JPWO2007111314A1 - 多層プリント配線板の製造方法および複合フィルム - Google Patents

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Abstract

本発明は、電気絶縁層の表面が平坦で、さらに該電気絶縁層への配線パターンの埋め込み性に優れる、多層プリント配線板の製造方法、および該製造方法に好適に用いられる複合フィルムを提供することを目的としている。本発明に係る積層体の製造方法は、表面に導体層を有する基板上に、100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルムを介して、電気絶縁層形成用絶縁フィルムを圧着する工程を有する。また、本発明に係る複合フィルムは、上記クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる。

Description

本発明は、多層プリント配線板の製造方法および該製造方法に好適に用いられる複合フィルムに関する。更に詳しくは、表面平坦性に優れた多層プリント配線板の製造方法、およびクッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルムに関する。
最近の半導体回路の微細化および高多層化、スルーバイアホールやブラインドバイアホール等の小径化、ならびに小型チップ部品の表面実装などによる回路基板の高密度化に伴い、電子機器の小型軽量化、高性能化、および多機能化が進んでいる。こうした高密度実装基板の一つである多層プリント配線板は、導電体回路と電気絶縁層とが交互に積み上げられた積層体である。導電体回路(配線層)上に電気絶縁層を積み上げる方法としては、表面に導電体回路を有する基板(以下、内層基板ということがある)に、電気絶縁性樹脂のフィルム状又はシート状成形物を重ね、加熱及び加圧することによって積層する方法が一般的である。
近年、この積層方法に関して、真空ラミネータなどの積層装置内で、減圧環境下でプレス板を用いて加熱及び加圧(加熱圧着)する方法が検討されている(特許文献1)。プレス板を用いた加熱及び加圧に際しては、内層基板の上に、支持フィルム上に形成された電気絶縁性樹脂の成形物を重ね合わせた後、当該成形物の上から、耐熱ゴムシートを介して加熱及び加圧することが開示されている(特許文献2)。このようなプレス板を用いた積層装置は、成形物への配線パターンの埋め込み不良や成形物表面のシワが生じにくい点で、従来のロール式ラミネータより優れている。
しかし、プレス板を用いた積層装置によっても、耐熱ゴムシートを介して成形物を加熱及び加圧しただけでは、当該加熱及び加圧後の成形物表面に、導電体配線パターンの凹凸に追従した凹凸が表面に残ってしまう。こうした凹凸は、多層回路基板に重ねる層の数が増すにつれ、より重要な問題となっている。そこで、前記加熱及び加圧された成形物の表面を平滑化する手法として、特定の厚さを有する耐熱ゴムシートを介して加熱及び加圧する方法が提案されている(特許文献3)。しかしこの方法では、耐熱ゴムシートと得られる電気絶縁層が過度に密着して剥離が困難になる場合があった。また、内層基板上の導電体回路の、厚い配線上に形成される電気絶縁層の平坦性は、依然不十分となる場合があった。
特開平11−320682号公報 特開2000−228581号公報 特開2003−289180号公報
本発明の目的は、電気絶縁層の表面が平坦で、さらに該電気絶縁層への配線パターンの埋め込み性に優れる、多層プリント配線板の製造方法、および該製造方法に好適に用いられる複合フィルムを提供することである。
本発明者は鋭意検討の結果、基板上に、特定のクッション性フィルムを介して電気絶縁層形成用絶縁フィルムを圧着することで上記課題を解決できることを見出し、この知見に基づき本発明を完成するに到った。
かくして本発明によれば、下記(1)〜(8)が提供される。
(1)表面に導体層を有する基板上に、100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルムを介して、電気絶縁層形成用絶縁フィルムを圧着する工程を有する多層プリント配線板の製造方法。
(2)前記電気絶縁層形成用絶縁フィルムが前記クッション性フィルムに支持されていることを特徴とする(1)記載の製造方法。
(3)さらに、クッション性フィルムを剥離する工程を有す(1)または(2)記載の製造方法。
(4)電気絶縁性樹脂が有機溶剤に溶解または分散してなるワニスを、100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルム上に塗布し、乾燥し、クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムを製造する工程、
および、該クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムを、その電気絶縁層形成用絶縁フィルムと導体層が面するように重ねる工程を有する(2)または(3)記載の製造方法。
(5)基板上に圧着された電気絶縁層上に、さらに導体層を形成する工程を有する(3)記載の製造方法。
(6)クッション性フィルムが、クッション性ポリエステルフィルムである(1)ないし(5)のいずれかに記載の製造方法
(7)上記(1)ないし(6)のいずれかに記載の製造方法で得られる多層プリント配線板。
(8)上記(7)に記載の多層プリント配線板を備えた電子機器。
(9)100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルム。
本発明によれば、電気絶縁層への配線パターンの埋め込み性に優れ、かつ該電気絶縁層の表面が平坦な多層プリント配線板が得られる。本発明の多層プリント配線板は、コンピューターや携帯電話等の電子機器における、CPUやメモリなどの半導体素子、その他の実装部品用基板として好適に使用できる。
