JP4298147B2 - 光硬化性組成物、鋼管一時防錆用塗料組成物、その皮膜および被覆鋼管ならびにその防錆方法 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、光硬化性組成物、鋼管一時防錆用塗料組成物、その皮膜およびこれにより被覆された鋼管、ならびにその防錆方法に関する。より詳しくは、基材への付着性および耐塩水腐食性に優れ、しかも容易に除去可能な皮膜を活性エネルギー線照射により形成しうる光硬化性組成物、これを利用する鋼管一時防錆用塗料組成物、その皮膜およびこれにより被覆された鋼管、ならびにその防錆方法に関する。
【0002】
【発明の技術的背景】
製造された鋼管等は、錆の発生を防止するためにその表面に何らかの防錆処置を必要とする。通常、防錆処理は鋼管表面を塗料などで被覆保護することによるが、需要家において鋼管等が加工利用される際には、再びその皮膜を除去する必要がある。このような目的のために種々の鋼管一時防錆用塗料の組成物が開発されてきた。
【0003】
近時、紫外線、電子線等の活性エネルギー線の作用により硬化する防錆用被覆組成物を金属表面に塗布し、これに活性エネルギー線を照射することにより瞬時に硬化させて保護皮膜を形成する方法が開発され、従来の鉱油型、動植物型、あるいは水溶性樹脂型の防錆剤に見られた多くの欠点を克服するものとして注目されている。例えば、▲1▼:特公昭55-4790号公報には、新規なリン酸(メタ)アクリレート化合物の活性光線照射硬化への応用を開示している。また、▲2▼:特開昭61-211314号公報には、リン酸(メタ)アクリレートエステル化合物と活性エネルギー線により硬化可能な化合物を配合してなる活性エネルギー線硬化型樹脂組成物が開示されている。さらに▲3▼:特公平5-18873号公報には、ビスFタイプエポキシ(メタ)アクリレートからなるラジカル重合性モノマーとビスAタイプエポキシ(メタ)アクリレートを変性した軟化点30℃以上の非ラジカル重合性樹脂およびラジカル重合性開始剤とからなる活性エネルギー線硬化性被覆組成物が開示されている。
【0004】
これら▲1▼〜▲3▼は、いずれも金属等の表面への接着性被覆物に関する発明であるが、当該被覆物の効率的な除去方法に関しては何ら記載がないために、鋼管一時防錆用塗料組成物への応用には問題が残る。
一方、▲4▼:特公平4-33823号公報には、(メタ)アクリロイル基含有化合物ならびにカルボン酸成分とアルコール成分および/またはエポキシ成分とから合成され、(メタ)アクリロイル基を有しない軟化点50〜150℃の化合物を配合した放射線硬化性一時防錆剤が開示されている。しかし、製造工程で使用されて残存する油分が、鋼管表面に油層を形成することに起因して、塗面にハジキ等の異常現象が発生し、密着性も不充分であるという問題があった。これに対し、▲5▼:特開平5−21742には、鋼管表面に残存する油分類を除去しなくとも硬化皮膜を形成できるように、特定のビニル化合物を含有する活性エネルギー線硬化性組成物を使用した一時防錆処理鋼管が開示されている。
【0005】
このような一時防錆用塗料組成物の皮膜の除去方法として、(i)アルカリ水溶液による除去(アルカリ脱膜)、(ii)燃焼による除去、(iii)物理的除去(たとえばショットブラスト)があるが、簡便で容易な操作である理由から(i)のアルカリ脱膜法による除去が主に採用されている。上記公報の方法では、ビニル化合物に酸価を付与しており、この化合物が必須成分であるので皮膜溶解除去性は良好であるが、このビニル化合物は活性エネルギー線に反応しないため塗膜骨格にはなりえず、よって酸価の高い部分から錆が発生しやすい傾向にある。
【0006】
このように公知の上記文献▲4▼および▲5▼のいずれの一時防錆用塗料組成物においても、耐塩水腐食性で示される防錆性能とアルカリ脱膜の際のアルカリ溶解性とのバランスの点で、更なる改良の余地があった。
本発明者らは、上記問題点を解決するため鋭意研究を重ねた結果、
(A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
(B)カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(C)リン酸(メタ)アクリレート化合物と、
(D)2官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(E)3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(F)光重合開始剤と
を含有する光硬化性組成物は、耐塩水腐食性を落とすことがなく、アルカリ溶解性にも優れること、この光硬化性組成物を使用した塗料は、これらの特性とともに、仕上りの外観、基材への付着性にもバランス良く優れていることなどを見出して本発明を完成するに至った。
【0007】
【発明の目的】
