JP5949454B2 - 送風管、送風装置及び画像形成装置 - Google Patents

送風管、送風装置及び画像形成装置 Download PDF

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Description

この発明は、送風管、送風装置及び画像形成装置に関するものである。
現像剤で構成される画像を記録用紙に形成する画像形成装置においては、例えば、感光体等の潜像保持体を帯電させる工程又は除電する工程や、記録用紙に未定着像を転写させる工程などにおいてコロナ放電を行うコロナ放電器を使用するものがある。
また、コロナ放電器では、放電ワイヤやグリッド電極等の構成部品に紙粉、放電生成物等の不要物が付着することを未然に防ぐため、その構成部品にむけて空気を吹きつける送風装置が併設されることがある。この場合の送風装置は、一般に、空気を送る送風機と、その送風機から送られる空気をコロナ放電器等の対象構造物まで導いて送り出すダクト(送風管)とで構成されている。
そして、従来においては、送風装置等について、空気を放電ワイヤ等の構成部品の長手方向に対して均一に吹きつけることを可能にするための改良等が各種行われている。特に、このような送風装置等としては、ダクトの空気を流す通路空間の形状を特殊な形状で形成する構成や、ダクトの通路空間内に空気の流れる方向を調整する整流板などを設置する構成を採用するのではなく、以下に例示するような別の構成を採用する送風装置等が提案されている。
送風ファンの空気をコロナ放電装置に導くためのエアダクトとして、そのエアダクト内にコロナ放電装置(のシールドケース)の長手方向に沿う隙間が形成される仕切り壁を立設し、その仕切り壁の手前側で、送風ファンから送られる空気の流れ(空気流)の圧力を一時的に高めるようにしたエアダクトを採用する送風装置やコロナ放電装置が知られている(特許文献1)。
特許文献1には、上記送風装置やコロナ放電装置によれば、ダクトを流れる空気流が仕切り壁を通過するときにシールドケースの長手方向に沿って均一化され、一様な流れとなってシールドケース内に吹き込まれるようになることが示されている。また、特許文献1には、その仕切り壁がエアダクト内の流路を塞ぐように設けるエアフィルターで構成される場合もあることが示されている。
特開平10−198128号公報
この発明は、送風機から送られる空気を入口から取り入れ、その空気を吹きつけるべき長尺な対象構造物の長手方向の部分に対してその空気を少なくとも1箇所で曲げられた形態の通路空間を通して当該長手方向と直交する方向に沿って流すように出口から排出させ、その入口と出口とが異なる開口形状で形成されている送風管として、その出口から排出される空気の特にその出口の長手方向における入口に近い側の端部で風速が相対的に弱まることが低減される送風管を提供し、またその送風管を用いた送風装置及び画像形成装置を提供するものである。
この発明の送風装置(A1)は、
空気を取り入れる入口と、
前記入口から取り入れた空気を排出させて吹きつけるべき長尺な対象構造物の長手方向の部分と向き合う状態で配置され、前記対象構造物の長手方向の部分と平行する長尺な開口形状であって前記入口と異なる開口形状である出口と、
前記入口と前記出口の間をつないで空気を流すための通路空間が少なくとも1箇所で曲げられた形態で形成された通路部と、
前記通路部の通路空間の空気を流す方向において互いに異なる部位に設けられ、空気の流れを抑制する複数の抑制部と
を備え、
前記複数の抑制部の少なくとも1つは、前記通路部の通路空間において、曲げられた通路空間部分の一部を横断した状態で遮断しかつその横断する方向に延びる細長い形状の隙間を存在させて空気の通過を可能にする最上流の抑制部として設けられており、
前記最上流の抑制部は、前記隙間の前記横断方向における両端部を結ぶ仮想直線が、前記入口のうち前記曲げられた通路空間部分に近い側に位置する内側端部よりも前記曲げられた通路空間部分を流れる空気の流れ方向の下流側に存在する状態になるよう設けられており、
前記入口は、前記出口の長手方向において当該出口の一方の端部よりも外側に存在する状態で形成されており、
前記通路部は、前記入口の内側端部と前記最上流の抑制部のうち当該入口に近い側の端部との間が曲面状の側壁面で形成されていることを特徴とするものである。
この発明の送風管(A2)は、上記発明A1の送風管において、前記通路部は、前記入口の内側端部と前記最上流の抑制部のうち当該入口に近い側の端部との間が曲面状の側壁面で形成されていることに置き換えたものである。
この発明の送風管(A3)は、上記発明A1又はA2の送風管において、前記複数の抑制部のうち前記最上流の抑制部以外の1つは、前記出口を複数の通気部が点在する通気性部材により塞いだ状態にする最下流の抑制部として設けられているものである。
この発明の送風管(A4)は、上記発明A1からA3のいずれかの送風管において、前記対象構造物がコロナ放電器であるものである。
この発明の送風装置(B1)は、空気を送る送風機と、上記発明A1からA4のいずれかに記載の送風管とを備え、前記送風機から送られる空気を前記送風管の入口から取り入れることを特徴とするものである。
この発明の送風装置(B2)は、上記発明B1の送風装置において、前記対象構造物がコロナ放電器であるものである。
さらに、この発明の画像形成装置(C1)は、空気を吹きつけるべき長尺な対象構造物と、前記対象構造物の長手方向の部分に向けて空気を吹きつける送風装置とを備え、
前記送風装置が、上記発明B1の送風装置で構成されていることを特徴とするものである。
この発明の画像形成装置(C2)は、上記発明C1の画像形成装置において、前記対象構造物がコロナ放電器であるものである。
上記発明A1の送風管によれば、入口の内側端部と最上流の抑制部のうち当該入口に近い側の端部との間の通路部が互いに直交する平面で構成されたほぼ直交する角部で形成されている場合に比べて、出口から排出される空気の特にその出口の長手方向における入口に近い側の端部で風速が相対的に弱まることが低減される。
上記発明A2の送風管によれば、入口の内側端部と最上流の抑制部のうち当該入口に近い側の端部との間の通路部が互いに直交する平面で構成されたほぼ直交する角部で形成されている場合に比べて、出口から排出される空気の特にその出口の長手方向における入口に近い側の端部で風速が相対的に弱まることが低減される。
上記発明Aの送風管では、出口に最下流の抑制部を設けない場合に比べて、出口の長手方向における風速のむらが低減された状態で空気を排出させることができる。
上記発明Aの送風管では、出口に最下流の抑制部を設けない場合に比べて、出口の長手方向における風速のむらが低減された状態で空気を排出させることができる。
上記発明B1の送風装置によれば、送風管の出口から排出される空気は、特にその出口の長手方向における入口に近い側の端部で風速が相対的に弱まることが低減される。
上記発明B2の送風装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、コロナ放電器に対し、コロナ放電器の長手方向における風速むらが低減された空気を吹き付けることができる。
上記発明C1の画像形成装置によれば、送風装置における送風管の出口から排出される空気は、特にその出口の長手方向における入口に近い側の端部で風速が相対的に弱まることが低減され、これにより、対象構造物に対して、その送風管の出口から排出される空気を対象構造物の長手方向における風速むらが少ない状態で吹き付けることができる。
上記発明C2の画像形成装置では、その発明の構成を有しない場合に比べて、コロナ放電器に対し、コロナ放電器の長手方向における風速むらが低減された空気を吹き付けることができる。
