JP2003117619A - プレス成形方法及びそれに用いる装置 - Google Patents

プレス成形方法及びそれに用いる装置

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JP2003117619A JP2001313094A JP2001313094A JP2003117619A JP 2003117619 A JP2003117619 A JP 2003117619A JP 2001313094 A JP2001313094 A JP 2001313094A JP 2001313094 A JP2001313094 A JP 2001313094A JP 2003117619 A JP2003117619 A JP 2003117619A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半抜き加工中において中間製品の外周に生じ
る肩だれを随時補修することにより、プレス成形の作業
効率、ならびにプレスによる型抜き成形品の仕上がり精
度をともに向上させる。 【解決手段】 プレス成形方法であって、素材10をプ
レスすることにより、外周が前記素材10につながった
状態の中間製品16を半抜き加工する。そしてこの半抜
き加工と並行して前記中間製品16の中央部分を加圧
し、その中央部分の肉を前記中間製品16の前記外周に
向けて移動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレスによって金
属板などの素材から主としてリングギヤなどを成形する
ためのプレス成形方法及びそれに用いる装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のプレス成形に関しては、例えば
特開平9-248646号に開示されている技術が公知である。
この技術では、まず第1工程においてプレスのダイスと
パンチとの間にセットされた板状の素材をプレス加工に
よって打ち抜く。この打ち抜きにより、外周に歯部を有
し、かつ周縁部分にフランジが生じたリングギヤの中間
製品(粗型)を成形する。つぎに、この中間製品の表裏
を反転して第2工程のダイスとパンチとの間にセット
し、第1工程とは逆の方向からプレス加工する。このプ
レス加工によって中間製品のフランジが加圧され、その
分の余肉が第1工程で生じた歯部先端の肩だれに寄せら
れ、この肩だれが補修される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし打ち抜き加工に
よって生じる成形品の肩だれを補修するためには、第1
工程のプレス型で成形された中間製品を第2工程のプレ
ス型に移す必要があり、プレス成形の作業効率が低下す
る。また打ち抜き加工で一度生じてしまった肩だれを、
その後の第2工程で補修しようとしても中間製品を加圧
したときの肉の流動性がわるく、成形品の仕上がり精度
が低下する。本発明は前記課題を解決しようとするもの
で、その目的は、半抜き加工中において中間製品の外周
に生じる肩だれを随時補修することにより、プレス成形
の作業効率、ならびにプレスによる型抜き成形品の仕上
がり精度をともに向上させることである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は前記目的を達成
するためのもので、請求項1に記載の発明は、プレス成
形方法であって、素材をプレスすることにより、外周が
前記素材につながった状態の中間製品を半抜き加工す
る。そしてこの半抜き加工と並行して前記中間製品の中
央部分を加圧し、その中央部分の肉を前記中間製品の前
記外周に向けて移動させる。このように半抜き加工中に
おいて中間製品の中央部分から外周へ肉を移動させるこ
とにより、半抜き加工時に生じる中間製品の外周端部か
ら素材側への肉の流出分が円滑に補充され、半抜き加工
中は外周の肩だれが随時補修される。したがってプレス
成形の作業効率がよく、生産性が向上するとともに、プ
レスによる型抜き成形品の仕上がり精度が向上する。
【0005】請求項2に記載の発明は、プレス成形方法
であって、つぎの第1〜3工程からなっている。 第1工程;素材をプレスすることにより、外周が前記素
材につながった状態の中間製品を半抜き加工するととも
に、この半抜き加工と並行して前記中間製品の中央部分
を加圧し、その中央部分の肉を前記中間製品の前記外周
に向けて移動させる。 第2工程;前記中間製品を前記素材の側に押し戻して前
記中間製品の前記外周と前記素材とのつながりを切断す
る。第3工程;前記中間製品を前記素材から分離すると
ともに、前記中間製品の前記中央部分を打ち抜いてピア
ス孔を加工する。
【0006】これにより、半抜き加工中において中間製
