JP3759401B2 - 窓穴付き歯車及びその歯車の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、自動車用マニュアルトランスミッションに使用されるマルチコーンシンクロメッシュタイプのクラッチギヤに代表される窓穴付き歯車の技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
窓穴付き歯車の窓穴は、従来、鍛造或いは切削にて形成された窓穴のない製品に、ドリル及びリーマ加工にて丸穴を形成したり、フライス或いはブローチ加工にて堀設したり、プレスにより打ち抜き形成されていた。
ドリル及びリーマ加工は、加工に要する設備や工具の消耗費もさることながら、窓穴の形状が丸穴に限定されてしまうので、クラッチギヤの径による丸穴加工径等の自由度が制限されてしまい、又、クラッチギヤと丸穴との形成が別工程で行なわれるため、クラッチギヤに対する穴ピッチの精度確保が難しい。
而も、切削屑が付着したりバリが発生するなど、均一した製品の品質確保も難しい。
フライス、ブローチ加工では、窓穴が丸穴に限定されることはないが、ドリル及びリーマ加工と同様、切削特有の設備及び工具の消耗、効率が悪いこと、切削屑やバリの発生、クラッチギヤに対する溝ピッチの確保が困難であることに加え、工具の逃げによる捨て加工が必要であるため、強度不足になりがちである。
それに対してプレスによる打ち抜きは、加工時間が短く、窓孔の形状も自由なため大量生産には好都合である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
プレスによる打ち抜きで形成された窓孔は、打ち抜き方向にバリが発生するので、そのバリを除去するため、切削による後加工が必要であるばかりか、打ち抜き用のダイは、抜きバリの処理を考慮した構造としなくてはならないので、構造が複雑化してしまう。
而も前記後加工のための切削は、断続切削であるため、工具の寿命を極端に短かくしてしまうし、又窓孔も貫通孔に限定されてしまうし、打ち抜きの際、窓孔に近い位置に形成されている歯形と窓孔から離れた位置に形成されている遠い歯形とに加わる力の差によって、歯形を均一に維持させることは難しい。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、歯形への影響を最小限に留めると共に、窓穴形状の自由度を広げ、精度を高めた窓穴付き歯車に関する技術であって、その構成は、周囲に歯形が予備成形された一次成型品の片側面を加圧することにより、他側面へ肉を押し出して複数の窓穴用陥没部を形成すると同時に、予備成形された歯形を放射方向へ張り出させ、他側面に押し出された肉を切除して形成された窓穴付き歯車と、周囲に歯形が予備成形された一次成型品の片側面を加圧することにより、他側面へ肉を押し出して複数の窓穴用陥没部を形成すると同時に、予備成形された歯形を放射方向へ張り出させ、他側面に押し出された肉を切除して形成する歯車の製造方法と、内周面に歯形成型用歯形を備え、底面に陥没部形成用のカウンターパンチが突設された下型と、前記カウンターパンチに対応する位置に、余肉逃がし用の凹部を有した上型とから成る窓穴付き歯車の製造装置とにある。
そして前記製造方法にあっては、他側面に押し出された肉を、陥没部の底に達する直前まで切除することで、底付き窓穴としたり、他側面に押し出された肉を、陥没部の底に達するまで切除することで、貫通した窓孔とすることができる。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明に係る窓穴付き歯車及びその歯車の製造方法及び製造装置を図面に基づいて説明する。
図1は歯車の製造装置を示したもので、1は下型、2は上型であって、下型1は、キャビティ3の内周面に歯形成型用歯形4を備え、キャビティ3の底部中央にはノックアウトピン5を介して昇降動作するエジェクタ6が配置され、そのエジェクタ6の周囲には、カウンターパンチ7がニブベース8上に形成されたニブ9内に収容された状態にて立設されている。
一方上型2は、中央に位置するマンドレル10の周囲に、内側からインナーパンチ11、センターパンチ12、アウターパンチ13とで構成されたパンチ群が同心円状に配置され、それらは上型締め付けリング14によりクランプされ、上型本体部15に取り付けられている。
そして前記センターパンチ12には、下型1におけるカウンターパンチ7に対応した位置に、余肉逃がし用の凹部16が形成され、又、アウターパンチ13には、キャビティ3の内周面に形成された歯形成型用歯形4に対応した歯形17が形成されており、当然ながらそれら歯形成型用歯形4と歯形17とは位相合わせされている。
【0006】
このように形成された製造装置を利用して、一次成型品を窓穴付き歯車に形成する工程を説明する。
