JP2006104302A - 樹脂組成物とその用途 - Google Patents
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Abstract
【課題】 層間絶縁材層の電気特性・特に誘電特性に優れる樹脂組成物とその用途を提供する。
【解決手段】 環状オレフィン系樹脂(A)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子(B)と、を含んでなることを特徴とする樹脂組成物、好ましくは、前記環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂を含むものである樹脂組成物。
【解決手段】 環状オレフィン系樹脂(A)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子(B)と、を含んでなることを特徴とする樹脂組成物、好ましくは、前記環状オレフィン系樹脂がポリノルボルネン系樹脂を含むものである樹脂組成物。
Description
本発明は、樹脂組成物とその用途に関するものである。
近年の電子機器の高機能化および軽薄短小化の要求に伴い、配線板等の電子部品の高密度集積化、さらには高密度実装化が進んできている。このような電子部品の高密度化に伴い、電気信号も高速伝送化が要求されている。
しかし、このように電気信号の高速伝送化に対しては、配線板を構成する導体部分および絶縁層からの電気損失を低減させる必要がある。特に、絶縁層に起因する電気信号の損失は、電気信号の周波数の増大に伴い、顕著に増加し、GHz帯においては、電気信号が劣化する主要因となる。
配線板の絶縁層を構成する材料としては、主としてエポキシ樹脂、ポリイミド樹脂が用いられてきた(例えば、特許文献1〜2参照)。
しかし、上述したような電気信号の高速化に対する要求には、エポキシ樹脂等は誘電率、誘電正接等の電気特性が不十分であり、近年要求されている電気信号の高速伝送化に対応することが困難となる場合がある。
しかし、上述したような電気信号の高速化に対する要求には、エポキシ樹脂等は誘電率、誘電正接等の電気特性が不十分であり、近年要求されている電気信号の高速伝送化に対応することが困難となる場合がある。
本発明の目的は、樹脂層とした場合に耐熱性や吸水性、特に電気特性に優れた電気信号の劣化の少ない樹脂組成物を提供することにある。
すなわち、本発明は、
[1] 環状オレフィン系樹脂(A)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子(B)と、を含んでなることを特徴とする樹脂組成物、
[2] 前記環状オレフィン系樹脂(a)が、ポリノルボルネン系樹脂である第[1]項記載の樹脂組成物、
[3] 前記ポリノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有するものである、第[1]又は[2]項記載の樹脂組成物、
[1] 環状オレフィン系樹脂(A)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子(B)と、を含んでなることを特徴とする樹脂組成物、
[2] 前記環状オレフィン系樹脂(a)が、ポリノルボルネン系樹脂である第[1]項記載の樹脂組成物、
[3] 前記ポリノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有するものである、第[1]又は[2]項記載の樹脂組成物、
[4] 前記ポリノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン型モノマーを付加重合して得られるものである第[1]ないし[3]項のいずれかに記載の樹脂組成物、
[5] 前記ポリノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表されるモノマーを含むノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるものである第[1]ないし[4]項のいずれかに記載の樹脂組成物、
[5] 前記ポリノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表されるモノマーを含むノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるものである第[1]ないし[4]項のいずれかに記載の樹脂組成物、
[6] 前記PTFE粒子(B)の最大粒径が1mm以下である第[1]ないし[5]項のいずれかに記載の樹脂組成物、
[7] 第[1]ないし[6]項のいずれかに記載の樹脂組成物から構成される絶縁層を含むことを特徴とする多層配線板、
[8] 受動部品を内蔵する第[7]項記載の多層配線板、
[9] 電源層を内蔵する第[7]又は[8]項記載の多層配線板、
[10] 前記電源層の絶縁材料が誘電率10以上の高誘電率有機絶縁材料である、請求項9に記載の多層配線板、
である。
[7] 第[1]ないし[6]項のいずれかに記載の樹脂組成物から構成される絶縁層を含むことを特徴とする多層配線板、
[8] 受動部品を内蔵する第[7]項記載の多層配線板、
[9] 電源層を内蔵する第[7]又は[8]項記載の多層配線板、
[10] 前記電源層の絶縁材料が誘電率10以上の高誘電率有機絶縁材料である、請求項9に記載の多層配線板、
である。
本発明によれば、電気特性、特に誘電特性に優れた樹脂組成物が得られ、これからなる絶縁層を層間絶縁材として用いることで、電子部品の高密度化及び電気信号の高速伝送化への対応が可能となる多層配線板が得られるものである。
本発明は、低誘電性のあるPTFE粒子と環状オレフィン系樹脂とを含み、電気特性に優れ、層間絶縁材層を形成した際に低誘電性に優れた樹脂組成物を提供するものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用する環状オレフィン系樹脂としては、環状オレフィンモノマーの重合体が挙げられる。なお重合方法はランダム重合、ブロック重合など公知の方法が用いられる。具体例としては、ノルボルネン型モノマーの(共)重合体、ノルボルネン型モノマーとα−オレフィン類などの共重合可能な他のモノマーとの共重合体、およびこれらの共重合体の水素添加物などが具体例に該当する。これら環状オレフィン系樹脂は、公知の重合法により製造することが可能であり、その重合方法には付加重合法と開環重合法とがある。このうち、ノルボルネンモノマーを付加(共)重合することによって得られたポリマーが好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
前記環状オレフィンモノマーとしては、一般的には、シクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体が挙げられる。これらのモノマーに官能基が結合した置換体も用いることができる。
環状オレフィン系樹脂の付加重合体としては、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体、(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体、(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
環状オレフィン系樹脂の開環重合体としては、(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂、(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、又は他のモノマーとの開環共重合体、及び必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂が挙げられる。これらの樹脂は公知のすべての重合方法で得ることができる。
上記のうち、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られる付加(共)重合体が好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
