JP4286013B2 - 自動車用ホイールのハブ孔加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用ホイールに係り、詳しくは、そのディスク部に形成されたハブ孔の開口径を拡径する加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
自動車用ホイールは、中央に設けられたハブ孔を、ハブが連結された車軸に嵌め込むと共に、その周囲に形成されたハブ取り付け面に設けられたボルト孔を、ハブに配設されたボルト部に嵌め込み、該ボルト部とナットとによりホイールを締め付けることによって、該ホイールを車軸に固定することが一般的である。このハブ孔には、開口縁に沿ってホイール前面方向に起立してなる、円筒形状のハブ孔フランジが形成されている構成のものが存在する。そして、このハブ孔フランジの外周面には、キャップ溝が周成され、該キャップ溝にホイールキャップの爪部が係止されることによって、ハブ孔を覆うホイールキャップが係着され、車軸が隠れるようになっている。
【0003】
ところで、このようなハブ孔フランジは、例えば、ホイールリムにホイールディスクを内嵌して溶接されてなる、いわゆる2ピースタイプの自動車用ホイールにあって、該ホイールディスクをプレス加工により成形する工程で形成されるようにしている。このプレス加工工程にあって、ホイールディスクを成形する板状基材のほぼ中心に円形開口部を開孔し、所定形状の金型を該円形開口部の周縁を押圧することによって、該周縁をホイール前面方向にほぼ直角に折り曲げて成形されることが一般的であり、様々な加工方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
このように成形されるハブ孔フランジは、プレス加工前の板状基材の板厚によって、該ハブ孔フランジの肉厚が決まることとなる。そのため、例えば、自動車のモデルチェンジ等によって車重が増加する場合には、自動車用ホイールの強度を向上させるように、ホイールディスクの肉厚を厚肉化する必要が生じるから、板状基材の板厚を増やすこととなり、これに従ってハブ孔フランジの肉厚も厚く成形されることとなる。ここで、ハブ孔の開口径は、上記のように自動車の車軸の外径に合わせる必要があるから、容易に変更することはできない。そのため、ハブ孔の開口径を所定寸法とするように、ハブ孔フランジの内周径を基準として、肉厚増加分だけ外周径を大きくするようにした加工方法、又は、外周径を基準として、ハブ孔フランジの内周面をバイト等によって切削する削成加工を行うようにした加工方法のいずれかが行われていた。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−224773号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述したように、ハブ孔の開口径を所定寸法とするために、ハブ孔フランジの外周径を大きくする加工方法にあっては、上述したハブ孔フランジを折り曲げ加工する金型が新たに必要となり、さらに、大きくなった外周径に応じて、ハブ孔フランジに係着させるホイールキャップが新たに必要となっていた。そのため、金型費用が増加すると共に、ホイールキャップの成形工程を新たに設定するための時間と費用とが発生するという問題が生じていた。また、ハブ孔フランジの内周面をバイト等により切削加工する方法にあっては、プレス加工の終了後に、該プレス加工の加工ラインから切削加工の加工ラインにホイールディスクを移動させる必要があるため、加工工程が繁雑化すると共に、製造工程にかかるランニングコストが増加するという問題が生じていた。
【0007】
一方、自動車のハブから突成する車軸の外径は、自動車メーカーにより異なる規格を設定している。そのため、例え、同じ形状の自動車用ホイールでも、ハブ孔の開口径を各メーカーの車軸径に合わせて、別々の金型を用いて製造していた。このため、金型費用が個別に発生すること、製造ラインを複数必要とすること等の問題があった。
【0008】
