JP4300382B2 - 絶縁材料、絶縁材料の製造方法および多層回路基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は多層回路基板用材料に好適な絶縁材料、その製造方法及び多層回路基板の製造方法に関し、さらに詳しくは、粒径が50μm以下の異物の含有量を極力少なくした硬化性組成物層を有する絶縁材料、その製造方法及びそれを用いる多層回路基板の製造方法に関する。なお、本発明において、「異物」とは、絶縁材料の硬化性組成物層中に含まれる微粒子状の不純物をいい、光学顕微鏡によって観察されるものをいう。
【0002】
【従来の技術】
回路基板の高密度化の一般的手法として、回路基板を多層化して多層回路基板とすることが知られている。多層回路基板は、通常、▲1▼電気絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板の導電体回路が形成されている面側に電気絶縁層(2)を積層し、▲2▼該電気絶縁層(2)の上に導電体回路(2)を形成することによって、▲3▼必要に応じて、さらに電気絶縁層と導電体回路を数段積層することによって得られる。そして、▲4▼多層回路基板内の導電体回路相互間は、電気絶縁層中にスルーホールやビアホールを形成して、そこへ導電性材料を埋め込むことによって導通させている。
【0003】
かかる多層回路基板の製造工程においては、電気絶縁層等にごみや塵等の異物が存在すると、これらの存在によりスルーホールやビアホール形成の障害となったり、電気絶縁層と導電体回路とを高密度に積層することができなくなるおそれがある。そのため、従来から多層回路基板表面等にごみや塵等が付着等しないように、例えばクリーンルーム内で製造を行う等の配慮がなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の多層回路基板には、それが用いられる電子機器の一層の小型化、軽量化、高機能化を実現するために、さらなる高密度化技術の開発が望まれており、現在では、電気絶縁層の厚さは1層あたり0.1mm以下、配線密度は配線幅/配線間隔が0.05/0.05mm以下のものが要求されている。そのためには、配線のより精密な微細加工と、平滑性及び密着性により優れた積層が必要とされる。
【0005】
従来、多層回路基板の製造においては、粒径が30〜50μm、あるいはそれ以下の小さな粒径を有する異物を除去することはほとんど考慮されていなかった。そして、このような環境下で製造された絶縁材料では、配線間間隔、スルホールあるいはビアホールの径が小さくなるにつれて、微細構造の配線形成やスルーホール、ビアホールの形成に支障が生じたり、スルーホール又はビアホールへ導電性材料を完全に埋め込むことができなかったり、密着性や平滑性に優れた積層が困難となることがわかってきた。
【0006】
本発明は、かかる観点からなされたものであり、電気絶縁層中に含まれる所定粒径の異物を少なくした多層回路基板を得るのに好適な絶縁材料、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決すべく、本発明は第1に、基材と、該基材上に積層された硬化性組成物層を有し、該硬化性組成物層は粒径30〜50μmの範囲にある異物の含有量が1cm2あたり0〜50個である絶縁材料を提供する。
【0008】
本発明の絶縁材料においては、前記硬化性組成物層は、脂環式オレフィン重合体又は芳香族ポリエーテルから選ばれる1種以上の重合体を含有するものが好ましい。
【0009】
本発明は、第2に、基材上に硬化性組成物の溶液により塗布層を形成する工程と、該塗布層を乾燥する工程を含む、基材と該基材上に積層された硬化性組成物層を有し、該硬化性組成物層は粒径30〜50μmの範囲にある異物の含有量が1cm2あたり0〜50個である絶縁材料の製造方法を提供する。
【0010】
前記絶縁材料の製造方法においては、脂環式オレフィン重合体又は芳香族ポリエーテルから選ばれる1種以上の重合体を含有する硬化性組成物を用いるのが好ましい。
【0011】
本発明においては、前記基材上に硬化性組成物の溶液により塗布層を形成する工程の前に、前記基材表面に帯電する静電気を除去する工程及び/又は前記基材表面に存在する異物を除去する工程を有するのが好ましい。
【0012】
また、本発明においては、前記塗布層を乾燥する工程の後に、前記硬化性組成物層の表面に存在する異物を除去する工程、及び/又は前記硬化性組成物層の表面に保護フィルムを積層する工程をさらに有するのがさらに好ましい。
【0013】
また、本発明は第3に、前記絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路(1)を有する内層基板に、前記絶縁材料を硬化性組成物層が接するように積層する工程と、基材を除去する工程と、硬化性組成物層を硬化させて電気絶縁層(2)を形成する工程と、及び、電気絶縁層(2)の表面に導電体回路(2)を形成する工程とを含む多層回路基板の製造方法を提供する。
【0014】
本発明の絶縁材料を用いることにより、微細な配線形成やスルーホール、ビアホールを形成することが可能となり、また、スルーホール又はビアホールへ導電性材料を完全に埋め込むことができるので、密着性や埋め込み性、絶縁抵抗性に優れ、クラックの発生のない多層回路基板を製造することができる。
【0015】
また、本発明の絶縁材料の製造方法によれば、従来の製造ラインの主要部に大きな変更を加えることなく、粒径の細かい異物、特に粒径が30〜50μmの範囲にある異物を極力少なくした硬化性組成物層を有する絶縁材料を製造することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の絶縁材料は、基材と該基材上に形成された硬化性組成物層とを有する。そして、該硬化性組成物層は、粒径が30〜50μmの範囲内にある異物の含有量が1cm2あたり50個以下、好ましくは30個以下、より好ましくは10個以下になるように形成されている。
【0017】
前記硬化性組成物層は、好適には、上記に加えて、粒径が10〜30μmの範囲内にある異物の含有量が1cm2あたり500個以下、好ましくは300個以下、より好ましくは100個以下になるように形成されている。
【0018】
前記硬化性組成物層は、より好適には、上記に加えて、粒径が0〜10μmの範囲にある異物の含有量が1cm2あたり5000個以下、好ましくは3000個以下、より好ましくは1000個以下となるように形成されている。