実施の形態1等に係る送風装置を用いた画像形成装置の概要を示す説明図である。 図1の画像形成装置が装備するコロナ放電器からなる帯電装置を示す概略斜視図である。 図2の帯電装置に適用する送風装置の概要を示す概略斜視図である。 図3の送風装置(送風ダクト)のQ−Q線に沿う断面図である。 図3の送風装置を上方から見たときの状態を示す概略図である。 図3の送風ダクトの構成を示す概略説明図である。 図3の送風装置を下方(出口)の方から見たときの状態を示す図である。 図3の送風装置の動作の状態などを示す説明図である。 実施の形態1に係る送風装置における送風ダクトの出口での風速状態を測定した評価試験の結果を示すグラフ図である。 実施の形態1に係る送風ダクト(実施の形態2及び比較例2の送風ダクト)の出口での−Y方向成分の風速状態をシミュレーションしたときの結果を示すグラフ図である。 実施の形態1に係る送風ダクト(実施の形態2及び比較例2の送風ダクト)の出口からすべての方向に排出される空気の風速状態をシミュレーションしたときの結果を示すグラフ図である。 実施の形態1に係る送風ダクトにおける空気の流れる方向及び状態を模式的に示した説明図である。 実施の形態2に係る送風装置(送風ダクト)を示す説明図である。 図13の送風装置(送風ダクト)のQ−Q線に沿う断面図である。 実施の形態2に係る送風ダクトにおける空気の流れる方向及び状態を模式的に示した説明図である。 実施の形態3に係る送風装置(送風ダクト)を示す説明図である。 図16の送風装置の動作の状態などを示す説明図である。 実施の形態3に係る送風装置における送風ダクトの出口での風速状態を測定した評価試験の結果を示すグラフ図である。 送風ダクトの他の構成例を示す概略説明図である。 送風ダクトの種々の形態例を示す上面説明図である。 比較例1の送風装置(送風ダクト)を示す断面図である。 比較例1の送風ダクトの出口での風速状態を測定した評価試験の結果を示すグラフ図である。 比較例2の送風装置(送風ダクト)を示す断面図である。 比較例2の送風ダクトにおける空気の流れる方向及び状態を模式的に示した説明図である。
以下、この発明を実施するための形態(単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1から図3は、実施の形態1に係る送風管及びそれを用いた送風装置及び画像形成装置を示すものである。図1はその画像形成装置の概要を示し、図2はその画像形成装置に使用されており、その送風管又は送風装置により空気を吹きつけるべき長尺な対象構造物としての帯電装置を示し、図3はその送風管又は送風装置の概要を示している。
画像形成装置1は、図1に示すように、支持フレーム、外装カバー等で構成される筐体10の内部空間に、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して被記録材の一例としての用紙9に転写する作像ユニット20と、作像ユニット20に供給する用紙9を収容するとともに搬送する給紙装置30と、作像ユニット20で形成されたトナー像を用紙9に定着する定着装置35を設置している。実施の形態1では、作像ユニット20として1つのみで構成されるものを例示しているが、複数のもので構成される作像ユニットを使用しても差し支えない。
上記作像ユニット20は、例えば公知の電子写真方式を利用して構成されるものであり、矢印Aで示す方向(図中において時計回りの方向)に回転駆動する感光体ドラム21と、感光体ドラム21の像形成領域となる周面を所要の電位に帯電させる帯電装置4と、帯電後の感光体ドラム21の表面に外部から入力される画像情報(信号)に基づく光(矢付き点線)を照射して電位差のある静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像をトナーによりトナー像に現像する現像装置24と、そのトナー像を用紙9に転写する転写装置25と、転写後の感光体ドラム21の表面に残留するトナー等を除去する清掃装置26とで主に構成されている。
このうち帯電装置4としては、コロナ放電器が使用されている。このコロナ放電器からなる帯電装置4は、図2等に示すように、一部が開口した長方形状の天板40aとその天板40aの長手方向Bに沿って延びる長辺部から下方に垂れ下がった状態の側板40b,40cを有した外観形状からなるシールドケース(覆い部材)40と、シールドケース40の長手方向Bにおける両端部(短辺部)にそれぞれ取り付けられる図示しない2つの端部支持体と、この2つの端部支持体の間に、シールドケース40の内部空間を通過してほぼ直線状に張り渡した状態で取り付けられる2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bと、シールドケース40の下部開口部に、その下部開口部を覆ってコロナ放電ワイヤ41と感光体ドラム21の周面との間に存在した状態で取り付けられる格子状のグリッド電極(電界調整板)42とを備えている、いわゆるスコロトロン型のコロナ放電器で構成されている。図4等に示す符号40dは、2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bが配置される空間を仕切る仕切り板である。
また、帯電装置4は、コロナ放電ワイヤ41(41A,41B)が、感光体ドラム21の周面と所要の間隔(例えば放電ギャップ)をあけて対向する状態でかつ感光体ドラム21の回転軸の方向に沿ってその像形成対象領域に少なくとも存在する状態になるよう配置される。また、帯電装置4は、画像形成時になると、図示しない電源装置から放電ワイヤ41(と感光体ドラム21との間)に帯電用の電圧が印加されるようになっている。
さらに、帯電装置4は、その使用に伴ってコロナ放電ワイヤ41やグリッド電極42に、用紙9の紙粉、コロナ放電により生成される放電生成物、トナーの外添剤等の物質(不要物)が付着して汚染されることでコロナ放電が十分に又は均一に行われなくなって帯電むら等の帯電不良が発生することがある。このため、帯電装置4には、放電ワイヤ41及びグリッド電極42に不要物が付着することを防止又は抑制するため放電ワイヤ41とグリッド電極42に対して空気を突きつけるための送風装置5が併設されている。また、帯電装置4のシールドケース40の上面40aには、送風装置5からの空気を取り込むための開口部43が形成されている。開口部43は、その開口形状が長方形になるよう形成されている。なお、送風装置5の詳細については後述する。
給紙装置30は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の用紙9を積み重ねた状態で収容する、トレイ形式、カセット形式等の用紙収容体31と、その用紙収容体31に収容される用紙9を1枚ずつ搬送路にむけて送り出す送出装置32とを備え、給紙の時期が到来すると、用紙9を1枚ずつ送り出すようになっている。用紙収容体31は、利用態様に応じて複数装備される。図1における矢付きの一点鎖線は、用紙9が主に搬送されて通過する搬送路を示す。この用紙の搬送路は、複数の用紙搬送ロール対33a,33bや、図示しない搬送ガイド部材等で構成されている。
定着装置35は、用紙9が通過する導入口及び排出口が形成された筐体36の内部に、表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱回転体37と、この加熱回転体37の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧回転体38とを備えている。この定着装置35は、その加熱回転体37と加圧回転体38との間に形成される定着処理部にトナー像が転写された後の用紙9を導入して通過させることで定着を行う。
この画像形成装置1による画像形成は、次のようにして行われる。ここでは、用紙9の片面に画像を形成するときの基本的な画像形成動作を例に挙げて説明する。
画像形成装置1では、その制御装置等が画像形成動作の開始指令を受けると、作像ユニット20において、回転始動する感光体ドラム21の周面が帯電装置4により所定の極性及び電位に帯電される。このとき、帯電装置4では、コロナ放電ワイヤ41に帯電用の電圧が印加されて放電ワイヤ41と感光体ドラム21の周面との間に電界を形成した状態でコロナ放電を発生させ、これにより感光体ドラム21の周面を所要の電位に帯電させる。この際、感光体ドラム21の帯電電位はグリッド電極42により調整される。
続いて、帯電された感光体ドラム21の周面に対して、露光装置23から画像情報に基づく露光が行われて所要の電位差で構成される静電潜像が形成される。しかる後、感光体ドラム21に形成された静電潜像が、現像装置24を通過する際に、その現像ロール24aから供給される所要の極性に帯電された状態のトナーにより現像されてトナー像として顕像化される。
次いで、感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、感光体ドラム21の回転により転写装置25と対向する転写位置まで搬送されると、このタイミングに合わせて給紙装置30から搬送路を通して供給される用紙9に対して転写装置25により転写される。この転写後の各感光体ドラム21の周面は、清掃装置26で清掃される。
