JP2001316569A - 硬化性樹脂組成物、絶縁材料及び回路基板 - Google Patents

硬化性樹脂組成物、絶縁材料及び回路基板

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JP2001316569A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】カバーコート材料や層間絶縁材料に好適な保存
安定性、硬化性特性及び配線埋め込み性に優れた硬化性
樹脂組成物、支持体と、該支持体上に積層されてなる硬
化性樹脂組成物の層とを有する絶縁材料、及び前記硬化
性樹脂組成物の硬化物が配線間に空隙なく埋め込まれ、
かつ電気特性、耐熱性等の特性に優れた回路基板を提供
する。 【解決手段】官能基を有する環構造含有重合体樹脂、
硬化剤及び環構造含有置換基を有するイミダゾール化合
物を含有してなる硬化性樹脂組成物、支持体と、該支
持体上に積層されてなる硬化性樹脂組成物の層とを有す
る絶縁材料、並びに電気絶縁層(1)及びその表面に
形成された導電体回路(1)からなる内層基板と、該内
層基板上に前記硬化性樹脂組成物を積層し、硬化させて
なる電気絶縁層(2)とを有する回路基板。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、硬化性樹脂組成
物、絶縁材料及び回路基板に関し、更に詳しくは、カバ
ーコート材料や層間絶縁材料に好適な保存安定性、硬化
特性、配線埋め込み性に優れた硬化性樹脂組成物、支持
体上に積層された該硬化性樹脂組成物の層を有する絶縁
材料、及び硬化性樹脂組成物の硬化物が配線間に空隙な
く埋め込まれ且つ電気絶縁性、耐熱性等の特性に優れた
回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】プリント配線基板等の電気絶縁層の絶縁
材料には、一般的に硬化性樹脂組成物が用いられるが、
この硬化性樹脂組成物は、通常、有機溶媒に溶解又は分
散させたワニスあるいはBステージフィルムの形で使用
される。かかる硬化性樹脂組成物としては、例えば、
(1)ポリビニルアセタール樹脂とエポキシ樹脂とを含
有するもの(特開平7−266492号公報)、(2)
ノルボルネン系重合体のごとき環構造含有重合体と硬化
剤とを含有するもの(WO98/5601号公報)等が
知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年の電子機器は、小
型軽量化、高性能化、多様化の傾向にあり、これらに追
従して、プリント配線基板のより一層の高密度化が求め
られている。しかしながら、プリント配線基板の導電体
回路の高密度化を図るために、電気絶縁層の厚みを薄
く、回路の配線幅を細く且つ配線間隔を狭くしたい場
合、前記(1)の硬化性樹脂組成物では、電気絶縁性及
び耐熱性に劣り、(2)の硬化性樹脂組成物では、電気
絶縁性及び耐熱性に優れるが硬化速度が速すぎるためそ
の取り扱いが難しく、ワニスの場合は調製時のゲル化抑
制や保存安定性が不十分であり、またBステージフィル
ムの場合は、配線埋め込み性等が不十分であった。本発
明は、かかる実状に鑑み、カバーコート材料や層間絶縁
材料に好適な保存安定性、硬化性特性及び配線埋め込み
性に優れた硬化性樹脂組成物、支持体上に積層された該
硬化性樹脂組成物の層を有する絶縁材料、及び前記硬化
性樹脂組成物の硬化物が配線間に空隙なく埋め込まれ、
且つ電気特性、耐熱性等の特性に優れた回路基板を提供
することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
の解決を図るべく鋭意検討した結果、ノルボルネン系
重合体の無水マレイン酸グラフト変性物等の官能基を有
する環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び環構造含有の置
換基を有するイミダゾール化合物を含有してなる硬化性
樹脂組成物が、硬化性及び硬化物性を損ねることなくワ
ニス調製時のゲル化を抑制し、ワニスの保存安定性を向
上させること、また、該硬化性樹脂組成物を用いてB
ステージフィルムを得た場合には配線埋め込み性及び電
気絶縁性に優れる絶縁材料が得られること、並びに、
該硬化性樹脂組成物を用いることにより、配線間に空隙
なく埋め込まれた電気絶縁層を有する回路基板が得られ
ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち、本発明は第1に、官能基を有す
る環構造含有重合体樹脂、硬化剤及び環構造含有置換基
を有するイミダゾール化合物を含有してなる硬化性樹脂
組成物を提供する。本発明は第2に、支持体と、該支持
体上に積層されてなる前記硬化性樹脂組成物の層とを有
する絶縁材料を提供する。また、本発明は第3に、電気
絶縁層(1)及びその表面に形成された導電体回路
(1)からなる内層基板と、該内層基板上に、前記硬化
性樹脂組成物を積層し硬化させてなる電気絶縁層(2)
とを有する回路基板を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下、本発明の硬化性樹脂組成
物、絶縁材料及び回路基板を詳細に説明する。本発明に
使用される官能基を有する環構造含有重合体樹脂は、官
能基を有すること及び該重合体中に環構造を含有する繰
り返し単位を有することを特徴とする。官能基としては
格別な限定はなく、硬化剤の種類に応じて適宜選定され
る。具体的には、ラジカル反応性の官能基やイオン反応
性の官能基等が挙げられ、硬化収縮を起こさない観点か
ら、イオン反応性の官能基が好適である。
【0007】イオン反応性の官能基としては、例えば、
エポキシ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、カルボ
ニルオキシカルボニル基、シラノール基、アミノ基、ス
ルホン基等が挙げられ、これらの中でも、エポキシ基、
ヒドロキシル基、カルボニルオキシカルボニル基、アミ
ノ基等が好ましく、カルボニルオキシカルボニル基が最
も好ましい。また、2種以上の官能基が環構造含有重合
体樹脂の分子中に含まれていてもよい。重合体樹脂中の
官能基の含有量は、重合体中の総モノマー単位数を基準
として、通常1〜100モル%、好ましくは5〜70モ
ル%、より好ましくは20〜50モル%の範囲である。
重合体樹脂の官能基含有量がこの範囲にあるときに、低
誘電率特性、低吸水性及び耐熱性の特性が高度にバラン
スされ好適である。
【0008】重合体樹脂中の環構造は、主鎖及び/又は
側鎖のいずれかに含まれていてもよいが、耐熱性や耐溶
剤性等の観点から、主鎖に含まれている場合が好まし
い。また、環構造としては、例えば、芳香環構造や脂環
式構造が挙げられるが、低誘電率特性や低吸水性の観点
から、脂環式構造が好ましい。また、環構造としては、
単環、多環、縮合多環、橋架け環及びこれらの組合せ多
環等が挙げられる。環構造を構成する炭素原子数は、格
別な制限はないが、通常4〜30個、好ましくは5〜2
0個、より好ましくは5〜15個の範囲であるときに、
耐熱性、耐溶剤性及び成形性の諸特性が高度にバランス
され好適である。
【0009】環構造含有重合体樹脂中の環構造を有する
繰り返し単位の割合は、使用目的に応じて適宜選択され
るが、通常30重量%以上、好ましくは50重量%以
上、より好ましくは70重量%以上であり、その上限は
100重量%である。環構造含有重合体中の環構造を有
する繰り返し単位の割合が過度に少ないと、低誘電率特
性、低吸水性及び耐熱性に劣るものとなる。
【0010】かかる環構造を有する重合体樹脂の具体例
としては、例えば、(1)ノルボルネン系重合体、
(2)単環の環状オレフィン系重合体、(3)環状共役
ジエン系重合体、(4)ビニル系環状炭化水素重合体、
(5)主鎖中に芳香環の繰り返し単位を有する芳香族系
重合体及び(6)これらの水素添加物等が挙げられる。
これらの中でも、高信頼性、特に強度特性が要求される
分野では、ノルボルネン重合体及びその水素添加物、環
状共役ジエン系重合体及びその水素添加物等が好まし
く、ノルボルネン系重合体及びその水素添加物がより好
ましい。
【0011】(1)ノルボルネン系重合体 ノルボルネン系重合体としては、格別な制限はなく、例
