JP2017067814A - 送風管、送風装置及び画像形成装置 - Google Patents

送風管、送風装置及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】対象構造物に吹きつけるべき空気の風量を増大させても、入口や出口を複数の開口部に分割することなく、出口から排出される空気の少なくとも前記長手方向と直交する短手方向における風速のむらを低減することができる送風管等を提供する。【解決手段】送風管は、入口と入口とは異なる開口形状である出口との間をつないぐ通路空間が形成された通路部が入口側通路部と出口側通路部を有し、出口側通路部の通路空間が出口と平行する状態の仕切り板により分けられた第1通路空間と第2通路空間で構成され、第1通路空間と入口側通路部とが第1接続通路で接続され、第2通路空間と入口側通路部とが第2接続通路で接続され、第1通路空間と第2通路空間とが前記仕切り板の長手方向に沿う中心線よりも入口側通路部側に位置する領域内に存在して長手方向に沿って延びる隙間からなる第3接続通路で接続されている。【選択図】図4

Description

この発明は、送風管、送風装置及び画像形成装置に関するものである。
近年、本出願人は、以下に示す送風装置等に関する提案を行っている。
例えば、送風装置としては、送風機から送られる空気を取り入れる入口と、その入口から取り入れた空気を吹きつけるべき長尺な対象構造物の長手方向の部分と向き合う状態で配置されて当該空気を当該長手方向と直交する方向に沿って流れるように出す出口と、その入口と出口の間をつないで空気を流すための通路空間が形成された本体部とを有し、前記出口が前記対象構造物の長手方向の部分と平行する長尺な開口形状で形成されており、前記入口と前記出口とが異なる開口形状で形成されている前提の送風管において、その本体部の通路空間の空気を流す方向における異なる部位に設けられ、空気の流れを抑制する複数の抑制部を備え、その抑制部のうち前記通路空間の空気を流す方向の最下流の部位に設ける最下流の抑制部が、その最下流の部位における通路空間を複数の通気部が点在する通気性部材で塞いだ状態になるよう形成されている送風管を用いる送風装置を提案している(下記特許文献1)。上記対象構造物としては、例えば、コロナ放電器等を例示している。
また、送風装置に用いる送風管としては、上記前提の送風管において、入口と出口について、それらをつなぐ通路部の仕切り壁によりそれぞれ分割された複数の開口部で構成し、その出口を構成する複数の開口部について、出口の長尺な開口形状が前記仕切り壁により対象構造物の長手方向と平行する状態で細分された長尺な開口形状とし、また、複数の抑制部の少なくとも1つについて、各通路空間の空気の流れる方向の途中の部位において各通路空間の途中の部位の一部を横断した状態で遮断するとともにその横断する方向に延びる細長い形状の隙間を存在させて空気の通過を可能にする上流側の抑制部として設けている送風管を提案している(下記特許文献2)。
特開2013−88731号公報 特開2014−119488号公報
この発明は、入口と、その入口から取り入れた空気が吹きつけられる対象構造物の一方向に長い長手方向の部分と向き合う状態で配置され、その対象構造物の長手方向の部分に沿って延び且つ入口と異なる開口形状である出口とを備える送風管として、対象構造物に吹きつけるべき空気の風量を増大させても、その入口や出口を複数の開口部に分割することなく、その出口から排出される空気の少なくとも前記長手方向と直交する短手方向における風速のむらを低減することができる送風管を提供し、またその送風管を用いた送風装置及び画像形成装置を提供するものである。
この発明(A1)の送風管は、
空気を取り入れる入口と、
前記入口から取り入れた空気が吹きつけられる対象構造物の一方向に長い長手方向の部分と向き合う状態で配置され、前記対象構造物の長手方向の部分に沿って延び且つ前記入口と異なる開口形状である出口と、
前記入口と前記出口の間をつないで空気を流す通路空間が形成された通路部と、
を備え、
前記通路部が、前記入口側に位置する入口側通路部と前記出口側に位置する出口側通路部とを有し、
前記出口側通路部の通路空間が、前記出口と平行する状態の仕切り部材により分けられた、前記出口が存在しない第1通路空間と前記出口が存在する第2通路空間とで構成され、
前記出口側通路部の第1通路空間と前記入口側通路部とが、前記長手方向に沿って延び且つ前記第1通路空間よりも狭い隙間からなる第1接続通路で接続され、
前記出口側通路部の第2通路空間と前記入口側通路部とが、前記長手方向に沿って延び且つ前記第2通路空間よりも狭い隙間からなる第2接続通路で接続され、
前記出口側通路部における前記第1通路空間と前記第2通路空間とが、前記仕切り部材の前記長手方向に沿う中心線よりも前記入口側通路部側に位置する領域内に存在して前記長手方向に沿って延びる隙間からなる第3接続通路で接続されているものである。
この発明(A2)の送風管は、上記発明A1の送風管において、前記入口側通路部が、前記出口と平行する状態の第2仕切り部材により分けられた、前記入口が存在する第3通路空間と前記入口が存在しない第4通路空間とで構成され、
前記入口側通路部における前記第3通路空間と前記第4通路空間とが、前記第2仕切り部材の領域内に存在して前記長手方向に沿って延びる隙間からなる第4接続通路で接続されており、前記入口側通路部の第3通路空間と前記出口側通路部の第1通路空間とが前記第1接続通路で接続され、前記入口側通路部の第4通路空間と前記出口側通路部の第2通路空間とが前記第2接続通路で接続されているものである。
この発明(A3)の送風管は、上記発明A1又はA2の送風管において、前記出口は、複数の通気部が点在する通気性部材で塞がれた状態で構成されているものである。
また、この発明(B1)の送風装置は、空気を送る送風機と、前記送風機から送られる空気を取り入れる上記発明A1からA3のいずれかの送風管とを備えているものである。
この発明(B2)の送風装置は、上記発明B1の送風装置において、前記対象構造物がコロナ放電器であるものである。
さらに、この発明(C1)の画像形成装置は、空気を吹きつけるべき一方向に長い長手方向の部分を有する対象構造物と、前記対象構造物の長手方向の部分に空気を吹きつける送風装置と、を備え、前記送風装置が、請求項4に記載の送風装置で構成されているものである。
この発明(C2)の画像形成装置は、上記発明C1の画像形成装置において、前記対象構造物がコロナ放電器であるものである。
上記発明A1の送風管によれば、対象構造物に吹きつけるべき空気の風量を増大させても、その入口や出口を複数の開口部に分割することなく、その出口から排出される空気の少なくとも前記長手方向と直交する短手方向における風速のむらを低減することができる。