続いて、作像ユニット20においてトナー像が転写された用紙9は、感光体ドラム21から剥離された後に定着装置35に導入されるように搬送され、定着装置35における加熱回転体37と加圧回転体38との間の定着処理部を通過する際に加熱及び加圧されてトナー像が溶融して用紙9に定着される。この定着が終了した後の用紙9は、定着装置35から排出されて筐体10の外部等に形成される図示しない排紙収容部等に搬送されて収容される。
以上により、1枚の用紙9の片面に対して1色のトナーで構成される単色画像が形成され、基本的な画像形成動作が終了する。複数枚の画像形成動作の指示がある場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。
次に、送風装置5について説明する。
送風装置5は、図1や図3等に示すように、空気を送る回転ファンを有する送風機50と、その送風機50から送られる空気を取り入れて送風対象の帯電装置4にまで導いて排出させる送風ダクト51とを備えている。
送風機50としては、例えば輻流型の送風ファンが使用され、所要の風量の空気を送るように駆動制御される。また、送風ダクト51は、図3〜図6に示すように、送風機50から送られる空気を取り入れる入口52と、その入口52から取り入れた空気を吹きつけるべき長尺な帯電装置4の長手方向Bの部分(シールドケース40の上面40a)と向き合う状態で配置されてその空気を長手方向Bと直交する方向に沿って流れるように排出させる出口53と、その入口52と出口53の間をつないで空気を流すための通路空間54aが形成された通路部(本体部)54とを有した形状のものである。
送風ダクト51の通路部54は、一端部が入口52を設けて開口され、他端部が閉鎖されており、全体が出口53の長手方向(帯電装置4の長手方向B)に沿って直線状に延びるよう形成された角筒形状の導入通路部54Aと、導入通路部54Aの他端部寄りの部位から通路空間の幅を広げた状態でほぼ水平方向(座標軸Xとほぼ平行する方向)にほぼ直角に曲げられて延びるように形成された角筒形状の第1曲げ通路部54Bと、第1曲げ通路部54Bの一端部から通路空間の幅が同じ状態のままで下方に向かう鉛直方向(座標軸Yとほぼ平行する方向)に曲げられて帯電装置4に向けて延びるように形成された第2曲げ通路部54Cとで構成されている。第2曲げ通路部54Cの終端部には、その終端部の通路空間の断面形状よりも少し狭い開口形状からなる出口53が形成されている(ただし長方形状の長手方向の長さはほぼ同じである。)。第1曲げ通路部54B及び第2曲げ通路部54Cの通路空間54aはいずれも、その幅(長手方向Bに沿う寸法)がほぼ同じ寸法に設定されている。
送風ダクト51の入口52は、開口形状がほぼ正方形になるよう形成されている(図3、図4)。この入口52には、送風機50との間を接続して送風機50からの空気を送風ダクト51の入口52にまで送るための接続ダクト55が取り付けられている(図3)。一方、送風ダクト51の出口53は、その開口形状が帯電装置4の長手方向Bの部分と平行する長尺な開口形状(例えば長方形)になるよう形成されている。このため、送風ダクト51は、入口52と出口53とが互いに異なる開口形状で形成されている関係になっている。なお、入口52と出口53が同じ形状である場合も、その開口面積が互いに異なるよう形成されているとき(相似形状であるとき)には、互いに異なる開口形状で形成されている関係に含まれる。また、入口52は、図6等に示されるように、長尺な開口形状からなる出口53の長手方向(B)における一方の端部53aよりも外側に所要の寸法Gだけ突出して存在する状態で形成されている(図3、図6)。
ここで、この入口52と出口53とが互いに異なる開口形状で形成されている送風ダクト51では、その入口52と出口53の間をつなぐ通路部54に通路空間54aの断面形状が途中で変更される部分が存在する。ちなみに、この送風ダクト51では、通路部54(の通路空間54a)に曲げられた部分(第1曲げ通路部54B)が存在することにより、導入通路部54Aのほぼ正方形からなる通路空間54aの断面形状が、第1曲げ通路部54Bにおいて(高さがかわらず)水平方向のみに広がった長方形からなる通路空間54aの断面形状に変更されている。換言すれば、導入通路部54Aの通路空間54aの断面形状が、第1曲げ通路部54Bにおいて急激に広くなった通路空間54aの断面形状になっている。
また、このような通路空間54aの断面形状が変化する部分が存在する送風ダクト51の場合は、その断面形状が変化する部分において空気の流れに剥離や渦等の乱れが生じ、このため入口52から均一な風速の空気を取り入れても出口53から出る空気はその風速が不均一になってしまう傾向がある。このように出口から出る空気の風速が最終的に不均一になる傾向は、通路空間54aの断面形状の変化の有無にかかわらず、送風ダクト51における空気を流す(進行)方向が変化する場合、つまり通路空間54aが途中で曲げられた形状になる場合もほぼ同様に発生する。さらに、出口から出る空気の風速が最終的に不均一になる傾向は、通路空間54aの断面形状が変化し、しかも空気を流す(進行)方向が変化する場合には、より顕著に発生する。
図20a〜cは、入口52と出口53とが互いに異なる開口形状で形成されている送風ダクトの代表例510A〜510Cを示すものであり、図中にはその各ダクド510における入口52に取り入れる空気の風速と出口53から出る空気の風速の各状態を矢印の長さでそれぞれ示している。図20においては、各送風ダクト510をその上面側から見た状態で示している。また、図中において矢印の長さが同じ場合は風速が同じであることを示し、その長さが異なる場合は風速が異なっていることを示している。さらに、図中の点線は各ダクトの通路空間(を形成する側壁部)を示している。ちなみに、送風ダクト510B、510Cは、その空気を流す方向が途中で変更されている(通路空間54aが途中で曲げられている)とともに通路空間の断面形状及び断面面積の少なくとも一方が変更されている構成例でもある。この他、図20dに示す送風ダクト510Dは、入口52と出口53とが互いに同じ開口形状(かつ同じ開口面積)で形成されている構成例であり、その通気を流す方向のみが途中で変更されているダクトである。
そこで、この送風装置5における送風ダクト51は、図3〜図6等に示すように、入口52と出口53の間をつないで空気を流すための通路空間54aが少なくとも1箇所(本例では2箇所)で曲げられた形態で形成された通路部54を備え、その入口52が出口53の長手方向における当該出口の一方の端部53aよりも外側に存在する状態で形成されている送風ダクトであることを前提としたうえで、通路部54の通路空間54aの空気を流す方向における異なる部位に空気の流れを抑制する2つの抑制部61,62を設けている。ここで、図20aに例示したように通路部が曲げられていない構成の送風ダクト510Aは、本実施の形態1に係る送風装置5の送風ダクトの範疇に含まれないことになる。
2つの抑制部のうちの1つの抑制部61は、通路部54の通路空間54aのうち曲げられた部分に相当する第1曲げ通路部54Bに、その第1曲げ通路部54Bの一部を横断した状態で遮断するとともに、その横断する方向Dに延びる細長い形状の隙間63を存在させて空気の通過を可能にした「最上流の抑制部」として設けられている。
実施の形態1における最上流の抑制部61は、第1曲げ通路部54Bの外形を変更せずに、その曲げ通路部54Bの通路空間54a内に板状の仕切り部材64を、通路空間54aの断面形状における底部のみに対して隙間をあけて横断する状態になるよう配置することで構成されている。
詳しくは、仕切り部材64は、図4等に示されるように、第1曲げ通路部54Bの通路空間54aにおける断面形状の上方側の部分を横断した状態で遮断し、また、その仕切り部材の下端部64aが通路空間54aの断面形状の底部に対して所要の間隔Hをあけた状態になるよう配置され、これにより通路空間54aの下部に横断する方向に延びる細長い形状の隙間63が存在する構造を形成している。この仕切り部材64は、第1曲げ通路部54Bの通路空間54aにおいて第1曲げ通路部54Bを流すべき空気の流れ方向R2に対してほぼ直交する方向(帯電装置4の長手方向Bとほぼ平行する方向)に沿って横断している。
また、仕切り部材64は、図6等に示されるように、隙間63の横断方向Dにおける両端部63a,63bを結ぶ仮想直線(二点鎖線)VLが、入口52のうち曲げられた通路空間部分に相当する第1曲げ通路部54Bに近い側に位置する内側端部52aよりも第1曲げ通路部54Bを流すべき空気の流れ方向R2の下流側に存在する状態になるよう設けられている。