上記のうち、(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合させて得られる付加(共)重合体が好ましいが、本発明はなんらこれに限定されるものではない。
環状オレフィン系樹脂の付加重合体は、金属触媒による配位重合、又はラジカル重合によって得られる。このうち、配位重合においては、モノマーを、遷移金属触媒存在下、溶液中で重合することによってポリマーが得られる(NiCOLE R. GROVE et al. Journal of Polymer Science:part B,Polymer Physics, Vol.37, 3003−3010(1999))。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
配位重合に用いる金属触媒として代表的なニッケルと白金触媒は、PCT WO 9733198とPCT WO 00/20472に述べられている。配位重合用金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
ラジカル重合技術については、Encyclopedia of Polymer Science, John Wiley & Sons, 13, 708(1988)に述べられている。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t−ブチル過酸化水素などである。
一般的にはラジカル重合はラジカル開始剤の存在下、温度を50℃〜150℃に上げ、モノマーを溶液中で反応させる。ラジカル開始剤としてはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウリル、アゾビスイソカプトロニトリル、アゾビスイソレロニトリル、t−ブチル過酸化水素などである。
環状オレフィン系樹脂の開環重合体は、公知の開環重合法により、チタンやタングステン化合物を触媒として、少なくとも一種以上のノルボルネン型モノマ−を開環(共)重合して開環(共)重合体を製造し、次いで必要に応じて通常の水素添加方法により前記開環(共)重合体中の炭素−炭素二重結合を水素添加して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を製造することによって得られる。
上述重合系の適当な重合溶媒としては炭化水素や芳香族溶媒が含まれる。炭化水素溶媒の例としては、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、やシクロヘキサンなどであるがこれに限定されない。芳香族溶媒の例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンやメシチレンなどであるがこれに限定されない。ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチルアセテート、エステル、ラクトン、ケトン、アミドも使用できる。これら溶剤を単独や混合しても重合溶媒として使用できる。
本発明の環状オレフィン系樹脂の分子量は、開始剤とモノマーの比を変えたり、重合時間を変えたりすることにより制御することができる。上記の配位重合用が用いられる場合、米国特許No.6,136,499に開示されるように、分子量を連鎖移動触媒を使用することにより制御することができる。この発明においては、エチレン、プロピレン、1−ヘキサン、1−デセン、4−メチル−1−ペンテン、などα―オレフィンが分子量制御するのに適当である。
本発明において環状オレフィン系樹脂の重量平均分子量は、10,000〜500,000、好ましくは30,000〜100,000さらに好ましくは50,000〜80,000である。重量平均分子量は標準ポリノルボルネンを用いて、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定することができる。(ASTMDS3536−91準拠)
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、炭化水素からなる有機基および/または官能基を含有する有機基を含むものであってもよい。一般的には分子内に炭化水素からなる有機基および/または官能基を含有する有機基を含むモノマーを直接重合することによって得ることができるが、重合後に変性反応等によって側鎖に炭化水素からなる有機基および/または官能基を含有する有機基を導入する方法によっても同様の重合体を得ることができる。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂を製造するために使用する環状オレフィンモノマーとしては、一般式(2)で表されるノルボルネン型モノマーが好ましい。
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチル基等が、アルケニル基の具体例としては、ビニル、アリル、ブチニル、シクロヘキセニル基等が、アルキニル基の具体例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、ヘキシニル、オクチニル、ヘプチニル基等が、アリール基の具体例としては、フェニル、トリル、ナフチル、アントラセニル基等が、アラルキル基の具体例としてはベンジル、フェネチル基等がそれぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。また、エポキシ基の具体例としては、グリシジルエーテル基等が、アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、トリエトキシシリル、トリエトキシシリルエチル基等が、(メタ)アクリル基の具体例としては、メタクリロキシメチル基等が、エステル基の具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、n−ブチルエステル、t−ブチルエステル基等が、がそれぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。また、エーテル基およびケトン基を含有する有機基については、これらの基を有している官能基であれば特に構造は限定されない。
(式(2)中、Xは、O,−CH2−または−CH2CH2−を示し、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ、水素、あるいは、直鎖もしくは分岐したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシシリル基、エポキシ基を含有する有機基、アルコキシシリル基を含有する有機基、エーテル基を含有する有機基、(メタ)アクリル基を含有する有機基、エステル基を含有する有機基、およびケトン基を含有する有機基から選ばれる炭素数1〜12個の基を示し、これらの基は、アルキル基、エーテル基、エステル基を介して結合されていても良く、同一であっても、異なっていても良い。nは0〜5までの整数である。)
