JP4614260B2 - ドッグクラッチ穴付き変速用歯車の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、専ら二輪車の変速機で採用されているドッグクラッチ機構用のドッグクラッチ穴付き変速用歯車の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドッグクラッチ機構は、ドッグクラッチ爪が突設されたのオス側と、凹形状或いは貫通穴形状のドッグクラッチ穴が形成されたメス側との一対で構成され、噛み合いしあう回転方向側面の相互間には、抜け止め用としてドッグクラッチ嵌め合わせ側からみた場合に開口部から徐々に広がる逆テーパが付けられている。
メス側となるドッグクラッチ穴付き変速用歯車を成形するには、無垢の素材から変速用歯車部と逆テーパ付きのドッグクラッチ穴とを削り出すか、予め側面に軸と平行なストレートのクラッチ穴が形成された荒地を鍛造にて成型し、そのストレートのドッグクラッチ穴に対し、切削手段によって噛み合い面に逆テーパを形成している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
複数のドッグクラッチ穴を一つづつ削り出すには多大な時間を要するし、切削屑が大量に出るので材料の無駄が多く、製品精度にばらつきが生じやすい。
又、専用の生産設備が必要となって、コスト高を招いてしまう。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、抜け止め機能を有したドッグクラッチ穴付き変速用歯車の生産性向上と、品質の安定化を図る技術の提供にあり、その構成は、鍛造手段によって、変速用歯車部におけるドッグクラッチ嵌め合わせ側面と反対側の面から、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面の寸前にまで達するテーパ付きの凹部、或いはドッグクラッチ嵌め合わせ側の面まで貫き通したテーパ付きの抜き穴を形成する第一工程と、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面を切削加工する第二工程とにより、貫通した逆テーパ付きのドッグクラッチ穴を形成するドッグクラッチ穴付き変速用歯車の製造方法と、鍛造手段によって、変速用歯車部におけるドッグクラッチ嵌め合わせ側面と反対側の面からドッグクラッチ嵌め合わせ側の面まで貫き通したテーパ付きの抜き穴を形成する第一工程と、鍛造手段により、前記抜き穴におけるドッグクラッチ嵌め合わせ側開口部の口元に面取りを形成する第二工程と、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面を切削加工する第三工程とにより逆テーパ付きのドッグクラッチ穴を形成するドッグクラッチ穴付き変速用歯車の製造方法とにある。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係るドッグクラッチ穴付き変速用歯車及びその製造方法を図面に基づいて説明する。
図1は第一工程を示したもので、1は上型、2は下型である。
下型2には、上面が開放された円盤状のキャビティ2aが掘設され、そのキャビティ2a内には、中央にマンドレル3が立設されている。
一方上型1には、前記下型2のマンドレル3に対応した部位に逃げ凹部4を備えると共に、その逃げ凹部4と同心の円軌跡上に、等間隔にて押し込みパンチ5.5・・が突設されている。
前記押し込みパンチ5には、噛み合い面を含む全側面にテーパ面F.Fが形成されている。
【0006】
このような鍛造装置を用いて下型2のキャビティ2a内にドーナツ状のワークWをセットし、上型1を下降させてワークWを加圧すると、キャビティ2a内でワークWが潰され、押し込みパンチ5.5はワークW内に深くめり込む(図1のb)。
成型が終了したら上型1を上昇させ、そのあとノックアウトピン(図示せず)にて押し上げ、脱型すれば、上面に凹部6.6を有した一次成型品W1を得ることができる(図1のc)。
【0007】
一次成型品W1には、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面の寸前にまで達するテーパ付きの凹部6が形成されているので、第二工程でドッククラッチ爪嵌め合わせ側の面を、凹部6の底部分が完全に削り落とされるまで切削し、抜き穴7.7・・を有した二次成形品W2を形成する(図3のb)。
その後、切削加工にて周面に歯形8を設ければ、製品W3が完成される(図3のc)。
【0008】
このように成型することで、ドッグクラッチ穴としての抜き穴7は、内周に鍛造手段にて成型された逆テーパ面が形成されるので、切削によっていちいち逆テーパ面を加工する必要はない。
【0009】
前記の実施例は、鍛造手段によって、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面の寸前にまで達するテーパ付きの凹部を形成しておき、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面を切削してり抜き穴を形成しているが、鍛造手段で一気に抜き穴を形成することもできる。
次にその変更例を説明する。