具体的には、この送風ダクト51の通路部54は、入口52の内側端部52aから最上流の抑制部61(を構成する仕切り部材64)のうち入口52に近い側の端部61a(仕切り部材の一端部64a)に至るまでの間に、曲げられた通路空間部分に相当する第1曲げ通路部54Bとその通路空間部分の直前の通路空間部分に相当する導入通路部54Aとの境界部になる屈曲した角部54Kが存在する形状を有している。屈曲した角部54Kは、例えばほぼ直角に屈曲した形状になっている。仕切り部材64は、その屈曲した角部54Kから第1曲げ通路部54Bにおける空気の流れ方向R2の下流側に所要の距離Nだけずれた位置を最上流端にして存在するように配置されている(図4)。ちなみに、屈曲した角部54Kは、そのほぼ直角に屈曲した部位の存在を減らして後記の空気の剥離現象の促進や流れる方向の第1案下通路部54Aへの誘導効果を高める等の観点から、曲面で形成してもよい(図6や図12に点線で示すような曲面状の側壁面54R)。つまり、入口52の内側端部52aと最上流の抑制部61のうち入口52に近い側の端部61aとの間(側面部)を、曲面状の側壁面54Rで形成してもよい。曲面状の側壁面54Rは、所要の曲率からなる曲面で構成するほか、3以上の複数の面からなる多角面で構成したものでもよい。
最上流の抑制部61を構成する仕切り部材64の設置位置(空気の流れ方向R2の下流側にずれる距離N)や、その隙間63の高さH,経路長M及び幅(長手方向の長さ)Wについては、導入通路部54Aから第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定される。また、それらの値は、ダクト51の寸法(容量)や、ダクト51又は帯電装置4に流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。
例えば、仕切り部材64の設置位置に相当する距離Nは、その下限値が少なくとも5mm以上であることが好ましい。一方、この距離Nの上限値については、例えば、最上流の抑制部61による風速の均一化の効果を得ることが可能な範囲で設定される。また、隙間63の高さHは、その幅方向において同じ寸法である場合に限らず、上記観点などから一律に又は部分的に変更される寸法に設定することができる。このような仕切り部材64は、ダクト51と同じ材料で一体に成形することで形成したものか、あるいはダクト51とは別の材料で形成したものである。
また、2つの抑制部のうちのもう1つの抑制部62は、図4や図7に示すように、第2曲げ通路部54Cの通路空間54aにおける終端部の開口部である出口53を、複数の通気部71が点在する通気性部材70により塞いだ状態にした「最下流の抑制部」として設けられている。
複数の通気部71はいずれも、図7に示すように、その各開口形状がほぼ円形で直線状に貫通するよう延びる貫通孔である。また、複数の通気部71は、例えば出口53の開口形状の長手方向(B)に沿って等間隔に並べかつその長手方向と直交する短手方向Cにも前記等間隔と同じ間隔で4列存在させるように並べている。これにより、複数の通気孔71は、第2曲げ通路部54Cの終端部の通路空間又は出口53の開口形状の全域に点在して存在するように形成されている。このため、実施の形態1における通気性部材70は、板状の部材に複数の通気部(孔)71が点在するように形成された多孔板になっている。さらに、複数の通気部71は、出口53の開口領域に対してほぼ均一に点在して(ほぼ一定の密度で)存在するように形成されていることが好ましいが、出口53から出る空気がむらになって出ない限りは、わずかな粗密の状態になって存在するように形成されていても構わない。
通気性部材70は、ダクト51と同じ材料で一体に成形することで形成したものでも、あるいはダクト51とは別の材料で形成したものでもよい。通気部(孔)71の開口形状、開口寸法、孔長さ、及び孔の存在密度については、第2曲げ通路部54Cから出口53を通して流れ出る空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定される。また、これらの値は、ダクト51の寸法(容量)や、ダクト51又は帯電装置4に流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。
以下、この送風装置5の動作について説明する。
送風装置5は、画像形成動作時などの駆動設定時期になると、まず送風機50が回転駆動して所要の風量の空気を送り出す。始動した送風機50から送られる空気(E)は、図5に示すように、接続ダクト55を通して送風ダクト51の入口52から通路部54の通路空間54a内に取り入れられる。
続いて、送風ダクト51に取り入れられた空気(E)は、図5に示すように、導入通路部54Aの通路空間54aを通して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むよう送られる(図5の矢印E1a,51b等を参照)。第1曲げ通路部54Bに送り込まれる空気(E1)は、第1の抑制部61の隙間63を通過してその進行方向(空気の流れる方向)がほぼ直角の方向に変えられた状態になって(図5の矢印E2aの向きを参照)、第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流入するように送られる(図8の矢印E2a,E2bの向き等を参照)。
この際、最上流の抑制部61の隙間63を通過して第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むときの空気(E2)は、その流れが最上流の抑制部61により抑制され(圧力が上昇した状態になり)、その隙間63から均一な状態になって流れ込む。しかも、第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込むときの空気(E2)は、抑制部61の隙間63から流れ出るときの向きが出口53の長手方向(B)とほぼ直交する方向に揃えられる。
続いて、第1曲げ通路部54Bの通路空間54aに流れ込んだ空気(E2)は、第1曲げ通路部54Bから下方にむけてほぼ直角の方向に曲げられた状態で連続する第2曲げ通路部54Cの通路空間54aへ移動する。第2曲げ通路部54Cの通路空間54aに流れ込んだ空気(E2)は、導入通路部54Aの通路空間54aや隙間63の空間よりも容積の広い第2曲げ通路部54Cの通路空間54aに流れ込むことにより、その第2曲げ通路部54Cの通路空間54a内で滞留して風速のむらが低減される。
最後に、第2曲げ通路部54Cに流れ込んで滞留した空気(E2)は、図8に示すように、その曲げ通路部54Cの終端部又は出口53に設けられた最下流の抑制部62を構成する通気性部材70における複数の通気部(孔)71を通過して出口53から進行方向が変えられた状態で吹き出される(図8の矢印E3の向きや長さ等を参照)。
この際、出口53から吹き出される空気(E3)は、出口53の開口面積よりも相対的に狭い通気性部材70の複数の通気部71を通過することで流れが抑制された状態になって(このときも圧力が上昇した状態になり)送り出される。また、出口53から吹き出される空気(E3)は、出口53の開口領域全体にわたって点在するとともに同じ条件で形成された複数の通気部71を通過することで出口53の開口形状にほぼ近い領域の面に相当するよう均一な状態になって出口53から送り出される。さらに、出口53から吹き出される空気(E3)は、出口53の長手方向とほぼ直交する方向に進行方向を変えて送り出される。
以上により、最下流の抑制部62における通気性部材70の複数の通気部71からそれぞれ出る空気(E3)はいずれも、その進行方向が出口53の長手方向とほぼ直交する方向になって送り出されるとともに、その風速がほぼ揃った状態になる。また、出口53から出る空気(E3)の風速は、出口53の開口形状(長方形)の長手方向(B)においてほぼ揃った状態になることに加え、その長手方向(B)とほぼ直交する短手方向C(図4、図7等)においてもほぼ揃った状態になる。
さらに、出口53から最終的に排出される空気は、最上流の抑制部61の前述した配置の状態により、その出口53の長手方向(B)における入口52に近い側の端部53aでの風速が相対的に弱まることが低減される。これにより、出口53から排出される空気は、出口53の長手方向全域での風速のむらがより低減された状態で排出される。
そして、送風ダクト51の出口53から送り出された空気(E3)は、図8に示すように、帯電装置4のシールドケース40の上面40aに形成された開口部43を通してケース40内に吹き込まれ、そのケース40の内部中央に存在する隔壁40dを境に区分される空間内に配置された2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bとそのケース40の下部開口部に存在するよう取り付けられたグリッド電極42に吹き付けられる。
