JPH073122A - 熱硬化性樹脂組成物、その硬化物及びカラーフィルター材料 - Google Patents

熱硬化性樹脂組成物、その硬化物及びカラーフィルター材料

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JPH073122A
JPH073122A JP14613293A JP14613293A JPH073122A JP H073122 A JPH073122 A JP H073122A JP 14613293 A JP14613293 A JP 14613293A JP 14613293 A JP14613293 A JP 14613293A JP H073122 A JPH073122 A JP H073122A
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Kenichi Kitamura
健一 北村
Takeo Teramoto
武郎 寺本
Yukiteru Inada
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶剤除去後には塗膜がタックフリーとなり、
硬化後には耐熱性、耐薬品性、耐クラック性、透明性、
密着性、絶縁性、硬度、更には平滑性に優れた熱硬化性
樹脂組成物及びその硬化物並びにこれを用いたカラーフ
ィルターを提供する。 【構成】 (A)2官能芳香族エポキシアクリレートと
酸無水物及び酸二無水物とを反応させて得られた化合物
であって、当該化合物の0.5gをN-メチルピロリドン
100mlに溶解した溶液を30℃で測定したインヘレ
ント粘度(ηinh)が0.1dl/g以上である(メ
タ)アクリレート化合物100重量部、(B)エポキシ
基を有する化合物5〜200重量部、及び、(C)ラジ
カル重合開始剤0. 1〜10重量部を含有する熱硬化性
樹脂組成物である。また、このような熱硬化性樹脂組成
物を硬化させてなる硬化物、及び、このような熱硬化性
樹脂組成物からなるカラーフィルター材料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な熱硬化性樹脂組
成物及びその硬化物に関するものである。また、本発明
は、液晶の表示装置あるいは撮影素子に使われるカラー
フィルターの保護膜用樹脂組成物、カラーフィルター用
インキ、及びこれらを硬化させてなるカラーフィルター
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の保護膜やプリント配線基板のパ
ターン形成には、熱硬化性樹脂をスクリーン印刷法、ス
ピンコート法により形成する手法が多く用いられてき
た。最近、液晶ディスプレイの高精彩化や半導体素子の
高密度実装化の変化に伴い、樹脂に対して硬度、はんだ
耐熱性、透明性、密着性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶
剤性、絶縁抵抗、平坦性等に厳しい性能が要求されてい
る。例えば、カラーフィルターの段差を平滑にするため
や後工程で薬品処理や加熱、透明電極のスパッタ時の熱
影響からカラーフィルターを保護する目的で、印刷又は
スピンコート法等によりカラーフィルター表面上に保護
膜を設けており、このような保護膜用の樹脂として、現
在、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等熱
硬化性樹脂組成物、更には耐熱性を改良したポリイミド
樹脂(例えば特開平 1-156,371号公報)が提案されてい
るが、以下のような理由で性能が充分でない。
【0003】例えば、アクリル系樹脂は、耐熱性が不十
分であり、ITO蒸着温度200℃以上における膜表面
のしわ、クラックが発生するという問題がある。ポリイ
ミド系樹脂は、耐熱性、耐薬品性等には優れていが、ワ
ニスとしての保存安定性に欠け、保護膜性能のバラツキ
が大きいこと、イミド化時の温度が高いこと、その透明
性に問題がある。メラミン樹脂は、比較的耐熱性が高
く、ITO蒸着時におけるしわ、クラックは生じ難いが
ガラス基板、カラーフィルターとの密着性に欠ける。ま
た、エポキシ樹脂は、ガラス基板との密着性良好で耐薬
品性、透明性に優れた保護膜が得られるが、一般に塗布
性と耐熱性とのバランスがとり難いと言われている。
【0004】一方、光硬化性の液状レジストは、一般的
に、微細加工パターンの形成には優れているが、熱硬化
型に比べてその平滑性に劣ると言われている。また、プ
レキュアー後にタックが有り、解像度のアップ及びテー
パー付けが有利となる密着露光の操作が、マスクの汚れ
の原因となり適用できないという問題がある。更に、現
在市販されているものは有機溶剤を現像液として使用し
ているため、大気汚染の問題が有だけでなく、溶剤が高
価である。例えば、特開昭61-243,869号公報には、フェ
ノールノボラック樹脂を主成分とする弱アルカリ水溶液
で現像可能な感光性樹脂組成物が開示されているが、高
温、酸性及びアルカリの条件に十分耐え得るものでな
く、処理後、基板との密着性が低下するという問題があ
った。
【0005】また、特開平 4-345,673号公報、特開平 4
-345,608号公報、特開平 4-355,450号公報、特開平 4-3
63,311号公報には、耐熱性の液状レジスト及びカラーフ
ィルター材料が開示されているが、これらも同様にプレ
キュアー後にタックが有り、解像度のアップ及びテーパ
ー付けが有利となる密着露光の操作が、マスクの汚れの
原因となり適用できないという問題がある。更に、特開
平 4-345,673号公報に開示されているエポキシ樹脂は、
その溶解度が通常の有機溶媒に対して低く、液状レジス
トとして用いるには溶媒が限られると共に希薄溶液なた
め膜減りが大きい欠点がある。また、これらを印刷もし
くはロールコーターによるべた塗りにより作成した塗膜
を熱硬化させる場合も、プレキュアーによる溶剤除去後
にもタック性が残り、作業性に優れない。
【0006】一方、そのカラーフィルターとしては、染
色法、印刷法等により赤、緑、青の画素及びブラックマ
トリックスをガラス基板上に形成したものが使用されて
いる。染色法によるカラーフィルターは、染色機材にゼ
ラチン等の天然感光樹脂やアミン変性ポリビニルアルコ
ール等の感光性合成樹脂に酸性染色等の染料で染色して
作成するが、塗膜の物性は耐光性、耐熱性、耐湿性等の
信頼性に問題がある(特公平1-52,738号公報)。印刷法
によるものは、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂に、
顔料を分散したインクを用いて作成するが、印刷時に3
色のフィルターパターンの位置合わせを正確に行なうに
は表面平滑性に問題が出て来る(特開昭 62-54,774号公
報、特開昭63-129,303号公報)。
【0007】特開平 1-152,449号公報において、感光性
樹脂としてベンジルメタクリレート・メタクリル酸共重
合物を用い、これに顔料を分散したものが開示されてい
る。この感光性塗料を用いれば、露光された部分の塗膜
がそのままカラーフィルターを構成することとなる。と
ころが、この感光性塗料は、酸素の存在下では硬化反応
が不十分で解像度、感度が低い。そのため露光前に酸素
遮断膜の形成と、現像前の酸素遮断膜の剥離という複雑
な工程が必要であり、更に、できたものの耐熱性及び現
像性に問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
提案されている材料では一長一短があり、絶縁被膜、接
着剤、印刷インキやコーティング剤等として、特に液晶
の表示装置あるいは撮影素子に使われるカラーフィルタ
ー材料に求められている諸特性をバランス良く満たす材
料を提供することにある。すなわち、本発明は、溶剤除
去後には塗膜がタックフリーとなり、硬化後には耐熱
性、耐薬品性、耐クラック性、透明性、密着性、絶縁
性、硬度、更には平滑性に優れた熱硬化性樹脂組成物及
びその硬化物並びにこれを用いたカラーフィルターを提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)下記一
般式(1)及び(2)
【化3】 〔但し、一般式(1)及び(2)において、R1 及びR
2 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン
原子であり、R3 は水素原子又はメチル基であり、Xは
-CO-、-SO2- 、-C(CF3)2- 、-Si(CH3)2-、-CH2- 、-C(C
H3)2- 、-O- 又は不存在を示し、Yは酸無水物の残基を
示し、Zは酸二無水物の残基を示し、m及びnは構造単
位のモル比を示し、m/nは0/100〜100/0の
割合である〕で表される単位構造を主とする(メタ)ア
クリレート化合物であって、この0.5gをN-メチルピ
ロリドン100mlに溶解した溶液を30℃で測定した
インヘレント粘度(ηinh )が0.1dl/g以上であ
る(メタ)アクリレート化合物100重量部、(B)エ
ポキシ基を有する化合物5〜200重量部、及び、
(C)ラジカル重合開始剤0. 1〜10重量部を含有す
る熱硬化性樹脂組成物である。また、本発明は、上記熱
硬化性樹脂組成物を硬化させてなる硬化物である。更
に、本発明は、この熱硬化性樹脂組成物からなるカラー
フィルター材料及びこれを硬化させて得られたカラーフ
ィルターである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
熱硬化性樹脂組成物は、上記A成分、B成分及びC成分
の3成分を含有する。そして、A成分である(メタ)ア
クリレート化合物を構成する一般式(1)及び(2)で
表される単位構造において、Xとして-CO-を含むビスフ
ェノール成分の具体例としてはビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェ
ニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェ
ニル)ケトン等から、また、Xとして-SO2- を含むもの
としてはビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)スルホン、ビ
ス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)スルホン等
から、更に、Xとして-C(CF3)2- を含むものとしてはビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン等から、また、Xとし
て-Si(CH3)2-を含むものとしてはビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジ
メチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ
−3,5-ジクロロフェニル)ジメチルシラン等から、ま
た、Xに-CH2- を含むものとしてはビス(4-ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロ
フェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジブロモ
フェニル)メタン等から、Xとして-C(CH3)2- を含むも
のとしては2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)
プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-メチルフ
ェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-クロロ
フェニル)プロパン等から、更に、Xとして-O- を含む
ものとしてはビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)エーテ
ル、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)エー
テル等から、また、Xとして
【化4】 を含むものとしては9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-メチルフェニ
ル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-クロロフ
ェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-ブロ
モフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-
フルオロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキ
シ−3-メトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒ
ドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)フルオレン、9,9-ビ
ス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)フルオレ
ン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジブロモフェニル)
フルオレン等から、更に、Xが不存在のものとしては4,
4'−ビフェノール、3,3'−ビフェノール等から、それぞ
れ後に例示する製造法により誘導されるものを挙げるこ
とができる。
【0011】従って、エポキシ化合物から誘導されるた
め、若干の以下のようなオリゴマー単位が混入すること
になるが、本発明の熱硬化性樹脂組成物の性能には問題
はない。
【化5】
【0012】また、上記一般式(1)及び(2)中のY
及びZについては、Yは酸無水物の残基を示し、また、
Zは酸二無水物の残基を示す。かかる残基Yを導入し得
る酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒ
ドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチル
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、残
基Zを導入し得る酸二無水物としては、例えば、無水ピ
ロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル
エーテルテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カル
ボン酸無水物が挙げられる。また、R1 及びR2 は水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン原子の何
れかであって、R3 は水素原子又はメチル基であり、好
ましくはR1 、R2 が水素もしくはメチル基、R3 が水
素原子である。
【0013】上記一般式(1)及び(2)で表される単
位構造を有するA成分は、必ずしも上述したもののみに
限定されるものではなく、また、これらは1種のみを単
独で使用できるほか、2種以上を混合物としても使用す
ることができる。
【0014】A成分の化合物は、次のようにして製造す
ることができる。例えば、先ず、9,9-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)フルオレンとエピクロロヒドリンとの反応
により得られる下記一般式(3)で表されるビスフェノ
ールフルオレン型エポキシ化合物と、下記一般式(4)
で表される(メタ)アクリル酸とを反応させることによ
り、下記一般式(5)で表されるビスフェノールフルオ
レン型エポキシアクリレート樹脂を合成し、次いで前記
の酸無水物と、エチルセロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒中で加熱し、
製造される。反応温度としては、酸無水物がエポキシア
クリレート樹脂のOH基1モル当り1/2モルとなるよ
うに定量的に反応することが望ましく、100〜130
℃、好ましくは115〜125℃である。この反応につ
いては、一般式(1)及び(2)の単位構造を有する化
合物全体について同様である。
【0015】
【化6】 〔但し、一般式(3)〜(5)において、R1 〜R3
上記一般式(1)及び(2)で定義されたものと同じで
ある〕
【0016】上記一般式(1)及び(2)において、Y
は酸無水物の残基を示し、また、Zは酸二無水物の残基
を示すが、合成時にはこれら酸無水物と酸二無水物の混
合物を上記一般式(5)のビスフェノールフルオレン型
エポキシアクリレートと反応させることが望ましい。そ
して、この際に使用される酸無水物と酸二無水物の使用
割合は如何なる割合でもよく、酸無水物(m)と酸二無
水物(n)とをモル比(m/ n)で0/100〜100
/0、好ましくは1/99〜100/0、より好ましく
は5/95〜90/10の割合で用いるのがよい。ま
た、A成分の化合物の分子量については、この化合物
0.5gをN-メチルピロリドン100mlに溶解した溶
液を30℃で測定したインヘレント粘度(ηin h )が
0.1dl/g以上、好ましくは0.15dl/g以上
である。0.1dl/g未満では、分子量が低すぎて塗
膜乾燥後のタック性に問題が生じる。
【0017】次に、B成分であるエポキシ基を有する化
合物としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェニ
ルグリシジルエーテル、p-ブチルフェノールグリシジル
エーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシ
ジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、グ
リシジルメタクリレート等のエポキシ基を少なくとも1
個有する化合物等が挙げられる。このB成分の配合割合
は、A成分100重量部に対して5〜200重量部、好
ましくは5〜100重量部である。
【0018】加熱時にA成分に含有されるカルボキシル
基とエポキシ基との反応、若しくはエポキシ基同士の反
応により編目構造が形成されるので、A成分100重量
部に対するB成分の配合割合が5重量未満であると本発
明の樹脂組成物の硬化後の特性、特に耐アルカリ性が不
十分となり、反対に、200重量部を越えると、硬化時
にクラックが発生し易くなり、密着性も低下し易くな
る。また、本発明の樹脂組成物及びその硬化物の性質を
損なわない範囲で前記エポキシ基と反応し得る酸無水物
を添加しても差し支えない。
【0019】更に、本発明で使用するC成分であるラジ
カル重合開始剤は、加熱によりラジカルを発生するもの
であり、A成分ばかりでなく、必要に応じて配合される
ラジカル重合性の(メタ)アクリルモノマーや(メタ)
アクリルオリゴマー等の重合性不飽和化合物の重合開始
剤としても用いられるものである。このような目的で使
用されるC成分のラジカル重合開始剤としては、公知の
過酸化物系開始剤やアゾビス系開始剤等を使用すること
ができる。ここで、過酸化物系開始剤の具体例として
は、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブ
チルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド、メチルシクロヘキサンケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサ
イド系のものや、イソブチルパーオキサイド、m-クロロ
ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、ビ
ス−3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の
ジアシルパーオキサイド系のものや、2,4,4-トリメチル
ペンチル-2- ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド系のものや、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5-ジメチル−2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、t-ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキル
パーオキサイド系のものや、1,1-ジ−t-ブチルパーオキ
シ−3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ジ-(t-ブチ
ルパーオキシ)ブタン、4,4-ジ−t-ブチルパーオキシ吉
草酸−n-ブチルエステル等のパーオキシケタール系のも
のや、2,4,4-トリメチルペンチルパーオキシフェノキシ
アセテート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、
t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t-ブチルパーオ
キシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル系
のものや、ジ−3-メトキシブチルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート
等のパーカーボネート系のものや、その他のアセチルシ
クロヘキシルスルフォニルパーオキシジカーボネート、
t-ブチルパーオキシアリルカーボネート等のものが挙げ
られる。また、アゾビス系開始剤の具体例としては、1,
1'−アゾビスシクロヘキサン−1-カルボニトリル、2,2'
−アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2'−ア
ゾビス-(4-メトキシ−2,4-ジメチルバレロニトリル)、
2,2'−アゾビス-(メチルイソブチレート)、α,α'-ア
ゾビス-(イソブチロニトリル)、4,4'−アゾビス-(4-シ
アノバレイン酸)等を挙げることができる。
【0020】これらのラジカル重合開始剤(C成分)
は、その何れかを単独で用いることができるほか、2種
以上の混合物としても使用することができ、その使用量
はA成分100重量部に対して0. 1〜10重量部の範
囲である。A成分100重量部に対するC成分の配合割
合は、0. 1重量部未満であると重合速度が遅くなり、
反対に、10重量部を越えると硬化物の分子量低下によ
る耐熱性不足、下地に対する密着性が低下する。
【0021】更に、本発明の樹脂組成物には、上記A成
分以外に、その使用目的に合わせて熱ラジカル重合が可
能なエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマー
を所定の範囲内で配合することができる。例えば、2-ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等の水酸基を有するモノマーや、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸エステル類であり、これらの化合物は、その
何れかを単独で使用できるだけでなく、その2種以上を
併用して使用することもできる。
【0022】これらの化合物は、本発明の樹脂組成物及
びその硬化物の性質を損なわない範囲であることが必要
であり、A成分の熱硬化性性不飽和化合物100重量部
に対し、50重量部以下の範囲で使用される。この使用
量が50重量部を超えると硬化後の耐熱性、プレキュア
ー後のタック性に問題が生じる。従って、以上のA〜C
成分を必須とする樹脂組成物は、紫外線照射等の光では
硬化せず、熱によってのみ硬化する。すなわち、加熱時
にラジカル開始剤から発生したラジカルによりA成分及
び他のエチレン性不飽和基を有する化合物が重合して編
目構造を形成し、他方、カルボキシル基及びその無水物
はエポキシ基と反応して編目構造を形成していく。その
結果、本発明によれば、耐熱性、耐溶剤性、耐アルカリ
性に優れた硬化物を得ることができる。
【0023】本発明の樹脂組成物は、絶縁被膜・塗料、
接着剤、印刷インキやコーティング剤等として、特に液
晶の表示装置あるいは撮影素子に使われるカラーフィル
ター材料として有用である。また、硬化物は、優れた硬
度、はんだ耐熱性、透明性、耐酸性、耐アルカリ性、耐
溶剤性、絶縁抵抗、耐電解腐食性及び耐めっき性、更に
は、コーテイング剤として用いたときには膜の平滑性、
基板に対する密着性を示す。
【0024】例えば、カラーフィルター材料としては、
それがカラーフィルター用保護膜である場合には上記A
成分、B成分及びC成分で構成したものでよいが、カラ
ーフィルター用インクである場合には、上記A成分、B
成分及びC成分に加えて、塗膜を着色させるための顔料
が用いられる。用いる顔料には有機顔料及び無機顔料が
ある。有機顔料の例としては、アゾレーキ系、不溶性ア
ゾ系、フタロシアニン系、キナクドリン系、ジオキサジ
ン系、イソインドリノン系、ベリノン系、アントラキノ
ン系、ペリレン系等、及びこれらの混合物が挙げられ
る。また、無機顔料の例としては、ミロリブルー、酸化
鉄、コバルト系、マンガン系、群青、紺青、コバルトブ
ルー、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリ
ーン、コバルトグリーン、及びこれらの混合物が挙げら