えば特開平3−14882号公報や特開平3−1221
37号公報等で開示される方法によってノルボルネン系
モノマーを重合したものが用いられる。具体的には、ノ
ルボルネン系モノマーの開環重合体及びその水素添加
物、ノルボルネン系モノマーの付加型重合体、ノルボル
ネン系モノマーとビニル化合物との付加型重合体等が挙
げられる。これらの中でも、高信頼性、特に強度特性が
要求される分野では、ノルボルネン系モノマーの開環重
合体水素添加物、ノルボノルネン系モノマーの付加型重
合体、ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化
合物の付加型重合体が好ましく、ノルボルネン系モノマ
ーの開環重合体水素添加物がより好ましい。
【0012】ノルボルネン系モノマーは、上記各公報や
特開平2−227424号公報、特開平2−27684
2号公報等に開示されている公知のモノマーを使用する
ことができる。ノルボルネン系モノマーの具体例として
は、ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン(慣用
名:ノルボネン)、5−メチル−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプタ−2−エン、5,5−ジメチル−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−エチル−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ブチル−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−エチ
リデン−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、
5−ヘキシル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−
エン、5−オクチルービシクロ[2.2.1]−ヘプタ
−2−エン、5−オクタデシル−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプタ−2−エン、5−エチリデン−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−メチリデン−
ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−ビニ
ルービシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−
プロペニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ−2−エ
ン、
【0013】トリシクロ[4.3.0.12,5]−デカ
−3,7−ジエン(慣用名:ジシクロペンタジエン)、
トリシクロ[4.4.0.12,5]−ウンデカ−3,8
−ジエン、トリシクロ[4.4.0.12,5]−ウンデ
カ−3−エン、5−シクロペンチル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロヘキシル−ビ
シクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シクロ
ヘキセニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、5−フェニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−
2−エン、テトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−ドデカ−3−エン(単に、テトラシクロドデ
センともいう。)、8−メチル−テトラシクロ[4.
4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エン、8−エ
チル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−
ドデカ−3−エン、8−メチリデン−テトラシクロ
[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エン、
8−エチリデン−テトラシクロ[4.4.0.12.5
7.10]−ドデカ−3−エン、8−ビニル−テトラシク
ロ[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エ
ン、8−プロペニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5.17.10]−ドデカ−3−エン、8−シクロペンチ
ル−トラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−ドデ
カ−3−エン、8−シクロヘキシル−テトラシクロ
[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エン、
8−シクロヘキセニル−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5.17.10]−ドデカ−3−エン、8−フェニル−シ
クロペンチル−テトラシクロ[4.4.0.12.5.1
7.10]−ドデカ−3−エン、
【0014】テトラシクロ[7.4.0.110,13,0
2,7]−トリデカ−2,4,6−11−テトラエン(別
名:1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒド
ロフルオレン)、テトラシクロ[8.4.0.
11,14.03,8]−テトラデカ−3,5,7,12−1
1−テトラエン(別名:1,4−メタノ−1,4,4
a,5,10,10a−ヘキサヒドロアントラセン)、
ペンタシクロ[6.5.13.6.02 .7.09.3]−ペン
タデカ−3,10−ジエン、ペンタシクロ[7.4.
0.13 .6.110.13.02.7]−ペンタデカ−4,11
−ジエン等のシクロペンタジエンの4量体以上の付加
物;
【0015】5−フェニルビシクロ[2.2.1]−ヘ
プト−2−エン、テトラシクロ[6.5.0.12.5
8.13]−トリデカ−3,8,10,12−テトラエン
(1,4−メタノ−1,4,4a,9a−テトラヒドロ
フルオレンともいう。)、テトラシクロ[6.6.0.
2.5.08.13]−テトラデカ−3,8,10,12−
テトラエン(1,4−メタノ−1,4,4a,5,1
0,10a−ヘキサヒドロアントラセンともいう。)等
の官能基を有さないノルボルネン系モノマー;
【0016】5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプタ−2−エン、5−シアノ−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプタ−2−エン、5−メチル−5−
メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプタ
−2−エン、5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.
2.1]−ヘプタ−2−エン、5−エトキシカルボニル
−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−メ
チル−5−メトキシカルボニル−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5−メチル−5−エトキシカ
ルボニル−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エ
ン、ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エニル−2−
メチルプロピオネート、ビシクロ[2.2.1]ヘプト
−5−エニル−2−メチルオクタネート、ビシクロ
[2.2.1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン
酸無水物、5−ヒドロキシメチル−ビシクロ[2.2.
