JP4040120B2 - アルカリ現像性樹脂組成物及びこれを用いた硬化膜 - Google Patents

アルカリ現像性樹脂組成物及びこれを用いた硬化膜 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、塗膜を形成した際に光学的均一性や平坦性に優れており、特に、レンズ、LED、光ディスク等の光学材料の表面を保護する光学用コーティング膜や、液晶表示装置、撮像素子等の用途に用いられるカラーフィルター、あるいはこれらの材料として用いるのに適したアルカリ現像性樹脂組成物、及びこれを含む材料、並びにこの材料を硬化させて得られる硬化膜、特にマルチチップモジュール(MCM)に用いられる層間絶縁膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、半導体封止用、光ディスク等の光学材料用、プリント配線板のソルダーレジスト用、カラーフィルター用等の光学材料用や電子材料用の硬化膜を形成するものとして、フルオレンヒドロキシプロピルアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させて得られた生成物を含む樹脂組成物を用いることが提案されている(特開平2−73823号、特開平4−337307号、特開平4−355450号、特開平4−363311号)。
【0003】
このフルオレンヒドロキシプロピルアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させて得られた反応生成物を含む樹脂組成物は、これを硬化させて得られる硬化膜が耐熱性や耐湿性に優れているだけでなく、低硬化収縮率、鉛筆硬度、耐薬品性、耐電解腐食性、電気絶縁性、耐擦傷性、ガラス等の基板に対する密着性等において優れた性能を有し、光学材料や電子材料等において広範に用いられる保護膜等の用途への適用が期待されている。
【0004】
しかしながら、この樹脂組成物をレンズ、LED、光ディスク等の光学材料の表面を保護する光学用コーティング膜や、液晶表示装置、撮像素子等のカラーフィルターの用途に用いた場合、樹脂組成物中に析出する難溶なゲル状物が原因して、塗膜形成時にその表面に突起が生じて光学的な干渉縞が発生したり、パターニング形成時にエッジ欠けが発生する等の問題が起こり、歩留りが著しく低下する。また、MCM等の層間絶縁膜に用いた時、難溶なゲル状物が原因して塗膜形成時に塗布すじが発生して欠陥が生じたり、絶縁不良や所望の誘電特性が得られないことがある。
【0005】
このため、従来においては、樹脂組成物を調製した後にこの樹脂組成物を濾過してゲル状物を除去する濾過工程を採用しているが、ゲル状物が多く存在すると濾布の目詰まりが生じ易く、濾過速度の低下が著しいほか短時間で濾布交換が必要になることから、その生産性が著しく低下する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明者らは、従来のアルカリ現像性樹脂組成物中にゲル状物が析出して種々の問題を引き起こすメカニズムについて調べた結果、フルオレンヒドロキシプロピルアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させた際に、原料のフルオレンヒドロキシプロピルアクリレート樹脂中に残存するグリシジルエーテル基と多塩基性カルボン酸又はその無水物とが反応して樹脂組成物に難溶なゲル状物が生成し、また、このようなゲル状物による問題は、特に樹脂組成物の30重量%溶液を5インチシリコンウエハ上に塗布した際に0.5μm以上の粒子数が1万以上の時に顕著に発生することを突き止め、本発明を完成した。
【0007】
従って、本発明の目的は、フルオレンヒドロキシプロピルアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させる際にゲル状物の発生を可及的に、少なくとも樹脂組成物の30重量%溶液を5インチシリコンウエハ上に塗布した際に0.5μm以上の粒子数が1万未満となるように抑制し、これによって欠陥のない良好な塗膜、絶縁膜、カラーフィルター等を作製することができるアルカリ現像性樹脂組成物を提供することにある。
【0008】
また、本発明の他の目的は、ゲル状物の極めて少ないアルカリ現像性樹脂組成物を用いた光学材料用のコーティング材料やカラーフィルター用の材料を提供することにあり、また、これらの材料を硬化させて得られるコーティング膜、絶縁膜及びカラーフィルターを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、下記一般式(1)
【化2】
Figure 0004040120
(但し、式中Rは水素原子又はメチル基の何れかを示し、nは0〜20、好ましくは0〜10の整数である)で表されるアクリレート樹脂であって、未反応エポキシ基がエポキシ当量で1万以上であるアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させて得られるアルカリ現像性樹脂組成物の製造方法に関する。なお、エポキシ当量はJIS K−7236に準じて測定される値である。
