JP4967212B2 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリカルボン酸樹脂を含有する樹脂組成物およびその硬化物に関する。特に、カラーフィルター用着色感光性樹脂組成物、カラーフィルター用保護膜、カラーフィルター用スペーサー、カラーフィルター用層間絶縁膜等に好適に使用される感光性樹脂組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
アルカリ可溶性の樹脂、顔料および光重合開始剤を含有する着色感光性樹脂組成物は、カラー液晶表示装置、カラー固体撮像装置などを構成する素子であるカラーフィルターの製造に広く用いられている。このような着色感光性樹脂組成物を用いてカラーフィルターを製造する方法としては、例えば着色感光性樹脂組成物からなる層(1)を基板(2)の表面に形成し(図1(a))、該層(1)にフォトマスク(3)を介して光線(4)を照射して露光したのち(図1(b))、現像する方法が知られている。着色感光性樹脂組成物層(1)のうち、露光において光線(4)が照射されなかった光線未照射領域(11)は現像によって除去され、光線が照射された光線照射領域(12)は除去されることなく残ってブラックマトリックスまたは画素(5)を形成する(図1(c))。形成されたブラックマトリックスまたは画素の機械的強度を向上するために、現像後、通常は加熱処理が行われている。着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料の色を代えながら上記操作を繰り返し行うことにより、ブラックマトリックス(5BM)、三原色に対応する色の画素(5R、5G、5B)を順次形成することができ、目的とするカラーフィルター(6)を得ることができる(図2)。
【0003】
このような製造方法において、より微細なブラックマトリックスやより微細で高透過率のカラー画素を形成するためには、着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料としてその粒子径の小さいものを使用することが好ましい。また、より厚みの薄いブラックマトリックスやカラー画素を形成するためには、着色感光性樹脂組成物に含まれる顔料の濃度を高くする必要があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ポリカルボン酸樹脂を含有する新規な樹脂組成物およびその硬化物を提供し、更に高解像性が得られる感光性樹脂組成物、特に粒子系の小さい顔料を高濃度で用いた場合にも高解像性が得られる着色感光性樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、このような要求を満たすために鋭意検討した結果、(a)分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と(b)多塩基性カルボン酸との反応物と、更に(c)多塩基性カルボン酸またはその無水物とを反応させて得られるポリカルボン酸樹脂を含む樹脂組成物が、上記問題点を改良できることを見出し、本発明に至った。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明で使用する(a)分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と(b)多塩基性カルボン酸との反応物と、更に(c)多塩基性カルボン酸またはその無水物とを反応させて得られるポリカルボン酸樹脂のうち、好ましいものは下記式(1)で示されるエポキシ化合物と(b)多塩基性カルボン酸との反応物と、更に(c)多塩基性カルボン酸またはその無水物とを反応させることにより得ることができる。
なお、下記式(1)のエポキシ化合物は公知の方法により得ることができる。例えば対応するジオール成分を適当量のエピクロロヒドリンと反応させることにより得ることができる。
【0007】
Figure 0004967212
・・・・・(1)
〔式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、アルキル基またはハロゲン原子を示し、Xは、単結合または式(I−1)〜式(I−8)
Figure 0004967212
のいずれかで示される2価の残基を示し、R3はアルキレン基を示し、R4は水素原子、アルキル基またはグリシジル基を示す。mは0〜5の整数を示し、nは0〜10の整数を示す。nが複数の場合、R1は同じでも異なってもよく、R2も同じでも異なってもよく、R3も同じでも異なってもよく、R4も同じでも異なってもよい。〕
【0008】
上記エポキシ化合物(1)において、R1およびR2におけるアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などの炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子などが挙げられる。
【0009】
3におけるアルキレン基としては、例えばメチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基などの炭素数1〜10程度のアルキレン基が挙げられる。アルキレン基は置換基を有していてもよい。置換基としては、例えば水酸基、ハロゲン原子、水酸基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、炭素数1〜10のアルコキシル基、炭素数6〜15のアリール基、炭素数7〜15のアラルキル基、炭素数2〜10のアルケニル基、炭素数2〜10のアシルオキシ基などが挙げられる。
【0010】
ここで、ハロゲン原子としては、例えば塩素原子、臭素原子などが挙げられる。炭素数1〜10のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基などが挙げられ、水酸基で置換されている場合のアルキル基としては、例えばヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基などが挙げられる。
炭素数1〜10のアルコキシル基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ブトキシ基などが挙げられる。炭素数6〜15のアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基などが挙げられる。炭素数7〜15のアラルキル基としては、例えばベンジル基、フェニルエチル基などが挙げられる。炭素数2〜10のアルケニル基としては、例えばビニル基、アリル基などが挙げられる。炭素数2〜10のアシルオキシ基としては、例えばアセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基などが挙げられる。
【0011】
上記エポキシ化合物を誘導するジオール成分は、一般式(III)
Figure 0004967212
〔式中、R1、R2およびXは、それぞれ前記と同じ意味を示す。〕
で示されるビスフェノール化合物である。
【0012】
ここで、ビスフェノール化合物として具体的には、例えばXが単結合であるビスフェノール化合物として、4,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノールなどが挙げられる。
Xが式(I−1)で示されるビスフェノール化合物として、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−ブロモフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−フルオロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メトキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)フルオレンなどが挙げられる。