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、バランス良く諸特性をそなえた光硬化性組成物、鋼管一時防錆用塗料組成物、その皮膜およびこれにより被覆された鋼管、ならびにその防錆方法を提供することを目的としている。
【0008】
【発明の概要】
本発明に係る光硬化性組成物は、
(A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
(B)カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(C)リン酸(メタ)アクリレート化合物と、
(D)2官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(E)3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(F)光重合開始剤と
を含有する。
【0009】
上記光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)は、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートおよびポリウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれた少なくとも1種の光硬化性(メタ)アクリレート樹脂であることが好ましい。
また、上記カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)は、2−(メタ)アクリロイルオキシアルキルハイドロゲンフタレート、(メタ)アクロイルオキシサリチレート、(メタ)アクリロイルオキシ脂肪族ジカルボン酸ハーフエステル、およびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種のカルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
【0010】
さらに上記リン酸(メタ)アクリレート化合物(C)は、下式(1)
【0011】
【化2】
【0012】
で示されるリン酸エステル化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のリン酸(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
上記2官能(メタ)アクリレートモノマー(D)は、アルコキシアルキルジ(メタ)アクリレート、脂肪族ジ(メタ)アクリレート、脂環式ジ(メタ)アクリレート、芳香族ジ(メタ)アクリレートおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種の2官能(メタ)アクリレートモノマーであることが好ましい。
【0013】
上記光重合開始剤(F)として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−アクリルベンゾイン、ベンジル、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、1−クロルアントラキノン、2−クロルアントラキノン、チオキサントン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−[4−(メチル)チオフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンからなる群から選ばれた少なくとも1種の光重合開始剤であることが好ましい。
【0014】
なお、上記光硬化性組成物の酸価は30〜120の範囲にあることを特徴とする。
上記光硬化性組成物の各成分の配合割合は、好ましくは(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分の合計100重量部に対して、(A)成分が、10〜40重量部、(B)成分が、10〜40重量部、(C)成分が、1〜15重量部、(D)成分が、10〜50重量部、(E)成分が、1〜15重量部および(F)成分が1〜10重量部の範囲にあることを特徴とする。
【0015】
さらに上記光硬化性組成物の各成分の配合割合が(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分の合計100重量部に対して、(A)成分が、15〜35重量部、(B)成分が、15〜35重量部、(C)成分が、2〜10重量部、(D)成分が、15〜45重量部、(E)成分が、2〜10重量部および(F)成分が3〜7重量部の範囲にあることがより好ましい。
【0016】
本発明に係る光硬化性組成物は防錆顔料を含有してもよい。
本発明に係る皮膜は、上記光硬化性組成物から形成された光硬化皮膜であることを特徴とする。
本発明に係る光硬化皮膜は、上記光硬化性組成物からなり、耐塩水腐食性に優れ、アルカリ水溶液による皮膜溶解除去性に優れた光硬化性鋼管一時防錆用塗料組成物から形成されることを特徴とする。
【0017】
