JP4907811B2 - クラッチギヤの面取り加工方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、切削により形成される仕上げ面に対してその仕上げ面と交差する面を有したクラッチギヤを製造するにあたり、切削加工により発生するバリを最小限に抑えるための技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
成型品の一部を平面に切削加工して仕上げられた仕上げ面には、その仕上げ面と交差する面との角部に、図12に示すように、切削工具の移動方向に向けてバリ22が発生する。
そのため、発生したバリをワイヤーブラシやヤスリ、電解バリ取り機等を使用して除去し、必要に応じて角部に面取り加工を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一つの製品に対してバリが発生する箇所は複数あることが多く、それらを個々に除去する作業は煩雑であり、しかも殆んどが手作業のため仕上げ面に傷を付けたりバリ取り跡の仕上がりにばらつきがあって歩留りが悪い。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、切削により発生するバリの抑制と、角部の仕上がり具合の均一化を図り、作業性の向上と品質の安定性を高めることを目的としたクラッチギヤの面取り加工方法であって、その構成は、切削により形成される上側及び/又は下側の仕上げ面に対して開口した抜き穴又は凹部を有したクラッチギヤを製造するにあたり、切削する面と抜き穴又は凹部との角部に、予め面取りをプレス成型しておき、仕上げ加工では、仕上げ面と抜き穴又は凹部との角部に、前記プレス成型された面取りが残るように切削することと、切削により形成される仕上げ面に対して開口した抜き穴を有したクラッチギヤを製造するにあたり、抜き穴を、仕上げ面の反対側より仕上げ面側にパンチで打ち抜いて抜き穴と仕上げ面との角部に抜き勾配を形成し、仕上げ加工では、前記抜き穴と仕上げ面との角部に形成された抜き勾配が残るように切削することとにある。
そして前記成型品の成型と面取りの成型とは、1回の加圧動作にて同時に行なうことが望ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係る面取り加工方法を、穴付きクラッチギヤを例にした実施例につき、図面に基づいて説明する。
図1は鍛造装置を利用した成型工程を示したもので、1は上型、2は下型である。
下型2には、上面が開放された円盤状のキャビティ2aが形成され、そのキャビティ2a内には、中央にマンドレル3が立設されている。
一方上型1には、マンドレル3に対応した部位に逃げ凹部4が掘設されると共に、その逃げ凹部4と同心の円軌跡上に、等間隔にて押し込みパンチ5.5・・が突設されている。
そしてそれら押し込みパンチ5.5・・の根元には、図2に示す如く、切削する面とその面と交差する面との角部に対応した部位に面取り形成面6が周設されている。
【0006】
このような鍛造装置を用いて下型2のキャビティ2a内にドーナツ状のワークWをセットし、上型1を下降させてワークWを加圧すると、キャビティ2a内でワークWが潰され、押し込みパンチ5.5はワークW内に深くめり込む(図1のb)。
成型が終了したら上型1を上昇させ、そのあとノックアウトピン(図示せず)にて押し上げ、脱型すれば、上面に凹部7.7を有した一次成形品W1を得ることができる(図1のc)。
この一次成型品W1には、図3に示すように、仕上げ面と凹部7との角部に面取り8が形成されている。
【0007】
一次成型品W1はその後切削にて周面に歯形9を形成すると共に、凹部7が形成されている面を切削して仕上げ面Fを形成し、製品W2とされる。
前記仕上げ加工は、図4に示すように、仕上げ面Fと凹部7との角部に面取り8が残されるように切削することが必要であって、そのようにすることで、切削方向延長上にバリを発生させないようにできる。
【0008】
前記第1実施例は、片面のみに凹部を有した製品について説明したが、両面に凹部を有した製品にも適用可能であって、次にその実施例を図5に基づいて説明する。
尚、図中第1実施例と共通する部材については同一符号を付し、詳細説明は省略する。
この鍛造装置は、上型1と下型2とに夫々上パンチ10とカウンタパンチ11とが対称的に配置されていて、それらパンチ10.11の根元にも、前記第1実施例で説明したパンチと同様に、切削する面とその面と交差する面との角部に対応した部位に面取り形成面6が周設されている。
【0009】
上型1を下降させてワークWを加圧すると、キャビティ2a内でワークWが潰され、上パンチ10とカウンタパンチ11に押し付けられた面にはそれぞれ口元に面取り8を有した凹部12.13が形成される(図6参照)。
脱型後は、両面を切削により仕上げ加工するが、その場合も、前記第1実施例と同様に、仕上げ面Fと凹部12.13との角部に面取り8が残されるように切削することで、切削方向延長上にバリを発生させなくできる。
凹部同士で挟まれた部分はそのまま残しても良いし、図7に示すようにピアス処理にて抜き穴14に加工することもできる。