れる。
【0025】これらの顔料については、塗膜の透明性を
維持しつつ、塗膜を着色するために、顔料は可視光の波
長の下限である0.4μm以下の粒子径に分散されるこ
とが好ましく、0.2〜0.3μm以下の平均粒子径有
するのが実用上好ましい。配合量は、A成分とB成分の
総和100重量部に対して10〜200重量部の範囲が
よく、10重量部未満の添加量であると所望の分光特性
が得られず、また、200重量部を越えると塗膜の密着
性が低下するので好ましくない。
【0026】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じてエポキシ基硬化促進剤、重合禁止剤、可塑剤、レベ
リング剤、消泡剤等の添加剤を配合させることができ
る。エポキシ基硬化促進剤としては、アミン化合物類、
イミダゾール化合物、カルボン酸類、フェノール類、第
四級アンモニウム塩類又はメチロール基含有化合物類等
が挙げられ、それらを少量併用して塗膜を加熱すること
により、得られるレジスト被膜の耐熱性、耐溶剤性、耐
酸性、耐メッキ性、密着性、電気特性及び硬度等の諸特
性を向上せしめることができる。熱重合禁止剤として
は、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチ
アジン等が挙げられる。可塑剤としては、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げ
られる。消泡剤、レベリング剤としては、例えば、シリ
コン系、フッソ系、アクリル系の化合物が挙げられる。
更に、用途に応じて、硬化物の低熱膨張化、弾性率向
上、低吸湿化等を目的としてシリカ等の充填材を加えて
もよい。
【0027】本発明に使用される樹脂組成物は、必要に
応じてA〜C成分及び添加剤を溶解させることの可能な
溶剤に溶解し、更には、必要に応じて顔料や充填材等を
混合して使用に供する。このために使用される溶剤とし
ては、上記A〜C成分及び添加剤を溶解し、かつ上記A
〜C成分及び添加剤と反応しないものであれば、特に限
定されるものではない。
【0028】次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用い
た被膜の製造方法の1例について説明する。先ず、本発
明のA成分及びB成分を溶媒で希釈し、適当な加熱によ
ってラジカルを発生するC成分のラジカル重合開始剤
と、硬化促進剤、カップリング剤、酸化防止剤等の添加
剤とを加えてワニスを調製する。インクとして使用する
場合は、更に顔料を前記ワニスに分散させる。次に、こ
のワニスを任意の方法で基板上にコーティングする。実
施例ではスピンコートを用いているが、ディップコート
やバーコート、ロールコート等のコーティング方法も勿
論可能である。また、スクリーン印刷等の印刷方式も適
用可能である。
【0029】この本発明の熱硬化性樹脂組成物又はカラ
ーフィルター材料は、熱によって硬化する。ワニスをコ
ーティングした後、通常50〜100℃で溶剤をおおよ
そ揮発させた後、80〜250℃、好ましくは120〜
220℃にて一段、若しくは段階的に昇温して硬化せし
める。得られる被膜は目的の平滑性、耐熱性、透明性、
密着性、硬度、耐溶剤性、耐アルカリ性等に優れたもの
となる。
【0030】本発明の熱硬化型樹脂組成物は、カラー液
晶ディスプレー用カラーフィルター材料として好適に用
いることができる。従来のカラーフィルター上に本発明
の材料を保護膜としてコーティングすることにより、従
来のカラーフィルターでは耐熱性がないために200℃
が限界であったものが、250℃という高温でもITO
のスパッタが可能になる。また、本発明における顔料を
含むカラーフィルター用インキを用いたカラーフィルタ
ーも、同様に耐熱性の優れたものであり、250℃とい
う高温でもITOのスパッタが可能になる。
【0031】更には、本発明のカラーフィルター材料
は、上記のようにカラー液晶ディスプレーのカラーフィ
ルター、その保護膜の他に、カラー液晶表示装置、カラ
ーファクシミリ、イメージセンサー等の各種の多色表示
体インク材料、保護膜としても使用される。
【0032】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
を更に詳しく説明する。なお、以下の説明において
「部」は「重量部」を示す。先ず、A成分化合物の合成
について、その合成例1〜14を示す。
【0033】合成例1 500mlの四口フラスコ中に、ビスフェノールフルオ
レン型エポキシ樹脂231g(エポキシ当量231)
と、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド450
mg、2,6-ジ−イソブチルフェノール100mg、アク
リル酸72.0gとを、乾燥空気を吹き込み(25ml
/分)、かつ、温度90〜100℃で加熱しながら、撹
拌下に反応させた。次に、溶液が白濁したまま徐々に1
20℃まで昇温して撹拌を続けると、溶液は次第に透明
粘稠になった。この溶液の酸価を随時測定し、2.0m
gKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が
目標(酸価:0.8)に達するまでに8時間を要した。
そして、室温まで冷却し、無色透明な固体を得た。次い
で、上記の得られたビスフェノールフルオレン型エポキ
シアクリレート樹脂〔一般式(5)〕303gにセロソ
ルブアセテート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6-
テトラヒドロ無水フタル酸38gとベンゾフェノンテト
ラカルボン二酸無水物80.5g、及び臭化テトラエチ
ルアンモニウム1gとを混合し、徐々に昇温して110
〜115℃で2時間反応させ、化合物1〔A成分の一般
式(1)及び(2)中m/n=50/50〕を得た。酸
無水物の反応はIRスペクトルの1780cm-1ピーク
の消失により確認した。得られた化合物のインヘレント
粘度は、0.3dl/g(ηinh =0.3)であった。
【0034】合成例2 合成例1で製造したビスフェノールフルオレン型エポキ
シアクリレート樹脂303gを用い、セロソルブアセテ
ート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6-テトラヒド
ロ無水フタル酸121.6gとベンゾフェノンテトラカ
ルボン二酸無水物64.6g、及び臭化テトラエチルア
ンモニウム1gとを混合し、徐々に昇温して110〜1
15℃で2時間反応させ、化合物2〔A成分の一般式
(1)及び(2)中m/n=80/20〕を得た。酸無
水物の反応は合成例1と同様IRスペクトルにより確認
した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.2d
l/g(ηinh =0.2)であった。
【0035】合成例3 合成例1で製造したビスフェノールフルオレン型エポキ
シアクリレート樹脂303gを用い、セロソルブアセテ
ート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6-テトラヒド
ロ無水フタル酸3.8gとベンゾフェノンテトラカルボ
ン二酸無水物153.8g、臭化テトラエチルアンモニ
ウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃で
2時間反応させ、化合物3〔A成分の一般式(1)及び
(2)中m/n=0.5/99.5)を得た。酸無水物
の反応はIRスペクトルにより確認した。得られた化合
物のインヘレント粘度は、0.3dl/g(ηinh
0.3)であった。
【0036】合成例4 合成例1で製造したビスフェノールフルオレン型エポキ
シアクリレート樹脂303gを用い、セロソルブアセテ
ート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6-テトラヒド
ロ無水フタル酸72.2gとベンゾフェノンテトラカル
ボン二酸無水物16.1g、臭化テトラエチルアンモニ
ウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃で
2時間反応させ、化合物4〔A成分の一般式(1)及び
(2)中m/n=95/5)を得た。酸無水物の反応は
IRスペクトルにより確認した。得られた化合物のイン
ヘレント粘度は、0.2dl/g(ηinh =0.2)で
あった。
【0037】合成例5 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ビフェニル型エポキシ樹脂153g(エ
ポキシ当量153)を用いた以外は、合成例1と同様に
操作することにより酸無水物と反応した化合物5〔A成
分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/50〕を
得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確認し
た。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.2dl
/g(ηinh =0.2)であった。
【0038】合成例6 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ベンゾフェノン型エポキシ樹脂163g
(エポキシ当量163)を用いた以外は、合成例1と同
様に操作することにより酸無水物と反応した化合物6
〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/5
0〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確
認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.3
dl/g(ηinh =0.3)であった。
【0039】合成例7 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、スルホン型エポキシ樹脂181g(エポ
キシ当量181)を用いた以外は、合成例1と同様に操
作することにより酸無水物と反応した化合物7〔A成分
の一般式(1)及び(2)中m/n=50/50〕を得
た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確認した。
得られた化合物のインヘレント粘度は、0.3dl/g
(ηinh =0.3)であった。
【0040】合成例8 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ヘキサフルオロプロパン型エポキシ樹脂
221g(エポキシ当量221)を用いた以外は、合成
例1と同様に操作することにより酸無水物と反応した化
合物8〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=5
0/50)を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルに
より確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、
0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0041】合成例9 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ジメチルシラン型エポキシ樹脂163g
(エポキシ当量163)を用いた以外は、合成例1と同
様に操作することにより酸無水物と反応した化合物9
〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/5
0〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確
認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.2
dl/g(ηinh =0.2)であった。
【0042】合成例10 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ビフェニルメタン型エポキシ樹脂156
g(エポキシ当量156)を用いた以外は、合成例1と
同様に操作することにより酸無水物と反応した化合物1
0〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/
50〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより
確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.