さらに本発明に係る光硬化皮膜は、基材の表面上に、上記の光硬化性組成物から形成されることを特徴とする。
本発明に係る光硬化皮膜により被覆された鋼管は、その表面に、上記光硬化性組成物の皮膜が形成され、耐塩水腐食性に優れ、使用後のアルカリ水溶液による皮膜溶解除去性に優れた一時防錆光硬化被覆鋼管であることを特徴とする。
【0018】
本発明による鋼管一時防錆方法は、鋼管の表面に、上記光硬化性組成物の皮膜を形成させることを特徴とする。
【0019】
【発明の具体的説明】
本発明は、光硬化性組成物、これを利用した鋼管一時防錆用塗料組成物、その皮膜およびこれにより被覆された鋼管、ならびにその防錆方法に関するものである。その基本となる物質としての本発明に係る光硬化性組成物は、
(A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
(B)カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(C)リン酸(メタ)アクリレート化合物と、
(D)2官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(E)3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(F)光重合開始剤と
を含有する。
【0020】
以下、この光硬化性組成物、これを利用した鋼管一時防錆用塗料組成物、その皮膜およびこれにより被覆された鋼管、ならびにその防錆方法について、順次、具体的に説明する。
光硬化性組成物
本発明に係る光硬化性組成物は、(A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、(B)カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーと、(C)リン酸(メタ)アクリレート化合物と、(D)2官能(メタ)アクリレートモノマーと、(E)3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーと、(F)光重合開始剤とを含有している。
【0021】
この光硬化性組成物に含まれる上記6成分は、いずれも公知物質であり、それらの一部を組合せて配合した一時防錆用塗料組成物はこれまでにも開示されているが、必ずしも耐塩水腐食性および皮膜溶解除去性ともに優れるものではなかった。
これに対し、本発明に係るこれらの6成分の組合せによる光硬化性組成物の最大の特徴は次のとおりである。まず、光重合開始剤(F)以外の成分が光重合性を有するために活性エネルギー線の照射により組成物全体が急速に硬化し、光重合反応をしない樹脂部分がないことから全体として均一な皮膜を形成できることである。このような皮膜は基材への付着性に優れ、防錆能力が高いものである。次に、組成物各成分が一斉に重合硬化することから、酸価を30〜120の範囲に高めている本組成物の皮膜は、アルカリに対し一様に溶解して皮膜溶解による除去が極めて良好になっていることである。したがって、この光硬化性組成物を使用した塗料は、仕上りの外観、基材への付着性、耐塩水腐食性、皮膜溶解除去性にバランス良く優れている。鋼管一時防錆用塗料組成物においては、これらの各性質はいずれも重要であることから、おしなべて良好な性能を示すことが求められる。この意味においても本発明に係る光硬化性組成物は、従来の組成物と比較して優れた鋼管一時防錆塗料組成物を提供するものである。
【0022】
以下、これら組成物の各成分についてさらに詳説する。
(A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂
本発明の光硬化性組成物の光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)は、特に限定されないがたとえばポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートおよびポリウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれた少なくとも1種の光硬化性(メタ)アクリレート樹脂である。
【0023】
(メタ)アクリレート樹脂のガラス転移点は、通常は−30℃〜+20℃、特に−25℃〜0℃が好ましい。その平均分子量は特に限定されるものではないが、通常、数平均分子量3,000〜200,000好ましくは5,000〜80,000のものが使用される。上記(メタ)アクリレート樹脂を製造するには、得られる樹脂中に(メタ)アクリル酸成分単位または(メタ)アクリル酸エステル成分単位を50重量%以上含有し、かつ得られる樹脂の特性が上記範囲となるようにモノマー組成を適宜選択し、公知の方法、たとえば溶液ラジカル重合法などにより重合させればよい。
【0024】