1]−ヘプト−2−エン、5,6−ジ(ヒドロキシメチ
ル)−ビシクロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5
−ヒドロキシイソプロピル−ビシクロ[2.2.1]−
ヘプト−2−エン、5,6−ジカルボキシ−ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン、5−シアノ−ビシ
クロ[2.2.1]−ヘプト−2−エン、ビシクロ
[2.2.1]−ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボ
ン酸イミド、8−メトキシカルボニル−テトラシクロ
[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エン、
8−メチル−8−メトキシカルボニル−テトラシクロ
[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ−3−エン、
8−ヒドロキシメチル−テトラシクロ[4.4.0.1
2.5.17.10]−ドデカ−3−エン、8−カルボキシ−
テトラシクロ[4.4.0.12.5.17.10]−ドデカ
−3−エン等の官能基を有するノルボルネン系モノマー
等が挙げられる。これらのノルボルネン系モノマーは、
それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用い
ることができる。
【0017】ノルボルネン系重合体は、これらのノルボ
ルネン系モノマーと、それと重合可能な他のモノマーと
の共重合体であってもよい。ノルボルネン系重合体中の
ノルボルネン系モノマー結合量の割合は、使用目的に応
じて適宜選択されるが、通常30重量%以上、好ましく
は50重量%以上、より好ましくは70重量%以上であ
るものが、低誘電率特性や耐熱性の特性が高度にバラン
スされ好適である。
【0018】ノルボルネン系モノマーと共重合可能なビ
ニル化合物としては、例えば、エチレン、プロピレン、
1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、3−メチル
−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、3−エチル
−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、4,4−
ジメチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、
4,4−ジメチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘ
キセン、3−エチル−1−ヘキセン、1−オクテン、1
−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキ
サデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン等の炭素
数2〜20のエチレン又はα−オレフィン;シクロブテ
ン、シクロペンテン、シクロヘキセン、3,4−ジメチ
ルシクロペンテン、3−メチルシクロヘキセン、2−
(2−メチルブチル)−1−シクロヘキセン、シクロオ
クテン、3a,5,6,7a−テトラヒドロ−4,7−
メタノ−1H−インデン等のシクロオレフィン;1,4
−ヘキサジエン、4−メチル−1,4−ヘキサジエン、
5−メチル−1,4−ヘキサジエン、1,7−オクタジ
エン等の非共役ジエン;等が挙げられる。これらのビニ
ル化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み
合わせて使用することができる。ノルボルネン系モノマ
ー又はノルボルネン系モノマーと共重合可能なビニル化
合物との重合方法及び水素添加方法に格別な制限はな
く、公知の方法に従って行うことができる。
【0019】(2)単環の環状オレフィン系重合体 単環の環状オレフィン系重合体としては、例えば、特開
昭64−66216号公報に開示されているシクロヘキ
セン、シクロブテン、シクロオクテン等の単環の環状オ
レフィン系モノマーの付加(共)重合体を用いることが
できる。
【0020】(3)環状共役ジエン系重合体 環状共役ジエン系重合体としては、例えば、特開平6−
136057号公報や特開平7−258318号公報に
開示されているシクロペンタジエン、シクロヘキサジエ
ン等の環状共役ジエンモノマーを1,2−又は1,4−
付加重合した(共)重合体及びその水素添加物を用いる
ことができる。
【0021】(4)ビニル系環状炭化水素系重合体 ビニル系環状炭化水素系重合体としては、例えば、特開
昭51−59989号公報に開示されているビニルシク
ロヘキセンやビニルシクロヘキサン等のビニル系環状炭
化水素系モノマーの重合体及びその水素添加物、特開昭
63−43910号公報や特開昭64−1706号公報
等に開示されているスチレン、α−メチルスチレン等の
ビニル芳香族系モノマーの重合体及びその水素添加物等
を用いることができる。
【0022】(5)主鎖に芳香環を有する芳香族系モノ
マー 主鎖に芳香環を有する芳香族系重合体としては、例えば
ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、
ポリスルホン等を用いることができる。
【0023】官能基を導入したグラフト変性環構造含有
重合体樹脂 官能基を有する環構造含有重合体樹脂としては、官能基
含有ノルボルネン系モノマーを(共)重合したものを用
いてよいが、環構造含有重合体に変性反応により官能基
を導入した変性環構造含有重合体樹脂が、硬化性及び硬
化物特性に優れるので好適である。
【0024】上記変性環構造含有重合体樹脂は常法に従
い製造することができ、例えば、環構造含有重合体樹脂
にイオン反応性の官能基含有不飽和化合物をグラフト変
性して得ることができる。
【0025】イオン反応性の官能基含有不飽和化合物
は、前記イオン反応性の官能基と炭素−炭素不飽和結合
とを有する化合物である。例えば、グリシジルアクリレ
ート、グリシジルメタクリレート、p−スチリルカルボ
ン酸グリシジル、アクリルグリシジルエーテル、2−メ
チルアリルグリシジルエーテル、o−アリルフェノール
のグリシジルエーテル、m−アリルフェノールのグリシ
ジルエーテル、p−アリルフェノールのグリシジルエー
テル等の不飽和エポキシ化合物;アクリル酸、メタクリ
ル酸、α−エチルアクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、エンドシス−ビシクロ[2.2.1]
ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エンドシス
−ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2−メチ
ル−2,3−ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸化合
物;無水マレイン酸、クロロ無水マレイン酸、ブテニル
無水コハク酸、テトラヒドロ無水フタル酸、無水シトラ
コン酸等の不飽和無水カルボン酸化合物;アリルアルコ
ール、2−アリル−6−メトキシフェノール、4−アリ
ロキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、3−アリロキ
シ−1,2−プロパンジオール、2−アリロキシフェノ
ール、3−ブテン−1−オール等の不飽和アルコール化
合物;等が挙げられる。これらの中でも、不飽和エポキ
シ化合物や不飽和無水カルボン酸化合物が好ましく、特
に不飽和無水カルボン酸化合物が好ましい。
【0026】イオン反応性の官能基含有不飽和化合物を
効率よくグラフト重合させるためには、通常ラジカル反
応開始剤の存在下に反応を実施するのが好ましい。ラジ
カル反応開始剤としては、例えば、有機ペルオキシド、
有機ペルエステル等が好ましく使用される。このような
