JPH054240A - キヤストフイルムの製造方法及び装置 - Google Patents

キヤストフイルムの製造方法及び装置

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JPH054240A
JPH054240A JP31638091A JP31638091A JPH054240A JP H054240 A JPH054240 A JP H054240A JP 31638091 A JP31638091 A JP 31638091A JP 31638091 A JP31638091 A JP 31638091A JP H054240 A JPH054240 A JP H054240A
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JP
Japan
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drying zone
cast film
sheet heating
heating element
support
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JP31638091A
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English (en)
Inventor
Masanori Hirunuma
正憲 蛭沼
Koichi Kubo
晃一 久保
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 平滑性、厚み精度及び透明性に優れたキャス
トフィルムを生産性良く製造する方法及び装置を提供す
る。 【構成】 塗布部1と乾燥ゾーン2との間に面状発熱体
3を設置し、該面状発熱体3により熱を供給しながら、
高分子材料の溶剤溶液5を塗布した支持体4を塗布部1
から乾燥ゾーン2に搬送する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャストフィルムの製
造方法及び装置に関し、さらに詳しくは、平滑性、厚み
精度、透明性に優れたキャストフィルムを生産性良く製
造する方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】高分子材料から薄膜を製膜する方法とし
て、高分子材料を溶剤に溶かした溶液を支持体の表面に
流延して溶剤を蒸発するキャスト法があり、得られた薄
膜をキャストフィルムという。従来、このキャストフィ
ルムの製造方法には、プラスチックフィルムやエンドレ
スベルト等の支持体上に高分子材料の溶剤溶液(以下、
「樹脂溶液」と略記)を塗布し、熱風等により加熱され
た乾燥ゾーン中を通過させることによって溶媒除去を行
い,次いで製膜されたキャストフィルムを支持体から分
離する方法があった。
【0003】キャスト法により生成するフィルムの物性
は、溶媒の蒸発速度、流延条件(温度、湿度、蒸発時間
など)、熱処理条件などによって著しい影響を受ける。
例えば、キャスト法では、塗布部と乾燥ゾーンとの間に
ある程度の間隔を設けて、乾燥ゾーンの発熱の影響が塗
布部に及ばないようにしている。両者間の間隔が接近し
すぎると、塗布部の樹脂溶液が乾燥固化して、キャスト
フィルムに欠陥が発生する。また、塗布後、乾燥ゾーン
に搬送するまでの間に、塗布した樹脂溶液を支持体上で
平坦化させるためには一定の時間(レベリング時間)を
経過させる必要がある。塗布部と乾燥ゾーンとの間隔が
短くなってレベリング時間が減少すると、キャストフィ
ルムの平滑性、厚み精度が悪化する。そのため、支持体
上に塗布された樹脂溶液は、塗布部から乾燥ゾーンに搬
送するまでの間、室内雰囲気中に一定時間曝されるのが
通常であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、キャスト法
において、溶剤として低沸点の溶媒、例えばアセトンや
塩化メチレンなどを用いた樹脂溶液の塗布を行った場
合、塗布部と乾燥ゾーンとの間で溶媒の一部が蒸発し、
その蒸発潜熱によって塗布した樹脂溶液(塗膜)及び支
持体の熱が奪われて温度が急激に低下する。この温度低
下のため、室内雰囲気中の水分が塗膜表面に結露を生ず
る。ひとたび結露(水)が付着した塗膜表面は、平滑性
を失ってしまい、乾燥ゾーンを通過して溶媒が除去され
た後においても、表面はスリガラス状になり、透明性が
損なわれるという問題点があった。
【0005】結露現象の発生を防ぐには、室内雰囲気を
低湿度化して水分を除去し、理想的には、湿度0%にす
ればよいが、通常の空調設備ではそのような高度の低湿
度化を達成することは困難である。また、高度の低湿度
化は、静電気の発生が原因となる火災を招くため好まし
くない。
【0006】そこで、溶媒の蒸発によって奪われる熱を
外部より供給することによって結露を防止することが考