上記発明A2の送風管では、入口側通路部を発明A2と異なる構成にした場合に比べて、その出口から排出される空気の前記長手方向における風速のむらも低減される。
上記発明A3の送風管では、出口を発明A3と異なる構成にした場合に比べて、その出口から排出される空気の前記長手方向における風速のむらも低減される。
上記発明B1の送風装置によれば、対象構造物に吹きつけるべき空気の風量を増大させても、その送風管の入口や出口を複数の開口部に分割することなく、その送風管の出口から排出される空気の少なくとも前記長手方向と直交する短手方向における風速のむらを低減することができる。
上記発明B2の送風装置では、送風管から、コロナ放電器の少なくとも長手方向と直交する短手方向に対して風速のむらが低減された空気の吹きつけを行うことができる。
上記発明C1の画像形成装置によれば、対象構造物に吹きつけるべき空気の風量を増大させても、その送風装置における送風管の入口や出口を複数の開口部に分割することなく、その送風管の出口から排出される空気の少なくとも前記長手方向と直交する短手方向における風速のむらを低減することができる。
上記発明C2の送風装置では、送風装置の送風管から、コロナ放電器の少なくとも長手方向と直交する短手方向に対して風速のむらが低減された空気の吹きつけを行うことができる。
実施の形態1に係る送風管並びにそれを用いた送風装置及び画像形成装置の概要を示す説明図である。 図1の画像形成装置が装備するコロナ放電器からなる帯電装置の概要を示す斜視図である。 図2の帯電装置に適用する送風管及び送風装置の概要を示す斜視図である。 図3の送風装置(主に送風ダクト)のQ−Q線に沿う端面図である。 図3の送風ダクトの概観を一部透視した状態で示す斜視図である。 図5の送風ダクトを示す6面図である。 図5の送風ダクトのQ−Q線に沿う端面図である。 図3の送風装置を上方から見たときの状態を示す概略図である。 図5の送風ダクトの出口を示す説明図である。 実施の形態1に係る送風装置の動作状態などを示す説明図である。 図10の動作状態の一部を詳細に示す説明図である。 実施例に係る送風装置(送風ダクト)の性能特性に関する試験の結果を示すグラフ図である。 実施例及び比較例におけるPre位置とPost位置の速度差を示す図である。 送風ダクトの他の構成例を示す端面説明図である。 送風ダクトの更に他の構成例を示す断面説明図である。 比較例の送風ダクトの概要を示す断面説明図である。 図16の比較例の性能特性に関する試験の結果を示すものであり、(a)は送風ダクトに比較的少なめの風量の空気を取り入れたときの試験の結果を示すグラフ図であり、(b)は(a)の場合よりも多い風量の空気を取り入れたときの試験の結果を示すグラフ図である。
以下、この発明を実施するための形態(単に「実施の形態」という)について添付の図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1から図5は、実施の形態1に係る送風管並びにそれを用いた送風装置及び画像形成装置をそれぞれ示すものである。図1はその画像形成装置の概要を示し、図2はその画像形成装置における送風装置により空気を吹きつけるべき長尺な対象構造物の一例としての帯電装置を示し、図3はその送風装置の概要を示し、図4は図3の送風装置における一部(主に送風管)の概要を示し、図5はその送風管の概要を示している。
<画像形成装置の構成>
画像形成装置1は、図1に示すように、支持フレーム、外装カバー等で構成される筐体10の内部空間に、現像剤としてのトナーで構成されるトナー像を形成して被記録材の一例としての記録用紙9に転写する作像ユニット20と、作像ユニット20に供給する記録用紙9を収容するとともに搬送する給紙装置30と、作像ユニット20で形成されたトナー像を記録用紙9に定着する定着装置35等を配置している。
上記作像ユニット20は、例えば公知の電子写真方式を利用して構成されるものである。実施の形態1における作像ユニット20は、矢印Aで示す方向(図1において時計回りの方向)に回転駆動する感光体ドラム21と、感光体ドラム21の像形成領域となる周面を所要の電位に帯電させる帯電装置4と、感光体ドラム21の帯電後の周面に外部から入力される画像情報(信号)に基づく光(矢付き点線)を照射して静電潜像を形成する露光装置23と、その静電潜像をトナーにより現像してトナー像にする現像装置24と、そのトナー像を感光体ドラム21から記録用紙9に転写する転写装置25と、感光体ドラム21の転写後の周面に残留するトナー等の不要物を除去して清掃する清掃装置26とで主に構成されている。
このうち帯電装置4としては、コロナ放電器を用いて構成される帯電装置が使用されている。このコロナ放電器からなる帯電装置4は、図2等に示すように、いわゆるスコロトロン型のコロナ放電器で構成されている。
すなわち、帯電装置4は、長方形状の天板40aとその天板40aの長手方向Bに沿って延びる長辺部から下方に垂れ下がった状態の側板40b,40cを有した外観形状からなる包囲部材の一例としてのシールドケース40と、シールドケース40の長手方向Bにおける両端部(短辺部)にそれぞれ取り付けられる図示しない2つの端部支持体と、この2つの端部支持体の間に、シールドケース40の長手方向Bに沿う長尺な内部空間内に存在してほぼ平行する状態で張り渡すよう取り付けられる2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bと、シールドケース40の放電用の下部開口部44に、その下部開口部44をほぼ覆ってコロナ放電ワイヤ41と感光体ドラム21の周面との間に存在する状態で取り付けられる多孔型のグリッド電極(電界調整板)42とを備えている。図4等に示す符号40dは、2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bが配置される空間をシールドケース40の長手方向Bに沿って区切る隔壁板である。下部開口部44は、その開口形状が長方形になるよう形成されている。
また、帯電装置4は、2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bが、感光体ドラム21の周面と所要の間隔(例えば放電ギャップ)をあけて対向する状態で且つ感光体ドラム21の回転軸の方向に沿ってその像形成領域と向き合う状態で少なくとも存在するようそれぞれ配置されている。また、帯電装置4は、画像形成動作時になると、図示しない電源装置から各放電ワイヤ41A,41B(と感光体ドラム21との間)に帯電用の電圧がそれぞれ供給されるようになっている。