本発明の多層プリント配線板の製造方法は、表面に導体層を有する基板(内層基板)上に、100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルムを介して、電気絶縁層形成用絶縁フィルムを圧着して導体層上に電気絶縁層を形成する工程を有する。
(クッション性フィルム)
本発明に用いるクッション性フィルムは、100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であり、クッション性を有するフィルムである。ここで、「クッション性を有するフィルム」とは、フィルムに荷重をかけて圧縮したときに厚さが一定量減少し、その後更に荷重をかけても、もはやフィルムの厚さは変化せず、クッション性を持たないフィルムと同じ弾性挙動を示すフィルムであり、荷重と厚さの関係において、ある一定荷重以上では、荷重を増加させても厚さが変化しないものである。なお、ここで「クッション性を持たないフィルム」とは、上記一定荷重をかけたときの厚さ変化が1%未満のフィルムである。
クッション性フィルムの厚さと、荷重をかけたときの厚さの減少率は、内層基板上の配線の厚さ、配線パターン、および電気絶縁層形成用絶縁フィルムの流動性などを考慮して、必要に応じて適宜選択される。クッション性フィルムの厚さは、通常10〜200μm、好ましくは20〜100μm、より好ましくは30〜70μmである。また、荷重を0.5MPaかけたときの厚さの減少率は、荷重をかける前の厚さに対し、通常1〜50%、好ましくは3〜40%、より好ましくは5〜30%である。クッション性フィルムの厚さが厚すぎたり、荷重をかけたときの厚さの減少率が大きすぎたりすると、得られる電気絶縁層の平坦性が低下する場合がある。一方、クッション性フィルムの厚さが薄すぎたり、荷重をかけたときの厚さの減少率が小さすぎたりすると、配線パターンの埋め込み性が低下する場合がある。
クッション性フィルムの100℃における圧縮弾性率は、200MPa以上、好ましくは220MPa以上、より好ましくは250MPa以上である。100℃における圧縮弾性率は、例えば、微小硬度計を用いて測定することができる。
このようなクッション性フィルムを用いると、加圧によってある程度変形するので、電気絶縁層形成用絶縁フィルムの内層基板への埋め込み性に優れ、かつ変形後は大きな弾性率を持つことから、得られる電気絶縁層の表面の平坦性にも優れる。
クッション性フィルムの構造は特に限定されないが、内部に微細な空隙を有する発泡フィルムであることが好ましい。空隙の平均径は、好ましくは0.05〜5μm、より好ましくは0.1〜3μmである。発泡フィルム内部の空隙率は、通常1〜50%、好ましくは3〜40%、より好ましくは5〜30%である。
クッション性フィルムの材質は特に限定されず、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレンナフタレート、およびポリアリレートなどのポリエステル;ポリエチレンおよびポリプロピレンなどのポリオレフィン;ポリウレタン;およびナイロンなどが挙げられる。中でも、耐熱性や耐薬品性、積層後の剥離性などの観点からポリエステルが好ましく、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
(電気絶縁層形成用絶縁フィルム)
本発明に用いる電気絶縁層形成用絶縁フィルムは、少なくとも電気絶縁性樹脂を含有する樹脂組成物のフィルム状成形物である。樹脂組成物に用いられる電気絶縁性樹脂は、ASTM D257による体積固有抵抗が、1×10Ω・cm以上、好ましくは1×1010Ω・cm以上の重合体からなる樹脂である。かかる重合体の具体例としては、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル重合体、ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合体、液晶ポリマー、およびポリイミド樹脂などが挙げられる。これらの中でも、脂環式オレフィン重合体、芳香族ポリエーテル重合体、ベンゾシクロブテン重合体、シアネートエステル重合体およびポリイミド樹脂が好ましく、脂環式オレフィン重合体および芳香族ポリエーテル重合体がより好ましく、脂環式オレフィン重合体が特に好ましい。
本発明において、脂環式オレフィン重合体は、脂環式オレフィンの単独重合体及び共重合体並びにこれらの誘導体(水素添加物等)のほか、これらと同等の構造を有する重合体の総称である。また、重合の様式は、付加重合であっても開環重合であってもよい。
具体的には、ノルボルネン環を有する単量体(以下、ノルボルネン系単量体という)の開環重合体およびその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加共重合体、単環シクロアルケン付加重合体、脂環式共役ジエン重合体、ビニル系脂環式炭化水素重合体及びその水素添加物を挙げることができる。更に、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物等の、重合後の水素化によって脂環構造が形成されて、脂環式オレフィン重合体と同等の構造を有するに至った重合体も含まれる。これらの中でも、ノルボルネン系単量体の開環重合体およびその水素添加物、ノルボルネン系単量体の付加重合体、ノルボルネン系単量体とビニル化合物との付加共重合体、芳香族オレフィン重合体の芳香環水素添加物が好ましく、特にノルボルネン系単量体の開環重合体の水素添加物が好ましい。脂環式オレフィンや芳香族オレフィンの重合方法、及び必要に応じて行われる水素添加の方法は、格別な制限はなく、公知の方法に従って行うことができる。