アルキル基の具体例としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、メチルシクロヘキシル、シクロオクチル基等が、アルケニル基の具体例としては、ビニル、アリル、ブチニル、シクロヘキセニル基等が、アルキニル基の具体例としては、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、ヘキシニル、オクチニル、ヘプチニル基等が、アリール基の具体例としては、フェニル、トリル、ナフチル、アントラセニル基等が、アラルキル基の具体例としてはベンジル、フェネチル基等がそれぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。また、エポキシ基の具体例としては、グリシジルエーテル基等が、アルコキシシリル基の具体例としては、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、トリエトキシシリル、トリエトキシシリルエチル基等が、(メタ)アクリル基の具体例としては、メタクリロキシメチル基等が、エステル基の具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、n−ブチルエステル、t−ブチルエステル基等が、がそれぞれ挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。また、エーテル基およびケトン基を含有する有機基については、これらの基を有している官能基であれば特に構造は限定されない。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂を製造するために使用する環状オレフィンモノマーとしては、例えば、アルキル基を有するものとして、5−メチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2−ノルボルネン、5−プロピル−2−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−ペンチル−2−ノルボルネン、5−ヘキシル−2−ノルボルネン、5−ヘプチル−2−ノルボルネン、5−オクチル−2−ノルボルネン、5−ノニル−2−ノルボルネン、5−デシル−2−ノルボルネンなど、アルケニル基を有するものとしては、5−アリル−2−ノルボルネン、5−メチリデン−2−ノルボルネン、5−エチリデン−2−ノルボルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、5−(2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−2−プロペニル)−2−ノルボルネン、5−(4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1−メチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(2,3−ジメチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−エチル−3−ブテニル)−2−ノルボルネン、5−(3,4−ジメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネン、5−(7−オクテニル)−2−ノルボルネン、5−(2−メチル−6−ヘプテニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2−ジメチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(5−エチル−5−ヘキセニル)−2−ノルボルネン、5−(1,2,3−トリメチル−4−ペンテニル)−2−ノルボルネンなど、アルキニル基を有するものとしては、5−エチニル−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、ジメチルビス((5−ノルボルネン−2−イル)メトキシ))シランなど、シリル基を有するものとしては、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチル−1,5−ジメチルビス((2−(5−ノルボルネン−2−イル)エチル)トリシロキサンなど、アリール基を有するものとしては、5−フェニルー2−ノルボルネン、5−ナフチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニル−2−ノルボルネンなど、アラルキル基を有するものとしては、5−ベンジル−2−ノルボルネン、5−フェネチル−2−ノルボルネン、5−ペンタフルオロフェニルメタン−2−ノルボルネン、5−(2−ペンタフルオロフェニルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−ペンタフルオロフェニルプロピル)−2−ノルボルネンなど、アルコキシシリル基を有するものとしては、5−トリメトキシシリル−2−ノルボルネン、5−トリエトキシシリル−2−ノルボルネン、5−(2−トリメトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(2−トリエトキシシリルエチル)−2−ノルボルネン、5−(3−トリメトキシプロピル)−2−ノルボルネン、5−(4−トリメトキシブチル)−2−ノルボルネン、5ートリメチルシリルメチルエーテル−2−ノルボルネンなど、ヒドロキシル基、エーテル基、カルボキシル基、エステル基、アクリロイル基またはメタクリロイル基を有するものとしては、5−ノルボルネン−2−メタノール、及びこのアルキルエーテル、酢酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、プロピオン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、酪酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、吉草酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプロン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、カプリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ラウリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、ステアリン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、オレイン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、リノレン酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、5−ノルボルネン−2−カルボン酸メチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸エチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸t−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸i−ブチルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリメチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸トリエチルシリルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸イソボニルエステル、5−ノルボルネン−2−カルボン酸2−ヒドロキシエチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチル−2−カルボン酸メチルエステル、ケイ皮酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、5−ノルボルネン−2−メチルエチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルn−ブチルカルボネート、5−ノルボルネン−2−メチルt−ブチルカルボネート、5−メトキシ−2−ノルボルネン、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−メチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−エチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−n―プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−i−