JP3666330B2 - 画像形成装置および画像形成装置用帯電装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子写真方式により、感光体の表面に形成された静電荷像を顕像化してトナー像を形成し、このトナー像を転写材上に転写することにより可視画像を形成するよう構成された、複写機、プリンタ、ファクシミリなどの画像形成装置に関し、また、そのような画像形成装置に用いられる帯電装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を利用した画像形成装置においては、感光体の表面に電荷を付与して均一に帯電させ、この感光体の表面に像露光を行うことにより、感光体に静電荷像を形成するよう構成されており、感光体の表面を帯電させるために帯電装置が用いられる。
この帯電装置は、通常、コロナ放電を行う帯電ワイヤ(放電ワイヤ)と、適宜の電位のグリッド電圧が印加されることにより、帯電ワイヤにより付与される電荷量を規制して感光体の表面における帯電電位を制御するグリッド電極(以下、単に「グリッド」という。)と、帯電ワイヤおよびグリッドを支持する支持部材とにより、構成されている。
そして、帯電装置のグリッドとしては、ワイヤグリッドと、ステンレス鋼などよりなる金属板に多数の貫通孔が形成されてなる多孔板状の板状グリッド(例えばエッチングにより多数の貫通孔が形成されたエッチンググリッドなど)が用いられている。
【0003】
然るに、ワイヤグリッドを用いた場合には、静電荷像の顕像化に用いられるトナー粒子などの汚染物質が付着することにより、帯電動作特性が変動するため、感光体に得られる帯電電位に変動が生じやすい。
一方、板状グリッドは、比較的大きい面積を有するものであって、長期間の使用においても汚染による感光体の帯電電位の変動が小さく、従って、感光体に得られる帯電電位の安定性が優れたものとなり、基本的に高い耐久性を有する点で好ましい。
【0004】
しかし、板状グリッドにおいては、材質として、通常、ステンレス鋼などの鉄系金属が用いられるため、高湿環境条件における水分や、帯電動作時のコロナ放電により発生するオゾンによって酸化される、という腐蝕性の問題があり、そのために、板状グリッドを備えた帯電装置においては、長期間にわたって高い耐久性を得ることができず、帯電動作特性が変化するために感光体に得られる帯電電位が変動したものとなり、所期の帯電電位を常に安定して得ることができない、という問題がある。
【0005】
従来、このような問題に対処するため、特開平11−40316号公報に、ステンレス鋼よりなるグリッド基材をニッケルにより被覆した上、更に金の被覆を形成することにより、板状グリッドの腐蝕性の問題を改善しようとする試みが提案されている。
しかしながら、この手段では、当該公開公報にも記載されているように、金の被覆が剥がれやすいという問題がある。
【0006】
この問題を究明するため、本発明者等が、当該公開公報の記載に従って、ステンレス鋼製のグリッド基材にニッケルを被覆し、更にその上に金の被覆を行って得られる板状グリッドについて、当該金の被覆の剥がれの現象を詳細に検討したところ、この金の被覆の剥がれは、グリッド基材を形成するステンレス鋼とニッケル被覆との界面において生じていることが判明した。これは、金の被覆にピンホールなどが形成されると、ニッケルの被覆が露出するためにこれが腐蝕し、更にこのニッケルの被覆の腐蝕が進行する結果、金の被覆に剥がれが生ずるものと考えられる。
このように、上記の公開公報の手段は、金の被覆の接着性を向上させるためにニッケル層を介在させるのであるが、このことが、反面においては、金の被覆を剥がれやすいものとしている、という問題を内在しているものである。
なお、特開昭61−88283号公報には、金メッキタングステンワイヤよりなるグリッドを用いることが記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記のような帯電装置の板状グリッドにおける問題点を解消するためになされたものであって、その目的は、長期間にわたって高い耐久性を有し、帯電動作特性が安定であって感光体に所期の帯電状態が常に安定して得られる帯電装置を備えた画像形成装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、長期間にわたって高い耐久性を有し、帯電動作特性が安定であって感光体に所期の帯電状態が常に安定して得られる、画像形成装置用の帯電装置を確実に製造することのできる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の画像形成装置は、板状グリッドを備えてなる帯電装置を有する画像形成装置において、
帯電装置の板状グリッドは、多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法により金メッキ層が形成されてなるものであることを特徴とする。
【0009】
この画像形成装置は、静電荷像が形成される有機感光体と、この有機感光体を帯電させるための帯電装置と、前記有機感光体上に形成された静電荷像を顕像化してトナー像を形成する現像器と、このトナー像を転写材に転写させる転写部と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着装置とを備えてなるものとすることができる。
前記有機感光体は、その表面層が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有するものであることが好ましい。
【0010】
また、本発明の画像形成装置は、静電荷像が形成される非晶質シリコン系感光体と、この非晶質シリコン系感光体を帯電させるための帯電装置と、前記非晶質シリコン系感光体上に形成された静電荷像を顕像化してトナー像を形成する現像器と、このトナー像を転写材に転写させる転写部と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着装置とを備えてなるものとすることができる。
【0011】
以上において、金メッキ層の厚さは0.3μm以上であることが好ましい。
【0012】
また、上記の画像形成装置は、感光体の表面電位を検知する表面電位検知手段が設けられると共に、この表面電位検知手段により検知された情報に基づき、帯電装置に供給される帯電電流および板状グリッドに印加されるグリッド電圧を制御する制御手段が設けられてなる構成とすることが好ましい。
【0013】
本発明の方法は、画像形成装置に用いられる、板状グリッドを備えてなる帯電装置の製造方法において、多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法により金メッキ層を形成して、板状グリッドを製造することを特徴とする。
【0014】