【0010】
抜き穴は一次成型品の段階で形成しておくことができ、鍛造にて抜き穴を形成する場合、一定の条件を満たすことで所望角度の抜き勾配を形成することができるので、その抜き勾配を面取りの代用として利用できるメリットもある。
そこで次に抜き穴を有した一次成型品について、図8に基づき説明する。
鍛造装置には、上型1に、キャビティの深さより僅かに長い抜き落としパンチ15が突設され、下型2には、抜き落としパンチ15に対応する位置に、断面積が抜き落としパンチ15より僅かに大きい抜き落とし穴16が形成されている。
このような装置にてドーナツ状のワークWに抜き穴17を成型すると、上面には面取り8が形成される一方で、下側の開口周りには、図9に示すような抜き勾配18が形成される。
そこで、上面は前記第1或いは第2実施例と同じく、仕上げ面Fと抜き穴17との角部に面取り8が残されるように切削し、下面の仕上げ加工では、仕上げ後に抜き勾配18が残るように切削し、抜き勾配を面取りの代用とする。
それにより角部におけるバリの発生が抑制される。
【0011】
抜き勾配は、そのまま面取りの代用とするばかりでなく、抜き穴成型後、図8の(c)に示す如く、キャビティ2aの底に、面取り整形部19を有した下パンチ20が突設された装置にて、図10に示す如く、抜き勾配を面取りに整形してから、切削による仕上げ加工することもできる。
【0012】
いずれの実施例でも、歯形を有しない一次成型品に切削で歯形を形成しているが、歯形は、凹部の成型や穴抜きと同時成型することもできる。
又面取りは、凹部の口元周りだけではなく、切削することによって切削面の延長上にバリが発生する部位、即ち仕上げ面と交差する角部であれば何処でもかまわないのであって、図11に示すような突部21の先端面を仕上げ加工する場合にも好適利用される。
【0013】
このように本発明によれば、角部に予め鍛造手段にて成型された面取りが残されるように切削する為、仕上げ加工しても角部にバリが発生することはない。
実施例は、面取りと凹部、或いは抜き穴とを一回のプレス動作にて同時に成型しているため工程数が少なくて済むが、面取り以外は、総てを切削により形成することもできる。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、クラッチギヤには仕上げ面とその仕上げ面と交差する面との角部には、鍛造によってすでに面取りが形成されているのでバリは発生せず、バリ取りが不要となるばかりか、鍛造にて形成された面取りはどのクラッチギヤも寸分違わず均一となり、ばらつきはなくなる。
よって作業性の向上が図れ、均一した品質が保証される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る方法の第1実施例を示した説明図である。
【図2】 上パンチ部分の拡大説明図である。
【図3】 一次成型品における凹部部分の説明図である。
【図4】 切削による仕上げ面の説明図である。
【図5】 第2実施例の成型工程を示した説明図である。
【図6】 第2実施例における一次成型品の凹部部分を示した説明図である。
【図7】 ピアス加工の説明図である。
【図8】 第3実施例における成型工程を示した説明図である。
【図9】 第3実施例における一次成型品の抜き穴部分を示した説明図である。
【図10】 第3実施例において、抜き勾配が面取りに整形された抜き穴部分の説明図である。
【図11】 仕上げ加工面の変更例を示した説明図である。
【図12】 従来におけるバリの発生状態を示した説明図である。
【符号の説明】
1・・上型、2・・下型、2a・・キャビティ、3・・マンドレル、4・・逃げ凹部、5・・押し込みパンチ、6・・面取り形成面、7・・凹部、8・・面取り、9・・歯形、10・・上パンチ、11・・カウンタパンチ、12.13・・凹部、14・・抜き穴、15・・抜き落としパンチ、16・・抜き落とし穴、17・・抜き穴、18・・抜き勾配、19・・面取り整形部、20・・下パンチ、21・・突部、22・・バリ、W・・ワーク、W1・・一次成型品、W2・・製品、F・・仕上げ面。
Claims (3)
- 切削により形成される上側及び/又は下側の仕上げ面に対して開口した抜き穴又は凹部を有したクラッチギヤを製造するにあたり、切削する面と抜き穴又は凹部との角部に、予め面取りをプレス成型しておき、仕上げ加工では、仕上げ面と抜き穴又は凹部との角部に、前記プレス成型された面取りが残るように切削することを特徴としたクラッチギヤの面取り加工方法。
- 成型品の成型と面取りの成型とが一回のプレス動作で同時に行われる請求項1に記載したクラッチギヤの面取り加工方法。
- 切削により形成される仕上げ面に対して開口した抜き穴を有したクラッチギヤを製造するにあたり、抜き穴を、仕上げ面の反対側より仕上げ面側にパンチで打ち抜いて抜き穴と仕上げ面との角部に抜き勾配を形成し、仕上げ加工では、前記抜き穴と仕上げ面との角部に形成された抜き勾配が残るように切削することを特徴としたクラッチギヤの面取り加工方法。
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