さらに、帯電装置4は、その使用に伴ってコロナ放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に、記録用紙9の紙粉、コロナ放電により生成される放電生成物、トナーの外添剤等の物質(不要物)が付着して汚染されてしまい、その結果としてコロナ放電が十分に又は均一に行われなくなって帯電むら等の帯電不良が発生することがある。このため、帯電装置4には、放電ワイヤ41A,41B及びグリッド電極42に不要物が付着することを防止又は抑制する目的で、その放電ワイヤ41,41Bとグリッド電極42にむけて空気を吹きつけるための送風装置5が併設されている。また、帯電装置4のシールドケース40の上面40aには、送風装置5から送り出される空気を取り込むための開口部43が形成されている。開口部43は、その開口形状が長方形になるよう形成されている。なお、送風装置5の詳細については後述する。
給紙装置30は、画像の形成に使用する所要のサイズ、種類等からなる複数枚の記録用紙9を積み重ねた状態で収容する用紙収容体31と、その用紙収容体31に収容される記録用紙9を1枚ずつ搬送路にむけて送り出す送出装置32とを備え、給紙の時期が到来すると、記録用紙9を1枚ずつ送り出すようになっている。用紙収容体31は、利用態様に応じて複数装備される。図1における矢付きの二点鎖線は、筐体10の内部空間において記録用紙9が主に搬送されて移動する搬送路を示す。この記録用紙9の搬送路は、複数の用紙搬送ロール対33a,33bや、図示しない搬送ガイド部材等で構成されている。
定着装置35は、記録用紙9が通過する導入口及び排出口が形成された筐体36の内部に、表面温度が加熱手段により所要の温度に加熱されて保持されるロール形態、ベルト形態等の加熱用回転体37と、この加熱用回転体37の軸方向にほぼ沿うように所要の圧力で接触して従動回転するロール形態、ベルト形態等の加圧用回転体38とを備えている。この定着装置35は、その加熱用回転体37と加圧用回転体38とが接触して形成される接触部が所要の定着処理(加熱および加熱)を行う定着処理部となり、トナー像が転写された後の記録用紙9を導入して通過させることで定着を行うようになっている。
この画像形成装置1による画像形成は、次のようにして行われる。ここでは、記録用紙9の片面に画像を形成するときの基本的な画像形成動作を代表して説明する。
画像形成装置1では、その図示しない制御装置等が画像形成動作の開始指令を受けると、作像ユニット20において、回転始動する感光体ドラム21の周面が帯電装置4により所定の極性及び電位に帯電される。このとき、帯電装置4では、2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bに帯電用の電圧がそれぞれ印加されて各放電ワイヤ41A,41Bと感光体ドラム21の周面との間に電界を形成した状態でコロナ放電を発生させ、これにより感光体ドラム21の周面を所要の電位に帯電させる。この際、感光体ドラム21の帯電電位はグリッド電極42により調整される。
続いて、帯電された感光体ドラム21の周面に対して、露光装置23から画像情報に基づく露光が行われて所要の電位からなる静電潜像が形成される。しかる後、感光体ドラム21に形成された静電潜像が、現像装置24を通過する際に、現像ロールから供給される所要の極性に帯電されたトナーにより現像されてトナー像として顕像化される。
次いで、感光体ドラム21上に形成されたトナー像は、感光体ドラム21の回転により転写装置25と対向する転写位置まで搬送されると、このタイミングに合わせて給紙装置30から搬送路を経由して供給される記録用紙9に対して転写装置25の転写作用により転写される。この転写後の感光体ドラム21の周面は、清掃装置26により清掃される。
続いて、作像ユニット20においてトナー像が転写された記録用紙9は、感光体ドラム21から剥離された後に定着装置35に導入されるように搬送され、定着装置35の加熱用回転体37と加圧用回転体38の接触部を通過する際に加圧下で加熱されてトナー像が溶融して記録用紙9に定着される。この定着が終了した後の記録用紙9は、定着装置35から排出されて筐体10の外部等に設けられる図示しない排紙収容部等に搬送されて収容される。
以上により、1枚の記録用紙9の片面に対して1色のトナーで構成される単色画像が形成され、基本的な画像形成動作が終了する。複数枚の画像形成動作の指示がある場合には、上記した一連の動作がその枚数分だけ同様に繰り返されることになる。
<送風装置(送風ダクト)の構成>
次に、送風装置5について説明する。
送風装置5は、図1や図3等に示されるように、空気を送る回転ファンを有する送風機50と、その送風機50から送られる空気を取り入れて送風対象の構造物の一例である帯電装置4にまで導いて排出させる送風管の一例としての送風ダクト51とを備えている。
送風機50としては、例えば輻流型の送風ファンが使用される。また、送風機50は、所要の風量の空気を送るように駆動制御される。
また、送風ダクト51は、図3から図9等に示されるように、送風機50から送られる空気を取り入れる入口52と、その入口52から取り入れた空気を吹きつけるべき長尺な帯電装置4の一方向に長い長手方向Bの部分(シールドケース40の上面40aにおける開口部43)と向き合う状態で配置されてその空気を長手方向Bと直交する方向に沿って流すように排出させる出口53と、その入口52と出口53の間をつないで空気を流すための通路空間TSが形成された通路部(本体部)54とを有した形状のものである。また、送風ダクト51の外観形状は、図6の6面図として概略的に示される形態になっている。図6では、その図面の中段位置の左側から2番目に示す平面図を基準にして送風ダクト51を描いている。
送風ダクト51の入口52は、その全体の開口形状が、例えば少し横長の長方形になるよう形成されている。送風ダクト51の入口52には、その入口52と送風機50とを接続して送風機50で発生させた空気を送風ダクト51の入口52まで送るための接続ダクト501が取り付けられている(図3)。
送風ダクト51の出口53は、その全体の開口形状が帯電装置4の長手方向Bの部分(実際にはシールドケース40の開口部43)と平行する長尺な形状である例えば細長い長方形になるよう形成されている。出口53は、実際、送風ダクト51の出口側通路部54Bにおける最終通路部544の底面部(終端部)の全域よりも少し狭い開口面積になる状態で形成されている。
ここで、実施の形態1における送風ダクト51は、後で説明するように、入口52と出口53とが互いに異なる開口形状で形成されている関係になっているため、その入口52と出口53の間をつなぐ通路部54に通路空間TSの断面形状(寸法)とその空気を流す方向との少なくとも一方が途中で変更される部分が存在することになる。なお本明細書等においては、入口52と出口53が同じ種類の形状(例えば長方形どうし)である場合でも、その開口面積が互いに異なるよう形成されているとき(例えば相似形状であるとき)には、互いに異なる開口形状で形成されている関係に含まれることとする。