この方法において、形成される金メッキ層の厚さは0.3μm以上とされることが好ましい。
【0016】
【作用】
本発明によれば、有機感光体を備える画像形成装置において、当該有機感光体を帯電させる帯電装置が板状グリッドを有し、この板状グリッドが、多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材に金メッキ層を形成してなるものであることにより、特に、当該金メッキ層がグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法によって形成されることにより、当該板状グリッドが、長期間にわたる使用においても金メッキ層の剥がれが生ずることがなくて高い耐久性を有するため、当該帯電装置の帯電装動作特性が安定なものとなり、従って、有機感光体に対する静電荷像形成工程において、当該有機感光体を常に安定して所期の帯電状態に帯電させることができる。
そして、このような帯電装置は、有機感光体の表面層が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する場合に、特に好ましい。
【0017】
また、本発明の画像形成装置は、感光体が非晶質シリコン系感光体である場合に、帯電装置の板状グリッドが、グリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法によって金メッキ層が形成されてなるものであることにより、長期間にわたる使用においても金メッキ層の剥がれが生ずることがなくて高い耐久性を有し、従って、当該非晶質シリコン系感光体を常に安定して所期の帯電状態に帯電させることができる。
【0018】
以上において、板状グリッドにおける金メッキ層の厚さが0.3μm以上であることにより、目的とする作用効果を確実に得ることができる。
【0019】
また、画像形成装置において、感光体の表面電位を検知する表面電位検知手段を設けてこれよりの情報に基づき、帯電装置に供給される帯電電流および板状グリッドに印加されるグリッド電圧を制御することにより、上記の帯電装置の特長を十分に発揮させることができる。
【0020】
本発明の帯電装置の製造方法によれば、板状グリッドの金メッキ層の形成をパルス電流による電解メッキ法によって行うことにより、通常の直流電流による電解メッキ法による場合に比して、形成される金メッキ層が、組織が緻密で硬く、ピンホールの少ないものとなると共に、層厚が薄くても均一なものとなり、しかもグリッド基材を形成するステンレス鋼の表面に対して高い密着性を有するものとなる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
図1および図2は、本発明の画像形成装置に用いられる帯電装置の構成の一例の概略を示し、図1は斜視図、図2はその分解斜視図である。
これらの図において、1は、電圧を印加することにより、感光体の帯電電位を制御するための板状グリッド、2はコロナ放電を行う帯電ワイヤ、3はグリッドを張設するためのバネ、4は、帯電ワイヤ2と板状グリッド1を支持する支持部材を示し、これらによって帯電装置10が構成されている。
この帯電装置10は、例えば直流負コロナ放電が行われるスコロトロン方式やコロトロン方式のものとすることができる。
【0022】
帯電ワイヤ2としては、例えば線径が0.06mmのタングステンワイヤに金メッキしたものを、高い耐久性を有することから好ましく用いることができる。板状グリッド1は、ステンレス鋼等よりなる板金にエッチング等により多数の貫通孔を形成し、得られる多孔板状のグリッド基材の表面に、金属メッキが施されたものである。この金属メッキとしては、ニッケルメッキや金メッキがあるが、本発明においては、特に必須のものとして、金メッキが施される。このようにして形成される板状グリッドは、エッチンググリッドとも称されている。
【0023】
(実施の態様−1)
この実施の態様−1は、本発明の画像形成装置用帯電装置の製造方法に関する態様を説明するものである。
本発明によれば、多孔板状のステンレス鋼よりなるグリッド基材をメッキ対象として、パルス電圧を印加してパルス電流による電解メッキ法により金メッキを行うことにより、当該グリッド基材の表面に、直接、金メッキ層を形成し、これにより得られる板状グリッドを用いて、画像形成装置に用いられる帯電装置を構成する。
【0024】
形成される金メッキ層の厚さは0.3μm以上であることが好ましい。この厚さが0.3μm未満では、ピンホールが発生しやすく不均一のものとなり、ピンホールを介してグリッド基材のステンレス鋼が腐食されることにより、感光体に得られる帯電電位が部分的に不安定になりやすい。
従来においては、金メッキ層は剥がれやすいものと考えられていたが、本発明者等がこの剥がれについて詳細に検討したところ、特に、特定のメッキ法を適用することにより、形成される金メッキ層のグリッド基材に対する密着性を飛躍的に向上できることを見い出したものである。
【0025】
金メッキ層を形成するためのパルス電流による電解メッキ法は、特にそのプロセスや条件が限定されるものではなく、通常の方法と同様にして行うことができる。金メッキの浴としては、大別して、高温または低温のシアンアルカリ浴、中性浴、弱アルカリ浴、酸性浴などがあるが、緻密で硬い金メッキ層が形成される浴であることが好ましい。金メッキ層を硬いものとするために、例えば酸性浴にコバルトやニッケルなどを添加することもできる。対電極である陽極の材質は、特に限定されるものではないが、例えばニッケルクロム鋼、炭素などよりなるものを用いることができる。
金メッキの浴を構成する金メッキ液の組成の一例としては、1リットル当たりに、金シアン化カリ3.8g、炭酸カリ7.5gおよび青化カリ3.8gを含有する溶液を挙げることができる。浴の温度は例えば49〜71℃とされる。
【0026】
上記の電解メッキ法における電流は、パルス電流であれば特に限定されるものではない。具体的には、例えば商用電源の交流を整流して得られる種々のパルス電流を用いることができ、矩形波によるパルス電流が好ましく用いられる。このパルス電流のパルス幅(オンタイム)は、例えば数マイクロ秒から数百マイクロ秒の範囲で設定することができるが、このオンタイムの時間は、オフタイムまたは充電時間より長いことが好ましく、これにより、形成される金メッキ層を、組織の緻密なものとすることができる。パルス電流は、電流密度が例えば0.5〜1.6A/dm2 、電圧が例えば2〜6Vとされる。
【0027】
実際の金メッキを行うプロセスでは、メッキ対象物に対して、種々の前処理工程および後処理工程が行われる。その一例では、例えば、化学研磨処理、水洗処理、酸浸漬処理、水洗処理、純水浸漬処理、金メッキ工程、水洗処理および乾燥処理が行われる。
【0028】
以上のようなパルス電流による電解メッキ法によれば、特に、ステンレス鋼よりなるグリッド基材の表面に、直接、金メッキ層を形成すると、形成される金メッキ層は、飛躍的に密着性の向上したものとなることが認められた。