一次成型品18は、リング状の圧板形状で、外周には、チャンファ付きのクラッチ歯19が予備成形されていると共に、一方の側面には、窓穴形成部分に窪み20が設けられている。
そしてこの一次成型品18の外径は、最終製品に比べて僅かに小径となるように設定されている。
尚、一次成型品18には、必要に応じて熱処理、ショットブラスト、ボンデ等の前処理が施される。
【0007】
一次成型品18を、窪み20を有した面を下にし、窪み20を、カウンターパンチ7と歯形成型用歯形4とに対して位相が合うよう下型1にセットし(図2)、上型2を下降させてパンチ群により一次成型品18を加圧すると、窪み20がカウンターパンチ7によって拘束され(図3)、カウンターパンチ7が一次成型品18内に深くめり込んで陥没部21が形成され、それにより生じた余肉は、パンチ群のセンターパンチ12に形成された凹部16内に押し出されると共に、放射方向に肉の流れを起こさせ、クラッチ歯形19を放射方向に張り出させる(図4)。
加圧が終了したら上型2を上昇後、エジェクタ6によって脱型する(図5)。
【0008】
脱型された製品22は、加圧によって正規の製品寸法を満足し、放射方向への張り出し力によって高い精度のクラッチ歯に仕上げられ、窓穴形成部の肉が反対側に押し出されることによって応力が分散することで、全周に亘って均一したクラッチ歯の形状が維持されている。
又、陥没部21の形成面と反対側の面には肉が押し出されて隆起部23が形成されているので、少なくとも隆起部23を側面に沿って切削にて削り取る。
【0009】
窓穴は、前記切削過程で、陥没部の底に達する寸前まで切除すれば底付き窓穴製品となり、底に達するまで切除すれば貫通窓穴製品とすることができる(図6)。
そして陥没部は鍛造により形成するので、形状の自由度が広く、クラッチ歯と窓穴用陥没部とが同じダイの中で仕上げられるため、クラッチ歯に対する穴ピッチに狂いはなく、品質においても信頼性が高い。
又有底穴の窓穴にあっては、いずれの面を開放させるかの選択が可能である。
【0010】
実施例の装置は、上型を、インナーパンチとセンターパンチ、それにアウターパンチとから成るパンチ群で構成しているので、加圧面に逃がし用の凹部を設ける上において形成が容易である。
【0011】
【発明の効果】
本発明によれば、窓穴を形成するに際して、片側面を加圧することにより、他側面へ肉を押し出して複数の窓穴用陥没部を形成、即ち、窓穴に相当する肉を加圧方向に押し出すと同時に、放射方向に対する張り出し力を利用して歯形の精度アップを図るので、高い品質の製品を歩留まりよく製造できる。
又、押し出された余肉が加圧方向に押し出された状態で一体に残っているため、抜きバリのような排除手段は一切考慮する必要はなく、型構造が複雑化しない。
更に、切削深さの調整により、製品に形成される窓穴形状は、有底穴でも貫通孔でも自在である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る窓穴付き歯車の製造装置を示した説明図である。
【図2】一次成型品をセットする説明図である。
【図3】加圧工程の説明図である。
【図4】加圧工程の説明図である。
【図5】脱型工程の説明図である。
【図6】窓穴が底付き穴と貫通孔との製品形状を示した説明図である。
【符号の説明】
1・・下型、2・・上型、3・・キャビティ、4・・歯形成型用歯形、5・・ノックアウトピン、6・・エジェクタ、7・・カウンターパンチ、8・・ニブベース、9・・ニブ、10・・マンドレル、11・・インナーパンチ、12・・センターパンチ、13・・アウターパンチ、14・・上型締め付けリング、15・・上型本体部、16・・凹部、17・・歯形、18・・一次成型品、19・・クラッチ歯、20・・窪み、21・・陥没部、22・・製品、23・・隆起部。
Claims (5)
- 周囲に歯形が予備成形された一次成型品の片側面を加圧することにより、他側面へ肉を押し出して複数の窓穴用陥没部を形成すると同時に、予備成形された歯形を放射方向へ張り出させ、他側面に押し出された肉を切除して形成された窓穴付き歯車。
- 周囲に歯形が予備成形された一次成型品の片側面を加圧することにより、他側面へ肉を押し出して複数の窓穴用陥没部を形成すると同時に、予備成形された歯形を放射方向へ張り出させ、他側面に押し出された肉を切除して形成する歯車の製造方法。
- 他側面に押し出された肉を、陥没部の底に達する直前まで切除することで、底付き窓穴とした請求項2に記載した歯車の製造方法。
- 他側面に押し出された肉を、陥没部の底に達するまで切除することで、貫通した窓孔とする請求項2に記載した歯車の製造方法。
- 内周面に歯形成型用歯形を備え、底面に陥没部形成用のカウンターパンチが突設された下型と、前記カウンターパンチに対応する位置に、余肉逃がし用の凹部を有した上型とから成る窓穴付き歯車の製造装置。
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