このような途中で変化する部分を有する送風ダクト51では、一般に、その断面形状や空気を流す方向が変化する部分において空気の流れに剥離や渦等の乱れが生じ、このため入口52から均一な風速の空気を取り入れても出口53から出る空気はその風速が特に出口53の長手方向Bにおいて不均一になってしまう傾向があることが知られている。
これに対し、本出願人は、このような課題を解決するために、前述した特許文献1で示すような複数の抑制部を設けた送風管を用いた送風装置等に関する提案を行っている。
しかし、その後の更なる研究の結果、上記提案した送風管を用いた送風装置では、空気を吹きつけるべき対象構造物に吹きつけるべき空気の風量を比較的多くした場合、その出口53から排出される空気の特に長手方向Bと直交する短手方向C(図3等)における風速のむらが増加する傾向にあることが新たに判明した(図17(b)参照)。この点については後でも詳述する。
そこで、本発明者らは、送風ダクト51について以下に説明するよう構成した。
はじめに、送風ダクト51は、図5、図7等に示されるように、その通路部54を、大別すると、入口側通路部54Aと出口側通路部54Bとで構成している。
まず、送風ダクト51の入口側通路部54Aは、送風ダクト51の入口52が存在する側に位置する通路部である。実施の形態1における入口側通路部54Aは、入口52が存在する導入通路空間(第3通路空間)TS1を有した導入主要部541と、導入主要部541の途中から導入主要部541の下方側に位置するとともに入口52が存在しない分割通路空間(第4通路空間)TS2を有した導入分割部542とで構成されている。
導入主要部541は、全体が帯電装置4の長手方向Bに沿って延びるように形成された角筒形状からなる通路部分であり、その長手方向Bの一端部が入口52により開口された状態になっている一方で、その長手方向Bの他端部が閉鎖された状態になっている。また、導入主要部541は、導入分割部542の長手方向Bの一端部から突出して入口52まで延びる通路部の一部である導入突出部54Cを備えている(図5)。導入分割部542は、全体が導入主要部541の途中から閉鎖状態の他端部まで平行して延びるように形成された角筒形状からなる通路部分であり、入口52が存在しないため分割通路空間TS2が一部を除いて閉鎖された状態になっている。
また、導入主要部541と分割導入部542は、導入主要部541の途中から平板状の仕切り板(第2仕切り部材)55Aによって仕切られ、その仕切り板55Aにより導入通路空間TS1と分割通路空間TS2との2つの通路空間に区分されるよう構成されている。仕切り板55Aは、導入主要部541の底面部(又は導入分割部542の天井面部)を形成するように長手方向Bに沿って延びるように配置されて、導入通路空間TS1と分割通路空間TS2を分ける境界面(壁)になっている。
さらに、入口側通路部54Aにおける導入通路空間TS1と分割通路空間TS2は、仕切り板55Aの領域内に存在して長手方向Bに沿って延びる直線状の隙間からなる接続通路(第4接続通路)61により接続されている(つながっている)。
次に、送風ダクト51の出口側通路部54Bは、送風ダクト51の出口53が存在する側に位置する通路部である。実施の形態1における出口側通路部54Bは、出口53が存在しない中継通路空間(第1通路空間)TS3を有した中継通路部543と、中継通路部543の下方側に位置するとともに出口53が存在する最終通路空間(第2通路空間)TS4を有した最終通路部544とで構成されている。
中継通路部543は、全体が帯電装置4の長手方向Bに沿って延びるように形成された角筒形状からなる通路部分であり、出口53が存在しないため中継通路空間TS3が閉鎖された状態になっている。最終通路部544は、中継通路部543の下方側に位置して平行した状態で延びるよう形態された角筒形状からなる通路部であり、中継通路部543とは反対側の部位(下面部)が出口53により開口された状態にある一方で、それ以外は閉鎖された状態になっている。
また、中継通路部543と最終通路部544は、平板状の仕切り板(第1仕切り部材)55Bによって仕切られ、その仕切り板55Bにより中継通路空間TS3と最終通路空間TS4との2つの通路区間に区分されるよう構成されている。仕切り板55Bは、中継通路部543の底面部(又は最終通路部544の天井面部)を形成するように長手方向Bに沿って延びるよう配置されて、中継通路空間TS3と最終通路空間TS4を分ける境界面(壁)になっている。
また、出口側通路部54Bの中継通路部543は、入口側通路部54Aの導入主要部541に対して、帯電装置4の長手方向Bに沿って延びるとともに導入通路空間TS1及び中継通路空間TS3の双方よりも狭い(高さ寸法が小さい)直線状の隙間からなる接続通路(第1接続通路)62で接続されている。また、出口側通路部54Bの最終通路部544は、入口側通路部54Aの導入分割部542に対して、帯電装置4の長手方向Bに沿って延びるとともに分割通路空間TS2及び最終通路空間TS4の双方よりも狭い(高さ寸法が小さい)直線状の隙間からなる接続通路(第2接続通路)63で接続されている。
さらに、出口側通路部54Bにおける中継通路空間TS3と最終通路空間TS4は、仕切り板55Bの領域内に存在して長手方向Bに沿って延びる直線状の隙間からなる接続通路(第3接続通路)64により接続されている(つながっている)。
次に、出口側通路部54Bにおける中継通路部543及び最終通路部544はいずれも、入口側通路部54Aの長手方向Bに沿う片方の側面部側において並行した状態で存在するよう配置されており、しかも、入口側通路部54Aの分割導入部542と長手方向Bにおいて互いに同じ長さ寸法になるよう形成されている。
このため、中継通路部543と最終通路部544については、入口側通路部54Aにおける導入主要部541及び分割導入部542の一側面部において、通路空間の幅を広げた状態でほぼ水平方向(座標軸Xとほぼ平行する方向)にほぼ直角に曲げられて延びるように形成された第1の曲げ通路部として形成されていることにもなる。
また、実施の形態1では、中継通路部543の通路空間が、導入主要部541の通路空間の高さよりも少し高い寸法に設定されており、また、最終通路部544の通路空間が、分割導入部542の通路空間の高さよりも少し高い寸法に設定されている。特に最終通路部544(の底面部)については、その高さの違いにより、分割導入部542の底面部よりも下方側に一段突出したような形態で形成している。
さらに、出口側通路部54Bにおける最終通路部544は、その底面部が、入口側通路部54Aにおける分割導入部542の底面部よりも下方側に突出したような形態になっており、その底面部の最下端部に出口53が設けられている。