【0029】
パルス電流による電解メッキ法では、直流電流によるメッキ法に比して、陰極界面で高電流密度の電解が行われることとなるため、生成する結晶粒径が小さいものとなり、従って組織が緻密で密度が高く、硬い金メッキ層が形成され、しかもこの金メッキ層はピンホールの少ないものとなり、また、層厚が薄くても均一な金メッキ層が形成される。そして、陰極を形成しているステンレス鋼の表面と析出する金とが例えば合金化し易い状態が得られるために、金メッキ層の密着性が高いものとなる。
【0030】
(実施の態様−2)
この実施の態様−2は、本発明の画像形成装置において、帯電装置により帯電される感光体として、有機感光体を用いる態様を説明するものである。
本発明の画像形成装置においては、静電荷像が形成される感光体として、有機感光体が用いられる。有機感光体では、その表面が樹脂成分を主体とするものであるため、帯電装置によるコロナ放電によって発生するオゾンの化学的作用によって表面の劣化が進行するが、転写部より下流側に設けられるクリーニング部にクリーニングブレードを有する装置では、当該クリーニングブレードによる擦過作用を受けて摩耗することから、劣化した表面部分が徐々にではあるが確実に除去されて行くこととなり、これにより、オゾン等による表面の劣化の問題が実際上解消されることとなり、従って、長期間にわたって、帯電動作による帯電電位を安定に維持することができる。
【0031】
本発明に用いられる有機感光体は、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する表面層を有することが好ましい。表面層が架橋構造を有するロキサン系樹脂を含有することにより、当該有機感光体の表面が硬質化されて摩擦係数が小さいものとなり、クリーニングブレードの当接による有機感光体表面の擦過による損傷の発生が著しく改善されると共に摩耗を抑制することができるため、結局、帯電電位の安定化が一層図られることとなって有機感光体の耐久性を著しく向上することができる。
【0032】
本発明に好ましく用いられる有機感光体は、例えば、ドラム状の基体の表面に、下引き層、電荷発生層、および架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する表面層としての電荷輸送層を、この順に積層することにより、構成されたものである。更に、電荷輸送層は、電荷輸送物質とバインダー樹脂とを含有する下層、および電荷輸送物質と架橋構造を有するシロキサン系樹脂とを含有する上層による二層構成とされることが好ましく、この場合においては前記上層が表面層とされる。
【0033】
前記架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、電荷輸送性能を有する構成単位を有するものであることが好ましい。
電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、公知の方法により、水酸基あるいは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物を用いて製造することができる。
このような有機ケイ素化合物は、具体的には、下記一般式(A)〜(D)の化学式で示されるものである。
【0034】
【化1】
一般式(A)〜(D)において、R1 〜R6 は、式中のケイ素原子に炭素原子が直接結合した形の有機基を表し、Z1 〜Z4 は、水酸基または加水分解性基を表す。この場合において、一般式(C)におけるR2 およびR3 、並びに、一般式(D)におけるR4 、R5 およびR6 は、互いに同一であっても異なるものであってもよい。
【0035】
上記の一般式(A)〜(D)におけるZ1 〜Z4 が加水分解性基である場合の当該加水分解性基としては、メトキシ基、エトキシ基、メチルエチルケトオキシム基、ジエチルアミノ基、アセトキシ基、プロペノキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メトキシエトキシ基等が挙げられる。
【0036】
また、R1 〜R6 で示される、ケイ素原子に炭素原子が直接結合した形の有機基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基、フェニル基、トリル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基、γ−グリシドキシプロピル基、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基等の含エポキシ基、γ−アクリロキシプロピル基、γ−メタアクリロキシプロピル基等の含(メタ)アクリロイル基、γ−ヒドロキシプロピル基、2,3−ジヒドロキシプロピルオキシプロピル基等の含水酸基、ビニル基、プロペニル基等の含ビニル基、γ−メルカプトプロピル基等の含メルカプト基、γ−アミノプロピル基、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル基等の含アミノ基、γ−クロロプロピル基、1,1,1−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチルエチル基等の含ハロゲン基、その他ニトロ基、シアノ置換アルキル基等を挙げることができる。
【0037】
前記シロキサン系樹脂の原料として用いられる前記有機ケイ素化合物は、一般にはケイ素原子に結合している加水分解性基の数nが1のものでは、当該有機ケイ素化合物の高分子化反応は抑制されたものとなる。nが2、3または4であるものでは高分子化反応が起こりやすく、特に3あるいは4の有機ケイ素化合物では、高度に架橋反応を進めることが可能である。従って、高分子化反応に供される有機ケイ素化合物原料における、加水分解性基の数nの異なる各成分の存在比率をコントロールすることにより、得られる塗布層液の保存性や塗布層の硬度等を制御することが可能である。
【0038】
また、前記シロキサン系樹脂の原料としては、前記有機ケイ素化合物を酸性条件下または塩基性条件下で加水分解してオリゴマー化あるいはポリマー化した加水分解縮合物を用いることもできる。
なお、シロキサン系樹脂とは、前記の如く、予め化学構造単位にシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマーあるいはポリマーを反応させ(この反応には、加水分解反応、触媒や架橋剤を加えた系による反応等が含まれる。)、これにより、三次元網目構造を形成し、硬化させた樹脂を意味する。すなわち、シロキサン結合を有する有機ケイ素化合物を、加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させて三次元網目構造を形成させ、その結果生成した架橋構造を有するシロキサン系樹脂を意味する。