【0019】
本発明の好適な絶縁材料は、その巾が10〜300cmであり、長さが1000cm以上のものである。
【0020】
次に、かかる異物の含有量が低減された硬化性組成物層を有する本発明の絶縁材料の製造方法を説明する。
【0021】
本発明の絶縁材料に用いることのできる基材としては、例えば、樹脂フィルムや金属箔等が挙げられる。樹脂フィルムとしては、通常熱可塑性フィルムが用いられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムのごときポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられる。金属箔としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔等が挙げられる。
【0022】
上記したものの内、基材として樹脂フィルムを用いる場合、樹脂フィルムには、通常、アンチブロッキング剤等の添加剤が添加される場合が多い。本発明に用いる樹脂フィルムは、これらの添加量を極力低減したものを用いるのが異物の混入防止を図る観点から好ましい。
【0023】
樹脂フィルムは、硬化性組成物層が積層される側の面に、銅、ニッケル等の導電性金属の薄膜層などの導電性の層を全面又は一部に設けたものが、帯電防止のために好ましい。この場合、該導電層の膜厚は500〜1000Åが好ましい。
【0024】
また、本発明においては、帯電を防止して異物の吸着を防ぐ観点から、基材として帯電防止フィルムを用いることもできる。帯電防止フィルムとしては、銅、ニッケル、銀、金等の金属粉末または帯電防止剤を含有させた樹脂フィルムや、導電性高分子からなるフィルム等が挙げられる。さらに、得られた樹脂フィルムを保管し移送する際においても、空気中の異物が樹脂フィルムの表面に付着等しないようにしたものを用いるのが好ましい。
【0025】
基材の厚さは特に制限されないが、作業性等の観点から、通常1μm〜150μm、好ましくは2μm〜100μm、より好ましくは3〜75μmである。
【0026】
硬化性組成物層を形成する方法としては、例えば、硬化性組成物の溶液(又は分散液)を内層基板上に塗布した後、該塗布層を乾燥させる方法が挙げられる。
【0027】
硬化性組成物は、多層回路基板の電気絶縁層を形成するために使用されている公知の重合体を含有してなる。かかる重合体としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイソシアネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリフェニルエーテル樹脂、脂環式オレフィン重合体、ビスマレイミドトリアジン樹脂(BT樹脂)、ポリアミドイミド、ポリアリレート、芳香族ポリエステル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルニトリル、ポリエーテルスルホン、ポリケトン、ポリフェニレンエーテル、ポリスルホン等が挙げられる。
【0028】
本発明においては、これらの中で、耐熱性、高周波特性等の観点から、脂環式オレフィン重合体及び芳香族ポリエーテルから選ばれる1種以上の重合体の使用が好ましい。
【0029】
脂環式オレフィン重合体は、脂環式構造を有するオレフィンの重合体である。脂環式構造としては、シクロアルカン構造やシクロアルケン構造等が挙げられる。また、脂環式構造としては、単環、多環、縮合多環、橋架け環及びこれらの組み合わせ多環等が挙げられる。
【0030】
脂環式オレフィン重合体は、通常、脂環式構造を有するオレフィン由来の繰り返し単位を含む。脂環式構造を構成する炭素数は、格別制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜20個、より好ましくは5〜15個の範囲である。このような範囲にある脂環式オレフィン重合体は、機械的強度、耐熱性及び成形性に優れている。
【0031】
脂環式オレフィン重合体中の脂環式オレフィン由来の繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択されるが、通常30〜100重量%、好ましくは50〜100重量%、より好ましくは70〜100重量%である。
【0032】
前記脂環式オレフィン重合体は極性基を有するものが好ましい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシ基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、アジド基、エステル基、カルボン酸無水物基などが挙げられる。これらのうち、カルボン酸無水物基、カルボキシル基が好適である。
【0033】
脂環式オレフィン重合体は、通常脂環式オレフィンを付加重合又は開環重合し、必要に応じて不飽和結合部分を水素化することによって、あるいは芳香族オレフィンを付加重合させ、得られた重合体の芳香環部分を水素化させることによって得ることができる。
【0034】
また、極性基を有する脂環式オレフィン重合体は、例えば、1)前記脂環式オレフィン重合体に極性基を有する化合物を変性反応により導入することによって、2)極性基を含有する単量体を(共)重合成分として(共)重合させることによって、あるいは3)エステル基等の極性基を含有する単量体を(共)重合体成分として(共)重合した後、エステル基を加水分解させることによって得ることができる。
【0035】
脂環式オレフィンの具体例としては、例えば、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、単環シクロアルケン重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂環式炭化水素重合体及びその水素添加物、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物等が挙げられる。
【0036】
これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体及びその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物が好ましく、特にノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物が好ましい。前記の脂環式オレフィン重合体は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0037】