このため、最終通路部544については、中継通路部543の底面部側から通路空間が同じ状態のままで帯電装置4に近づけるよう下方に向かう鉛直方向分(座標軸Yとほぼ平行する方向)に最終的に曲げられて延びるように形成された第2の曲げ通路部として形成されていることにもなる。また、中継通路部543の中継通路空間TS3と最終通路部544の最終通路空間TS4は、その空間の幅(長手方向Bに沿う寸法)が互いにほぼ同じ寸法に設定されている。
そして、送風ダクト51においては、上記4つの接続通路61,62,63,64について、その各接続通路の手前側の位置に存在する各通路空間TS1〜TS4よりも通路空間が狭くなって空気の流れを抑制する抑制部としても構成している。
このうち接続通路61は、導入本体部541の導入通路空間TS1に入口52から取り入れられた空気の一部を導入分割部542の分割通路空間TS2内に導入して分配する際、空気の流れを抑制する抑制部として機能する。実施の形態1における接続通路61は、例えば、導入通路空間TS1の空気を分割通路空間TS2の長手方向B及び短手方向Cにおいてむらなくバランス良く分配するような観点から、仕切り板55Aの短手方向Cの中央位置K1において長手方向Bに沿って所要の幅L1で直線状に延びる隙間で構成している。接続通路61の経路長は、仕切り板55Aの板厚と同じ寸法になる。
また、接続通路62は、導入本体部541の導入通路空間TS1内で流れる空気の一部を中継通路部543の中継通路空間TS3内に導入する際、空気の流れを抑制する抑制部として機能する。実施の形態1における接続通路62は、導入通路空間TS1の中継通路空間TS3と向き合う側面部の上下方向(座標軸Yで示す方向とほぼ同じ方向)におけるほぼ中間の高さ位置に配置されている。また、接続通路62における高さH1,経路長M1、及び幅(長手方向Bに沿う長さ)W1は、導入本体部541(導入通路空間TS1)から中継通路部543(中継通路空間TS3)に流れ込んだ空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定され、また送風ダクト51全体の寸法(容量)や、送風ダクト51又は帯電装置4に流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。なお幅W1については、中継通路空間TS3の長手方向Bにおける寸法と同じ寸法に設定される。
また、接続通路63は、導入分割部542の分割通路空間TS2内で流れる空気の一部を最終通路部544の最終通路空間TS4内に導入する際、空気の流れを抑制する抑制部として機能する。実施の形態1における接続通路63は、分割通路空間TS2の最終通路空間TS4と向き合う側面部の上下方向における最下位の高さ位置に配置されている。また、接続通路63における高さH2,経路長M2、及び幅(長手方向Bに沿う長さ)W2は、導入分割部542(分割通路空間TS2)から最終通路部544(最終通路空間TS4)に流れ込んだ空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定され、また送風ダクト51全体の寸法(容量)や、送風ダクト51又は帯電装置4に流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。なお幅W2については、最終通路空間TS4の長手方向Bにおける寸法と同じ寸法に設定される。
さらに、接続通路64は、中継通路部543の中継通路空間TS3内で流れる空気の一部を最終通路部544の最終通路空間TS4内に導入する際、空気の流れを抑制する抑制部として機能する。
特に接続通路64については、仕切り板55Bの長手方向Bに沿う中心線(出口53の短手方向Cと平行して沿う部分の中心位置K2)よりも入口側通路部54A(本例では導入本体部541)側に位置する領域D1内に存在して長手方向Bに沿って延びる直線状の隙間となるよう構成している。実施の形態1における接続通路64は、仕切り板55Bの上記領域D1における中心線(中心位置K3)よりも更に入口側通路部54A側に位置する領域D12のほぼ中央の位置に配置されている。この接続通路64の位置は、出口53の短手方向Cの入口側通路部54A側に位置する端部とほぼ対応する同じ位置になる。また、接続通路64は、仕切り板55Bの短手方向Cの中央位置K2から上記配置位置において長手方向Bに沿うよう所要の幅L2で直線状に延びる隙間として構成されている。
また、接続通路64における隙間幅L2,経路長M3、及び幅(長手方向Bに沿う長さ)W3は、中継通路部543(中継通路空間TS3)から最終通路部544(最終通路空間TS4)に流れ込んだ空気の風速を可能な限り均一化するという観点から選択設定され、また送風ダクト51全体の寸法(容量)や、送風ダクト51又は帯電装置4に流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。なお幅W3については、中継通路空間TS3の長手方向Bにおける寸法と同じ寸法に設定される。
さらに、接続通路64の上記仕切り板55Bの領域D1における配置位置については、中継通路部543(中継通路空間TS3)から最終通路部544(最終通路空間TS4)に流れ込んだ空気の風速が出口53の短手方向Cにおける両端部においてほぼ同じ値になるような観点から選択設定される。
実施の形態1に係る送風ダクト51では、その入口側通路部54Aと出口側通路部54Bが、接続通路62,63の経路長M2,M3に相当する寸法の間隔をあけた状態(肉厚部を介在させた状態)で接続された形態になっている(図7)。
また、この送風ダクト51においては、図7、図9等に示されるように、その出口53について、複数の通気部66が点在する通気性部材65で塞いだ状態で構成している。
複数の通気部66はいずれも、その各開口形状がほぼ円形で直線状に貫通するよう延びる貫通孔である。また、複数の通気部66は、例えば、図9に例示するよう、出口53の開口形状の長手方向Bに沿って等間隔に並べるとともにその短手方向Cにも前記等間隔と同じ間隔で8列存在させるように並べている。これにより、複数の通気孔66は、出口53の開口形状の全域に点在して存在するように形成されている。このため、実施の形態1における通気性部材65は、板状の部材に複数の通気部(孔)66を点在するように形成してなる多孔板になっている。
この出口53における通気性部材65は、最終通路部544(最終通路空間TS4)内に流れ込む空気を抑制した状態で最後に出口53を通過させて排出させる「最下流の抑制部」として機能するよう構成している。
また、通気性部材65は、送風ダクト51と同じ材料で一体に成形することで形成したものでも、あるいは、送風ダクト51と同じ材料若しくは異なる材料を用いて送風ダクト51とは別体のものとして形成したものでもよい。通気性部材65における通気部(孔)66の開口形状、開口寸法、孔長さ、及び孔の存在密度については、最終通路部544(最終通路空間TS4)から出口53を通して流れ出る空気の風速が長手方向B及び短手方向Cにおいて均一化されるという観点から選択設定される。また、これらの値は、送風ダクト51の寸法(容量)や、送風ダクト51又は帯電装置4に流すべき空気の単位時間当たりの流量なども考慮して設定される。