ラジカル反応開始剤の具体例としては、ベンゾイルペル
オキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミル
ペルオキシド、ジ−t−ブチルペルオキシド、2,5−
ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘ
キシン−3,1,4−トリス(t−ブチルペルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、t−
ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3,2,5−トリ
メチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサ
ン、t−ブチルペルベンゾエート、t−ブチルペルフェ
ニルアセテート、t−ブチルペルイソブチレート、t−
ブチルペル−sec−オクトエート、t−ブチルペルピ
バレート、クミルペルピバレート及びt−ブチルペルジ
エチルアセテート等が挙げられる。
【0027】また本発明においては、ラジカル反応開始
剤としてアゾ化合物を使用することもできる。アゾ化合
物の具体例としては、アゾビスイソブチロニトリル、ジ
メチルアゾイシブチレート等が挙げられる。
【0028】これらのラジカル反応開始剤は、それぞれ
単独で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることが
できる。ラジカル反応開始剤の使用割合は、未変性環構
造含有重合体樹脂の100重量部に対し、通常0.01
〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部、より好
ましくは0.1〜2.5重量部の範囲である。
【0029】グラフト変性反応は、特に限定はなく、常
法に従って行うことができる。反応温度は、通常0〜4
00℃、好ましくは60〜350℃であり、反応時間
は、通常1分〜24時間、好ましくは30分〜10時間
である。
【0030】環構造含有重合体樹脂のグラフト変性物の
グラフト変性率は、使用目的に応じて適宜選択される
が、重合体中の総モノマー数を基準として、通常1〜1
00モル%、好ましくは5〜70モル%、より好ましく
は20〜50モル%の範囲である。変性環構造含重合体
樹脂のグラフト変性率がこの範囲であるときに、低誘電
率特性、低吸水性及び耐熱性の特性が高度にバランスさ
れ好適である。
【0031】前記グラフト変性率X(%)は、次のよう
にして求めることができる。 先ず、環構造含有重合体グラフト変性物の1H−NM
Rの測定を行う。 得られたスペクトルデータの極性基含有不飽和化合物
由来の水素原子のピーク面積の総和Aと、環構造含有重
合体由来の水素原子のピーク面積の総和Bをそれぞれ計
算し、その比B/Aを求める。 次いで、式:(D−X’)/(C×X’)=B/Aか
ら、グラフト変性率X(X=X’×100)を求める。
ここで、Cは、極性基含有不飽和化合物が重合体に変性
されたときに該変性された化合物1分子が有している水
素原子の数を、Dは、環構造含有重合体の単量体1単位
当たりの水素原子の数をそれぞれ表す。
【0032】本発明に使用される官能基を有する環構造
含有重合体樹脂(グラフト変性物を含む。)の分子量
は、使用目的に応じて適宜選択されるが、トルエンを溶
媒とするゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー
(GPC)で測定されるポリスチレン換算の重量平均分
子量(Mw)で、通常10,000〜1,000,00
0、好ましくは20,000〜500,000、より好
ましくは20,000〜100,000の範囲である。
官能基を有する環構造含有重合体樹脂の重量平均分子量
(Mw)がこの範囲にあるときに、成形性や耐熱性に特
に優れ好適である。
【0033】本発明に使用される官能基を有する環構造
含有重合体樹脂のガラス転移温度は、格別な制限はない
が、通常50℃以上、好ましくは100℃以上、より好
ましくは120℃以上であるときに耐熱性に優れ好適で
ある。これらの官能基を有する環構造含有重合体樹脂
は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて
用いることができる。
【0034】硬化剤 本発明で使用される硬化剤としては、イオン性硬化剤、
ラジカル性硬化剤等が挙げられるが、密着性及び硬化収
縮がない点で、イオン性硬化剤が好適である。
【0035】イオン性硬化剤としては、例えば、ヘキサ
メチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレ
ントリアミン、テトラエチレンペンタミン等の脂肪族ポ
リアミン;ジアミノシクロヘキサン、ジアミノノルボル
ナン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリ
シクロ[5.2.1.02.6]デカン、1,3−(ジア
ミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソ
ホロンアジミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス
(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビ
ス(4−アミノシクロヘキシル)メタン等の脂環式ポリ
アミン;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,
4’−ジアミノジフェニルメタン、α,α’−ビス(4
−アミノフェニル)−1.3−ジイソプロピルベンゼ
ン、α、α’−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−
ジイソプロピルベンゼン、4,4’−ジアミノジフェニ
ルスルホン、メタフェニレンジアミン、メタキシリレン
ジアミン等の芳香族ポリアミン;等のポリアミン、
【0036】4,4’−ビスアジドベンザル(4−メチ
ル)シクロヘキサノン、4,4’−ジアジドカルコン、
2,6−ビス(4’−アジドベンザル)シクロヘキサノ
ン、2,6−ビス(4’−アジドベンザル)−4−メチ
ルシクロヘキサノン、4,4’−ジアジドジフェニルス
ルホン、4,4’−ジアジドジフェニルメタン、2,
2’−ジアジドスチルベン等のビスアジド化合物;無水
フタル酸、無水イロメリット酸、ベンゾフェノンテトラ
カルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロ
ヘキサンジカルボン酸、無水マレイン酸変性ポリプロピ
レン等の酸無水物;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、
トリメリット酸、ハイミック酸等の多価ジカルボン酸;
1,3’−ブタンジオール、1,4’−ブタンジオー
ル、ヒドロキノンジヒドロキシジエチルエーテル、トリ
シクロデカンジメタノール、1,1,1−トリメチロー
ルプロパン酸等のポリオール類;フェノールノボラック
樹脂、クレゾールノボラック樹脂等の多価フェノール;
ナイロン−6、ナイロン−66,ナイロン−610,ナ
イロン−11,ナイロン−612,ナイロン−12,ナ
イロン−46,メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキ
サメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチ
レンイソフタルアミド等のポリアミド;ヘキサメチレン
ジイソシアネート、トルイレンジイソシアネート等の多
価イソシアネート;フェノールノボラック型エポキシ化
合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフ
ェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポ
キシ化合物、臭素化ビスフェノールA型エポキシ化合
物、臭素化ビスフェノールF型エポキシ化合物等のグリ
シジルエーテル型エポキシ化合物;グリシジルエステル
型エポキシ化合物、グリシジルアミン型エポキシ化合
物、脂環式エポキシ化合物、イソシアヌレート型エポキ
シ化合物等の多価エポキシ化合物等が挙げられる。
【0037】これらの中でも、特に環構造含有樹脂が官
能基としてカルボニルオキシカルボニル基を有するもの
であるときは、耐熱性、耐溶剤性、保存安定性の観点か
ら、ポリアミン、ポリオール、多価フェノール、多価エ
ポキシ化合物が好ましく、特に多価エポキシ化合物が好
ましい。
【0038】ラジカル硬化剤としては、例えば、メチル
エチルケトンペルオキシド、シクロヘキサノンペルオキ
シド、1,1−ビス(t−ブチルペルオキシ)−3,
3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2,−ビス
(t−ブチルペルオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロ
ペルオキシド、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
ハイドロペルオキシド、ジクミルペルオキシド、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3,α、α’−ビス(t−ブチルペルオキシ−m
−イソプロピル)ベンゼン、オクタノイルペルオキシ
ド、イソブチリルペルオキシド、ペルオキシジカーボネ
ート等の有機過酸化物等が挙げられる。
【0039】硬化剤の分子量は、使用目的に応じて適宜
選択されればよいが、通常50〜4,000、好ましく
は100〜3,000、より好ましくは200〜2,0
00の範囲である。
【0040】これらの硬化剤は、それぞれ単独で、ある
いは二種以上を組み合わせていることができる。硬化剤
の配合割合は、前記官能基を有する環構造含有重合体樹
脂100重量部に対して、通常0.1〜200重量部、
好ましくは1〜100重量部、より好ましくは5〜50
重量部の範囲である。
【0041】硬化促進剤 本発明に使用される硬化促進剤は、環構造含有の置換基
を有するイミダゾール化合物を含むことを特徴とする。
環構造含有の置換基を有するイミダゾール化合物を含む
硬化性樹脂組成物は、ゲル化抑制や保存安定性、配線埋
め込み性等に優れ好適である。
【0042】環構造含有の置換基中の環構造としては、
格別な限定はないが、低誘電特性や低吸水性等の観点
で、芳香族環構造や脂環式等の炭化水素環構造が好適で
ある。環構造の炭素数としては、使用目的に応じて適宜
選択されるが、通常4〜30個、好ましくは4〜20
個、より好ましくは5〜15個である。
【0043】環構造含有の置換基の具体例としては、シ
クロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロヘプチル等のシクロアルキル基;シクロプロピルメチ
ル、2−シクロプロピルエチル、シクロペンチルメチ
ル、シクロヘキシルメチル、等のシクロアルキルアルキ
ル基;フェニル、4−メチルフェニル、4−クロロフェ
ニル、2−クロロフェニル、2,4−ジメチルフェニ
ル、2,4,6−トリメチルフェニル、1−ナフチル、
2−ナフチル、アントラニル、2−トリアジニル、3−
アミノ−2−トリアジニル、3,5−ジアミノ−2−ト
リアジニル、2−イミダゾリル、4−アミノ−2−イミ
ダゾリル、4,5−ジアミノ−2−イミダゾリル、2−
ピリジル、4−アミノ−2−ピリジル、3−ピリジル、
4−ピリジル、5−ピリジル等のアリール基;ベンジ
ル、4−メチルベンジル、4−クロロベンジル、α−メ
チルベンジル、α,α−ジメチルベンジル、2−フェニ
ルエチル、3−フェニルプロピル、1−ナフチルメチ
ル、2−ナフチルメチル等のアラルキル基等が挙げられ
る。
【0044】環構造含有の置換基を有するイミダゾール
化合物の具体例としては、2−フェニルイミダゾール、
2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル
−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−エチル
イミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾー
ル、ベンズイミダゾール、2−エチル−4−メチル−
[2’−(3”、5”−ジアミノトリアジニル)エチ
ル]イミダゾール等が挙げられる。これらの中でも、1
−ベンジル−2−フェニルイミダゾールが好ましい。
【0045】これらの炭化水素基を有するイミダゾール
化合物は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合
わせて用いることができる。環構造含有の置換基を有す
るイミダゾール化合物の配合量は、使用目的に応じて適
宜選択されるが、前記官能基を有する環構造含有重合体
樹脂100重量部に対して、通常0.001〜30重量
部、好ましくは0.01〜10重量部、より好ましくは
0.03〜5重量部である。
【0046】また、本発明においては、必要に応じて、
上記環構造含有の置換基を有するイミダゾール化合物以
外の硬化促進剤を用いることができる。その他の硬化促
進剤としては、例えば、ベンジルジメチルアミン、トリ
エタノールアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミ
ン、トリベンジルアミン、ジメチルホルムアミン等の鎖
状3級アミン化合物、ピラゾール類、ピリジン類、ピラ
ジン類、ピリミジン類、キノリン類、イソキノリン類、
トリアゾ−ル類等の第3級アミン系化合物、三フッ化ホ
ウ素錯化合物等を用いることができる。その配合量は、
前記官能基を有する環構造含有重合体樹脂100重量部
に対して、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以
下、より好ましくは1重量部以下である。
【0047】その他の成分 本発明の硬化性樹脂組成物は、前記官能基を有する環構
造含有重合体樹脂、硬化剤、環構造含有の置換基を有す
るイミダゾール化合物を含む硬化促進剤を必須成分とし
て、必要に応じてその他の重合体やその他の配合剤を配
合することができる。
【0048】その他の重合体としては、例えば、ゴム質
重合体や樹脂を挙げることができる。ゴム質重合体とし
ては、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレンゴム、ブチ
ルゴム、ポリブタジエンゴム、ポリイソプレンゴム、ア
クリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・
ブタジエン共重合体ゴム、スチレン・イソプレン共重合
体ゴム、スチレン・ブタジエン・イソプレン三元共重合
体ゴムのごときジエン系ゴム及びこれらのジエン系ゴム
の水素添加物、エチレン・プロピレン共重合体等のエチ
レン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・その他の
α−オレフィン共重合体等の飽和ポリオレフィンゴム、
エチレン・プロピレン・ジエン共重合体、α−オレフィ
ン・ジエン共重合体、イソブチレン・イソプレン共重合
体、イソブチレン・ジエン共重合体等のα−オレフィン
・ジエン系重合体ゴム、ウレタンゴム、ポリエーテルゴ
ム、アクリルゴム、プロピレンオキサイドゴム、エチレ
ン・アクリルゴム等の特殊ゴム、スチレン・ブタジエン
・スチレンブロック共重合体ゴム、スチレン・イソプレ
ン・スチレンブロック共重合体ゴム等のスチレン系熱可
塑性エラストマー及びそれらの水素添加物、ウレタン系
熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラスト
マー、1,2−ポリブタジエン系熱可塑性エラストマー
等が挙げられる。
【0049】その他の樹脂としては、例えば、官能基を