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−オクチルエステル、(メタ)アクリル酸5−ノルボルネン−2−デシルエステルなど、エポキシ基を有するものとしては、5−[(2,3−エポキシプロポキシ)メチル]−2−ノルボルネンなど、またテトラシクロ環から成るものとして、8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−i−プロピルカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(2−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(1−メチルプロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−(4‘−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−エトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−i−プロポキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−n−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(2−メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(1−メチルポロポキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−t−ブトキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−シクロヘキシロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−(4‘−t−ブチルシクロヘキシロキシ)カルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−フェノキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロフラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチル−8−テトラヒドロピラニロキシカルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8−メチル−8−アセトキシテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(メトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(エトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−プロポキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(i−プロポキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(n−ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(t−ブトキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(シクロへキシロキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(フェノキシロキシカロボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8,9−ジ(テトラヒドロフラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−ジ(テトラヒドロピラニロキシカルボニル)テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]−3−ドデセン、8,9−テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン−8−カルボン酸、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−エチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデック−3−エン、8−メチルテトラシクロ[4.4.0.12,5.01,6]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,12]ドデック−3−エン、8−エチリデンテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,1001,6]ドデック−3−エンなどが挙げられる。
本発明で用いられる環状オレフィン系樹脂は、周波数がGHz帯において、優れた誘電率、誘電正接を示すものであり、また、特に、付加型のポリノルボルネン系樹脂は耐熱性にも優れるものであり、中でも、下記一般式(1)で表される構造を有する付加型のポリノルボルネンの化学構造における主鎖骨格は、ガラス転移温度が300℃前後の耐熱性を有し好適である。
(式(1)中、Xは、O,−CH2−または−CH2CH2−を示し、R1、R2、R3、およびR4はそれぞれ、水素、あるいは、直鎖もしくは分岐したアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基、アルコキシシリル基、エポキシ基を含有する有機基、アルコキシシリル基を含有する有機基、エーテル基を含有する有機基、(メタ)アクリル基を含有する有機基、エステル基を含有する有機基、およびケトン基を含有する有機基から選ばれる基を示し、これらの基は、アルキル基、エーテル基、エステル基を介して結合されていても良く、同一であっても、異なっていても良い。mは10〜10000の整数、nは0〜5までの整数である。)
前記一般式(1)で表される構造を有する付加型のポリノルボルネンにおいて、置換基R1、R2、R3、およびR4は、目的に応じて、その置換基の種類と該置換基を有する繰り返し単位の割合を調整することにより、特性を好ましいものとすることができる。例えば、前記一般式(1)において、Xは−CH2−とし、R3およびR4は水素とし、nは0の場合、R1およびR2として、例えば、前記アルキル基を導入した場合、可とう性に優れるポリノルボルネン樹脂フィルムを得ることができるので好ましい。また、トリメトキシシリル基、またはトリエトキシシリル基を導入した場合、銅などの金属との密着性が向上するので好ましい。ただし、トリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基の割合が多い場合、ポリノルボルネン樹脂の誘電正接が大きくなることがあるため、トリエトキシシリル基および/またはトリメトキシシリル基を有するノルボルネンの繰り返し単位は、一般式(1)で表されるノルボルネン1分子において、5〜80mol%の範囲にすることが好ましい。さらに好ましくは5〜50mol%である。
中でも、特に、可とう性、密着性および誘電特性が良好な樹脂フィルムを得る上で、一般式(1)において、n−ブチル基を有するノルボルネン90mol%とトリエトシキシシリル基を有するノルボルネン10mol%からなるポリノルボルネン、未置換(置換基が水素原子)ノルボルネン90mol%とトリエトシシリル基を有するノルボルネン10mol%からなるポリノルボルネン、および未置換ノルボルネン75mol%とn−ヘキシル基を有するノルボルネン25mol%からなるポリノルボルネンが好ましい。
中でも、特に、可とう性、密着性および誘電特性が良好な樹脂フィルムを得る上で、一般式(1)において、n−ブチル基を有するノルボルネン90mol%とトリエトシキシシリル基を有するノルボルネン10mol%からなるポリノルボルネン、未置換(置換基が水素原子)ノルボルネン90mol%とトリエトシシリル基を有するノルボルネン10mol%からなるポリノルボルネン、および未置換ノルボルネン75mol%とn−ヘキシル基を有するノルボルネン25mol%からなるポリノルボルネンが好ましい。