このような(メタ)アクリレート樹脂を合成する際に用いられるモノマーとしては、通常使用される(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステルの他に、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリウレタン(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートなども共重合用モノマーとして使用できる。
【0025】
上記共重合可能なモノマーとして、さらに具体的には、例えば、アクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜18のアルキルエステルまたはシクロアルキルエステルメチルが挙げられ、これらにはアクリル酸またはメタクリル酸のメチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、ブチル(n-,i-,t-)、ヘキシル、2−エチルヘキシル、n-オクチル、デシル、ラウリル、ステアリル、シクロヘキシルなどのエステルが含まれる。この中でとくに、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートが好ましく用いられる。
【0026】
さらに共重合可能な他のモノマーとして、アクリル酸メトキシブチル、アクリル酸メトキシエチル、アクリル酸エトキシブチル、メタクリル酸メトキシブチル、メタクリル酸メトキシエチル、メタクリル酸エトキシブチル等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数2〜18のアルコキシエステル;N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸のアミノアルキルエステル;2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ヒドロキシブチルアクリレートなどの水酸基含有重合性不飽和モノマーなどが挙げられる。
【0027】
ポリエステル(メタ)アクリレートの具体例としては、フタル酸、コハク酸、アジピン酸、グルタル酸、セバチン酸、イソセバチン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ダイマー酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、ピメリン酸、アゼライン酸などの多塩基酸またはその無水物と、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコールジプロピレングリコール、ポリエチレングリコールもしくはプロピレンオキサイドなどの多価アルコールとから合成されるポリエステルに(メタ)アクリル酸を反応させて得られるポリエステル(メタ)アクリレートなどがある。
【0028】
エポキシ(メタ)アクリレートの具体例として、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSもしくはフェノールボラックとエピクロルヒドリンとを反応して得られるエポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂等に(メタ)アクリル酸を付加せしめて得られるエポキシ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。ポリウレタン(メタ)アクリレートとして、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートもしくはイソホロンジイソシアネートなどのイソシアネート化合物と、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン、水素化ビスフェノールAもしくは水素化ビスフェノールAとエチレンオキサイドとの付加物等のポリオール化合物と、さらに2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートもしくは2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ化合物とを反応させて得られるウレタンポリ(メタ)アクリレートなどを例示できる。
【0029】
他に、ポリエーテル系の光硬化性(メタ)アクリレート樹脂も用いることができる。具体的には、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のエトキシ化、プロポキシ化、あるいは1,4-ブタンジオールのポリエーテル化により得られたポリエーテルと、エチル(メタ)アクリレートなどとのエステル交換反応によって得られるポリエーテル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
【0030】
以上に挙げた化合物は、一種もしくは二種以上の混合系で用いることができる。
(B)カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマー
カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)は、特に限定されないがたとえば2−(メタ)アクリロイルオキシアルキルハイドロゲンフタレート、(メタ)アクリロイルオキシ脂肪族ジカルボン酸ハーフエステル、(メタ)アクロイルオキシサリチレートからなる群から選ばれた少なくとも1種のカルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーである。これらのモノマーは、光硬化性組成物に酸価の高い成分として配合することにより、組成物全体の酸価を30〜120の高い範囲に調整してアルカリ溶解性を高めるためのものである。
【0031】
これには、フタル酸、コハク酸、アジピン酸などの無水酸とヒドロキシアクリレートとのハーフエステルが好ましく使用される。具体的には、モノアクリロキシコハク酸エステル、ω-カルボキシ-ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロキシエチルフタレート、4-(メタ)アクリロキシエチルトリメリット酸、N-(メタ)アクリロキシ-N-カルボキシメチルピペリジン、N-(メタ)アクロキシ-N,N-ジカルボキシメチル-p-フェニレンジアミン、6-(メタ)アクリロイルオキシヘキサン酸などが挙げられる。
(C)リン酸(メタ)アクリレート化合物
リン酸(メタ)アクリレート化合物(C)は、特に限定されないがたとえば下式(1)
【0032】
【化3】
【0033】
で示されるリン酸エステル化合物からなる群から選ばれた少なくとも1種のリン酸(メタ)アクリレートモノマーである。かかる(メタ)アクリレートモノマーを含めることにより組成物の酸価は上昇する。
具体的には、(メタ)−アクリロキシエチルホスフェート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルホスフェート、(メタ)アクリロキシエチルホスホリスフェニル、EO変性リン酸(メタ)アクリレート、EO変性フェノキシリン酸(メタ)アクリレート、EO変性ブトキシ化リン酸(メタ)アクリレート、EO変性オクトキシ化リン酸(メタ)アクリレートなどが例示される。
(D)2官能(メタ)アクリレートモノマー
2官能(メタ)アクリレートモノマー(D)は、特に限定されないがたとえばアルコキシアルキルジ(メタ)アクリレート、脂肪族ジ(メタ)アクリレート、脂環式ジ(メタ)アクリレート、芳香族ジ(メタ)アクリレートおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種の2官能(メタ)アクリレートモノマーである。
【0034】
具体的には、2官能(メタ)アクリレートモノマーとして、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(DEGDA)、トリプロピレングルコールジ(メタ)アクリレート(TPGDA)、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート(HDDA)、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(TEGDA)、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート(HPNDA)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート(NPGDA)、1,4-ブタンジオールジアクリレート(BDDA)、1,3-ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート(PEG400DA)などを例示できる。
(E)3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマー
ここにいう多官能(メタ)アクリレートモノマーとは、1分子当り重合性不飽和基を3個以上有するアクリレートモノマーである。
この化合物として、特に限定されないがたとえば、多塩基酸またはこれらの無水物と過剰当量の多価アルコールとを反応させて得るヒドロキシル基を有するポリエステル化合物1モルに、3モル以上の(メタ)アクリル酸もしくはカルボキシル基を有する(メタ)アクリル酸誘導体とを反応させるか、あるいは多価アルコールと過剰当量の多塩基酸またはその無水物とを反応させて得られるカルボキシル基を有するポリエステル化合物1モルに、3モル以上のモノヒドロキシル基を含有する(メタ)アクリル酸誘導体を反応させることにより得られるポリエステル(メタ)アクリレート;ヒドロキシル基を有する化合物と過剰当量の多価イソシアネート化合物との付加反応物に、その残存イソシアネート基に3分子以上の割合でモノヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸を付加反応させて得られるポリウレタン(メタ)アクリレート;3分子以上の(メタ)アクリル酸もしくはカルボキシル基を有するアクリル酸誘導体とエポキシ化合物を付加反応させて得るエポキシ(メタ)アクリルレートなどがある。