このときコロナ放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42に吹き付けられる空気は、送風ダクト51の出口53の長手方向(B)及び短手方向Cの両方向においてほぼ揃った風速で出口53から出るため、その2本の放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42にもほぼ等しい状態で吹きつけられる。また、その吹き付けられる空気は、送風ダクト51の出口53の長手方向(B)における入口52に近い側の端部53aでの風速が相対的に弱まることが低減された状態で出口53から排出されるため、その2本の放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42における出口の端部53aと向き合う領域にも他の領域とほぼ同程度の風速で吹きつけられる。
これにより、2本の放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42にそれぞれ付着しようとする紙粉、トナーの外添剤、放電生成物などの不要物を、その放電ワイヤやグリッド電極から遠ざけることができる。この結果、帯電装置4における放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に不要物がまばらに付着することが原因で帯電性能にむら等の劣化が発生することが防止され、感光ドラム21の周面をより均一(その軸方向と回転方向Aに沿う周方向との双方に対して均一)に帯電することが可能になる。また、この帯電装置4を備えた作像ユニット20で形成されるトナー像ひいては用紙9に最終的に形成される画像は、帯電むら等の帯電不良に起因した画質不良(濃度むら等)の発生が低減された良好な画像として得られるようになる。
<試験>
次に、この送風装置5を用いて行った性能特性(送風ダクト51の出口53での風速分布)に関する評価試験について説明する。
試験は、送風ダクト51の出口53からの平均風速が約1.0m/秒になる風量の空気を送風機50から導入し、そのときの出口53の長手方向(B)における風速を測定した。測定は、風速計(ケンブリッジアキュセンス社製:F900)を使用し、図8に示すように出口53の感光ドラム21の回転方向A上流側に位置する端部位置P1(pre位置)とその回転方向A下流側に位置する端部位置P2(post位置)との2箇所において風速計を長手方向Bに移動させることで行った。この試験の結果を図9に示す。
送風ダクト51としては、その全体の形状が図3〜図7に示すようなものであり、その入口52が22mm×23mmのほぼ正方形の開口形状であり、出口53が17.5mm×350mmの長方形の開口形状であるものを使用した。また、最上流の抑制部61は、第1曲げ通路部54Bのうち屈曲した角部54Kから空気の流れ方向R2の下流側に寸法N=6mmだけずれた位置となる部位において、隙間63の高さHが1〜2mmの範囲内で傾斜する寸法で、経路長Mが8mm、幅Wが345mmとなるように構成した。さらに、最下流の抑制部62は、孔径が1mm、長さが3mmの通気孔71を密度が0.42個/mm2(≒42個/cm2)となる条件で設けた多孔性部材70を用いて構成した。
この送風ダクト51の出口53の長手方向(B)における風速は、図9に示すように、その長手方向のほぼ全域にわたって目標値の平均風速である約1.0m/秒に近い値になった。また、出口53のpre位置P1とpost位置P2での各風速の結果が、出口53の長手方向(B)においてほぼ同じ値になっており、これにより出口53の短手方向Cでの風速もほぼ揃った状態になっていることがわかる。
<解析>
次に、送風装置5の送風ダクト51を用いて行ったコンピュータ・シミュレーションによる解析について説明する。
試験で用いた送風ダクト51を基礎にしてコンピュータ・シミュレーションを行うことにより、その送風ダクト51の出口53から吹き出す空気(E3)のうち下方(座標軸Y方向の逆方向−Y)に吹き出す成分(−Y方向成分)の風速分布について調べた。この結果(実施形態1)を図10に示す。
また、このコンピュータ・シミュレーションにおいて送風ダクト51の出口53から種々の方向に吹き出す空気(E3)のすべての風速分布についても調べた。つまり、このときの風速は、出口53から下方に吹き出す成分に、それ以外の種々の方向に吹き出す成分をすべて集計したときの結果になる。この結果を(実施形態1)を図11に示す。
図10に示す結果より、この送風ダクト51の出口53の長手方向(B)における風速は、出口53の入口52に近い側の端部53a(同図に示す長手方向の距離が0〜0.08m程度となる位置)での風速が相対的に弱まることが大幅に低減されている(後記する比較例2の結果:図10のデータを比較参照。)。これにより、図11の結果が示すように、出口53の長手方向(B)の全域での風速のむらも、低減された状態で排出されていることがわかる(図11の比較例2のデータを比較参照)。ちなみに、このような風速に関する効果は、屈曲した角部54Kを前記したような曲面状の側壁面54R(図6等を参照。)で形成した場合、さらに確実に得られることが確認されている。
これは、図12に模式的に例示するように、最上流の抑制部61を構成する仕切り部材64が、前述したように第1曲げ通路部54Bにおいて空気の流れ方向R2の下流側に存在する状態で配置したことにより、導入通路部54Aと第1曲げ通路部54Bとの境界部となる屈曲した角部54Kが存在(残存)するようになることが要因になっているものと推測できる。
つまり、入口52から取り入れられた空気は、導入通路部54Aを座標軸Zの方向(出口53の長手方向Bとほぼ同じ方向)に沿って進むように流れる過程で、図12に矢付き二点鎖線V1,V2で示すように、屈曲した角部54Kにおいて導入通路部54Aの当該角部52Kとつながる側壁面54Aaから流れの剥離現象が発生し、第1曲げ通路部54Bに続く方向にわずかながら曲がった状態で進む。これにより、最上流の抑制部61における細長い形状の隙間63を通過するように進入するときの空気は、導入通路部54Aにおいて座標軸Zの方向に直進して進もうとする成分(直進成分)が弱まり、第1曲げ通路部54Bでの本来の空気の流れ方向R2に沿うように流れる方向が変更される。この結果、最上流の抑制部61における隙間63を通過する空気は、その隙間63のうち入口52に近い側の端部63aに近い部分もより多く通過するようになり(矢付き二点鎖線V3を参照。)、最終的に出口53の入口52に近い側の端部53aでの風速が相対的に弱まることが低減されるようになるためであると考えられる。
<比較例1>
図21は、参考までに採り上げる比較例1としての送風ダクト511を示している。
比較例1の送風ダクト511は、実施の形態1に係る送風装置5の送風ダクト51(図4参照)に対し、その出口53に複数の通気部71を有する通気性部材70を設けないように変更した点のみで相違するものである。すなわち、この送風ダクト510は、図21に示すように、その出口53が、1つの長方形の開口形状からなる開口として形成されている。図21の符合E6は、その出口53から出る空気の状態を模式的に示している。
図22は、この比較例1の送風装置における送風ダクト511の性能特性(出口53での風速分布)を調べた評価試験の結果を示す。この試験は、次の点で異なるものの、それ以外については実施の形態1における試験の場合と同様にして行った。つまり、比較例1の送風ダクト511では、その出口53のpre位置P1での風速がほぼゼロに近い状態であったため、風速の測定は、図21に示すように出口53の感光ドラム21の回転方向Aにおける前記pre位置P1と前記post位置P2の中間地点となるcenter位置P3と、そのpost位置P2との2箇所において行った。
図22の結果から明らかなように、比較例1の送風ダクト511では、その出口53の特にpost位置P2での長手方向(B)での風速が大幅に異なる状態になっており、また、出口53の短手方向Cでの風速も揃っていない状態になることがわかる。出口53のpre位置P1では、前述したとおり風速がほぼゼロに近い状態にあって、空気がほとんど出ていないことが判明した。
<比較例2>
図23は、参考までに採り上げる比較例2としての送風ダクト512を示している。