【0013】
Xが式(I−2)で示されるビスフェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ケトン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ケトンなどが挙げられる。
Xが式(I−3)で示されるビスフェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)スルホンなどが挙げられる。
【0014】
Xが式(I−4)で示されるビスフェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ヘキサフルオロプロパンなどが挙げられる。
Xが式(I−5)で示されるビスフェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)ジメチルシラン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)ジメチルシランなどが挙げられる。
【0015】
Xが式(I−6)で示されるビスフェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)メタン、フェノールノボラック、クレゾールノボラックなどが、
Xが式(I−7)で示されるビスフェノール化合物として、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−クロロフェニル)プロパンなどが挙げられる。
【0016】
Xが式(I−8)で示されるビスフェノール化合物として、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテル、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)エーテルなどが挙げられる。このようなビスフェノール化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0017】
このようなエポキシ化合物(1)において、Xは式(I−1)で示される2価の残基であることが好ましい。
このようなエポキシ化合物(1)の中でも、R1、R2およびR4が水素原子であり、m=0であり、Xが式(I−1)で示される2価の残基である化合物、R1がメチル基であり、R2およびR4が水素原子であり、m=0であり、Xが式(I−1)で示される2価の残基である化合物、R1、R2およびR4が水素原子であり、R3がエチレン基であり、Xが式(I−1)で示される2価の残基である化合物、R1、R2およびR4が水素原子であり、R3が−C(CH3)H−CH2−で示されるアルキレン基であり、Xが式(I−1)で示される2価の残基である化合物、R1がメチル基であり、R2およびR4が水素原子であり、R3がエチレン基であり、Xが式(I−1)で示される2価の残基である化合物などが好ましい。
【0018】
次に、一般式(1)で示されるエポキシ化合物と反応させる(b)多塩基性カルボン酸について説明する。多塩基性カルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンジカルボン酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、ビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルジカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸などのような、2個以上のカルボキシル基を有する化合物が挙げられる。これらは、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0019】
反応時に、希釈剤として、例えば3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、3ーメトキシブチルアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、エチルメチルケトン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等の溶剤を使用するのが好ましい。
【0020】
更に、エポキシ化合物と(b)多塩基性カルボン酸の反応においては、反応を促進させるために触媒を使用することが好ましい。触媒としては、例えばトリエチルアミン、ペンジルジメチルアミン、メチルトリエチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフィン、トリフェニルスチビン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等があげられる。該触媒の使用量は、反応原料混合物に対して好ましくは0.1〜10重量%である。(b)の多塩基性カルボン酸が不飽和二重結合を有する場合は、反応中の重合を防止するために、重合防止剤を使用するのが好ましい。重合防止剤としては、例えばハイドロキノン、メチルハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、カテコール、ピロガロール等があげられる。その使用量は、反応原料混合物に対して、好ましくは0.01〜1重量%である。反応温度は、好ましくは60〜150℃である。又、反応時間は好ましくは5〜60時間である。
【0021】
次に、(c)の多塩基性カルボン酸およびその無水物について説明する。(c)の多塩基性カルボン酸も、前記(b)で挙げた多塩基性カルボン酸と同じものを挙げることができ、これらの多塩基性カルボン酸もしくはその酸無水物を使用することができる。
(b)と(c)の多塩基性カルボン酸は同じであっても、異なってもよい。
【0022】
本発明におけるポリカルボン酸樹脂は、(a)分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物と(b)多塩基性カルボン酸との反応物と、更に(c)多塩基性カルボン酸またはその無水物とを反応させて得られる。
(a)と(b)との反応物と、(c)との使用量比は、(a)と(b)との反応物と、(c)との合計量100モルあたり、(a)と(b)との反応物が通常5モル〜95モル程度、好ましくは10〜90モル程度である。
【0023】
反応は、例えば無溶媒でまたは溶媒中で、(a)と(b)との反応物(以下、カルボン酸変性エポキシ樹脂ということがある。)と、(c)とを反応させる方法により行なわれる。
【0024】
溶媒としては、例えば3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、3ーメトキシブチルアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどが用いられる。このような溶媒は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量はカルボン酸変性エポキシ樹脂1重量部に対して通常は0.5重量部以上20重量部以下である。
【0025】
カルボン酸変性エポキシ樹脂および多塩基酸またはその酸無水物とを反応させるには、溶媒、カルボン酸変性エポキシ樹脂および多塩基酸またはその酸無水物とを混合すればよく、反応温度は通常20℃以上200℃以下である。
【0026】
ポリカルボン酸樹脂は、得られた反応混合物から取り出して、本発明の着色感光性樹脂組成物に使用してもよいし、取り出したのち精製して使用してもよいし、該反応混合物から取り出すことなく反応混合物に含まれたままの状態で使用してもよい。
