JP4303526B2 - (−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医薬品等の製造原料として有用な(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの新規な製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースは、(−)−ビボ−クエルシトール分子中の5つの水酸基の中で、唯一アクシャル方向に向いている水酸基が脱水素され、ケトン基に変換された形のものである。グルコースから酵素変換により生成することが見出され、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースと命名された(例えば、非特許文献1参照。)。
【0003】
(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースは、カテコールを経た有用物質の合成中間体として有用であり(例えば、非特許文献2参照。)、また、種々の光学活性糖アナログを合成するための中間体としても使用可能である。(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースから合成されるアカルボース、ボグリボース又は1−デオキシノジリマイシンなどの光学活性糖アナログは、例えばα−グルコシダーゼに代表される2糖以上のオリゴ糖の分解酵素、糖転移酵素などを阻害するため、糖尿病の治療薬、抗がん剤などに用いられている。このように、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースは各種の医薬等の合成に用いる合成原料として有用である。
【0004】
(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを得る方法としては、次の2つの方法が知られている。第1には、ネオマイシンから加水分解等を経て製造する方法が知られている(例えば、非特許文献3参照。)。第2には、グルコースから2−デオキシ-シロ−イノソース合成酵素により製造する方法が知られている(例えば、非特許文献4参照。)。しかし、第1の方法では、加水分解後に酵素による3回の物質変換を行う必要があり操作が煩雑である。また第2の方法では、補酵素NAD+を必要とするため、原料コストが高い。このためこれらの方法は大量製造には向かなかった。
【0005】
また、DL−ビボ−クエルシトールをアセトバクター・スボキシダンス(Acetobacter suboxydans)により酸化させ、DL‐2,4/3,5‐tetrahydroxycyclohexanone((−)−2−デオキシ−シロ−イノソースと(+)−2−デオキシ-シロ−イノソースとの混合物(ラセミ体))を製造する方法が知られている(例えば、非特許文献5参照。)。しかし、この方法により光学活性体である(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造したという報告はない。現在の技術を持ってしても、ラセミ体から光学異性体を分離することは容易ではなく、まして低コストで簡単に分離させることは困難であった。
【0006】
【非特許文献1】
「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティックス(THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS)」,1992年,第45巻,第5号, p.756-766
【非特許文献2】
柿沼勝己、“天然物生合成系の解析と応用”、全文、[online]、2001年、日本農芸化学会関東支部、2001年度大会シンポジウム、[平成15年3月10日検索]、インターネット<URL: yu-ki.ch.a.u-tokyo.ac.jp/taikai01/symp1.pdf>
【非特許文献3】
「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティックス(THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS)」,1985年,第38巻,第9号, p.1211-1218
【非特許文献4】
「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティックス(THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS)」, 1999年,第52巻,第6号, p.559-571
【非特許文献5】
「ザ・ジャーナル・オブ・アンチバイオティックス(THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS)」, 1977年,第30巻,第1号, p.98-105
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、医農薬品の製造原料としても有用な(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを簡単な操作で大量かつ選択的に製造することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは上記目的を達成するため鋭意検討を行った。その結果、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換することのできる微生物を土壌から多数分離し、その中から特に変換能の高い微生物を選抜し、その微生物を用いて(−)−ビボ−クエルシトールから(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースを製造する方法を確立することに成功した。さらに、本発明者はミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換することのできる微生物を土壌から多数分離し、その中でも特に変換能の高い微生物を選抜し、その微生物、及び前記(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換することのできる微生物を用いて、ミオ−イノシトールから(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースを効率よく製造する方法を確立することにも成功した。以上によって、本発明を完成させるに至った。