有さない環構造含有重合体や鎖状重合体等が挙げられ
る。鎖状重合体としては、例えば低密度ポリエチレン、
中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密
度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリブテン、
ポリペンテン等のポリオレフィン;ナイロン66等のポ
リアミド;エチレン・アクリレート共重合体、エチレン
・酢酸ビニル共重合体、ポリアミド、ポリエステル、ポ
リカーボネート樹脂等が挙げられる。
【0050】これらの重合体は、それぞれ単独で、ある
いは2種以上を組み合わせて用いることができる。その
他の重合体の配合割合は、官能基を有する環構造重合体
樹脂100重量部に対し、通常100重量部以下、好ま
しくは70重量部以下、より好ましくは50重量部以下
であり、その下限は0重量部である。
【0051】その他の配合剤としては、硬化助剤、フィ
ラー、難燃剤、難燃助剤、耐熱安定剤、耐候安定剤、レ
ベリング剤、耐電防止剤、スリップ剤、アンチブロッキ
ング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合成油、
ワックス、乳剤等が挙げられ、その配合割合は、本発明
の目的を損ねない範囲で適宜選択される。
【0052】硬化性樹脂組成物 本発明の硬化性樹脂組成物は、前記官能基を有する環構
造含有重合体樹脂、硬化剤及び環構造含有の置換基を有
するイミダゾール化合物を含む硬化促進剤を必須成分と
して、必要に応じて、その他の成分を含有してなる。そ
の使用形態は格別限定はないが、好ましくは(1)該硬
化性樹脂組成物を有機溶媒に溶解又は分散させたワニ
ス、あるいは(2)該硬化性樹脂組成物を成形してなる
成形物(特にBステージフィルム又はシート)である。
【0053】(1)ワニス ワニスの調製に使用される有機溶媒の具体例としては、
例えば、非極性溶媒として、トルエン、キシレン、エチ
ルベンゼン、トリメチルベンゼン等の芳香族炭化水素系
溶媒;n−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の
脂肪族炭化水素系溶媒;シクロペンタン、シクロヘキサ
ン等の脂環式炭化水素系溶媒等が挙げられ、極性溶媒と
して、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロ
ベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒;メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、
シクロヘキサノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;
酢酸イソブチル、酢酸シクロヘキシル、安息香酸メチ
ル、安息香酸エチル、γ−ブチロラクトン、プロピレン
グリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリコ
ールメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒;テ
トラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、アニソール等
のエーテル系溶媒;エチレンカーオネート、プロピレン
カーボネート等のカーボネート系溶媒;N,N−ジメチ
ルホルムアミド、N,N−ジメチルアセタミド、N−メ
チルピロリドン等のアミド系溶媒等を挙げることができ
る。
【0054】これらの中でも、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキ
サノン、アセトフェノン等のケトン系溶媒;酢酸シクロ
ヘキシル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、プロピレ
ングリコールメチルエーテルアセテート、エチレングリ
コールメチルエーテルアセテート等のエステル系溶媒、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカ
ーボネート系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセタミド,N−メチルピロリドン等
のアミド系溶媒が好ましい。
【0055】これらの有機溶媒は、それぞれ単独で、あ
るいは2種以上を組み合わせて用いることができる。こ
れらの溶媒の中でも、微細配線への埋め込み性に優れ、
気泡等を生じないものとして、芳香族炭化水素系溶媒や
脂環式炭化水素系溶媒のごとき非極性溶媒と、ケトン系
溶媒のごとき極性溶媒とを混合した混合溶媒が好まし
い。これらの非極性溶媒と極性溶媒の混合比は適宜選択
できるが、重量比で、通常5:95〜95:5、好まし
くは10:90〜90:10、より好ましくは20:8
0〜80:20の範囲である。
【0056】有機溶媒の使用量は、使用目的に応じて適
宜選択されるが、固形分濃度が、通常5〜80重量%、
好ましくは10〜70重量%、より好ましくは20〜6
0重量%になる範囲である。
【0057】硬化性組成物を有機溶媒中へ分散又は溶解
する方法は、常法に従えばよく、例えば、攪拌子とマグ
ネチックスターラーを使用した攪拌、高速ホモジナイザ
ー、ディスパージョン、遊星攪拌機、二軸攪拌機、ボー
ルミル、三本ロール等を使用した方法で行うことができ
る。
【0058】(2)成形物(絶縁材料) 成形物としては、Bステージフィルム又はシートが好ま
しく、これらは、通常の溶液流延法により、例えば、上
記ワニスを支持体に塗布した後に、溶媒を除去乾燥する
ことにより得ることができる。塗布方法としては、例え
ば、ディップコート、ロールコート、カーテンコート、
ダイコート、スリットコート等の任意の方法を用いるこ
とができる。溶媒を除去乾燥する条件としては、溶媒の
種類により適宜選択されるが、乾燥温度は、通常20〜
300℃、好ましくは30〜200℃であり、乾燥時間
は通常30秒から1時間、好ましくは1分〜30分であ
る。
【0059】フィルム又はシートの厚みは、通常0.1
〜150μm、好ましくは0.5〜100μm、より好
ましくは1〜80μmである。
【0060】支持体としては樹脂フィルムや金属箔等が
挙げられる。樹脂フィルムとしては、通常、熱可塑性樹
脂フィルムが用いられ、具体的には、ポリプロピレンフ
ィルム、ポリエチレンフィルム、ポリカーボネートフィ
ルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチ
レンナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルム、
ナイロンフィルム等が挙げられる。これらのフィルムの
うち、耐熱性や耐薬品性、積層後の剥離性等の観点か
ら、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレ
ンナフタレートフィルム等のポリエステルフィルムが好
ましい。
【0061】金属箔としては、銅箔、アルミ箔、ニッケ
ル箔、クロム箔、金箔、銀箔等が挙げられる。これらの
うち、導電性が良好で安価である点から、銅箔、特に電
解銅箔や圧延銅箔が好適である。
【0062】支持体の厚さは特に制限されないが、作業
性の観点から、通常1μm〜150μm、好ましくは2
μm〜100μm、より好ましくは3μm〜50μmで
ある。
【0063】本発明の硬化性樹脂組成物は、低誘電率特
性、低吸水性、耐熱性、埋め込み性及び保存安定性等の
諸特性に優れる。したがって、電子部品用の各種絶縁材
料に好適であり、ワニスやフィルム、シートの形態とし
て、例えば、プリント配線基板用絶縁材料、ビルドアッ
プ多層配線基板用層間絶縁材料膜、フレキシブルプリン
ト配線基盤用絶縁材料膜、LSI、VLSI素子等の半
導体素子の層間絶縁材料膜等の絶縁材料;半導体素子用
カバーコート材料、保護コート材料、プリント配線基板