【0027】
このようなポリカルボン酸樹脂は、そのポリスチレン換算重量平均分子量が通常1000以上50000以下、好ましくは1500以上20000以下である。また、酸価は、50以上200以下であることが好ましく、より好ましくは70以上170以下である。
【0028】
本発明の着色感光性樹脂組成物において、ポリカルボン酸樹脂はバインダーとして使用され、その使用量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常10%以上80%以下、好ましくは20%以上70%以下である。
【0029】
次に、[B]エチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物(以下、エチレン性不飽和化合物ということがある。)について説明する。
エチレン性不飽和化合物としては、末端に重合性の炭素−炭素不飽和結合を1個以上、好ましくは2個以上有する化合物が挙げられ、例えば不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコールとのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミンとのアミドなどが挙げられる。このような化合物は、それぞれモノマーであってもよいし、プレポリマー、すなわち2量体、3量体および4量体以上のオリゴマーであってもよい。また、混合物であってもよい。
【0030】
ここで、不飽和カルボン酸としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などが挙げられる。
【0031】
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、例えばエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エ一テル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどが挙げられる。
【0032】
メタクリル酸エステルとしては、例えばテトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビスー〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタンなどが挙げられる。
【0033】
イタコン酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
【0034】
クロトン酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
【0035】
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどが挙げられる。
【0036】
マレイン酸エステルとしては、例えばエチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどが挙げられる。これらのエステルモノマーの混合物も挙げることができる。
【0037】
脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、例えばメチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミドなどが挙げられる。
【0038】
エチレン性不飽和化合物は、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、一般式(2)
Figure 0004967212
(式中、R10、R11は、それぞれ独立に水素原子またはメチル基を示す。)
で示されるビニルモノマーを付加させて得られるビニルウレタン化合物であってもよい(特公昭48−41708号公報)。また、ウレタンアクリレート類(特開昭51−37193号公報)、ポリエステルアクリレート類(特開昭48−64183号公報、特公昭49−43191号公報、特公昭52−30490号公報)、光硬化性モノマー〔日本接着協会誌、第20巻第7号第300頁〜第308頁(1984年)〕などであってもよい。
【0039】
このようなエチレン性不飽和化合物を用いる場合、その使用量は着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常50%以下、好ましくは40%以下であり、通常は5%以上、好ましくは10%以上である。
【0040】
次に[C]光重合開始剤について説明する。
光重合開始剤としては、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、オキサジアゾール系光重合開始剤などを用いることができる。
【0041】
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えばジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
【0042】
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
【0043】
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えばベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
【0044】
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
【0045】
トリアジン系光重合開始剤としては、例えば2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(4−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(5−メチルフラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(フラン−2−イル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−〔2−(3,4−ジメトキシフェニル)エテニル〕−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
【0046】
オキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば5−(p−メトキシフェニル)−2−トリクロロメチルオキサジアゾール、5−(p−ブトキシスチリル)−2−トリクロロメチルオキサジアゾールなどが挙げられる。
【0047】
また、光重合開始剤としては、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、ビスペンタジエニルチタニウム−ジ(ペンタフルオロフェニル)などのチタノセン化合物などを用いることもできる。
これらの光重合開始剤の中で好ましいものはトリアジン系光重合開始剤、オキサジアゾール系光重合開始剤である。
【0048】
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられ、その使用量は、化合物(A)100重量部あたり通常3重量部以上60重量部以下である。3重量部未満であると感度が低下する傾向にあり、好ましくは5重量部以上である。60重量部を超えると着色感光性樹脂組成物層の強度が低下する傾向にあり、好ましくは40重量部以下である。
【0049】
本発明の着色感光性樹脂組成物は、光重合開始助剤を含有していてもよい。光重合開始助剤は、光重合反応を促進するために用いられる。
【0050】