<送風装置(送風ダクト)の動作>
以下、この送風装置5の動作について説明する。
送風装置5は、画像形成動作時などの駆動設定時期が到来すると、まず送風機50が回転駆動して所要の風量の空気を送り出す。その始動した送風機50から送られる空気(E)は、接続ダクト501を通して送風ダクト51の入口52から取り入れられた後、それに続く入口側通路部54Aの導入本体部541(導入突出部54Cを含む)における導入通路空間TS1内に流れ込むように送られる(図8)。
続いて、導入本体部541の導入通路空間TS1に流れ込んだ空気(E1)は、図8や図10に示されるように、その一部(E1a)が仕切り板55Aにおける接続通路61を通して入口側通路部54Aにおける導入分割部542の分割通路空間TS2内に流れ込む一方で、その残りの一部(E1b)が接続通路62を通して出口側通路部54Bの中継通路部543における中継通路空間TS3内に流れ込むよう送られる。
この際、その一部の空気(E1a)は、接続通路61を通過することにより、その進行方向(空気の流れる方向)が下方側に向く方向に変えられた状態になって進む。また、その残りの一部の空気(E1b)は、接続通路62を通過することにより、その進行方向が横側にほぼ直角に曲がる方向に変えられた状態になって進む(図8参照)。
特に、接続通路62を通過するときの空気(E1b)は、その流れが接続通路62の狭い隙間を通過することで抑制され(圧力が上昇した状態になり)、その接続通路62の隙間から均一な状態になって流れ出ようとする。このため、接続通路62の隙間を通過する空気(E1b)は、その隙間から流れ出るときの向きが出口53の長手方向Bとほぼ直交する方向に揃えられた状態になる。なお、接続通路61通過する空気(E1a)についても、その接続通路62の狭い隙間を通過することで抑制されるので、その接続通路62の隙間から少し均一な状態になって分割通路空間TS2内に流れ込むようになる。
また、導入分割部542の分割通路空間TS2に流れ込んだ空気(E2)は、分割通路空間TS2内で一時的に滞留した後、図10に示されるように、接続通路63を通して出口側通路部54Bの最終通路部544における最終通路空間TS4内に流れ込むよう送られる。
この際、空気(E2)は、接続通路63を通過することにより、その進行方向が分割通路空間TS2における空気の流れる方向に対してほぼ直角に曲がる方向に変えられた状態になって進む(図8参照)。また、空気(E2)は、その流れが接続通路63の分割通路空間TS2よりも狭い隙間を通過することで抑制され(圧力が上昇した状態になり)、その接続通路63の隙間から均一な状態になって流れ出ようとする。このため、接続通路63の隙間を通過する空気(E2)は、その隙間から最終通路空間TS4内に流れ出るときの向きが出口53の長手方向Bとほぼ直交する方向に揃えられた状態になる。
さらに、中継通路部543の中継通路空間TS3に流れ込んだ空気(E3)は、中継通路空間TS3内で一時的に滞留した後、図10に示されるように、接続通路64を通して出口側通路部54Bの最終通路部544における最終通路空間TS4内に流れ込むよう送られる。
この際、空気(E3)は、接続通路64を通過することにより、その進行方向が中継通路空間TS3における空気の流れる方向に対して下方に向けてほぼ直角に曲がる方向に変えられた状態になって進む(図10参照)。また、その空気(E3)は、その流れが接続通路64の中継通路空間TS3よりも狭い隙間を通過することで抑制され(圧力が上昇した状態になり)、その接続通路64の隙間から均一な状態になって流れ出ようとする。このため、接続通路64の隙間を通過する空気(E3)は、その隙間から流れ出るときの向きが出口53の長手方向Bとほぼ直交する方向に揃えられた状態になる。
最後に、分割通路空間TS2及び中継通路空間TS3から最終通路部544における最終通路空間TS4にそれぞれ流れ込んで合流した空気(E4)は、最終通路空間TS4内で一時的に滞留した後、図10に示されるように、最終通路空間TS4に下部に存在する出口53を構成する通気性部材65における複数の通気部(孔)66を通過することにより、その出口53から吹きつけ空気(E5)として排出される。
この際、最終通路空間TS4における空気(E4)は、通気性部材65における複数の通気部(孔)66をそれぞれ通過することにより、その進行方向が下方に向けた同じ方向に変えられた状態で進む(図10参照)。また、その空気(E4)は、その流れが出口53の開口面積よりも狭い各通気部66の狭い隙間を通過することで抑制され(圧力が上昇した状態になり)、その通気性部材65から均一な状態になって流れ出ようとする。このため、出口53における通気性部材65を通過する空気(E4)は、その各通気部66から流れ出るときの向きが出口53の長手方向B(及び短手方向C)とほぼ直交する方向に揃えられた状態になる。
また、この送風ダクト51においては、図11に例示するように、接続通路63を通過して最終通路空間TS4に流れ込む空気(E3a)が、その最終通路空間TS4内で接続通路63から出た勢いのまま出口53の短手方向Cに沿って流れるような空気E4a(矢付き二点鎖線)として流入する。そして、このときの空気E4aがこのままの状態で流れる場合には、出口53から最終的に排出される空気(E5)は、出口53の入口側通路部54から遠い側の端部領域(53A)側から相対的に多く排出されるようになる。
しかし、この送風ダクト51では、中継通路空間TS3から接続通路64を通して最終通路空間TS4に同時に流れ込む空気E3の一部E4bが、その接続通路64の配置位置の関係により、上記空気E4aを出口53の入口側通路部54A寄りの端部位置(53B)で下方に向けて押し付けるような空気として流れ込む。これにより、出口53から排出される空気(E5)は、出口53の入口側通路部54Aに近い側の端部領域(53B)側からも良好に排出されるようになる。
この結果、この送風ダクト51においては、出口53から排出される空気(E5)が出口53の短手方向Cにおいて片寄ることなく排出されるので、その短手方向Cにおける風速のむらも低減される。この風速むらの低減効果は、帯電装置4に吹きつけるべき空気の風量を増大させた場合(例えば出口53から排出される空気の平均風量を0.3m3/分以上にした場合)でも同様に得られる。
なお、図11における符号E3bで示す矢付き二点鎖線は中継通路空間TS3内で循環するように流れる空気の一部を示し、符号E4cで示す矢付き二点鎖線は最終通路空間TS4内で循環するように流れる空気の一部を示している。
