JP4311102B2 - 感放射線性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スペーサ形成用感放射線性樹脂組成物および前記のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたスペーサとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
感放射線性樹脂組成物から形成されるスペーサは、液晶パネルやタッチパネルなどの表示パネル用スペーサなどとして有用である。このスペーサを形成するために用いられる感放射線性樹脂組成物には、TFT基板、カラーフィルタの生産性の点で、高い耐溶剤性も求められている。また、TFT基板、カラーフィルタの生産性の点で、放射線に対する高い感度が求められている。
液晶パネルには2枚の基板の間隔を一定に保つために所定の粒径を有するガラスビーズ、プラスチックビーズ等のスペーサ粒子が使用されているが、これらスペーサ粒子は、ガラス基板上にランダムに散布されるため、有効画素部内に上記スペーサが存在すると、スペーサの写り込みや、入射光が散乱を受け液晶パネルのコントラストが低下するという問題があった。そこで、これらの問題を解決するために、感放射線性樹脂組成物を用いて、フォトリソグラフィによりスペーサを形成する方法が行われている。(例えば、特許文献1など参照。)
【0003】
表示パネル用スペーサを形成するための感放射線性樹脂組成物として、不飽和カルボン酸とエポキシ基含有不飽和化合物との共重合体を用いたものが知られているが(例えば、特許文献1など参照。)、アルカリ現像性を付与するためにカルボン酸またはこれに代わる酸成分を相当量必要とするために、保存中にエポキシ基が反応し、増粘、固化するという欠点を有している。
また、近年、表示素子の高精細化に伴い、スペーサにも高い解像性が求められている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−174673号公報 2頁左欄22行目−31行目、2頁左欄2行目−8行目
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、貯蔵安定性が良好な、高感度、高解像度でスペーサを形成しうる、高感度のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、特定の構造を有するバインダー樹脂を含む感放射線性樹脂組成物が、前記の課題を解決し得ることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、バインダー樹脂(A)、エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する感放射線性樹脂組成物において、バインダー樹脂(A)が、式(VI)で示されるエポキシ化合物と多価カルボン酸とを反応させて得られる反応物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させて新たな反応物を得て、更に新たな反応物に、多価カルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂であるスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物を提供する。また、本発明は、前記のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物により形成されたスペーサ、前記のスペーサを具備する液晶表示素子、前記のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物からなる層を基板の上に形成し、溶媒を除去後、前記の層を所定のマスクを介して露光したのち現像してパターンを形成し、さらに加熱することを特徴とするスペーサの製造方法を提供する。
Figure 0004311102
〔式(VI)中、R 25 およびR 26 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子を表す。
は、式(VI−1)で示される2価の残基を表す。
27 は、炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
28 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはグリシジル基を表す。
は、0〜5の整数を表す。
は、0の整数を表す。〕
Figure 0004311102
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物におけるバインダー樹脂(A)としては、式(VI)で示されるエポキシ化合物と多価カルボン酸とを反応させて得られる反応物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させて新たな反応物を得て、更に新たな反応物に、多価カルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂が用いられる。
Figure 0004311102
〔式(VI)中、R 25 およびR 26 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子を表す。
は、式(VI−1)で示される2価の残基を表す。
27 は、炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
28 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはグリシジル基を表す。
は、0〜5の整数を表す。
は、0の整数を表す。〕
Figure 0004311102
【0011】
本発明のバインダー樹脂(A)として用いられる樹脂を構成する構成成分として用いられる多価カルボン酸は、飽和カルボン酸であっても不飽和カルボン酸であってもよく、例えば、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’−ジフタル酸をはじめとするビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸などが挙げられる。前記の多価カルボン酸は、対応する酸無水物、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、無水フタル酸などであってもい。
前記の多価カルボン酸またはその酸無水物は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0012】