【0009】
すなわち、本発明は以下のとおりである。
(1) (−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する能力を有する微生物に(−)−ビボ−クエルシトールを作用させて、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する工程を含む、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造方法。
(2) (−)−ビボ−クエルシトールを含有する液体培地中で前記微生物を培養して、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換し、得られた(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを液体培地中に蓄積させて、該液体培地から(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを採取することを特徴とする、(1)の方法。
(3) 前記微生物を培養することにより得られた菌体またはその破砕物を、(−)−ビボ−クエルシトールを含む溶液中で(−)−ビボ−クエルシトールに作用させることを特徴とする、(1)の方法。
(4) ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する能力を有する微生物にミオ−イノシトールを作用させて、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程、及び前記工程によって生成した(−)−ビボ−クエルシトールに、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する能力を有する微生物を作用させて、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程を含む、(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースの製造方法。
(5) ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程において用いる微生物が、エンテロバクター属に属する微生物である、(4)の方法。
(6) ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程において用いる微生物が、エンテロバクター・エスピーAB10114株(FERM P−19319)である、(4)の方法。
(7) (−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程において用いる微生物がグラム陰性細菌である、(1)〜(6)のいずれかの方法。
(8) (−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程において用いる微生物が、グルコノバクター属に属する微生物である、(1)〜(6)のいずれかの方法。
(9) (−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程において用いる微生物が、グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)である、(1)〜(6)のいずれかの方法。
(10) (−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換する能力を有する、グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)またはその変異株。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
【0011】
本発明は(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造する方法にかかる発明であるが、(−)−ビボ−クエルシトールを原料に用いて(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造する方法にかかる発明(以下、第一の発明と称する)、及びミオ−イノシトールを原料に用いて(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造する方法にかかる発明(以下、第二の発明と称する)を含む。
【0012】
<1>(−)−ビボ−クエルシトールを原料に用いて(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造する方法
本件第一の発明は、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する能力を有する微生物に(−)−ビボ−クエルシトールを作用させて、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する工程を含む、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造方法に関する。
【0013】
かかる製造方法によって得られる生成物は、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースが100%である必要はないが、全生成物中の(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの割合が80%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましい。
【0014】
原料の(−)−ビボ−クエルシトールは、ガガイモ科等の植物の葉に微量に含まれている(−)−ビボ−クエルシトールを抽出し精製する方法(THE JOURNAL OF ANTIBIOTICS, 1992年, 第45巻, 第5号, p.756-766)によって得ることができるが、好ましくは後述するように、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する能力を有する微生物にミオ−イノシトールを作用させる方法によって、得ることができる。