4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0043】合成例11 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ビフェニルプロパン型エポキシ樹脂17
0g(エポキシ当量170)を用いた以外は、合成例1
と同様に操作することにより酸無水物と反応した化合物
11〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50
/50〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルによ
り確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、
0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0044】合成例12 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
アクリレート樹脂に代えて、ビフェニルエーテル型エポ
キシ樹脂157g(エポキシ当量157)を用いた以外
は、合成例1と同様に操作することにより酸無水物と反
応した化合物12〔A成分の一般式(1)及び(2)中
m/n=50/50〕を得た。酸無水物の反応はIRス
ペクトルにより確認した。得られた化合物のインヘレン
ト粘度は、0.3dl/g(ηinh =0.3)であっ
た。
【0045】合成例13 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
アクリレート樹脂〔一般式(5)〕303gにセロソル
ブアセテート2kgを加えて溶液とした後、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン二酸無水物161g、臭化テトラエチ
ルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜
115℃で2時間反応させ、化合物13〔A成分の一般
式(1)及び(2)中m/n=100/0〕を得た。酸
無水物の反応はIRスペクトルの1780cm-1ピーク
の消失により確認した。得られた化合物のインヘレント
粘度は、0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0046】合成例14 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
アクリレート樹脂303g(一般式4)にセロソルブア
セテート2kgを加えて溶液とした後、ビフェニルテト
ラカルボン二酸無水物161g、臭化テトラエチルアンモ
ニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃
で2時間反応させ、化合物14〔A成分の一般式(1)
及び(2)中m/n=100/0)を得た。酸無水物の
反応はIRスペクトルの1780cm-1ピークの消失に
より確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、
0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0047】実施例1〜17 合成例1〜14で得られたA成分、B成分、C成分、ア
クリルモノマー若しくはオリゴマー及び有機溶剤を以下
に示した配合割合(重量部)で混合し、それぞれ実施例
1〜17のワニスを調製した。
【0048】 実施例1(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0049】 実施例2(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0050】 実施例3(m/n=80/20) 割合(重量部) 化合物2 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0051】 実施例4(m/n=80/20) 割合(重量部) 化合物2 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0052】 実施例5(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0053】 実施例6(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0054】 実施例7(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物5 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0055】 実施例8(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物6 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0056】 実施例9(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物7 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0057】 実施例10(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物8 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0058】 実施例11(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物9 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0059】 実施例12(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物10 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0060】 実施例13(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物11 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0061】 実施例14(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物12 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0062】 実施例15(m/n=95/5) 割合(重量部) 化合物4 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0063】 実施例16(m/n=100/0) 割合(重量部) 化合物13 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0064】 実施例17(m/n=100/0) 割合(重量部) 化合物14 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0065】次いで、これら実施例1〜17のワニス
を、脱脂洗浄した厚さ1.2mmのガラス板上に約2μ
mの厚さに塗布して80℃で乾燥した後、熱風乾燥機を
用いて200℃で30分間加熱乾燥処理を行なった。得
られた塗膜表面は非常に平滑であった。また、塗膜の乾
燥性、塗膜硬度、基板との密着性、耐熱性、耐薬品性、
及び試験前、耐熱試験後並びに耐薬品試験後における透
明性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
【0066】なお、上記各種の物性のデータは以下の条
件で測定した。 (1)塗膜の乾燥性 塗膜の乾燥性は、JIS−5400に準じて評価した。
評価のランクは次の通りである。 ○:全くタックが認められないもの △:わずかにタックが認められるもの ×:顕著にタックが認められるもの
【0067】(2)塗膜硬度 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜の硬
度を、JIS−K5400の試験法に準じて、鉛筆硬度
試験機を用いて荷重1kgをかけた際の塗膜にキズが付
かない最も高硬度をもって表示した。使用した鉛筆は
「三菱ハイユニ」である。
【0068】(3)基板との密着性 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜に、
少なくとも100個の碁盤目を作るようにクロスカット
を入れて、次いでセロテープを用いてピーリング試験を
行ない、碁盤目の剥離の状態を目視によって評価した。
評価のランクは次の通りである。 ○:全く剥離が認められないもの ×:剥離が少しでも認められるもの
【0069】(4)耐熱性 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜を2
50℃で3時間オーブンに入れ、塗膜の状態を評価し
た。評価のランクは次の通りである。 ○:塗膜の外観に異常なし ×:塗膜の外観にわれ、剥離、着色あり
【0070】(5)耐薬品性 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜を、
下記の薬品に下記の条件で浸漬し、浸漬後の外観及び密
着性を評価した。 耐酸性 5%HCl24時間 耐アルカリ性 5%NaOH24時間浸漬 4%KOH50℃−10分 1%NaOH80℃−5分 耐溶剤性 NMP40℃−10分 NMP80℃−5分 (NMP:N-メチル−ピロリド
ン)
【0071】(6)透明性 塗膜を塗布したものと同じガラス板をレファレンスとし
て、耐熱性試験、耐薬品性試験前後における400〜8
00nmの波長における吸収スペクトルを測定した。 ○:全領域で95%以上 ×:95%未満になる
【0072】
【表1】
【0073】実施例18 熱硬化性樹脂組成物として以下に示す樹脂組成物を用
いた。 化合物1 20重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6重量部 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4重量部 ベンゾイルパーオキサイド 1.4重量部 エチルセロソルブアセテート 65.6重量部 合計 100
【0074】上記の樹脂組成物と、予め有機溶剤に分
散した顔料のを混合し、分散処理を行い、カラーフィル
ター用インクを作製した。使用した顔料は、CFカラー
レッドEX−274、CFカラーグリーンEX−27
6、CFカラーブルーEX−275、CFカラーブラッ
クEX−277(御国色素社製)である。各色の組成の
重量比を表2に示す。このとき、顔料粒子径は各色0.
3μmになるように分散を行なった。次に、透明基板と
して中性洗剤、水洗、イソプロピルアルコール・フロン
洗浄したガラス基板を用い、各インクをスピンコーター
により基板上に塗布し、80℃にて乾燥した後、熱風乾
燥機を用いて200℃で30分間加熱乾燥処理を行なっ
た。このときの、膜厚はR、G、B、ブラックマトリッ
クスとも2±0.1μmであった。
【0075】
【表2】
【0076】比較例1 ポリビニルアルコール(EG−30、日本合成製)6重
量部、重クロム酸アンモニウム0.5重量部、クロムミ
ョウバン0.3重量部及び水93.2重量部からなる感
光性染色基材を用い、染料として赤24P、緑1P、青
5Cを用いて表3の条件で染色した。プリベークは、6
0℃、10分、塗布順序は、R−G−Bで行なった。こ
のときの、各画素の膜厚は、R、G、Bとも1.5±
0.2μmであった。実施例18と比較例1のカラーフ
ィルターをキセノンフェードメーターによる耐光性試験
にかけた。1,000時間後のLabによるΔE(色差)
の結果を表4に示す。この表4の結果から、実施例18
の方が明かにΔEが小さく、耐光性の信頼性に優れてい
ることがわかる。
【0077】
【表3】
【0078】
【表4】
【0079】比較例2 カラーモザイク(R、G、B:フジハント性)を用い、
比較例1と同様の方法で、カラーフィルターを作製し
た。プリベークは、90℃で5分間、現像は指定現像液
を使用し、各画素の膜厚は、R、G、Bとも2±0.1
μmであった。上記実施例18とこの比較例2のカラー
フィルターを、耐熱性試験(280℃、1時間)にかけ
たときの分光透過率のピーク値の低下及び膜厚の減少率
を表5に示す。
【0080】
【表5】
【0081】実施例19 実施例1〜17で調製した樹脂組成物を用いてカラーフ
ィルター基材への適性を調べた。試験法としては、比較
例2と同様にしてカラーフィルター基材を作成し、この
基材上への前記樹脂組成物をスピンコートにより塗布
し、80℃にて10分乾燥し、次いで200℃にて30
分間加熱処理することにより保護膜を形成した。このよ
うにして作製された保護膜付カラーフィルター上に、イ
ンジウムチンオキシド(ITO)を常法により蒸着した
後、フォトリソグラフィーによりパターニングした。こ
のITOのパターンを有するカラーフィルターを光学顕
微鏡で詳細に観察したが、カラーフィルターや保護膜に
しわ、クラック等は全く認められず、カラーフィルター