かかる脂環式オレフィンの具体例としては、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−オクチルービシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプトー2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ビニルービシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
【0038】
5−プロペニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−エトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルプロピオネート、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エニル−2−メチルオクタネート、
【0039】
ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−ヒドロキシイソプロピル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸イミド、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、
【0040】
トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3−エン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3,7−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12.5]ウンデカ−3,8−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]ウンデカ−3−エン、テトラシクロ[7.4.0.110,13,02,7]トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロフルオレン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.03,8]−テトラデカ−3,5,7,12−11−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン)、
【0041】
テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.1.7.10]−ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.1.7.10]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、
【0042】
8−シクロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13.6.02.7.09,13]−ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13。6.110。13.02,7]−ペンタデカ−4,11−ジエン、テトラシクロ[6.5.0.12.5.08.13]−トリデカ−3,8,10,12−テトラエン、テトラシクロ[6.6.0.12.5.18.13]−テトラデカ−3,8,10,12−テトラエンのごときノルボルネン系単量体;
【0043】
シクロブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオクテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−メタノ−1H−インデン、シクロヘプテンのごとき単環のシクロアルケン;ビニルシクロヘキセン;ビニルシクロヘキセンやビニルシクロヘキサンのごときビニル系脂環式炭化水素単量体;シクロペンタジエン、シクロヘキサジエンのごとき脂環式共役ジエン系単量体;等が挙げられる。
【0044】
芳香族オレフィンとしては、スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。脂環式オレフィン及び/又は芳香族オレフィンは、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0045】
また、これらの脂環式オレフィン重合体は、上記脂環式オレフィン及び/又は芳香族オレフィンと、これらと共重合可能な単量体とを共重合して得られるものであってもよい。
【0046】
かかる共重合可能な単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ペンテン、4−エチル−1−ヘキセン、3−エチルー1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどの炭素数2〜20のエチレンまたはα−オレフィン;1,4−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等の非共役ジエン;1,3−ブタジエン、イソプレン等の共役ジエン等が挙げられる。これらの単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0047】
脂環式オレフィン及び/又は芳香族オレフィンの重合方法及び必要に応じて行われる水素添加の方法には格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
【0048】
脂環式オレフィン重合体は、その分子量によって特に制限されない。脂環式オレフィン重合体の分子量は、シクロヘキサン又はトルエンを溶媒とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ−(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)で、通常1,000〜1,000,000,好ましくは5,000〜500,000、より好ましくは10,000〜250,000の範囲である。脂環式オレフィン重合体の重量平均分子量(Mw)がこの範囲にあるときは、耐熱性、成型物表面の平滑性等がバランスされ好適である。
