光体ドラム1a〜1dに対する画像形成プロセスが実行される。
トナー像が二次転写される転写紙Pは、画像形成装置100の本体下部に配置された用紙カセット16内に収容されており、給紙ローラー12a及びレジストローラー対12bを介して二次転写ローラー9と後述する中間転写ベルト8の駆動ローラー11とのニップ部へと搬送される。中間転写ベルト8には誘電体樹脂製のシートが用いられ、継ぎ目を有しない(シームレス)ベルトが主に用いられる。また、二次転写ローラー9の下流側には中間転写ベルト8表面に残存するトナー等を除去するためのブレード状のベルトクリーナー19が配置されている。
次に、画像形成部Pa〜Pdについて説明する。回転自在に配設された感光体ドラム1a〜1dの周囲及び下方には、感光体ドラム1a〜1dを帯電させる帯電器2a、2b、2c及び2dと、各感光体ドラム1a〜1dに画像情報を露光する露光装置5と、感光体ドラム1a〜1d上にトナー像を形成する現像装置3a、3b、3c及び3dと、感光体ドラム1a〜1d上に残留した現像剤(トナー)等を除去するクリーニング部7a、7b、7c及び7dが設けられている。
パソコン等の上位装置から画像データが入力されると、先ず、帯電器2a〜2dによって感光体ドラム1a〜1dの表面を一様に帯電させ、次いで露光装置5によって画像データに応じて光照射し、各感光体ドラム1a〜1d上に画像データに応じた静電潜像を形成する。現像装置3a〜3dには、それぞれシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの各色のトナーを含む二成分現像剤が所定量充填されている。なお、後述のトナー像の形成によって各現像装置3a〜3d内に充填された二成分現像剤中のトナーの割合が規定値を下回った場合にはトナーコンテナ(補給部)4a〜4dから各現像装置3a〜3dにトナーが補給される。この現像剤中のトナーは、現像装置3a〜3dにより感光体ドラム1a〜1d上に供給され、静電的に付着することにより、露光装置5からの露光により形成された静電潜像に応じたトナー像が形成される。
そして、一次転写ローラー6a〜6dにより一次転写ローラー6a〜6dと感光体ドラム1a〜1dとの間に所定の転写電圧で電界が付与され、感光体ドラム1a〜1d上のシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックのトナー像が中間転写ベルト8上に一次転写される。これらの4色の画像は、所定のフルカラー画像形成のために予め定められた所定の位置関係をもって形成される。その後、引き続き行われる新たな静電潜像の形成に備え、一次転写後に感光体ドラム1a〜1dの表面に残留したトナー等がクリーニング部7a〜7dにより除去される。
中間転写ベルト8は、上流側の従動ローラー10と、下流側の駆動ローラー11とに掛け渡されており、駆動モーター(図示せず)による駆動ローラー11の回転に伴い中間転写ベルト8が時計回りに回転を開始すると、転写紙Pがレジストローラー対12bから所定のタイミングで駆動ローラー11とこれに隣接して設けられた二次転写ローラー9とのニップ部(二次転写ニップ部)へ搬送され、中間転写ベルト8上のフルカラー画像が転写紙P上に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは定着部13へと搬送される。
定着部13に搬送された転写紙Pは、定着ローラー対13aにより加熱及び加圧されてトナー像が転写紙Pの表面に定着され、所定のフルカラー画像が形成される。フルカラー画像が形成された転写紙Pは、複数方向に分岐した分岐部14によって搬送方向が振り分けられる。転写紙Pの片面のみに画像を形成する場合は、そのまま排出ローラー対15によって排出トレイ17に排出される。
一方、転写紙Pの両面に画像を形成する場合は、定着部13を通過した転写紙Pの一部を一旦排出ローラー対15から装置外部にまで突出させる。そして、転写紙Pの後端が分岐部14を通過した後に排出ローラー対15を逆回転させるとともに分岐部14の搬送方向を切り換える。これにより、転写紙Pは後端から用紙搬送路18に振り分けられ、画像面を反転させた状態で二次転写ニップ部に再搬送される。そして、中間転写ベルト8上に形成された次のトナー像が、二次転写ローラー9によって転写紙Pの画像が形成されていない面に二次転写される。トナー像が二次転写された転写紙Pは、定着部13に搬送されてトナー像が定着された後、排出トレイ17に排出される。
次に、図2を参照して、現像装置3aの詳細構造について説明する。なお、図2は図1の背面側から見た状態を示しており、現像装置3a内の各部材の配置は図1と左右が逆になっている。また、以下の説明では図1の画像形成部Paに配置される現像装置3aを例示するが、画像形成部Pb〜Pdに配置される現像装置3b〜3dの構成についても基本的に同様であるため説明を省略する。