本発明は、かかる課題を解決し、適正かつ容易に、ハブ孔の開口径を拡径することができる自動車用ホイールのハブ孔加工方法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ハブ孔の開口縁に沿ってホイール前面方向に起立してなるハブ孔フランジの、その内周面を削成して、該ハブ孔の開口径を所定寸法に整形する自動車用ホイールのハブ孔加工方法において、ハブ孔フランジの外周面と上部円環面の周縁とを抜きダイスにより保持した後に、進出前面の周縁に押削り部を備え、かつ該押削り部の後方に半径方向外側に拡がる傾斜部を備えてなる削剥パンチを、ホイール背面方向からハブ孔に押し入れて、該押削り部がハブ孔フランジの内周面を削り剥がす押削り過程と、その削り剥された跡の押削り面を該傾斜部が周方向に押圧して拡げる押拡げ過程とを連続的に行なうことにより、ハブ孔の開口径を拡径させる削剥加工を実行するようにしたことを特徴とする(請求項1)。
【0010】
一般的に材料を削り剥がすことにより所望の形状を成形する加工方法(いわゆる、シェービング加工)にあって、加工時に母材が変形することや、削り面が荒れること等を防ぐため、一回の削り剥がし量の上限は肉厚の約10%とし、さらに、削り剥がす加工面積も比較的小さくして、複数回の加工を行うようにしている。また、孔等の内周面を削り剥がす場合には、削り剥がし量を一層慎重に設定しなければ、孔の内周面から作用する締め付けによって、削り剥がすパンチ等の冶具を引き抜くことができなくなる。そのため、このような加工方法を、ハブ孔フランジの内周面を削成してハブ孔の内周径を拡径する場合に用いることは難しかった。上記の本発明にあっては、このような問題点を解決し、一回の加工によって適切にハブ孔フランジ部の内周面を必要量削り剥がし、ハブ孔の開口径を拡径させる加工方法である。
【0011】
かかる加工方法にあって、抜きダイスをハブ孔フランジに外嵌することにより、ハブ孔フランジの外周面と上部円環面の周縁とを保持し、該ハブ孔フランジの外形状が加工時に変形することの無いようにする。その後、削剥パンチをハブ孔に押し入れることにより、該削剥パンチの押削り部が、ハブ孔フランジの内周面を削り剥がしていく。ここで、押削り部は、所定の開口径寸法より若干小さい状態となるように、内周面を一気に削り取る。すなわち、ハブ孔フランジの肉厚に対して10%以上の厚みを削り剥がす。さらに、この押削り部による押削り過程と連続して、該押削り部の後方に形成された傾斜部が、該押削り過程で削り剥がされた押削り面を周方向に圧縮して徐々に押し拡げていくことにより、該押削り面を平滑な内周面に成形し得ることとなる。そして、この削剥パンチをハブ孔フランジ内に所定量進出させると、押削り過程及び押拡げ過程を終了して、該削剥パンチをハブ孔フランジから退出させる。ここで、ハブ孔フランジの内周面は、押拡げ過程によって傾斜面として形成されているから、削剥パンチを締め付けることなく容易に引き抜くことができる。従って、削剥パンチを引き抜く過程で内周面を荒らすことも無い。このように、削剥パンチを一回進退出することによって、押削り部により削り剥がす押削り過程と、傾斜部により押圧する押拡げ過程とを順次行う削剥加工が実行されることとなるから、ハブ孔フランジの外形を変更することなく、容易かつ適切に、ハブ孔の開口径を所定寸法に拡径することが可能となる。而して、自動車のモデルチェンジ等によってホイールディスクの肉厚を増加させることとなった場合にあっても、従前通りプレス加工した後、本発明の削剥加工によりハブ孔の開口径を拡径することができるから、新たに金型を作る必要もなく、また、既存のホイールキャップを利用することもできるため、これらに係る費用を削減できる。さらに、この削剥加工は、ホイールディスクを成形するプレス加工工程で行うことができるから、製造ラインを新たに追加する必要もないため、ランニングコストの増加を抑制できるという優れた利点もある。さらにまた、かかる削剥加工を用いることにより、自動車メーカーによって異なる車軸径に合わせるホイールを、同形状のホイールを流用してハブ孔の開口径を拡径することにより製造できるから、製造ラインを複数設ける必要もなくなり、製造コストを低減することができる。
【0012】