【0015】
前記第一の発明において使用する微生物は、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースに選択的に変換することができる微生物である。かかる微生物は、(−)−ビボ−クエルシトールを含有する液体培地中で該微生物を培養した場合に、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースに変換し、培養後に、全生成物量に対して80%以上、好ましくは90%以上の量の(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースを含む培養液を提供できる菌株であればいずれの菌株でもよい。微生物は菌体そのものを用いてもよいし、菌体の破砕物を用いてもよい。
【0016】
(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースに選択的に変換することができる微生物は多種類存在するが、グラム陰性細菌が好ましく、アセトバクター属、グルコノバクター属、またはシュードモナス属に属する細菌がより好ましく、グルコノバクター属に属する細菌が特に好ましい。本発明において好適に用いることができるグルコノバクター属に属する細菌としては、例えば、本発明者らによって同定された、下記のグルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)が挙げられる。
【0017】
菌株の同定の当たっては、新細菌培地学講座(第2版、近代出版)、医学細菌同定の手引き(第2版、近代出版)、細菌学実習提要(丸善)に準じて実験を行い、そして得られた実験結果を「Bergey's Manual of Systematic Bacteriology)1巻、1984年に照会し、細菌の同定を行った。
【0018】
AB10277株の菌学的性質を以下に記載する。
【0019】
A.形態的特徴
(1)細胞形態:短桿菌で大きさは0.4〜0.8×0.7〜1.3μm。多形性は無い。
(2)運動性: +(懸滴法)。
(3)普通寒天培地上での生育: 生育しない。
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
以上の通り、AB10277株の主性状は、グラム陰性の運動性短桿菌で、大きさは0.4〜0.8×0.7〜1.3μmである。絶対好気性菌で、好気的に糖から酸を産生、オキシダーゼ陰性、カタラーゼ陽性という性質からAcetobacteraceae科に属する細菌と判断される。さらに酸性条件で良好に生育し栄養要求性(パントテン酸)があることより、本細菌はグルコノバクター(Gluconobacter)属に属する一菌株であると判断される。
【0024】
「Bergey's Manual of Systematic Bacteriology」第1巻(1984年)275頁〜278頁によると、グルコノバクター属を構成する種はグルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)のみで、1つの種(species)から構成されている。AB10277株の菌学的性状をグルコノバクター・オキシダンスと比較検討すると、AB10277株は生育温度(37℃で僅かに生育可能)や30%グルコース濃度に耐性である点などの菌学的性質において、グルコノバクター・オキシダンス(Gluconobacter oxydans)の主性状とは一致しないので、公知のものと区別するため、本AB10277株はグルコノバクター・エスピーAB10277株と命名され、産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM P−19320として寄託されている(寄託日は平成15年4月18日)。
【0025】
尚、本発明においては、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースに前記割合で変換する能力を有する限り、グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)の変異株も、本発明において好適に用いることができる。変異株は、例えば、エンテロバクター・エスピーAB10277株を紫外線照射、または、ニトロソグアニジン(MNNG)、エチルメタンスルフォネート(EMS)、メチルメタンスルフォネート(MMS)等によって処理することによって得ることができる。
【0026】
前記第一の発明の製造方法における(−)−ビボ−クエルシトールの(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースへの変換は、例えば、以下で述べるように、(−)−ビボ−クエルシトールを含有する液体培地中で前記微生物を培養することによって行うことができる。培養によって生成し、液体培地中に蓄積した(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを、該液体培地から採取することにより、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造することができる。
【0027】
ここで、用いる液体培地の組成は、目的が達せられる限り何等特別の制限はなく、合成培地・天然培地のいずれであってもよいが、炭素源、窒素源、有機栄養源、無機塩類等を含有する培地が好ましい。液体培地には炭素源として、原料の(−)−ビボ−クエルシトールを0.1〜40%、好ましくは4〜20%添加し、窒素源として、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、あるいは尿素等を0.01%〜1.0%、好ましくは0.05〜0.5%添加することが望ましい。有機栄養源として、酵母エキス、ペプトン、カザミノ酸を適量(0.005〜1.0%)添加すると、菌株によっては有効な場合がある。その他必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、マンガン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、リン酸、硫酸等のイオンを生成することができる無機塩類を培地中に添加することが有効である。培養液の水素イオン濃度をpH6〜10、好ましくはpH7〜9に調整して培養すると、効率よく(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを得ることができる。