【0049】
脂環式オレフィン重合体の分子量分布は、シクロヘキサン又はトルエンを溶媒とするGPCで測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)で、通常10以下、好ましくは7以下、より好ましくは5以下である。
【0050】
上述の重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)の範囲及び測定法はノルボルネン系重合体に好適に適合するが、それに限定されるものではない。又、上記方法で重量平均分子量や分子量分布が測定できない脂環式オレフィン重合体の場合には、通常の溶融加工法により樹脂層を形成し得る程度の溶融粘度や重合度を有するものを使用することができる。
【0051】
脂環式オレフィン重合体のガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択されるものであるが、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、特に好ましくは125℃以上である。
【0052】
芳香族ポリエーテルは、芳香環を有するポリエーテルであって、通常、2,6−ジメチルフェノールや2,6−フェニルフェノールのごとき2,6−ジ置換フェノール類を、銅(II)アミン錯体のごとき塩基性銅(II)の存在下で酸素と反応させて得ることができる。芳香族ポリエーテル重合体としては、ポリフェニレンエーテル、変性ポリフェニレンエーテル等が挙げられる。これらのうち、誘電率及び誘電正接が小さい変性ポリフェニレンエーテルが好適である。これらの脂環式オレフィン重合体及び芳香族ポリエーテルは、単独であるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0053】
本発明に用いられる硬化性組成物には、所望により硬化剤をさらに添加する。硬化剤としては、例えばイオン性硬化剤、ラジカル反応性硬化剤又はイオン性とラジカル性とを兼ね備えた硬化剤等が挙げられる。絶縁抵抗性、耐熱性、耐薬品性及び脂環式オレフィン重合体等との相溶性の観点からイオン性硬化剤の使用が好ましい。
【0054】
イオン性硬化剤としては、例えば、脂肪族ポリアミン化合物、芳香族ポリアミン化合物、ビスアジド化合物、酸無水物、ジカルボン酸化合物、ジオール化合物、トリオール、多価フェノール、ポリアミド化合物、ジイソシアネート化合物、常温で固体の多価エポキシ化合物等が挙げられる。また、ラジカル硬化剤としては、例えば、有機ペルオキシド等が挙げられる。これらの中でも、ジオール化合物、多価フェノール化合物及び常温固体の多価エポキシ化合物が好ましく、より好ましくは常温固体の多価エポキシ化合物、特に常温固体の臭素化多価エポキシ化合物が好ましい。
【0055】
これらの硬化剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができ、脂環式オレフィン重合体等の重合体100重量部に対して、通常5〜150重量部、好ましくは15〜110重量部、より好ましくは30〜100重量部の範囲である。
【0056】
また、脂環式オレフィン重合体等と硬化剤との硬化反応を促進させるために、硬化促進剤や硬化助剤を使用することもできる。硬化促進剤としては、例えば硬化剤が多価エポキシ化合物の場合には、第3級アミン系化合物や三弗化ホウ素錯化合物等を用いることができる。第3級アミン系化合物を用いる場合には、微細配線に対する積層性、絶縁抵抗性、耐熱性、耐薬品性が向上するため特に好ましい。
【0057】
第3級アミン系化合物の具体例としては、例えば、ベンジルメチルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、トリベンジルアミン、ジメチルホルムアミド等の鎖状3級アミン化合物、
ピラゾール類、ピリジン類、ピラジン類、ピリミジン類、インダゾール類、キノリン類、イソキノリン類、イミダゾール類、トリアゾール類等の含窒素ヘテロ環化合物等が挙げられる。これらの中で、イミダゾール類、特に置換基を有する置換イミダゾール化合物が好ましい。
【0058】
かかる置換イミダゾール化合物の具体例としては、例えば、2−エチルイミダゾール、2−エチルー4−メチルイミダゾール、ビス−2−エチルー4−メチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のアルキル置換イミダゾール化合物、
【0059】
2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチルイミダゾール、ベンズイミダゾール、2−エチル−4−メチル−1−(2’−シアノエチル)イミダゾール、2−エチルー4−メチルー1−[2’−(3”、5”−ジアミノトリアジニル)エチル]イミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等のアリール基やアラルキル基等の環構造を有する炭化水素基で置換されたイミダゾール化合物等が挙げられる。これらの中でも、環構造を有する炭化水素基で置換されたイミダゾール化合物が好ましく、特に、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
【0060】
これらの硬化促進剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いられる。硬化促進剤の配合量は使用目的に応じて適宜設定されるが、重合体100重量部に対して、通常0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは0.03〜5重量部である。
【0061】
硬化助剤は特に限定されるものではないが、例えば、キノンジオキシム、ベンゾキノンジオキシム、p−ニトロソフェノール等のオキシム・ニトロソ系硬化助剤、N,N−m−フェニレンビスマレイミド等のマレイミド系硬化助剤、ジアリルフタレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート等のアリル系硬化助剤、エチレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート等のメタクリレート系硬化助剤、ビニルケトン、エチルビニルベンゼン、ジビニルベンゼン等のビニル系硬化助剤等が挙げられる。