【0035】
3官能(メタ)アクリレートモノマーとして、具体的にはトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパンエトキシトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート(PETA)、グリセリルプロポキシトリ(メタ)アクリレート(GPTA)などが挙げられる。
(F)光重合開始剤
紫外線照射により硬化させる場合には、特に限定されないがたとえば以下の既知の光増感剤中から適宜選択される光重合開始剤を含む必要がある。ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−アクリルベンゾイン、ベンジル、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、1−クロルアントラキノン、2−クロルアントラキノン、チオキサントン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−[4−(メチル)チオフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンが例示される。これらの単独もしくは適宜の組合せにより用いることもできる。
【0036】
従来の一般的な光硬化性塗料組成物は、その酸価が低いため耐塩水浸食性は良好であるが、アルカリ水溶液には溶解しにくい。そうした組成物に、酸価は高いが光重合性のない樹脂を混合すると、今度はアルカリ水溶液に溶解するが耐塩水腐食性は低下してしまうという難しさがあった。本発明に係る上記光硬化性組成物は、光重合性を有する樹脂および(メタ)アクリルモノマー類で占められているために硬化性が良好であり、耐塩水浸食性に優れた均一な皮膜を形成する。さらに酸価が高い光硬化性(メタ)アクリレートを配合することにより、この組成物を含む一時防錆用塗料組成物による皮膜のアルカリ溶解性の低下を防止している。したがってその酸価は、通常15〜200の範囲、好ましくは、30〜120の範囲、特に好ましくは、40〜80にあるのが望ましい。
【0037】
上記組成物の各成分の配合割合は、特に制限されるものではないが、通常(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分の合計100重量部に対して、(A)成分が、10〜40重量部、(B)成分が、10〜40重量部、(C)成分が、1〜15重量部、(D)成分が、10〜50重量部、(E)成分が、1〜15重量部および(F)成分が1〜10重量部の範囲にある。より好ましくは、上記組成物の各成分の配合割合が(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分の合計100重量部に対して、(A)成分が、15〜35重量部、(B)成分が、15〜35重量部、(C)成分が、2〜10重量部、(D)成分が、15〜45重量部、(E)成分が、2〜10重量部および(F)成分が3〜7重量部の範囲にあることが望ましい。
【0038】
また、上記組成物の成分相互の含有比率は、通常(C)成分、1重量部に対して、(A)成分が、6〜13重量部、(B)成分が、6〜13重量部、(D)成分が、5〜15重量部、(E)成分が、1〜3重量部および(F)成分が0.5〜2.5重量部の範囲にあることが望ましい。
鋼管一時防錆用塗料組成物
本発明の鋼管一時防錆用塗料組成物は、前記(A)〜(F)からなる光硬化性組成物の他に、本発明の効果を損なわない限りにおいて、任意成分として従来より公知の各種成分を少量、混合使用してもよい。このように種々の任意成分をさらに配合することにより、鋼管の一時防錆用塗料組成物として一層優れた性能品質が期待できる。
【0039】
例えば、光重合開始助剤としてアミン系、キノン系などの物質を加えてもよい。その他の添加剤として、必要に応じて熱重合禁止剤、充填剤無機有機、接着付与剤、チクソ付与剤、可塑剤、非反応性ポリマー、防錆顔料、着色顔料、沈降防止剤、消泡剤、溶剤、レベリング剤などを添加することができる。
所望する場合には、一時防錆用塗料組成物に防錆顔料を調合することができる。これには鉛丹、亜酸化鉛、鉛シアナミド、塩基性クロム酸鉛、亜鉛末、亜鉛黄、鱗片状酸化鉄などの防錆顔料が挙げられる。
【0040】
本発明に係る鋼管の一時防錆用塗料組成物は、常法に従って調製することができる。すなわち、光硬化性組成物の他に添加する化合物を所定量秤量して、ボールミル、ビーズミル、アトライター等を用いて混合分散するか、ディスパーで混合溶解することにより得ることができる。
被覆対象の鋼管
本発明に係る光硬化性組成物の被塗装金属材料として、鉄、炭素鋼、銅、亜鉛、錫、アルミニウムなどの各種金属またはそれらの合金、それらによるメッキ材などに適用でき、それらの形状は、板、線、棒、管その他の種々の成型材を対象とできる。本組成物は、上記の種々の金属に塗装され、一時防錆用塗料として以外の用途にも用いることができる。