【0028】
培養条件は、菌株や培地の種類によっても異なるが、培養温度は5〜40℃、好ましくは20〜35℃であり、培養期間は通常1〜7日、好ましくは2〜5日である。また、培養は液体培地を振とうしたり、液体培地中に空気を吹き込むなどして好気的に行えばよい。培養液から目的物を採取する方法は、通常の水溶性中性物質を単離精製する一般的な方法を応用することができる。すなわち、培養後の培養液を活性炭やイオン交換樹脂などで処理することにより、簡単に(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを採取して、精製することができる。
【0029】
また、前記第一の発明の製造方法における(−)−ビボ−クエルシトールの(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースへの変換は、前記微生物を培養することにより得られた菌体またはその破砕物を、(−)−ビボ−クエルシトールを含む溶液中で(−)−ビボ−クエルシトールに作用させることによっても行うことができる。かかる反応により生成し、溶液中に蓄積した(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを、該溶液から採取することにより、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造することができる。
【0030】
ここで用いる菌体としては、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造に用いられた微生物を培養液から分離して集めた菌体を再度用いてもよく、また、前記微生物を別途適当な培養条件で培養して得たものを用いてもよい。集菌は、培養液から遠心分離、濾過など公知の方法により行えばよい。破砕物としては、培養によって得られた菌体を緩衝液中で超音波破砕等により破砕したものを使用することができる。
【0031】
(−)−ビボ−クエルシトールを含む溶液としては、液体培地、緩衝液等が用いることができる。液体培地としては、前記微生物を培養することによって(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造した際に用いた培地と同様のものを用いてもよく、また別途該微生物を培養した液体培地をそのまま用いてもよい。緩衝液としてはリン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド(Good’s)のCHES緩衝液などを10〜500mM、好ましくは20〜100mMの濃度で用いればよい。溶液中の(−)−ビボ−クエルシトールの濃度は0.1〜5%程度とするのが好ましい。反応条件は、菌株や培地、緩衝液の種類によって異なるが、反応温度は15〜60℃、好ましくは25〜55℃であり、反応時間は1〜50時間、好ましくは3〜48時間であり、液体培地または緩衝液のpHは6〜10、好ましくは7〜9である。反応終了後の液体培地又は緩衝液からの(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの採取は、前記の培養液からの採取と同様の方法で行うことができる。
【0032】
<2>ミオ−イノシトールを原料に用いて(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを製造する方法
本件第二の発明は、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する能力を有する微生物にミオ−イノシトールを作用させて、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程、及び前記工程によって生成した(−)−ビボ−クエルシトールに、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する能力を有する微生物を作用させて、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程を含む、(−)−2−デオキシ-シロ−イノソースの製造方法に関する。
【0033】
前記第二の発明の製造方法における、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程は、前記第一の発明に係る製造方法と同様にして行うことができる。該工程において、微生物を作用させる(−)−ビボ−クエルシトールを含む液体培地または溶液としては、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程終了後の液体培地または溶液を用いることができる。ここで、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程終了後の液体培地または溶液は、変換反応に用いた微生物を除去せずにそのまま用いることもできるが、かかる微生物を遠心分離等によって除いた後に用いることがより好ましい。
【0034】
かかる方法は、ミオ−イノシトールから(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースをワンポット反応で製造する方法を含む。ここでワンポット反応という言葉は、出発原料であるミオ−イノシトールを醗酵槽もしくは反応釜等の容器に投入した後、最終変換物である(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースができるまでの前記の2つの工程を同じ容器内で行なうことを指す。この方法によれば、ミオ−イノシトールから、(−)−ビボ−クエルシトールを精製することなく、簡便に(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを生産することができる。
【0035】