と保護膜との接着性、密着性も良好であった。
【0082】以上の結果より、本発明の熱硬化性樹脂組
成物は、耐熱性、透明性、密着性、硬度、耐溶剤性、耐
アルカリ性、平滑性等に優れる硬化物、被膜そしてカラ
ーフィルターを提供することができる。
【0083】
【発明の効果】本発明の熱硬化型樹脂組成物を用いる
と、溶媒乾燥後に塗膜がタックフリーとなり、しかも、
硬化後には従来のものでは達成できなかった耐熱性、透
明性に優れ、更に、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、
平坦性、表面硬度等にも優れた塗膜、硬化物を与える。
従って、表面保護層としてその上にITO等の透明電極
を形成するのに適しており、しかも、極めて平滑で平滑
で透明性に優れているのでカラーフィルター材料として
用いた場合に鮮明な画像を得ることができる。更に、形
成される被膜は、基板との密着性、耐薬品性に優れるた
め、プリント配線板関連の層間絶縁材料、接着剤、塗
料、スクリーン印刷用のインキ等の幅広い分野に樹脂組
成物、その硬化物として使用しても高い信頼性を得るこ
とができる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成5年9月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 熱硬化性樹脂組成物、その硬化物及び
カラーフィルター材料
【特許請求の範囲】
【化1】 〔但し、一般式(1)及び(2)において、R1 及びR
2 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン
原子であり、R3 は水素原子又はメチル基であり、Xは
-CO-、-SO2- 、-C(CF3)2- 、-Si(CH3)2-、-CH2- 、-C(C
H3)2- 、-O-
【化2】 又は不存在を示し、Yは酸無水物の残基を示し、Zは酸
二無水物の残基を示し、m及びnは構造単位のモル比を
示し、m/nは0/100〜100/0の割合である〕
で表される単位構造を主とする(メタ)アクリレート化
合物であって、この0.5gをN-メチルピロリドン10
0mlに溶解した溶液を30℃で測定したインヘレント
粘度(ηinh )が0.1dl/g以上である(メタ)ア
クリレート化合物100重量部、(B)エポキシ基を有
する化合物5〜200重量部、及び、(C)ラジカル重
合開始剤0. 1〜10重量部を含有することを特徴とす
る熱硬化性樹脂組成物。
【化3】 である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な熱硬化性樹脂組
成物及びその硬化物に関するものである。また、本発明
は、液晶の表示装置あるいは撮影素子に使われるカラー
フィルターの保護膜用樹脂組成物、カラーフィルター用
インキ、及びこれらを硬化させてなるカラーフィルター
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の保護膜やプリント配線基板のパ
ターン形成には、熱硬化性樹脂をスクリーン印刷法、ス
ピンコート法により形成する手法が多く用いられてき
た。最近、液晶ディスプレイの高精彩化や半導体素子の
高密度実装化の変化に伴い、樹脂に対して硬度、はんだ
耐熱性、透明性、密着性、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶
剤性、絶縁抵抗、平坦性等に厳しい性能が要求されてい
る。例えば、カラーフィルターの段差を平滑にするため
や後工程で薬品処理や加熱、透明電極のスパッタ時の熱
影響からカラーフィルターを保護する目的で、印刷又は
スピンコート法等によりカラーフィルター表面上に保護
膜を設けており、このような保護膜用の樹脂として、現
在、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂等熱
硬化性樹脂組成物、更には耐熱性を改良したポリイミド
樹脂(例えば特開平 1-156,371号公報)が提案されてい
るが、以下のような理由で性能が充分でない。
【0003】例えば、アクリル系樹脂は、耐熱性が不十
分であり、ITO蒸着温度200℃以上における膜表面
のしわ、クラックが発生するという問題がある。ポリイ
ミド系樹脂は、耐熱性、耐薬品性等には優れていが、ワ
ニスとしての保存安定性に欠け、保護膜性能のバラツキ
が大きいこと、イミド化時の温度が高いこと、その透明
性に問題がある。メラミン樹脂は、比較的耐熱性が高
く、ITO蒸着時におけるしわ、クラックは生じ難いが
ガラス基板、カラーフィルターとの密着性に欠ける。ま
た、エポキシ樹脂は、ガラス基板との密着性良好で耐薬
品性、透明性に優れた保護膜が得られるが、一般に塗布
性と耐熱性とのバランスがとり難いと言われている。
【0004】一方、光硬化性の液状レジストは、一般的
に、微細加工パターンの形成には優れているが、熱硬化
型に比べてその平滑性に劣ると言われている。また、プ
レキュアー後にタックが有り、解像度のアップ及びテー
パー付けが有利となる密着露光の操作が、マスクの汚れ
の原因となり適用できないという問題がある。更に、現
在市販されているものは有機溶剤を現像液として使用し
ているため、大気汚染の問題が有だけでなく、溶剤が高
価である。例えば、特開昭61-243,869号公報には、フェ
ノールノボラック樹脂を主成分とする弱アルカリ水溶液
で現像可能な感光性樹脂組成物が開示されているが、高
温、酸性及びアルカリの条件に十分耐え得るものでな
く、処理後、基板との密着性が低下するという問題があ
った。
【0005】また、特開平 4-345,673号公報、特開平 4
-345,608号公報、特開平 4-355,450号公報、特開平 4-3
63,311号公報には、耐熱性の液状レジスト及びカラーフ
ィルター材料が開示されているが、これらも同様にプレ
キュアー後にタックが有り、解像度のアップ及びテーパ
ー付けが有利となる密着露光の操作が、マスクの汚れの
原因となり適用できないという問題がある。更に、特開
平 4-345,673号公報に開示されているエポキシ樹脂は、
その溶解度が通常の有機溶媒に対して低く、液状レジス
トとして用いるには溶媒が限られると共に希薄溶液なた
め膜減りが大きい欠点がある。また、これらを印刷もし
くはロールコーターによるべた塗りにより作成した塗膜
を熱硬化させる場合も、プレキュアーによる溶剤除去後
にもタック性が残り、作業性に優れない。
【0006】一方、そのカラーフィルターとしては、染
色法、印刷法等により赤、緑、青の画素及びブラックマ
トリックスをガラス基板上に形成したものが使用されて
いる。染色法によるカラーフィルターは、染色機材にゼ
ラチン等の天然感光樹脂やアミン変性ポリビニルアルコ
ール等の感光性合成樹脂に酸性染色等の染料で染色して
作成するが、塗膜の物性は耐光性、耐熱性、耐湿性等の
信頼性に問題がある(特公平1-52,738号公報)。印刷法
によるものは、熱硬化性樹脂又は紫外線硬化性樹脂に、
顔料を分散したインクを用いて作成するが、印刷時に3
色のフィルターパターンの位置合わせを正確に行なうに
は表面平滑性に問題が出て来る(特開昭 62-54,774号公
報、特開昭63-129,303号公報)。
【0007】特開平 1-152,449号公報において、感光性
樹脂としてベンジルメタクリレート・メタクリル酸共重
合物を用い、これに顔料を分散したものが開示されてい
る。この感光性塗料を用いれば、露光された部分の塗膜
がそのままカラーフィルターを構成することとなる。と
ころが、この感光性塗料は、酸素の存在下では硬化反応
が不十分で解像度、感度が低い。そのため露光前に酸素
遮断膜の形成と、現像前の酸素遮断膜の剥離という複雑
な工程が必要であり、更に、できたものの耐熱性及び現
像性に問題があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
提案されている材料では一長一短があり、絶縁被膜、接
着剤、印刷インキやコーティング剤等として、特に液晶
の表示装置あるいは撮影素子に使われるカラーフィルタ
ー材料に求められている諸特性をバランス良く満たす材
料を提供することにある。すなわち、本発明は、溶剤除
去後には塗膜がタックフリーとなり、硬化後には耐熱
性、耐薬品性、耐クラック性、透明性、密着性、絶縁
性、硬度、更には平滑性に優れた熱硬化性樹脂組成物及
びその硬化物並びにこれを用いたカラーフィルターを提
供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(A)下記一
般式(1)及び(2)
【化4】 〔但し、一般式(1)及び(2)において、R1 及びR
2 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン
原子であり、R3 は水素原子又はメチル基であり、Xは
-CO-、-SO2- 、-C(CF3)2- 、-Si(CH3)2-、-CH2- 、-C(C
H3)2- 、-O-
【化5】 又は不存在を示し、Yは酸無水物の残基を示し、Zは酸
二無水物の残基を示し、m及びnは構造単位のモル比を
示し、m/nは0/100〜100/0の割合である〕
で表される単位構造を主とする(メタ)アクリレート化
合物であって、この0.5gをN-メチルピロリドン10
0mlに溶解した溶液を30℃で測定したインヘレント
粘度(ηinh )が0.1dl/g以上である(メタ)ア
クリレート化合物100重量部、(B)エポキシ基を有
する化合物5〜200重量部、及び、(C)ラジカル重
合開始剤0. 1〜10重量部を含有する熱硬化性樹脂組
成物である。また、本発明は、上記熱硬化性樹脂組成物
を硬化させてなる硬化物である。更に、本発明は、この
熱硬化性樹脂組成物からなるカラーフィルター材料及び
これを硬化させて得られたカラーフィルターである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
熱硬化性樹脂組成物は、上記A成分、B成分及びC成分
の3成分を含有する。そして、A成分である(メタ)ア
クリレート化合物を構成する一般式(1)及び(2)で
表される単位構造において、Xとして-CO-を含むビスフ
ェノール成分の具体例としてはビス(4-ヒドロキシフェ
ニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェ
ニル)ケトン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェ
ニル)ケトン等から、また、Xとして-SO2- を含むもの
としてはビス(4-ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス
(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)スルホン、ビ
ス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)スルホン等
から、更に、Xとして-C(CF3)2- を含むものとしてはビ
ス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、
ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)ヘキサフ
ルオロプロパン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフ
ェニル)ヘキサフルオロプロパン等から、また、Xとし
て-Si(CH3)2-を含むものとしてはビス(4-ヒドロキシフ
ェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジ
メチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4-ヒドロキシ
−3,5-ジクロロフェニル)ジメチルシラン等から、ま
た、Xに-CH2- を含むものとしてはビス(4-ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロ
フェニル)メタン、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジブロモ
フェニル)メタン等から、Xとして-C(CH3)2- を含むも
のとしては2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパ
ン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)
プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェ
ニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-メチルフ
ェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシ−3-クロロ
フェニル)プロパン等から、更に、Xとして-O- を含む
ものとしてはビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル、
ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)エーテ