前記の不飽和モノカルボン酸としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸などが挙げられる。これらの不飽和モノカルボン酸は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0013】
前記の多価カルボン酸の無水物としては、前記の多価カルボン酸の対応する酸無水物が挙げられ、具体的には、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、シトラコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4'−ジフタル酸をはじめとするビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸など、それぞれの酸無水物が挙げられる
【0019】
多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、コハク酸、イタコン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、クロレンド酸、メチルテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、4,4’−ジフタル酸をはじめとするビフェニルテトラカルボン酸、ビフェニルエーテルテトラカルボン酸などが挙げられる。
多価カルボン酸無水物としては、前記の多価カルボン酸の酸無水物などが挙げられる。
前記の多価カルボン酸およびその酸無水物は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0020】
多価カルボン酸の使用量は、式(VI)で示される化合物等の反応させる対象の化合物と多価カルボン酸との合計量に対して物質量比(モル比)で5%以上95%以下であることが好ましく、さらには10%以上90%以下程度であることがより好ましい。
【0021】
本発明の感放射線性樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂の酸価は50〜170程度、さらには80〜140程度であることが好ましい。
また、本発明の感放射線性樹脂組成物に用いられるバインダー樹脂の分子量は通常、GPC法で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量で1,000以上50,000以下、好ましくは1,500以上20,000以下である。
【0022】
前記のバインダー樹脂(A)は、感放射線性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常20%以上95%以下、好ましくは35%以上80%以下の範囲で用いられる。
【0023】
エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)としては、例えば、末端にエチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれ、モノマーであってもよいし、2量体、3量体およびオリゴマーなどのプレポリマーであってもよいし、それらの混合物やそれらの共重合体などであってもよい。
【0024】
モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルとしては、例えば、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エ一テル、トリメチロールエタントリアクリレート、へキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマーなどのアクリル酸エステル;
テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタンなどのメタクリル酸エステル;
エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネートなどのイタコン酸エステル;
エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどのクロトン酸エステル;
エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどのイソクロトン酸エステル;
エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどのマレイン酸エステルなどが挙げられる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド化合物としては、例えば、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミドなどが挙げられる。
モノマーの他の例としては、例えば1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に式(XIII)で示されるビニルモノマーを付加させて得られるビニルウレタン化合物などが挙げられる。
【0025】
Figure 0004311102
〔式中、R29およびR30は、それぞれ独立に、水素原子またはメチル基を表す。〕
前記のビニルウレタン化合物は、1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有する化合物である(特公昭48−41708号公報)。また、重合性ビニル基を含有する化合物としては、前記の特開昭51−37193号に記載されているようなウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートも挙げられる。さらにまた、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマーおよびオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
【0026】
前記のエチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)の使用量は、感放射線性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常5%以上70%以下、好ましくは15%以上55%以下である。
【0027】
本発明の感放射線性樹脂組成物における光重合開始剤(C)としては、光を照射されることによって活性ラジカルを発生し、エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物の重合を開始させうる化合物であれば、特に限定されるものではなく、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤、オキサジアゾール系光重合開始剤などを用いることができる。
アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕プロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ−1−(4−メチルチオフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパン−1−オンのオリゴマーなどが挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド、3,3’,4,4’−テトラ(tert−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンなどが挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤としては、例えば、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
トリアジン系光重合開始剤としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−(1−p−ジメチルアミノフェニル−1,3−ブタジエニル)−s−トリアジン、2−トリクロロメチル−4−アミノ−6−p−メトキシスチリル−s−トリアジン、2−(ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4−ブトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−メトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−〔4−(2−ブトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(2−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−5−メチル−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−メトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(5−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(6−エトキシ−ナフト−2−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、2−(4,5−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス−トリクロロメチル−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−メチル−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N,N−ジ(フェニル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(p−N−クロロエチルカルボニルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔p−N−(p−メトキシフェニル)カルボニルアミノフェニル〕2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(エトキシカルボニルメチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔o−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−ブロモ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−クロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−〔m−フロロ−p−N,N−ジ(クロロエチル)アミノフェニル〕−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−エトキシカルボニルメチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(m−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−ブロモ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−クロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジン、4−(o−フロロ−p−N−クロロエチルアミノフェニル)−2,6−ジ(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
オキサジアゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−シアノスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−ヒドロキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−クロロスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−メトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(p−ブトキシフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(β−(2−ベンゾフリル)ビニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(β−(6−メトキシ−2−ベンゾフリル)ビニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ベンゾフリル)−1,3,4−オキサジアゾールなどが挙げられる。
また、光重合開始剤として、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアントラキノン、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、フェニルグリオキシル酸メチル、チタノセン化合物などを用いることもできる。