また、前記側鎖のR1〜R4としてトリエトキシシリル基、トリメトキシシリル基の替わりにエポキシ基を有するノルボルネンを、5〜95mol%、好ましくは、20〜80mol%、さらに好ましくは30〜70mol%の割合で使用する場合、基材との密着性を向上することができる。
本発明で用いられるポリテトラフルオロエチレン(PTFE)としては、テトラフルオロエチレンから誘導された単位が95〜100%含まれるもの、あるいは、テトラフルオロエチレンから誘導された単位と、1種またはそれ以上の共重合できるモノマー、例えばヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロビニルエーテル、ヘキサフルオロイソブチレン、ビニリデンフルオライド、またはオレフィンから誘導された単位と、からなる共重合体であり、上記共重合体の場合のテトラフルオロエチレンから誘導された単位以外の単位の比率が20%まで、好ましくは5%まで、さらに好ましくは2%以下からなるものである。
PTFEの結晶度は、少なくとも50%以上、好ましくは60%以上であり、更に好ましくは、70%〜90%であってよい。
PTFE粒子径は、成形して得られるフィルムの膜厚の観点から、環状オレフィン樹脂中に分散した状態での粒径が、平均粒径0.05μm以上1μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.1μm以上0.5μm以下が良い。
本発明における樹脂組成物のPTFE粒子の配合量は、可とう性、および誘電特性の観点から、環状オレフィン系樹脂に対して10wt%以上50wt%以下が好ましい。上記下限値を下回ると、樹脂組成物の誘電特性の改善できない恐れがある。また、上記上限値を超えると、フィルム可とう性が低下する恐れがある。
PTFEの結晶度は、少なくとも50%以上、好ましくは60%以上であり、更に好ましくは、70%〜90%であってよい。
PTFE粒子径は、成形して得られるフィルムの膜厚の観点から、環状オレフィン樹脂中に分散した状態での粒径が、平均粒径0.05μm以上1μm以下が好ましく、更に好ましくは、0.1μm以上0.5μm以下が良い。
本発明における樹脂組成物のPTFE粒子の配合量は、可とう性、および誘電特性の観点から、環状オレフィン系樹脂に対して10wt%以上50wt%以下が好ましい。上記下限値を下回ると、樹脂組成物の誘電特性の改善できない恐れがある。また、上記上限値を超えると、フィルム可とう性が低下する恐れがある。
本発明の樹脂組成物は、その他の成分として、架橋剤、光酸発生剤、フィラー、カップリング剤、難燃剤等を含んでいてもよい。
本発明の樹脂組成物に含まれる架橋剤として、ビスアジド、パーオキサイド、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ジカルボン酸、多価フェノール、ポリアミド等があり、例えば、4,4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサンノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルホン、4,4′−ジアジドジフェニルメタン、2,2′−ジアジドスチルベンなどのビスアジド;α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキサイド)ヘキシン−3;ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン;ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン;1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ポリアミン;4,4′−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン類;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性環状オレフィン系樹脂等の酸無水物類;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミック酸等のジカルボン酸類;フェノ−ルノボラック樹脂、クレゾ−ルノボラック樹脂等の多価フェノ−ル類;ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド類;等が挙げられる。これらは、一種でも二種以上の混合物として使用しても良い。均一に分散させやすく好ましい。また、必要に応じて硬化助剤を配合して、架橋反応の効率を高めることも可能である。前記硬化剤の配合量は、とくに制限はないが、架橋反応を効率良く反応させ、かつ、得られる架橋物の物性面から、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲で使用される。架橋剤の添加量が、少なすぎると環状オレフィン樹脂との反応が起こりにくく、多すぎると電気特性、耐水性、耐湿性などの特性が低下するため好ましくない。
本発明の樹脂組成物に含まれる架橋剤として、ビスアジド、パーオキサイド、脂肪族ポリアミン、脂環族ポリアミン、芳香族ポリアミン、酸無水物、ジカルボン酸、多価フェノール、ポリアミド等があり、例えば、4,4′−ビスアジドベンザル(4−メチル)シクロヘキサンノン、4,4′−ジアジドカルコン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)シクロヘキサノン、2,6−ビス(4′−アジドベンザル)−4−メチル−シクロヘキサノン、4,4′−ジアジドジフェニルスルホン、4,4′−ジアジドジフェニルメタン、2,2′−ジアジドスチルベンなどのビスアジド;α,α'−ビス(t−ブチルパーオキシ)ジイソプロピルベンゼン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキサイド)ヘキシン−3;ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミンなどの脂肪族ポリアミン;ジアミノシクロヘキサン、3(4),8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ〔5,2,1,02,6〕デカン;1,3−(ジアミノメチル)シクロヘキサン、メンセンジアミン、イソホロンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンなどの脂環族ポリアミン;4,4′−ジアミノジフェニルエ−テル、4,4′−ジアミノジフェニルメタン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,3−ジイソプロピルベンゼン、α,α′−ビス(4−アミノフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、4,4′−ジアミノジフェニルスルフォン、メタフェニレンジアミン等の芳香族ポリアミン類;無水フタル酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ナジック酸無水物、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、無水マレイン酸変性ポリプロピレン、無水マレイン酸変性環状オレフィン系樹脂等の酸無水物類;フマル酸、フタル酸、マレイン酸、トリメリット酸、ハイミック酸等のジカルボン酸類;フェノ−ルノボラック樹脂、クレゾ−ルノボラック樹脂等の多価フェノ−ル類;ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン−11、ナイロン−612、ナイロン−12、ナイロン−46、メトキシメチル化ポリアミド、ポリヘキサメチレンジアミンテレフタルアミド、ポリヘキサメチレンイソフタルアミド等のポリアミド類;等が挙げられる。これらは、一種でも二種以上の混合物として使用しても良い。均一に分散させやすく好ましい。また、必要に応じて硬化助剤を配合して、架橋反応の効率を高めることも可能である。前記硬化剤の配合量は、とくに制限はないが、架橋反応を効率良く反応させ、かつ、得られる架橋物の物性面から、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜50重量部、好ましくは1〜10重量部の範囲で使用される。架橋剤の添加量が、少なすぎると環状オレフィン樹脂との反応が起こりにくく、多すぎると電気特性、耐水性、耐湿性などの特性が低下するため好ましくない。