【0062】
これらの硬化助剤は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。その配合割合は、硬化剤100重量部に対して、通常1〜1000重量部、好ましくは10〜500重量部の範囲である。
【0063】
本発明の硬化性組成物には、絶縁抵抗性及び耐剥離性を向上させるために、配合剤としてチオール化合物をさらに添加するのが好ましい。チオール化合物としては、特に分子中に少なくとも二個のチオール基を有する多価チオール化合物が好ましく、分子内にヘテロ環構造を有するものがより好ましい。ヘテロ環構造としてはトリアジン環構造が好ましく、配線の埋め込み特性を考慮した場合には、特にトリアジンチオール化合物が好ましい。チオール化合物の配合量は、重合体100重量部に対して、通常0.001〜30重量部、好ましくは0.01〜10重量部である。配合量が少なすぎると、絶縁抵抗性及び剥離特性の向上効果が発揮されにくくなる。一方、配合量が多すぎると、耐熱性及び耐薬品性が低下傾向になる。
【0064】
上述した硬化性組成物は、有機溶剤に溶解又は分散される。本発明においては溶液で用いるのが、異物が少なく均一な電気絶縁層を形成するこことができるため好ましい。用いられる有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素系溶媒、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒等を挙げることができる。これらの溶媒は、それぞれ単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0065】
これらの内、微細配線への埋め込み特性に優れ、気泡等を生じないものとして、芳香族炭化水素系溶媒又は脂環式炭化水素系溶媒のごとき非極性溶媒とケトン系溶媒のごとき極性溶媒との混合溶媒の使用が好ましい。溶媒の使用量は、使用目的に応じて適宜選択されるが、硬化性組成物の溶液又は分散液の固形分濃度が、通常5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、より好ましくは20〜60重量%になる範囲である。
【0066】
硬化性組成物を溶媒中へ溶解(又は分散)する方法としては、例えば、攪拌子とマグネチックスターラーを使用した攪拌、高速ホモジナイザー、ディスパージョン、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボールミル、三本ロール等を使用した方法等が挙げられる。
【0067】
上記のようにして調製される硬化性組成物の溶液(又は分散液)は、ミクロフィルター等を用いてろ過することによって、異物を極力除去しておくのが好ましい。
【0068】
硬化性組成物の溶液(又は分散液)の基材表面への塗布方法としては特に制限はないが、例えばディップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコート法等の公知の塗布方法を用いることができる。
【0069】
溶媒除去の乾燥の条件は、溶媒の種類により適宜定められるが、乾燥温度は、通常20〜300℃、好ましくは30〜200℃であり、乾燥時間は通常30秒〜1時間、好ましくは1分から30分である。
【0070】
硬化性組成物溶液(分散液)の塗工量は、該組成物溶液(分散液)を乾燥し、硬化させて得られる硬化性組成物層の厚みが、15μm〜100μmになる範囲であることが好ましい。15μm未満となる塗工量では、耐イオンマイグレーション性や内層回路の形状がその表面に浮き出るようになることから好ましくなく、100μmを越える場合には、これらの問題は改善されるが、多層回路基板全体が厚くなり、小型化が図れなくなるおそれがある。
【0071】
基材として帯状に連続した樹脂フィルムを用い、該樹脂フィルム表面に硬化性組成物の溶液(又は分散液)を塗布、乾燥せしめて、硬化性組成物層付き樹脂フィルムを形成するには、例えば、図1に示すような連続塗工装置を用いることができる。以下、図1に示す連続塗工装置を用いる方法を例にとって、本発明を具体的に説明する。
【0072】
図1に示す塗工装置は、ロール状に巻き取られた樹脂フィルム2を塗布装置に連続的に送り出すフィルム送り出し機構1と、送り出された基材表面に硬化性組成物の溶液(又は分散液)を塗布する塗布機構3と、塗布された樹脂フィルムをライン上に送り込んで、ライン上に流しながら塗布面を乾燥し、加熱硬化することにより硬化性組成物層を形成する乾燥機構4と、硬化性組成物層付き基材フィルムの巻き取りを行うフィルム巻き取り機構5とを有する。この塗工装置全体はクリーンルーム内に設置されている。クリーンルームのクリーン度は10,000以下、好ましくは1,000以下にする。
【0073】
先ず、ロール状に巻き取られた帯状の樹脂フィルム(基材)2は、フィルム送り出し機構1により、塗布機構3内に連続的に送り込まれる。一般に、樹脂フィルムは絶縁性であるため、摩擦等により帯電しやすい。従って、基材上に硬化性組成物の溶液(又は分散液)を塗布する前に、基材表面の静電気による帯電を除去しておくのが好ましい。また、雰囲気を適度に加湿することによって、帯電を防止するのも好ましい。基材フィルムの帯電量は、好ましくは0.5kv以下にする。また、好適な湿度は40〜90%である。
【0074】
帯電除去の方法としては、例えば、硬化性組成物の溶液(又は分散液)を該樹脂フィルム表面に塗工する前に、樹脂フィルムの表面をコロナ処理等の帯電除去法、金属製のアースを基材フィルム表面近傍に設けて除電する方法、基材を送るロールとして導電性のものを用いて、そのロールをアースして除電する方法等が挙げられる。また、樹脂フィルム表面を、粘着ロール、溶剤又は水洗浄、真空吸引等のクリーニング手段によって異物を除去することによって、後述する電気絶縁層への異物の混入を防止することができる。
【0075】