一方で、前記第二の発明の製造方法における、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程において、微生物を作用させる(−)−ビボ−クエルシトールを含む液体培地または溶液は、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程によって生成した(−)−ビボ−クエルシトールを精製し、これを液体培地または溶液に加えて調製してもよい。
【0036】
第二の発明の製造方法のうちの、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程について以下で説明する。かかる工程は、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する能力を有する微生物にミオ−イノシトールを作用させて、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程である。
【0037】
ここで、製造原料であるミオ−イノシトールは、動植物および微生物に広く分布しているもので、特に、穀物中に六燐酸エステルのCa、Mg塩であるフィチン酸として多量に存在している。したがって、例えば、公知の方法(ジャパンフードサイエンス、1985年、第24巻、第3号、p.73−80)により米糠等をアルカリ加水分解し、精製することによって得ることができる。
【0038】
かかる工程で用いることのできる微生物は、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する能力を有する微生物であり、サルモネラ属に属する微生物(特開平11-12210号公報)なども用いることができるが、高収率で(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを得るためには、前記能力を有するエンテロバクター属に属する微生物が好ましい。特に好ましい微生物としては、例えば、本発明者らによって同定された、以下のエンテロバクター・エスピーAB10114株(FERM P−19319)が挙げられる。尚、微生物は菌体そのものを用いてもよいし、菌体の破砕物を用いてもよい。
【0039】
エンテロバクター・エスピーAB10114株の同定の当たっては、新細菌培地学講座(第2版、近代出版)、医学細菌同定の手引き(第2版、近代出版)、細菌学実習提要(丸善)に準じて実験を行い、そして得られた実験結果を「Bergey's Manual of Systematic Bacteriology)1巻、1984年に照会し、細菌の同定を行った。
【0040】
AB10114株の菌学的性質は以下の通り。
【0041】
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
以上の通り、AB10114株の主性状は、グラム陰性の運動性短桿菌で、大きさは0.5〜0.8×0.7〜4.0μmである。嫌気条件下でも生育し、発酵的に糖から酸を産生、オキシダーゼ陰性、カタラーゼ陽性という性質からEnterobacteriaceae科に属する細菌と判断される。さらに硫化水素を産生せず、アミノ酸デカルボキシラーゼが陰性という性質から、本細菌はエンテロバクター(Enterobacter)属に属する一菌株であると判断される。
【0046】
「Bergey's Manual of Systematic Bacteriology」第1巻(1984年)465頁〜469頁によると、エンテロバクター属はエンテロバクター・クロアカエ(Enterobacter cloacae)、エンテロバクター・サカザキイ(Enterobacter sakazakii)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・ゲーゴビアエ(Enterobacter gergoviae)、エンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerans)の5つの種(species)から構成されている。AB10114株の菌学的性状を上記の既知の種と比較検討すると、AB10114株はエンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerans)に最も近縁の種とであると考えられる。しかし、糖から酸の生成試験において、アドニトール及びミオーイノシトールから酸を生成する点など、本菌株の有するいくつかの菌学的性質において、エンテロバクター・アグロメランス(Enterobacter agglomerans)の性状とは一致しないので、公知のものと区別するため、本AB10114株はエンテロバクター・エスピーAB10114株と命名され、産業技術総合研究所特許生物寄託センターにFERM P−19319として寄託されている(寄託日は平成15年4月18日)。
【0047】
尚、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトール変換する能力を有する限り、エンテロバクター・エスピーAB10114株の変異株も、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程において好適に用いることができる。変異株は、例えば、エンテロバクター・エスピーAB10114株を紫外線照射、または、ニトロソグアニジン(MNNG)、エチルメタンスルフォネート(EMS)、メチルメタンスルフォネート(MMS)等によって処理することによって得ることができる。
【0048】
ミオ−イノシトールの(−)−ビボ−クエルシトールへの変換は、例えば、以下で述べるように、ミオ−イノシトールを含有する液体培地中で前記微生物を培養することによって行うことができる。
【0049】
培養に用いる液体培地の組成は、目的を達することができる限り何等特別の制限はなく、合成培地・天然培地のいずれであってもよいが、炭素源、窒素源、有機栄養源、無機塩類等を含有する培地が好ましい。液体培地には炭素源として、原料のミオ−イノシトールを0.1〜20%、好ましくは5〜20%添加し、窒素源としては、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、あるいは尿素等を0.01%〜1.0%、好ましくは0.05〜0.5%添加するのが望ましい。また、有機栄養源として、酵母エキス、ペプトン、カザミノ酸を適量(0.005〜1.0%)添加すると、菌株によっては有効な場合がある。
【0050】