図2に示すように、現像装置3aは、磁性キャリアとトナーとを含む二成分現像剤(以下、単に現像剤と呼ぶ)が収納される現像容器(ケーシング)20を備えており、現像容器20は仕切壁20aによって攪拌搬送室21、供給搬送室22に区画されている。攪拌搬送室21及び供給搬送室22には、トナーコンテナ4a(図1参照)から供給されるトナーを磁性キャリアと混合して攪拌し、帯電させるための攪拌搬送スクリュー25a及び供給搬送スクリュー25bがそれぞれ回転可能に配設されている。
そして、攪拌搬送スクリュー25a及び供給搬送スクリュー25bによって現像剤が攪拌されつつ軸方向(図2の紙面と垂直な方向)に搬送され、仕切壁20aの両端部に形成された不図示の現像剤通過路を介して攪拌搬送室21、供給搬送室22間を循環する。即ち、攪拌搬送室21、供給搬送室22、現像剤通過路によって現像容器20内に現像剤の循環経路が形成されている。
現像容器20は図2の右斜め上方に延在しており、現像容器20内において供給搬送スクリュー25bの上方には磁気ローラー30が配置され、磁気ローラー30の右斜め上方には現像ローラー31が対向配置されている。そして、現像ローラー31の外周面の一部が現像容器20の開口部20bから露出し、感光体ドラム1aに対向している。磁気ローラー30および現像ローラー31は、それぞれ図2において反時計回り方向に回転する。
磁気ローラー30は、図2において反時計回り方向に回転する非磁性の回転スリーブと、回転スリーブに内包される複数の磁極を有する固定マグネット体で構成されている。
現像ローラー31は、図2において反時計回り方向に回転する円筒状の現像スリーブと、現像スリーブ内に固定された現像ローラー側磁極で構成されており、磁気ローラー30と現像ローラー31とはその対向位置において所定のギャップをもって対向している。現像ローラー側磁極は、固定マグネット体の対向する磁極と異極性である。
また、現像容器20には穂切りブレード35が磁気ローラー30の長手方向(図2の紙面と垂直方向)に沿って取り付けられており、穂切りブレード35は、磁気ローラー30の回転方向(図2の反時計回り方向)に対し、現像ローラー31と磁気ローラー30との対向領域Rよりも上流側に位置付けられている。そして、穂切りブレード35の先端部と磁気ローラー30表面との間には僅かな隙間(ギャップ)が形成されている。
現像ローラー31には、直流電圧(以下、Vslv(DC)ともいう)及び交流電圧(以下、Vslv(AC)ともいう)が印加され、磁気ローラー30には、直流電圧(以下、Vmag(DC)ともいう)及び交流電圧(以下、Vmag(AC)ともいう)が印加されている。これらの直流電圧及び交流電圧は、現像バイアス電源からバイアス制御回路(いずれも図示せず)を経由して現像ローラー31及び磁気ローラー30の各スリーブに印加される。
前述のように、攪拌搬送スクリュー25a及び供給搬送スクリュー25bによって、現像剤が攪拌されつつ現像容器20内の攪拌搬送室21及び供給搬送室22を循環してトナーが帯電し、供給搬送スクリュー25bによって現像剤が磁気ローラー30に搬送される。そして、磁気ローラー30上に現像剤から磁気ブラシ(図示せず)を形成し、磁気ローラー30上の磁気ブラシは穂切りブレード35によって層厚規制された後、磁気ローラー30と現像ローラー31との対向領域Rに搬送され、磁気ローラー30に印加されるVmag(DC)と現像ローラー31に印加されるVslv(DC)との電位差ΔV、及び磁界によって現像ローラー31上にトナー薄層を形成する。
現像ローラー31上のトナー層厚は現像剤の抵抗や磁気ローラー30と現像ローラー31との回転速度差等によっても変化するが、磁気ローラー30と現像ローラー31との間の電位差ΔVによって制御することができる。この電位差ΔVを大きくすると現像ローラー31上のトナー層は厚くなり、電位差ΔVを小さくするとトナー層は薄くなる。
磁気ブラシによって現像ローラー31上に形成されたトナー薄層は、現像ローラー31の回転によって感光体ドラム1aと現像ローラー31との対向領域(現像領域)に搬送される。現像ローラー31には所定のバイアスが印加されているため、感光体ドラム1aとの間の電位差によって現像ローラー31から感光体ドラム1aにトナーが飛翔し、感光体ドラム1a上の静電潜像が現像される。
現像に用いられずに現像ローラー31に残ったトナーは、現像ローラー31の回転により再度現像ローラー31と磁気ローラー30との対向領域Rに搬送され、磁気ローラー30上の磁気ブラシによって回収される。そして、磁気ブラシは磁気ローラー30の固定マグネット体の同極部分で磁気ローラー30から引き剥がされた後、供給搬送室22内に落下する。なお、磁気ブラシによる回収動作では、現像ローラー31上のトナーは完全には回収されないので、所定のタイミングで後述するトナー回収動作が行われる。