【0010】
また、本発明の製造方法で得られるアルカリ現像性樹脂組成物と重合開始剤とを含むコーティング材料を硬化させるとコーティング膜並びに絶縁膜が得られる。
【0011】
アクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させて得られる反応生成物は、その30重量%溶液を5インチシリコンウエハ上に塗布した際に0.5μm以上の粒子数が1万未満であることがよい。なお、シリコンウエハ上に塗膜を形成した際の粒子数の測定方法は、実施例に記載の方法に従う。
【0012】
本発明のアルカリ現像性樹脂組成物の製造方法は、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとエピクロルヒドリンとを塩基触媒の存在下に反応させて下記式(2)で表されるエポキシ化合物を得て、次にこのエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、0.001〜5重量%の重合禁止剤の存在下に、95〜125℃で乾燥空気を吹き込みながら反応させ、且つ反応中に飛散した(メタ)アクリル酸を補うようにして反応させて、未反応エポキシ基がエポキシ当量で1万以上である一般式(1)で表されるアクリレート樹脂を得て、その後このアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを、アクリレート樹脂中の水酸基1当量に対して、多塩基性カルボン酸又はその無水物を、酸無水物基当量に換算して、0.10〜1.00当量の範囲で用い、反応温度60〜150℃で反応させることを特徴とする。そして、本発明の製造方法で得られるアルカリ現像性樹脂組成物は、その30重量%溶液を5インチシリコンウエハ上に乾燥後の膜厚2.5±0.2μmとなるように塗膜を形成した際の0.5μm以上の粒子数が1万未満である。
本発明において、一般式(1)で表されるエポキシ当量1万以上、好ましくは2万以上の原料樹脂(アクリレート樹脂)は、次のようにして製造される。先ず、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとエピクロルヒドリンとを塩基触媒の存在下に反応させ、下記式(2)
【0013】
【化3】
Figure 0004040120
(但し、式中nは0〜20、好ましくは0〜10の整数である)で表される9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンジグリシジルエーテル(以下、単に「エポキシ化合物」と称する)を合成する。この反応の際に、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとエピクロルヒドリンの反応モル比を変えることによって繰り返し数nを制御することができ、この繰り返し数nの値はGPC測定で求めることができる。
【0014】
次に、このようにして得られた式(2)のエポキシ化合物と下記一般式(3)
【化4】
Figure 0004040120
(但し、式中Rは水素原子又はメチル基の何れかを示す)で表される(メタ)アクリル酸とを反応させ、一般式(1)の原料樹脂を得る。
このエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸との反応は、エポキシ当量1万以上、好ましくは2万以上の原料樹脂を得るために、以下のような方法で反応させるのがよい。
【0015】
すなわち、式(2)のエポキシ化合物100当量に対して一般式(3)の(メタ)アクリル酸を97〜103当量、好ましくは98.5〜102当量の割合で反応させる。(メタ)アクリル酸の使用量が97当量より少ないとエポキシ当量が1万以上にならないという問題が生じ、また、103当量より多くなると未反応(メタ)アクリル酸が残存し、次の工程で得られる酸変性体、すなわちアルカリ現像性樹脂組成物の熱安定性が損なわれるという問題が生じる。
【0016】
そして、この反応の際には、必要により、2,6−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等の重合禁止剤や、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリエチルアミン、ベンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン、テトラエチルアンモニウムブロマイド等の触媒や、必要に応じて粘性調整のために添加されるメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、γ−ブチロラクトン等の反応温度以上の沸点を持つ溶剤を添加する。
【0017】