本発明の樹脂組成物に含まれる光酸発生剤は、例えばオニウム塩、ハロゲン化有機化合物、キノンジアジド化合物、α,α−ビス(スルホニル)ジアゾメタン系化合物、α−カルボニル−α−スルホニル−ジアゾメタン系化合物、スルホン化合物、有機酸エステル化合物、有機酸アミド化合物、有機酸イミド化合物等が挙げられる。オニウム塩の具体例としては、未置換、対称的にまたは非対称的に置換されたアルキル基、アルケニル基、アラルキル基、芳香族基、ヘテロ環状基を有するジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨ−ドニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、アルソニウム塩、オキソニウム塩等が挙げられる。得られる架橋樹脂の物性を損なわない面から、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の範囲で使用される。光酸発生剤の添加量が、少なすぎると環状オレフィン樹脂との反応が起こりにくく、多すぎると電気特性、耐水性、耐湿性などの特性が低下するため好ましくない。
本発明に用いる無機フィラーは、800nm以下の平均粒径を有するものであり、これらの無機フィラーとしては、例えば、タルク、焼成クレー、未焼成クレー、マイカおよびガラス等のケイ酸塩、酸化チタン、アルミナ、シリカおよび溶融シリカ等の酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムおよびハイドロタルサイト等の炭酸塩、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウム等の水酸化物、硫酸バリウム、硫酸カルシウムおよび亜硫酸カルシウム等の硫酸塩または亜硫酸塩、ホウ酸亜鉛、メタホウ酸バリウム、ホウ酸アルミニウム、ホウ酸カルシウムおよびホウ酸ナトリウム等のホウ酸塩、窒化アルミニウム、窒化ホウ素および窒化ケイ素等の窒化物等を挙げることができる。誘電率の観点よりシリカフィラーがより好ましい。シリカフィラーとしては、ゾル−ゲル法により合成されたシリカフィラー、気相法により合成されたシリカフィラー、溶融シリカフィラー、結晶シリカフィラーなどがある。特に、気相法により合成されたシリカフィラー、ゾル−ゲル法により合成されたシリカフィラーが好ましい。フィラー添加量は、環状オレフィン系樹脂100重量部に対して70重量部以下、好ましくは1〜50重量部の範囲で使用される。フィラー添加量を少なすぎると、樹脂組成物の膨張係数が大きくなり、多すぎると脆弱性が増し、フィルム性が無くなるため好ましくない。
本発明に用いるシランカップリング剤としては、1分子中にアルコキシシリル基と、アルキル基、エポキシ基、ビニル基、フェニル基等の有機官能基を有するシラン化合物全般が挙げられ、例えば、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシランなどのアルキル基を有するシラン、フェニルトリエトキシシラン、ベンジルトリエトキシシラン、フェネチルトリエトキシシランなどのフェニル基を有するシラン、ブテニルトリエトキシシラン、プロペニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニル基を有するシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン等のメタクリル基を有するシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノ基を有するシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基を有するシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト基を有するシラン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。又、これらは単独でも混合して用いても良い。
本発明において、PTFE粒子は、予め、本発明の樹脂組成物に含まれる環状オレフィン系樹脂が可溶な溶媒を含む溶媒中で、または、溶媒とPTFE粒子を分散させる溶媒とが同一の溶媒中で、分散して用いられる。溶媒中にPTFE粒子を分散させる方法としては、混合機中に、溶媒と、PTFE粒子とを加え、超音波分散方式、高圧衝突式分散方式、高速回転分散方式、ビーズミル方式、高速せん断分散方式、および自転公転式分散方式などの分散方式を用いて、分散させる方法が挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、プリント配線板、多層配線板、半導体装置、液晶表示装置などの用途に好適であるが、例えば、多層配線板に用いる場合は、本発明の樹脂組成物を、配線板上へ塗布して、塗膜を形成し、加熱硬化させて、絶縁層を形成し、層間絶縁材料として用いられる。前記塗布方法としては、アプリケータ、バーコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、ダイコータ、カーテンコータ、印刷機、真空印刷機、ディスペンサーなどを用いることができる。樹脂組成物の加熱硬化温度としては、150℃以上300℃以下が好ましく、さらに好ましくは、170℃以上250℃以下である。
まず、コア基板として、FR−4の両面金属箔(銅箔)付き絶縁基板103にドリル機で開孔して開孔部102を設けた後、無電解めっきにより、開孔部102にめっきを行い、前記絶縁基板103の両面の金属箔間の導通を図り、次いで、前記金属箔をエッチングすることにより導体回路層101を形成する(図1(a))。導体回路層101の材質としては、この製造方法に適するものであれば、どのようなものでも良いが、導体回路の形成においてエッチングや剥離などの方法により除去可能であることが好ましく、前記エッチングにおいては、これに使用される薬液などに耐性を有するものが好ましい。そのような導体回路層101の材質としては、例えば、銅、銅合金、42合金およびニッケル等が挙げられる。特に、銅箔、銅板および銅合金板は、電解めっき品や圧延品を選択できるだけでなく、様々な厚みのものを容易に入手できるため、導体回路層101として使用するのに好ましい。
次に、導体回路層101上に、上記樹脂組成物を用いて、絶縁層104を形成する(図1(b))。絶縁層104を形成する方法としては、塗布法やフィルム積層法などが挙げられ、前記塗布法としては、例えば、カーテンコータ、バーコータ、コンマコータ、ナイフコータ、グラビアコータ、ダイコータ、スピンコータ、印刷機、真空印刷機およびディスペンサーなどの装置を用いて、上記樹脂組成物を絶縁層を形成する面に塗布して、塗膜を形成し、該塗膜を、乾燥機、窒素乾燥機、真空乾燥機などを用いて、乾燥・硬化して、絶縁層を形成する方法が挙げられる。前記フィルム積層方法としては、上記樹脂組成物を用いてポリエステルフィルムなどの基材の上に、上記同様にして塗膜を形成し、これを、乾燥して支持基材付きフィルム(絶縁膜)を作製し、これを、絶縁層を形成する面に、真空プレス、常圧ラミネーター、真空ラミネータ−およびベクレル式積層装置等を用いてフィルムを積層して絶縁層を形成する方法が挙げられ、また、ポリエステルフィルムなどの樹脂基材に替えて、金属基材の上に、上記同様にして絶縁膜を形成し、金属層付きフィルム(絶縁膜)を作製し、これを積層して絶縁層を形成する方法などが挙げられる。前記金属層付きフィルムにおいては、該金属層を導体回路として加工することができる。