えられるが、熱を供給する手段として、例えば、温風を
用いる方法では、支持体に振動を与え、厚み精度を悪化
させる。赤外線ヒーターを用いる方法では、ヒーター部
が高温となるため、有機溶剤を使用する部屋での使用に
は防災上の問題があり、温度制御も困難である。
【0007】一方、キャスト法においては、生産性向上
の観点からできるだけ低沸点の溶媒を用いることが望ま
しい。また、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ
スルホンなどの高分子材料に対して、塩化メチレンのよ
うな低沸点の溶媒が良溶媒であり、これらの高分子材料
のキャストフィルムを製造するには、このような低沸点
の溶媒を用いることが望ましい。
【0008】しかしながら、従来技術によるキャストフ
ィルムの製造方法では、例えば光学的用途に供せられる
ような平滑性、厚み精度及び透明性が共に優れたプラス
チックフィルムを得ることは、きわめて困難であるのが
実情である。
【0009】本発明の目的は、平滑性、厚み精度、透明
性などに優れたキャストフィルムを生産性良く製造する
方法及び装置を提供することにある。また本発明の目的
は、特に、高分子材料を低沸点の溶媒で溶解した溶液を
用いた場合であっても、結露の発生、支持体の振動、防
災上の欠点等のないキャストフィルムの製造方法及び装
置を提供するにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、従来技術の
有する問題点を克服するために鋭意研究した結果、塗布
部と乾燥ゾーンとの間に面状発熱体を設置し、該面状発
熱体により樹脂溶液を塗布した支持体に熱を供給しなが
ら乾燥ゾーンに搬送することにより、また面状発熱体を
複数個併設し、該複数の面状発熱体を個別に温度制御
し、この個別に温度制御された複数の面状発熱体により
熱を供給することにより、また面状発熱体が塗布部と乾
燥ゾーンとの間に備えられた製造装置により、また面状
発熱体が複数個併設され、該複数の面状発熱体が個別に
温度制御されている製造装置により、また面状発熱体の
上面に表面が平滑な板状体が密着されている製造装置に
より前記目的を達成できることを見出し、その知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0011】かくして、本発明によれば、塗布部におい
て高分子材料の溶剤溶液を支持体上に塗布した後、乾燥
ゾーンに搬送し、溶媒を蒸発させて製膜するキャストフ
ィルムの製造方法において、塗布部と乾燥ゾーンとの間
に面状発熱体を設置し、該面状発熱体により熱を供給し
ながら、高分子材料の溶剤溶液を塗布した支持体を塗布
部から乾燥ゾーンに搬送することを特徴とするキャスト
フィルムの製造方法が提供される。
【0012】また上記の方法において、面状発熱体を複
数個併設し、該複数の面状発熱体を個別に温度制御し、
この個別に温度制御された複数の面状発熱体により熱を
供給することを特徴とするキャストフィルムの製造方法
が提供される。
【0013】また高分子材料の溶剤溶液を支持体上に塗
布する塗布部と、溶媒を蒸発させて製膜する乾燥ゾーン
とを備えたキャストフィルムの製造装置において、面状
発熱体が塗布部と乾燥ゾーンとの間に備えられているこ
とを特徴とするキャストフィルムの製造装置が提供され
る。
【0014】また上記の装置において、面状発熱体が複
数個併設され、該複数の面状発熱体が個別に温度制御さ
れていることを特徴とするキャストフィルムの製造装置
が提供される。
【0015】また上記の装置において、面状発熱体の上
面に表面が平滑な板状体が密着されていることを特徴と
するキャストフィルムの製造装置が提供される。
【0016】
【作用】本発明の面状発熱体を用いて熱を供給しながら
樹脂溶液を塗布した支持体を塗布部から乾燥ゾーンに搬
送する方法では、支持体と面状発熱体とを密接させるこ
とができるため、加熱効率が良く、温度制御が容易であ
る。また、温風を用いる場合のように支持体の振動が発
生することがなく、赤外線ヒーターを用いる場合のよう
に防災上の欠点も有しない。
【0017】また溶剤の蒸発潜熱に起因する結露の発生
がなく、透明なキャストフィルムが得られる。また、振
動の発生がなく、しかも、レベリング時間を充分にとる
ことができるため、厚み精度も良好である。したがっ
て、平滑性、厚み精度、透明性などに優れたキャストフ
ィルムが生産性良く製造される。
【0018】また複数個の面状発熱体を設置し、個別に
温度制御する方法では、塗布部と乾燥ゾーンとの間に個
々に温度制御された複数個の加熱ゾーンが形成されるの
で、支持体及び支持体上に塗布される樹脂溶液の材料、
種類及び支持体上に塗布された樹脂溶液の乾燥状態に応
じて加熱条件をより細かく変更することができ、厚み精
度、成形速度が向上する。
【0019】また上面に表面が平滑な板状体が密着され
た面状発熱体が塗布部と乾燥ゾーンとの間に備えられた