品の肩だれが随時円滑に補修されるとともに、中間製品
を素材の側に押し戻して相互のつながりを切断すること
で、通常の型抜き加工によればバリが生じやすい中間製
品の外周部分をバリなし状態で仕上げることができる。
このためバリ取りのための切削工程が不要になり、一貫
した連続プレス成形が可能となる。しかも中間製品の肉
を外周に向けて移動させるために加圧することで変形し
た中央部分は、打ち抜かれて製品に必要な孔になる。
【0007】請求項3に記載の発明は、プレス成形方法
であって、つぎの第1〜3工程からなっている。 第1工程;素材をプレスすることにより、外周に歯部を
有するリングギヤの中間製品を、前記素材と前記歯部と
がつながった状態にトリム加工するとともに、このトリ
ム加工と並行して前記中間製品の中央部分を成形パンチ
によって加圧し、その中央部分の肉を前記歯部に向けて
移動させる。 第2工程;前記中間製品を前記素材の側に押し戻して歯
部と前記素材とのつながりを切断する。 第3工程;前記中間製品を前記素材から分離するととも
に、前記中間製品の前記中央部分を打ち抜いてリングギ
ヤの中心孔を加工する。 これにより、トリム加工に伴って歯部の端部から素材側
へ移動する肉が随時円滑に補充され、歯部の肩だれを常
に補修しつつリングギヤの中間製品を成形し、その後に
リングギヤとして仕上げることができる。
【0008】請求項4に記載の発明は、プレス成形装置
であって、外周に歯部を有するリングギヤの中間製品
を、その素材と前記歯部とがつながった状態に半抜き加
工することが可能なギヤパンチおよびギヤダイスと、こ
のギヤダイスの中心部に配置され、半抜き加工時に前記
中間製品の中央部分を加圧する成形パンチとを備えてい
る。これにより、リングギヤの中間製品を半抜き加工し
ている間は成形パンチで中間製品の中央部分が加圧さ
れ、それに伴う中央部分から外周への肉の移動によって
歯部の肩だれが随時補修され、リングギヤの仕上がり精
度が向上する。
【0009】請求項5に記載の発明は、請求項4に記載
されたプレス成形装置であって、前記ギヤダイスに、前
記素材を外側から受け止めて前記中間製品における前記
歯部の端部から前記素材への肉の流出を抑えるストッパ
ーが設けられている。これにより、中間製品の中央部分
を加圧することに伴って歯部の端部に肉が効果的に充填
され、歯部の肩だれが適正に補修される。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。図1はリングギヤの予備成形品を表した説明図、
図2,3はリングギヤの中間製品を成形工程順に表した
説明図、図4は仕上げ工程でのリングギヤの完成製品を
表した説明図、図5はリングギヤの完成製品のみを表し
た説明図である。なお図1〜5において各図面の(A)
は平面図、(B)は断面図を表している。
【0011】図1(A)(B)で示すリングギヤ用の素
材10は、所定寸法(5mm程度)の肉厚をもった円形の
金属板であり、この素材10の中央部には予備ピアス孔
12があけられている。なお図1(B)には、予備ピア
ス孔12を加工したときに素材10から打ち抜かれたピ
アス屑14が示されている。この予備ピアス孔12の加
工は、図6で示すピアス金型機構30によって行われ
る。
【0012】図2においては、外周に歯部18を有する
リングギヤの中間製品16を素材10から半抜き加工し
た状態が示されている。この中間製品16は、素材10
がその予備ピアス孔12を基準としてトリム加工された
ものであるが、完全にトリムするのではなく、中間製品
16の外周(歯部18)と素材10とは未だつながって
いる。図2(B)の円形で囲んだ部分が図2(C)に拡
大して示されている。この図で明らかなように素材10
と、中間製品16における歯部18の先端部とは、薄肉
の連通部分19でつながっている。また中間製品16に
おいては、予備ピアス孔12の内周部分が加圧され、そ
の内径が押し広げられた格好に変形している。このトリ
ム加工は、図7で示すトリム金型機構40によって行わ
れる。
【0013】図3では、図2における第1の中間製品1
6を素材10の側に押し戻した状態が示されている。こ
れによって中間製品16と素材10とをつないでいた薄
肉の連通部分19が切断され、第2の中間製品20が得
られる。この加工は、図9で示す平押し金型機構60に
よって行われる。
【0014】図4では、図3で示す第2の中間製品20
を素材10から打ち抜くとともに、中間製品20の中央
部分を打ち抜いた状態が示されている。これによって図
5でも示すように、外周に完成歯部24を備え、かつ中
心孔26を有するリングギヤ22(完成製品)が得られ
る。なお図4(B)には、中心孔26を形成したときに
中間製品20から打ち抜かれたピアス屑28が示されて
いる。図4の加工は、図10で示す仕上げ金型機構80