ここで、重合禁止剤の使用量は、反応原料混合物に対して1重量%以下、好ましくは0.5重量%未満であり、触媒の使用量は、反応原料混合物に対して0.001〜5重量%、好ましくは0.001〜3重量%であり、溶剤の使用量は、反応原料混合物に対して5〜500重量%、好ましくは5〜200重量%である。重合禁止剤の使用量が1重量%を超えると、これをコーティング材料とした時に硬化不足によるコーティング膜の硬度、耐薬品性の低下が起こる。また、触媒の使用量が0.001重量%未満であると目的とするエポキシ当量1万以上を達成するのに反応時間が長くなって生産性が低下し、5重量%を超えるとコーティング材料とした時にコーティング膜の耐湿信頼性が低下する虞がある。更に、溶剤を5重量%以上添加することは反応時の粘性低下に有効であるが、500重量%を超えて添加すると反応時間が長くなり好ましくない。
【0018】
また、エポキシ化合物と(メタ)アクリル酸の反応条件は、反応温度が95〜125℃であって、反応時間が通常3〜24時間、好ましくは4〜18時間であり、二重結合部の重合を抑えるために、反応系内に乾燥空気を吹き込みながら行う。そして、本発明で使用するエポキシ当量1万以上、好ましくは2万以上の原料樹脂を得るために、この反応の際には、随時エポキシ当量や酸価を測定し、反応系外に飛散した(メタ)アクリル酸を補う
【0019】
更に、反応時の粘性を下げる目的で加える溶剤もエポキシ当量を上げる手段として同時に有効である。すなわち、反応系内の溶剤蒸気圧により飛散する(メタ)アクリル酸量が抑制され、エポキシ当量の高い〔(メタ)アクリル酸変性率の高い〕目的物を得るのが容易になる。しかし、この溶剤の使用は、多すぎると反応速度が低下するので、上記の如く反応原料混合物に対して500重量%以下、好ましくは200重量%以下である。
目的のエポキシ当量を達成するために反応時間をあまり長くすると生成物の色相が悪化する等の問題が生じるので、好ましくは24時間以内に反応が終了するように触媒量、溶剤量、反応温度等を調整する。
【0020】
このようにして得られた一般式(1)で表されるエポキシ当量1万以上の原料樹脂は、次に多塩基性カルボン酸又はその無水物と反応させ、その反応生成物を含むアルカリ現像性樹脂組成物が得られる。
ここで、多塩基性カルボン酸又はその無水物としては、例えば、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ジフェニルテトラカルボン酸等の多塩基性カルボン酸や、これら多塩基性カルボン酸の無水物が挙げられる。これらは、その1種のみを単独で用いてもよく、また、2種以上を混合物として用いてもよい。
【0021】
この原料樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物との反応は、原料樹脂中の水酸基1当量に対して、多塩基性カルボン酸又はその無水物を、酸無水物基当量に換算して、0.10〜1.00当量の範囲で用い、反応温度60〜150℃、好ましくは90〜125℃及び反応時間1〜12時間、好ましくは2〜8時間の条件で行う。
【0022】
この反応の際には、必要により、テトラエチルアンモニウムブロマイド、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド、トリフェニルホスフィン等の前工程で用いたと同様の触媒を用いることができ、また、前工程から引き続いて残存する触媒をそのまま使用しても反応は充分に達成される。
また、この反応においても、前工程の反応と同様に、必要に応じて粘性調整のために前工程の場合と同じ反応温度以上の沸点を持つエステル類やエーテル類等からなる溶剤を添加するのがよい。
【0023】
ここで、触媒の使用量は、反応原料混合物に対して0.001〜5重量%であり、溶剤の使用量は、反応原料混合物に対して5〜500重量%、好ましくは20〜500重量%である。触媒の使用量が0.001重量%未満であると目的とするエポキシ当量1万以上を達成するのに反応時間が長くなって生産性が低下し、5重量%を超えるとコーティング材料とした時にコーティング膜の耐湿信頼性が低下する虞がある。また、溶剤を5重量%以上添加することは反応時の粘性低下に有効であるが、500重量%を超えて添加すると反応時間が長くなり好ましくない。
【0024】
このようにして得られた反応生成物は、無色若しくは淡黄色透明の粘稠な樹脂組成物であり、その酸価(mgKOH/g、JIS K−5407)が溶剤を除いた樹脂固形分に換算して100〜200であって、ゲル状物については、固形分換算で30重量%溶液を調製して5インチシリコンウエハ上に塗布した際に0.5μm以上の粒子数が1万未満、好ましくは5千未満であるのがよい。このゲル状物の粒子数が1万以上であると、形成した塗膜表面に突起が生じて光学的な干渉縞が発生し、また、パターニング形成時にエッジ欠けが発生して歩留りが低下する。
【0025】