ル、ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)エー
テル等から、また、Xとして
【0011】
【化6】 を含むものとしては9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)
フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-メチルフェニ
ル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-クロロフ
ェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-ブロ
モフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3-
フルオロフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒドロキ
シ−3-メトキシフェニル)フルオレン、9,9-ビス(4-ヒ
ドロキシ−3,5-ジメチルフェニル)フルオレン、9,9-ビ
ス(4-ヒドロキシ−3,5-ジクロロフェニル)フルオレ
ン、9,9-ビス(4-ヒドロキシ−3,5-ジブロモフェニル)
フルオレン等から、更に、Xが不存在のものとしては4,
4'−ビフェノール、3,3'−ビフェノール等から、それぞ
れ後に例示する製造法により誘導されるものを挙げるこ
とができる。
【0012】従って、エポキシ化合物から誘導されるた
め、若干の以下のようなオリゴマー単位が混入すること
になるが、本発明の熱硬化性樹脂組成物の性能には問題
はない。
【化7】
【0013】また、上記一般式(1)及び(2)中のY
及びZについては、Yは酸無水物の残基を示し、また、
Zは酸二無水物の残基を示す。かかる残基Yを導入し得
る酸無水物としては、例えば、無水マレイン酸、無水コ
ハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒ
ドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチル
エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド
酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等が挙げられ、残
基Zを導入し得る酸二無水物としては、例えば、無水ピ
ロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水
物、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ビフェニル
エーテルテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カル
ボン酸無水物が挙げられる。また、R1 及びR2 は水素
原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン原子の何
れかであって、R3 は水素原子又はメチル基であり、好
ましくはR1 、R2 が水素もしくはメチル基、R3 が水
素原子である。
【0014】上記一般式(1)及び(2)で表される単
位構造を有するA成分は、必ずしも上述したもののみに
限定されるものではなく、また、これらは1種のみを単
独で使用できるほか、2種以上を混合物としても使用す
ることができる。
【0015】A成分の化合物は、次のようにして製造す
ることができる。例えば、先ず、9,9-ビス(4-ヒドロキ
シフェニル)フルオレンとエピクロロヒドリンとの反応
により得られる下記一般式(3)で表されるビスフェノ
ールフルオレン型エポキシ化合物と、下記一般式(4)
で表される(メタ)アクリル酸とを反応させることによ
り、下記一般式(5)で表されるビスフェノールフルオ
レン型エポキシアクリレート樹脂を合成し、次いで前記
の酸無水物と、エチルセロソルブアセテート、ブチルセ
ロソルブアセテート等のセロソルブ系溶媒中で加熱し、
製造される。反応温度としては、酸無水物がエポキシア
クリレート樹脂のOH基1モル当り1/2モルとなるよ
うに定量的に反応することが望ましく、100〜130
℃、好ましくは115〜125℃である。この反応につ
いては、一般式(1)及び(2)の単位構造を有する化
合物全体について同様である。
【0016】
【化8】 〔但し、一般式(3)〜(5)において、R1 〜R3
上記一般式(1)及び(2)で定義されたものと同じで
ある〕
【0017】上記一般式(1)及び(2)において、Y
は酸無水物の残基を示し、また、Zは酸二無水物の残基
を示すが、合成時にはこれら酸無水物と酸二無水物の混
合物を上記一般式(5)のビスフェノールフルオレン型
エポキシアクリレートと反応させることが望ましい。そ
して、この際に使用される酸無水物と酸二無水物の使用
割合は如何なる割合でもよく、酸無水物(m)と酸二無
水物(n)とをモル比(m/ n)で0/100〜100
/0、好ましくは1/99〜100/0、より好ましく
は5/95〜90/10の割合で用いるのがよい。ま
た、A成分の化合物の分子量については、この化合物
0.5gをN-メチルピロリドン100mlに溶解した溶
液を30℃で測定したインヘレント粘度(ηin h )が
0.1dl/g以上、好ましくは0.15dl/g以上
である。0.1dl/g未満では、分子量が低すぎて塗
膜乾燥後のタック性に問題が生じる。
【0018】次に、B成分であるエポキシ基を有する化
合物としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノール
A型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、
ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキ
シ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等のエポキシ樹脂、フェニ
ルグリシジルエーテル、p-ブチルフェノールグリシジル
エーテル、トリグリシジルイソシアヌレート、ジグリシ
ジルイソシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、グ
リシジルメタクリレート等のエポキシ基を少なくとも1
個有する化合物等が挙げられる。このB成分の配合割合
は、A成分100重量部に対して5〜200重量部、好
ましくは5〜100重量部である。
【0019】加熱時にA成分に含有されるカルボキシル
基とエポキシ基との反応、若しくはエポキシ基同士の反
応により編目構造が形成されるので、A成分100重量
部に対するB成分の配合割合が5重量未満であると本発
明の樹脂組成物の硬化後の特性、特に耐アルカリ性が不
十分となり、反対に、200重量部を越えると、硬化時
にクラックが発生し易くなり、密着性も低下し易くな
る。また、本発明の樹脂組成物及びその硬化物の性質を
損なわない範囲で前記エポキシ基と反応し得る酸無水物
を添加しても差し支えない。
【0020】更に、本発明で使用するC成分であるラジ
カル重合開始剤は、加熱によりラジカルを発生するもの
であり、A成分ばかりでなく、必要に応じて配合される
ラジカル重合性の(メタ)アクリルモノマーや(メタ)
アクリルオリゴマー等の重合性不飽和化合物の重合開始
剤としても用いられるものである。このような目的で使
用されるC成分のラジカル重合開始剤としては、公知の
過酸化物系開始剤やアゾビス系開始剤等を使用すること
ができる。
【0021】ここで、過酸化物系開始剤の具体例として
は、メチルエチルケトンパーオキサイド、メチルイソブ
チルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキ
サイド、メチルシクロヘキサンケトンパーオキサイド、
アセチルアセトンパーオキサイド等のケトンパーオキサ
イド系のものや、イソブチルパーオキサイド、m-クロロ
ベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパ
ーオキサイド、o-メチルベンゾイルパーオキサイド、ビ
ス−3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド等の
ジアシルパーオキサイド系のものや、2,4,4-トリメチル
ペンチル-2- ハイドロパーオキサイド、ジイソプロピル
ベンゼンハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパー
オキサイド、t-ブチルハイドロパーオキサイド等のハイ
ドロパーオキサイド系のものや、ジクミルパーオキサイ
ド、2,5-ジメチル−2,5-ジ(t-ブチルパーオキシ)ヘキ
サン、1,3-ビス(t-ブチルパーオキシイソプロピル)ベ
ンゼン、t-ブチルクミルパーオキサイド等のジアルキル
パーオキサイド系のものや、1,1-ジ−t-ブチルパーオキ
シ−3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、2,2-ジ-(t-ブチ
ルパーオキシ)ブタン、4,4-ジ−t-ブチルパーオキシ吉
草酸−n-ブチルエステル等のパーオキシケタール系のも
のや、2,4,4-トリメチルペンチルパーオキシフェノキシ
アセテート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、
t-ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t-ブチルパーオ
キシトリメチルアジペート等のアルキルパーエステル系
のものや、ジ−3-メトキシブチルパーオキシジカーボネ
ート、ジ−2-エチルヘキシルパーオキシジカーボネー
ト、ビス(4-t-ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカ
ーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート
等のパーカーボネート系のものや、その他のアセチルシ
クロヘキシルスルフォニルパーオキシジカーボネート、
t-ブチルパーオキシアリルカーボネート等のものが挙げ
られる。
【0022】また、アゾビス系開始剤の具体例として
は、1,1'−アゾビスシクロヘキサン−1-カルボニトリ
ル、2,2'−アゾビス-(2,4-ジメチルバレロニトリル)、
2,2'−アゾビス-(4-メトキシ−2,4-ジメチルバレロニト
リル)、2,2'−アゾビス-(メチルイソブチレート)、
α,α'-アゾビス-(イソブチロニトリル)、4,4'−アゾ
ビス-(4-シアノバレイン酸)等を挙げることができる。
【0023】これらのラジカル重合開始剤(C成分)
は、その何れかを単独で用いることができるほか、2種
以上の混合物としても使用することができ、その使用量
はA成分100重量部に対して0. 1〜10重量部の範
囲である。A成分100重量部に対するC成分の配合割
合は、0. 1重量部未満であると重合速度が遅くなり、
反対に、10重量部を越えると硬化物の分子量低下によ
る耐熱性不足、下地に対する密着性が低下する。
【0024】更に、本発明の樹脂組成物には、上記A成
分以外に、その使用目的に合わせて熱ラジカル重合が可
能なエチレン性不飽和基を有するモノマーやオリゴマー
を所定の範囲内で配合することができる。例えば、2-ヒ
ドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メ
タ)アクリレート等の水酸基を有するモノマーや、エチ
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ
ート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ
ート、グリセロール(メタ)アクリレート等の(メタ)
アクリル酸エステル類であり、これらの化合物は、その
何れかを単独で使用できるだけでなく、その2種以上を
併用して使用することもできる。
【0025】これらの化合物は、本発明の樹脂組成物及
びその硬化物の性質を損なわない範囲であることが必要
であり、A成分の熱硬化性性不飽和化合物100重量部
に対し、50重量部以下の範囲で使用される。この使用
量が50重量部を超えると硬化後の耐熱性、プレキュア
ー後のタック性に問題が生じる。従って、以上のA〜C
成分を必須とする樹脂組成物は、紫外線照射等の光では
硬化せず、熱によってのみ硬化する。すなわち、加熱時
にラジカル開始剤から発生したラジカルによりA成分及
び他のエチレン性不飽和基を有する化合物が重合して編
目構造を形成し、他方、カルボキシル基及びその無水物
はエポキシ基と反応して編目構造を形成していく。その
結果、本発明によれば、耐熱性、耐溶剤性、耐アルカリ
性に優れた硬化物を得ることができる。
【0026】本発明の樹脂組成物は、絶縁被膜・塗料、
接着剤、印刷インキやコーティング剤等として、特に液
晶の表示装置あるいは撮影素子に使われるカラーフィル
ター材料として有用である。また、硬化物は、優れた硬
度、はんだ耐熱性、透明性、耐酸性、耐アルカリ性、耐
溶剤性、絶縁抵抗、耐電解腐食性及び耐めっき性、更に
は、コーテイング剤として用いたときには膜の平滑性、
基板に対する密着性を示す。
【0027】例えば、カラーフィルター材料としては、