製造装置においては、面状発熱体の上面に多少の凹凸が
あっても平滑な板面上をキャストフィルムが走行するの
で厚みムラが発生せず、厚み精度が向上する。
【0020】
【実施例】以下、本発明の製造方法及び装置について、
図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の製造装
置の一例であって第1発明のキャストフィルムの製造方
法を説明する説明図である。
【0021】塗布部1において、支持体4の上に樹脂溶
液5が塗布され、次いで箱形の乾燥ゾーン2内へ搬送さ
れる。塗布部1は、リップコーター、カンマコーター
等、一般にキャストフィルムの製造に使用されるもので
ある。乾燥ゾーン2は、温風などの発熱手段を設けたも
のであり、溶剤の蒸発と回収のために、箱形となってい
る。
【0022】塗布部1と乾燥ゾーン2との間には、一定
の間隔を設ける。この間隔の距離は、乾燥ゾーンの熱に
より塗布部の原料樹脂溶液が乾燥固化したり、或いは塗
布した樹脂溶液のレベリングが不十分とならない範囲で
適宜定める。
【0023】本発明においては、塗布部1と乾燥ゾーン
2との間に面状発熱体3を設置し、該面状発熱体3によ
り熱を供給しながら、高分子材料の樹脂溶液5を塗布し
た支持体4を塗布部1から乾燥ゾーン2に搬送する。面
状発熱体3には、カーボン発熱体を構造材料中に埋蔵し
たもの、或いは金属製線状発熱体を構造材料中に埋蔵し
たものなどがある。面状発熱体3の大きさは、幅は塗布
幅より大きければよく、長さは塗布部1から乾燥ゾーン
2までの距離に可能な限り等しい方が好ましい。幅が不
足の場合には、支持体上に塗布した樹脂溶液5の端部に
結露が発生し易い。長さが不足の場合には、塗布した樹
脂溶液5の全体に結露が発生することを防ぐために単位
面積当たりの熱供給量を増やさねばならないが、低沸点
の溶媒であるため沸点を大きく越えて加熱すると発泡を
生じてしまう。面状発熱体3は、樹脂溶液5を塗布した
支持体の下面に密接するように配置すると、熱の供給効
率が良く、温度制御も容易である。
【0024】面状発熱体3から供給する熱量は、結露の
発生を防止するに足る熱量以上であって、使用する溶媒
の沸点以下となる範囲であり、例えば、ポリカーボネー
トの塩化メチレン溶液では、搬送中の支持体4上に塗布
した樹脂溶液5の温度が約35°C程度となるようにす
ると良い。
【0025】樹脂溶液5は、溶媒として中高沸点の溶媒
の単独もしくは2種以上の混合溶媒の使用も可能である
が、生産性良くキャストフィルムを製造するには、低沸
点の溶媒、たとえば塩化メチレン、アセトンなどを単独
で、或いは中高沸点の溶媒と混合して用いることが望ま
しい。
【0026】高分子材料としては、キャスト法により製
膜可能な樹脂であれば特に限定されず、例えばポリカー
ボネート、ポリスチレン、ポリアリレート、ポリエーテ
ルケトン、ポリスルホン等が挙げられる。これら樹脂
は、溶媒に溶解し、通常のキャスト法による製膜に使用
可能な粘度である200〜20,000cpsの範囲に
調整する。樹脂溶液の粘度が200cps未満では、液
ダレによって厚み精度が悪化し、20,000cpsを
越えると、気泡の巻き込みによる欠陥の発生が生じ易
く、好ましくない。
【0027】面状発熱体3上を通過した支持体4及び樹
脂溶液5は、乾燥ゾーン2内に搬送され、充分乾燥され
た後に、巻き取り、ラミネート等の次工程に進む。図2
は、本発明の製造装置の一例であって第2発明のキャス
トフィルムの製造方法を説明する斜視図である。
【0028】塗布部1において、支持体4の上に樹脂溶
液5が塗布され、次いで箱形の乾燥ゾーン2内へ搬送さ
れる。塗布部1と乾燥ゾーン2との間には、一定の間隔
を設ける。この間隔の距離は、乾燥ゾーンの熱により塗
布部の原料樹脂溶液が乾燥固化したり、或いは塗布した
樹脂溶液のレベリングが不十分とならない範囲で適宜定
める。
【0029】塗布部1と乾燥ゾーン2との間に複数の面
状発熱体31,32,33,34を設置し、この複数の
面状発熱体31,32,33,34を図示しない温度制
御装置により個別に温度制御し、該個別に温度制御され
た複数の面状発熱体31,32,33,34により熱を
供給しながら、高分子材料の樹脂溶液5を塗布した支持
体4を塗布部1から乾燥ゾーン2に搬送する。面状発熱
体31,32,33,34の大きさは、幅は塗布幅より
大きければ良く、長さは面状発熱体31,32,33,
34の総長さが塗布部1から乾燥ゾーン2までの距離に
可能な限り等しい方が好ましい。個々の面状発熱体の長
さは全て同一長さとしても良く、異なる長さとしてもど
ちらでも良い。
【0030】個別に制御された面状発熱体31,32,
33,34により、塗布部1と乾燥ゾーン2との間に個
別の加熱ゾーンが形成される。これにより支持体4及び
支持体4上に塗布される樹脂溶液5の材料及び種類及び
支持体4上に塗布された樹脂溶液5の乾燥状態に応じて