比較例2の送風ダクト512は、実施の形態1に係る送風装置5の送風ダクト51(図4参照)に対し、最上流の抑制部61を構成する仕切り部材64の設置位置を変更した点でのみ相違するものである。すなわち、この送風ダクト512は、図23に示すように、仕切り部材64を、屈曲した通路角部54Kから第1曲げ通路部54Bにおける空気の流れ方向R2の下流側にずらすことなく、通路角部54K(図24)とほぼ同じ位置を開始点とした状態で配置している。
次に、この比較例2の送風ダクト512を用いて実施の形態1における解析の場合と同様にコンピュータ・シミュレーションによる解析を行った。まず、この送風ダクト512の出口53から吹き出す空気のうち下方に吹き出す成分(−Y方向成分)の風速分布について調べた。この結果(比較例2)を図10に併せて示す。また、送風ダクト512の出口53から種々の方向に吹き出す空気のすべての風速分布について調べた。この結果(比較例2)を図11に併せて示す。
図10の結果から明らかなように、比較例2の送風ダクト512では、その出口53の長手方向(B)における風速が、出口53の入口52に近い側の端部53a(同図に示す長手方向の距離が0〜0.08m程度となる位置)での風速が他の部位に比べて相対的に弱まってるかあるいは出口53の下方の方向とは異なる方向にしか吹き出ておらず、大幅に低減している。また、これにより、図11の結果が示すように、出口53の長手方向(B)の入口52に近い側の端部53aを含む領域での風速のむらが発生し、出口53の長手方向における風速のむらが発生していることがわかる。
これは、図24に模式的に例示するように、最上流の抑制部61を構成する仕切り部材64を、前述したように屈曲した通路角部54Kから第1曲げ通路部54Bにおける空気の流れ方向R2の下流側にずらすことなく、通路角部54K(図24)とほぼ同じ位置を開始点とした状態で配置したことにより、導入通路部54Aと第1曲げ通路部54Bとの境界部となる屈曲した角部54Kが存在していないことが主な要因になっているものと推測できる。
つまり、入口52から取り入れられた空気は、導入通路部54Aを座標軸Zの方向(出口53の長手方向Bとほぼ同じ方向)に沿って進むように流れる過程で、図24に矢付き二点鎖線V31で示すように、導入通路部54Aにおいて座標軸Zの方向に直進して進もうとするほぼ直進成分のみを有して進む。これにより、最上流の抑制部61における細長い形状の隙間63を通過するように進入するときの空気は、導入通路部54Aにおいて座標軸Zの方向に直進して進もうとする直進成分がほとんど弱まることなく進み、第1曲げ通路部54Bでの本来の空気の流れ方向R2に沿うように流れる方向が変更されることがほとんどない。すなわち、この送風ダクト512では、実施の形態1に係る送風ダクト51のように屈曲した角部54Kが存在することにより、その屈曲した角部54Kにおいて前記したような側壁面54Aaから流れの剥離現象(図12)が発生することがない。この結果、最上流の抑制部61における隙間63を通過する空気は、その隙間63のうち入口52に近い側の端部63aに近い部分を通過する割合が少なくなり(矢付き二点鎖線V32を参照。)、このため、出口53の入口52に近い側の端部53aでの風速が他の領域に比べて相対的に弱まってしまうものと考えられる。
[実施の形態2]
図13及び図14は、実施の形態2に係る送風装置を示すものであり、その送風装置(5B)における送風ダクト51Bを示している。
この送風装置(5B)は、構成の一部が異なる送風ダクト51Bを使用するように変更した以外は実施の形態1に係る送風装置5と同じ構成になっている。その送風ダクト51Bは、図13等に示すように、入口52のうち第1曲げ通路部54Bに近い側に位置する内側端部52aから最上流の抑制部61のうち入口52に近い側の端部61aに至るまでの間の側面部が直線状につながった形状で形成している以外は実施の形態1に係る送風ダクト51と同じ構成である。これ以降や図面においては、共通する構成要素については同じ符合を付し、また必要な場合以外はその構成要素の説明を省略する(これ以降の実施の形態においても同様である)。
すなわち、送風ダクト51Bでは、入口52の内側端部52aから最上流の抑制部61における入口52に近い側の端部61aに至るまでの間の側面部を、1つの平面からなる側壁面54Abで形成している。これにより、この送風ダクト51Bにおいては、実施の形態1に係る送風ダクト51における導入通路部54Aと第1曲げ通路部54Bの境界部になる屈曲した角部54A(図6等を参照。)が存在しないことになり、入口52の内側端部52aと抑制部61における入口52に近い側の端部61aとがまっすぐにつながったような状態になる。
<解析>
次に、この送風ダクト51Bを用いて実施の形態1の場合と同様にコンピュータ・シミュレーションによる解析を行った。
すなわち、送風ダクト51Bの出口53から吹き出す空気のうち下方に吹き出す成分(−Y方向成分)の風速分布について調べ、その結果(実施形態2)を図10に併せて示した。また、送風ダクト51Bの出口53から種々の方向に吹き出す空気のすべての風速分布について調べ、その結果を(実施形態2)を図11に併せて示した。
図10に示す結果より、この送風ダクト51Bの出口53の長手方向(B)における風速は、出口53の入口52に近い側の端部53a(同図に示す長手方向の距離が0〜0.08m程度となる位置)での風速が相対的に弱まることが大幅に低減されている(比較例2の結果:図10のデータを比較参照。)。これにより、図11の結果が示すように、出口53の長手方向(B)の全域での風速のむらも、大幅に低減された状態で排出されていることがわかる(図11の比較例2のデータと比較参照)。この送風ダクト51Bにおける出口53の長手方向(B)の全域での風速のむらは、実施の形態1に係る送風ダクト51の場合よりも大幅に低減され、出口53から排出される空気は出口の長手方向(B)の全域でほぼ均一になった状態で排出されることがわかる(図11の実施形態1のデータと比較参照)。
これは、図15に模式的に例示するように、送風ダクト51Bが、前述したように入口52の内側端部52aと最上流の抑制部61のうち入口52に近い側の端部61aとの間(側面部)が1つの平面からなる側壁面54Abで形成していることにより、前掲の屈曲した角部54Kが存在しなくなり、入口52から最上流の抑制部61のうち入口52に近い側の端部61aにむけて通路空間54aが徐々に広がる形態になることが要因になっているものと推測できる。
つまり、入口52から取り入れられた空気は、導入通路部54Aを進むように流れる段階で、図15に矢付き二点鎖線V10,V11で示すように、当初から座標軸Zの方向に沿って直進する直進成分のみでなく、第1曲げ通路部54Bでの本来の空気の流れ方向R2に沿うように流れる方向の成分をもった状態で流れるようになる。これにより、最上流の抑制部61における細長い形状の隙間63を通過するように進入するときの空気は、導入通路部54Aにおいて座標軸Zの方向に直進して進もうとする直進成分が実施の形態1に係る送風ダクト51の場合に比べたさらに弱まり、第1曲げ通路部54Bでの本来の空気の流れ方向R2に沿うように流れる方向が変更される。この結果、最上流の抑制部61における隙間63を通過する空気は、その隙間63のうち入口52に近い側の端部63aに近い部分もより一層多く通過するようになり(矢付き二点鎖線V12、V13を参照。)、最終的に出口53の入口52に近い側の端部53aでの風速が相対的に弱まることがさらに低減されるようになるためであると考えられる。
[実施の形態3]
図16は、実施の形態3に係る送風装置を示すものであり、その送風装置(5C)における送風ダクト51Cを示している。
この送風装置(5C)は、構成の一部が異なる送風ダクト51Cを使用するように変更した以外は実施の形態1に係る送風装置5と同じ構成になっている。その送風ダクト51Cは、図16に示すように、実施の形態1における第1曲げ通路部54B及び第2曲げ通路部54Cを構成が異なる第1曲げ通路部54D及び第2曲げ通路部54Eに変更するとともに3つめの抑制部65を追加して変更した以外は実施の形態1に係る送風ダクト51と同じ構成である。
すなわち、送風ダクト51Cの第1曲げ通路部54Dは、通路空間54aの空気を流す方向の下流側になる部分の高さがその下流側になるにつれて次第に低くなる形状にしている点で変更している。また、送風ダクト51Bの第2曲げ通路部54Eは、第1曲げ通路部54Dの空気を流す方向におけるほぼ中間の地点となる下部から、通路空間の幅が同じ状態のままで下方に向かう方向に曲げられて帯電装置4に近づくよう延びた状態で形成している点と、その通路部54Eの終端部に、その終端部の通路空間54aの断面形状とほぼ同じ開口形状(長方形状)からなる出口53を形成している点で変更している。