また、現像ローラー31の近傍(ここでは、対向領域Rに対して現像ローラー31の回転方向上流側の部分)には、対向領域R周辺の空気および浮遊トナーを吸引するための吸引口40が設けられている。この吸引口40には、第1ダクト42が繋がっている。図3に示すように、各現像装置3a〜3dの第1ダクト42には、連結部43を介して第2ダクト44が連結されている。そして、第1ダクト42、連結部43及び第2ダクト44によってダクト41が構成されている。
吸引口40(図2参照)および第1ダクト42は、現像装置3a〜3dの長手方向に沿って延びるように形成されているとともに、現像容器20により形成されている。なお、吸引口40および第1ダクト42は、現像容器20とは別体で形成されていてもよい。連結部43は、複数の第1ダクト42を集結して第2ダクト44に接続する。
第2ダクト44は、第1ダクト42に対して垂直方向に延びるように配置されている。また、第2ダクト44にはトナー収集容器45が設けられている。トナー収集容器45の下流側には、ダクト41内に空気流を発生させるファン46が配設されている。ファン46によって、現像容器20(図2参照)内の空気は吸引口40から第1ダクト42に吸引され、連結部43、第2ダクト44およびトナー収集容器45を介して画像形成装置100の外部に排出される。
トナー収集容器45には、フィルター47aおよび47bが設けられている。ファン46により空気と共に吸引されたトナーは、フィルター47aおよび47bによって捕集される。このトナー収集容器45はメンテナンス時に新しいものに交換される。なお、トナー収集容器45の大きさによっては、メンテナンス時にトナー収集容器45が交換されず、画像形成装置100の寿命まで1つのトナー収集容器45が使用され続ける場合もある。また、トナー収集容器45全体を交換せず、フィルター47aおよび47bだけを交換することも可能である。
次に、ファン46の動作について説明する。
現像動作時には、ファン46は所定の回転数で回転される。これにより、現像装置3a内には図2に示すような気流Fが生じる。すなわち、開口部20bから吸引口40に流れる気流Fが生じる。このため、現像装置3a内の浮遊トナーは開口部20bから外部に飛散しない。このとき、吸引口40に吸引されるトナー量ができるだけ少なくなるように、ファン46の送風量は必要最小限になっている。なお、現像動作時においては、上述したように、現像に用いられずに現像ローラー31に残ったトナーは、磁気ローラー30上の磁気ブラシによって回収されている。
一方、非現像動作時には、所定のタイミングで現像ローラー31上のトナーは磁気ブラシの掻き取る力に加えて電気的な力によって磁気ローラー30に回収される。具体的には、このトナー回収動作では、現像ローラー31と磁気ローラー30との間に現像動作時よりも小さいバイアス又は現像動作時とは逆方向のバイアスが印加され、現像ローラー31上のトナーが磁気ローラー30に飛び移って回収される。このため、トナー回収動作における現像装置3a〜3d内の浮遊トナー量は、現像動作時における浮遊トナー量に比べて増加する。
また、後述するように、ベタ画像を印字する際にベタ画像に対応する印字領域から印字箇所を間引いたハーフトーン画像を印字させる場合、目標トナー濃度を得るために、電位差ΔVを大きく設定する必要がある。このため、現像ローラー31のトナー層厚が大きくなるので、トナー回収動作時の浮遊トナー量がさらに増加する。そこで、本実施形態では、印字領域に対するハーフトーン画像の間引き面積率が大きくなるにつれて、トナー回収動作時にファン46の回転数が高く設定され、ファン46の送風量が増加する。
なお、ベタ画像を印字する際に印字箇所を間引いたハーフトーン画像を印字させるための構成、及びハーフトーン画像の間引き面積率の設定方法については、後述する。
図4に示すように、ファン46に対する印加電圧を高くすれば、ファン46の回転数が高くなるので、ダクト41内の風速を高くすることが可能である。なお、図4のダクト風速は、連結部43のうちの、現像装置3a〜3d毎に分岐した通路部43a(図3参照)内の風速を測定したものである。
また、ハーフトーン画像の間引き面積率とトナー飛散を防止可能なダクト(通路部43a)の必要最低風速とは、図5に示す関係(略線形関係)になっている。具体的には、ハーフトーン画像の間引き面積率が0%、15%、30%の場合には、ダクトの必要最低風速は約0.8m/s、約0.9m/s、約1.0m/sである。そして、トナー回収動作時には、ハーフトーン画像の間引き面積率に対してダクト風速が必要最低風速になるように、ファン46の送風量および印加電圧が設定される。
なお、ファン46は、複数の現像装置3a〜3dに対して1つだけ設けられているので、ファン46の送風量および印加電圧は、現像装置3a〜3d毎に設定される間引き面積率のうちの最も大きい間引き面積率に基づいて設定される。
また、トナー回収動作の開始前に、ファン46の送風量が増加される。具体的には、ファン46の送風量が増加されてから吸引口40周辺の風量が増加するまでタイムラグが生じる。このため、そのタイムラグの分だけ、トナー回収動作の開始よりも所定時間前に、ファン46の送風量の増加が開始される。