また、上述した削剥パンチが、傾斜部の前方に、押削部から連成され、該押削部に比して外径の大きい段付き形状からなる均し部を備えるものとし、該削剥パンチをハブ孔に押し入れることにより、押削り過程後に、該押削過程で形成された押削面を、該均し部が押し拡げて均斉化する均し過程を行ない、その後押拡げ過程を連続して行なうようにしたハブ孔加工方法(請求項2)が提案される。上述したように、ハブ孔フランジの内周面を押削り部により削り剥がす押削り過程にあって、該ハブ孔フランジの肉厚に対し10%越える厚みを削り剥がすようにすると、削り剥がした跡の押削り面は、荒れた波形状に生成される。これは、削り剥がす厚みが増えるに従って顕著になる。この押削り面を傾斜部により押し拡げても、ほぼ平滑とすることはできても、波形状の模様が残ることとなり得る。そのため、かかる方法にあっては、削剥パンチの押削部と傾斜部との間に均し部を設け、該均し部が押削り面を押拡げて均斉化することによって、該押削り面の波形状を均すことができるようにしたものである。而して、この後の、傾斜部による押拡げ過程により、波形模様が残存しない、一層平滑性に優れた面を形成することが可能となる。
【0013】
さらにまた、削剥パンチの傾斜部が、軸方向に対して1°から10°の範囲の傾斜角により形成されてなるものとしたハブ孔加工方法(請求項3)が提案される。かかる傾斜角とする傾斜部により、削り剥がされた後の面を、徐々に、かつ充分に押圧し拡げていくことができるから、一層適正に平滑化された内周面を形成することができる。さらに、この傾斜部により押し拡げられてなる傾斜面が適切な傾斜角となることから、当該削剥パンチの引き抜き過程にあって、該傾斜面を傷つけることなく、削剥パンチを一層容易に引き抜くことが可能となる。ここで、この傾斜部の傾斜角を1°より小さくすると、押し拡げる量も少なくなり、充分に平滑な面を形成することができない。さらに、押拡げ過程により成形された傾斜面の傾斜角が小さくなることから、削剥パンチを締め付ける力が作用することにもなりえ、該削剥パンチを引き抜く過程で傾斜面を傷つけることともなる。一方、傾斜角を10°より大きくすると、軸方向に亘ってハブ孔フランジの偏肉化率が大きくなるから、薄肉の根本部分に応力集中が発生し易くなり、充分な強度を確保することが難しくなる。そして、このような傾斜部の傾斜角を1°から5°の範囲とすることにより、一層適切にハブ孔フランジの内周面を成形でき、好適に用い得る。
【0014】
一方、削剥パンチによる削剥加工の終了後、ハブ孔フランジの内周面を、ホイール軸方向に略平行なストレート形状として、ハブ孔の開口径を所定寸法に整える仕上げ加工を行うようにしたハブ孔加工方法(請求項4)も提案される。かかる仕上げ加工により成形したストレート形状の内周面は、車軸と一層適正な嵌合状態を形成できるから、当該ホイールを自動車に、ぶれや芯ズレ等を生じることのないよう適切に装着することを、容易に行い得るという利点が生ずる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例を添付図面に従って説明する。
図1は、プレス加工によって成形されたスチール製のホイールディスク1の斜視図である。このホイールディスク1がホイールリム(図示省略)に嵌合され、該ホイールディスク1の外周縁に形成されたフランジ部2で該ホイールリムに溶接されることによって一体化されて、自動車用ホイール(図示省略)が製造されることとなる。ここで、ホイールディスク1の中央には、ハブ孔3が設けられており、該ハブ孔3の開口縁に沿って、ホイール前面方向に起立する円筒形状のハブ孔フランジ4が形成されている。このハブ孔フランジ4の外周面5には、キャップ溝6が周成されている。また、ハブ孔フランジ4の半径方向外側には、周方向に互いに均等間隔で形成されたボルト孔7が配設され、さらにその外側には、ホイール前面方向に隆起する隆起部8が設けられている。この隆起部8の外側には、飾り孔9が形成され、その外側にホイール軸方向とほぼ平行となるフランジ部2が形成されている。
【0016】
このハブ孔フランジ4には、図2のように、その外周面5に周成されたキャップ溝6に、ホイールキャップ10の内周面に形成された爪部11が係止されて、該ホイールキャップ10がハブ孔フランジ4に係着される。尚、このホイールキャップ10は、プラスチック材料や金属材料等からなるものが好適に用いられる。