また、3つめの抑制部65は、通路空間54aの空気を流す方向において第1の抑制部61と最下流の抑制部62との間になる部位であり、具体的には、第2曲げ通路部54Eの通路空間54aの空気を流す方向の上流側になる部位に設けられている。また、この抑制部65は、出口53の開口形状の長手方向(B)と平行する方向に延びる形状の隙間66を有する形態で構成されている。
実施の形態3における抑制部65は、第2曲げ通路部54Eの外形をしぼるような形状に変更し、その通路部54Eの通路空間54aのほぼ中央部に狭めた状態の隙間(狭小通路)66を存在させる形状に形成することで構成されている。また、この隙間66の高さH,経路長M、及び幅Wは、第1の抑制部61における隙間63の場合とほぼ同様に、第1曲げ通路部54Dから第2曲げ通路部54Eに流れる空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定され、またダクト51の寸法(容量)や、ダクト51又は帯電装置4に流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。
以下、この送風装置(5C)の動作について説明する。
この送風装置では、送風ダクト51Cの入口52を通して取り入れられた送風機50からの空気(E)は、導入通路部54Aに取り込まれ(図17の矢印E1の向き等を参照)、しかる後、第1曲げ通路部54Dにむけて送り込まれる(図17の矢印E2a,52bの向き等を参照)。この際、第1曲げ通路部54Dに流れ込んだ空気(E2)は、第1の抑制部61における隙間63を通過することにより、実施の形態1における第1曲げ通路部54Bに流れ込んだ空気(E2)の場合とほぼ同様の状態にされる。
続いて、第2曲げ通路部54Dに流れ込んだ空気(E2)は、図17に示すように、第2曲げ通路部54Eに設けられた3つめの抑制部65における隙間66を通過してその通路部54Eの通路空間54a内に流れ込むよう送られる(図17の矢印E4の向き等を参照)。
この際、抑制部65の隙間66を通過して第2曲げ通路部54Eに流れ込むときの空気(E4)は、その流れが抑制部65により抑制され(圧力が上昇した状態になり)、その隙間66から均一な状態になって流れ込む。しかも、第2曲げ通路部54Eの通路空間54aに流れ込むときの空気(E4)は、抑制部65の隙間66から流れ出るときの向きが出口53の長手方向(B)とほぼ直交する方向に、より確実に揃えられる。また、第2曲げ通路部54Eの通路空間54aに流れ込んだ空気(E4)は、第1曲げ通路部54Dの通路空間54aや隙間66の空間よりも容積の広い第2曲げ通路部54Eの通路空間54aにおいて滞留して風速のむらが更に低減される。
最後に、第2曲げ通路部54Eに流れ込んで滞留した空気(E4)は、図17に示すように、第2曲げ通路部54Eの終端部(出口53よりも空気を流す方向の少し上流側の部位)に設けられた最下流の抑制部62を構成する通気性部材70における複数の通気部(孔)71を通過して出口53から吹き出される(図17の矢印E5の向きや長さ等を参照)。
この際、出口53から吹き出される空気(E5)は、出口53の開口面積よりも相対的に狭い通気性部材70の複数の通気部71を通過することで流れが抑制された状態になって(このときも圧力が上昇した状態になり)送り出される。また、また、出口53から吹き出される空気(E5)は、出口53の開口領域全体にわたって点在するとともに同じ条件で形成された複数の通気部71を通過することで出口53の開口形状にほぼ近い領域の面の相当するように均一な状態になって出口53から送り出される。さらに、出口53から吹き出される空気(E3)は、出口53の長手方向とほぼ直交する方向に沿って送り出される。
以上により、通気性部材70の複数の通気部71からそれぞれ出る空気(E5)はいずれも、その進行方向が出口53の長手方向とほぼ直交する方向になって送り出されるとともに、その風速がほぼ揃った状態になる。また、出口53から出る空気(E3)の風速は、出口53の開口形状(長方形)の長手方向(B)においてほぼ揃った状態になることに加え、その短手方向Cにおいてもほぼ揃った状態になる。
さらに、出口53から最終的に排出される空気は、最上流の抑制部61の前述した配置の状態により、その出口53の長手方向(B)における入口52に近い側の端部53aでの風速が相対的に弱まることが低減される。これにより、出口53から排出される空気は、出口53の長手方向全域での風速のむらがより低減された状態で排出される。
そして、送風ダクト51の出口53から送り出された空気(E5)は、図17に示すように、帯電装置4のシールドケース40の上面40aに形成された開口部43を通してケース40内に吹き込まれ、そのケース40の内部に存在する2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bとそのケース40の下部開口部に存在するグリッド電極42にそれぞれ吹き付けられる。
このときコロナ放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42に吹き付けられる空気は、実施の形態1の場合とほぼ同様に、送風ダクト51の出口53の長手方向及び短手方向の両方向においてほぼ揃った風速で出口53から出るため、その2本の放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42にもほぼ等しい状態で吹きつけられる。また、その吹き付けられる空気は、送風ダクト51の出口53の長手方向(B)における入口52に近い側の端部53aでの風速が相対的に弱まることが低減された状態で出口53から出るため、その2本の放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42における出口の端部53aと向き合う領域にも他の領域とほぼ同程度の風速で吹きつけられる。
この結果、送風装置(5B)が併設された帯電装置4では、その放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に不要物がまばらに付着することが原因で帯電性能にむら等の劣化が発生することが防止され、感光ドラム21の周面をより均一(その軸方向と回転方向Aに沿う周方向との双方に対して均一)に帯電することが可能になる。また、この帯電装置4を備えた作像ユニット20で形成されるトナー像ひいては用紙9に最終的に形成される画像は、帯電むら等の帯電不良に起因した画質不良(濃度むら等)の発生が低減された良好な画像として得られるようになる。
<試験>
図18は、この送風装置(5C)の性能特性(送風ダクト51Cの出口53での風速分布)を調べた評価試験の結果を示す。試験は、実施の形態1における試験の場合と同様にして行った。
送風ダクト51Cとしては、その全体の形状が図16に示すようなものであり、実施の形態1の送風装置5における送風ダクト51と同様に、その入口52が22mm×23mmのほぼ正方形の開口形状であり、出口53が17.5mm×350mmの長方形の開口形状であるものを使用した。また、最上流の抑制部61は、仕切り部材64の配置位置となる下流側へのずれ寸法Nが6mmであり、隙間63の高さHが1〜2mmの範囲内で傾斜する寸法で、経路長Mが6mm、幅Wが345mmとなるように構成した。また、抑制部65は、隙間66の高さHが1mm、経路長Mが10mm、幅Wが345mmになるよう構成した。さらに、最下流の抑制部62は、実施の形態1における制御部62と同様に、孔径が1mm、長さが3mmの通気孔71を密度が0.42個/mm2(≒42個/cm2)となる条件で設けた多孔性部材70を用いて構成した。
図18に示すように、送風ダクト51Cの出口53の長手方向(B)における風速が、ほぼその全域にわたって目標値の平均風速である約1.0m/秒に近い値になった。また、出口53のpre位置P1とpost位置P2での各風速の結果が、出口53の長手方向(B)においてほぼ同じ値になっており、これにより出口53の短手方向Cでの風速もほぼ揃った状態になっていることがわかる。なお、本実施の形態の送風装置(5C)では、上記送風ダクト51Cの採用(抑制部の増加)により、実施の形態1の送風装置5(の送風ダクト51)に比べて、送風ダクト51に取り込む空気の流量を増減しても、出口53から出る空気の風速をより安定的に均一な状態にすることが可能である。
[他の実施の形態]