によって行われる。
【0015】図6(A)(B)で示すピアス金型機構3
0は、プレス装置の上型(図示外)側にパンチホルダー
32が設けられ、このパンチホルダー32の中央部にピ
アスパンチ34が設けられている。またパンチホルダー
32には、ピアスパンチ34の外周に位置するストリッ
パー36が設けられている。パンチホルダー32および
ピアスパンチ34は共に昇降動作し、これらに対してス
トリッパー36は相対的な昇降動作が可能となってい
る。なおストリッパー36には、複数本のピン37を通
じて上型側から所定の押し下げ力(油圧力)が作用して
いる。ピアス金型機構30は、下型(図示外)側にピア
スダイス38が設けられ、このピアスダイス38はピア
スパンチ34と対向する箇所において凹部39を備えて
いる。
【0016】図6(A)で示すように、ピアス金型機構
30のストリッパー36とピアスダイス38とによって
素材10をクランプする。この状態でプレス装置の上型
がパンチホルダー32およびピアスパンチ34と共に下
降すると、図6(B)で示すようにピアスパンチ34と
ピアスダイス38とによって図1で示す予備ピアス孔1
2が加工される。このときに打ち抜かれたピアス屑14
は、ピアスダイス38の凹部39に落ちる。
【0017】図7で示すトリム金型機構40は、プレス
装置の上型(図示外)側にパンチホルダー42、ギヤパ
ンチ44およびストリッパー46が設けられている。ま
た下型(図示外)側にダイホルダー48、ギヤダイス5
0、エジェクター52および成形パンチ56が設けられ
ている。
【0018】上型側のギヤパンチ44はパンチホルダー
42と共に昇降可能で、かつ下型における成形パンチ5
6の先端部が進入可能な中空形状になっている。またス
トリッパー46はギヤパンチ44の外周に位置し、パン
チホルダー42およびギヤパンチ44に対して相対的に
昇降動作するようになっている。このストリッパー46
には複数本のピン47を通じて上型側から所定の押し下
げ力(油圧力)が作用している。
【0019】下型側のギヤダイス50はダイホルダー4
8に固定されているとともに、内周に中間製品16の歯
部18を成形するための歯形(図示外)を備えた円筒形
状をしている。このギヤダイス50の内側にエジェクタ
ー52が位置し、さらにエジェクター52の内側に成形
パンチ56が位置している。エジェクター52は、ギヤ
ダイス50および成形パンチ56に対して相対的に昇降
可能であり、かつ複数本のピン54を通じて下型側から
所定の押し上げ力(油圧力)を受けている。成形パンチ
56はダイホルダー48に固定され、その先端部はテー
パ形状になっている。
【0020】トリム金型機構40によるプレス加工にあ
たっては、図7(A)で示すように予備ピアス孔12が
加工された素材10をギヤパンチ44とエジェクター5
2とによってクランプする。この状態でプレス装置の上
型(パンチホルダー42)が下降することにより、ギヤ
パンチ44およびストリッパー46によって素材10が
エジェクター52と共にその押し上げ力に抗して押し下
げられる。
【0021】これによって図7(B)で示すように素材
10は上型側のギヤパンチ44、ストリッパー46と、
下型側のエジェクター52、ギヤダイス50とによって
クランプされた状態になる。これと同時に予備ピアス孔
12の内周が成形パンチ56のテーパ面に押し付けられ
て密着する。したがって、これ以上に予備ピアス孔12
の内周が成形パンチ56のテーパ面に押し付けられる
と、予備ピアス孔12の周辺が加圧されて素材10の肉
が中央部分から外周に向かって移動することになる。ま
た図7(B)で示す状態における素材10の外周は、ギ
ヤダイス50に形成されているストッパー51によって
外側から受け止められている。
【0022】図7(B)の状態からパンチホルダー42
がさらに下降することにより、図7(C)で示すように
ストリッパー46を残してギヤパンチ44のみが下降す
る。これによって素材10は、ギヤパンチ44とエジェ
クター52でクランプされている部分が、ストリッパー
46とギヤダイス50でクランプされている外周部分に
対して押し下げられ、図2で示す第1の中間製品16が
半抜き加工(トリム成形)される。これと並行して予備
ピアス孔12に成形パンチ56のテーパ面が押し込ま
れ、予備ピアス孔12の周辺が加圧される。この結果、
予備ピアス孔12の周辺の肉が中間製品16の外周に向
かって移動する。
【0023】一般に、中間製品16のトリム成形が開始
された直後から素材10における板厚の約30%のストロ
ークでは、この中間製品16における歯部18の先端部
からその外周部に位置する素材10へ肉が流出して肩だ
れが生じる。しかし予備ピアス孔12の周辺の肉が外周
に向かって移動することにより、歯部18の先端部から