加熱硬化する温度は、150℃〜300℃の範囲が好ましい。特に、150℃〜250℃が好ましい。また、一層目の絶縁層を加熱、半硬化させ、前記絶縁層上に、一層ないし複数の絶縁層を形成し半硬化の絶縁層を実用上問題ない程度に再度加熱硬化させることにより絶縁層間および絶縁層と導体回路間の密着力を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、150℃〜250℃が好ましく、150℃〜200℃がより好ましい。
また、前記絶縁層を形成後に、絶縁層の表面にプラズマ処理を施すことで絶縁層間および絶縁層と導体回路間の密着力を向上させることができる。プラズマ処理のガスとして、酸素、アルゴン、フッ素、フッ化炭素、窒素などを一種もしくは複数種混合して用いることができる。また、プラズマ処理は複数回実施しても良い。
加熱硬化する温度は、150℃〜300℃の範囲が好ましい。特に、150℃〜250℃が好ましい。また、一層目の絶縁層を加熱、半硬化させ、前記絶縁層上に、一層ないし複数の絶縁層を形成し半硬化の絶縁層を実用上問題ない程度に再度加熱硬化させることにより絶縁層間および絶縁層と導体回路間の密着力を向上させることができる。この場合の半硬化の温度は、150℃〜250℃が好ましく、150℃〜200℃がより好ましい。
また、前記絶縁層を形成後に、絶縁層の表面にプラズマ処理を施すことで絶縁層間および絶縁層と導体回路間の密着力を向上させることができる。プラズマ処理のガスとして、酸素、アルゴン、フッ素、フッ化炭素、窒素などを一種もしくは複数種混合して用いることができる。また、プラズマ処理は複数回実施しても良い。
次に、絶縁層104に、レーザーを照射して、ビアホール105を形成する(図1(c))。前記レーザーとしては、エキシマレーザー、UVレーザーおよび炭酸ガスレーザーなどが使用でき、前記レーザーによるビアホールの開孔においては、絶縁層の材質が感光性・非感光性に関係なく、微細なビアホールを容易に形成することができるので、微細加工が必要とされる場合に、特に好ましい。また、ビアホール105の形成方法としては、上記レーザーを照射する方法以外にレーザーおよびプラズマなどによるドライエッチング、ケミカルエッチング等を用いることができる。また、絶縁層104を感光性の樹脂により作製した場合には、絶縁層104を選択的に感光し、現像することでビアホール105を形成することもできる。
次に、第二の導体回路層106を形成する(図1(d))。第二の導体回路層106の形成方法としては、公知の方法であるセミアディティブ法などで形成することができる。これらの方法により、多層配線板を製造することができる。
次に、第二の導体回路層106を形成する(図1(d))。第二の導体回路層106の形成方法としては、公知の方法であるセミアディティブ法などで形成することができる。これらの方法により、多層配線板を製造することができる。
また、本発明の多層配線板は、受動部品や電源層を内蔵することができる。
受動部品としては、シリコンウエハー上に形成したインダクター、抵抗、コンデンサーなどを内蔵することができる。
電源層としては、高誘電率無機絶縁材料や高誘電率有機絶縁材料など高誘電材料を用いて作製することができるが、より低温で電源層を形成できる高誘電率有機絶縁材料を用いることが好ましい。
本発明の多層配線板に電源層を内蔵する方法としては、配線形成両面基板107に高誘電率有機層間絶縁材料からなる絶縁層を形成し、ビアホール105を形成し、第二の導体回路層106を形成する。第二の導体回路層上に前記樹脂組成物を形成し、ビアホールを形成し、その上に第三の導体回路層を形成すること、もしくはその工程を繰り返し行うことで実施することができる。
本発明の多層配線板に受動部品を内蔵する方法としては、配線形成両面基板107に受動部品チップを搭載し、前記樹脂組成物あるいは、受動部品を埋め込む封止材料により封止し、受動部品チップの電極上に封止材を貫通するビアホールを形成することで端子間の接続を取ることができる。
受動部品としては、シリコンウエハー上に形成したインダクター、抵抗、コンデンサーなどを内蔵することができる。
電源層としては、高誘電率無機絶縁材料や高誘電率有機絶縁材料など高誘電材料を用いて作製することができるが、より低温で電源層を形成できる高誘電率有機絶縁材料を用いることが好ましい。
本発明の多層配線板に電源層を内蔵する方法としては、配線形成両面基板107に高誘電率有機層間絶縁材料からなる絶縁層を形成し、ビアホール105を形成し、第二の導体回路層106を形成する。第二の導体回路層上に前記樹脂組成物を形成し、ビアホールを形成し、その上に第三の導体回路層を形成すること、もしくはその工程を繰り返し行うことで実施することができる。
本発明の多層配線板に受動部品を内蔵する方法としては、配線形成両面基板107に受動部品チップを搭載し、前記樹脂組成物あるいは、受動部品を埋め込む封止材料により封止し、受動部品チップの電極上に封止材を貫通するビアホールを形成することで端子間の接続を取ることができる。
本発明の多層配線板において、電源層に用いる高誘電率有機絶縁材料としては、例えば、バインダー樹脂と高誘電体を含む樹脂組成物を挙げられる。前記バインダー樹脂としては、熱硬化性樹脂を用いることが好ましいが、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂およびビスフェノールAノボラック樹脂等のノボラック型フェノール樹脂およびレゾール型フェノール樹脂等のフェノール樹脂、ビスフェノールAエポキシ樹脂およびビスフェノールFエポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラックエポキシ樹脂およびクレゾールノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジフェニルエーテル型エポキシ樹脂およびビスフェノールA−エピクロルヒドリン型エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂;、ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂等のトリアジン環を有する樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、ベンゾオキサジン環を有する樹脂、シアネートエステル樹脂、メタクリロイル基を有する樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分にすることが好ましい。
これらの中でも、エポキシ樹脂やフェノール樹脂等の熱硬化性樹脂を主成分にすることが好ましい。
前記高誘電体としては、例えば、チタン酸バリウム、チタン酸亜鉛、チタン酸ストロンチウム、チタン酸ビスマス、チタン酸マグネシウム、チタン酸ネオジウムおよびチタン酸カルシウム等の金属酸化物粉末や、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ルテニウム、鉄、ニッケル、コバルト、ゲルマニウム、シリコン、亜鉛、チタン、マグネシウムおよびアルミニウム等の金属粉末や、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンブラック、人造黒鉛、天然黒鉛およびフラーレンなどの炭素材料粉末等を挙げることができる。
これらの、高誘電体を配合した高誘電率有機絶縁材料は、10以上の高い誘電率が得られるものとなる。
これらの、高誘電体を配合した高誘電率有機絶縁材料は、10以上の高い誘電率が得られるものとなる。
前記高誘電率有機絶縁材料には、上記成分以外に、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、高誘電率絶縁樹脂層を作製した際の表面平滑性を向上させるためのレベリング剤、高誘電体の分散性を向上させるための分散剤、可とう性を向上させるためのエラストマー等の添加剤を添加しても良い。