光重合開始助剤としては、例えばトリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。これらの光重合開始剤はそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。このような光重合開始剤を用いる場合、その使用量は光重合開始剤1モルに対して通常は0.01モル以上10モル以下である。
【0051】
次に[D]溶剤について説明する。
本発明に使用する溶剤としては、例えば酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル、2-メトキシブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、4-メトキシブチルアセテート、2−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、3−エチル−3−メトキシブチルアセテート、2−エトキシブチルアセテート、4−エトキシブチルアセテート、4−プロポキシブチルアセテート、2−メトキシペンチルアセテート、3−メトキシペンチルアセテート、4−メトキシペンチルアセテート、2−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−3−メトキシペンチルアセテート、3−メチル−4−メトキシペンチルアセテート、4−メチル−4−メトキシペンチルアセテートなどのエステル類、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテートなどのエーテル類、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノンなどケトン類、
トルエン、キシレシなどの芳香族炭化水素類などが挙げられる。
【0052】
好ましくは3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、3ーメトキシブチルアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメテルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテートなどである。
【0053】
これらの溶媒は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いられ、その使用量は着色感光性樹脂組成物の固形分の濃度が質量分率で2%以上50%以下の範囲となるように用いられる。
【0054】
次に、本発明を着色感光性樹脂組成物として使用する場合、用いられる[E]顔料について説明する。
本発明に用いる顔料は、無機顔料であってもよいし、有機顔料であってもよい。
無機顔料としては、例えば金属酸化物、金属錯塩などの金属化合物が挙げられる。金属としては、鉄、コバルト、アルミニウム、カドミウム、鉛、銅、チタン、マグネシウム、クロム、亜鉛、アンチモンなどが挙げられる。金属酸化物、金属錯塩はこれらの金属単独の酸化物、錯塩であってもよいし、これらの金属の2種以上の複合酸化物、錯塩であってもよい。
【0055】
有機顔料としては、例えばカラー・インデックス(Colour Index)〔ザ・ソサイアティ・オブ・ダイヤーズ・アンド・カラーリスツ(The Society of Dyers and Colourists)出版〕でピグメント(Pigment)に分類されている化合物が挙げられる。
【0056】
このような有機顔料としては、例えばC.I.ピグメント・イエロー1、C.I.ピグメント・イエロー3、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー16、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー20、C.I.ピグメント・イエロー24、C.I.ピグメント・イエロー31、C.I.ピグメント・イエロー55、C.I.ピグメント・イエロー60、C.I.ピグメント・イエロー61、C.I.ピグメント・イエロー65、C.I.ピグメント・イエロー71、C.I.ピグメント・イエロー73、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー81、C.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー95、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー98、C.I.ピグメント・イエロー100、C.I.ピグメント・イエロー101、C.I.ピグメント・イエロー104、C.I.ピグメント・イエロー106、C.I.ピグメント・イエロー108、C.I.ピグメント・イエロー109、C.I.ピグメント・イエロー110、C.I.ピグメント・イエロー113、C.I.ピグメント・イエロー114、C.I.ピグメント・イエロー116、C.I.ピグメント・イエロー117、C.I.ピグメント・イエロー119、C.I.ピグメント・イエロー120、C.I.ピグメント・イエロー126、C.I.ピグメント・イエロー127、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー129、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー152、C.I.ピグメント・イエロー153、C.I.ピグメント・イエロー154、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー156、C.I.ピグメント・イエロー166、C.I.ピグメント・イエロー168、C.I.ピグメント・イエロー175などの黄色の有機顔料、
C.I.ピグメント・オレンジ1、C.I.ピグメント・オレンジ5、C.I.ピグメント・オレンジ13、C.I.ピグメント・オレンジ14、C.I.ピグメント・オレンジ16、C.I.ピグメント・オレンジ17、C.I.ピグメント・オレンジ24、C.I.ピグメント・オレンジ34、C.I.ピグメント・オレンジ36、C.I.ピグメント・オレンジ38、C.I.ピグメント・オレンジ40、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・オレンジ46、C.I.ピグメント・オレンジ49、C.I.ピグメント・オレンジ51、C.I.ピグメント・オレンジ61、C.I.ピグメント・オレンジ63、C.I.ピグメント・オレンジ64、C.I.ピグメント・オレンジ71、C.I.ピグメント・オレンジ73などのオレンジ色の有機顔料、
C.I.ピグメント・バイオレット1、C.I.ピグメント・バイオレット19、C.I.ピグメント・バイオレット23、C.I.ピグメント・バイオレット29、C.I.ピグメント・バイオレット32、C.I.ピグメント・バイオレット36、C.I.ピグメント・バイオレット38などのバイオレット色の有機顔料、