脂環式オレフィン重合体はさらに極性基を有するものが好ましい。極性基としては、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アルコキシル基、エポキシ基、グリシジル基、オキシカルボニル基、カルボニル基、アミノ基、エステル基、カルボン酸無水物基などが挙げられ、特に、カルボキシル基およびカルボン酸無水物基が好適である。極性基を有する脂環式オレフィン重合体を得る方法は特に限定されないが、例えば、(i)極性基を含有する脂環式オレフィン単量体を、単独重合し、又は、これと共重合可能な単量体と共重合する方法;(ii)極性基を含有しない脂環式オレフィン重合体に、極性基を有する炭素−炭素不飽和結合含有化合物を、例えばラジカル開始剤存在下で、グラフト結合させることにより、極性基を導入する方法;等が挙げられる。
(i)の方法に用いられる、極性基を含有する脂環式オレフィン単量体としては、8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−カルボキシメチル−5−ヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−メチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−カルボキシメチル−8−ヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、5−エキソ−6−エンド−ジヒドロキシカルボニルビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、8−エキソ−9−エンド−ジヒドロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどのカルボキシル基含有脂環式オレフィン単量体;ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸無水物、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン−8,9−ジカルボン酸無水物、ヘキサシクロ[6.6.1.13,6.110,13.02,7.09,14]ヘプタデカ−4−エン−11,12−ジカルボン酸無水物などの酸無水物基含有脂環式オレフィン単量体;が挙げられる。
(ii)の方法に用いられる、極性基を含有しない脂環式オレフィン重合体を得るための単量体の具体例としては、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン(慣用名:ノルボルネン)、5−エチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ブチル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−メチリデン−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、5−ビニル−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−2−エン、トリシクロ[4.3.0.12,5]デカ−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、テトラシクロ[8.4.0.111,14.02,8]テトラデカ−3,5,7,12,11−テトラエン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]デカ−3−エン(慣用名:テトラシクロドデセン)、8−メチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エン、ペンタシクロ[6.5.1.13,6.02,7.09,13]ペンタデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.0.13,6.110,13.02,7]ペンタデカ−4,11−ジエン、シクロペンテン、シクロペンタジエン、1,4−メタノ−1,4,4a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン、8−フェニル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカ−3−エンなどが挙げられる。
また、(ii)の方法に用いられる、極性基を有する炭素−炭素不飽和結合含有化合物としては、アクリル酸、メタクリル酸、α−エチルアクリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリル酸、2−ヒドロキシエチルメタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、メチル−エンドシス−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸などの不飽和カルボン酸化合物;無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラコン酸などの不飽和カルボン酸無水物;などが挙げられる。
このような電気絶縁性重合体の分子量は特に限定はされないが、数平均分子量が好ましくは5,000〜50,000、さらに好ましくは7,000〜35,000であり、また重量平均分子量が好ましくは15,000〜150,000、さらに好ましくは20,000〜100,000であることが望ましい。電気絶縁性重合体の分子量が上記範囲にあると、特に配線パターンへの埋め込み性に優れる。