用ソルダーレジスト材料等に使用できる。また、本発明
の硬化性組成物は、透明性にも優れるので、液晶ディス
プレイ基板用のカラーフィルターやTFTアレイの平坦
化膜、各種配線の平坦化膜、液晶ディスプレイ用のセル
(隔壁:ポリマーセルともいう)等の材料に使用するこ
ともできる。
【0064】回路基板 本発明の硬化性樹脂組成物は、電気絶縁層(1)とその
表面に形成された導電体回路(1)とからなる内層基板
上に、電気絶縁層(2)を形成し、さらに必要に応じ
て、該電気絶縁層(2)の上に導電体回路(2)を形成
する回路基板の製造に好ましく用いることができる。
【0065】内層基板は、電気絶縁層(1)とその表面
に形成された導電体回路(1)とからなる。電気絶縁層
(1)は、公知の絶縁材料、例えば、脂環式オレフィン
重合体、エポキシ樹脂、マレイミド樹脂、(メタ)アク
リル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、トリアジン樹脂、
ポリフェニルエーテル等を硬化して形成することができ
る。本発明においては、電気絶縁層(1)として、本発
明の硬化性樹脂組成物の硬化物からなるものが好適であ
る。
【0066】また内層基板は、ガラス繊維等を強度向上
のために含有させたものであってもよい。 内層基板の
具体例としては、プリント配線基板、シリコンウェーハ
基板等が挙げられる。内層基板の厚みは、通常50μm
〜2mm程度である。
【0067】電気絶縁層(1)上に形成された電気回路
(1)は、導電性金属等の導電体により形成された電気
回路であって、その回路構成等は通常の多層回路基板に
用いられているものと同じものを使用できる。
【0068】内層基板上には、本発明の硬化性樹脂組成
物を使用してなる電気絶縁層(2)を形成する。この場
合においては、内層基板と電気絶縁層(2)との密着力
を高めるために、内層基板表面を前処理することが好ま
しい。前処理としては、アルカリ性亜塩素酸ナトリウム
水溶液や、過マンガン酸等を内層基板表面に接触させて
表面を粗化する方法、アルカリ性過硫酸カリウム水溶
液、硫化カリウム−塩化アンモニウム水溶液等により表
面を酸化したのちに還元する方法、内層基板の導電体回
路部分にメッキを析出させ、粗化する方法等が挙げられ
る。
【0069】内層基板上に電気絶縁層(2)を形成する
方法としては、1)本発明の硬化性樹脂組成物のワニス
を内層基板上に塗布した後、溶媒を除去乾燥して硬化性
樹脂組成物の塗布層を形成した後、該組成物を硬化させ
る方法、又は2)本発明の硬化性樹脂組成物をBステー
ジフィルム又はシートに成形し、そのフィルム又はシー
トを加熱圧着等により内層基板上に積層させたのち、該
組成物を硬化させる方法等が挙げられる。
【0070】内層基板上に硬化性樹脂組成物のワニスを
塗布して、硬化性樹脂組成物を積層する場合は、内層基
板上に塗布し、溶媒を除去する。塗布の方法としては、
例えば、ディップコート、ロールコート、カーテンコー
ト、ダイコート、スリットコート等任意の方法を用いる
ことができる。溶媒を除去乾燥する条件は、溶媒の種類
により適宜選択されるが、乾燥温度は、通常20〜30
0℃、好ましくは30〜200℃であり、乾燥時間は、
通常30秒から1時間である。
【0071】硬化性樹脂組成物からなるBステージフィ
ルム又はシートを内層基板上に積層する場合は、通常、
支持体付きのフィルム又はシートを、該フィルム又はシ
ートが内層基板面に積層するように重ね合わせ、加圧ラ
ミネータ、真空ラミネータ、真空プレス、ロールラミネ
ータ等の加圧器を使用して加熱圧着する。加熱圧着は、
配線への埋め込み特性を向上させ、気泡等の発生を抑え
るために真空下で行うのが好ましい。加熱圧着時の温度
は、通常30〜250℃、好ましくは70〜200℃で
あり、圧力は、通常0.1〜200kg/cm2、好ま
しくは1〜100kg/cm2である。また圧着時間
は、通常30秒〜5時間、好ましくは1分〜3時間であ
る。
【0072】硬化性樹脂組成物を硬化させるために、通
常、硬化性樹脂組成物を加熱する。硬化剤の種類に応じ
て硬化条件は適宜選択されるが、硬化させるための温度
は、通常30〜400℃、好ましくは70〜300℃、
より好ましくは100〜200℃であり、硬化時間は、
通常0.1〜5時間、好ましくは0.5〜3時間であ
る。
【0073】前記支持体付きフィルム又はシートを内層
基板に積層させた場合には、前記支持体が付いたまま
で、硬化性樹脂組成物からなるフィルム又はシートを加
熱し硬化させてもよいが、通常は前記支持体を剥がした
後に硬化性樹脂組成物からなるフィルム又はシートを加
熱し硬化させる。
【0074】電気絶縁層(2)の上に新たな導電体回路
(2)を形成する方法としては、メッキやスパッタリン
グによる方法等が挙げられる。また、メッキやスパッタ
リングを行う前に、電気絶縁層(2)と導電体回路
(2)との密着力を高めるために、電気絶縁層(2)の
表面を過マンガン酸やクロム酸等の液により接触させ、
あるいはプラズマ処理等を施すこともできる。
【0075】この回路基板は、通常、電気絶縁層(2)
で仕切られた導電体回路(1)と(2)との間をビアで
接続される。ビアは、ドリルあるいはレーザー等の物理
的手段により形成することもできるし、レジストマスク
を用いるいわゆるフォトリソグラフィーによっても形成
することができる。これらビア形成方法のうち、絶縁層
の特性を低下させず、より微細なビアを形成できるとい
う観点から、炭酸ガスレーザ、エキシマレーザ、UV−
YAGレーザ等のレーザによる方法が好ましい。また、
上記回路基板においては、導電体回路の一部は、金属電
源層や金属グラウンド層、金属シールド層になっていて
もよい。
【0076】本発明においては、電気絶縁層(2)及び
導電体回路(2)を形成して得られた基板を新たな内層
基板として、さらに電気絶縁層及び導電体回路を幾層に
も積層することができる。
【0077】このようにして得られる回路基板は、コン
ピューターや携帯電話等の電子機器において、CPUや
メモリ等の半導体素子、その他の実装部品を実装するた
めのプリント配線板として使用できる。特に、微細配線
を有するものは、高密度プリント配線板として、高速コ
ンピューターや高周波領域で用いられる携帯端末の配線
基板として好適である。
【0078】
【実施例】実施例及び比較例を挙げて本発明を更に詳細
に説明する。本発明は以下の実施例に限定されることな
く、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、硬化性樹脂組成
物の組成、組成割合等を変更することができる。なお、
以下の実施例及び比較例においては、特に説明がない限
り、[部]は[重量部]を意味する。
【0079】(試験及び評価方法) (1)ガラス転移温度(Tg) 環構造含有重合体樹脂のTgはDSC法により、及び硬
化性樹脂組成物の熱硬化後の硬化物のTgは、DMA法
により測定したtanδのトップピーク値をそれぞれ用
いた。 (2)分子量 官能基含有の環構造含有重合体の分子量(重量平均分子
量及び数平均分子量)は、テトラヒドロフランを溶媒と
するゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(G
PC)により測定し、ポリスチレン換算値で示した。
【0080】(3)水素添加率及びグラフト変性率 環構造含有重合体(ノルボルネン系開環重合体)の水素
添加率及び環構造含有重合体のグラフト変性率は、1
−NMRの測定により決定した。 (4)保存安定性の評価 表1に示した組成にて調製した10重量%の樹脂溶液
と、これをガラスアンプルに入れて、30℃の恒温槽中
に1週間放置した溶液とを、それぞれシリコン基板上
に塗布して、20℃で1時間加熱処理を施したときの膜
厚を測定した。次いで、これらの膜厚比(Pt)(/
)を算出し、Pt値が1.1未満のものを◎、1.1
以上で1.15未満のものを○、1.15以上で1.2
0未満のものを△、Pt値が1.2以上のものを×とし
て評価した。