【0028】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、光重合開始助剤を含有していてもよい。光重合開始助剤としては、例えば、トリエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−エチルヘキシル、安息香酸2−ジメチルアミノエチル、N,N−ジメチルパラトルイジン、4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセンなどが挙げられる。これら光重合開始助剤はそれぞれ単独でまたは2種以上組み合わせて用いることができる。
【0029】
前記の光重合開始助剤を用いる場合、その使用量は光重合開始剤1モルに対して通常は0.01モル以上10モル以下であることが好ましい。
【0030】
本発明の感放射線性樹脂組成物において、光重合開始剤(C)および光重合開始助剤の合計使用量は、感放射線性樹脂組成物の固形分に対して質量分率で通常0.01%以上30%以下、好ましくは0.1%以上15%以下である。
【0031】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、通常、溶剤(D)と混合され、希釈された状態で使用される。溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどのエチレングリコールモノアルキルエーテル類;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジプロピルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどのジエチレングリコールジアルキルエーテル類;
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテートなどのエチレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテートなどのプロピレングリコールアルキルエーテルアセテート類;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレンなどの芳香族炭化水素類;
メチルエチルケトン、アセトン、メチルアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、グリセリンなどのアルコール類;
2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチルなどのエステル類;
γ−ブチロラクトンなどの環状エステル類などが挙げられる。好ましい溶剤としは、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシイソブタン酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられ、中でもプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピオン酸エチルが好ましい。
【0032】
前記の溶剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を混合して用いられ、その使用量は感放射線性樹脂組成物の合計量に対して、質量分率で通常50以上95%以下、好ましくは60以上90%以下である。
【0033】
感放射線性樹脂組成物は、必要に応じてさらに他の成分、例えば、熱重合防止剤、溶解抑止剤、溶解促進剤、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、接着性改良剤などの添加剤を含有していてもよい。
【0034】
本発明の感放射線性樹脂組成物は、例えば、バインダー樹脂(A)を溶剤(D)に溶解した溶液、エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)またはエチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)を溶剤(D)に溶解した溶液、および光重合開始剤(C)または光重合開始剤(C)を溶剤(D)に溶解した溶液を混合する方法により製造することができる。混合後、さらに溶剤(D)を加えてもよい。混合後、濾過して固形物を取り除くことが好ましく、例えば、孔径3μm以下、好ましくは0.1μm以上2μm以下程度のフィルターを用いて濾過することが好ましい。前記の各成分に対して用いる溶剤は、同一でもよいし、相溶するものであれば、異なっていてもよい。
【0035】
本発明の感放射線性樹脂組成物を用いてフォトスペーサを形成するには、例えば、本発明の感放射線性樹脂組成物からなる層(1)を基板(2)の上に形成し(図1(a))、マスク(3)を介して該層(1)に放射線(4)を照射して露光した後(図1(b))、現像すればよい(図1(c))。
基板(2)としては、例えば、透明なガラス板などのほか、ポリカーボネート基板、ポリエステル基板、芳香族ポリアミド基板、ポリアミドイミド基板、ポリイミド基板などの樹脂基板や、予めTFTの回路やITO配線が形成されたカラーフィルタなどが前記の基板上に形成されたものなどが挙げられる。
【0036】
感放射線性樹脂組成物からなる層(1)は、通常の方法、例えば、本発明の感放射線性樹脂組成物を基板(2)の上に塗布する方法によって形成することができる。塗布は、例えば、スピンコート、流延塗布法、ロール塗布法、スリット&スピンコート、スリットコート法により行なわれる。塗布後、加熱乾燥(プリベーク)や真空乾燥して溶剤を揮発させることによって、感放射線性樹脂組成物層(1)が形成することができる。前記の層は、感放射線性樹脂組成物の固形分からなる層であり、その厚みは、例えば、1〜6μm程度である。
【0037】
次いで、感放射線性樹脂組成物層(1)に、マスク(3)を介して放射線(4)を照射する。マスク(3)のパターンは、スペーサのパターンに応じて適宜選択される。放射線としては、例えばg線、i線などの紫外線が用いられる。放射線は、感放射線性樹脂組成物層の全面に亙って平行となって照射されうるように、例えば、マスクアライナーやステッパ(図示せず)などを用いて照射されることが好ましい。このように放射線が照射され得ることによって、マスクと感放射線性樹脂組成物層との位置合わせを正確に行なうことができる。
得られるパターンの基板面に対して水平断面の形状はマスクの透過部の形状に依存する。スペーサ形状としては、基板面に対する水平断面の好ましい形状として、円形、楕円形、三角形、四角形、五角形などの多角形などが挙げられ、より好ましくは円形が挙げられる。また、基板面に対する垂直断面の好ましい形状として、矩形、台形状が挙げられる。
【0038】
露光後、現像する。現像は、露光後の感放射線性樹脂組成物層(1)を、例えば、パドル法、浸漬法、シャワー法などによって行なうことができる。現像液としては、通常と同様に、アルカリ水溶液が用いられる。アルカリ水溶液としては、通常と同様に、アルカリ性化合物の水溶液が用いられ、アルカリ性化合物は、無機アルカリ性化合物であってもよいし、有機アルカリ性化合物であってもよい。