それがカラーフィルター用保護膜である場合には上記A
成分、B成分及びC成分で構成したものでよいが、カラ
ーフィルター用インクである場合には、上記A成分、B
成分及びC成分に加えて、塗膜を着色させるための顔料
が用いられる。用いる顔料には有機顔料及び無機顔料が
ある。有機顔料の例としては、アゾレーキ系、不溶性ア
ゾ系、フタロシアニン系、キナクドリン系、ジオキサジ
ン系、イソインドリノン系、ベリノン系、アントラキノ
ン系、ペリレン系等、及びこれらの混合物が挙げられ
る。また、無機顔料の例としては、ミロリブルー、酸化
鉄、コバルト系、マンガン系、群青、紺青、コバルトブ
ルー、セルリアンブルー、ピリジアン、エメラルドグリ
ーン、コバルトグリーン、及びこれらの混合物が挙げら
れる。
【0028】これらの顔料については、塗膜の透明性を
維持しつつ、塗膜を着色するために、顔料は可視光の波
長の下限である0.4μm以下の粒子径に分散されるこ
とが好ましく、0.2〜0.3μm以下の平均粒子径有
するのが実用上好ましい。配合量は、A成分とB成分の
総和100重量部に対して10〜200重量部の範囲が
よく、10重量部未満の添加量であると所望の分光特性
が得られず、また、200重量部を越えると塗膜の密着
性が低下するので好ましくない。
【0029】また、本発明の樹脂組成物には、必要に応
じてエポキシ基硬化促進剤、重合禁止剤、可塑剤、レベ
リング剤、消泡剤等の添加剤を配合させることができ
る。エポキシ基硬化促進剤としては、アミン化合物類、
イミダゾール化合物、カルボン酸類、フェノール類、第
四級アンモニウム塩類又はメチロール基含有化合物類等
が挙げられ、それらを少量併用して塗膜を加熱すること
により、得られるレジスト被膜の耐熱性、耐溶剤性、耐
酸性、耐メッキ性、密着性、電気特性及び硬度等の諸特
性を向上せしめることができる。熱重合禁止剤として
は、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ル、ピロガロール、tert−ブチルカテコール、フェノチ
アジン等が挙げられる。可塑剤としては、ジブチルフタ
レート、ジオクチルフタレート、トリクレジル等が挙げ
られる。消泡剤、レベリング剤としては、例えば、シリ
コン系、フッソ系、アクリル系の化合物が挙げられる。
更に、用途に応じて、硬化物の低熱膨張化、弾性率向
上、低吸湿化等を目的としてシリカ等の充填材を加えて
もよい。
【0030】本発明に使用される樹脂組成物は、必要に
応じてA〜C成分及び添加剤を溶解させることの可能な
溶剤に溶解し、更には、必要に応じて顔料や充填材等を
混合して使用に供する。このために使用される溶剤とし
ては、上記A〜C成分及び添加剤を溶解し、かつ上記A
〜C成分及び添加剤と反応しないものであれば、特に限
定されるものではない。
【0031】次に、本発明の熱硬化性樹脂組成物を用い
た被膜の製造方法の1例について説明する。先ず、本発
明のA成分及びB成分を溶媒で希釈し、適当な加熱によ
ってラジカルを発生するC成分のラジカル重合開始剤
と、硬化促進剤、カップリング剤、酸化防止剤等の添加
剤とを加えてワニスを調製する。インクとして使用する
場合は、更に顔料を前記ワニスに分散させる。次に、こ
のワニスを任意の方法で基板上にコーティングする。実
施例ではスピンコートを用いているが、ディップコート
やバーコート、ロールコート等のコーティング方法も勿
論可能である。また、スクリーン印刷等の印刷方式も適
用可能である。
【0032】この本発明の熱硬化性樹脂組成物又はカラ
ーフィルター材料は、熱によって硬化する。ワニスをコ
ーティングした後、通常50〜100℃で溶剤をおおよ
そ揮発させた後、80〜250℃、好ましくは120〜
220℃にて一段、若しくは段階的に昇温して硬化せし
める。得られる被膜は目的の平滑性、耐熱性、透明性、
密着性、硬度、耐溶剤性、耐アルカリ性等に優れたもの
となる。
【0033】本発明の熱硬化型樹脂組成物は、カラー液
晶ディスプレー用カラーフィルター材料として好適に用
いることができる。従来のカラーフィルター上に本発明
の材料を保護膜としてコーティングすることにより、従
来のカラーフィルターでは耐熱性がないために200℃
が限界であったものが、250℃という高温でもITO
のスパッタが可能になる。また、本発明における顔料を
含むカラーフィルター用インキを用いたカラーフィルタ
ーも、同様に耐熱性の優れたものであり、250℃とい
う高温でもITOのスパッタが可能になる。
【0034】更には、本発明のカラーフィルター材料
は、上記のようにカラー液晶ディスプレーのカラーフィ
ルター、その保護膜の他に、カラー液晶表示装置、カラ
ーファクシミリ、イメージセンサー等の各種の多色表示
体インク材料、保護膜としても使用される。
【0035】
【実施例】以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明
を更に詳しく説明する。なお、以下の説明において
「部」は「重量部」を示す。先ず、A成分化合物の合成
について、その合成例1〜14を示す。
【0036】合成例1 500mlの四口フラスコ中に、ビスフェノールフルオ
レン型エポキシ樹脂231g(エポキシ当量231)
と、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド450
mg、2,6-ジ−イソブチルフェノール100mg、アク
リル酸72.0gとを、乾燥空気を吹き込み(25ml
/分)、かつ、温度90〜100℃で加熱しながら、撹
拌下に反応させた。次に、溶液が白濁したまま徐々に1
20℃まで昇温して撹拌を続けると、溶液は次第に透明
粘稠になった。この溶液の酸価を随時測定し、2.0m
gKOH/g未満になるまで加熱攪拌を続けた。酸価が
目標(酸価:0.8)に達するまでに8時間を要した。
そして、室温まで冷却し、無色透明な固体を得た。
【0037】次いで、上記の得られたビスフェノールフ
ルオレン型エポキシアクリレート樹脂〔一般式(5)〕
303gにセロソルブアセテート2kgを加えて溶液と
した後、1,2,3,6-テトラヒドロ無水フタル酸38gとベ
ンゾフェノンテトラカルボン二酸無水物80.5g、及
び臭化テトラエチルアンモニウム1gとを混合し、徐々
に昇温して110〜115℃で2時間反応させ、化合物
1〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/
50〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルの17
80cm-1ピークの消失により確認した。得られた化合
物のインヘレント粘度は、0.3dl/g(ηinh
0.3)であった。
【0038】合成例2 合成例1で製造したビスフェノールフルオレン型エポキ
シアクリレート樹脂303gを用い、セロソルブアセテ
ート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6-テトラヒド
ロ無水フタル酸121.6gとベンゾフェノンテトラカ
ルボン二酸無水物64.6g、及び臭化テトラエチルア
ンモニウム1gとを混合し、徐々に昇温して110〜1
15℃で2時間反応させ、化合物2〔A成分の一般式
(1)及び(2)中m/n=80/20〕を得た。酸無
水物の反応は合成例1と同様IRスペクトルにより確認
した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.2d
l/g(ηinh =0.2)であった。
【0039】合成例3 合成例1で製造したビスフェノールフルオレン型エポキ
シアクリレート樹脂303gを用い、セロソルブアセテ
ート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6-テトラヒド
ロ無水フタル酸3.8gとベンゾフェノンテトラカルボ
ン二酸無水物153.8g、臭化テトラエチルアンモニ
ウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃で
2時間反応させ、化合物3〔A成分の一般式(1)及び
(2)中m/n=0.5/99.5)を得た。酸無水物
の反応はIRスペクトルにより確認した。得られた化合
物のインヘレント粘度は、0.3dl/g(ηinh
0.3)であった。
【0040】合成例4 合成例1で製造したビスフェノールフルオレン型エポキ
シアクリレート樹脂303gを用い、セロソルブアセテ
ート2kgを加えて溶液とした後、1,2,3,6-テトラヒド
ロ無水フタル酸144.4gとベンゾフェノンテトラカ
ルボン二酸無水物16.1g、臭化テトラエチルアンモ
ニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃
で2時間反応させ、化合物4〔A成分の一般式(1)及
び(2)中m/n=95/5)を得た。酸無水物の反応
はIRスペクトルにより確認した。得られた化合物のイ
ンヘレント粘度は、0.2dl/g(ηinh =0.2)
であった。
【0041】合成例5 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ビフェニル型エポキシ樹脂153g(エ
ポキシ当量153)を用いた以外は、合成例1と同様に
操作することにより酸無水物と反応した化合物5〔A成
分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/50〕を
得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確認し
た。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.2dl
/g(ηinh =0.2)であった。
【0042】合成例6 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ベンゾフェノン型エポキシ樹脂163g
(エポキシ当量163)を用いた以外は、合成例1と同
様に操作することにより酸無水物と反応した化合物6
〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/5
0〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確
認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.3
dl/g(ηinh =0.3)であった。
【0043】合成例7 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、スルホン型エポキシ樹脂181g(エポ
キシ当量181)を用いた以外は、合成例1と同様に操
作することにより酸無水物と反応した化合物7〔A成分
の一般式(1)及び(2)中m/n=50/50〕を得
た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確認した。
得られた化合物のインヘレント粘度は、0.3dl/g
(ηinh =0.3)であった。
【0044】合成例8 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ヘキサフルオロプロパン型エポキシ樹脂
221g(エポキシ当量221)を用いた以外は、合成
例1と同様に操作することにより酸無水物と反応した化
合物8〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=5
0/50)を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルに
より確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、
0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0045】合成例9 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ジメチルシラン型エポキシ樹脂163g
(エポキシ当量163)を用いた以外は、合成例1と同
様に操作することにより酸無水物と反応した化合物9
〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/5
0〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより確
認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.2
dl/g(ηinh =0.2)であった。
【0046】合成例10 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ビフェニルメタン型エポキシ樹脂156
g(エポキシ当量156)を用いた以外は、合成例1と
同様に操作することにより酸無水物と反応した化合物1
0〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50/
50〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルにより
確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、0.