加熱条件をより細かく変更することができる。
【0031】図3は本発明の製造装置に備えられる面状
発熱体の一例の断面略図である。面状発熱体40には上
面41に表面51が平滑なステンレス板50が密着され
ている。
【0032】面状発熱体40の上面41には、成形時の
ときに形成された凹凸が存在し、粗面状態になってい
る。この粗面上をキャストフィルムが接触して走行する
とキャストフィルムの厚み精度が悪くなる。この粗面状
態の上面41に平滑なステンレス板50を密着させると
キャストフィルムが平滑面上を走行することになり、厚
み精度が改善される。
【0033】図4は図3の面状発熱体を備えた製造装置
の一例の斜視図である。面状発熱体40が塗布部1と乾
燥ゾーン2との間の塗布部1側に1個設置され、乾燥ゾ
ーン2側に向けて平滑なステンレス板50が密着されて
いない他の面状発熱体32,33,34が設置されてい
る。
【0034】なお複数の面状発熱体は平滑なステンレス
板50が密着されている面状発熱体40のみで構成して
も良い。また面状発熱体40を塗布部1と乾燥ゾーン2
との間に1個だけ設置するようにしても良い。上記複数
の面状発熱体40,32,33,34は個別に温度制御
されるようにしておくのが望ましい。
【0035】次に第1発明の製造方法の実施例と比較例
を記す。 [実施例]塗布部1と乾燥ゾーン2との間の距離1.6
mのキャスティング装置に、幅1m長さ1.5mのカー
ボングラファイトを発熱体に用いた面状発熱体3を、図
1に示すように搬送中の支持体の下面に密着させて設置
した。塗布部1にはカンマコーター、乾燥ゾーンには長
さ10mの箱形温風式を用い、乾燥ゾーン内温度は10
0°Cとした。この装置に、厚さ100μm、幅1mの
ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムを支持
体として、濃度25重量%のポリカーポネートの塩化メ
チレン溶液を塗布厚300μm、塗布幅0.95mとな
るように連続的に塗布した。塗布速度は、1m/分とし
た。面状発熱体による加熱は、塗布された樹脂溶液の温
度が約35°Cとなるように設定した。
【0036】得られたキャストフィルムについて、厚み
精度及び透明性に関して評価した結果を表1に示す。表
1から明らかなように、本発明の製造方法によれば、厚
み精度が高く透明性に優れたキャストフィルムが得られ
る。
【0037】[比較例1]実施例1と同一の装置を用
い、面状発熱体に通電せず、熱の供給を行なわずに同一
条件による塗布を行った。実施例1と同様に評価を行な
った結果を表1に示す。
【0038】この方法によれば、厚み精度はよいが、透
明性の悪いキャストフィルムしか得られず、高度の透明
性が要求される光学フィルムなどの分野での用途には適
さないものであった。
【0039】[比較例2]実施例1と同一の装置から面
状発熱体を除去し、この部分に直径30cmのダクトか
ら50°Cの温風を、風速1.5m/分で、塗布された
樹脂溶液に対して垂直方向から当てた。実施例1と同様
な評価を行った結果を表1に示す。
【0040】得られたキャストフィルムは、透明性は良
好であるが、支持体に振動が発生したため、厚み精度が
悪く、厚み精度を要求される光学フィルムには適さない
ものであった。
【0041】
【表1】
【0042】次に第2発明の製造方法の実施例と結果を
記す。塗布部1と乾燥ゾーン2との間の距離1.6mの
キャスティング装置に、幅1m長さ0.35mのカーボ
ングラファイトを発熱体に用いた面状発熱体を4個(面
状発熱体31,32,33,34)を図2に示すように
搬送中の支持体4の下面に密着させて設置した。塗布部
1と乾燥ゾーン2及び支持体4と樹脂溶液5は第一発明
の実施例と同一のものを用いた。面状発熱体による加熱
は、面状発熱体31,32,33,34の加熱温度がそ
れぞれ60°C、56°C、53°C、50°Cになる
ように温度制御した。このように温度制御して樹脂溶液
5を塗布した支持体4を塗布部1から乾燥ゾーン2に搬
送することによりキャストフィルムの樹脂溶液5の塗布
速度が、実施例1と同等の厚み精度、全光線透過率、ヘ
イズ値で2m/分と向上した。
【0043】次に図3の面状発熱体40を備えた製造装
置の実施例とこの製造装置を用いてキャストフィルムを
製造した結果を記す。図4に示すように塗布部1と乾燥
ゾーン2との間に、上面に表面51が平滑な厚さ2mm
のステンレス板50か密着された面状発熱体40が1
個、塗布部1側に、次いで幅1m長さ0.35mの面状
発熱体32,33,34が3個、搬送される支持体4の
下面に密着されるように順に設置されている。
【0044】この製造装置を用いて樹脂溶液5を塗布し
た支持体4を面状発熱体40の上面に密着させたステン
レス板50の平滑表面51上を走行させて塗布部1から
乾燥ゾーン2に搬送させたところ、実施例1と同等の全
光線透過率、ヘイズ値、塗布速度で厚み精度を1μm以
内のものが得られた。