【0017】
この自動車用ホイールは、自動車のハブ30から突成された車軸31にハブ孔3を嵌め合わせる(図2参照)と共に、該ハブ30から突出するボルト(図示省略)にボルト孔7を嵌め、このボルトをナットにより締め付けることにより、ホイールディスク1の背面に形成されたハブ取付面(図示省略)をハブ30に圧着させ、自動車に装着されることとなる。
【0018】
このような自動車用ホイールが、自動車のモデルチェンジによる車重増加に従って、ホイールディスク1の肉厚増加をすることとなると、該ホイールディスク1を成形する板状基材に板厚の厚いものを使用する。このように厚肉の板状基材を用いて同じ形状のホイールディスク1を、プレス加工により成形加工した場合にあって、このモデルチェンジ前に成形したハブ孔フランジ4(図3(イ)参照)と同じ寸法形状の外周面5を成すように加工すると、図3(ロ)のように、板状基材の板厚増加により、肉厚が内周方向に増加してハブ孔3の開口径A’が小さいハブ孔フランジ4aが成形される。このため、車軸31が嵌入できるように、ハブ孔フランジ4aの内周面13を削剥し、ハブ孔3の開口径A’を拡げる加工を行う。
【0019】
次に、本発明にかかるハブ孔加工方法について説明する。
本実施例にあっては、ハブ孔フランジ4aの外形状が削成加工により変形しないように、図4(イ)に表す、該ハブ孔フランジ4aの外周面5及び上部の円環面12(図3参照)の周縁を保持する抜きダイス14を使用する。この抜きダイス14には、ハブ孔フランジ4aに嵌入される嵌入口15と、該嵌入口15の開口端からハブ孔フランジ4aの高さと同じとなる深さ位置まで、該ハブ孔フランジ4aの外周面5と略同形状に形成されてなる外周保持面16と、該外周保持面16の最深位置で開口径を小さくする円環形状の上部保持面17とが形成されている。ここで、この上部保持面17における開口径は、後述する削剥パンチ19(図4(ロ)参照)の押削り部20とほぼ同じ大きさであって、かつ、該押削り部20が嵌入できるようになっている。
【0020】
一方、この削剥パンチ19にあっては、図4(ロ)のように、円形状の進出前面部21の周縁に押削り部20が形成され、その後方に、この押削り部20と同じ外径のストレート周面を成し、これと連成され、該外径に比して大きい外径となる均し部22が形成されている。さらに、この均し部22から後方に向かって、半径方向外側に傾斜角θで傾斜する傾斜部23が形成されている。ここで、本実施例にあって、削剥パンチ19の押削り部20は、ハブ孔3を所定の開口径Aに拡径する総加工量の約90%を一度に削り剥がすように、その外径が設定されている。また、傾斜部23の傾斜角θは、軸方向に対し約2°としている。そして、この削剥パンチ19は、後述するように、均し部22がハブ孔フランジ4aの円環面12と同位置となるまで押し入るように制御され、該削剥パンチ19を引き抜いた跡には、傾斜部23によって押し拡げられた傾斜面24が形成されることとなる。
【0021】
次に、このような抜きダイス14と削剥パンチ19を用いてハブ孔3を拡径する削剥加工を説明する。
上述したように、従前の板厚に比して厚肉の板状基材をプレス加工することにより、ホイールディスク1を成形する。ここで、ハブ孔フランジ4aは、その外形を、従前の板状基材を成形した場合(図3(イ)参照)と同じ寸法形状となるように成形される(図3(ロ)参照)。これにより、ハブ孔3の開口径A’は、小さく成形されることとなる。ここで、本実施例にあっては、このハブ孔フランジ部4aの肉厚を約5mmとして、ハブ孔3の開口径A’を車軸31の外径に合うように、該肉厚を約3.5mmに削剥加工することとした。すなわち、削成加工により削り取る量は肉厚の約30%であり、ハブ孔3を約3mm拡径させることとしている。
【0022】
このハブ孔フランジ4aに、図5A(イ)のように、上述した抜きダイス14をホイール前面方向から外嵌させる。この抜きパンチ14により、ハブ孔フランジ4aの外周面5が外周保持面16で保持され、円環面12の周縁が上部保持面17で保持されることとなる。
【0023】