C.I.ピグメント・レッド1、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド4、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド8、C.I.ピグメント・レッド9、C.I.ピグメント・レッド10、C.I.ピグメント・レッド11、C.I.ピグメント・レッド12、C.I.ピグメント・レッド14、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド17、C.I.ピグメント・レッド18、C.I.ピグメント・レッド19、C.I.ピグメント・レッド21、C.I.ピグメント・レッド22、C.I.ピグメント・レッド23、C.I.ピグメント・レッド30、C.I.ピグメント・レッド31、C.I.ピグメント・レッド32、C.I.ピグメント・レッド37、C.I.ピグメント・レッド38、C.I.ピグメント・レッド40、C.I.ピグメント・レッド41、C.I.ピグメント・レッド42、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド48:2、C.I.ピグメント・レッド48:3、C.I.ピグメント・レッド48:4、C.I.ピグメント・レッド49:1、C.I.ピグメント・レッド49:2、C.I.ピグメント・レッド50:1、C.I.ピグメント・レッド52:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド58:2、C.I.ピグメント・レッド58:4、C.I.ピグメント・レッド60:1、C.I.ピグメント・レッド63:1、C.I.ピグメント・レッド63:2、C.I.ピグメント・レッド64:1、C.I.ピグメント・レッド81:1、C.I.ピグメント・レッド83、C.I.ピグメント・レッド88、C.I.ピグメント・レッド90:1、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド101、C.I.ピグメント・レッド102、C.I.ピグメント・レッド104、C.I.ピグメント・レッド105、C.I.ピグメント・レッド106、C.I.ピグメント・レッド108、C.I.ピグメント・レッド112、C.I.ピグメント・レッド113、C.I.ピグメント・レッド114、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド146、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド150、C.I.ピグメント・レッド151、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド170、C.I.ピグメント・レッド171、C.I.ピグメント・レッド172、C.I.ピグメント・レッド174、C.I.ピグメント・レッド175、C.I.ピグメント・レッド176、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド179、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・レッド187、C.I.ピグメント・レッド188、C.I.ピグメント・レッド190、C.I.ピグメント・レッド193、C.I.ピグメント・レッド194、C.I.ピグメント・レッド202、C.I.ピグメント・レッド206、C.I.ピグメント・レッド207、C.I.ピグメント・レッド208、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・レッド216、C.I.ピグメント・レッド220、C.I.ピグメント・レッド224、C.I.ピグメント・レッド226、C.I.ピグメント・レッド242、C.I.ピグメント・レッド243、C.I.ピグメント・レッド245、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・レッド255、C.I.ピグメント・レッド264、C.I.ピグメント・レッド265などの赤色の有機顔料、
C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー60などの青色の有機顔料、
C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36などの緑色の有機顔料、
C.I.ピグメント・ブラウン23、C.I.ピグメント・ブラウン25などのブラウン色の有機顔料、
C.I.ピグメント・ブラック1、ピグメント・ブラック7などの黒色の有機顔料などが挙げられる。
これらの有機顔料は、目的とする画素の色に応じてそれぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0057】
このような有機顔料のうちでも好ましい有機顔料としては、例えば黄色の有機顔料ではC.I.ピグメント・イエロー117、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー129、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー185などが、
赤色の有機顔料ではC.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド209、C.I.ピグメント・レッド242、C.I.ピグメント・レッド254などが、
黒色の有機顔料ではC.I.ピグメント・ブラック1、ピグメント・ブラック7などがそれぞれ挙げられ、さらに好ましくはC.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・レッド254、C.I.ピグメント・ブラック1、ピグメント・ブラック7などである。
【0058】
また、ブラックマトリックスを製造するために用いる着色感光性樹脂組成物に用いられる黒色の顔料としては、例えばカーボンブラック、黒鉛(特開平5−311109号公報、特開平6−11613号公報など)、アゾ系ブラック色素(特開平2−216102号公報など)などを用いることができる。また上記C.I.ピグメント・ブラック1、ピグメント・ブラック7などの黒色の有機顔料などを用いることもできる。
また、これらのブラック顔料は、特開平9−95625号公報、特開平9−124969号公報、特開2001−106938号公報に記載のあるような樹脂で被覆したカーボンブラックを用いることもできる。また、特開2001−115043号公報に記載のあるような無機物で被覆したブラック顔料を用いることもできる。
【0059】
顔料の平均粒子径は、通常0.005μm以上0.2μm以下であり、好ましくは0.01μm以上0.1μm以下である。このような粒子径の顔料は、例えばニーダー法、硫酸法、アルカリ還元溶解法などの通常の方法により微粒化して得ることができる。顔料は、その表面が改質されていてもよい(特開平8−259876号公報など)。
【0060】
本発明の着色感光性樹脂組成物における顔料の使用量は、着色感光性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常15%以上60%以下であり、好ましくは25%以上である。60%を超えると目的とするパターンでブラックマトリックスや画素を形成することが困難となる場合があり、好ましくは50%以下である。
【0061】
本発明の感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂として前述したポリカルボン酸樹脂と共に通常の感光性樹脂組成物に用いられるものと同様のバインダー樹脂を併用してもよい。そのようなバインダー樹脂としては、例えばカルボキシル基を有しアルカリ可溶性の重合体が用いられる。このようなカルボキシル基を有するアルカリ可溶性の共重合体の具体例としては、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、メタクリル酸/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体、(メタ)アクリル酸/こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)/スチレン/アリル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド共重合体(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/N−フェニルマレイミド/スチレン/グリセロールモノ(メタ)アクリレート共重合体等を挙げることができる。