流出する肉が随時補充され、歯部18の肩だれが補修さ
れる。また、このときに素材10の外周はギヤダイス5
0のストッパー51により外側から受け止められている
ので、ストリッパー46とギヤダイス50との間からの
肉の流出が抑えられ、肩だれへの肉の充填がより効果的
に行われる。
【0024】トリム金型機構40による半抜き加工は、
図2(C)で示すようにトリム成形後の素材10と中間
製品16とが連通部分19で相互につながっていること
であるが、この連通部分19はつぎの設定によって成形
される。つまり、ギヤパンチ44の下死点をギヤダイス
50の上面よりも上に設定し、かつギヤパンチ44の外
径をギヤダイス50の内周の歯形よりも大きく設定して
いる。
【0025】このようにプレスによって平板状の素材1
0から中間製品16をトリム成形するとともに、これと
並行して中間製品16の中央部分を加圧してその外周
(歯部18)に向けて肉を移動させる工程を、リングギ
ヤ成形の「第1工程」とする。なおこの「第1工程」に
おける素材10は、予備ピアス孔12を必ずしも必要と
しない。つまりピアス金型機構30による加工を省略し
た板状の素材10をそのまま加工することも可能であ
る。その場合には、図8で示すトリム金型機構40を用
いることになる。この図8のトリム金型機構40は、中
間製品16のトリム成形と並行して下型の成形パンチ5
8により素材10の中央部分が下面側から加圧される構
造になっている。これによっても図7の場合と同様の機
能が得られる。
【0026】図9で示す平押し金型機構60は、プレス
装置の上型(図示外)側にパンチホルダー62および平
押しパンチ64が設けられ、下型(図示外)側にダイホ
ルダー68、平押しダイス70およびガイド72が設け
られている。そして平押しパンチ64は、パンチホルダ
ー62に対して相対的に昇降動作できるとともに、複数
本のピン66を通じて上型側から所定の押し下げ力(油
圧力)を受けている。また平押しダイス70はダイホル
ダー68に固定されているとともに、ガイド72は平押
しダイス70の外周に位置し、平押しダイス70に対し
て相対的に昇降動作可能である。このガイド72には、
複数本のピン74を通じて下型側から所定の押し上げ力
(油圧力)が作用している。
【0027】平押し金型機構60によるプレス加工にあ
たっては、図9(A)で示すように第1の中間製品16
につながった素材10を平押しパンチ64とガイド72
とによってクランプする。このとき、中間製品16は平
押しダイス70にセットされているものの、その上面と
平押しパンチ64との間にはクリアランスがある。この
状態でプレス装置の上型が下降することにより、平押し
パンチ64を通じてガイド72が押し下げられ、結果と
して図9(B)で示すように平押しダイス70によって
中間製品16が素材10の側に押し戻される。
【0028】この平押し加工により、加工開始の直後か
ら連通部分19が徐々に引きちぎられる格好で剪断さ
れ、最終的には素材10と中間製品16とのつながりが
切断されて図3で示す第2の中間製品20が成形され
る。このような切断手段を取り入れることにより、通常
の型抜き加工によるトリム成形ではバリが生じやすい歯
部18の先端部分がバリなし状態で仕上がる。平押し金
型機構60によって中間製品16を素材10の側に押し
戻すことで、素材10とのつながりを切断した中間製品
20の成形工程を、リングギヤ成形の「第2工程」とす
る。
【0029】図10で示す仕上げ金型機構80は、プレ
ス装置の上型(図示外)側にパンチホルダー82、ピア
スパンチ84、ギヤストリッパー86およびストリッパ
ー88が設けられている。また下型(図示外)側にダイ
ホルダー90、ギヤダイス92、ギヤエジェクター94
およびピアスエジェクター96が設けられている。
【0030】上型側のピアスパンチ84はパンチホルダ
ー82と共に昇降可能で、その外周にギヤストリッパー
86が位置し、ギヤストリッパー86の外周にストリッ
パー88が位置している。ギヤストリッパー86および
ストリッパー88は、個々に複数本のピン87,89を
通じて上型側から所定の押し下げ力(油圧力)が作用し
ている。
【0031】下型側のギヤダイス92はダイホルダー9
0に固定され、その内周にリングギヤ22の完成歯部2
4を成形するための歯形(図示外)を備えた円筒形状を
している。このギヤダイス92の内側にギヤエジェクタ
ー94が位置し、さらにギヤエジェクター94の内側に
ピアスエジェクター96が位置している。ギヤエジェク
ター94は複数本のピン95を通じて下型側から所定の
押し上げ力(油圧力)を受けている。またピアスエジェ
クター96も同様に、下型側から所定の押し上げ力を受
けている。
【0032】仕上げ金型機構80によるプレス加工にあ
たっては、図10(A)で示すように第2の中間製品2