また、樹脂フィルム表面に硬化性組成物溶液(又は分散液)を塗布装置により連続的に塗布する場合においては、塗布装置内に送り込まれる周辺部は局部的に減圧状態となる。そのため、空気中の微粒子(異物)が塗布装置内に吸い込まれ、塗布前の樹脂フィルム表面に付着したり、硬化性組成物溶液(又は分散液)の中に混入したり、あるいは塗布面上に付着する場合がある。従って、樹脂フィルムが塗布装置3内に送り込まれる環境を陽圧状態にしておくことにより異物の混入を防ぐのが好ましい。
【0076】
塗布機構3内に送り込まれた樹脂フィルム2は、その表面に硬化性組成物の溶液(分散液)が塗布される。塗工機構3には、例えば、ダイコータ、カーテンコータ、バーコータ、ナイフコータ、ロールコータ等の図示しない公知のコーティング装置が設置されている。硬化性組成物の溶液はタンク6の中にストックされ、配管7を経由してコーティング装置の図示しないヘッド部分へ供給される。この場合、供給される溶液に異物が混入しないように溶液を外気にさらさないようにするのが好ましい。
【0077】
また、この場合においては、硬化性組成物の溶液中の異物を除去するために、ヘッド部分へ供給する直前に該組成物溶液をフィルターに通過させることが好ましい。
【0078】
コーティング装置のヘッド部分は樹脂フィルム表面と常に一定間隔を保ち、一定量の硬化性組成物の溶液が該ヘッド部分から押し出されることによって、一定した塗工量で樹脂フィルム表面に硬化性組成物の皮膜が形成される。
【0079】
この場合において、タンク内の硬化性組成物をコーティング装置のヘッド部分へ供給する配管7が樹脂製の場合には、配管7内を硬化性組成物の溶液が流れる際の摩擦により硬化性組成物の溶液が帯電するおそれがある。帯電する場合には、前述したように微粒子状の異物を吸着しやすいので、帯電しない金属製の配管とすることが好ましい。
【0080】
また、配管7が曲線状に配列されている場合又はバルブやエルボなどの接手が多くある場合には、配管7内を通る硬化性組成物の溶液内に対流が発生しやすい。対流が発生する場合には該溶液が帯電しやすく、また、対流内部において、硬化性組成物が部分的に固化する場合がある。従って、配管7はなるべく直線状に又は接手をできるだけ少なくして配列させるのが好ましい。
【0081】
さらに、塗工時にも樹脂フィルムと溶液との摩擦によって樹脂フィルム等が帯電しやすい。そこで、帯電による異物の吸着を防止するために、塗工工程の間、塗工面に配列した別の帯電物を樹脂シートの塗工面付近に設置して、該帯電物の方へ優先的に異物を吸着させ、樹脂シートに吸着させないようにするのが好ましい。
【0082】
表面に硬化性組成物の皮膜が形成された樹脂フィルムは、ライン上を連続的に乾燥機構4に送られる。この場合には、空気中の異物が皮膜表面に付着するのを防止するために、ライン全体をカバーで覆っておくのが好ましい。
【0083】
次いで、ライン上を流れる樹脂フィルム2の硬化性組成物の皮膜表面に、乾燥した空気を送り込むことにより溶媒を除去し、硬化性組成物層を形成することができる。
【0084】
皮膜を乾燥させるには、乾燥した空気を乾燥機構4内に送り込む必要がある。このとき、乾燥空気に異物が含まれる場合には、硬化性組成物の皮膜の表面に異物が付着するおそれがある。従って、送り込む乾燥空気は、エアーフィルター等を通して異物のないきれいな空気とする必要がある。また、乾燥空気の送付量が多ければ多いほど異物が混入する危険性は高くなるので、乾燥空気の供給量は可能な限り低減するのが好ましい。
【0085】
以上のようにして得られた硬化性組成物層付き樹脂フィルムは、フィルム巻き取り機構5に送られ、保管及び運搬のためにロール状に巻き取られる。この場合においても、巻き取り前に、例えば粘着ロール等によって硬化性組成物層表面に付着した異物を除去するのが好ましい。
【0086】
また、フィルムを巻き取る場合には、硬化性組成物層と樹脂フィルムの裏面とが接触することによって、硬化性組成物層の表面に異物が付着するおそれがある。従って、硬化性組成物層の表面を保護フィルムでカバーないしはラミネートしながらフィルムを巻き取るのが好ましい。又、巻き取るための芯は、プラスチック製、金属製のものを用いることが異物混入を防止する上で好ましい。
【0087】
ロール状に巻き取られた硬化性組成物層付き樹脂フィルムは、その後梱包され、搬送される。この場合においても、梱包資材から異物が混入しないように、クリーンな輸送容器を用いるのが好ましい。
【0088】
さらに、硬化性組成物層付き樹脂フィルムはカッテングされる場合がある。この場合においても、カッテングの際に生じる微粒子状のごみや塵等が硬化性組成物層の表面に付着しないように注意する必要がある。
【0089】
以上のようにして、総合的に硬化性組成物層の異物が混入するのを極力防止することができる。なお、上記に示した塗工装置による硬化性組成物層の製造例は、あくまで本発明の一実施形態である。他の公知の塗工装置に上述したと同様な改良を加え、又は各工程において上述と同様な異物混入防止のための種々の改良を行うことによって、硬化性組成物層に異物の混入が極力防止された絶縁材料を製造することができる。
【0090】
本発明の絶縁材料は、内層基板と積層されて多層回路基板の製造に好適である。内層基板は、電気絶縁層(1)上に形成された導電体回路(1)を有する。電気絶縁層(1)は、公知の電気絶縁材料(例えば、脂環式オレフィン重合体、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、ポリフェニルエーテル、ガラス等)を含有する硬化性樹脂組成物を硬化してなる。
【0091】
導電体回路(2)は、導電性金属等の導電体により形成された電気回路であって、その回路構成などは通常の多層回路基板に用いられているものと同様なものが使用できる。内層基板の具体例としては、プリント配線基板、シリコンウェーハ基板等が挙げられる。内層基板の厚みは、通常50μm〜10mm、好ましくは60μm〜5mmである。
【0092】
積層は硬化性組成物層が内層基板面に接するように重ね合わせ、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータ等の加圧機を使用して加熱圧着することにより行う。この場合、重ね合わせ面に異物が付着しないように、クリーンな雰囲気で行う必要がある。
【0093】
内層基板に積層する場合には、基材を剥離した後に加熱・硬化させることがもできるが、基材が付いたままで、加熱ロールを用いて内層基板と連続的に張り合わせることもできる。
【0094】