【0062】
本発明においては、前記バインダー樹脂/エチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物の重量比が1.5以上、5以下であることが好ましい。更に好ましい重量比は2以上、4以下である。
【0063】
その他に感光性組成物の製造中あるいは保存中において重合可能なエチレン性不飽和化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加することができる。適当な熱重合防止剤としてはハロイドキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2′−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。熱重合防止剤の添加量は、全組成物の重量に対して約0.01重量%〜約5重量%が好ましい。
【0064】
本発明の組成物には、必要に応じて各種添加物、例えば充填剤、上記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤等を配合することかできる。
【0065】
これらの添加物の具体例としては、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリフロロアルキルアクリレート等のバインダーポリマー(A)以外の高分子化合物;ノニオン系、カチオン系、アニオン系等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール等の酸化防止剤:2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤;およびポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤を挙げることができる
【0066】
また、本発明の組成物には有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸や、分子中に1個以上のアミノ基を有する分子量1000以下の有機アミノ化合物の添加を行うことができる。
カルボン酸としては、具体的には、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバル酸、カプロン酸、ジエチル酢酸、エナント酸、カプリル酸等の脂肪族モノカルボン酸;シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ブラシル酸、メチルマロン酸、エチルマロン酸、ジメチルマロン酸、メチルコハク酸、テトラメチルコハク酸、シトラコン酸等の脂肪族ジカルボン酸;トリカルバリル酸、アコニット酸、カンホロン酸等の脂肪族トリカルボン酸;安息香酸、トルイル酸、クミン酸、ヘメリト酸、メシチレン酸等の芳香族モノカルボン酸;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリト酸、トリメシン酸、メロファン酸、ピロメリト酸等の芳香族ポリカルボン酸;フェニル酢酸、ヒドロアトロパ酸、ヒドロケイ皮酸、マンデル酸、フェニルコハク酸、アトロパ酸、ケイ皮酸、ケイ皮酸メチル、ケイ皮酸ベンジル、シンナミリデン酢酸、クマル酸、ウンベル酸等のその他のカルボン酸が挙げられる。
【0067】
有機アミノ化合物としては、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、t−ブチルアミン、n−ペンチルアミン、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン、n−ウンデシルアミン、n−ドデシルアミン、シクロヘキシルアミン、o−メチルシクロヘキシルアミン、m−メチルシクロヘキシルアミン、p−メチルシクロヘキシルアミン、o−エチルシクロヘキシルアミン、m−エチルシクロヘキシルアミン、p−エチルシクロヘキシルアミン等のモノ(シクロ)アルキルアミン類;メチル・エチルアミン、ジエチルアミン、メチル・n−プロピルアミン、エチル・n−プロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−t−ブチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、ジ−n−ヘキシルアミン、メチル・シクロヘキシルアミン、エチル・シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジ(シクロ)アルキルアミン類;ジメチル・エチルアミン、メチル・ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジメチル・n−プロピルアミン、ジエチル・n−プロピルアミン、メチル・ジ−n−プロピルアミン、エチル・ジ−n−プロピルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−t−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、ジメチル・シクロヘキシルアミン、ジエチル・シクロヘキシルアミン、メチル・ジシクロヘキシルアミン、エチル・ジシクロヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン等のトリ(シクロ)アルキルアミン類;
【0068】
2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、1−アミノ−2−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、5−アミノ−1−ペンタノール、6−アミノ−1−ヘキサノール、4−アミノ−1−シクロヘキサノール等のモノ(シクロ)アルカノールアミン類;ジエタノールアミン、ジ−n−プロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、ジ−n−ブタノールアミン、ジイソブタノールアミン、ジ−n−ペンタノールアミン、ジ−n−ヘキサノールアミン、ジ(4−シクロヘキサノール)アミン等のジ(シクロ)アルカノールアミン類;トリエタノールアミン、トリ−n−プロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ−n−ブタノールアミン、トリイソブタノールアミン、トリ−n−ペンタノールアミン、トリ−n−ヘキサノールアミン、トリ(4−シクロヘキサノール)アミン等のトリ(シクロ)アルカノールアミン類;
【0069】
3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール、4−アミノ−1,3−ブタンジオール、4−アミノ−1,2−シクロヘキサンジオール、4−アミノ−1,3−シクロヘキサンジオール、3−ジメチルアミノ−1,2−プロパンジオール、3−ジエチルアミノ−1,2−プロパンジオール、2−ジメチルアミノ−1,3−プロパンジオール、2−ジエチルアミノ−1,3−プロパンジオール等のアミノ(シクロ)アルカンジオール類;1−アミノシクロペンタンメタノール、4−アミノシクロペンタンメタノール、1−アミノシクロヘキサンメタノール、4−アミノシクロヘキサンメタノール、4−ジメチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジエチルアミノシクロペンタンメタノール、4−ジメチルアミノシクロヘキサンメタノール、4−ジエチルアミノシクロヘキサンメタノール等のアミノ基含有シクロアルカンメタノール類;β−アラニン、2−アミノ酪酸、3−アミノ酪酸、4−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、3−アミノイソ酪酸、2−アミノ吉草酸、5−アミノ吉草酸、6―アミノカプロン酸、1―アミノシクロプロパンカルボン酸、1―アミノシクロヘキサンカルボン酸、4―アミノシクロヘキサンカルボン酸等のアミノカルボン酸類等を挙げることができる。