【0039】
また、前記シロキサン系樹脂は、水酸基または加水分解性基を有するコロイダルシリカを含有させることにより、架橋構造の一部に当該シリカ粒子が取り込まれた樹脂であってもよい。
【0040】
本発明における「電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ、架橋構造を有するシロキサン系樹脂」とは、電子あるいは正孔のドリフト移動度を示す特性を有する化学構造(これが「電荷輸送性能を有する構造単位」である。)をシロキサン系樹脂中に部分構造として組み込んだものである。具体的には、この電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、一般的に電荷輸送物質として用いられる化合物(以下において「電荷輸送性化合物」または「CTM」ともいう。)を該シロキサン系樹脂中に部分構造として有している。
【0041】
なお、前記の電荷輸送性能を有する構造単位とは、電子あるいは正孔のドリフト移動度を有する性質を示す構造単位、あるいは電荷輸送性化合物残基であり、また別の定義としてはTime−Of−Flight法などの電荷輸送性能を検知できる公知の方法によって電荷輸送に起因する検出電流が得られる構造単位、あるいは電荷輸送性化合物残基として表現することもできる。
【0042】
以下、シロキサン系樹脂中に有機ケイ素化合物との反応により電荷輸送性能を有する構造単位を形成することのできる電荷輸送性化合物について説明する。
例えば正孔輸送型CTMとしては、例えばオキサゾール、オキサジアゾール、チアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾリン、ビスイミダゾリジン、スチリル、ヒドラゾン、ベンジジン、ピラゾリン、スチルベン化合物、アミン、オキサゾロン、ベンゾチアゾール、ベンズイミダゾール、キナゾリン、ベンゾフラン、アクリジン、フェナジン、アミノスチルベン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセンなどの化学構造を前記シロキサン系樹脂の部分構造として含有するものを挙げることができる。
【0043】
また、電子輸送型CTMとしては、例えば無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水ピロメリット酸、無水メリット酸、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノジメタン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、テトラニトロベンゼン、ニトロベンゾニトリル、ピクリルクロライド、キノンクロルイミド、クロラニル、ブロマニル、ベンゾキノン、ナフトキノン、ジフェノキノン、トロポキノン、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、ジニトロアントラキノン、4−ニトロベンゾフェノン、4,4′−ジニトロベンゾフェノン、4−ニトロベンザルマロンジニトリル、α−シアノ−β−(p−シアノフェニル)−2−(p−クロロフェニル)エチレン、2,7−ジニトロフルオレン、2,4,7−トリニトロフルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロフルオレノン、9−フルオレニリデンジシアノメチレンマロノニトリル、ポリニトロ−9−フルオロニリデンジシアノメチレンマロノジニトリル、ピクリン酸、o−ニトロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、3,5−ジニトロ安息香酸、ペンタフルオロ安息香酸、5−ニトロサリチル酸、3,5−ジニトロサリチル酸、フタル酸、メリット酸などの化学構造を前記シロキサン系樹脂の部分構造として含有するものを挙げることができる。
【0044】
本発明において、好ましい電荷輸送性能を有する構造単位は、前記の如き通常用いられる電荷輸送性化合物の残基であり、この電荷輸送性化合物を構成する炭素原子またはケイ素原子を介して、下記一般式(1)中のYで示される連結原子または連結基に結合し、Yを介してシロキサン系樹脂中に含有される。
【0045】
【化2】
【0046】
一般式(1)において、Xは電荷輸送性能を有する構造単位であって、該付与基を構成する炭素原子またはケイ素原子を介して式中のYと結合する基、Yは隣接する結合原子(SiとC)を除いた2価以上の原子または基である。
ただし、Yが3価以上の原子のときは、式中のSiとC以外のYの結合手は、結合が可能な硬化性樹脂中のいずれかの構成原子と結合しているか、または他の原子、分子基と連結した構造(基)を有する。
【0047】
また、一般式(1)において、Yが原子であるときは、当該原子としては、特に酸素原子(O)、硫黄原子(S)、窒素原子(N)が好ましい。
ここで、Yが窒素原子(N)の場合、前記連結基は−NR−で表される。(Rは水素原子または1価の有機基である。)
【0048】
一般式(1)においては、電荷輸送性能を有する構造単位Xは、1価の基として示されているが、シロキサン系樹脂と反応させる電荷輸送性化合物が2つ以上の反応性官能基を有している場合は、硬化性樹脂中で2価以上のクロスリンク基として接合してもよく、単にペンダント基として接合していてもよい。
前記原子、すなわちO、S、Nの原子は、それぞれ電荷輸送能を有する化合物中に導入された水酸基、メルカプト基、アミン基と水酸基あるいは加水分解性基を有する有機ケイ素化合物との反応によって形成され、シロキサン系樹脂中に電荷輸送性能を有する構造単位を部分構造として取り込む連結基である。
【0049】
次に、水酸基、メルカプト基、アミン基、有機ケイ素含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
前記水酸基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つ水酸基を有している化合物である。すなわち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することができる下記一般式(2)で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、下記構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つ水酸基を有している化合物であればよい。
【0050】
【化3】
一般式(2)
X−(R7 −OH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位
R7 :単結合、置換または無置換のアルキレン基、アリーレン基
m:1〜5の整数である。