図4において、9は上型、10は下型であり、上型9には、キャビティ10aの深さより僅かに長い抜き落としパンチ11が突設され、下型10には、抜き落としパンチ11に対応する位置に、その抜き落としパンチ11より断面積が僅かに大きい抜き落とし穴12が形成されている(図4のa)。
このような装置にてドーナツ状のワークWをセットして上型9を下降させると、抜き落としパンチ11に相当する部分が抜き落とされ(図4のb)、抜き穴13の成型された一次成型品W1を得ることができる(図4のc)。
【0010】
そこで、前記と同じく、第二工程でドッグクラッチ嵌め合わせ側の面を切削して二次成形品W2を形成し、その二次成形品W2の周面に歯形8を形成すれば製品3が完成される(図5)。
このように第一工程で抜き穴を成型すれば、クラッチ噛み合い側の面の切削代は少なくて済むし、抜き落とし側の口元には図6に示すように、抜き勾配14が形成されるので、抜き勾配14が残るように切削加工した場合、バリの発生が減少する。
【0011】
切削時に発生するバリは抜き勾配により減少するが、よりバリを発生させないためには、抜き穴13を成型後、第三工程で口元に面取りを形成すると効果的である。
面取りを形成するには、例えば図7に示す如く、キャビティ2aの底に、面取り整形面15が根元に周設された下パンチ16.16・・を設けた装置により、鍛造手段で面取り17.17を成型し、面取り成型品W2aを形成するのが望ましい。
【0012】
いずれの実施例も、歯形を有しない成型品に切削で歯形を形成しているが、歯形は、キャビティに歯形形成用歯型を設けることで、凹部の成型や穴抜きと同時成型することもできる。
【0013】
このように本発明によれば、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面と反対側の面からみてテーパ付きの凹部を形成し、その後凹部の底を削り取って抜き穴とするか、最初から一気に抜き穴を鍛造手段にて形成することにより、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面からみて逆テーパ付きのドッグクラッチ穴とするので、ドッグクラッチ穴の内側に鍛造で逆テーパ面を成型することが可能となり、切削による煩雑なテーパ加工は不要となる。
又、第一工程で抜き穴を形成すると、抜き落とし側、すなわちドッグクラッチ嵌め合わせ側の面の周縁に抜き勾配が形成されるので、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面を切削した場合にバリの発生が少なくなり、抜き落とし側の口元周りに鍛造による面取りを設けておけば、バリの発生は更に減少する。
【0014】
【発明の効果】
本発明によれば、鍛造手段を最大限利用して逆テーパ付きのドッグクラッチ穴を形成することにより、作業性の向上が図られ、均一した品質が保証される。
又、抜き穴を形成することで、抜き勾配や面取りを利用したバリの発生抑制効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る製造方法の第一工程を示した説明図である。
【図2】 押し込みパンチの説明図である。
【図3】 本発明に係る製造方法の第二工程と製品の説明図である。
【図4】 変更例の第一工程を示した説明図である。
【図5】 変更例の二次成形品と製品の説明図である。
【図6】 抜き勾配を利用してバリの発生を抑える説明図である。
【図7】 口元の周縁に面取りを形成する工程説明図である。
【符号の説明】
1・・上型、2・・下型、2a・・キャビティ、3・・マンドレル、4・・逃げ凹部、5・・押し込みパンチ、6・・凹部、7・・抜き穴、8・・歯形、9・・上型、10・・下型、10a・・キャビティ、11・・抜き落としパンチ、12・・抜き落とし穴、13・・抜き穴、14・・抜き勾配、15・・面取り成型面、16・・下パンチ、W・・ワーク、W1・・一次成型品、W2・・二次成形品、W2a・・面取り成型品、W3・・製品、F・・テーパ面。
Claims (2)
- 鍛造手段によって、変速用歯車部におけるドッグクラッチ嵌め合わせ側の面と反対側の面から、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面の寸前にまで達するテーパ付きの凹部、或いはドッグクラッチ嵌め合わせ側の面まで貫き通したテーパ付きの抜き穴を形成する第一工程と、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面を切削加工する第二工程とにより、貫通した逆テーパ付きのドッグクラッチ穴を形成するドッグクラッチ穴付き変速用歯車の製造方法。
- 鍛造手段によって、変速用歯車部におけるドッグクラッチ嵌め合わせ側面と反対側の面からドッグクラッチ嵌め合わせ側の面まで貫き通したテーパ付きの抜き穴を形成する第一工程と、鍛造手段により、前記抜き穴におけるドッグクラッチ嵌め合わせ側開口部の口元に面取りを形成する第二工程と、ドッグクラッチ嵌め合わせ側の面を切削加工する第三工程とにより逆テーパ付きのドッグクラッチ穴を形成するドッグクラッチ穴付き変速用歯車の製造方法。
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