そして、上述した削剥パンチ19を、図5A(ロ)のように、ホイール背面側からハブ孔フランジ4aに、進出前面部21を先頭に押し入れる。これにより、削剥パンチ19の押削り部20が、ハブ孔フランジ4aの内周面を押削り取っていく押削り過程が進行する。ここで、この押削り部20が削り取る量は、約1.35mm(当該削剥加工における総加工量の約90%)としており、初期肉厚5mmの約27%が押し削り剥がされていく。このように一度に多量を削り取っても、上記の抜きダイス14によってハブ孔フランジ4aの外形状が保持される。また、この押削り部20には、その前方に押し削られたスクラップ26が滞留し、該押削り過程の進行に伴って増加していく。尚、この押削り部20によって削り取られた跡は、波形状の凹凸となる荒れた押削り面25となる。
【0024】
この削剥パンチ19がさらに押し入っていくと、図5A(ハ)のように、上記押削り部20に連成された均し部22が進入することとなる。この均し部22によって、上記の押削り面25が半径方向外側に向かって押し拡げられる均し過程が進行する。この均し過程によって、押削り面25に形成されている凹凸の波形が均斉化されることとなる。ここで、ハブ孔フランジ4aの、押削り部20が押し入っている位置では押削り過程が進行し、その後方で均し部22が押し入っている位置では均し過程が進行することとなる。
【0025】
そして、均し部22の進入した直後から、図5B(ニ)のように、該均し部22に連成された傾斜部23が連続して進入することとなり、該傾斜部23の傾斜角θに従って押し拡げられていく。この押拡げ過程によってほぼ平滑となる傾斜面24が形成されることとなる。このように、押削り過程と、その後に連続して実行される均し過程と押拡げ過程とによって、ハブ孔3の開口径A’を拡径し、ハブ孔フランジ4aの内周面を均斉化された平滑な傾斜面24としていく。そして、図5B(ホ)のように、押削り過程を行う押削り部20がハブ孔フランジ4aから抜け出ると、スクラップ26が抜きダイス14内に進入して、ハブ孔フランジ4aから離脱することとなる。さらに、図5B(ヘ)のように、均し部22が円環面12と同位置となると、内周の全体に亘って傾斜面24が形成されることとなり、当該削剥パンチ19の進入を停止する。その後、この削剥パンチ19を後退させて引き抜く(図示省略)。これにより、順次進行した押削り過程、均し過程、押拡げ過程とからなる削剥加工が終了し、傾斜面24を備えたハブ孔フランジ4bが成形されることとなる。尚、この削剥パンチ19を引き抜く過程にあって、ハブ孔フランジ4bにはホイール背面方向に拡がる傾斜面24が形成されていることから、該過程により該傾斜面24に傷等を生じることが無い。
【0026】
このような削剥加工の後、該削剥加工で成形した、ハブ孔フランジ4bの傾斜面24を、ホイール軸方向と略平行とするストレート面に成形する仕上げ加工を実行する。この仕上げ加工にあっては、図6(イ)のように、ホイール前面側からハブ孔フランジ4bを外嵌する仕上げ上型28と、ホイール背面側からハブ孔フランジ4bの開口基縁部32を支持する仕上げダイス29とによって、該開口基縁部32を挟持する。そして、図6(イ)から図6(ロ)のように、傾斜面24をストレート面に成形する仕上げパンチ27をホイール前面方向から進入させる。ここで、仕上げパンチ27にあっては、ハブ孔フランジ4bの前面における開口径よりも小径に形成された進出前面部から徐々に拡径する傾斜部と、その後方で外径を、ハブ孔フランジ4の肉厚を約3.5mmとして成る所定の開口径Aと同じ寸法とするストレート部とが連成してなる。この仕上げ加工にあっては、ハブ孔フランジ4bに、この仕上げパンチ27が進入するに従って、傾斜面24が押し拡げられ、所定の開口径Aに拡径されてなる略ストーレート面の内周面13が整形されることとなる。こうして、上述した削剥加工前の肉厚約5mmから約3.5mmに削成されてなるハブ孔フランジ4が成形される。そして、ハブ孔3の開口径Aを所定寸法に拡径させる、削剥加工と仕上げ加工とが順次実行されるハブ孔加工工程が終了する。尚、この仕上げ加工にあって、仕上げパンチ27をホイール背面方向から進入させると、該仕上げパンチ27を引き抜いた後に、スプリングバック等が発生し易く、所定の開口径Aを成形できない場合もある。そのため、本実施形態例のように、仕上げパンチ27をホイール前面方向から進入させる方法が好適な加工方法である。