【0051】
これらのうち、代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。例えばトリアリールアミン系化合物は、トリフェニルアミン等のトリアリールアミン構造を電荷輸送性能を有する構造単位(すなわちX)として有し、前記Xを構成する炭素原子を介して、またはXから延長されたアルキレン、アリーレン基を介して水酸基を有する化合物が好ましく用いられる。
【0052】
1.トリアリールアミン系化合物
【化4】
【0053】
2.ヒドラジン系化合物
【化5】
【0054】
3.スチルベン系化合物
【化6】
【0055】
4.ベンジジン系化合物
【化7】
【0056】
5.ブタジエン系化合物
【化8】
【0057】
次に、メルカプト基を有する電荷輸送性化合物の具体例を下記に例示する。
メルカプト基を有する電荷輸送性化合物とは、通常用いられる構造の電荷輸送物質で、且つメルカプト基を有している化合物である。すなわち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して樹脂層を形成することができる、下記の一般式(3)で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、当該構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つメルカプト基を有している化合物であればよい。
【0058】
【化9】
一般式(3)
X−(R8 −SH)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位
R8 :単結合、置換または無置換のアルキレン、アリーレン基
m:1〜5の整数である。
【0059】
これらのうち、代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【化10】
【0060】
更に、アミノ基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
アミノ基を有する電荷輸送性化合物は、通常用いられる構造の電荷輸送物質であって、且つアミノ基を有している化合物である。すなわち、代表的には硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することができる下記一般式(4)で示される電荷輸送性化合物を挙げることができるが、当該構造に限定されるものではなく、電荷輸送能を有し、且つアミノ基を有している化合物であればよい。
【0061】
【化11】
一般式(4)
X−(R9 −NR10H)m
ここにおいて、
X:電荷輸送性能を有する構造単位
R9 :単結合、置換、無置換のアルキレン、置換、無置換のアリーレン基
R10:水素原子、置換、非置換のアルキル基、置換、非置換のアリール基
m:1〜5の整数である。
【0062】
これらのうち、代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
【化12】
【0063】
アミノ基を有する電荷輸送性化合物の中で、第一級アミン化合物(−NH2 )の場合は2個の水素原子が有機ケイ素化合物と反応し、シロキサン構造に連結してもよい。第二級アミン化合物(−NHR10)の場合は1個の水素原子が有機ケイ素化合物と反応し、R10はブランチとして残存する基でもよく、架橋反応を起こす基でも良く、電荷輸送物質を含む化合物残基でもよい。
【0064】
更に、ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物について説明する。
ケイ素原子含有基を有する電荷輸送性化合物は、下記一般式(5)に示すような構造の電荷輸送物質である。この化合物も硬化性有機ケイ素化合物と結合して、樹脂層を形成することができる。
【0065】
【化13】
一般式(5)
X−(−Y−Si(R11)3-a (R12)a )n
(一般式(5)において、Xは電荷輸送性能を有する構造単位を含む基であり、R11は水素原子、置換若しくは未置換のアルキル基、アリール基を示し、R12は加水分解性基または水酸基を示し、Yは置換若しくは未置換のアルキレン基、アリーレン基を示す。aは1〜3の整数を示し、nは整数を示す。)
【0066】
これらのうち、代表的なものを挙げれば下記のごときものがある。
前記シロキサン系樹脂の形成原料は、前記一般式(A)〜(D)で表される構造単位を成分とす
る有機ケイ素化合物ものである。その組成比としては、例えば一般式(A)による構造単位成分を「成分(A)」のように記すと、成分(A)+(B)の1モルに対し、成分(C)+(D)を0.05〜1モルとなる割合で用いることが好ましい。
また、コロイダルシリカ(これを「成分(E)」とする。)を添加する場合には、成分(A)+(B)+(C)+(D)の総質量100部に対して成分(E)を1〜30質量部の割合で用いることが好ましい。
【0067】
また、前記有機ケイ素化合物やコロイダルシリカと反応して樹脂層を形成することができる反応性電荷輸送性化合物(これを「成分(F)」とする。)の添加量は、成分(A)+(B)+(C)+(D)の総質量100部に対し1〜500質量部であることが好ましい。成分(A)+(B)の割合が過小の場合には、得られるシロキサン樹脂は架橋密度が小さくて硬度が不足したものとなる。これに対し、成分(A)+(B)の割合が過大の場合には、得られるシロキサン樹脂は架橋密度が高くて、硬度は十分であっても脆い樹脂層となる。
【0068】
成分(E)のコロイダルシリカの割合が適当でない場合には、その過不足による傾向は、上記の成分(A)+(B)の過不足の場合と同様である。
一方、成分(F)の割合が低い場合には、得られるシロキサン樹脂の電荷輸送能が小さいものとなり、感光体としての感度の低下や残留電位の上昇が生ずるようになり、成分(F)の割合が高い場合には、得られるシロキサン樹脂層の膜強度が低いものとなる傾向がみられる。
【0069】
本発明で用いられる、電荷輸送性能を有する構造単位を有し、且つ架橋構造を有するシロキサン系樹脂は、予め構造単位としてシロキサン結合を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーに、触媒や架橋剤を加えて新たな化学結合を形成させて三次元網目構造を形成させたものであってもよく、また加水分解反応とその後の脱水縮合によりシロキサン結合を促進させることにより、モノマー、オリゴマーまたはポリマーから三次元網目構造を形成させることもできる。
一般的には、アルコキシシランを有する組成物またはアルコキシシランとコロイダルシリカを有する組成物の縮合反応により、三次元網目構造を形成することができる。
【0070】