また、電気絶縁性重合体のガラス転移温度(Tg)は特に限定はされないが、好ましくは100〜300℃、さらに好ましくは120〜250℃であることが望ましい。電気絶縁性重合体のガラス転移温度が上記範囲にあると、熱圧着時の流動性が優れ、配線パターンへの埋め込み性がさらに改善される。
さらに、電気絶縁性重合体が酸無水物基含有重合体である場合には、酸無水物基含有率(重合体中の総単量体単位数に対する、重合体に含まれる酸無水物基のモル数の割合)は、特に限定はされないが、好ましくは5〜60モル%、さらに好ましくは10〜50モル%であることが望ましい。電気絶縁性重合体の酸無水物基含有率が上記範囲にあると、配線パターンへの接着性が向上する。
樹脂組成物は、硬化剤を含有する硬化性樹脂組成物であることが好ましい。硬化剤としては、イオン性硬化剤、ラジカル性硬化剤又はイオン性とラジカル性とを兼ね備えた硬化剤等、一般的なものを用いることができ、特にビスフェノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテルのようなグリシジルエーテル型エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル型エポキシ化合物などの多価エポキシ化合物が好ましい。また、エポキシ化合物の他に、1,3−ジアリル−5−[2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル]イソシアヌレートなどの炭素−炭素二重結合を有して架橋反応に寄与する非エポキシ系硬化剤を用いることもできる。
硬化剤の使用量は、電気絶縁性樹脂100重量部に対して、通常1〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、より好ましくは10〜50重量部の範囲である。
硬化性樹脂組成物は、さらに硬化促進剤や硬化助剤を含有していてもよい。例えば、硬化剤として多価エポキシ化合物を用いた場合には、硬化反応を促進させるために、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾールなどの第3級アミン化合物や、三弗化ホウ素錯化合物などの、硬化促進剤や硬化助剤を使用するのが好ましい。硬化促進剤および硬化助剤の合計量は、硬化剤100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.05〜7重量部、より好ましくは0.1〜5重量部である。
樹脂組成物には、この他、難燃剤、軟質重合体、耐熱安定剤、耐候安定剤、老化防止剤、レベリング剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、ワックス、乳化剤、充填剤、紫外線吸収剤などの添加剤を含有させることができる。
上記の樹脂組成物をフィルム状に成形して、電気絶縁層形成用絶縁フィルムが得られる。電気絶縁層形成用絶縁フィルムの厚さは、通常0.1〜150μm、好ましくは0.5〜100μm、より好ましくは1〜80μmである。成形の方法は特に限定されないが、上記の各成分を有機溶剤に溶解または分散させてワニスとし、これを支持体の上に塗布し、乾燥する方法(溶液キャスト法)が好ましい。用いられる有機溶剤は、沸点が好ましくは30〜250℃、より好ましくは50〜200℃のものである。沸点がこの範囲であると、後に加熱して揮散させ、乾燥するのに好適である。かかる有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタンなどの脂肪族炭化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどを挙げることができる。
ワニスの調製法に格別な制限はなく、例えば、電気絶縁性樹脂、有機溶剤および必要に応じ配合される任意成分を常法に従って混合すればよい。混合に用いられる混合機としては、マグネチックスターラー、高速ホモジナイザー、ディスパー、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボールミル、三本ロールなどを挙げることができる。混合温度は、硬化剤による硬化反応を起こさない範囲で、かつ有機溶剤の沸点以下が好ましい。有機溶剤の使用量は、所望の電気絶縁層形成用絶縁フィルムの厚さに応じて適宜選択されるが、ワニスの固形分濃度が、通常5〜70重量%、好ましくは10〜65重量%、より好ましくは20〜60重量%になる範囲である。
溶液キャスト法に用いられる支持体としては、樹脂フィルムや金属箔などが挙げられる。支持体の厚さは特に制限されないが、作業性等の観点から、通常1μm〜200μm、好ましくは2μm〜100μm、より好ましくは3〜50μmである。
樹脂フィルムとしては、通常、熱可塑性樹脂フィルムが用いられ、具体的には、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、ナイロンフィルムなどが挙げられる。これら樹脂フィルムのうち、耐熱性や耐薬品性、積層後の剥離性などの観点からポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルムが好ましい。
支持体は、クッション性フィルムであってもよい。支持体として上記のクッション性フィルムを用いると、本発明の複合フィルム、すなわちクッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムを得ることができる。
金属箔としては、例えば、銅箔、アルミ箔、ニッケル箔、クロム箔、金箔、銀箔などが挙げられる。導電性が良好で安価である点から、銅箔、特に電解銅箔や圧延銅箔が好適である。
このほか、ワニスを有機合成繊維やガラス繊維などの繊維基材に含浸させてプリプレグを形成することもできる。