また加熱圧着は配線への埋め込み特性を向上させ、気泡等の発生を抑えるために真空下に行うのが好ましい。加熱圧着時に温度は、通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃、圧着圧力は、通常0.1〜200kg/cm2、好ましくは1〜100kg/cm2、圧着時間は、通常30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間であり、通常760mmHg〜0.01mmHg、好ましくは300mmHg〜0.1mmHgに減圧する。
【0095】
圧着した後、硬化性組成物層を効果させて電気絶縁層を形成させる。硬化性組成物を硬化するための温度は、硬化剤の種類等により異なるが、通常30〜400℃、好ましくは70〜300℃、より好ましくは100〜200℃であり、硬化時間は、通常0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間である。
【0096】
得られた積層物に基材が付いている場合は基材をすべて除去し、電気絶縁層上に新たな導電回路(2)を形成する。基材が導電性物質(金属箔等)の場合には該導電性物質の一部又は全部を残して、そのまま導電体回路(2)として利用することもできる。
【0097】
導電体回路を形成する方法としては、無電解めっきのごとき湿式めっき法や、スパッタリング、真空蒸着等の乾式めっき法が挙げられる。この場合、電気絶縁層と導電体回路(2)との密着力を高めるために、予め電気絶縁層の表面を過マンガン酸塩やクロム酸塩等の溶液を接触させ、あるいはプラズマ処理等を施すのが好ましい。
【0098】
さらに、導電体回路(2)を形成して得られた基板を新たな内層基板として、その上に電気絶縁層及び導電体回路を幾層にも積層することができる。このようにして得られた多層回路基板は、通常、電気絶縁層で区切られた下層の導電体回路と上層の導電体回路とをビアコンタクト(スルーコンタクト)で導通させる。ビアコンタクト(スルーコンタクト)は、ドリル、レーザー等の物理的処理等によってビアホール(スルーホール)を形成し、そこへ導電性物質を埋め込むことによって形成することができる。
【0099】
これらの方法のうち、電気絶縁層の特性を低下させず、より微細なビアホールを形成できる炭酸ガスレーザー、エキシマレーザー、UV−YAGレーザー等のレーザーによる方法が好ましい。
【0100】
特に本発明の絶縁材料は、粒径が50μm以下の範囲にある異物の含有量を少なくした硬化性組成物層を有しているので、孔径が50μm以下の精密なビアホールやスルーホールを形成することができ、また、該ホール中へ導電性物質を完全に埋め込むことができる。
【0101】
このようにして得られる多層回路基板は、コンピューターや携帯電話等の電子機器において、CPUやメモリ等の半導体素子、その他の実装部品を実装するためのプリント配線板として使用することができる。
【0102】
【実施例】
次に、図1に示す塗工装置を用いる本発明の絶縁材料を製造例により、更に詳細に説明する。
【0103】
(製造例)
エチルテトラシクロドデンセンを開環重合し、次いで水素添加率99%以上になるように水素添加反応を行うことにより、数平均分子量(Mn)=32,200、重量平均分子量(Mw)=55,800、ガラス転移温度(Tg)=140℃の開環重合体水素添加物を得た。
【0104】
この開環重合体水素添加物28重量部、無水マレイン酸10重量部及びジクミルパーオキサイド3重量部を、t−ブチルベンゼン130重量部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。得られた反応生成物溶液を多量のメタノール中に注ぎ、反応生成物を凝固させた。凝固物を100℃で20時間真空乾燥し、マレイン酸変性重合体水素添加物を得た。この重合体水素添加物の分子量はMn=33,200、Mw=68,300であり、Tgは170℃であった。また、この重合体の水素添加物のマレイン酸基含有率は約25モル%であった。
【0105】
次いで、得られたマレイン酸変性開環重合体水素添加物100重量部、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:アラルダイトAER8049;旭チバ(株)製)50重量部、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール0.1重量部、五酸化アンチモン10重量部及びシリコンレジン(商品名:トスパール、東芝シリコン(株)製)5重量部を、キシレン135重量部及びシクロペンタノン90重量部の混合溶媒に溶解させて硬化性組成物の溶液を得た。
【0106】
(比較例)
得られた硬化性組成物の溶液を、孔径3ミクロンのテフロン製精密フィルターでろ過した後、これを350mm角、厚さ50μのポリエチレンテレフタレートフィルム上にバーコータを用いて通常の室内で塗工し、50℃で70秒間、90℃で70秒間、120℃で70秒間、加熱・乾燥して厚さ50μmのフィルムを得た。
【0107】
(実施例1)
前記図1の塗工装置をクラス100(0.5μm)以下のクリーンルーム内に設置し、硬化性組成物の溶液を、孔径3ミクロンのテフロン製精密フィルターでろ過した後、これを巾350mm、厚さ50μのポリエチレンナフタレート(商品名:デオネックスフィルム、テイジンデュポン(株)製)フィルム上にダイコータを用いて塗工し、50℃の乾燥炉70sec、90℃の乾燥炉70sec、120℃の乾燥炉70sec間加熱・乾燥させることで、厚さ50μm、長さ100mの長尺ロール状のフィルムを得た。
【0108】
(実施例2)
実施例1において、基材フィルム巻き出し部から塗工ヘッド間に、樹脂フィルム(基材)表面の異物を除去するための粘着ロールによる異物除去装置を取り付けた以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの絶縁フィルムを得た。
【0109】
(実施例3)
実施例2において、基材フィルム巻き出し部から塗工ヘッド部間に、樹脂フィルム表面の帯電を除去する装置を設置し、塗工時の基材フィルムの帯電量を0.5kv以下にし、クリーンルーム内の湿度を60%に制御した以外は実施例1と同様にしてし、厚さ50μmの絶縁フィルムを得た。
【0110】
(実施例4)
実施例3において、塗工装置を陽圧にし、塗工ヘッド部へ硬化性組成物の溶液を送る配管を可能な限り真っ直ぐに配管した金属製に変更し、乾燥空気をフィルターを通過させたものとし、巻き取りの芯を樹脂製とした以外は実施例1と同様にして、厚さ50μmの絶縁フィルムを得た。