防錆方法
上記の一時防錆用塗料組成物を鋼管表面に塗布してその後直ちに活性エネルギー線を照射すると、該組成物全体が光重合反応により急速に硬化し、一様に皮膜を形成させることができる。この均一な皮膜は鋼管表面への密着が良好であるため、有効に錆の発生を防止することができる。塗布に先立って、鋼管表面に残存する油脂分は特に除去する必要はない。一時防錆用塗料の塗装方法として、スプレー、シャワー、ディッピング、ロールなどが使用できる。
【0041】
活性エネルギー線の照射源としては、(超)高圧水銀灯、メタルハライドランプなどの紫外線発生装置を使用するのが便利であるが、他に電子線加速器、コバルト60のγ線源なども使用できる。
なお、ローラーで搬送される鋼管の塗布、エネルギー線照射、乾燥を連続して行なう鋼管一時防錆用塗装乾燥システムを使用すれば効率的に行なうことができる。
皮膜
通常は、1〜1000μmの膜厚が鋼管表面に形成されるが、防錆コスト、組成物の硬化効率等を考慮すると、より好ましくは、10〜500μmが望ましい。
【0042】
本発明に係る鋼管一時防錆用塗料組成物による皮膜の鋼管表面への密着性は、良好であり、搬送、ハンドリング時の外的衝撃およびロールスキッドなどとの接触により剥離しない。さらに当該皮膜の防錆性能にも優れている。
さらに従来の一時防錆塗料に大量に含まれていた有機溶剤は含めても少量しか含めないため、平滑な塗膜厚が確保され作業性は良好である。
【0043】
アルカリ脱膜は、通常需要家により鋼管の使用に先立って行われるが、たとえば、5%水酸化ナトリウム水溶液中に浸漬することにより、55〜85℃の液温で15〜60分間行なうのが望ましい。本発明に係る鋼管一時防錆用塗料組成物による皮膜は、酸価が30〜120の範囲に調整されているので容易にアルカリ水溶液に溶解し、短時間でほぼ完全に脱膜を達成できる。
【0044】
【発明の効果】
本発明に係る光硬化性組成物は、全体が光重合して急速に硬化が完了するために硬化性が優れており、さらに硬化組成物が均一な皮膜を形成するために鋼管との付着性、表面平滑性にも優れている。
さらに本発明による光硬化性組成物は、対塩水腐食性に優れ、使用後のアルカリ水溶液による皮膜溶解除去性にも優れているため、金属類の一時防錆用塗料組成物の用途に最も適したものである。
【0045】
【実施例】
以下の実施例は、本発明をさらに具体的に説明するためのものであり、これに限定する意味ではない。
【0046】
【実施例1〜4ならびに比較例1〜5】
表1に示す配合組成に基づき、光硬化性エステルアクリレート樹脂にカルボキシル基含有単官能アクリレートモノマー、リン酸アクリレート化合物、2官能アクリレートモノマー、3官能以上の多官能アクリレートモノマー、光重合開始剤を順次加えて撹拌し、それぞれ塗料組成物を得た。
【0047】
各組成物の性能評価試験を行い、表2の結果を得た。
<性能評価試験>
黒皮鋼鈑(JIS G 3131)を用いた。これに脱脂をしないで上記組成物をパーコーター#12で塗布し、直ちに高圧水銀灯などを備えた紫外線照射装置で硬化させた。
<評価方法>
仕上り外観(表面平滑性、ハジキ)、付着性、耐塩水噴霧性、アルカリ溶解性の各項目に関して3段階評価をした。すなわち、評価は3:合格、2および1:不合格の3段階である。
(i)仕上り外観(平面平滑性)
3:ハジキがなく、平滑である
2:ハジキはないが、塗膜に若干波打ちあり
1:ハジキがあり、塗膜に大きなうねりがある
(ii)基材への付着性
JIS K 5400に基づき、2mm幅碁盤目でのビニルテープ剥離(全100目)における残存マス目数を求めた。
【0048】
3:残存マス目が98〜100
2:残存マス目が90〜97
1:残存マス目が89以下
(iii)耐塩水噴霧性(耐塩水腐食性)
塩水噴霧試験(JIS Z 2371)を行い、72時間後の発錆比率で示す。
【0049】
3:1%未満
2:1〜10%
1:10%以上
(iv)アルカリ溶解性(皮膜溶解除去性)
液温を60℃に調整した5%水酸化ナトリウム水溶液に20分間浸漬し、この間の塗膜の脱膜を百分率で示す。
【0050】
3:90%以上脱膜
2:50%以上〜90%未満の脱膜
1:50%未満の脱膜
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
表2からわかるように、本発明に係る光硬化性組成物を含む鋼管一時防錆用塗料を使用した実施例1〜4は各性能に関して良好な結果を与えた。これに対して、比較例1は酸価が高すぎるため耐塩水噴霧性に劣り、比較例2は、逆に酸価が低すぎるためアルカリ溶解性に劣る。比較例3〜5は構成成分のいずれか一つでも欠けると何らかの性能が劣る。これらの結果から理解されるように本発明に係る光硬化性組成物は、鋼管一時防錆の用途において、仕上りの外観、付着性、耐塩水噴霧性、防錆性、アルカリ溶解性にバランス良く優れている。
Claims (15)
- (A)光硬化性(メタ)アクリレート樹脂と、