以下、実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれによって何ら限定されるものではない。
(実施例1)
[樹脂組成物の作製]
室温でスラリー状態であるPTFE粒子(平均粒径:1.0μm)20.0gを、ポリノルボルネン溶液78.0g(プロメラス社製、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシランノルボルネン10mol%の共重合体)に投入し、超音波分散機で混合、溶解後、樹脂組成物1を得た。ポリノルボルネンに対するPTFEの濃度は30wt%とする。
[樹脂組成物の作製]
室温でスラリー状態であるPTFE粒子(平均粒径:1.0μm)20.0gを、ポリノルボルネン溶液78.0g(プロメラス社製、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシランノルボルネン10mol%の共重合体)に投入し、超音波分散機で混合、溶解後、樹脂組成物1を得た。ポリノルボルネンに対するPTFEの濃度は30wt%とする。
[樹脂組成物フィルムの作製および評価]
厚み70μmの銅箔(三井金属(株)社製、商品名:3EC−VLP)上に、上記で得た樹脂組成物1を、アプリケータを用いて、塗布し、乾燥機中で、80℃/10分間、140℃/10分間の条件で、乾燥後、窒素乾燥機中で、220℃/1時間熱処理し、樹脂層の厚みが22μmの、銅箔付き樹脂組成物1を得た。70μm厚の銅箔をエッチング除去し、樹脂組成物フィルムを得た。得られたフィルム(1)の10GHzでの誘電率、誘電正接を測定した。測定は、円筒空洞共振機を用いた摂動法で行った。測定装置は、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B(アジレント・テクノロジー製)を用いた。その結果、誘電率2.18、誘電正接0.001と優れた誘電特性を示すことが確認された。
厚み70μmの銅箔(三井金属(株)社製、商品名:3EC−VLP)上に、上記で得た樹脂組成物1を、アプリケータを用いて、塗布し、乾燥機中で、80℃/10分間、140℃/10分間の条件で、乾燥後、窒素乾燥機中で、220℃/1時間熱処理し、樹脂層の厚みが22μmの、銅箔付き樹脂組成物1を得た。70μm厚の銅箔をエッチング除去し、樹脂組成物フィルムを得た。得られたフィルム(1)の10GHzでの誘電率、誘電正接を測定した。測定は、円筒空洞共振機を用いた摂動法で行った。測定装置は、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B(アジレント・テクノロジー製)を用いた。その結果、誘電率2.18、誘電正接0.001と優れた誘電特性を示すことが確認された。
(実施例2)
実施例1において、ポリノルボルネン溶液78.0g(プロメラス社製、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシランノルボルネン10mol%の共重合体)をポリノルボルネン溶液43.0g(プロメラス社製、デシルノルボルネン70mol%とエポキシノルボルネン30mol%の共重合体)にする以外は、すべて実施例1と同様にして、フィルム(2)を形成し、誘電率を測定した。誘電率測定の結果を表1に示す。
実施例1において、ポリノルボルネン溶液78.0g(プロメラス社製、ブチルノルボルネン90mol%とトリエトキシシランノルボルネン10mol%の共重合体)をポリノルボルネン溶液43.0g(プロメラス社製、デシルノルボルネン70mol%とエポキシノルボルネン30mol%の共重合体)にする以外は、すべて実施例1と同様にして、フィルム(2)を形成し、誘電率を測定した。誘電率測定の結果を表1に示す。
(比較例1)
温度計、撹拌装置、乾燥管、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド8g、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン(式(3))1.1gを入れ撹拌した。ジアミンが溶解した後、氷浴で冷却しながら、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物0.89g(2ミリモル)を少量づつ添加した。添加終了後氷浴で冷却しながら5時間反応させ、ポリアミド酸の溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を実施例1と同様にして70μm銅箔上に塗布し、150℃、250℃、及び300℃で順次それぞれ30分ずつ加熱することによりポリイミドフィルムを形成し、誘電率を測定した。誘電率測定の結果を表1に示す。
温度計、撹拌装置、乾燥管、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに乾燥したN,N−ジメチルアセトアミド8g、1,3−ジアミノ−5−(パーフルオロノネニルオキシ)ベンゼン(式(3))1.1gを入れ撹拌した。ジアミンが溶解した後、氷浴で冷却しながら、2,2−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物0.89g(2ミリモル)を少量づつ添加した。添加終了後氷浴で冷却しながら5時間反応させ、ポリアミド酸の溶液を得た。得られたポリアミド酸溶液を実施例1と同様にして70μm銅箔上に塗布し、150℃、250℃、及び300℃で順次それぞれ30分ずつ加熱することによりポリイミドフィルムを形成し、誘電率を測定した。誘電率測定の結果を表1に示す。
[試験:測定方法]
誘電率測定:円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー製、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B)を用い、周波数1GHzでの誘電率、誘電正接を測定した。
誘電率測定:円筒空洞共振機(アジレント・テクノロジー製、マイクロ波ネットワークアナライザ HP8510B)を用い、周波数1GHzでの誘電率、誘電正接を測定した。
101 導体回路層
102 開孔部
103 絶縁基板
104 絶縁層
105 ビアホール
106 第二の導体回路層
107 配線形成両面基板
102 開孔部
103 絶縁基板
104 絶縁層
105 ビアホール
106 第二の導体回路層
107 配線形成両面基板
Claims (10)
- 環状オレフィン系樹脂(A)と、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)粒子(B)と、を含んでなることを特徴とする樹脂組成物。
- 前記環状オレフィン系樹脂(A)が、ポリノルボルネン系樹脂である請求項1記載の樹脂組成物。
- 前記ポリノルボルネン系樹脂は、下記一般式(1)で表される構造を有するものである、請求項1又は2記載の樹脂組成物。
- 前記ポリノルボルネン系樹脂は、ノルボルネン型モノマーを付加重合して得られるものである請求項1ないし3のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記ポリノルボルネン系樹脂は、下記一般式(2)で表されるモノマーを含むノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるものである請求項1ないし4のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 前記PTFE粒子(B)の最大粒径が1mm以下である請求項1ないし5のいずれかに記載の樹脂組成物。
- 請求項1ないし6のいずれかに記載の樹脂組成物から構成される絶縁層を含むことを特徴とする多層配線板。
- 受動部品を内蔵する請求項7記載の多層配線板。
- 電源層を内蔵する請求項7又は8記載の多層配線板。
- 前記電源層の絶縁材料が誘電率10以上の高誘電率有機絶縁材料である、請求項9に記載の多層配線板。
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