このトナー回収動作を行うタイミングとしては、現像動作の終了毎(1枚毎)に行ってもよいし、現像枚数が所定枚数に到達した時点で行うようにしてもよい。また、現像動作から待機動作に移行する際にトナー回収動作を行ってもよく、この場合、ファン46の送風量を増加させる時間を長く設定してもよい。なお、ファン46や現像装置3a〜3d等の動作は、後述するCPU(制御部)301により制御される。
次に、ベタ画像を印字する際に印字箇所を間引いたハーフトーン画像を印字させるために必要な構成、及びハーフトーン画像の間引き面積率の設定方法等について、詳細に説明する。
図1に示すように、所定のタイミングで中間転写ベルト8に形成されたパッチのパッチ濃度及び中間転写ベルト8の地肌濃度を検出するための2つの濃度検出センサー605、606(光学センサー)が、ブラックの画像形成部Pdと二次転写ニップ部との間の所定の位置に設けられている。濃度検出センサー605、606は、中間転写ベルト8の両端近傍にそれぞれ二つ設けられる。当該濃度検出センサー605、606は、各色毎のパッチのパッチ濃度又は地肌濃度を検出可能なセンサーであれば、どのような形態でも構わないが、例えば、ISO5シリーズの規定に基づき、パッチ又は中間転写ベルト8上の地肌を光源からの光で照射し、反射光強度を受光センサーで検出して光の強度情報を濃度に変換する反射型の濃度検出センサー605、606が該当する。
図6は、本実施形態における画像形成装置100の制御関連の概略構成図である。画像形成装置100は、CPU(Central Processing Unit)301、RAM(Random Access Memory)302、ROM(Read Only Memory)303、HDD(Hard Disk Drive)304及び印刷における各駆動部307に対応するドライバー305が内部バス306を介して接続されている。前記CPU301は、例えばRAM302を作業領域として利用し、ROM303やHDD304等に記憶されているプログラムを実行し、当該実行結果に基づいて前記ドライバー305とデータや命令を授受することにより前記図1に示した各駆動部の動作を制御する。又、前記駆動部307以外の後述する各手段(図7に示す)についても、CPU301がプログラムを実行することで各手段として動作する。
次に、図7、図8を参照しながら、本発明の一実施形態に係る構成及び実行手順について説明する。
通常、画像形成装置100において、画像データにおけるベタ画像(ベタ塗り画像、ベタパッチ)のトナー濃度、ハーフトーン画像のトナー濃度は、キャリブレーションによる現像バイアスやレーザーパワーの制御値の補正に基づいて適正な値に制御される。
ここで、画像形成装置100の感光体ドラム1aが、特にアモルファスシリコン感光体ドラムを用いる場合、ベタ画像の後端部には、次の問題が発生する。即ち、アモルファスシリコン感光体ドラムの比誘電率は、有機感光体ドラム(OPC:Organic Photoconductor)の比誘電率と比較して約3倍高く、アモルファスシリコン感光体ドラムが所定の現像バイアス(現像コントラスト電圧)に対して保持できるトナー量が多いという特徴がある。そのため、アモルファスシリコン感光体ドラムを用いて形成されたベタ画像のトナー濃度は、通常使用している現像バイアスにおいて非飽和状態であり、現像バイアスを上昇させることで、更に濃くすることが出来る。
ここで、ベタ画像の現像の際には、現像ローラー31上に形成されたトナーがほぼ全てアモルファスシリコン感光体ドラム1aに移行されることで、ベタ画像のトナー濃度が決定されるが、ベタ画像の後端部の現像の際には、移行されていない(消費されていない)トナーが現像ローラー31の表面に存在し、アモルファスシリコン感光体ドラム1aに対面する。
ここで、上述のように、アモルファスシリコン感光体ドラム1aでは、ベタ画像のトナー濃度が非飽和状態であることから、現像ローラー31に存在するトナーが余分にアモルファスシリコン感光体ドラム1aへ移行することになり、ベタ画像の後端部のみにトナーが溜まり、ベタ画像の後端部のトナー濃度が、ベタ画像の他部(前端部、中央部等)のトナー濃度よりも濃くなる現象(後端溜まり)が発生する。
このような後端溜まりの発生は、ベタ画像を含む画像を用紙に印刷する場合に、画質の悪化や無駄なトナー消費を引き起こす。そこで、本発明では、以下の手順を採用することで、複雑な手段を追加せずに後端溜まりを抑制する。
先ず、画像形成装置100のキャリブレーション実施部401が、電源投入時、所定印刷枚数出力時等の所定のタイミングで、キャリブレーションを実施する(図8:S101)。
ここで、前記キャリブレーションに特に限定は無いが、例えば、ハーフトーン調整、層厚キャリブレーション、光量キャリブレーション、I/Oキャリブレーションが該当する。ハーフトーン調整は、通常、出荷時やユニットメンテナンス時に実施され、画像形成部Paが持っている階調特性(ガンマ特性)を直線に近似するように補正する(カラーテーブルを作成する)キャリブレーションである。