【0111】
(硬化性組成物層に混入した異物の粒子径及び個数の測定)
クリーンルーム内にて、上記実施例及び比較例で得られた長尺帯状の絶縁材料の中央部を幅方向に長く切り抜いた。次いで、図2に示すように、上記実施例で得られた絶縁材料から樹脂フィルムを剥離して硬化性組成物層のフィルムを得、これをプラスチック枠8で挟み、上下のスライドグラス9との間に約3mmの空間をとり、硬化性組成物層10以外にピントが合わない設定として、このものを測定試料とした。
【0112】
得られた実施例及び比較例の各試料を、X、Y、Z方向の移動距離を確認できる光学顕微鏡で走査し、モニター画面(倍率200倍)及びビデオプリンターで出力した写真(倍率125倍)にて、異物をカウントした。被写体深度が硬化性組成物層の厚みよりも大きい条件によって測定した。この測定法によれば、硬化性組成物層に含まれる異物のみを測定できるので、測定誤差が少なく、異物の確認も容易である。
【0113】
測定は、走査距離1.0mm×0.5mmの面積で、Y軸方向に1.0mmずつ移動させ、合計200区画(総測定面積1.0cm2)を測定した。また、モニター画面上で別途作成したスケールを目安として、異物の粒径を確認し、粒径の大きさ別にカウントした。
【0114】
測定結果を第1表に示す。第1表中、横列は異物の粒径を表し、表中の数字は観察によりカウントした異物の個数を表している。
【0115】
(絶縁抵抗試験)
先ず、内層基板上に、配線間隔50μ、配線巾50μの櫛形電極を形成し、そこへ、上記実施例及び比較例で得られた絶縁材料を硬化性組成物層を電極に面するようにして重ね合わせ、真空ラミネータを用いて、1mmHgの減圧下で、温度150℃、圧着圧力5kgf/cm2で10分間圧着させた。次いで、硬化性組成物層を硬化させて電気絶縁層(2)を形成し、支持フィルムを剥離して多層回路基板を得た。
【0116】
次いで、得られた各多層回路基板を直流電圧50Vにて120℃の飽和水蒸気条件下に放置し、300時間経過後の櫛形電極間の抵抗値を測定した。抵抗が109Ω以上のものは◎、108Ω以上109未満のものは○、108Ω未満で短絡していないものは△、短絡しているものは×と評価した。結果を第1表に示す。
【0117】
(埋め込み特性の評価試験)
上記で得られた各多層回路基板を切断し、走査電子顕微鏡にて切断面を観察した。配線100本について、空隙を生じている配線が1本もない場合を◎、1〜3本の場合を○、4〜6本の場合を△、7本以上の場合を×とした。結果を第1表に示す。
【0118】
(クラックの発生量の測定)
上記で得られた各多層回路基板の電気絶縁層(2)を上面より目視観察した。1cm2あたりにクラックが全く無い場合を○、1〜5カ所以上の場合を△、6カ所以上の場合を×とした。結果を第1表に示す。
【0119】
【表1】
【0120】
第1表より明らかなように、実施例の絶縁フィルムは比較例に比して、電気絶縁層に粒径30〜50μmの範囲内にある異物の存在量が極端に軽減されていることがわかる。また、粒径30μm以下の異物についても同様である。
【0121】
また、実施例の多層回路基板は、比較例に比してクラックの発生量は極めて少なく、優れた絶縁抵抗性及び埋め込み特性を有していることが分かった。
【0122】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、粒径が30〜50μmの範囲にある異物を1cm2あたり0〜50個と少なくした硬化性組成物層を有する絶縁材料を得ることができる。本発明に係る絶縁材料を用いることにより、微細な配線形成やスルーホール、ビアホールを形成することが可能となる。
【0123】
また、本発明の絶縁材料の製造方法によれば、従来の製造ラインの主要部に大きな変更を加えることなく、粒径の細かい異物、特に粒径が30〜50μmの範囲にある異物を極力少なくした硬化性組成物層を有する絶縁材料を製造することができる。従って、本発明の絶縁材料を用いることにより、密着性や埋め込み特性、絶縁抵抗性に優れ、クラックの発生のない多層回路基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁材料を連続塗工装置で製造する概略図である。
【図2】本発明の絶縁材料の硬化性組成物層中又はその表面に存在する異物を、光学顕微鏡で観察するための試料の断面図である。
【符号の説明】
1…フィルム送り出し機構
2…樹脂フィルム(基材)
3…塗布機構
4…乾燥機構
5…フィルム巻き取り機構
6…タンク
7…配管
8…プラスチック枠
9…スライドグラス
10…硬化性組成物層
Claims (5)
- 極性基を有する脂環式オレフィン重合体とイオン性硬化剤を含む硬化性組成物の溶液からろ過により異物を除去する工程と、湿度40〜90%の雰囲気下で、樹脂フィルムからなる基材表面に帯電する静電気を除去することにより、基材の帯電量を0.5kV以下にする工程と、前記静電気を除去した基材上に、前記異物を除去した硬化性組成物の溶液により塗布層を形成する工程と、該塗布層を乾燥する工程とを含み、かつ、すべての工程をクリーン度10,000以下のクリーンルーム内で行う、基材と該基材上に積層された硬化性組成物層を有し、該硬化性組成物層は粒径30〜50μmの範囲にある異物の含有量が1cm2あたり0〜10個である絶縁材料の製造方法。
- 前記基材上に硬化性組成物の溶液により塗布層を形成する工程の前に、該基材表面に存在する異物を除去する工程を含む請求項1記載の絶縁材料の製造方法。
- 前記塗布層を乾燥する工程の後に、硬化性組成物層表面に存在する異物を除去する工程を含む請求項1記載の絶縁材料の製造方法。
- 前記塗布層を乾燥する工程の後に、硬化性組成物層表面に保護フィルムを積層する工程を含む請求項1〜3のいずれかに記載の絶縁材料の製造方法。
- 前記絶縁層(1)とその表面に形成された導電体回路(1)を有する内層基板に、請求項1〜4のいずれかに記載の製造方法により得られた絶縁材料を硬化性組成物層が接するように積層する工程と、基材を除去する工程と、硬化性組成物層を硬化させて電気絶縁層(2)を形成する工程と、及び電気絶縁層(2)の表面に導電体回路(2)を形成する工程とを含む多層回路基板の製造方法。
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