ゲル状物についてその粒子数を1万未満に制御するには、一般式(1)のアクリレート樹脂のエポキシ当量を1万以上にすることが極めて重要であり、これによってゲル状物に起因する0.5μm以上の粒子数を1万未満にすることができる。一般式(1)のアクリレート樹脂のエポキシ当量が1万未満であると、得られた樹脂組成物中におけるゲル状物の発生が顕著になり、蛍光色を発したり、あるいは、ゲル状物の濾過が必要になるほかその濾過時の負荷も大きく、生産性が低下する。なお、生産性を上げるためにゲル状物の濾過時に濾過圧力を高くすると、濾液中におけるゲル状物が多くなり、均一な塗膜を得るのが困難になる。
【0026】
また、ゲル状物についてその粒子数を1万未満に制御する上で、一般式(1)のアクリレート樹脂やこのアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物との反応生成物を前述した反応条件で得ることも重要である。例えば、アクリレート樹脂の製造時に用いられる重合禁止剤は反応時に二重結合部の重合を抑制し、ゲル状物の生成を抑制する。また、反応温度や反応時間を所定の範囲内にすることも、反応時に二重結合部の重合を抑制し、ゲル状物の生成を抑制する。
【0027】
得られたアルカリ現像性樹脂組成物は、これに必須成分として重合開始剤を添加し、更に必要に応じて、ビスフェノール型エポキシ樹脂やノボラック型エポキシ樹脂等の他のエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、多価アルコールと多塩基酸との反応で得られるポリエステルポリオールに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレート、ポリオールと有機ポリイソシアネートとヒドロキシ(メタ)アクリレートの反応で得られるウレタン(メタ)アクリレート等の高分子不飽和基含有樹脂や、有機溶剤、シランカップリング剤、重合禁止剤、レベリング剤、光安定剤、酸化防止剤、帯電防止剤等を添加し、コーティング材料とすることができる。
【0028】
このようなコーティング材料を調製する上で用いる重合開始剤としては、光重合開始剤と熱重合開始剤とが挙げられる。
光重合開始剤としては、具体的には、ベンゾフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−エチルアントラキノン、2,4−ジエチルチオキサントン、ジイソプロピルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン等が挙げられる。
【0029】
また、熱重合開始剤としては、公知の過酸化物系開始剤やアゾビス系開始剤を使用することができ、過酸化物系開始剤としては、具体的には、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサンケトンパーオキサイド、アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド系のものや、イソブチルパーオキサイド、m−クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、α−メチルベンゾイルパーオキサイド、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド系のものや、2,4,4−トリメチルペンチル−2−ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド系のものや、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、1,3−ビス(t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド系のものや、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、4,4−ジ−t−ブチルパーオキシ吉草酸−n−ブチルエステル等のパーオキシケタール系のものや、2,4,4−トリメチルペンチルパーオキシフェノキシアセテート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルオジペート等のアルキルパーエステル系のものや、ジ−t−メチキシブチルパーオキシジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ビス(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーカーボネート系のものや、その他のアセチルシクロヘキシルスルフォニルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート等のものが挙げられ、また、アゾビス系開始剤としては、具体的には、1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1−カルボニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス−(メチルイソブチレート)、α,α’−アゾビス−(イソブチロニトリル)、4,4’−アゾビス−(4−シアノバレイン酸)等が挙げられる。