又、層厚キャリブレーションは、現像装置3aの現像バイアスを変えて、中間転写ベルト8上に描いたベタパッチのトナー濃度を濃度検出センサー605、606で検出し、目標のトナー濃度となる現像バイアスを決定する。ここで、決定された現像バイアスで、現像ローラー31と磁気ローラー30との電位差分が決定され、その決定された電位差分だけ現像ローラー31にトナー層が形成される。この形成されたトナー層が感光体ドラム1aに現像されるから、現像バイアスでベタパッチ(ベタ画像)のトナー濃度が決定される。
又、光量キャリブレーションは、露光装置5のレーザーパワーを変えて、ベタパッチに対して25%の面積率のハーフパッチを中間転写ベルト8上に描き、そのハーフパッチのトナー濃度を検出して、目標のトナー濃度となるレーザーパワーを決定する。又、I/Oキャリブレーションは、画像形成部Paの特性の変化に対応して、ハーフトーン調整で作成したカラーテーブルの再調整を行う。
ここで、層厚キャリブレーションについて具体的に説明する。先ず、キャリブレーション実施部401が、層厚キャリブレーションを実施する際に、面積率決定部402に通知する。当該通知を受けた面積率決定部402は、前記層厚キャリブレーションのための面積率(画像印字率)が100%のベタパッチから印字箇所を間引いたハーフパッチの初期面積率を決定する(図8:S102)。
ここで、面積率決定部402が決定する方法に特に限定は無い。例えば、面積率決定部402が、所定のメモリーに予め記憶された初期面積率を参照し、この初期面積率をハーフパッチの面積率として決定する。ハーフパッチの面積率が低いと、当該ハーフパッチの後端溜まりが目立たなくなるが、目視でハーフパッチであると認識し易くなり、ベタパッチの目標トナー濃度までトナー濃度を上げ難くなる。一方、ハーフパッチの面積率が高いと、当該ハーフパッチの後端溜まりが目立ち易くなり、ベタパッチに近づくため、トナー濃度を上げ易くなる。そのため、ハーフパッチの面積率は、後端溜まりの見え易さやトナー濃度を考慮して、60%から90%の範囲内とされ、この初期面積率は、例えば、75%と記憶される。
ここで、ハーフパッチとは、図9に示すように、100%の面積率のベタパッチに対して印字箇所を間引くことで、印字の面積率を下げたパッチを意味する。例えば、ベタパッチから所定の間隔を空けた複数の斜め線の印字箇所を間引くことで、複数の斜め線(スクリーン線)の印字パターンをハーフパッチとすることが出来る。ハーフパッチの印字パターンに特に限定は無く、例えば、図10に示すように、用紙搬送方向に対して平行方向の縦線(スクリーン線)の印字パターンでも、用紙搬送方向に対して垂直方向の横線(スクリーン線)の印字パターンでも良い。又、ドットの印字パターンでも構わない。又、これらの印字パターンを組み合わせたり、印字パターンを構成する単位印字パターンのサイズをドット数単位で変更したり、単位面積当たりに存在する印字パターン相互の間隔をドット数単位で変更したりしても良い。
さて、面積率決定部402が決定を完了すると、その旨をハーフパッチ形成部403に通知し、当該通知を受けたハーフパッチ形成部403は、電位差ΔVの上限値以内の範囲で電位差ΔVを段階的に変化させることで、前記決定された初期面積率のハーフパッチを、アモルファスシリコン感光体ドラム1aを介して、中間転写ベルト8に複数(例えば、4つ)形成させる(図8:S103)。
ここで、ハーフパッチ形成部403がハーフパッチを形成する方法に特に限定は無い。例えば、変化対象の制御値の電位差ΔVでは、出力限界や印刷画像への悪影響(かぶり等)の理由により、上限値(例えば、350V)が予め設けられている。そのため、ハーフパッチ形成部403は、前記電位差ΔVを変化させる際には、前記上限値から、所定の値(33V)を段階的に減算して、複数の電位差ΔV(例えば、350V、317V、284V、251V)を算出する。そして、ハーフパッチ形成部403は、前記算出した複数の電位差ΔVのうち、最も低い値の電位差ΔVから順番に初期面積率(75%)でハーフパッチを形成する。尚、前記ハーフパッチが形成される際のアモルファスシリコン感光体ドラム1aの直径は30mmであり、線速は180mm/sである。又、前記アモルファスシリコン感光体ドラム1aに対応する現像ローラー31の線速は、前記アモルファスシリコン感光体ドラム1aの線速の1.6倍に設定される。
ここで、従来では、層厚キャリブレーションにおいてベタパッチを使用して、目標のトナー濃度となる電位差ΔVを決定していた。本発明では、前記ベタパッチを使用せず、ベタパッチと同等のトナー濃度を有する可能性のあるハーフパッチを使用する。そのため、ベタパッチの形成に要するトナーの消費を防止することが可能となる。又、層厚キャリブレーションにおいて、最初からハーフパッチを用いてキャリブレーションを実施することで、キャリブレーション全体を簡略化することが可能となる。