以上により、送風ダクト51の出口53から排出される空気(E5)は、その風速が、出口53の開口形状(細長い長方形)の長手方向Bにおいてほぼ揃った状態で排出されるとともに、その出口53の長手方向Bと直交する短手方向Cにおいてもほぼ揃った状態で排出される。この送風ダクト51では、例えば、その入口52や出口53を複数の開口部に分割する必要がなく、簡易な構造になる。
そして、この送風装置5における送風ダクト51の出口53からそれぞれ排出された空気(E5)は、帯電装置4のシールドケース40の上面40aにおける開口部43を通してシールドケース40内に吹き込まれて流入した後、シールドケース40の内部空間Sの短手方向Cにおけるほぼ中央位置に存在する隔壁40dを境に区分される各空間(S1,S2)内にそれぞれあるコロナ放電ワイヤ41A,41Bと、そのシールドケース40の下部開口部にあるグリッド電極42に吹きつけられる。
このコロナ放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42に吹きつけられる空気は、前述したように空気(E5)が送風ダクト51の出口53の長手方向B及び短手方向Cの双方においてほぼ揃った風速で排出されるので、コロナ放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42にもほぼ等しい状態で吹きつけられる。
これにより、帯電装置4における2本のコロナ放電ワイヤ41A,41Bとグリッド電極42にそれぞれ付着しようとする紙粉、トナーの外添剤、放電生成物などの不要物を、より均一化された空気の吹きつけでむらなく遠ざけることができる。
この結果、帯電装置4では、そのコロナ放電ワイヤ41A,41Bやグリッド電極42に不要物が疎らに付着することが原因で放電性能(帯電性能)にむら等の劣化現象が発生することが防止され、感光ドラム21の周面をより均一(その回転軸方向とその回転方向Aに沿う周方向との双方に対して均一)に帯電することが可能になる。
また、この帯電装置4を備えた作像ユニット20で形成されるトナー像ひいては記録用紙9に最終的に形成される画像は、帯電むら等の帯電不良に起因した画質不良(濃度むら等)の発生が低減された良好な画質として得られる。
<試験>
図12は、送風装置5の性能特性(送風ダクト51から排出される空気の風速分布)を調べた試験の結果を示す。
試験は、送風機50により、下記構成の送風ダクト51の出口53から排出される空気の平均風量が0.35m3/分程度になるような空気を導入したとき、その送風ダクト51の出口53から吹き出る空気の風速をシミュレーションにより測定したものである。このときの風速の測定は、図10に示すように、出口53のうち長手方向Bにおけるほぼ中央位置において、その出口53の感光ドラム21の回転方向Aの上流側になる端部の位置(pre位置:P1)とその回転方向Aの下流側になる端部の位置(post位置:P2)との2箇所で行った。
送風ダクト51(実施例)としては、その全体の形状が図5〜図6に示されるようなものであり、その入口52が22mm×11mmの長方形の開口形状からなるものであり、出口53が350mm(長手方向Bの寸法)×17.5mm(短手方向Cの寸法)の細長い長方形の開口形状からなるものを使用した。送風ダクト51の全通路部54における通路空間TSの総容積は、402.5cm3とした。
仕切り板55Aは、板厚が2.0mmからなる平板状の部材であり、入口側通路部54Aの上下方向のほぼ中央の高さ位置に配置した。接続通路61は、仕切り板55Aの短手方向Cにおけるほぼ中央位置に、隙間幅L1が2.0mmからなる隙間とした。
接続通路62は、高さH1が1.5mm、経路長M1が8mmからなる隙間とし、導入通路空間TS1の側壁面のほぼ中央の高さ位置に配置した。
接続通路63は、高さH2が1.5mm、経路長M2が8mmからなる隙間とし、導入分割空間TS2の側壁面の最下位の高さ位置に配置した。
第2仕切り板55Bは、板厚が2.0mmからなる平板状の部材であり、出口側通路部54Bの上下方向のほぼ中央の高さ位置に配置した。接続通路64は、第2仕切り板55Bの短手方向Cにおける入口側通路部54A寄りとなる位置に、隙間幅L2が2.0mmからなる隙間とした。
出口53は、孔径が1mm、長さが3mmの通気孔66を密度が0.42個/mm2(≒42個/cm2)となる条件で設けた多孔部材65により塞いだ状態にした。
図12に示す結果から、送風ダクト51の出口53の短手方向Cにおける風速は、そのPre位置P1とPost位置P2の双方においてほぼ同じ値になり、短手方向Cにおける風速のむらが少ないことがわかる。ちなみに、この送風ダクト51を用いた場合(実施例)は、その出口53の短手方向CにおけるPre位置P1とPost位置P2との最大の風速差が、図13に示すように0.19m/sであった。
また比較のため、前述した特許文献1で提案した送風ダクトの一例(図16に示す送風ダクト520)を用いて行った。
比較例の送風ダクト520は、片側端部に入口が設けられた角筒形状の導入通路部540と、導入通路部540の途中から横方向に直角に曲がって接続される横長の第1曲げ通路部540Bと、第1曲げ通路部540Bの一側面から同じ幅で下方にむけて曲線状に曲がって接続され、最下面に出口53が設けられた第2曲げ通路部540Cとを備えた形態のものである。また、第1曲げ通路部540Bには、その通路空間TSの途中に空気の流れを抑制する抑制部としての板部材601を最下位に隙間602をあけた状態で配置している。出口53は、実施の形態1に係る送風ダクト51の出口53と同様に、複数の通気部(孔)66が点在する通気性部材65で塞がれた状態で構成している。
また、試験で用いた比較例の送風ダクト520は、その入口(52)が22mm×23mmのほぼ正方形の開口形状からなり、出口53が実施例における出口53と同様に350mm×17.5mmの長方形の開口形状からなるものである。また、抑制部における隙間602は、高さHxが1.5mm程度、経路長Mxが8mm、幅W(長手方向Bの寸法)が345mmとなるように構成した。さらに、出口53については、孔径が1mm、長さが3mmの通気孔66を密度が0.42個/mm2(≒42個/cm2)となる条件で設けた多孔部材65を用いて塞いだ状態になるよう構成した。また、送風ダクト520の全通路部540における通路空間TSの総容積は、950.8cm3とした。
この比較例の送風ダクト520を用いて行った試験では、送風機50により、その送風ダクト520の出口53から排出される空気の平均風量が0.25m3/分程度と0.35m3/分程度になるような空気をそれぞれ導入したとき、その送風ダクト520の出口53から吹き出る空気の風速を上記pre位置P1と上記post位置P2との2箇所で実測した。測定では、風速計(デグリーコントローズインク社製:UAS1200LP)を使用し、その風速計を出口53の長手方向Bに移動させることで行った。