【0030】
これらの光重合開始剤や熱重合開始剤は、その何れかを単独で用いることができるほか、2種以上の混合物として使用することもでき、その使用量は、アルカリ現像性樹脂組成物100重量部に対して、前者の光重合開始剤は0.1〜30重量部であり、後者の熱重合開始剤は0.1〜10重量部である。配合範囲がこの範囲を下回ると、重合速度が遅くなって硬化不足となる虞があり、反対に、この範囲を上回ると、硬化物の分子量低下による耐熱性不足や下地に対する密着性低下の原因になる。
【0031】
本発明のコーティング材料は、例えばカラーフィルター、光ディスク、LEDやCCD用の保護膜等の用途に、好適には光学材料用として有用であり、例えばスピンコート法により表面に塗布し、低圧又は高圧水銀灯やキセノン灯等を用いて紫外線を照射して硬化させるか、若しくは、ホットプレート、オーブン、赤外線加熱炉等を用いて加熱して硬化させ、光学材料等の表面にコーティング膜を形成せしめる。
また、本発明のコーティング材料は、MCM等の層間絶縁膜の用途にも好適に用いることができる。スピンコート等の塗布時に樹脂中のゲル状物による塗布すじの発生や目抜け等の欠陥が発生せず、平坦性に優れた微細なパターンの形成が可能な絶縁膜を与える。
【0032】
また、上記アルカリ現像性樹脂組成物は、これに必須成分として前記と同様の重合開始剤を添加し、更に必要に応じて、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジスアゾ系顔料、イソインドリン系顔料、ハロゲン化フタロシアニン系顔料、カーボン、チタンカーボン、酸化鉄等の顔料や、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリスフェノールメタン系エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等の他のエポキシ樹脂や、更にはこれらエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート、このエポキシ(メタ)アクリレートと前記多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させて得られる反応生成物等の高分子不飽和基含有樹脂や、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジルアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコール(メタ)アクリレート等の重合可能な単官能並びに多官能(メタ)アクリル酸エステル類や、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の光増感剤や、その他シランカップリング剤、光安定剤、酸化防止剤等の公知のカラーフィルター用添加剤を添加し、カラーフィルター用材料とすることができる。
【0033】
本発明のカラーフィルター用材料は、顔料を添加することなくカラーフィルターの保護膜用の樹脂組成物として用いることができるほか、顔料を添加してカラーフィルターのインキとして用いることもできる。そして、これらカラーフィルター用の保護膜用樹脂組成物やインキは、従来公知の保護膜用樹脂組成物やインキと同様に使用することができ、平坦性に優れ、目抜け等の欠陥のない保護膜や微細パターンを形成することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとエピクロルヒドリンとを塩基触媒の存在下に反応させて9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンジグリシジルエーテル(エポキシ化合物)を合成し、このエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、反応の際に随時エポキシ当量や酸価を測定して反応系外に飛散した(メタ)アクリル酸を補いながら、反応させてエポキシ当量1万以上の原料樹脂を合成し、次いで得られたエポキシ当量1万以上の原料樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させ、反応生成物の30重量%溶液を5インチシリコンウエハ上に塗布し、市販の光学式微粒子カウンター(例えば、長瀬電子社製若しくは日立製作所社製の塗布パーティクルカウンター)を用いて測定した際に0.5μm以上の粒子数が1万未満であるアルカリ現像性樹脂組成物を製造する。
【0035】
このアルカリ現像性樹脂組成物に重合開始剤と必要に応じて添加される他の添加剤とを配合し、特に光学材料用として好適なコーティング材料を調製する。