塗布方法として、デイップコート、ロールコート、カーテンコート、ダイコート、スリットコートなどの方法が挙げられる。また有機溶剤の除去乾燥の条件は、有機溶剤の種類により適宜選択され、乾燥温度は、通常20〜300℃、好ましくは30〜200℃、より好ましくは70〜140℃である。乾燥時間は、通常30秒〜1時間、好ましくは1分〜30分である。
乾燥により支持体上に形成された電気絶縁層形成用絶縁フィルムは、支持体から剥離して使用することができる。また、所望により、支持体から剥離せずにそのまま内層基板との圧着に用いてもよい。特に、支持体としてクッション性フィルムを用いて本発明の「クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルム」を得て、これをそのまま内層基板との圧着に用いると、簡便な工程で表面の平坦性に優れる電気絶縁層を内層基板上に形成することができるので、好ましい。
(内層基板)
本発明に用いる、表面に導体層を有する基板(内層基板)は、電気絶縁性基板の表面に導体層を有するものである。電気絶縁性基板は、公知の電気絶縁材料を含有する硬化性樹脂組成物を硬化して形成されたものである。該電気絶縁材料としては、例えば、脂環式オレフィン重合体、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、ポリフェニルエーテル、ガラス等が挙げられる。また、上記本発明の硬化物も用いることができる。これらはさらにガラス繊維、樹脂繊維などを強度向上のために含有させたものであっても良い。
導体層は、特に限定されないが、通常、導電性金属等の導電体により形成された配線を含む層であって、更に各種の回路を含んでいてもよい。配線や回路の構成、厚さ等は、特に限定されない。内層基板の具体例としては、プリント配線基板、シリコンウエハー基板等を挙げることができる。内層基板の厚さは、通常、20μm〜2mm、好ましくは30μm〜1.5mm、より好ましくは50μm〜1mmである。
内層基板は、電気絶縁層との密着性を向上させるために、導体層表面に前処理が施されていることが好ましい。前処理の方法としては、公知の技術が特に限定されず使用できる。例えば、導体層が銅からなるものであれば、強アルカリ酸化性溶液を導体層表面に接触させて、導体表面に酸化銅の層を形成して粗化する酸化処理方法、導体層表面を先の方法で酸化した後に水素化ホウ素ナトリウム、ホルマリンなどで還元する方法、導体層にめっきを析出させて粗化する方法、導体層に有機酸を接触させて銅の粒界を溶出して粗化する方法、および導体層にチオール化合物やシラン化合物などによりプライマー層を形成する方法等が挙げられる。これらの内、微細な配線パターンの形状維持の容易性の観点から、導体層に有機酸を接触させて銅の粒界を溶出して粗化する方法、及び、チオール化合物やシラン化合物などによりプライマー層を形成する方法が好ましい。
本発明の多層プリント基板の製造方法では、この内層基板の導体層に面するように、上記電気絶縁層形成用絶縁フィルムを重ね、上記クッション性フィルムを介して、加圧により圧着して導体層上に電気絶縁層を形成する。ここで、クッション性フィルムを介して、電気絶縁層形成用絶縁フィルムを基板に圧着するとは、電気絶縁層形成用絶縁フィルムと後述する加圧機との間に、クッション性フィルムが存在する状態で加圧を行い、電気絶縁層形成用絶縁フィルムを基板に圧着することを言う。この際、電気絶縁層形成絶縁フィルムとクッション性フィルムとの間には、さらに他のフィルムが介在してもよく、また加圧機とクッションフィルムとの間に、さらに他のフィルムが介在していてもよい。なお、本発明では、上記電気絶縁層形成用絶縁フィルムおよびクッション性フィルムは、それぞれ独立したフィルムとして使用してもよく、またクッション性フィルムに電気絶縁層形成用絶縁フィルムを支持してなる複合フィルムとして使用してもよい。また、電気絶縁層形成用絶縁フィルムは2枚以上を重ねて用いてもよい。また、形成された内層基板に圧着された電気絶縁層に必要に応じ逆スパッタリング処理や酸化処理などの表面処理を施し、ここに電気絶縁層形成用絶縁フィルムおよびクッション性フィルムを重ねて電気絶縁層を形成する工程を繰り返してもよい。
加圧に用いる装置は特に限定されないが、加圧ラミネータ、プレス、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネータなどの加圧機が用いられる。中でも、配線パターンの埋め込み不足等の欠陥を低減し、表面が平坦な電気絶縁層を得るとの観点から、真空ラミネータなどの加圧機を使用し、プレス板を介して加圧することが好ましい。プレス板としては、ステンレス、アルミ、銅などの金属板、耐熱強化ガラス板や耐熱ポリマー板等が用いられるが、耐久性と熱伝導性のバランスの観点から金属製のプレス板が好ましい。
クッション性フィルムは、1枚を単独で用いても、2枚以上を併用してもよい。荷重をかけたときの厚さの減少率や圧縮弾性率の異なる2種以上のクッション性フィルムを併用すると、得られる電気絶縁層への配線パターンの埋め込み性や電気絶縁層表面の平坦性を調節することができる。また、加圧時に、クッション性を有さないフィルムや金属箔を併用してもよい。具体的には、内層基板、電気絶縁層形成用絶縁フィルムおよびクッション性フィルムをこの順に重ねた上から、さらにクッション性を有さないフィルムを重ねてから加圧する方法が採用できる。また、内層基板の導体層上に重ねられた電気絶縁層形成用絶縁フィルムの上にクッション性を有さないフィルムまたは金属箔を重ね、その上から上記クッション性フィルムを重ねて加圧してもよい。クッション性を有さないフィルムまたは金属箔としては、前記電気絶縁層形成用絶縁フィルムの製造において、支持体として挙げた樹脂フィルムまたは金属箔をいずれも用いることができる。