【0045】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、塗布部と乾
燥ゾーンとの間に面状発熱体を設置して、搬送中の樹脂
溶液を塗布した支持体に熱を供給することにより、低沸
点の溶媒による樹脂溶液を用いた場合であっても、平滑
性、厚み精度及び透明性に優れたキャストフィルムを生
産性良く提供することができる。
【0046】また面状発熱体を複数個設置して、個別に
面状発熱体を温度制御することにより、支持体及び樹脂
溶液の材料、種類及び支持体上に塗布された樹脂溶液の
乾燥状態に応じて加熱条件をより細かく変更することが
でき、厚み精度、全光線透過率、ヘイズ値を悪化させず
に樹脂溶液の塗布速度を上げて生産性を向上させること
ができる。
【0047】また面状発熱体に平滑な板状体を密着させ
ることにより、面状発熱体の表面に凹凸があってもキャ
ストフィルムが平滑面上を走行することができ、これに
よってキャストフィルムの厚み精度を向上させることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造装置の一例であって第1発明のキ
ャストフィルムの製造方法を説明する説明図である。
【図2】本発明の製造装置の一例であって第2発明のキ
ャストフィルムの製造方法を説明する斜視図である。
【図3】本発明の製造装置に備えられる面状発熱体の一
例の断面略図である。
【図4】図3の面状発熱体を備えた製造装置の一例の斜
視図である。
【符号の説明】 1 塗布部 2 乾燥ゾーン 3,31,32,33,34,40 面状発熱体 4 支持体 5 樹脂溶液 6 ロール 7 ロール 8 ロール 41 上面 50 ステンレス板 51 表面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29L 7:00 4F

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塗布部において高分子材料の溶剤溶液
    を支持体上に塗布した後、乾燥ゾーンに搬送し、溶媒を
    蒸発させて製膜するキャストフィルムの製造方法におい
    て、塗布部と乾燥ゾーンとの間に面状発熱体を設置し、
    該面状発熱体により熱を供給しながら、高分子材料の溶
    剤溶液を塗布した支持体を塗布部から乾燥ゾーンに搬送
    することを特徴とするキャストフィルムの製造方法。
  2. 【請求項2】 面状発熱体を複数個併設し、該複数の面
    状発熱体を個別に温度制御し、この個別に温度制御され
    た複数の面状発熱体により熱を供給することを特徴とす
    る請求項1記載のキャストフィルムの製造方法。
  3. 【請求項3】 高分子材料の溶剤溶液を支持体上に塗布
    する塗布部と、溶媒を蒸発させて製膜する乾燥ゾーンと
    を備えたキャストフィルムの製造装置において、面状発
    熱体が塗布部と乾燥ゾーンとの間に備えられていること
    を特徴とするキャストフィルムの製造装置。
  4. 【請求項4】 面状発熱体が複数個併設され、該複数の
    面状発熱体が個別に温度制御されていることを特徴とす
    る請求項3記載のキャストフィルムの製造装置。
  5. 【請求項5】 面状発熱体の上面に表面が平滑な板状体
    が密着されていることを特徴とする請求項3,4記載の
    キャストフィルムの製造装置。
JP31638091A 1991-01-25 1991-11-29 キヤストフイルムの製造方法及び装置 Pending JPH054240A (ja)

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JP778491 1991-01-25
JP3-7784 1991-01-25

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7611747B2 (en) 2000-03-30 2009-11-03 Zeon Corporation Insulating material, method for producing insulating material, method for manufacturing multilayer circuit board

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US7611747B2 (en) 2000-03-30 2009-11-03 Zeon Corporation Insulating material, method for producing insulating material, method for manufacturing multilayer circuit board

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