また、前記の三次元網目構造を形成させるために用いられる触媒としては、例えば有機カルボン酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸およびチオシアン酸の各アルカリ金属塩、有機アミン塩(水酸化テトラメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムアセテート)、スズ有機酸塩(スタンナスオクトエート、ジブチルチンジアセテート、ジブチルチンジラウレート、ジブチルチンメルカプチド、ジブチルチンチオカルボキシレート、ジブチルチンマリエート等)、アルミニウムあるいは亜鉛のオクテン酸、ナフテン酸塩、アセチルアセトン錯化合物等が挙げられる。
【0071】
有機感光体の層構成は、特に限定されるものではないが、電荷発生層、電荷輸送層、あるいは電荷発生・電荷輸送層(電荷発生機能と電荷輸送機能の両方の機能を有する単層型感光層)等よりなる感光層の上に、表面層を塗設した構成とされることが好ましい。また、前記電荷発生層、電荷輸送層、あるいは電荷発生・電荷輸送層は、各層が複数の層から構成されていてもよい。
【0072】
有機感光体の電荷発生層に含有される電荷発生物質(CGM)としては、例えばフタロシアニン顔料、多環キノン顔料、アゾ顔料、ペリレン顔料、インジゴ顔料、キナクリドン顔料、アズレニウム顔料、スクワリリウム染料、シアニン染料、ピリリウム染料、チオピリリウム染料、キサンテン色素、トリフェニルメタン色素、スチリル色素等が挙げられ、これらの電荷発生物質(CGM)は、単独でまたは適当なバインダー樹脂と共に用いられて層形成が行われる。
【0073】
前記電荷輸送層に含有される電荷輸送物質(CTM)としては、例えばオキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアゾール誘導体、チアジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、イミダゾロン誘導体、イミダゾリン誘導体、ビスイミダゾリジン誘導体、スチリル化合物、ヒドラゾン化合物、ベンジジン化合物、ピラゾリン誘導体、スチルベン化合物、アミン誘導体、オキサゾロン誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、ベンズイミダゾール誘導体、キナゾリン誘導体、ベンゾフラン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、アミノスチルベン誘導体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリ−1−ビニルピレン、ポリ−9−ビニルアントラセン等が挙げられ、これらの電荷輸送物質(CTM)は、通常バインダーと共に用いられて層形成が行われる。
【0074】
電荷発生層(CGL)または電荷輸送層(CTL)に含有されるバインダー樹脂としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリスチレン樹脂、メタクリル樹脂、アクリル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂、スチレン−ブタジエン樹脂、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体樹脂、塩化ビニル−無水マレイン酸共重合体樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン−アルキッド樹脂、フェノール樹脂、ポリシラン樹脂、ポリビニルカルバゾール等が挙げられる。
【0075】
電荷発生層における電荷発生物質とバインダー樹脂との割合は、質量比で1:10〜10:1であることが好ましい。また、電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、特に0.05〜2μmが好ましい。
また、電荷輸送層は前記の電荷輸送物質とバインダー樹脂を適当な溶剤に溶解し、その溶液を塗布乾燥することによって形成することができる。電荷輸送物質とバインダー樹脂との混合割合は、質量比で10:1〜1:10であることが好ましい。
電荷輸送層の膜厚は、通常5〜50μm、特に10〜40μmであることが好ましい。また、電荷輸送層が複数設けられている場合は、電荷輸送層の上層の膜厚は10μm以下であることが好ましく、且つ、電荷輸送層の上層の下に設けられた電荷輸送層の全膜厚より小さいことが好ましい。
【0076】
本発明に好ましく用いられる有機感光体におけるシロキサン系樹脂を含む表面層は、当該表面層が電荷輸送層である場合は前記電荷輸送層を兼ねてもよいが、好ましくは、電荷輸送層もしくは電荷発生層とは別層の表面層として設けるのがよい。この場合、前記感光層と表面層との間に接着層を設けてもよい。また電子写真感光体の表面特性を改良する目的で該表面層の上に更に薄層の保護層を設けてもよい。
【0077】
有機感光体の導電性支持体としては、
(1)アルミニウム板、ステンレス鋼板などの金属板
(2)紙あるいはプラスチックフィルムなどの支持体上に、アルミニウム、パラジウム、金などの金属薄層をラミネート若しくは蒸着によって設けたもの
(3)紙あるいはプラスチックフィルムなどの支持体上に、導電性ポリマー、酸化インジウム、酸化錫などの導電性化合物の層を塗布若しくは蒸着によって設けたもの等が挙げられる。
【0078】
導電性支持体の材料としては、主としてアルミニウム、銅、真鍮、スチール、ステンレス等の金属材料、その他プラスチック材料をベルト状またはドラム状に成形加工したものが用いられる。中でもコストおよび加工性等に優れたアルミニウムが好ましく用いられ、通常、押出成型または引抜成型された薄肉円筒状のアルミニウム素管が多く用いられる。
また、前記導電性支持体は、その表面に封孔処理されたアルマイト膜が形成されたものであってもよい。
【0079】
上記のような有機感光体を製造するための塗布加工方法としては、浸漬塗布、スプレー塗布、円形量規制型塗布等の塗布加工法が用いられるが、感光層の樹脂層側の塗布加工は、下層の膜を極力溶解させないために、また、均一な塗布加工を達成するために、スプレー塗布または円形量規制型(円形スライドホッパ型がその代表例である。)塗布等の塗布加工方法を用いることが好ましい。
なお、前記スプレー塗布については、例えば特開平3−90250号および特開平3−269238号公報に詳細に記載されており、前記円形量規制型塗布については例えば特開昭58−189061号公報に詳細に記載されている。
【0080】
有機感光体の製造において、前記樹脂層が塗布形成された後、50℃以上、好ましくは60〜200℃の温度で加熱乾燥することが好ましい。この加熱乾燥により、残存塗布溶媒を少なくすると共に、硬化性樹脂層を十分に硬化させることができる。
【0081】
次に、有機感光体の具体的な製造例を説明する。