【0027】
このようなハブ孔加工工程にあって、プレス加工ラインに追加設定することにより、比較的容易かつ適切に、ハブ孔3を所定の開口径Aに成形加工することができるから、ホイールディスク1の板厚を厚肉化する場合であっても、製造ラインを操業するまでに要する時間を短縮でき、製造コストの増加を抑制することができる。さらに、本発明のハブ孔加工方法にあっては、ハブ孔フランジ4の肉厚を比較的多量に削り剥がす場合にあっても、上記した削剥パンチ19の一回の進退作動により形成することができるから、上述した従来の、新たに金型を作り成形加工する方法や、ハブ孔フランジ4の内周面13をバイト等によって切削加工する方法に比して、製造におけるランニングコストの増加を大きく低減できるという優れた利点もある。
【0028】
上述した実施例にあっては、自動車のモデルチェンジ等により、ホイールディスク1の肉厚を厚肉化する場合の、ハブ孔3の開口径を所定寸法に拡径する場合を例示したものであるが、その他、自動車メーカーによって異なる車軸径に対応するホイールの製造に用いることも可能である。例えば、同じ形状の自動車用ホイールにあって、大小2種の車軸径寸法に合わせたハブ孔3を必要とする場合に、車軸径の小さい方(ハブ孔3の開口径A’の小さい方)に合わせてプレス加工してホイールディスク1を成形する。その後、このホイールディスク1のハブ孔3の開口径A’を車軸径の大きい方に合わせるため、該ホイールディスク1のハブ孔フランジ4の内周面13を、上述したハブ孔加工工程により削成し、大きい車軸径に合う開口径Aのハブ孔3を有するホイールを得ることができる。これにより、比較的容易に、車軸径の異なる複数類の自動車用ホイールを製造することが可能となるから、製造コストの低減を一層進行させえ、市場競争力をさらに向上させることが可能となる。
【0029】
本発明は上述の実施例に用いたスチール製の自動車用ホイールだけでなく、アルミニウム製の自動車用ホイール、マグネシウム製の自動車用ホイール等にも適用可能である。また、ハブ孔3の開口径Aを拡径する必要が生じた自動車用ホイールにあっては、プレス加工により製造されるものだけでなく、鋳造により製造されるものにも適用することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明のハブ孔加工方法は、上述したように、抜きダイスをハブ孔フランジに外嵌して、ハブ孔フランジの外周面と上部円環面の周縁とを保持した後、進出前面の周縁に押削り部を備え、かつ該押削り部の後方に半径方向外側に拡がる傾斜部を備えてなる削剥パンチを、ホイール背面方向からハブ孔に押し入れて、該押削り部がハブ孔フランジの内周面を削り剥がす押削り過程と、その削り剥された跡の押削り面を該傾斜部が周方向に押圧して拡げる押拡げ過程とを連続的に行なうことにより、ハブ孔の開口径を拡径させる削剥加工を実行するようにしたものであるから(請求項1)、ハブ孔フランジの肉厚に比して削剥量が多い場合でも、該削剥パンチを一回進退出することによって、ハブ孔フランジの外形を変更することなく、ほぼ平滑な内周面を形成でき、容易かつ適切にハブ孔の開口径を所定寸法に拡径することが可能である。また、自動車のモデルチェンジ等によってホイールディスクを厚肉化する場合にあっても、かかるハブ孔加工方法により、所定の開口径を有するハブ孔を容易に成形できると共に、既存のホイールキャップを利用できるという利点がある。さらに、この削剥加工は、ホイールディスクを成形するプレス加工工程で行うことができるから、製造ラインを新たに追加する必要もないため、ランニングコストの増加を抑制できるという優れた利点もある。さらにまた、自動車メーカーによって異なる車軸径に合わせるホイールを、同形状のホイールを流用してハブ孔の開口径を拡径することにより製造することもできるため、製造ラインを複数設ける必要もなくなり、製造コストを低減することができる。
【0031】