支持体上に形成された電気絶縁層形成用絶縁フィルムは、支持体から剥離せずにそのまま用いてもよい。例えば、クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる本発明の複合フィルムを用いる場合には、複合フィルムの電気絶縁層形成用絶縁フィルム側の面を内層基板の導体層に面するように重ね、必要に応じ他のクッション性フィルムやクッション性を有さないフィルムを重ねて加圧する方法が挙げられる。また、支持体がクッション性を有さないフィルムまたは金属箔である電気絶縁層形成用絶縁フィルムを用いる場合には、該電気絶縁層形成用絶縁フィルム側の面を内層基板の導体層に面するように重ね、その上からクッション性フィルムを重ねて加圧すればよい。
加圧時に加える圧力は、通常10kPa〜20MPa、好ましくは100kPa〜10MPaである。また、加圧と同時に、加熱することが好ましい。加熱により電気絶縁層形成用絶縁フィルムが軟化するので、得られる電気絶縁層への配線パターンの埋め込み性や電気絶縁層表面の平坦性が向上する。加圧時の温度は、通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃である。さらに、加圧は、減圧下で行うのが好ましい。減圧下で加圧を行うことにより、配線パターンの埋め込み性を向上させ、気泡の発生を抑えることができる。加圧を行う雰囲気の圧力は、通常100kPa〜1Pa、好ましくは40kPa〜10Paである。
クッション性フィルムを介して電気絶縁層形成用絶縁フィルムを圧着して内層基板の導体層上に電気絶縁層を形成する。電気絶縁層形成用絶縁フィルムが硬化性樹脂組成物からなるものである場合は、その圧着後、クッション性フィルムの剥離前または剥離後に硬化を行う。加熱により硬化を行う場合は、前記圧着操作と同時に行うことができる。また、先ず圧着を硬化の起こらない条件、すなわち比較的低温、短時間で行った後、硬化を行ってもよい。加熱により硬化する条件は、温度が通常30〜400℃、好ましくは70〜300℃、より好ましくは100〜200℃である。加熱時間は、通常0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間である。
(多層プリント配線板)
本発明の多層プリント配線板は、上記工程を含む本発明の製法により得られる。多層プリント配線板は、内層基板に圧着された電気絶縁層上にさらに導体層を形成して得られる。具体的には、内層基板上の電気絶縁層を圧着した後、クッション性フィルムを剥離し、電気絶縁層を露出させ、電気絶縁層上にめっき等により導体層を形成して本発明の多層プリント配線板を製造できる。また、金属箔に支持体された電気絶縁層形成用絶縁フィルムを用いて圧着を行い、表面に金属箔を有する電気絶縁層を形成した場合は、公知のエッチング法により該金属箔をパターン状にエッチングして導体層を形成して、多層プリント配線板を得ることができる。
本発明の多層プリント配線板における層間の絶縁抵抗は、JIS C5012に規定される測定法に基づき、好ましくは10Ω以上である。また、直流電圧10Vを印加した状態で、温度130℃、湿度85%の条件下に100時間放置した後の層間の絶縁抵抗が、10Ω以上であることがより好ましい。
めっきにより導体層を形成する方法の具体例としては、まず、電気絶縁層にビアホール形成用の開口を形成し、次いで、この電気絶縁層表面とビアホール形成用開口の内壁面にスパッタリング等のドライプロセス(乾式めっき法)により金属薄膜を形成した後、金属薄膜上にめっきレジストを形成させ、更にその上に電解めっき等の湿式めっきによりめっき膜を形成する。次いで、このめっきレジストを除去した後、エッチングにより金属薄膜と電解めっき膜からなる第二の導体層を形成することができる。電気絶縁層と第二の導体層との密着力を高めるために、電気絶縁層の表面を過マンガン酸やクロム酸等の液と接触させ、あるいはプラズマ処理等を施すことができる。
第一の導体層と第二の導体層との間を接続するビアホール形成用の開口を電気絶縁層に形成させる方法に格別な制限はなく、例えば、ドリル、レーザ、プラズマエッチング等の物理的処理等によって行う。電気絶縁層の特性を低下させず、より微細なビアホールを形成することができるという観点から、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UV−YAGレーザ等のレーザによる方法が好ましい。
このようにして得られた多層プリント配線板を新たな積層体として用いて、上述の電気絶縁層形成と導体層形成の工程を繰り返すことにより、更なる多層化を行うことができ、これにより所望の多層プリント配線板を得ることができる。また、上記プリント配線板において、導体層の一部は、金属電源層や金属グラウンド層、金属シールド層になっていてもよい。
以下、実施例および比較例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例および比較例における部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
実施例および比較例における各特性は、下記の方法に従い測定した。
(1)電気絶縁性重合体の分子量
電気絶縁性重合体の、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)により測定し、ポリスチレン換算値として求めた。展開溶媒としては、極性基を含有しない重合体の分子量測定にはトルエンを使用し、極性基を含有する重合体の分子量測定にはテトラヒドロフランを使用した。
(2)無水マレイン酸基含有率
重合体中の総単量体単位数に対する、重合体に含まれる無水マレイン酸基のモル数の割合をいい、H−NMRスペクトル測定により求めた。
(3)重合体のガラス移転温度(Tg)
示差走査熱量法(DSC法)により昇温速度10℃/分で測定した。
(4)圧縮弾性率