(B)カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(C)リン酸(メタ)アクリレート化合物と、
(D)2官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(E)3官能以上の多官能(メタ)アクリレートモノマーと、
(F)光重合開始剤と
を含有する一時防錆用の光硬化性組成物。 - 上記光硬化性(メタ)アクリレート樹脂(A)が、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエーテル(メタ)アクリレートおよびポリウレタン(メタ)アクリレートからなる群から選ばれた少なくとも1種の光硬化性(メタ)アクリレート樹脂である請求項1に記載の光硬化性組成物。
- 上記カルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマー(B)が、2−(メタ)アクリロイルオキシアルキルハイドロゲンフタレート、(メタ)アクロイルオキシサリチレート、(メタ)アクリロイルオキシ脂肪族ジカルボン酸ハーフエステルからなる群から選ばれた少なくとも1種のカルボキシル基含有単官能(メタ)アクリレートモノマーである請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
- 上記2官能(メタ)アクリレートモノマー(D)が、アルコキシアルキルジ(メタ)アクリレート、脂肪族ジ(メタ)アクリレート、脂環式ジ(メタ)アクリレート、芳香族ジ(メタ)アクリレートおよびこれらの誘導体からなる群から選ばれた少なくとも1種の2官能(メタ)アクリレートモノマーである請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 上記光重合開始剤(F)が、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、α−アクリルベンゾイン、ベンジル、ベンゾフェノン、2−エチルアントラキノン、1−クロルアントラキノン、2−クロルアントラキノン、チオキサントン、クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−メチル−[4−(メチル)チオフェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノンからなる群から選ばれた少なくとも1種の光重合開始剤である請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 上記組成物の酸価が30〜120の範囲にあることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 上記組成物の各成分の配合割合が(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分の合計100重量部に対して、(A)成分が、10〜40重量部、(B)成分が、10〜40重量部、(C)成分が、1〜15重量部、(D)成分が、10〜50重量部、(E)成分が、1〜15重量部および(F)成分が1〜10重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 上記組成物の各成分の配合割合が(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分および(F)成分の合計100重量部に対して、(A)成分が、15〜35重量部、(B)成分が、15〜35重量部、(C)成分が、2〜10重量部、(D)成分が、15〜45重量部、(E)成分が、2〜10重量部および(F)成分が3〜7重量部の範囲にあることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の光硬化性組成物。
- 防錆顔料を含有することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載された光硬化性組成物。
- 請求項1〜10のいずれかに記載された光硬化性組成物から形成された光硬化皮膜。
- 請求項1〜10のいずれかに記載された光硬化性組成物からなり、耐塩水腐食性に優れ、アルカリ水溶液による皮膜溶解除去性に優れた光硬化性鋼管一時防錆用塗料組成物から形成された光硬化皮膜。
- 基材の表面上に、請求項1〜10のいずれかに記載された光硬化性組成物から形成された光硬化皮膜。
- 鋼管の表面に、請求項1〜10のいずれかに記載された光硬化性組成物の皮膜が形成され、耐塩水腐食性に優れ、使用後のアルカリ水溶液による皮膜溶解除去性に優れることを特徴とする一時防錆光硬化被覆鋼管。
- 鋼管の表面に、請求項1〜10のいずれかに記載された光硬化性組成物の皮膜を形成させることを特徴とする一時防錆方法。
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