実施の形態1〜3では、送風ダクトとして導入通路部54Aが全体としてストレートな構造(内部が空洞の角柱)からなる送風ダクト51,51A,51Cを適用した場合について例示したが、その他にも、例えば図19に示すように、導入通路部54Aのうち入口52を含む導入先頭部54Acが出口53から遠ざかる方向に曲がって突出した状態で形成された送風ダクト51Dを適用することも可能である。この送風ダクト51Dにおける導入先頭部54Acは、それ以外の導入通路部54Aの本体部と、通路空間54aの断面形状が互いに同じ形状になっている。また、その入口52は、長尺な開口形状からなる出口53の長手方向(B)における一方の端部53aよりも外側に所要の寸法Gだけ突出して存在する状態で形成されている。
このような形態の送風ダクト51Dにおいても、最上流の抑制部61を構成する仕切り部材64は、その隙間63の横断方向Dにおける両端部63a,63bを結ぶ仮想直線(二点鎖線)VLが、入口52のうち曲げられた通路空間部分に相当する第1曲げ通路部54Bに近い側に位置する内側端部52aよりも第1曲げ通路部54Bを流すべき空気の流れ方向R2の下流側に存在する状態になるよう設けられている。また、導入先頭部54Acは、入口52の内側端部52aから最上流の抑制部61における入口52に近い側の端部61aに至るまでの間の側面部が、実施の形態2に係る送風ダクト51Bにおける当該側面部の場合と同様に、平面状の側壁面54Abで形成された構造になっている。
また、送風ダクト51における抑制部としては、実施の形態1では2つの抑制部61,62を設けた場合、実施の形態3では3つの抑制部61,62,65を設けた場合を示したが、4個以上設けても構わない。また、抑制部は、最下流の抑制部も含めて、そのいずれもダクト51の通路部54の通路空間54aにおいてその断面形状が変更される部位や、その通路空間54aにおいて空気を流す方向が変更された後(直後など)の部位に設けることが好ましい。
最下流の抑制部62について、実施の形態1〜3において複数の通気部(孔)71を出口53の開口領域全体にほぼ均一に点在させるよう形成した通気性部材70を用いて構成した場合を例示したが、その最下流の抑制部62は、例えば、ファルター等に適用される不織布等の多孔質部材(複数の通気部71が不規則な形状の貫通隙間であるもの)に代表される通気性部材70を用いて構成することもできる。
さらに、送風ダクト51としては、その全体の形状が実施の形態1〜3で例示した場合や上記した構成の送風ダクト51Dの場合のものであることに限らず、他の形状のものを適用することができ、他の形状の送風ダクトとしては、例えば、図20b,20cに例示したような送風ダクト510B,510Cを適用してもよい。
この他、送風装置5(5B)を適用する帯電装置4については、グリッド電極24を設置しない形式の帯電装置、いわゆるコロトロン型の帯電装置であってよい。また、帯電装置4は、コロナ放電ワイヤ41として1本使用するものや3本以上使用するものであってもよい。また、送風装置5を適用する対象構造物としては、感光ドラム21等の除電を行うコロナ放電器や、感光ドラム以外の被帯電体を帯電又は除電させるコロナ放電器であってもよい他、コロナ放電器以外の空気の吹きつけが必要であって長尺な構造物であっても構わない。
また、画像形成装置1については、送風装置5(5B,5C)を適用する必要がある長尺な対象構造物を装備するものであれば、その画像形成方式等の構成については特に限定されない。必要であれば、現像剤以外の材料で構成される画像を形成する画像形成装置であっても構わない。
1 …画像形成装置
4 …帯電装置(長尺な対象構造物、コロナ放電器)
5,5b,5C…送風装置
50…送風機
51,51B,51C…送風ダクト(送風管)
52…入口
52a…内側端部(曲げられた通路空間部分に近い側に位置する内側端部)
53…出口
54…通路部
54a…通路空間
54A…導入通路部(直前の通路空間部分)
54Ab…1つの平面からなる側壁面
54B…第1曲げ通路部(曲げられた通路空間部分)
54C…第2曲げ通路部(曲げられた通路空間部分)
54K…屈曲した角部
54R…曲面状の側壁面
61…最上流の抑制部(複数の抑制部の少なくとも1つ)
62…最下流の抑制部(複数の抑制部の他の1つ)
63,66…隙間
63a…隙間の入口に近い側の端部(最上流の抑制部のうち入口に近い側の端部)
65…抑制部(複数の抑制部の少なくとも1つ)
B …長手方向
D …横断方向
VL…仮想直線
E …空気(の流れ)
R2…第2曲げ通路部を流れる空気の流れ方向

Claims (8)

  1. 空気を取り入れる入口と、
    前記入口から取り入れた空気を排出させて吹きつけるべき長尺な対象構造物の長手方向の部分と向き合う状態で配置され、前記対象構造物の長手方向の部分と平行する長尺な開口形状であって前記入口と異なる開口形状である出口と、
    前記入口と前記出口の間をつないで空気を流すための通路空間が少なくとも1箇所で曲げられた形態で形成された通路部と、
    前記通路部の通路空間の空気を流す方向において互いに異なる部位に設けられ、空気の流れを抑制する複数の抑制部と
    を備え、
    前記複数の抑制部の少なくとも1つは、前記通路部の通路空間において、曲げられた通路空間部分の一部を横断した状態で遮断しかつその横断する方向に延びる細長い形状の隙間を存在させて空気の通過を可能にする最上流の抑制部として設けられており、
    前記最上流の抑制部は、前記隙間の前記横断方向における両端部を結ぶ仮想直線が、前記入口のうち前記曲げられた通路空間部分に近い側に位置する内側端部よりも前記曲げられた通路空間部分を流れる空気の流れ方向の下流側に存在する状態になるよう設けられており、
    前記入口は、前記出口の長手方向において当該出口の一方の端部よりも外側に存在する状態で形成されており、
    前記通路部は、前記入口の内側端部と前記最上流の抑制部のうち当該入口に近い側の端部との間が曲面状の側壁面で形成されていることを特徴とする送風管。
  2. 空気を取り入れる入口と、
    前記入口から取り入れた空気を排出させて吹きつけるべき長尺な対象構造物の長手方向の部分と向き合う状態で配置され、前記対象構造物の長手方向の部分と平行する長尺な開口形状であって前記入口と異なる開口形状である出口と、
    前記入口と前記出口の間をつないで空気を流すための通路空間が少なくとも1箇所で曲げられた形態で形成された通路部と、
    前記通路部の通路空間の空気を流す方向において互いに異なる部位に設けられ、空気の流れを抑制する複数の抑制部と
    を備え、
    前記複数の抑制部の少なくとも1つは、前記通路部の通路空間において、曲げられた通路空間部分の一部を横断した状態で遮断しかつその横断する方向に延びる細長い形状の隙間を存在させて空気の通過を可能にする最上流の抑制部として設けられており、
    前記最上流の抑制部は、前記隙間の前記横断方向における両端部を結ぶ仮想直線が、前記入口のうち前記曲げられた通路空間部分に近い側に位置する内側端部よりも前記曲げられた通路空間部分を流れる空気の流れ方向の下流側に存在する状態になるよう設けられており、
    前記入口は、前記出口の長手方向において当該出口の一方の端部よりも外側に存在する状態で形成されており、
    前記通路部は、前記入口の内側端部と前記最上流の抑制部のうち当該入口に近い側の端部との間が1つの平面からなる側壁面で形成されていることを特徴とする送風管。
  3. 前記複数の抑制部のうち前記最上流の抑制部以外の1つは、前記出口を複数の通気部が点在する通気性部材により塞いだ状態にする最下流の抑制部として設けられている請求項1又は2に記載の送風管。
  4. 前記対象構造物は、コロナ放電器である請求項1乃至3のいずれかに記載の送風管。
  5. 空気を送る送風機と、請求項1乃至4のいずれかに記載の送風管とを備え、
    前記送風機から送られる空気を前記送風管の入口から取り入れることを特徴とする送風装置
  6. 前記対象構造物は、コロナ放電器である請求項5に記載の送風装置。
  7. 空気を吹きつけるべき長尺な対象構造物と、
    前記対象構造物の長手方向の部分に向けて空気を吹きつける送風装置とを備え、
    前記送風装置が、請求項5に記載の送風装置で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
  8. 前記対象構造物は、コロナ放電器である請求項7に記載の画像形成装置。
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