このときの試験結果を図17に示す。図17(a)は出口53から排出させる風量を0.25m3/分程度としたときの結果を、同図(b)は出口53から排出される風量を0.35m3/分程度としたときの結果を示している。
図17に示す結果から、比較例の送風ダクト520においては、その出口53から排出させる風量が比較的少ない場合(同図(a))には、出口53の長手方向B及び短手方向Cの双方における風速がほぼ揃っており、風速のむらが抑制されることがわかる。一方、その出口53から排出させる風量が比較的多くなる場合(同図(b))には、特に出口53の短手方向Cにおける風速がばらつくようになる傾向があることがわかる。ちなみに、この送風ダクト520を用いた場合(比較例)は、その出口53の短手方向CにおけるPre位置P1とPost位置P2との最大の風速差が、図13に示すように1.0m/sになった。
[他の実施の形態]
送風装置5に用いる送風ダクト51は、実施の形態1で例示した形態の送風ダクト51に限定されず、必要な変更を施した形態の送風ダクトであってもよい。
例えば、送風ダクト51は、図14に例示するように、入口側通路部54Aを1つの通路空間TS0として構成したものであってもよい。この場合、入口52は、通路空間TS0の断面形状と同じ形状にすることができる。
また、送風ダクト51は、入口側通路部54Aと出口側通路部54Bを実施の形態1の場合のように接続通路62,63の経路長M1,M2に相当する寸法の肉厚部で接続せずに、図15に例示するように接続通路62,63を形成する部位68で接続させた構造にしたものであってもよい。
さらに、送風ダクト51は、出口53を実施の形態1における通気性部材65でふさがず、出口53の開口形状のままにしたものであってもよい。ただし、送風ダクト51における出口53については、出口53の長手方向Bにおける風速のむらを確実に低減する観点からは、上記通気性部材65で塞いだ状態に構成することが好ましい。
接続通路61〜64は、実施の形態1で例示したような完全に開口した隙間の形態に限定されず、その他にも、例えば、複数の貫通孔が一定の領域内で均等に配置された通気部として構成したものであってもよい。
また、送風装置5を適用する帯電装置4については、グリッド電極24を設置しない形式の帯電装置、いわゆるコロトロン型の帯電装置であってよい。帯電装置4については、コロナ放電ワイヤ41として1本使用するものや3本以上使用するものであってもよい。また、送風装置5を適用する長尺な対象構造物としては、感光ドラム21等の除電を行うコロナ放電器や、感光ドラム以外の被帯電体を帯電又は除電させるコロナ放電器であってもよい他、コロナ放電器以外の空気の吹きつける部分が長手方向に沿って複数存在する長尺な構造物であっても構わない。
さらに、画像形成装置1については、送風装置5を適用して通気を突きつける必要がある長尺な対象構造物を装備するものであれば、その画像形成方式等の構成については特に限定されない。例えば、画像形成装置としては、複数の作像ユニットで構成されて多色画像を形成することができる画像形成装置を採用しても構わない。また、画像形成装置としては、必要であれば、現像剤以外の材料で構成される画像を形成する画像形成装置であっても構わない。
1 …画像形成装置
4 …帯電装置(対象構造物、コロナ放電器)
5 …送風装置
50…送風機
51…送風ダクト(送風管)
52…入口
53…出口
54…通路部
54A…入口側通路部
54B…出口側通路部
55A…仕切り板(第2仕切り部材の一例)
55B…仕切り板(仕切り部材の一例)
61…接続通路(第4接続通路の一例)
62…接続通路(第1接続通路の一例)
63…接続通路(第2接続通路の一例)
64…接続通路(第3接続通路の一例)
65…通気性部材
6…通気部
B …長手方向
C …短手方向
E …空気(の流れ)
TS1…導入通路空間(第3通路空間の一例)
TS2…分割通路空間(第4通路空間の一例)
TS3…中継通路空間(第1通路空間の一例)
TS4…最終通路空間(第2通路空間の一例)

Claims (7)

  1. 空気を取り入れる入口と、
    前記入口から取り入れた空気が吹きつけられる対象構造物の一方向に長い長手方向の部分と向き合う状態で配置され、前記対象構造物の長手方向の部分に沿って延び且つ前記入口と異なる開口形状である出口と、
    前記入口と前記出口の間をつないで空気を流す通路空間が形成された通路部と、
    を備え、
    前記通路部が、前記入口側に位置する入口側通路部と前記出口側に位置する出口側通路部とを有し、
    前記出口側通路部の通路空間が、前記出口と平行する状態の仕切り部材により分けられた、前記出口が存在しない第1通路空間と前記出口が存在する第2通路空間とで構成され、
    前記出口側通路部の第1通路空間と前記入口側通路部とが、前記長手方向に沿って延び且つ前記第1通路空間よりも狭い隙間からなる第1接続通路で接続され、
    前記出口側通路部の第2通路空間と前記入口側通路部とが、前記長手方向に沿って延び且つ前記第2通路空間よりも狭い隙間からなる第2接続通路で接続され、
    前記出口側通路部における前記第1通路空間と前記第2通路空間とが、前記仕切り部材の前記長手方向に沿う中心線よりも前記入口側通路部側に位置する領域内に存在して前記長手方向に沿って延びる隙間からなる第3接続通路で接続されている送風管。
  2. 前記入口側通路部が、前記出口と平行する状態の第2仕切り部材により分けられた、前記入口が存在する第3通路空間と前記入口が存在しない第4通路空間とで構成され、
    前記入口側通路部における前記第3通路空間と前記第4通路空間とが、前記第2仕切り部材の領域内に存在して前記長手方向に沿って延びる隙間からなる第4接続通路で接続されており、
    前記入口側通路部の第3通路空間と前記出口側通路部の第1通路空間とが前記第1接続通路で接続され、
    前記入口側通路部の第4通路空間と前記出口側通路部の第2通路空間とが前記第2接続通路で接続されている請求項1に記載の送風管。
  3. 前記出口は、複数の通気部が点在する通気性部材で塞がれた状態で構成されている請求項1又は2に記載の送風管。
  4. 空気を送る送風機と、前記送風機から送られる空気を取り入れる請求項1乃至3のいずれか1項に記載の送風管とを備えている送風装置。
  5. 前記対象構造物は、コロナ放電器である請求項4に記載の送風装置。
  6. 空気を吹きつけるべき一方向に長い長手方向の部分を有する対象構造物と、
    前記対象構造物の長手方向の部分に空気を吹きつける送風装置と、を備え、
    前記送風装置が、請求項4に記載の送風装置で構成されている画像形成装置。
  7. 前記対象構造物は、コロナ放電器である請求項6に記載の画像形成装置。
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