上述した削剥パンチが、傾斜部の前方に、押削部から連成され、該押削部に比して外径の大きい段付き形状からなる均し部を備えるものとし、該削剥パンチをハブ孔に押し入れることにより、押削り過程後に、該押削過程で形成された押削面を、該均し部が押し拡げて均斉化する均し過程を行ない、その後押拡げ過程を連続して行なうようにしたハブ孔加工方法(請求項2)にあっては、削剥パンチの押削部と傾斜部との間に均し部を設けることにより、該均し部が押削り面を押拡げて均斉化し、該押削り面の波形状を均すこととなり、一層平滑性に優れた内周面を形成することができる。
【0032】
また、削剥パンチの傾斜部が、軸方向に対して1°から10°の範囲の傾斜角により形成されてなるものとしたハブ孔加工方法(請求項3)にあっては、押削り過程で削り剥がされた面を、傾斜部により徐々に、かつ充分に押し拡げることができ、一層適正に平滑化されてなる内周面を形成することができる。さらに、削剥パンチの引き抜き過程にあって、傾斜面を傷つけることなく、削剥パンチを一層容易に引き抜くことが可能となる。
【0033】
一方、削剥パンチによる削剥加工の終了後、ハブ孔フランジの内周面を、ホイール軸方向に略平行なストレート形状として、ハブ孔の開口径を所定寸法に整える仕上げ加工を行うようにしたハブ孔加工方法(請求項4)にあっては、車軸と一層適正な嵌合状態を形成できる内周面を成形でき、当該ホイールを自動車に、ぶれや芯ズレ等を生じることのないよう適切に装着することを、容易に行い得るという利点が生ずる。
【図面の簡単な説明】
【図1】自動車用ホイールのホイールディスク1の斜視図である。
【図2】ホイールキャップ10を係着したハブ孔フランジ4を表す断面図である。
【図3】厚肉化した板状基材によりプレス加工されたハブ孔フランジ4aを表す断面図である。
【図4】本発明にかかる抜きダイス14を表す断面図、及び削剥パンチ19を表す側面図である。
【図5A】本発明にかかる、押削り過程と均し過程とを表す工程図である。
【図5B】図5Aから連続し、押拡げ過程を表す工程図である。
【図6】本発明にかかる、仕上げ工程を表す工程図である。
【符号の説明】
1 ホイールディスク
3 ハブ孔
4、4a、4b ハブ孔フランジ
5 外周面
12 円環面
13 内周面
14 抜きダイス
19 削剥パンチ
20 押削り部
22 均し部
23 傾斜部
A、A’ 開口径
Claims (4)
- ハブ孔の開口縁に沿ってホイール前面方向に起立してなるハブ孔フランジの、その内周面を削成して、該ハブ孔の開口径を所定寸法に整形する自動車用ホイールのハブ孔加工方法において、
ハブ孔フランジの外周面と上部円環面の周縁とを抜きダイスにより保持した後に、進出前面の周縁に押削り部を備え、かつ該押削り部の後方に半径方向外側に拡がる傾斜部を備えてなる削剥パンチを、ホイール背面方向からハブ孔に押し入れて、
該押削り部がハブ孔フランジの内周面を削り剥がす押削り過程と、その削り剥された跡の押削り面を該傾斜部が周方向に押圧して拡げる押拡げ過程とを連続的に行なうことにより、ハブ孔の開口径を拡径させる削剥加工を実行するようにしたことを特徴とする自動車用ホイールのハブ孔加工方法。 - 削剥パンチが、傾斜部の前方に、押削部から連成され、該押削部に比して外径の大きい段付き形状からなる均し部を備えるものとし、該削剥パンチをハブ孔に押し入れることにより、押削り過程後に、該押削過程で形成された押削面を、該均し部が押し拡げて均斉化する均し過程を行ない、その後押拡げ過程を連続して行なうようにしたことを特徴とする請求項1記載の自動車用ホイールのハブ孔加工方法。
- 削剥パンチの傾斜部が、軸方向に対して1°から10°の範囲の傾斜角により形成されてなるものとしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記載の自動車用ホイールのハブ孔加工方法。
- 削剥パンチによる削剥加工の終了後、ハブ孔フランジの内周面を、ホイール軸方向に略平行なストレート形状として、ハブ孔の開口径を所定寸法に整える仕上げ加工を行うようにした請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の自動車用ホイールのハブ孔加工方法。
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