4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0047】合成例11 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
樹脂に代えて、ビフェニルプロパン型エポキシ樹脂17
0g(エポキシ当量170)を用いた以外は、合成例1
と同様に操作することにより酸無水物と反応した化合物
11〔A成分の一般式(1)及び(2)中m/n=50
/50〕を得た。酸無水物の反応はIRスペクトルによ
り確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、
0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0048】合成例12 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
アクリレート樹脂に代えて、ビフェニルエーテル型エポ
キシ樹脂157g(エポキシ当量157)を用いた以外
は、合成例1と同様に操作することにより酸無水物と反
応した化合物12〔A成分の一般式(1)及び(2)中
m/n=50/50〕を得た。酸無水物の反応はIRス
ペクトルにより確認した。得られた化合物のインヘレン
ト粘度は、0.3dl/g(ηinh =0.3)であっ
た。
【0049】合成例13 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
アクリレート樹脂〔一般式(5)〕303gにセロソル
ブアセテート2kgを加えて溶液とした後、ベンゾフェ
ノンテトラカルボン二酸無水物161g、臭化テトラエチ
ルアンモニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜
115℃で2時間反応させ、化合物13〔A成分の一般
式(1)及び(2)中m/n=100/0〕を得た。酸
無水物の反応はIRスペクトルの1780cm-1ピーク
の消失により確認した。得られた化合物のインヘレント
粘度は、0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0050】合成例14 合成例1におけるビスフェノールフルオレン型エポキシ
アクリレート樹脂303g(一般式4)にセロソルブア
セテート2kgを加えて溶液とした後、ビフェニルテト
ラカルボン二酸無水物161g、臭化テトラエチルアンモ
ニウム1gを混合し、徐々に昇温して110〜115℃
で2時間反応させ、化合物14〔A成分の一般式(1)
及び(2)中m/n=100/0)を得た。酸無水物の
反応はIRスペクトルの1780cm-1ピークの消失に
より確認した。得られた化合物のインヘレント粘度は、
0.4dl/g(ηinh =0.4)であった。
【0051】実施例1〜17 合成例1〜14で得られたA成分、B成分、C成分、ア
クリルモノマー若しくはオリゴマー及び有機溶剤を以下
に示した配合割合(重量部)で混合し、それぞれ実施例
1〜17のワニスを調製した。
【0052】 実施例1(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0053】 実施例2(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0054】 実施例3(m/n=80/20) 割合(重量部) 化合物2 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0055】 実施例4(m/n=80/20) 割合(重量部) 化合物2 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0056】 実施例5(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0057】 実施例6(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物1 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0058】 実施例7(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物5 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0059】 実施例8(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物6 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0060】 実施例9(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物7 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0061】 実施例10(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物8 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0062】 実施例11(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物9 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0063】 実施例12(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物10 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0064】 実施例13(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物11 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0065】 実施例14(m/n=50/50) 割合(重量部) 化合物12 20 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 3 ベンゾイルパーオキサイド 0.7 セロソルブアセテート 76.3 合計 100
【0066】 実施例15(m/n=95/5) 割合(重量部) 化合物4 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0067】 実施例16(m/n=100/0) 割合(重量部) 化合物13 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0068】 実施例17(m/n=100/0) 割合(重量部) 化合物14 20 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4 ベンゾイルパーオキサイド 1.4 セロソルブアセテート 65.6 合計 100
【0069】次いで、これら実施例1〜17のワニス
を、脱脂洗浄した厚さ1.2mmのガラス板上に約2μ
mの厚さに塗布して80℃で乾燥した後、熱風乾燥機を
用いて200℃で30分間加熱乾燥処理を行なった。得
られた塗膜表面は非常に平滑であった。また、塗膜の乾
燥性、塗膜硬度、基板との密着性、耐熱性、耐薬品性、
及び試験前、耐熱試験後並びに耐薬品試験後における透
明性をそれぞれ評価した。結果を表1に示す。
【0070】なお、上記各種の物性のデータは以下の条
件で測定した。 (1)塗膜の乾燥性 塗膜の乾燥性は、JIS−5400に準じて評価した。
評価のランクは次の通りである。 ○:全くタックが認められないもの △:わずかにタックが認められるもの ×:顕著にタックが認められるもの
【0071】(2)塗膜硬度 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜の硬
度を、JIS−K5400の試験法に準じて、鉛筆硬度
試験機を用いて荷重1kgをかけた際の塗膜にキズが付
かない最も高硬度をもって表示した。使用した鉛筆は
「三菱ハイユニ」である。
【0072】(3)基板との密着性 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜に、
少なくとも100個の碁盤目を作るようにクロスカット
を入れて、次いでセロテープを用いてピーリング試験を
行ない、碁盤目の剥離の状態を目視によって評価した。
評価のランクは次の通りである。 ○:全く剥離が認められないもの ×:剥離が少しでも認められるもの
【0073】(4)耐熱性 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜を2
50℃で3時間オーブンに入れ、塗膜の状態を評価し
た。評価のランクは次の通りである。 ○:塗膜の外観に異常なし ×:塗膜の外観にわれ、剥離、着色あり
【0074】(5)耐薬品性 塗膜乾燥した後、200℃で30分間加熱した塗膜を、
下記の薬品に下記の条件で浸漬し、浸漬後の外観及び密
着性を評価した。 耐酸性 5%HCl24時間 耐アルカリ性 5%NaOH24時間浸漬 4%KOH50℃−10分 1%NaOH80℃−5分 耐溶剤性 NMP40℃−10分 NMP80℃−5分 (NMP:N-メチル−ピロリド
ン)
【0075】(6)透明性 塗膜を塗布したものと同じガラス板をレファレンスとし
て、耐熱性試験、耐薬品性試験前後における400〜8
00nmの波長における吸収スペクトルを測定した。 ○:全領域で95%以上 ×:95%未満になる
【0076】
【表1】
【0077】実施例18 熱硬化性樹脂組成物として以下に示す樹脂組成物を用
いた。 化合物1 20重量部 ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート 8.6重量部 テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂 4.4重量部 ベンゾイルパーオキサイド 1.4重量部 エチルセロソルブアセテート 65.6重量部 合計 100
【0078】上記の樹脂組成物と、予め有機溶剤に分
散した顔料のを混合し、分散処理を行い、カラーフィル
ター用インクを作製した。使用した顔料は、CFカラー
レッドEX−274、CFカラーグリーンEX−27
6、CFカラーブルーEX−275、CFカラーブラッ
クEX−277(御国色素社製)である。各色の組成の
重量比を表2に示す。このとき、顔料粒子径は各色0.
3μmになるように分散を行なった。次に、透明基板と
して中性洗剤、水洗、イソプロピルアルコール・フロン
洗浄したガラス基板を用い、各インクをスピンコーター
により基板上に塗布し、80℃にて乾燥した後、熱風乾
燥機を用いて200℃で30分間加熱乾燥処理を行なっ
た。このときの、膜厚はR、G、B、ブラックマトリッ
クスとも2±0.1μmであった。
【0079】
【表2】
【0080】比較例1 ポリビニルアルコール(EG−30、日本合成製)6重
量部、重クロム酸アンモニウム0.5重量部、クロムミ
ョウバン0.3重量部及び水93.2重量部からなる感
光性染色基材を用い、染料として赤24P、緑1P、青
5Cを用いて表3の条件で染色した。プリベークは、6
0℃、10分、塗布順序は、R−G−Bで行なった。こ
のときの、各画素の膜厚は、R、G、Bとも1.5±
0.2μmであった。実施例18と比較例1のカラーフ
ィルターをキセノンフェードメーターによる耐光性試験
にかけた。1,000時間後のLabによるΔE(色差)
の結果を表4に示す。この表4の結果から、実施例18
の方が明かにΔEが小さく、耐光性の信頼性に優れてい
ることがわかる。
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】比較例2 カラーモザイク(R、G、B:フジハント性)を用い、
比較例1と同様の方法で、カラーフィルターを作製し
た。プリベークは、90℃で5分間、現像は指定現像液
を使用し、各画素の膜厚は、R、G、Bとも2±0.1
μmであった。上記実施例18とこの比較例2のカラー
フィルターを、耐熱性試験(280℃、1時間)にかけ
たときの分光透過率のピーク値の低下及び膜厚の減少率
を表5に示す。
【0084】
【表5】
【0085】実施例19 実施例1〜17で調製した樹脂組成物を用いてカラーフ
ィルター基材への適性を調べた。試験法としては、比較
例2と同様にしてカラーフィルター基材を作成し、この
基材上への前記樹脂組成物をスピンコートにより塗布
し、80℃にて10分乾燥し、次いで200℃にて30
分間加熱処理することにより保護膜を形成した。このよ
うにして作製された保護膜付カラーフィルター上に、イ
ンジウムチンオキシド(ITO)を常法により蒸着した
後、フォトリソグラフィーによりパターニングした。こ
のITOのパターンを有するカラーフィルターを光学顕
微鏡で詳細に観察したが、カラーフィルターや保護膜に
しわ、クラック等は全く認められず、カラーフィルター
と保護膜との接着性、密着性も良好であった。
【0086】以上の結果より、本発明の熱硬化性樹脂組
成物は、耐熱性、透明性、密着性、硬度、耐溶剤性、耐
アルカリ性、平滑性等に優れる硬化物、被膜そしてカラ
ーフィルターを提供することができる。
【0087】
【発明の効果】本発明の熱硬化型樹脂組成物を用いる
と、溶媒乾燥後に塗膜がタックフリーとなり、しかも、
硬化後には従来のものでは達成できなかった耐熱性、透
明性に優れ、更に、耐酸性、耐アルカリ性、耐溶剤性、
平坦性、表面硬度等にも優れた塗膜、硬化物を与える。
従って、表面保護層としてその上にITO等の透明電極
を形成するのに適しており、しかも、極めて平滑で平滑
で透明性に優れているのでカラーフィルター材料として
用いた場合に鮮明な画像を得ることができる。更に、形
成される被膜は、基板との密着性、耐薬品性に優れるた
め、プリント配線板関連の層間絶縁材料、接着剤、塗
料、スクリーン印刷用のインキ等の幅広い分野に樹脂組
成物、その硬化物として使用しても高い信頼性を得るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 健一 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 寺本 武郎 神奈川県川崎市中原区井田1618番地、新日 本製鐵株式会社先端技術研究所内 (72)発明者 稲田 幸輝 東京都千代田区大手町二丁目6番3号、新 日本製鐵株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記一般式(1)及び(2) 【化1】 〔但し、一般式(1)及び(2)において、R1 及びR
    2 は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又はハロゲン
    原子であり、R3 は水素原子又はメチル基であり、Xは
    -CO-、-SO2- 、-C(CF3)2- 、-Si(CH3)2-、-CH2- 、-C(C
    H3)2- 、-O- 又は不存在を示し、Yは酸無水物の残基を
    示し、Zは酸二無水物の残基を示し、m及びnは構造単
    位のモル比を示し、m/nは0/100〜100/0の
    割合である〕で表される単位構造を主とする(メタ)ア
    クリレート化合物であって、この0.5gをN-メチルピ
    ロリドン100mlに溶解した溶液を30℃で測定した
    インヘレント粘度(ηinh )が0.1dl/g以上であ
    る(メタ)アクリレート化合物100重量部、(B)エ
    ポキシ基を有する化合物5〜200重量部、及び、
    (C)ラジカル重合開始剤0. 1〜10重量部を含有す
    ることを特徴とする熱硬化性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 一般式(1)又は(2)におけるXが 【化2】 である請求項1記載の熱硬化性樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 構造単位のモル比(m/n)が1/99
    〜100/0の割合である請求項1記載の熱硬化性樹脂
    組成物。
  4. 【請求項4】 請求項1、2又は3記載の熱硬化性樹脂
    組成物を硬化させてなる硬化物。
  5. 【請求項5】 請求項1、2又は3記載の熱硬化性樹脂
    組成物からなるカラーフィルター材料。
  6. 【請求項6】 請求項1、2又は3記載の熱硬化性樹脂
    組成物に、更に顔料を分散させてなるカラーフィルター
    材料。
  7. 【請求項7】 請求項5又は6記載のカラーフィルター
    材料の硬化物を用いたカラーフィルター。
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