0の外周に位置する素材10をストリッパー88とギヤ
ダイス92とでクランプし、かつ中間製品20をギヤス
トリッパー86とギヤエジェクター94とでクランプす
る。この状態でプレス装置の上型(パンチホルダー8
2)が下降することにより、図10(B)で示すように
ピアスパンチ84およびギヤストリッパー86がストリ
ッパー88を残して押し下げられる。これによってギヤ
エジェクター94およびピアスエジェクター96が中間
製品20とともに押し下げられ、中間製品20は素材1
0から分離してギヤダイス92の中に挿入される。この
状態での中間製品20はその歯部18がギヤダイス92
の歯形で拘束されている。
【0033】図10(B)の状態からパンチホルダー8
2がさらに下降することにより、図10(C)で示すよ
うにピアスパンチ84がピアスエジェクター96に作用
している押し上げ力に抗して下降する。この結果、ピア
スパンチ84とギヤエジェクター94とによって中間製
品20の中心部が打ち抜かれる。これによって外周に完
成歯部24を備え、かつ中心孔26を備えたリングギヤ
22(完成製品)が成形される。このように素材10か
ら中間製品20を分離するとともに、この中間製品20
の中央部分を打ち抜いて中心孔26をピアス加工する工
程を、リングギヤ成形の「第3工程」とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】リングギヤの予備成形品を表した説明図
【図2】リングギヤの第1の中間製品を表した説明図
【図3】リングギヤの第2の中間製品を表した説明図
【図4】仕上げ工程におけるリングギヤの完成製品を表
した説明図
【図5】リングギヤの完成製品のみを表した説明図
【図6】プレス装置のピアス金型機構を表した断面図
【図7】プレス装置のトリム金型機構を表した断面図
【図8】トリム金型機構における別の構造例を表した断
面図
【図9】プレス装置の平押し金型機構を表した断面図
【図10】プレス装置の仕上げ金型機構を表した断面図
【符号の説明】
10 素材 16 第1の中間製品 18 歯部 22 リングギヤ(完成製品)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素材をプレスすることにより、外周が前
    記素材につながった状態の中間製品を半抜き加工すると
    ともに、この半抜き加工と並行して前記中間製品の中央
    部分を加圧し、その中央部分の肉を前記中間製品の前記
    外周に向けて移動させるプレス成形方法。
  2. 【請求項2】 素材をプレスすることにより、外周が前
    記素材につながった状態の中間製品を半抜き加工すると
    ともに、この半抜き加工と並行して前記中間製品の中央
    部分を加圧し、その中央部分の肉を前記中間製品の前記
    外周に向けて移動させる第1工程と、前記中間製品を前
    記素材の側に押し戻して前記中間製品の前記外周と前記
    素材とのつながりを切断する第2工程と、前記中間製品
    を前記素材から分離するとともに、前記中間製品の前記
    中央部分を打ち抜いてピアス孔を加工する第3工程とか
    らなるプレス成形方法。
  3. 【請求項3】 素材をプレスすることにより、外周に歯
    部を有するリングギヤの中間製品を、前記素材と前記歯
    部とがつながった状態にトリム加工するとともに、この
    トリム加工と並行して前記中間製品の中央部分を成形パ
    ンチによって加圧し、その中央部分の肉を前記歯部に向
    けて移動させる第1工程と、前記中間製品を前記素材の
    側に押し戻して歯部と前記素材とのつながりを切断する
    第2工程と、前記中間製品を前記素材から分離するとと
    もに、前記中間製品の前記中央部分を打ち抜いてリング
    ギヤの中心孔を加工する第3工程とからなるプレス成形
    方法。
  4. 【請求項4】 プレス成形装置であって、外周に歯部を
    有するリングギヤの中間製品を、その素材と前記歯部と
    がつながった状態に半抜き加工することが可能なギヤパ
    ンチおよびギヤダイスと、このギヤダイスの中心部に配
    置され、半抜き加工時に前記中間製品の中央部分を加圧
    する成形パンチとを備えたプレス成形装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載されたプレス成形装置で
    あって、前記ギヤダイスに、前記素材を外側から受け止
    めて前記中間製品における前記歯部の端部から前記素材
    への肉の流出を抑えるストッパーが設けられているプレ
    ス成形装置。
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