【0039】
前記の無機アルカリ性化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸水素二アンモニウム、リン酸二水素アンモニウム、リン酸二水素カリウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、アンモニアなどが挙げられる。
【0040】
前記の有機アルカリ性化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、エタノールアミンなどが挙げられる。前記のアルカリ性化合物は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。現像液は、現像液100質量部あたりアルカリ性化合物を通常0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部含有する。
【0041】
現像液は、界面活性剤を含有していてもよい。前記の界面活性剤としては、例えば、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤などが挙げられる。
【0042】
前記のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテルなどのポリオキシエチレン誘導体、オキシエチレン/オキシプロピレンブロック共重合体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。
【0043】
前記のカチオン系界面活性剤としては、例えば、ステアリルアミン塩酸塩などのアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドなどの第四級アンモニウム塩などが挙げられる。
【0044】
前記のアニオン系界面活性剤としては、例えば、ラウリルアルコール硫酸エステルナトリウム、オレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウムなどのあるキル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのあるキルアリールスルホン酸塩などが挙げられる。これらの界面活性剤は、それぞれ単独でまたは2種以上を組み合わせて用いられる。
【0045】
また、現像液は、有機溶剤を含有していてもよい。前記の有機溶剤としては、例えば、メタノール、エタノールなどの水溶性の有機溶剤などが挙げられる。
【0046】
現像によって、感放射線性樹脂組成物層(1)のうちの、先の露光において放射線が照射されなかった放射線未照射領域(12)が現像液に溶解し、放射線が照射された放射線照射領域(11)が現像液に溶解することなく残って、ネガ型パターン(5)を形成する。
【0047】
現像後、通常は水洗し、乾燥する。乾燥ののち、さらに加熱処理(ポストベーク)されることが、透明膜の耐熱性、耐溶剤性などが向上する点で、好ましい。加熱は、全面に亙って放射線を照射した後の基板をホットプレート、クリーンオーブンなどの加熱装置で加熱する方法により行なわれる。加熱温度は、通常150℃〜250℃、好ましくは180℃〜240℃程度、加熱時間は通常5分〜120分、好ましくは15分〜90分程度である。加熱することによって、パターンがより硬化して、耐熱性、耐溶剤性などに優れたスペーサが形成される。
【0048】
このようにして形成されたスペーサは、本発明の感放射線性樹脂組成物が硬化されてなるものであり、例えば、TFT基板、カラーフィルタ基板を構成するスペーサとして有用である。
【0049】
【実施例】
上記において、本発明の実施の形態について説明を行なったが、上記に開示された本発明の実施の形態は、あくまで例示であって、本発明の範囲はこれらの実施の形態に限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲の記載と均等の意味及び範囲内でのすべての変更を含むものである。以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
【0050】
参考例1
〔感放射線性樹脂組成物の調製および感放射線性樹脂組成物層の形成〕
バインダー樹脂(A)〔式(XIV)で示される化合物300質量部、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物50質量部およびテトラヒドロフタル酸無水物50質量部を反応させて得られた樹脂。〕70質量部、
【0051】
Figure 0004311102
【0052】
エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)〔ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート〕30質量部、
光重合開始剤(C)〔2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−ピペロニル−1,3,5−トリアジン〕3質量部および
溶剤(D)〔プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート〕240質量部を23℃で混合したのち、孔径0.5μmのカートリッジフィルターを通して加圧濾過して、感放射線性樹脂組成物1を得た。
4インチシリコンウェハ(2)上に、得られた感放射線性樹脂組成物1をスピンコートし、ホットプレートを用いて100℃で2分間プリベークして感放射線性樹脂組成物層(1)を形成し、膜厚計〔ラムダエース(大日本スクリーン製造(株)製)〕を用いて感放射線性樹脂組成物層(1)の厚さを測定したところ、4.0μmであった(図1(a))。
その後、得られた感放射線性樹脂組成物層(1)に、i線ステッパ〔NSR−1755i7A(NA=0.5)(ニコン(株)製)〕を用いて、マスク(3)を介して放射線(4)を照射して、露光した(図1(b))。マスク(3)としては、直径1μm、2μm、3μmの円形パターンを形成するためのマスクを用いた。
【0053】
露光後、23℃のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(100質量部中にテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.2質量部含有する。)で60秒間パドル法にて現像した後、超純水で洗浄し、乾燥した。現像後のパターンにおいて、円の直径が3μmとなるマスク露光での露光量を実効感度とすると、実効感度は70mJ/cmであり、また解像度は2μmであった。乾燥後、クリーンオーブン中220℃で30分間ポストベークして、スペーサパターン(5)を形成した(図1(c))。