微小硬度計(フィッシャー社、フィッシャースコープ ピコデンターHM500)を用いて測定した。100℃での測定には、高温測定用ホットステージを用い、除荷曲線の接線から圧縮弾性率を算出した。
(5)厚さの減少率
フィルムの厚さを、厚さゲージを用いて、無荷重状態と0.5MPaで加圧した場合のそれぞれについて測定し、厚さが減少した割合を100分率で表した。厚さの減少が見られ、かつ大きい圧縮弾性率を示すフィルムはクッション性を有する。
(6)配線パターンの埋め込み性
実施例および比較例で製造した内層基板と電気絶縁層との積層体の中心部分を切断し、光学顕微鏡にて、内装基板と電気絶縁層との境界付近にある空隙による欠陥を観察した。評価は配線100本あたりの欠陥数で行い、下記の基準で判定した。
A:欠陥数が4箇所以下
B:欠陥数が5〜19箇所
NG:欠陥数が20ヶ所以上
(7)平坦性
触針式表面プロファイラー(テンコール社、P−10)を用いて、内層基板のくし型配線パターン上に、発生した段差を測定した。測定は、ライン・アンド・スペース(L/S)=50μm/50μmおよび200μm/200μmの2箇所について各5点行い、その平均値として段差を算出した。段差が小さいほど平坦性に優れることを示す。
製造例1:絶縁性重合体の製造
8−エチル−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−ドデカ−3−エンの開環重合体水素化物(Tg=140℃、水素化率99%以上)100部、無水マレイン酸40部及びジクミルパーオキシド5部をt−ブチルベンゼン250部に溶解し、140℃で6時間反応を行った。得られた反応生成物溶液を1,000部のイソプロピルアルコール中に注いで反応生成物を析出させ、これを100℃で20時間真空乾燥して、絶縁性重合体であるマレイン酸変性水素化重合体を得た。この変性水素化重合体の分子量はMn=33,200、Mw=68,300、Tg=170℃であった。マレイン酸基含有率は25モル%であった。
製造例2:ワニスの調製
製造例1で得た変性水素化重合体100部、硬化剤としてビスフェノールAビス(プロピレングリコールグリシジルエーテル)エーテル37.5部および1,3−ジアリル−5−[2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル]イソシアヌレート12.5部、硬化促進剤としてジクミルペルオキシド6部および1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール0.1部、レーザ加工性向上剤として2−[2−ヒドロキシ−3,5−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾール5部、ならびに熱安定剤として1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン1部を、キシレン147部及びシクロペンタノン49部からなる混合有機溶剤に溶解させてワニスを得た。
実施例1
製造例1で得たワニスを、200ミリメートル角、厚さ50μmのクッション性ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製クリスパーK1212:100℃における圧縮弾性率513MPa、厚さ減少率20%)にハンドコーターを用いて塗布した。次いで、これを窒素雰囲気下オーブン中で80℃で10分間乾燥し、クッション性フィルムに支持された厚さ40μmの電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルムAを得た。
これとは別に、導体層厚さが20μmでL/Sが50μm/50μmおよび200μm/200μmの二種の導電体回路が表面に形成された、厚さ0.5mmの内層基板を用意した。この内層基板の導体層に、上記複合フィルムAをその電気絶縁層形成用絶縁フィルム側が面するように重ね、プレス板としてステンレス板を備えた真空プレス装置にて温度105℃、圧力1MPaで2分間真空プレスして電気絶縁層を形成した。次いで、クッション性フィルムを剥離し、内層基板と電気絶縁層との積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
Figure 2007111314
実施例2
クッション性フィルムとして、厚さが100μmのクッション性ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製クリスパーK1212:100℃における圧縮弾性率506MPa、厚さ減少率20%)を用いた他は、実施例1と同様にしてクッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルムBを得た。複合フィルムAに代えて、この複合フィルムBを用いた他は実施例1と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
比較例1
クッション性ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、クッション性を有さないポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100:厚さ50μm、100℃における圧縮弾性率475MPa、厚さ減少率1%未満)を用いた他は、実施例1と同様にしてクッション性を有さないポリエチレンテレフタレートフィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルムCを得た。複合フィルムAに代えて、この複合フィルムCを用いた他は実施例1と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
比較例2