また、上記アルカリ現像性樹脂組成物に重合開始剤と必要に応じて添加される顔料等の他の添加剤とを配合し、カラーフィルターの保護膜用樹脂組成物として、あるいは、カラーフィルターのインキとして好適なカラーフィルター用材料を調製する。
【0036】
【実施例】
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明を具体的に説明する。
なお、以下の実施例及び比較例で得られたアルカリ現像性樹脂組成物について、エポキシ当量の測定はJIS K−7236の規格に準じて行い、酸価の測定はJIS K−5407の規格に準じて行い、また、ゲル状物発生の有無を目視で行い、更に、0.5μm以上の粒子数の測定については、固形分換算で30重量%のエチルセロソルブアセテート溶液を調製し、この溶液を5インチシリコンウエハ上にスピン塗布し、80℃で5分間乾燥して膜厚2.5±0.2μmの塗膜を形成し、塗布パーティクルカウンター(長瀬電子社製)を用いて光学的に0.5μm以上の粒子の数を測定して求めた。
【0037】
製造例1
エポキシ当量257の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンジグリシジルエーテル75.0gと、アクリル酸20.8gと、2,6−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.029gと、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.13gとを還流冷却管付き500mlフラスコ中に仕込み、25ml/分の速度で乾燥空気を吹き込みながら100℃に加熱して均一な粘稠溶液を得た。
【0038】
更に引き続き、116〜118℃に加熱しながら攪拌を行い、随時エポキシ当量と酸価を測定して反応系外に飛散したアクリル酸約0.45gを補い、14時間後にエポキシ当量26,000の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンプロピルアクリレート樹脂(原料樹脂)を得た。
【0039】
実施例1
上記製造例1で得られたエポキシ当量26,000の原料樹脂をエチルセロソルブアセテート92.7gで希釈して均一な溶液とした後、この溶液中にテトラヒドロキシフタル酸無水物(THPA)10.4gと、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)20.1gと、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.27gとを加え、115〜118℃で4時間攪拌下に反応させ、ゲル状物のねられない淡黄色透明で粘稠なアルカリ現像性樹脂組成物(樹脂固形分濃度57重量%)を得た。
この樹脂組成物の物性と性状は、その酸価が固形分換算で102.8mgKOH/gであって、0.5μm以上の粒子数が497個であった。
【0040】
製造例2〜4
エポキシ当量の異なる9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンジグリシジルエーテルを用い、反応時に補うアクリル酸の補充量及び反応時間を変えた以外は、上記製造例1と同様にして、表1に示すように、エポキシ当量の異なる原料樹脂を得た。
【0041】
実施例2〜4
製造例2〜4で得られた原料樹脂を用い、実施例1と同様にしてそれぞれ実施例2〜4のアルカリ現像性樹脂組成物を調製した。何れのアルカリ現像性樹脂組成物もゲル状物のみられない淡黄色透明な粘稠溶液であった。
また、実施例1の場合と同様にして、その物性と性状を調べた。結果を表1に示す。
【0042】
製造例5
エポキシ当量257の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンジグリシジルエーテル75.0gと、アクリル酸21.0gと、2,6−ジt−ブチル−4−ヒドロキシトルエン0.029gと、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.13gと、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.27gと、エチルセロソルブアセテート17.0gとを還流冷却管付き500mlフラスコ中に仕込み、25ml/分の速度で乾燥空気を吹き込みながら90℃に加熱して均一な粘稠溶液を得た。
【0043】
更に引き続き、100〜105℃に加熱しながら攪拌を行い、随時エポキシ当量と酸価を測定し、16時間後にエポキシ当量21,300の9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンプロピルアクリレート樹脂(原料樹脂)を得た。
【0044】
実施例5