【0070】
また、例えば、アミノ基が直接フェニル基に結合した化合物、アミノ基が炭素鎖を介してフェニル基に結合した化合物等を挙げることができ、アミノ基が直接フェニル基に結合した化合物の例としては、アニリン、o−メチルアニリン、m−メチルアニリン、p−メチルアニリン、p−エチルアニリン、p−n−プロピルアニリン、p−イソプロピルアニリン、p−n−ブチルアニリン、p−t−ブチルアニリン、1−ナフチルアミン、2−ナフチルアミン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、p−メチル−N,N−ジメチルアニリン等の芳香族アミン類;
【0071】
o−アミノベンジルアルコール、m−アミノベンジルアルコール、p−アミノベンジルアルコール、p−ジメチルアミノベンジルアルコール、p−ジエチルアミノベンジルアルコール等のアミノベンジルアルコール類;o−アミノフェノール、m−アミノフェノール、p−アミノフェノール、p−ジメチルアミノフェノール、p−ジエチルアミノフェノール等のアミノフェノール類;m−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−ジメチルアミノ安息香酸、p−ジエチルアミノ安息香酸等のアミノ安息香酸(誘導体)類等を挙げることができる。
【0072】
本発明において、有機カルボン酸、有機アミノ化合物は、単独でまたは2種以上混合して使用することができる。本発明における有機カルボン酸、有機アミノ化合物の使用量は、通常、組成物全体の0.001〜15重量%、好ましくは組成物全体の0.01〜10重量%である。
【0073】
本発明の組成物は、基板に回転塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して感放射線性組成物層を形成し、所定のマスクパターンを介して露光し、現像液で現像することによって、着色されたパターンを形成する。この際に使用される放射線としては、特にg線、h線、i線等の紫外線が好ましく用いられる。塗布厚さは、乾燥後の膜厚として、通常、0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5.0μm、特に好ましくは0.2〜3.0μmである。
【0074】
カラーフィルタを形成する際に使用される基板としては、例えば、ガラス、シリコン、ポリカーボネート、ポリエステル、芳香族ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリイミド等を挙げることができる。これらの基板には、所望により、シランカップリング剤等による薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。
【0075】
現像液としては、本発明の感放射線性組成物を溶解し、一方放射線照射部を溶解しない組成物であればいかなるものも用いることができる。具体的には種々の有機溶剤の組み合わせやアルカリ性の水溶液を用いることができる。有機溶剤としては、本発明の組成物を調整する際に使用される前述の溶剤が挙げられる。
【0076】
アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム,硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−〔5,4,0〕−7−ウンデセン等のアルカリ性化合物を、濃度が0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜1重量%となるように溶解したアルカリ性水溶液が使用される。前記アルカリ現像液には、例えばメタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。
【0077】
現像条件は種々の条件を適用することができる。例えば、現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像温度は一般的には10℃〜40℃の範囲で設定することができる。現像時間は一般的には10秒〜300秒で設定される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に、現像後、水で洗浄する。
【0078】
【実施例】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらによって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特記しないかぎり質量基準である。
(合成例1)
300ml四つ口フラスコ中にビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル69.4gと、イタコン酸29.3g、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.13g、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.27g、メトキノン0.029gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート27gとを仕込み、加熱撹拌下、150℃〜160℃にて均一溶液にした後、引き続き120℃で12時間反応させ、透明な淡黄色の粘調液体を得た。
得られた粘調液体に更に71.7gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分濃度を50重量%に調整した。これを化合物Aとする。
次に、化合物A 80gと、テトラヒドロフタル酸無水物12gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12gとを仕込み、105〜110℃で加熱攪拌下に15時間反応させ、淡黄色透明の不飽和基含有カルボン酸化合物溶液A1を得た。
【0079】
(合成例2)
合成例1で得られた化合物A 80gと、無水フタル酸13.1gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.1gとを仕込み、105〜110℃で加熱攪拌下に15時間反応させ、淡黄色透明の不飽和基含有カルボン酸化合物溶液A2を得た。
【0080】
(合成例3)
300ml四つ口フラスコ中にビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテル69.4gと、イタコン酸19.5g、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド0.13g、テトラエチルアンモニウムブロマイド0.27g、メトキノン0.029gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート17gとを仕込み、加熱撹拌下、150℃〜160℃にて均一溶液にした後、引き続き120℃で12時間反応させ、透明な淡黄色の粘調液体を得た。
得られた粘調液体に更に71.9gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを加え、固形分濃度を50重量%に調整した。これを化合物Bとする。