さて、ハーフパッチ形成部403がハーフパッチの形成を完了すると、その旨を制御値判定部404に通知し、当該通知を受けた制御値判定部404は、濃度検出センサー605、606により検出された複数のハーフパッチのトナー濃度と、各ハーフパッチの形成に使用された電位差ΔVとの関係を示すテーブルを作成し、当該テーブルにおいて、予め設定された目標トナー濃度に対応する電位差ΔVが存在するか否かを判定する。
ここで、制御値判定部404が判定する方法に特に限定は無い。例えば、制御値判定部404は、前記中間転写ベルト8に予め設置された濃度検出センサー605、606と通信し、前記中間転写ベルト8の回転に従って、当該濃度検出センサー605、606が検出する複数のハーフパッチのトナー濃度を取得する(図8:S104)。
次に、制御値判定部404は、前記ハーフパッチのトナー濃度の取得に応じて、ハーフパッチ形成部403から、当該ハーフパッチの形成に使用された電位差ΔVを取得する。そして、制御値判定部404は、全てのハーフパッチのトナー濃度を取得すると、図11に示すように、前記ハーフパッチの形成に使用された電位差ΔV(V)を横軸にし、前記取得したハーフパッチのトナー濃度D(−)を縦軸にして、複数のハーフパッチのトナー濃度D(−)と、各ハーフパッチの電位差ΔV(V)との関係を示すテーブル(ここでは、グラフ)を作成する。ここで、電位差ΔVは、例えば、251V、284V、317V、350Vとなり、電位差ΔVの上限値以下の範囲内となる。
そして、制御値判定部404は、所定のメモリーに予め記憶されている目標トナー濃度D0(例えば、I.D.「1.4」)を参照し、前記グラフにおいて、当該参照した目標トナー濃度D0(−)に対応する電位差V0(V)が存在するか否かを判定する(図8:S105)。
前記判定の結果、前記電位差V0(V)が存在する場合、例えば、図11に示すように、電位差ΔVの上限値Vmax(V)以下の範囲内において、前記目標トナー濃度D0(−)に対応する電位差V0(V)が存在する場合(図8:S105YES)、制御値判定部404は、その旨を制御値登録部405に通知する。当該通知を受けた制御値登録部405は、前記存在した電位差V0(V)と、前記ハーフパッチの初期面積率(75%)とを、ベタ画像の印刷に用いる制御値として登録する(図8:S106)。
ここで、制御値登録部405が登録する方法に特に限定は無い。例えば、制御値登録部405が、所定のメモリーに前記電位差V0(V)と前記初期面積率(75%)とを記憶させる。前記メモリーに記憶された制御値は、画像形成装置100の印刷部406が、ベタ画像を印刷する際に使用される。尚、前記初期面積率(75%)とともに、ハーフパッチの印字パターンが登録されても良い。
例えば、層厚キャリブレーションの実施が完了し、画像形成装置100の印刷部406が、ユーザーからの印刷の指示を受けて、印刷対象の画像データに基づいて印刷する。その際に、当該画像データのうち、ベタ画像が存在する場合には、印刷部406が、当該ベタ画像に対応する印字をする際に、前記制御値を用いて、前記ベタ画像を前記初期面積率(75%)のハーフトーン画像にし、前記電位差V0(V)で印刷する。これにより、ハーフトーン画像であっても、ベタ画像と同等のトナー濃度で印刷することが可能となる。
尚、ハーフトーン画像を形成する印字パターン(スクリーン線)の一本一本には、従来の画像形成時よりも多くのトナーが付着している状態になる。このトナー量が、アモルファスシリコン感光体ドラム1aに保持可能な飽和トナー量であれば、ハーフトーン画像の印字パターンの後端部でも、飽和トナー量以上のトナーが付着することは無い。そのため、エッジ効果や後端溜まりの無いハーフトーン画像をベタ画像のトナー濃度と同等にすることが可能となる。
一方、S105において、図12に示すように、前記電位差V0(V)が存在しない場合、例えば、環境温度、湿度の変化等の何らかの理由により、電位差ΔVの上限値Vmax(V)以下の範囲内において、前記目標トナー濃度D0(−)に対応する電位差V0(V)が存在しない場合(図8:S105NO)、下記のようになる。つまり、前記電位差V0(V)が存在しない場合(図8:S105NO)、制御値判定部404は、その旨を面積率変更部407に通知する。当該通知を受けた面積率変更部407は、前記ハーフパッチの形成に使用する電位差ΔVを電位差ΔVの上限値に決定した上で、前記ハーフパッチの面積率の上限値以下の範囲内で面積率を前記初期面積率(75%)から段階的に変更する(図8:S107)。
ここで、面積率変更部407が変更する方法に特に限定は無い。例えば、図13に示すように、面積率変更部407は、前記面積率の上限値(例えば、90%)から、所定の値(3.75%)を段階的に減算して、前記初期面積率(75%)以上の複数の面積率(86.25%、82.50%、78.75%、75.00%)を算出する。そして、面積率変更部407は、前記算出した複数(4つ)の面積率のうち、最も低い値の面積率から順番に、ハーフパッチ形成部403に通知する。