上記製造例5で得られたエポキシ当量21,300の原料樹脂をエチルセロソルブアセテート75.7gで希釈して均一な溶液とした後、この溶液中にテトラヒドロキシフタル酸無水物(THPA)10.4gと、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)20.1gとを加え、115〜118℃で4時間攪拌下に反応させ、ゲル状物のみられない淡黄色透明で粘稠なアルカリ現像性樹脂組成物(樹脂固形分濃度58重量%)を得た。この樹脂組成物の物性と性状は、その酸価が固形分換算で104.5mgKOH/gであって、0.5μm以上の粒子数が350個であった。
なお、実施例5及び10は参考例である。
【0045】
比較製造例1
反応系外に飛散したアクリル酸を補うことなく、また、反応時間を7時間とした以外は、実施例1と同様にして、表1に示すように、エポキシ当量8250の原料樹脂を得た。
【0046】
比較例1
比較製造例1で得られた原料樹脂を用い、実施例1と同様にしてアルカリ現像性樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物は蛍光色を発し、溶液中にゲル状物が分散している淡黄色粘稠な溶液であった。
また、実施例1の場合と同様にして、その物性と性状を調べた。結果を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0004040120
【0048】
実施例6〜10
実施例1〜5のアルカリ現像性樹脂組成物34重量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート8.6重量%、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル4.4重量%、4,4’−ジメチルアミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)0.2重量%、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロペン−1−オン(イルガキュアー907)1.2重量%、及びセロソルブアセテート51.6重量%からなる透明な樹脂組成物溶液を調製した。このものの粘度は14〜16cps(25℃)であった。これを0.2μmテフロンフィルターを用いて0.2kg/cm2 の加圧下に加圧濾過してコーティング剤を調製した。この加圧濾過時の負荷は小さく、短時間(240〜360秒/1kg濾液量)で濾過が可能であった。
【0049】
得られたコーティング剤をシリコンウエハ上にスピンコートして塗布し、80℃で3分間乾燥して塗膜を形成した。
得られた塗膜には放射状の塗布ムラは全く観察されなかった。
更に、フォトマスクを介して塗膜を365nmの波長の光で200Jm露光し、0.7重量%ジエタノールアミン水溶液中で10秒間現像し、200℃で1時間熱処理した。得られた塗膜は、2μm膜厚で非常に均一であり、ゲル状物は観察されず、表面が非常に平坦で平滑性に優れていた。
【0050】
比較例2
比較例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物を用い、上記実施例5〜8と同様にしてコーティング剤を調製した。この加圧濾過時の負荷は大きく、1.5kg/cm2 の加圧が必要で、20分/1kg濾液量の濾過が必要であった。
【0051】
得られた比較例1のコーティング剤を用い、実施例6〜10と同様にして塗膜を形成したところ、放射状の塗布ムラが観察され、また、透明なゲル状物が40個観察され、膜厚の均一性と表面平滑性に欠陥があることが判明した。
【0052】
実施例11
実施例1のアルカリ現像性樹脂組成物36.6重量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート9.0重量%、ミヒラーケトン0.2重量%、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロペン−1−オン(イルガキュアー907)1.2重量%、及びセロソルブアセテート53.0重量%からなる透明な樹脂組成物溶液を調製し、この樹脂組成物溶液中に予め有機溶剤に分散させた顔料成分〔レッド:CFカラーレッドEX−274、グリーン:CFカラーグリーンEX−276、ブルー:CFカラーブルーEX−275、及び、ブラック:CFカラーブラックEX−277(何れも御国色素社製)〕を混合し、各顔料の粒子径が0.3μmとなるように分散処理を行い、次いで2μmテフロンフィルターを用いて0.5kg/cm2 の加圧下に加圧濾過し、表2に示す組成を有するカラーフィルター用インキを調製した。
【0053】
【表2】
Figure 0004040120
【0054】
得られた各色のカラーフィルター用インキについて、これをガラス基板上にスピンコートして塗布し、80℃で3分間乾燥して塗膜を形成した。
得られた塗膜には放射状の塗布ムラは全く観察されなかった。
更に、塗膜を365nmの波長の光で200Jm露光し、0.4重量%炭酸ナトリウム水溶液中で60秒間現像し、200℃で0.5時間熱処理した。得られた塗膜は、1.5μm膜厚で非常に均一であり、はじきや白抜け等は観察されなかった。