クッション性ポリエチレンテレフタレートフィルムに代えて、クッション性を有さないポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製コスモシャインA4100:厚さ100μm、100℃における圧縮弾性率460MPa、厚さ減少率1%未満)を用いた他は、実施例1と同様にしてクッション性を有さないポリエチレンテレフタレートフィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルムDを得た。複合フィルムAに代えて、この複合フィルムDを用いた他は実施例1と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、複合フィルムAのクッション性フィルムと真空プレス装置のプレス板との間に、中間フィルムとして、クッション性を有さないポリエチレンテレフタレートフィルム(ユニチカ社製エンブレットPTH−50:厚さ50μm、100℃における圧縮弾性率491MPa、厚さ減少率1%未満)をさらに重ね真空プレスを行った他は、実施例1と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
実施例4
中間フィルムとして、クッション性を有さないポリエチレンテレフタレートフィルム(エンブレットPTH−50)に代えて、実施例1で用いたものと同じクッション性ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた他は、実施例3と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
比較例3
複合フィルムAに代えて、複合フィルムCを用いた他は実施例3と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
実施例5
複合フィルムAに代えて、複合フィルムCを用いた他は実施例4と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
実施例6
中間フィルムとして、実施例2で用いたものと同じクッション性ポリエチレンテレフタレートフィルムを用いた他は、実施例5と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
比較例4
中間フィルムに代えて、厚さが2mmの耐熱シリコンゴム(100℃における圧縮弾性率27MPa)を用いた他は比較例3と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
比較例5
中間フィルムに代えて、厚さが0.2mmの耐熱シリコンゴム(100℃における圧縮弾性率29MPa)を用いた他は比較例3と同様にして積層体を得た。この積層体の配線埋め込み性と平坦性を評価した結果を表1に示す。
以上より明らかなように、クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルム用いると、良好な配線パターンの埋め込み性と電気絶縁層の平坦性とを両立することができる(実施例1〜4)。また、クッション性を有さないフィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムを用いた場合でも、中間フィルムとしてクッション性フィルムを用いることで、やはり良好な配線パターンの埋め込み性と電気絶縁層の平坦性とを両立することができた(実施例5,6)。一方、クッション性フィルムを用いない場合は配線パターンの埋め込み性が不十分であり(比較例1〜3)、中間フィルムとして耐熱ゴムを用いた場合は電気絶縁層の平坦性が不十分な結果であった(比較例4,5)。

Claims (9)

  1. 表面に導体層を有する基板上に、100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルムを介して、電気絶縁層形成用絶縁フィルムを圧着する工程を有する多層プリント配線板の製造方法。
  2. 前記電気絶縁層形成用絶縁フィルムが前記クッション性フィルムに支持されていることを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  3. さらに、クッション性フィルムを剥離する工程を有する請求項1または2記載の製造方法。
  4. 電気絶縁性樹脂が有機溶剤に溶解または分散してなるワニスを、100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルム上に塗布し、乾燥し、クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムを製造する工程、
    および、該クッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムを、その電気絶縁層形成用絶縁フィルムと導体層が面するように重ねる工程を有する請求項2または3記載の製造方法。
  5. 基板上に圧着された電気絶縁層上に、さらに導体層を形成する工程を有する請求項3に記載の製造方法。
  6. クッション性フィルムが、クッション性ポリエステルフィルムである請求項1ないし5のいずれか1項に記載の製造方法
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項に記載の製造方法で得られる多層プリント配線板。
  8. 請求項7に記載の多層プリント配線板を備えた電子機器。
  9. 100℃における圧縮弾性率が200MPa以上であるクッション性フィルムに支持された電気絶縁層形成用絶縁フィルムからなる複合フィルム。
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