そして、面積率変更部407は、前記ハーフパッチ形成部403に対して、電位差ΔVの上限値で、前記初期面積率(75%)から段階的に増加させた複数のハーフパッチを形成させる(図8:S108)。これにより、電位差ΔVを上限値に固定した状態で、面積率が段階的に上昇したハーフパッチを形成させ、当該ハーフパッチのトナー濃度を目標トナー濃度D0(−)以上にすることが可能となる。
特に、上述では、電位差ΔVを上限値Vmax(V)まで上昇させたにもかかわらず、ハーフパッチのトナー濃度が目標トナー濃度D0(−)に到達しなかった場合、その原因は、例えば、画像形成装置100の環境変動によってトナー帯電量が増加している状態を想定することが出来る。このような状態では、アモルファスシリコン感光体ドラム1a上に保持出来るトナー量は少なくなり、アモルファスシリコン感光体ドラム1a上のトナー量が飽和し易い。そのため、ハーフパッチの面積率を上昇させても、当該ハーフパッチの印字パターン(スクリーン線)の一本一本をトナーの飽和状態にすることが出来る。よって、エッジ効果や後端溜まりのない状態のハーフパッチを形成することが出来る。トナー帯電量が高く、ハーフパッチのトナー濃度が上がり難い状態であっても、面積率を上昇させることで、エッジ効果や後端溜まりが無く、ベタパッチのトナー濃度と同等のトナー濃度を有するハーフパッチを形成することが出来る。
さて、S108において、ハーフパッチ形成部403が、面積率が異なる複数のハーフパッチを形成させると、S109において、制御値判定部404が、前記複数のハーフパッチのトナー濃度を取得する(図8:S109)。そして、制御値判定部404は、図13に示すように、前記ハーフパッチの形成に使用された面積率S(%)を横軸にし、前記取得したハーフパッチのトナー濃度D(−)を縦軸にして、前記複数のハーフパッチのトナー濃度D(−)と、各ハーフパッチの形成に使用された面積率S(%)との関係を示すテーブル(ここでは、グラフ)を作成する。ここで、面積率は、例えば、75.00%、78.75%、82.50%、86.25%、90.00%となり、上限値(90%)以下の範囲内となる。
そして、制御値判定部404は、前記グラフにおいて、前記目標トナー濃度D0(−)に対応する面積率S0(%)が存在するか否かを判定する(図8:S110)。
ここで、S110において、前記判定の結果、前記面積率S0(%)が存在する場合、例えば、図13に示すように、面積率の上限値(90%)以下の範囲内において、前記目標トナー濃度D0(−)に対応する面積率S0(%)が存在する場合(図8:S110YES)、制御値判定部404は、その旨を制御値登録部405に通知する。当該通知を受けた制御値登録部405は、前記電位差ΔVの上限値Vmax(V)と、前記存在した面積率S0(%)(例えば、82.50%)とを、ベタ画像の印刷に用いる制御値として登録する(図8:S106)。これにより、電位差ΔVの上限値Vmax(V)と面積率S0(%)で、ベタ画像に代わるハーフトーン画像を用いて印刷することが可能となる。
一方、S110において、前記判定の結果、前記面積率S0(%)が存在しない場合(図8:S110NO)、制御値判定部404は、その旨を制御値登録部405に通知する。当該通知を受けた制御値登録部405は、現時点で選択出来るハーフトーン画像の制御値(例えば、前記電位差ΔVの上限値Vmax(V)、前記面積率の上限値(90%))を選択し(図8:S111)、当該選択した制御値を、ベタ画像の印刷に用いる制御値として登録する(図8:S106)。これにより、出来るだけ高いトナー濃度のハーフトーン画像を出力することが出来る。
以上のベタ画像の印刷に用いる制御値の登録は、現像装置3b〜3dについても実行される。
尚、上述では、層厚キャリブレーションに対応して、変化対象の制御値を電位差ΔVとしたが、光量キャリブレーションに対応して、トナー濃度に影響する露光装置5のレーザーパワーを変化対象の制御値としても構わない。
S106においてベタ画像の印刷に用いる制御値として登録される面積率(初期面積率を含む)を1から減算した値(=1−面積率)は、上述したトナー回収動作時にファン46の送風量および印加電圧を設定する際に用いる間引き面積率である。
本実施形態では、上記のように、ベタ画像を印字する代わりに、ベタ画像に対応する印字領域から印字箇所を間引いたハーフトーン画像を印字することによって、画像の後端部の濃度が中央部の濃度に比べて濃くなる、いわゆる後端溜まりの発生を抑制することができる。