【0081】(5)ゲル化抑制の評価 調製したワニスを10μmのフィルターでろ過(2kg
/cm2)したときのろ過性を目視観察し、良好な場合
を◎、不良のものを×で評価した。 (6)硬化特性の評価 硬化性樹脂組成物のワニスを塗布・乾燥した後、200
℃で1時間加熱処理したときの硬化物のTg値と、18
0℃で1時間加熱処理したときのTg値をそれぞれ測定
して、その温度差(ΔT)を算出し、ΔTが3℃未満の
場合を◎、3℃以上で6℃未満の場合を○、6℃以上で
9℃未満の場合は△、9℃以上の場合を×として評価し
た。
【0082】(7)積層時の配線埋め込み性の評価 多層回路基板を切断し、走査型電子顕微鏡にて切断面を
観察して、観測される空隙の数をカウントした。評価指
標として、配線100本につき1カ所も空隙を生じてな
いものを◎、空隙が1カ所以上3カ所以下のものは○、
空隙が4カ所以上6カ所以下のものは△、空隙が7カ所
以上のものは×と評価した。 (8)積層時の気泡の発生の有無の確認 多層回路基板の硬化物層を上面より目視観察し、気泡の
有無を確認した。100cm2内に気泡が全く観察され
なかったものを○、1ヶ所以上5ヶ所以下のものを△、
6ヶ所以上10ヶ所以下のものを×と評価した。
【0083】(9)絶縁抵抗特性の評価 多層回路基板の2層目の電気絶縁層上に、配線間距離5
0ミクロン、配線幅50ミクロンの櫛形電極を形成した
後、直流電圧50Vを印加した状態で、120℃の飽和
水蒸気条件下に放置し、300時間後に電気抵抗値を測
定した。電気抵抗値が109Ω以上のものは◎、108Ω
以上109Ω未満のものは○、108Ω未満で短絡してい
ないものは△、短絡しているものは×と評価した。
【0084】(実施例)六塩化タングステン、トリイソ
ブチルアルミニウム及びイソブチルアルコールからなる
重合触媒を用い、公知の方法により、8−エチルテトラ
シクロ[4.4.12.5.17.10.0]−3−ドデセン
(以下、ETDと略す。)を重合させた後、ニッケルア
セチルアセトナートとトリイソブチルアルミニウムの水
素添加触媒を用いて水素化し、ノルボルネン系開環重合
体水素添加物(以下、ポリマーAという。)を得た。こ
のものの水素添加率は99%以上であった。
【0085】次に、オートクレーブ中でポリマーA 1
00部、無水マレイン酸 35部、ジクミルパーオキシ
ド 3.5部及びt−ブチルベンゼン 300重量部を
混合し、135℃で4時間反応させた後、反応液をイソ
プロパノール中に滴下、凝固、乾燥し、変性ポリマーを
得た。得られた変性ポリマーは、Tgが158℃、重量
平均分子量が55,400,変性率は26モル%であっ
た。
【0086】次いで、変性ポリマー、多官能エポキシ化
合物及びイミダゾール化合物を表1に示した配合比で遊
星攪拌機(3000rpm×10min)を用いて混合
し、この混合物濃度が30重量%又は10重量%となる
ようにトリメチルベンゼン/シクロヘキサノン(6/4
重量比)溶液に溶解した。得られた10重量%溶液を用
いて保存安定性を測定し、評価した。評価結果を表2に
示す。
【0087】また、30重量%溶液をダイコータを用い
て、300mm角、厚さ75ミクロンのポリエチレンナ
フタレートフィルム(商品名:テオネックス、帝人
(株)製)上に塗工し、窒素オーブン中で120℃で2
10秒間放置し、厚さ40ミクロンのポリエチレンナフ
タレートフィルム(支持体)付きドライフィルムを得
た。また、支持体を剥がしたドライフィルムを200℃
及び180℃の窒素オーブン中に1時間放置し、前者
(200℃で硬化)の誘電率、吸水率、及び前者と後者
(180℃で硬化)のTg値をそれぞれ測定し、硬化性
を評価した。これらの結果を表2に示す。
【0088】配線幅及び配線間隔がそれぞれ75ミクロ
ン、導電体層の厚みが18ミクロンの導電体回路層と、
直径0.2mmのメッキスルーホールが形成された、厚
さ0.8mmの内層基板を用意し、濃度1mol/リッ
トルの水酸化ナトリウム水溶液で洗浄して、基板上の不
純物等を除去した。
【0089】次いで、前述の支持体付きドライフィルム
を、該フィルム面が内側となるようにして前記内層基板
の両面に重ね、真空ラミネーターを用いて、1mmHg
に減圧し、温度150℃、圧力5kgf/cm2で30
分間加熱圧着して支持体付きドライフィルムを内層基板
上に積層した。該積層板から支持体のみを剥がし、18
0℃のオーブン中で60分間放置し、ドライフィルムを
硬化させて電気絶縁層を形成させた。得られた多層回路
基板の埋め込み性、気泡発生、絶縁抵抗及び耐熱性を測
定し、評価した。これらの評価結果を表2にまとめて示
す。
【0090】(比較例1,2)実施例において、環構造
置換基を有するイミダゾール化合物に代えて、2−エチ
ル−4−メチルイミダゾールを0.5部(比較例1)又
は0.1部(比較例2)を用いる以外は、実施例1と同
様に実験を行った。評価結果を表2に示した。
【0091】
【表1】
【0092】表1中、略号は次の意味を表す。 XD:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(商品名:
XD−10002L、日本化薬(株)製) 1B2PZ:1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール 1B2EZ:1−ベンジル−2−エチルイミダゾール 2P4MZ:2−フェニル−4−メチルイミダゾール 2PZ:2−フェニルイミダゾール 2E4MZ:2−エチル−4−メチルイミダゾール
【0093】
【表2】
【0094】表2より明らかなように、各実施例は、比
較例に比して、硬化性樹脂組成物溶液の保存安定性、ゲ
ル化抑制及び硬化特性に優れていた。また、各実施例で
得られる多層回路基板は、比較例の多層回路基板に比し
て優れた埋め込み性を有し、電気絶縁層中に空隙が少な
いものであった。
【0095】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
カバーコート材料や層間絶縁材料に好適な保存安定性、
硬化性特性及び配線埋め込み性に優れた硬化性樹脂組成
物、支持体上に該硬化性樹脂組成物を硬化してなる硬化
性樹脂組成物層を有する絶縁材料、及び前記硬化性樹脂
組成物の硬化物が配線間に空隙なく埋め込まれ、且つ電
気特性、耐熱性等の特性に優れた回路基板が提供され
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H05K 1/03 610 H05K 1/03 610N 3/46 3/46 T Fターム(参考) 4J002 BK001 CE001 EF066 EN036 EN046 EN076 EQ036 EU117 EV226 FD146 FD157 5E346 AA12 CC04 CC10 DD02 EE09 HH01 HH18 5G305 AA06 AA07 AA11 AB01 AB24 AB36 BA09 BA25 CA01 CA02 CA53 CA55 CB15 CB19 CD08 5G333 AA05 AA07 AB13 AB21 BA03 CB12 CB17 DA03 DB01 FB02 FB14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】官能基を有する環構造含有重合体樹脂、硬
    化剤及び環構造含有置換基を有するイミダゾール化合物
    を含有してなる硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】支持体と、該支持体上に積層させてなる請
    求項1記載の硬化性樹脂組成物の層とを有する絶縁材
    料。
  3. 【請求項3】電気絶縁層(1)及びその表面に形成され
    た導電体回路(1)からなる内層基板と、該内層基板上
    に、請求項1記載の硬化性樹脂組成物を積層し硬化させ
    てなる電気絶縁層(2)とを有する回路基板。
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