その他必要に応じ、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、コバルト、マンガン、亜鉛、鉄、銅、モリブデン、リン酸、硫酸等のイオンを生成することができる無機塩類を培地中に添加することが有効である。培養液の水素イオン濃度は特に調整せずとも培養できる場合が多いが、pH6〜10、好ましくはpH7〜9に調整して培養すると、効率よく(−)−ビボ−クエルシトールを得ることができる。
【0051】
培養条件は、菌株や培地の種類によっても異なるが、培養温度は5〜40℃、好ましくは20〜38℃であり、培養期間は通常1〜7日、好ましくは2〜5日である。また、培養は液体培地を振とうしたり、液体培地中に空気を吹き込むなどして好気的に行えばよい。
【0052】
前記第二の発明の製造方法におけるミオ−イノシトールの(−)−ビボ−クエルシトールへの変換はまた、前記微生物を培養することにより得られた菌体またはその破砕物を、ミオ−イノシトールを含む溶液中でミオ−イノシトールに作用させることによっても行うことができる。
【0053】
ここで、菌体としては、(−)−ビボ−クエルシトールの製造に用いられた微生物を培養液から分離して集めた菌体を再度用いてもよく、また、前記微生物を別途適当な培養条件で培養して得たものを用いてもよい。集菌は、培養液から遠心分離、濾過など公知の方法により行えばよい。破砕物としては、培養によって得られた菌体を緩衝液中で超音波破砕等により破砕したものを使用することができる。
【0054】
ミオ−イノシトールを含む溶液としては、ミオ−イノシトールを含む液体培地または緩衝液などを用いることができる。ミオ−イノシトールを含む液体培地としては、前記微生物を培養することによって(−)−ビボ−クエルシトールを製造した際に用いた培地と同様のものを用いてもよく、また別途前記微生物を培養した液体培地にミオ−イノシトールを加えて用いてもよい。ミオ−イノシトールを含む緩衝液としてはリン酸緩衝液、トリス緩衝液、グッド(Good’s)のCHES緩衝液などを10〜500mM、好ましくは20〜100mMの濃度で用い、溶液中のミオ−イノシトールの濃度は0.1〜5%程度とするのが好ましい。反応条件は、菌株や培地、緩衝液の種類によって異なるが、反応温度は15〜60℃、好ましくは25〜55℃であり、反応時間は1〜50時間、好ましくは3〜48時間であり、液体培地または緩衝液のpHは6〜10、好ましくは7〜9である。
【0055】
上述したとおり、前記第二の発明の製造方法における(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程において、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程によって生成した(−)−ビボ−クエルシトールを液体培地または溶液から精製して用いてもよいが、かかる場合には、例えば以下の方法により精製することができる。
【0056】
すなわち、通常の水溶性中性物質を単離精製する一般的な方法を応用して、培養液から(−)−ビボ−クエルシトールを精製することができる。例えば、培養液を活性炭やイオン交換樹脂などで処理することにより、クエルシトール異性体以外の不純物のほとんどを除くことができる。その後、再結晶法等の方法を用いることにより、目的物を精製してもよい。
【0057】
また、(−)−ビボ−クエルシトールの精製は、イオン交換樹脂のカラムクロマトグラフィーを用いる方法などを用いてもよい。この場合、例えば、カーボハイドレイト リサーチ(Carbohydrate Research)、第166巻、第171頁〜第180頁(1987年)や、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサエティー(Journal of Chemical Society)、第73巻、第2399頁〜第2340頁(1951)に記載されている手法、すなわちホウ酸型強塩基性イオン交換樹脂カラムを調製し、ホウ酸の濃度を徐々に高めて流すことにより、クエルシトール異性体の各成分を分離する方法を応用することが有効である。このカラムを用いて、(+)−プロト−クエルシトール、(−)−ビボ−クエルシトール、及び(+)−エピ−クエルシトールなどのクエルシトール立体異性体の混合物をカラムに供すると、(+)−プロト−クエルシトール及び(−)−ビボ−クエルシトールは樹脂に保持されることなくカラムを素通りし、(+)−エピ−クエルシトールは、0.5M程度のホウ酸溶液を流すことにより溶出する。
【0058】
また、強塩基性陰イオン交換樹脂(OH-型)のカラムクロマトグラフィーもクエルシトール分離に有効である。例えば、(+)−プロト−クエルシトール及び(−)−ビボ−クエルシトールの混合溶液を本カラムに供し、イオン交換水を流すと、まず、(−)−ビボ−クエルシトールが溶出し、次いで、(+)−プロト−クエルシトールが溶出する。このようにしてカラムクロマトグラフィーで得られる溶出液を任意に分画し、カラムクロマトグラフィーを幾度か繰り返すか、または組み合わせることにより、純粋な(−)−ビボ−クエルシトール溶液を得ることができる。
【0059】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示してより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。尚、生成物の構造確認はNMRによって行った。また、生成物の純度は、一定濃度の溶液を作成し、高速液体クロマトグラフィーにより分析して、標準品と比較することにより算出した。
【0060】
【実施例1】
(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造例1
(−)−ビボ−クエルシトール 5.0%(250g)、グルコース 0.5%、酵母エキス 0.4%、(NH4)2SO4 0.1%、K2HPO4 0.7%、KH2PO4 0.2%、MgSO4・7H2O 0.01%を含むpH7の液体培地5Lを、100mlずつ500ml容のバッフル付き三角フラスコに分注し、オートクレーブ滅菌した。各々の三角フラスコにAB10277株を接種し、27℃で3日間振とう培養した。培養液を遠心分離(8000rpm、10分間)し、上清を培養上清液とした。
【0061】