次に、化合物B 80gと、テトラヒドロフタル酸無水物12gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート12gとを仕込み、105〜110℃で加熱攪拌下に15時間反応させ、淡黄色透明の不飽和基含有カルボン酸化合物溶液B1を得た
【0081】
(合成例4)
合成例1で得られた化合物B 80gと、無水フタル酸13.1gと、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート13.1gとを仕込み、105〜110℃で加熱攪拌下に15時間反応させ、淡黄色透明の不飽和基含有カルボン酸化合物溶液B2を得た。
【0082】
実施例1
〔着色感光性樹脂組成物の製造〕
▲1▼顔料〔黒色顔料(C.I.ピグメントブラック7)40質量部と分散剤12質量部との混合物〕52質量部、▲2▼バインダー樹脂(合成例1で得られた樹脂溶液A1) 32質量部(固形分換算)、▲3▼エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〕11質量部、▲4▼光重合開始剤〔2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン〕5.0質量部および
溶剤〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〕374質量部を混合して着色感光性樹脂組成物(黒色)を得た。
【0083】
〔着色感光性樹脂組成物層の形成〕
上記で得た着色感光性樹脂組成物をガラス基板〔「#7059」コーニング社製〕の表面にスピンコート法で塗布し、100℃で3分間加熱して乾燥させて、着色感光性樹脂組成物層を基板上に形成した。この乾燥後の着色感光性樹脂組成物層の厚みは1.2μmであった。
【0084】
〔着色パターンの形成(解像度の評価)〕
上記で着色感光性樹脂組成物層を形成した基板に7μmのL/S(ラインアンドスペース)パターンを有するフォトマスクを介して超高圧水銀灯で紫外線を照射して(照射量は400mJ/cm2)、露光した。露光後の着色感光性樹脂組成物層を現像液〔水酸化カリウムを質量分率で0.01%含み、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液〕にてパターンが得られるまで浸漬して現像した。
現像後、水洗し、230℃で20分間加熱して、基板(2)上に黒色の着色パターン(ブラックマトリックス)を形成した。このブラックマトリックスを光学顕微鏡で観察したところ、7μmのL/Sパターンが再現性よく形成されていた。
【0085】
実施例2
実施例1で使用したバインダー樹脂に代えて、合成例2で得られた樹脂溶液A2を用いる以外は実施例1と同様に操作して、評価したところ、同様に7μmのL/Sパターンが再現性よく形成されていた。
【0086】
実施例3
〔着色感光性樹脂組成物の製造および着色感光性樹脂組成物層の形成〕
実施例1で使用したバインダー樹脂に代えて、合成例3で得られた樹脂溶液B1を用いる以外は実施例1と同様に操作して、着色感光性樹脂組成物(黒色)を得、着色感光性樹脂組成物層(厚み1.2μm)を形成した。
〔評価〕
実施例1で得た着色感光性樹脂組成物層が形成された基板に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物層が形成された基板を用い、現像液〔水酸化カリウムを質量分率で0.04%含み、ノニオン系界面活性剤を含む水溶液〕にてパターンが得られるまで浸漬して現像したところ、同様に7μmのL/Sパターンが再現性よく形成されていた。
【0087】
実施例4
実施例3で使用したバインダー樹脂に代えて、合成例4で得られた樹脂溶液B2を用いる以外は実施例3と同様に操作して、評価したところ、同様に7μmのL/Sパターンが再現性よく形成されていた。
【0088】
比較例1
実施例3で用いたバインダー樹脂に代えてベンジルメタクリレートとメタクリル酸との共重合体〔ベンジルメタクリレート単位の含有量はモル分率で65%、メタクリル酸単位の含有量はモル分率で35%、重量平均分子量は9700〕21質量部を用い、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの使用量を22質量部とする以外は、実施例3と同様に操作して、着色感光性樹脂組成物(黒色)を得、着色感光性樹脂組成物層(厚み1.2μm)を形成した。
【0089】
〔評価〕
実施例3で得た着色感光性樹脂組成物層が形成された基板に代えて上記で得た着色感光性樹脂組成物層が形成された基板を用いる以外は、実施例3と同様に操作して。このブラックマトリックスを光学顕微鏡で観察したところ、線幅が50μmおよびこれを超える線幅の着色パターンは形成されていたが、それ以下の着色パターンは再現性よく形成されていなかった。
【0090】
【発明の効果】
本発明のポリカルボン酸樹脂を含有する新規な樹脂組成物およびその硬化物は、感光性樹脂組成物として、好適に用いられ、特に顔料を含んだ着色感光性樹脂組成物は高解像性が得られる。粒子系の小さい顔料を高濃度で用いた場合にも高解像性が得られるので、好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、特に、カラーフィルター用着色感光性樹脂組成物、カラーフィルター用保護膜、カラーフィルター用スペーサー、カラーフィルター用層間絶縁膜等に好適に使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】着色感光性樹脂組成物を用いて基板上に画素、ブラックマトリックスを形成する工程を示す模式図である。
【図2】カラーフィルターの一例を部分的に示す模式図である。
【符号の説明】
1:着色感光性樹脂組成物層
2:基板
3:マスクパターン 31:ガラス板
32:遮光層
4:光線
5:画素、ブラックマトリックス 5R、5G、5B:色画素
5BM:ブラックマトリックス
6:カラーフィルター

Claims (4)

  1. [A]ポリカルボン酸樹脂、[B]エチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物、[C]光重合開始剤及び[D]溶剤よりなる感光性樹脂組成物であり、
    [A]ポリカルボン酸樹脂が、(a)下記式(1)
    Figure 0004967212
    ・・・・・(1)
    〔式中、R1およびR2、水素原子を示し、Xは、式(I−1)
    Figure 0004967212
    で示される2価の残基を示し、R3はアルキレン基を示し、R4は水素原子、アルキル基またはグリシジル基を示す。mは0を示し、nは0を示す。〕
    で示されるビスフェノールフルオレンジグリシジルエーテルと(b)イタコン酸との反応物に、更に(c)無水フタル酸またはテトラヒドロフタル酸無水物を反応させて得られるポリカルボン酸樹脂であり、
    (a)と(b)との反応における(b)の使用量が、(a)の使用量69.4質量部に対して、19.5質量部以上29.3質量部以下であり、
    (c)の使用量が、(a)と(b)との反応物80質量部に対して、12質量部以上13.1質量部以下である感光性樹脂組成物。
  2. [A]請求項1記載のポリカルボン酸樹脂、[B]エチレン性不飽和結合を少なくとも1個有する付加重合可能な化合物、[C]光重合開始剤、[D]溶剤及び[E]顔料よりなる感光性樹脂組成物。
  3. [E]顔料がカーボンブラックよりなる黒色顔料である請求項記載の感光性樹脂組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか一項記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
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