ポリアミド樹脂「アミランCM−8000」(東レ社製)60gを、1600mlのメタノールに溶解分散せしめて中間層組成液を調製し、これを、洗浄済みの円筒状アルミニウム基体上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.3μmの中間層を形成する。
60gのY型チタニルフタロシアニンと、700gのシリコーン樹脂溶液「KR5240」(15%キシレン−ブタノール溶液、信越化学社製)を、2000mlの2−ブタノンと混合し、サンドミルを用いて10時間分散処理し、電荷発生層塗布液を調製した。この電荷発生層塗布液を、前記中間層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚0.2μmの電荷発生層を形成する。
下記構造式で表される電荷輸送物質(D1)200gと、300gのビスフェノールZ型ポリカーボネート「ユーピロンZ300」(三菱ガス化学社製)と、2000mlの1,2−ジクロロエタンを混合し、溶解して電荷輸送層塗布液を調製した。この電荷輸送塗布液を、前記電荷発生層上に浸漬塗布法で塗布し、膜厚20μmの電荷輸送層を形成する。
【0082】
メチルシロキサン単位80モル%とメチル−フェニルシロキサン単位20モル%からなるポリシロキサン樹脂の10質量部を、これにモレキュラーシーブ4Aを添加して15時間静置することにより、脱水した。この樹脂をトルエン10質量部に溶解し、これにメチルトリメトキシシラン5質量部、ジブチル錫アセテート0.2質量部を加えて均一な溶液とした。これにジヒドロキシメチルトリフェニルアミン(例示化合物T−1)6質量部を加えて混合し、この溶液を乾燥膜厚2μmの表面層として前記電荷輸送層上に塗布し、120℃にて1時間の加熱硬化を行うことにより、有機感光体を製造することができる。
【0083】
【化14】
【0084】
本発明においては、画像形成装置において、感光体として上記のような有機感光体を用い、この有機感光体に静電荷像を形成する際に当該感光体を帯電させるための帯電装置として、金メッキを施した板状グリッドを有するものを適用することにより、長期間にわたって、著しい帯電性の安定化および耐久性が得られるものである。
この場合における帯電装置の板状グリッドとしては、多孔板状のステンレス鋼よりなるグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法によって金メッキ層を形成してなる板状グリッドが適用される。
【0085】
帯電装置の板状グリッドは、実施の態様−1に記載されているように、多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法によって金メッキ層が形成されたものである。ニッケルメッキ層を介して金メッキ層が形成されている場合には、例えば金メッキ層にピンホールが存在したり、あるいは傷が生じたような場合に、露出するニッケルが金属としてイオン化傾向の大きいものであるため、ステンレス鋼よりなるグリッド基材とニッケルメッキ層との界面における電極効果により、当該ニッケルが腐食しやすく、結局、ニッケル層と共に金メッキ層がグリッド基材の表面から剥がれやすいものとなる。
また、この金メッキ層の膜厚は、既述のように、0.3μm以上であることが好ましい。
【0086】
前記有機感光体の表面層は、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することが好ましい。すなわち、架橋構造を有するシロキサン系樹脂は硬質であるため、当該表面層を有する有機感光体は、クリニングブレードによる擦過を受けても摩耗が抑制されるため、感光層の膜厚の低下による帯電電位の変動を抑制することができる。
【0087】
また、上記のような帯電装置は、後述するように、前記有機感光体の表面電位を検知する検知手段を設けると共に、この検知手段によって得られる情報に基づき、帯電装置における帯電ワイヤに供給される帯電電流と、板状グリッドに印加されるグリッド電圧を制御する制御手段を設けて構成された画像形成装置に適用されることが好ましい。
これにより、長期間にわたり、感光体の表面層のオゾンによる劣化や膜厚の低下による帯電電位の変動を適正な帯電電位に変更修正することができ、帯電電位の安定化という耐久性が一層向上する。
【0088】
(実施の態様−3)
この実施の態様−3は、本発明の画像形成装置において、帯電装置により帯電される感光体として、非晶質シリコン系有機感光体を用いる態様を説明するものである。
本発明の画像形成装置においては、静電荷像が形成される感光体として、非晶質シリコン感光体が用いられる。この非晶質シリコン系感光体としては、公知のものを使用することができる。非晶質シリコン感光体は、硬質で耐久性が大きいものであるが、反面、帯電性能が劣ることから、所期の帯電状態を得るためには帯電装置において高い帯電電流によるコロナ放電が必要とされ、これにより、グリッドが受ける影響が増大する結果、帯電装置の耐久性が不可避的に低いものとなる。
【0089】
例えば、従来から知られている多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材にニッケルを被覆し、更に金を被覆した板状グリッドにおいては、ステンレス鋼とニッケルの界面における電極効果が一層助長されるため、帯電装置の耐久性が著しく損なわれてしまう。
【0090】
このため、本発明においては、非晶質シリコン系感光体を帯電させるための帯電装置として、ステンレス鋼よりなるグリッド基材の表面に、直接、実施の態様−1において説明されているように、パルス電流による電解メッキ法により金メッキを施して金メッキ層を形成してなる板状グリッドを備えたものを適用する。
このような構成によれば、帯電装置の耐久性を向上させることができ、総合的な画像形成装置の耐久性も向上する。
この帯電装置の板状グリッドにおける金メッキ層の膜厚は0.3μm以上であることが好ましい。
【0091】
図3は、本発明の画像形成装置の構成の主要部の一例を示す説明図であり、この装置においては、ディジタル電子写真方式が適用されている。この画像形成装置の構成は、上記した実施の態様−1、2および3のいずれにも適用することができる。
【0092】
図3の画像形成装置は、静電荷像が形成されるドラム状感光体21と、この感光体21を帯電させるための帯電装置22と、感光体21に形成された静電荷像を顕像化してトナー像を形成する現像器23と、感光体21に形成されたトナー像を紙などの転写材に転写させる転写電極24を有する転写部と、感光体21に密着した転写材を分離させる分離電極25を有する分離部と、分離された転写材を搬送する搬送機構27と、転写材の表面に転写されたトナー像を定着させる定着装置30と、感光体21に当接するクリーニングブレードにより残留トナーをクリーニングするクリーニング部28とを備えてなる。
【0093】