また、ベタ画像を印字する代わりに印字箇所を間引いたハーフトーン画像を印字する場合、目標トナー濃度を得るために、現像ローラー31と磁気ローラー30との間の電位差ΔVを大きく設定する必要がある。このため、現像ローラー31上のトナー層厚が大きくなるので、トナー回収動作時の浮遊トナー量が増加してしまう。そこで、上記のように、ベタ画像の印字領域に対するハーフトーン画像の間引き面積率が大きくなるにつれて、トナー回収動作時のファン46の送風量を増加させることによって、トナー回収動作時の浮遊トナー量が増加した場合であっても、浮遊トナーを十分に吸引することができる。これにより、浮遊トナーが現像装置3a〜3dの外部に飛散するのを十分に抑制することができるので、画像形成装置100内外が汚れるのを十分に抑制することができる。
また、トナー回収動作時にはファン46の送風量を増加させる一方、トナー回収動作時以外はファン46の送風量を抑えることができるので、必要以上にトナーが吸引されるのを抑制することができる。
また、上記のように、ファン46は、複数の現像装置3a〜3dに対して1つだけ設けられており、ファン46の送風量は、現像装置3a〜3d毎に設定される間引き面積率のうちの最も大きい間引き面積率に基づいて設定される。これにより、全ての現像装置3a〜3dにおいて浮遊トナーを十分に吸引することができる。
また、上記のように、ハーフトーン画像の間引き面積率を、画像濃度キャリブレーション(層厚キャリブレーション)によって決定してもよい。
また、上記のように、感光体ドラム1a〜1dがアモルファスシリコン感光体である場合は後端溜まりが発生しやすいので、感光体ドラム1a〜1dがアモルファスシリコン感光体である場合に本発明を適用するのは、特に効果的である。
また、上記のように、トナー回収動作の開始よりも所定時間前に、ファン46の送風量の増加が開始される。具体的には、ファン46の送風量を増加してから吸引口40周辺の風量が増加するまでのタイムラグの分だけ、トナー回収動作の開始よりも前に、ファン46の送風量の増加を開始させる。これにより、トナー回収動作の開始と同時に吸引口40周辺の風量を増加させることができるので、トナー回収動作時の浮遊トナーを効率良く吸引することができる。
また、上記のように、図11に示したように目標トナー濃度に対応する制御値が存在する場合、存在した制御値と、ハーフパッチの初期面積率と、をベタ画像の印刷に用いる制御値として登録する。これにより、複雑な手段を追加せずに後端溜まりを抑制することができる。
また、上記のように、目標トナー濃度に対応する制御値が存在しない場合、ハーフパッチの形成に使用する制御値を制御値の上限値に決定した上で、初期面積率から段階的に増加させた複数のハーフパッチを形成させ、目標トナー濃度に対応する面積率が存在する場合、制御値の上限値と、存在した面積率と、をベタ画像の印刷に用いる制御値として登録する。これにより、目標トナー濃度に対応する制御値が存在しない場合であっても、ベタ画像の印刷に用いる制御値を容易に設定することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、カラープリンターに本発明を適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。言うまでもなく、モノクロプリンター、モノクロ複写機、デジタル複合機、ファクシミリ等の、現像ローラーと磁気ローラーとを有する現像装置を備えた種々の画像形成装置に本発明を適用できる。
また、上記実施形態とは異なり、キャリブレーションを実施する際に、画像形成装置100の環境(温度、湿度)の変動に対応して電位差ΔVの範囲や初期面積率を変更してもよい。
また、上記実施形態とは異なり、制御値判定部404が決定を完了した後に、その旨を階調補正部(図示せず)に通知し、当該通知を受けた階調補正部(図示せず)が、I/Oキャリブレーションを実施して、トナーの階調(色の濃淡の段階)を補正してもよい。その後、階調補正部(図示せず)が、その旨を制御値登録部405に通知し、当該通知を受けた制御値登録部405は、前記制御値を登録してもよい。そして、画像形成装置100の印刷部406が、上述と同様に、前記登録後の制御値を、ベタ画像の印刷する際に使用してもよい。
尚、黒色のベタ画像では、後端溜まりが視覚的に分かり難く、ベタ画像における他の色との混色が少ないことから、ベタ画像に代えてハーフトーン画像を印字することを、例えば、カラー色(マゼンタ、シアン、イエロー)のベタ画像のみに適用するよう構成しても良い。
また、上記実施形態では、通常の画像形成におけるベタ画像について説明したが、画像形成の種類に応じて、ベタ画像に代えるハーフトーン画像を使用するか否かを決定しても良い。例えば、画像形成において高画質モードと、当該高画質モードの画質よりも劣る画質の通常画質モードとが存在する際に、高画質モードが設定されている場合には、印刷部406が、前記ベタ画像に代えて所定の面積率のハーフトーン画像を形成するように制御する。又、通常画質モードが設定されている場合には、印刷部406が、前記ベタ画像を通常の現像バイアスで形成するように制御するよう構成しても良い。