培養上清液を、強酸性陽イオン交換樹脂デュオライト(登録商標)C−20(H+型)(住友化学社製)1.5Lを充填したカラムに通過させ、その後このカラムに4.5Lのイオン交換水を通過させて洗浄した。この通過液および洗浄液を、500mlの活性炭を充填したカラムに通過させ、その後このカラムに1Lのイオン交換水を通過させて洗浄した。この通過液および洗浄液を、強塩基性陰イオン交換樹脂デュオライト(登録商標)A368S(OH-型)(住友化学社製)4Lを充填したカラムに通過させ、その後このカラムに18Lのイオン交換水を通過させて洗浄した。
【0062】
こうして得られた通過液および水洗浄液中には(−)−2−デオキシ−シロ−イノソース以外の不純物はほとんど存在していなかった。得られた通過液および水洗浄液中を減圧下で濃縮乾固したところ、白色固体としてほぼ純粋な(−)−2−デオキシ−シロ−イノソース200g(収率80%)を得た。
【0063】
【実施例2】
(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造例2(ワンポット反応による製造例)
ミオ−イノシトール 2.0%(20g)、酵母エキス 0.2%、(NH4)2SO4 0.1%、K2HPO4 0.7%、KH2PO4 0.2%、MgSO4・7H2O 0.01%を含むpH7の液体培地1Lを、100mlずつ500ml容のバッフル付き三角フラスコに分注し、オートクレーブ滅菌した。各々の三角フラスコにAB10114株(FERM P−19319)を接種し、27℃で3日間振とう培養した。培養液を遠心分離(8000rpm、10分間)し、上清を培養上清液とした。
【0064】
ミオ−イノシトール2.0%(20g)、グルコース0.5%、酵母エキス0.2%、(NH4)2SO4 0.1%、K2HPO4 0.7%、KH2PO4 0.2%、MgSO4・7H2O 0.01%を含むpH7の液体培地500mlを、100mlずつ500ml容のバッフル付き三角フラスコに分注し、オートクレーブ滅菌した。各々の三角フラスコにAB10277株(FERM P−19320)を接種し、27℃で3日間振とう培養した。培養液を遠心分離(8000rpm、10分間)し、沈殿を反応用菌体(AB10277株:FERM P−19320)とした。
【0065】
前記培養上清液に前記反応用菌体を加え、27℃で24時間菌体反応を行った。菌体反応液を遠心分離(8000rpm、10分間)し、上清を反応液とした。反応液を強酸性陽イオン交換樹脂デュオライト(登録商標)C−20(H+型) 300mlを充填したカラムに通過させ、その後このカラムに900mlのイオン交換水を通過させて洗浄した。この通過液および洗浄液を、100mlの活性炭を充填したカラムに通過させ、その後このカラムに300mlのイオン交換水を通過させて洗浄した。この通過液および洗浄液を、弱塩基性陰イオン交換樹脂デュオライト(登録商標)A368S 800mlを充填したカラムに通過させ、その後このカラムに2.4Lのイオン交換水を通過させて洗浄した。得られた通過液および水洗浄液中を減圧下で濃縮乾固したところ、90%純度以上の(−)−2−デオキシ−シロ−イノソース8.5gを得た。
【0066】
【発明の効果】
本発明によれば、医農薬品の製造原料として有用な(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを、簡便な操作で大量かつ選択的に製造することができる。
Claims (5)
- (−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する能力を有する、グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)またはその変異株に(−)−ビボ−クエルシトールを作用させて、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する工程を含む、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造方法。
- (−)−ビボ−クエルシトールを含有する液体培地中で前記グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)またはその変異株を培養して、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換し、得られた(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを液体培地中に蓄積させて、該液体培地から(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースを採取することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)またはその変異株を培養することにより得られた菌体またはその破砕物を、(−)−ビボ−クエルシトールを含む溶液中で(−)−ビボ−クエルシトールに作用させることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する能力を有する、エンテロバクター・エスピーAB10114株(FERM P−19319)またはその変異株にミオ−イノシトールを作用させて、ミオ−イノシトールを(−)−ビボ−クエルシトールに変換する工程、及び前記工程によって生成した(−)−ビボ−クエルシトールに、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに選択的に変換する能力を有する、グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)またはその変異株を作用させて、(−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換させる工程を含む、(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースの製造方法。
- (−)−ビボ−クエルシトールを(−)−2−デオキシ−シロ−イノソースに変換する能力を有する、グルコノバクター・エスピーAB10277株(FERM P−19320)またはその変異株。
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