【0055】
比較例3
比較例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物を用い、上記実施例11と同様にして各色のカラーフィルター用インキを調製した。
得られた比較例3の各色のカラーフィルター用インキについて、実施例11と同様にして塗膜を形成し、更に、露光、現像及び熱処理を行った。得られた塗膜には、はじきや白抜けが観察され、その中心にゲル状物が観察された。
【0056】
実施例12
実施例1のアルカリ原造成樹脂組成物50.8重量%、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート12.5重量%、テトラメチルビフェニルジグリシジルエーテル6.4重量%、4,4’−アミノベンゾフェノン(ミヒラーケトン)0.3重量%、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロペン−1−オン(イルガキュアー907)1.7重量%、及びセロソルブアセテート50重量%からなる透明な樹脂組成物溶液を調製した。このものの粘度は135cps(25℃)であった。これを5μmフィルターを用いて2kg/cm2 の加圧下に加圧濾過したところ、1kgのワニスを濾過するのに20分の濾過時間を要した。
【0057】
このようにして得られたコーティング材料をシリコンウエハー上にスピンコートで塗布し、80℃で5分間乾燥した後、i線基準で200mj/cm2 の露光をし、0.7%ジエタノールアミン水溶液中25℃で現像し、更に200℃で1時間ポストベークを行った。
【0058】
ポストベーク後の膜厚10μmにおけるネガマスクで10μmライン・スペースサイズに対応したパターンを観察した。その結果、良好な10μmライン・スペースが作成されていることが判明した。また、パターン形成しない塗膜の絶縁抵抗は1015Ωであり、絶縁破壊電圧は220Vであった。更に、熱重量分析の結果、重量減少開始温度が320℃であって、充分な耐熱性を備えていることがわかった。これらのことから、この実施例12の材料は、絶縁膜、特にMCMの用途の微細なパターン形成が必要な絶縁膜用途に有用であることが判明した。
【0059】
比較例4
比較例1で得られたアルカリ現像性樹脂組成物を用いた以外は、実施例12と同様にして、コーティング材料を調製した。このコーティング材料を5μmフィルターを用いて2kg/cm2 の加圧下に加圧濾過したところ、徐々に濾過速度が減衰し、1kg程度のコーティング材料を得るのに40分以上の濾過時間を要した。
また、得られたコーティング材料をスピンコートにて実施例12と同様にして評価した。結果は、10μmパターンに一部欠陥が観察され、また、パターン形成のない塗膜の絶縁破壊電圧は120Vにすぎなかった。
【発明の効果】
本発明によれば、ゲル状物の発生が可及的に抑制され、少なくとも樹脂組成物の30重量%溶液を5インチシリコンウエハ上に塗布した際に0.5μm以上の粒子数が1万未満であり、これによって欠陥のない良好な塗膜を作製することができるアルカリ現像性樹脂組成物を提供することができ、光学材料用のコーティング材料やカラーフィルター用の材料として、また、MCM等の層間絶縁膜として好適である。

Claims (1)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 0004040120
    (但し、式中Rは水素原子又はメチル基の何れかを示し、nは0〜20の整数である)で表されるアクリレート樹脂であって、未反応エポキシ基がエポキシ当量で1万以上であるアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを反応させて、その30重量%溶液を5インチシリコンウエハ上に乾燥後の膜厚2.5±0.2μmとなるように塗膜を形成した際に0.5μm以上の粒子数が1万未満であるアルカリ現像性樹脂組成物を製造する方法において、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンとエピクロルヒドリンとを塩基触媒の存在下に反応させてエポキシ化合物を得て、次にこのエポキシ化合物と(メタ)アクリル酸とを、0.001〜5重量%の重合禁止剤の存在下に、95〜125℃で乾燥空気を吹き込みながら反応させ、且つ反応中に飛散した(メタ)アクリル酸を補うようにして反応させて、未反応エポキシ基がエポキシ当量で1万以上である一般式(1)で表されるアクリレート樹脂を得て、その後このアクリレート樹脂と多塩基性カルボン酸又はその無水物とを、アクリレート樹脂中の水酸基1当量に対して、多塩基性カルボン酸又はその無水物を、酸無水物基当量に換算して、0.10〜1.00当量の範囲で用い、反応温度60〜150℃で反応させることを特徴とするアルカリ現像性樹脂組成物の製造方法。
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