得られたスペーサパターン(5)の厚み(T1)を、膜厚計を用いて測定したところ、3.1μmであった。得られたスペーサパターンの基板面に対して垂直断面の形状は、矩形であった。
また、スペーサパターンが形成された基板をメチルエチルケトンおよびN−メチルピロリドン(23℃)に30分間浸漬して耐溶剤性試験を行なった結果、いずれも浸漬前後で変化は見られなかった。
感放射線性樹脂組成物1を23℃で6ヶ月保存したところ、感度、解像度、耐溶剤性、粘度において、経時劣化は見られなず、貯蔵安定性は良好であった。
【0054】
実施例
〔感放射線性樹脂組成物の調製および感放射線性樹脂組成物層の形成〕
参考例1で使用したバインダー樹脂(A)に代えて、バインダー樹脂〔式(XVI)で示される化合物463質量部とイタコン酸87質量部とを反応させた後、48質量部のアクリル酸を加えて反応させ、更にテトラヒドロフタル酸無水物102質量部を反応させて得た樹脂。〕を用いる以外は参考例1と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物2を得た。
【0055】
Figure 0004311102
【0056】
得られた感放射線性樹脂組成物2を用いて参考例1と同様の操作を行った結果、実効感度は75mJ/cm2であり、得られたスペーサパターン(5)の解像度は2μmであり、スペーサパターンの厚み(T1)は3.2μmであった。得られたスペーサパターンの基板面に対して垂直断面の形状は、矩形であった。
また、スペーサパターンが形成された基板をメチルエチルケトンおよびN−メチルピロリドン(23℃)に30分間浸漬して耐溶剤性試験を行なった結果、いずれも浸漬前後で変化は見られなかった。
【0057】
実施例
光重合開始剤を1−(4−モルフォリノフェニル)−2−ベンジル−2−ジメチルアミノブタン−1−オン3質量部、4,4’−ジエチルアミノベンゾフェノン3質量部に代える以外は実施例と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物3を得た。
得られた感放射線性樹脂組成物3を用いて参考例1と同様の操作を行った結果、実効感度200mJ/cm2で得られたスペーサパターン(5)の解像度は2μmで、厚み(T1)は3.1μmであった。得られたスペーサパターンの基板面に対して垂直断面の形状は、矩形であった。
また、スペーサパターンが形成された基板をメチルエチルケトンおよびN−メチルピロリドン(23℃)に30分間浸漬して耐溶剤性試験を行なった結果、いずれも浸漬前後で変化は見られなかった。
【0058】
比較例1
バインダー樹脂を、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート共重合体(質量組成比で20/80)に代える以外は参考例1と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物4を得た。
得られた感放射線性樹脂組成物4を用いて参考例1と同様の操作を行った結果、得られた3μmスペーサパターンは、その基板に対する垂直断面は半円状の断面形状であり、良好な柱状スペーサ形状は得られなかった。
また、スペーサパターンが形成された基板をメチルエチルケトン(23℃)に30分間浸漬して耐溶剤性試験を行なった結果、浸漬後に膜が膨潤していた。
【0059】
比較例2
バインダー樹脂を、メタクリル酸/ベンジルメタクリレート/グリシジルメタクリレート共重合体(質量組成比で20/40/40)に代える以外は参考例1と同様に操作して、感放射線性樹脂組成物5を得た。
得られた感放射線性樹脂組成物5を用いて参考例1と同様の操作を行った結果、3μmのスペーサパターンは得られた。しかし、感放射線性樹脂組成物5を23℃で3ヶ月保管したところ、粘度が増加し、貯蔵安定性は不良であった。
【0060】
【発明の効果】
本発明の感放射線性樹脂組成物は貯蔵安定性が良好であり、これを用いると、高感度で、高解像度で、矩形または台形状のスペーサを形成し得る。また、本発明のスペーサを含む液晶表示装置は、高詳細な表示特性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の感放射線性樹脂組成物を用いて透明膜を形成する工程を示す模式図である。
【符号の説明】
1:感放射線性樹脂組成物層 11:未照射領域
12:照射領域
2:基板
3:フォトマスク
4:放射線
5:フォトスペーサ

Claims (5)

  1. バインダー樹脂(A)、エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)および光重合開始剤(C)を含有する感放射線性樹脂組成物において、バインダー樹脂(A)が、式(VI)で示されるエポキシ化合物と多価カルボン酸とを反応させて得られる反応物に、不飽和基含有モノカルボン酸を反応させて新たな反応物を得て、更に新たな反応物に、多価カルボン酸無水物を反応させて得られる樹脂であるスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物。
    Figure 0004311102
    〔式(VI)中、R 25 およびR 26 は、それぞれ独立に水素原子、炭素数1〜6のアルキル基またはハロゲン原子を表す。
    は、式(VI−1)で示される2価の残基を表す。
    27 は、炭素数1〜10のアルキレン基を表す。
    28 は、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基またはグリシジル基を表す。
    は、0〜5の整数を表す。
    は、0の整数を表す。〕
    Figure 0004311102
  2. エチレン性不飽和結合を有し付加重合可能な化合物(B)の含有量が、バインダー樹脂(A)の含有量に対して質量分率で、25%以上250%以下である請求項1に記載のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2に記載のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物により形成されたスペーサ。
  4. 請求項に記載のスペーサを具備する液晶表示素子。
  5. 請求項1又は2に記載のスペーサ形成用感放射線性樹脂組成物からなる層を基板の上に形成し、溶媒を除去後、前記の層を所定のマスクを介して露光したのち現像してパターンを形成し、さらに加熱することを特徴とするスペーサの製造方法。
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