この例の画像形成装置においては、安定な帯電電位を付与するために、感光体21の表面電位を検知してその検知信号を利用するフィードバック制御がなされる。
具体的には、感光体21の表面電位を検知する表面電位検知手段31が、帯電装置22の下流位置に設けられており、帯電装置22の帯電ワイヤに帯電電流を供給する帯電電流用電源32と、帯電装置22の板状グリッドを所定の電位状態とするためのグリッド電圧印加用電源33との両者を制御する制御手段35に対し、表面電位検知手段31よりの表面電位信号が入力され、この表面電位信号に応じて、帯電電流およびグリッド電圧が制御される構成とされている。
【0094】
このようなフィードバック制御がなされることにより、感光体の表面電位状態に応じた帯電電流とグリッド電圧によって帯電装置22が動作されるため、感光体21を常に所期の帯電電位状態に帯電させることができ、その結果、帯電装置そのものが有する特長も加わって、長期間にわたり、感光体21の表面層のオゾンによる劣化や膜厚の低下による帯電電位の変動を適正な帯電電位に変更修正することができる。従って、この画像形成装置は、帯電電位の安定化により総合的な耐久性が一層向上したものとなる。
【0095】
【発明の効果】
本発明によれば、有機感光体を備える画像形成装置において、当該有機感光体を帯電させる帯電装置が板状グリッドを有し、この板状グリッドが、多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材に金メッキ層を形成してなるものであることにより、特に、当該金メッキ層がグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法によって形成されることにより、当該板状グリッドが、長期間にわたる使用においても金メッキ層の剥がれが生ずることがなくて高い耐久性を有するため、当該帯電装置の帯電装動作特性が安定なものとなり、従って、有機感光体に対する静電荷像形成工程において、当該有機感光体を常に安定して所期の帯電状態に帯電させることができる。
そして、このような帯電装置は、有機感光体の表面層が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有する場合に、特に好ましい。
【0096】
また、本発明の画像形成装置は、感光体が非晶質シリコン系感光体である場合に、帯電装置の板状グリッドが、グリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法によって金メッキ層が形成されてなるものであることにより、長期間にわたる使用においても金メッキ層の剥がれが生ずることがなくて高い耐久性を有し、従って、当該非晶質シリコン系感光体を常に安定して所期の帯電状態に帯電させることができる。
【0097】
また、画像形成装置において、感光体の表面電位を検知する表面電位検知手段を設けてこれよりの情報に基づき、帯電装置に供給される帯電電流および板状グリッドに印加されるグリッド電圧を制御することにより、上記の帯電装置の特長を十分に発揮させることができる。
【0098】
本発明の帯電装置の製造方法によれば、板状グリッドの金メッキ層の形成をパルス電流による電解メッキ法によって行うことにより、通常の直流電流による電解メッキ法による場合に比して、形成される金メッキ層が、組織が緻密で硬く、ピンホールの少ないものとなると共に、層厚が薄くても均一なものとなり、しかもグリッド基材を形成するステンレス鋼の表面に対して高い密着性を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像形成装置に用いられる帯電装置の構成の一例の概略を示す斜視図である。
【図2】図1の帯電装置の分解斜視図である。
【図3】本発明の画像形成装置の構成の主要部の一例を示す説明図である。
【符号の説明】
1 板状グリッド
2 帯電ワイヤ
3 バネ
4 支持部材
10 帯電装置
21 感光体
22 帯電装置
23 現像器
24 転写部
25 分離部
27 搬送機構
28 クリーニング部
30 定着装置
31 表面電位検知手段
32 帯電電流用電源
33 グリッド電圧印加用電源
35 制御手段
Claims (8)
- 板状グリッドを備えてなる帯電装置を有する画像形成装置において、 帯電装置の板状グリッドは、多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法により金メッキ層が形成されてなるものであることを特徴とする画像形成装置。
- 当該画像形成装置が、静電荷像が形成される有機感光体と、この有機感光体を帯電させるための帯電装置と、前記有機感光体上に形成された静電荷像を顕像化してトナー像を形成する現像器と、このトナー像を転写材に転写させる転写部と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着装置とを備えてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記有機感光体の表面層が、架橋構造を有するシロキサン系樹脂を含有することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
- 当該画像形成装置が、静電荷像が形成される非晶質シリコン系感光体と、この非晶質シリコン系感光体を帯電させるための帯電装置と、前記非晶質シリコン系感光体上に形成された静電荷像を顕像化してトナー像を形成する現像器と、このトナー像を転写材に転写させる転写部と、転写材に転写されたトナー像を定着させる定着装置とを備えてなるものであることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記金メッキ層の厚さが0.3μm以上であることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記感光体の表面電位を検知する表面電位検知手段が設けられると共に、この表面電位検知手段により検知された情報に基づき、帯電装置に供給される帯電電流および前記板状グリッドに印加されるグリッド電圧を制御する制御手段が設けられてなることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の画像形成装置。
- 画像形成装置に用いられる、板状グリッドを備えてなる帯電装置の製造方法において、
多孔板状のステンレス鋼製のグリッド基材の表面に、直接、パルス電流による電解メッキ法により金メッキ層を形成して板状グリッドを製造することを特徴とする画像形成装置用帯電装置の製造方法。 - 形成される金メッキ層の厚さが0.3μm以上であることを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置用帯電装置の製造方法。
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